JP2018178892A - 内燃機関の触媒暖機装置 - Google Patents

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伸宏 小笠原
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Abstract

【課題】触媒暖機性を向上させることができる内燃機関の触媒暖機装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、エンジン1から排出される排気ガスが流れる排気通路5と、過給機7の一部であって排気通路5に配置されるタービン9と、タービン9を迂回するようにして排気通路5と接続する排気バイパス通路11と、排気バイパス通路11を開閉するウェイストゲートバルブ12と、排気ガスを浄化する触媒15と、を有し、触媒15は、ウェイストゲートバルブ12よりも排気ガスの流れ方向の下流側の位置における排気通路5に配置される内燃機関の触媒暖機装置において、ウェイストゲートバルブ12は、排気バイパス通路11を流れる排気ガスが触れる箇所にヒータ部42を備えていること、を特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒(触媒コンバータ)を早期に活性化させる内燃機関の触媒暖機装置に関するものである。
内燃機関システムは、一般的に、内燃機関から排出される排気ガスを浄化したうえで外気に排出する触媒を有する。そして、この触媒は、その温度が所望温度以上に上昇して活性化すると、排気ガスを効率良く浄化できるようになる。そのため、例えば内燃機関の冷間始動時においては、触媒を加熱して早期に暖機させることが望ましい。
ここで、特許文献1には、車両用過給装置において、エンジンの暖機時にタービン羽根車に供給される排気ガスを電気ヒータにより加熱することで、加熱された排気ガスによりターボチャージャの排気下流側に配置された触媒の早期暖機を行う技術が開示されている。
特開2013−19342号公報
特許文献1に開示される技術においては、エンジンの暖機時にタービン羽根車に供給される排気ガスとは別に一部の排気ガスについてタービン羽根車を迂回させている。すると、このとき、タービン羽根車を迂回した排気ガスが直接触れるウエストゲートバルブ自体の熱容量により、排気ガスの温度が低下するおそれがある。そのため、排気ガスにより触媒を早期に暖機させることができないおそれがある。すなわち、触媒暖機性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、触媒暖機性を向上させることができる内燃機関の触媒暖機装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一形態は、内燃機関から排出される排気ガスが流れる排気通路と、過給機の一部であって前記排気通路に配置されるタービンと、前記タービンを迂回するようにして前記排気通路と接続する排気バイパス通路と、前記排気バイパス通路を開閉する排気バイパス弁と、前記排気ガスを浄化する触媒と、を有し、前記触媒は、前記排気バイパス弁よりも前記排気ガスの流れ方向の下流側の位置における前記排気通路に配置される内燃機関の触媒暖機装置において、前記排気バイパス弁は、前記排気バイパス通路を流れる前記排気ガスが触れる箇所に発熱部を備えていること、を特徴とする。
この態様によれば、排気バイパス弁によって排気バイパス通路が開かれて排気ガスが排気バイパス通路を流れる状態において、排気ガスが触れる箇所に形成される発熱部を発熱させることにより、排気バイパス弁における排気ガスが触れる箇所から排気ガスの熱エネルギーが奪われることを防ぐことができる。また、排気バイパス弁における排気ガスが触れる箇所を発熱部により加熱できるので、排気ガスを加熱してその温度を効率良く上昇させることができる。そのため、加熱された排気ガスにより触媒の温度を早期に上昇させて、触媒を早期に暖機させることができる。したがって、触媒暖機性を向上させることができる。
上記の態様においては、前記排気バイパス弁は、外気に触れる本体部と、前記発熱部と前記本体部との間に形成され、前記発熱部よりも熱伝導率の低い材質により形成される低熱伝導率部と、を備えていること、が好ましい。
この態様によれば、排気バイパス弁において、発熱部と本体部との間に、発熱部よりも熱伝導率の低い低熱伝導率部が挟まれている。そのため、発熱部による発熱は、低熱伝導率部により本体部に伝わり難くなるので、本体部を介して外気へ排出され難くなる。その一方で、発熱部による発熱は、排気バイパス通路を流れる排気ガスに効率良く伝わる。したがって、発熱部を発熱させることにより、排気ガスの温度を効率良く上昇させることができる。
上記の態様においては、前記内燃機関の冷間始動時に該当するか否かを判定する冷間始動判定部と、前記冷間始動判定部により前記内燃機関の冷間始動時に該当すると判定がなされたときに、前記発熱部を発熱させる発熱制御部と、を有すること、が好ましい。
この態様によれば、内燃機関の冷間始動時にて、発熱部による発熱により排気ガスを加熱してその温度を上昇させることができるので、触媒を早期に暖機させることができる。そのため、内燃機関の冷間始動時において、触媒暖機性を向上させることができる。
上記の態様においては、前記触媒が活性化したか否かを判定する触媒活性判定部を有し、前記発熱制御部は、前記冷間始動判定部により前記内燃機関の冷間始動時に該当すると判定がなされたときに、前記触媒活性判定部により前記触媒が活性化したと判定されたときには、前記発熱部を発熱させないこと、が好ましい。
この態様によれば、触媒が活性化して暖機したときに発熱部を発熱させないので、触媒を早期に暖機させるために必要な発熱部における発熱量を必要最小限に抑えることができる。
上記の態様においては、前記触媒活性判定部は、前記内燃機関に供給される吸気が流れる吸気通路における前記吸気の積算量に基づき前記触媒が活性化したか否かを判定すること、が好ましい。
この態様によれば、吸気通路における吸気の積算量をもとに触媒が活性化したか否かを判定するので、触媒が活性化したか否かを判定するために使用する専用の検出機器などが不要となり、コストを抑制できる。
本発明の内燃機関の触媒暖機装置によれば、触媒暖機性を向上させることができる。
本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置が搭載された過給機付きエンジンシステムの概略構成図である。 ウェイストゲートバルブ(排気バイパス弁)の側面図である。 ウェイストゲートバルブ周辺の上面図である。 触媒を暖機する制御方法の一例を示すフローチャート図である。 触媒を暖機する制御方法の変形例を示すフローチャート図である。
本発明の内燃機関の触媒暖機装置について詳細に説明する。そこで、まず、本発明の内燃機関の触媒暖機装置が搭載された過給機付エンジンシステムの概要構成について説明し、その後、内燃機関の触媒暖機装置について説明する。
図1に示すように、本実施形態の過給機付エンジンシステム101は、レシプロタイプのエンジン1(内燃機関)を備える。エンジン1の吸気ポート2には、エンジン1に供給される吸入空気(吸気)が流れる吸気通路3が接続され、排気ポート4には、エンジン1から排出される排気ガスが流れる排気通路5が接続される。吸気通路3の入口には、エアクリーナ6が設けられる。エアクリーナ6より下流の吸気通路3には、排気通路5との間に、吸気通路3における吸入空気を昇圧させるための過給機7が設けられる。
過給機7は、吸気通路3に配置されたコンプレッサ8と、排気通路5に配置されたタービン9と、コンプレッサ8とタービン9を一体回転可能に連結する回転軸10とを含む。過給機7は、排気通路5を流れる排気ガスによりタービン9を回転させて回転軸10を介してコンプレッサ8を一体的に回転させることにより、吸気通路3における吸入空気を昇圧させる、すなわち過給を行うようになっている。
過給機7に隣接して排気通路5には、タービン9を迂回する排気バイパス通路11が設けられる。すなわち、排気バイパス通路11は、タービン9を迂回するようにして排気通路5と接続している。この排気バイパス通路11には、当該排気バイパス通路11を開閉する排気バイパス弁としてのウェイストゲートバルブ12が設けられる。そして、ウェイストゲートバルブ12によって排気バイパス通路11を開閉することにより、排気バイパス通路11を流れる排気ガスの流量が調節され、タービン9へ供給される排気ガスの流量が調節される。これにより、タービン9及びコンプレッサ8の回転速度が調節され、過給機7による過給圧が調節されるようになっている。
図1に示すように、ウェイストゲートバルブ12は、排気バイパス通路11に設けられた弁座41に着座可能に設けられた搖動式の弁体に相当するヒータ部42を含む。ウェイストゲートバルブ12を開閉駆動するために、ウェイストゲートバルブ12にリンク45とレバー46を介して接続されたアクチュエータ(不図示)が設けられる(図3参照)。すなわち、アクチュエータによりウェイストゲートバルブ12が搖動して、ヒータ部42が弁座41から離れて開く一方、ヒータ部42が弁座41に着座して閉じる。
また、過給機7に隣接して吸気通路3には、コンプレッサ8を迂回する吸気バイパス通路17が設けられる。すなわち、吸気バイパス通路17は、コンプレッサ8を迂回するようにして吸気通路3と接続している。この吸気バイパス通路17には、当該吸気バイパス通路17を開閉する吸気バイパス弁としてのエアバイパスバルブ18が設けられる。
吸気通路3において、過給機7のコンプレッサ8とエンジン1との間には、インタークーラ13が設けられる。このインタークーラ13は、コンプレッサ8により昇圧されて高温となった吸入空気を適温に冷却するためのものである。インタークーラ13とエンジン1との間の吸気通路3には、サージタンク3aが設けられる。また、インタークーラ13より下流であってサージタンク3aより上流の吸気通路3には、電動式のスロットル弁である電子スロットル装置14が設けられる。この電子スロットル装置14は、吸気通路3に配置されるバタフライ形のスロットル弁21を備える。この電子スロットル装置14は、運転者によるアクセルペダル(不図示)の操作に応じてスロットル弁21が開閉駆動され、開度が調節されるように構成される。
タービン9より下流の排気通路5には、排気ガスを浄化するための触媒15(触媒コンバータ)が設けられる。本実施形態では、触媒15は、ウェイストゲートバルブ12よりも排気ガスの流れ方向の下流側の位置における排気通路5に配置されている。
エンジン1には、燃焼室16に燃料を噴射供給するためのインジェクタ25が設けられる。インジェクタ25には、燃料タンク(図示略)から燃料が供給されるようになっている。また、エンジン1には、各気筒に対応して点火プラグ29が設けられる。各点火プラグ29は、高電圧を受けて点火動作する。
ECU50(電子制御装置)は、中央処理装置(CPU)と、所定の制御プログラム等を予め記憶したり、CPUの演算結果等を一時的に記憶したりする各種メモリと、これら各部と接続される外部入力回路及び外部出力回路とを備える。そして、ECU50は、過給機付エンジンシステム101における各種制御を行う。本実施形態では、エンジン1の運転状態に応じて燃料噴射制御、吸気量制御及び過給制御をそれぞれ実行するために、インジェクタ25、電子スロットル装置14の駆動部及びウェイストゲートバルブ12のアクチュエータがそれぞれエンジン1の運転状態に応じてECU50により制御される。
ここで、各種センサとして、水温センサ53、エアフローメータ54及び油温センサ55が設けられる。水温センサ53は、エンジン1の水温(冷却水温)THWを検出する。エアフローメータ54は、エアクリーナ6の直下流の吸気通路3を流れる吸入空気の流量(以下、「吸気流量Ga」という。)を検出する。油温センサ55は、エンジン1の潤滑油の温度を検出する。
次に、本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置について説明する。以上のような過給機付エンジンシステム101において、本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置は、排気通路5と、タービン9と、排気バイパス通路11と、ウェイストゲートバルブ12と、触媒15と、ECU50などから構成される。
本実施形態のウェイストゲートバルブ12は、図2と図3に示すように、ヒータ部42(発熱部)と、低熱伝導率部43と、本体部44などを備えている。そして、本体部44の上に低熱伝導率部43が形成され、低熱伝導率部43の上にヒータ部42が形成されている。
ヒータ部42は、ウェイストゲートバルブ12において排気バイパス通路11を流れる排気ガス(詳しくは、排気バイパス通路11を介して下流側の排気通路5に流れ込む排気ガス)が直接触れる箇所に形成されている。すなわち、ヒータ部42は、排気バイパス通路11に設けられた弁座41に対して当接および離間するウェイストゲートバルブ12の弁体に該当する部分である。なお、図1に示す例においては、弁座41は、排気バイパス通路11における下流側の排気通路5との接続部分に設けられている。そして、ヒータ部42は、排気ガスが直接触れる表面42aを備えている。また、ヒータ部42は、低熱伝導率部43や本体部44よりも熱伝導率の高い材質、例えば、銅やアルミニウムなどにより形成されている。
本実施形態では、図3に示すように、ヒータ部42は、電気式ヒータ42bを備えている。図3に示す例では、電気式ヒータ42bは、ヒータ部42の内部に配置されている。なお、電気式ヒータ42bは、ヒータ部42の表面42aに配置されていてもよい。本実施形態では、このように、ヒータ部42が電気式ヒータ42bを備えているので、ウェイストゲートバルブ12自体を電気式ヒータ42bにより加熱できる。なお、ヒータ部42の表面42aは、蛇腹状や凹凸状に形成されていてもよい。これにより、ヒータ部42から排気ガスへ熱が伝わり易くなる。
低熱伝導率部43は、ヒータ部42と本体部44との間にて、ヒータ部42と本体部44に挟まれるようにして形成されている。低熱伝導率部43は、ヒータ部42よりも熱伝導率の低い材質、例えば、鉄やニッケルクロム合金などにより形成されている。本実施形態では、このようにして、ウェイストゲートバルブ12において、排気ガスが触れるヒータ部42と、後述するように外気が触れる本体部44との間に、熱を伝え難い材料が挟まれている。そのため、ヒータ部42の電気式ヒータ42bによる発熱は、外気に触れる本体部44に伝わり難くなる一方で、排気バイパス通路11を流れる排気ガスに効率良く伝わる。したがって、ヒータ部42の発熱により、排気ガスを加熱してその温度を効率良く上昇させることができる。なお、低熱伝導率部43は、さらに本体部44よりも熱伝導率の低い材質により形成されるとしてもよい。
本体部44は、ヒータ部42に対して低熱伝導率部43を介して形成されている。本体部44は、ヒータ部42よりも熱伝導率の低い材質、例えば、鉄やニッケルクロム合金などにより形成されている。
本体部44は、アーム部44aとシャフト44bを備えている。そして、アーム部44aに、低熱伝導率部43を介してヒータ部42が取り付けられている。また、アーム部44aは、シャフト44bと一体に形成されている。シャフト44bは、図3に示すように、タービンハウジング31(ターボチャージャ本体)に設けられた支持孔32に挿入されている。なお、支持孔32には例えばブッシュ(不図示)が嵌め込まれており、このブッシュを介してシャフト44bがタービンハウジング31に回転可能に支持されている。このようにして、本実施形態では、ウェイストゲートバルブ12とタービンハウジング31は、シャフト44bを介して面接触している。
そして、シャフト44bにおいてタービンハウジング31の外側(図3の上側)に突出した部分は、リンク45とレバー46を介してアクチュエータ(不図示)に接続されている。また、シャフト44bにおいてタービンハウジング31の外側に突出した部分は、外気(タービンハウジング31の外側の空気)に触れている。このようにして、本体部44は、外気に触れている。
このような構成のウェイストゲートバルブ12は、アクチュエータの駆動により、アーム部44aがシャフト44bの中心軸Oを中心に回転することにより、ヒータ部42が弁座41に対して当接または離間して、排気バイパス通路11を開閉する。
また、本実施形態のECU50は、図1に示すように、冷間始動判定部61と、触媒活性判定部62と、ヒータ制御部63(発熱制御部)を備えている。冷間始動判定部61は、エンジン1の冷間始動時に該当するか否かを判定する。なお、エンジン1の冷間始動時とは、例えばエンジン1の水温THWが所定温度未満である低温状態下においてエンジン1が始動する時である。触媒活性判定部62は、触媒15が活性化したか否かを判定する。ヒータ制御部63は、ウェイストゲートバルブ12のヒータ部42の電気式ヒータ42bへの通電を制御する。なお、冷間始動判定部61と触媒活性判定部62とヒータ制御部63は、それぞれ、ECU50とは別に設けられていてもよい。
次に、本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置において行われる触媒を暖機する制御方法について説明する。
本実施形態では、エンジン1の冷間始動時において、ウェイストゲートバルブ12により排気バイパス通路11を開いて、排気ガスを過給機7の一部であるタービン9を迂回させながら流して、触媒15を暖機する。そして、このとき、本実施形態では、触媒暖機性を向上させるため、以下のような制御を行う。
具体的には、図4に示すように、IG(イグニション)がONにされると(ステップS1)、ECU50は、水温センサ53によるエンジン1の始動時の水温THW(以下、「始動時水温」という。)の検出値を読み込んで格納し、エンジン1を始動させる(ステップS2,S3)。
次に、始動時水温が所定温度A以下であり(ステップS4:YES)、かつ、吸入空気量積算値GAIが所定値B以下である場合(ステップS5:YES)には、電気式ヒータ42bへの通電がON(ウェイストゲートヒータON)とされる(ステップS6)。すなわち、冷間始動判定部61により、始動時水温が所定温度A以下であってエンジン1の冷間始動時に該当すると判定され、かつ、触媒活性判定部62により、吸入空気量積算値GAIが所定値B以下であって触媒15が活性化していないと判定された場合には、ヒータ制御部63は、電気式ヒータ42bへの通電を行う。このようにして、エンジン1の冷間始動時にて、触媒15の暖機が未だ完了していないときには、電気式ヒータ42bへの通電を行ってヒータ部42を発熱させる。
また、このように、本実施形態では、触媒活性判定部62は、吸入空気量積算値GAIに基づき、触媒15が活性化したか否かを判定する。ここで、吸入空気量積算値GAIとは、エンジン1の始動時からの吸気通路3を流れる吸入空気の積算量である。本実施形態では、吸入空気量積算値GAIは、触媒活性判定部62により、エアフローメータ54による吸気流量Gaの検出値をもとに算出される。
そして、前記のように電気式ヒータ42bへの通電を行ってヒータ部42を発熱させた後、吸入空気量積算値GAIが所定値Bよりも大きくなったときに、電気式ヒータ42bへの通電がOFFとされる。すなわち、触媒活性判定部62により、吸入空気量積算値GAIが所定値Bよりも大きくなって、触媒15が活性化したと判定された場合には、ヒータ制御部63は、電気式ヒータ42bへの通電を停止する。このようにして、触媒15の暖機が完了したときに、ヒータ部42における発熱が停止される。
一方、始動時水温が所定温度Aよりも高い場合(ステップS4:NO)には、電気式ヒータ42bへの通電がOFFとされる。すなわち、冷間始動判定部61により、始動時水温が所定温度Aよりも高くエンジン1の冷間始動時に該当しないと判定された場合には、ヒータ制御部63は、電気式ヒータ42bへの通電を行わない。
また、始動時水温が所定温度A以下である(ステップS4:YES)が、吸入空気量積算値GAIが所定値Bより大きい場合(ステップS5:NO)にも、電気式ヒータ42bへの通電がOFFとされる。すなわち、冷間始動判定部61によりエンジン1の冷間始動時に該当すると判定されたが、触媒活性判定部62により、吸入空気量積算値GAIが所定値Bより大きく触媒15が活性化していると判定された場合にも、ヒータ制御部63は、電気式ヒータ42bへの通電を行わない。
ここで、所定温度Aは、例えば50℃とする。なお、所定温度Aは、水温THWと触媒温度THC(触媒15の温度)の相関により、例えば0℃〜80℃の範囲内のいずれかの温度としてもよい。また、所定値Bは、例えば500gとする。なお、所定値Bは、吸入空気量積算値GAIと触媒温度THCの相関により、例えば50g〜2000gの範囲内のいずれかの値としてもよい。
また、変形例として、図5に示すように、始動時水温が所定温度A以下である場合(ステップS14:YES)に、吸入空気量積算値GAIを考慮しないで、電気式ヒータ42bへの通電がONとされる(ステップS15)としてもよい。そして、この変形例では、感温媒体としてのバイメタルをウェイストゲートバルブ12に付けておき、ウェイストゲートバルブ12の温度が所定温度以上になりバイメタルが変形した場合には、電気式ヒータ42bへの通電をOFFとすることが考えられる。このように、電気式ヒータ42bへの通電をOFFする際のスイッチとしてバイメタルを使用する場合には、冷間始動判定部61による冷間始動判定(通電ON条件の判定)のみ行い、触媒活性判定部62による触媒活性判定(通電OFF条件の判定)を行わないとしてもよい。
また、その他の変形例として、エンジン1の始動後の燃料噴射量が一定値に達した時に、電気式ヒータ42bへの通電をONからOFFとしてもよい。また、その他の変形例として、冷間始動判定部61は、始動時水温の代わりに、油温センサ55で検出されたエンジン1の始動時の油温をもとに、エンジン1の冷間始動時に該当するか否かを判定してもよい。
以上のように、本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置において、ウェイストゲートバルブ12は、排気バイパス通路11を流れる排気ガスが直接触れる箇所にヒータ部42を備えている。
これにより、ウェイストゲートバルブ12によって排気バイパス通路11が開かれて排気ガスが排気バイパス通路11を流れる状態において、排気バイパス通路11を流れる排気ガスが直接触れる箇所に形成されるヒータ部42を発熱させることにより、ウェイストゲートバルブ12における排気バイパス通路11を流れる排気ガスが直接触れる箇所から排気ガスの熱エネルギーが奪われることを防ぐことができる。すなわち、ウェイストゲートバルブ12により排気バイパス通路11を開いて排気ガスを排気バイパス通路11に流すことによりタービン9による熱損失を防ぐときに、本実施形態では、さらにウェイストゲートバルブ12自体の熱容量により熱損失することを防ぐことができる。また、ウェイストゲートバルブ12における排気バイパス通路11を流れる排気ガスが直接触れる箇所をヒータ部42により加熱できるので、排気ガスを加熱してその温度を効率良く上昇させることができる。そのため、加熱された排気ガスにより触媒15の温度を早期に上昇させて、触媒15を早期に暖機させることができる。したがって、触媒暖機性を向上させることができる。
また、本実施形態では、排気通路5と排気バイパス通路11とが接続する部分に、すなわち、排気ガスが集合して通過する部分であって、かつ、外気に触れない部分に、ヒータ部42が配置されている。そのため、電気式ヒータ42bへ通電する際に投入される電気エネルギーが、効率良く排気ガスの温度を上昇させるために使われる。したがって、排気ガスの温度を効率良く上昇させることができる。
また、本実施形態では、ヒータ部42における発熱手段として電気式ヒータ42bが使用されている。そのため、ヒータ制御部63は、最適条件で電気式ヒータ42bに通電させるように制御できる。したがって、本実施形態によれば、様々な条件に応じて排気ガスの温度を効率良く上昇させることができる。
また、ウェイストゲートバルブ12は、外気に触れる本体部44と、ヒータ部42と本体部44との間に形成され、ヒータ部42よりも熱伝導率の低い材質により形成される低熱伝導率部43と、を備えている。
このようにして、本実施形態では、ウェイストゲートバルブ12において、ヒータ部42と本体部44との間に、ヒータ部42よりも熱伝導率の低い低熱伝導率部43が挟まれている。そのため、ヒータ部42の電気式ヒータ42bによる発熱は、低熱伝導率部43により本体部44に伝わり難くなるので、本体部44を介して外気へ排出され難くなる。その一方で、ヒータ部42の電気式ヒータ42bによる発熱は、排気バイパス通路11を流れる排気ガスに効率良く伝わる。したがって、ヒータ部42を発熱させることにより、排気ガスを加熱してその温度を効率良く上昇させることができる。
また、本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置は、エンジン1の冷間始動時に該当するか否かを判定する冷間始動判定部61と、冷間始動判定部61によりエンジン1の冷間始動時に該当すると判定がなされたときに、ヒータ部42を発熱させるヒータ制御部63と、を有する。
これにより、エンジン1の冷間始動時にて、ヒータ部42による発熱により排気ガスを加熱してその温度を上昇させることができるので、触媒15を早期に暖機させることができる。そのため、エンジン1の冷間始動時において、触媒暖機性を向上させることができる。
また、本実施形態の内燃機関の触媒暖機装置は、触媒15が活性化したか否かを判定する触媒活性判定部62を有する。そして、ヒータ制御部63は、冷間始動判定部61によりエンジン1の冷間始動時に該当すると判定がなされたときに、触媒活性判定部62により触媒15が活性化したと判定されたときには、ヒータ部42を発熱させない。
これにより、触媒15が活性化して暖機したときにヒータ部42を発熱させないので、触媒15を早期に暖機させるために必要なヒータ部42における発熱量を必要最小限に抑えることができる。
また、触媒活性判定部62は、吸入空気量積算値GAIに基づき触媒15が活性化したか否かを判定する。これにより、触媒15が活性化したか否かを判定するために使用する専用の検出機器などが不要となり、コストを抑制できる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 エンジン
3 吸気通路
5 排気通路
7 過給機
9 タービン
11 排気バイパス通路
12 ウェイストゲートバルブ
15 触媒(触媒コンバータ)
31 タービンハウジング
32 支持孔
41 弁座
42 ヒータ部
42a 表面
42b 電気式ヒータ
43 低熱伝導率部
44 本体部
44a アーム部
44b シャフト
45 リンク
46 レバー
50 ECU
53 水温センサ
54 エアフローメータ
61 冷間始動判定部
62 触媒活性判定部
63 ヒータ制御部
101 過給機付エンジンシステム
THW 水温(冷却水温)
THC 触媒温度
GAI 吸入空気量積算値
Ga 吸気流量
O 中心軸
A 所定温度
B 所定値

Claims (5)

  1. 内燃機関から排出される排気ガスが流れる排気通路と、過給機の一部であって前記排気通路に配置されるタービンと、前記タービンを迂回するようにして前記排気通路と接続する排気バイパス通路と、前記排気バイパス通路を開閉する排気バイパス弁と、前記排気ガスを浄化する触媒と、を有し、前記触媒は、前記排気バイパス弁よりも前記排気ガスの流れ方向の下流側の位置における前記排気通路に配置される内燃機関の触媒暖機装置において、
    前記排気バイパス弁は、
    前記排気バイパス通路を流れる前記排気ガスが触れる箇所に発熱部を備えていること、
    を特徴とする内燃機関の触媒暖機装置。
  2. 請求項1の内燃機関の触媒暖機装置において、
    前記排気バイパス弁は、
    外気に触れる本体部と、
    前記発熱部と前記本体部との間に形成され、前記発熱部よりも熱伝導率の低い材質により形成される低熱伝導率部と、
    を備えていること、
    を特徴とする内燃機関の触媒暖機装置。
  3. 請求項1または2の内燃機関の触媒暖機装置において、
    前記内燃機関の冷間始動時に該当するか否かを判定する冷間始動判定部と、
    前記冷間始動判定部により前記内燃機関の冷間始動時に該当すると判定がなされたときに、前記発熱部を発熱させる発熱制御部と、
    を有すること、
    を特徴とする内燃機関の触媒暖機装置。
  4. 請求項3の内燃機関の触媒暖機装置において、
    前記触媒が活性化したか否かを判定する触媒活性判定部を有し、
    前記発熱制御部は、前記冷間始動判定部により前記内燃機関の冷間始動時に該当すると判定がなされたときに、前記触媒活性判定部により前記触媒が活性化したと判定されたときには、前記発熱部を発熱させないこと、
    を特徴とする内燃機関の触媒暖機装置。
  5. 請求項4の内燃機関の触媒暖機装置において、
    前記触媒活性判定部は、前記内燃機関に供給される吸気が流れる吸気通路における前記吸気の積算量に基づき前記触媒が活性化したか否かを判定すること、
    を特徴とする内燃機関の触媒暖機装置。
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