JP2023149432A - Egrシステム - Google Patents

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JP2023149432A JP2022058006A JP2022058006A JP2023149432A JP 2023149432 A JP2023149432 A JP 2023149432A JP 2022058006 A JP2022058006 A JP 2022058006A JP 2022058006 A JP2022058006 A JP 2022058006A JP 2023149432 A JP2023149432 A JP 2023149432A
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衛 吉岡
Mamoru Yoshioka
伸二 河井
Shinji Kawai
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Abstract

【課題】EGRクーラのバイパス弁をダイアフラム式アクチュエータにより開閉駆動させる構成において、エンジン完全暖機後に吸気負圧を強制的に発生させることなくアクチュエータを動作させてバイパス弁の開弁制御を可能とすること。【解決手段】EGR通路12には、バイパス通路16とバイパス弁17が設けられ、バイパス弁17はアクチュエータ21により開閉される。アクチュエータ21は、圧力室23に吸気負圧を導入してバイパス弁17を開弁し、圧力室23に大気圧を導入してバイパス弁17を閉弁する。圧力室23に連通する連通路27を吸気通路2へ連通させる状態と大気に連通させる状態とに切り替えるVSV28が設けられる。ECU80は、エンジン1が運転しているときでEGR弁14が閉弁しているときに、VSV28を制御して吸気通路2で発生する吸気負圧を連通路27を介して圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁駆動し、その開弁状態で停止する。【選択図】図1

Description

この明細書に開示される技術は、エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車に適用され、エンジンに設けられるEGRシステムに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載の「エンジンの排気還流装置」が知られている。この装置は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてエンジンへ還流させるために吸気通路へ流すEGR通路と、EGR通路を流れるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁とを備え、EGR弁はダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動されるように構成される。ここで、このアクチュエータは、そのケーシングがダイアフラムを介して圧力室と大気室に区分けされる。圧力室には、吸気通路に連通する連通路が設けられる。連通路には、大気通路が分岐して設けられ、連通路の接続を、大気通路側と吸気通路側との間で切り替える切替弁が設けられる。そして、切替弁により連通路の圧力状態を大気圧と吸気負圧との間で切り替えることで、EGR弁を開閉駆動させるようになっている。
特開2013-170457号公報
ところで、特許文献1に記載のEGR弁をダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動させる構成を、エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車(以下、「HV」と言う。)のエンジンに設けられるEGRクーラのバイパス弁として採用することを想定することができる。このバイパス弁は、EGR通路にてEGRクーラを迂回するバイパス通路に設けられる。この場合、エンジンの冷却水温度が所定温度以上になると、エンジンを間欠運転の停止状態から再始動させると同時にEGR弁を開弁させるようになっている。そのため、EGR弁の開弁時には吸気通路で発生する吸気負圧が小さく、連通路を吸気通路に連通させても、圧力室に吸気負圧が十分に供給されず、開弁が必要な場合でもバイパス弁を開弁できなくなってしまう。例えば、EGR通路を暖機するためにバイパス弁を開弁することがあるが、この場合にバイパス弁を開弁することができず、EGR通路を暖機できなくなってしまう。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、HVのエンジンに設けられるEGRシステムであって、EGRクーラのバイパス通路に設けられるバイパス弁をダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動させる構成において、エンジンの完全暖機後に、吸気負圧を強制的に発生させることなくアクチュエータを動作させてバイパス弁の開弁制御を可能とすることにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車に適用され、エンジンに設けられるEGRシステムであって、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてエンジンへ還流させるために吸気通路へ流すEGR通路と、EGR通路を流れるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、EGR通路を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラと、EGR通路にてEGRクーラを迂回するバイパス通路と、バイパス通路を開閉するためのバイパス弁とを備え、バイパス弁は、ダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動されるように構成され、アクチュエータは、そのケーシングがダイアフラムを介して圧力室と大気室に区分けされ、圧力室には、吸気通路に連通する連通路が設けられ、アクチュエータは、圧力室に吸気負圧が導入されることでバイパス弁を開弁駆動し、圧力室に大気圧が導入されることでバイパス弁を閉弁駆動し、連通路には、連通路を吸気通路へ連通させる状態と大気に連通させる状態とを選択的に切り替えるための電動式の切替弁が設けられるように構成したEGRシステムにおいて、EGR弁、バイパス弁及び切替弁を制御するためのEGR制御手段を更に備え、EGR制御手段は、エンジンが運転しているときであって、EGR弁が閉弁しているときに、切替弁を制御して吸気通路で発生する吸気負圧を連通路を介してアクチュエータの圧力室に導入することでバイパス弁を開弁駆動し、その開弁状態で停止することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、EGR制御手段は、エンジンが運転しているときであって、EGR弁が閉弁しているときに、切替弁を制御して吸気通路で発生する吸気負圧を連通路を介してアクチュエータの圧力室に導入することでバイパス弁を開弁駆動し、その開弁状態で停止する。従って、完全暖機後にエンジンが間欠停止し、その後、エンジンが再始動したときにEGR通路に暖機が必要であっても、バイパス弁が既に開弁しているので、バイパス通路を流れる温度の高いEGRガスが、EGRクーラより下流のEGR通路へ流れる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、EGR制御手段は、エンジンの完全暖機後にバイパス弁が閉弁している状態でエンジンが間欠停止するときは、切替弁を制御してエンジンの停止直前に吸気通路で発生した吸気負圧を連通路を介してアクチュエータの圧力室に導入することでバイパス弁を開弁駆動することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、EGR制御手段は、エンジンの完全暖機後にバイパス弁が閉弁している状態でエンジンが間欠停止するときは、切替弁を制御してエンジンの停止直前に吸気通路で発生した吸気負圧を連通路を介してアクチュエータの圧力室に導入することでバイパス弁を開弁駆動する。従って、完全暖機後にエンジンが間欠停止し、その後、エンジンが再始動したときにEGR通路に暖機が必要であっても、エンジンの停止直前に吸気通路で発生した吸気負圧を利用してバイパス弁が既に開弁しているので、バイパス通路を流れる温度の高いEGRガスが、EGRクーラより下流のEGR通路へ流れる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、EGR制御手段は、バイパス弁が開弁状態で停止している場合に、エンジンが間欠停止から再始動するときは、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、EGR制御手段は、バイパス弁が開弁状態で停止している場合に、エンジンが間欠停止から再始動するときは、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御する。従って、エンジンが再始動したときにEGR通路に暖機が必要な場合にアクチュエータの圧力室に一旦導入された吸気負圧が漏れていてもエンジンの再始動時にEGRガスが吸気通路へ流れず、吸気通路で吸気負圧が発生し、その吸気負圧がバイパス弁の開弁駆動のために使用可能となる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項3に記載の技術において、EGR制御手段は、エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えた場合に、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項3に記載の技術の作用に加え、EGR制御手段は、エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えた場合に、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御する。従って、エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えて長くなり、アクチュエータの圧力室に一旦導入された吸気負圧が漏れ出たとしても、エンジンの再始動時にEGRガスが吸気通路へ流れず、吸気通路で吸気負圧が発生し、その吸気負圧がバイパス弁の開弁駆動のために使用可能となる。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車に適用され、エンジンに設けられるEGRシステムであって、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてエンジンへ還流させるために吸気通路へ流すEGR通路と、EGR通路を流れるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、EGR通路を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラと、EGR通路にてEGRクーラを迂回するバイパス通路と、バイパス通路を開閉するためのバイパス弁とを備え、バイパス弁は、ダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動されるように構成され、アクチュエータは、そのケーシングがダイアフラムを介して圧力室と大気室に区分けされ、圧力室には、吸気通路に連通する連通路が設けられ、アクチュエータは、圧力室に吸気負圧が導入されることでバイパス弁を開弁駆動し、圧力室に大気圧が導入されることでバイパス弁を閉弁駆動し、連通路には、連通路を吸気通路へ連通させる状態と大気に連通させる状態とを選択的に切り替えるための電動式の切替弁が設けられるように構成したEGRシステムにおいて、EGR弁、バイパス弁及び切替弁を制御するためのEGR制御手段を更に備え、EGR制御手段は、バイパス弁が開弁状態で停止している場合に、エンジンが間欠停止から再始動するときは、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、EGR制御手段は、バイパス弁が開弁状態で停止している場合に、エンジンが間欠停止から再始動するときは、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御する。従って、エンジンが再始動したときにEGR通路に暖機が必要な場合にアクチュエータの圧力室に一旦導入された吸気負圧が漏れていてもエンジンの再始動時にEGRガスが吸気通路へ流れず、吸気通路で吸気負圧が発生し、その吸気負圧がバイパス弁の開弁駆動のために使用可能となる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項5に記載の技術において、EGR制御手段は、エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えた場合に、バイパス弁の開弁駆動から遅れてEGR弁を開弁制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項5に記載の技術の作用に加え、EGR制御手段は、エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えた場合に、エンジンの再始動から遅れてEGR弁を開弁制御する。従って、エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えて長くなり、アクチュエータの圧力室に一旦導入された吸気負圧が漏れ出たとしても、エンジンの再始動時にEGRガスが吸気通路へ流れず、吸気通路で吸気負圧が発生し、その吸気負圧がバイパス弁の開弁駆動のために使用可能となる。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、EGR制御手段は、切替弁への通電オフ時に、連通路を大気に連通させる状態に切り替えてバイパス弁を閉弁駆動することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、EGR制御手段は、切替弁への通電オフ時に、連通路を大気に連通させる状態に切り替えてバイパス弁を閉弁駆動する。従って、切替弁が故障しても、切替弁が連通路を大気に連通させる状態となり、バイパス弁が閉弁状態に保たれる。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の技術は、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術において、EGR制御手段は、エンジンの低温始動時であって、EGR弁が閉弁状態の場合は、切替弁を制御して吸気通路で発生する吸気負圧を連通路を介してアクチュエータの圧力室に導入することでバイパス弁を開弁駆動することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術の作用に加え、エンジンの低温始動時であってEGR弁が閉弁状態の場合は、吸気通路にて、アクチュエータの動作に必要な吸気負圧を確保することが可能となり、バイパス弁を開弁駆動させることが可能となる。
請求項1に記載の技術によれば、HVのエンジンに設けられるEGRシステムであって、EGRクーラのバイパス通路に設けられるバイパス弁をダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動させる構成において、エンジンの完全暖機後に、吸気負圧を強制的に発生させることなくアクチュエータを吸気負圧で動作させてバイパス弁を開弁制御することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術と同等の効果を得ることができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、間欠停止時にアクチュエータの圧力室に一旦導入された吸気負圧が漏れてもエンジンの完全暖機後の再始動時にアクチュエータを吸気負圧で動作させてバイパス弁を開弁制御することができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項3に記載の技術の効果に加え、間欠停止時にアクチュエータの圧力室に一旦導入された吸気負圧が漏れていると判断した場合、エンジンの完全暖機後の再始動時にアクチュエータを吸気負圧で動作させてバイパス弁を開弁制御することができる。
請求項5に記載の技術によれば、HVのエンジンに設けられるEGRシステムであって、EGRクーラのバイパス通路に設けられるバイパス弁をダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動させる構成において、エンジンの完全暖機後の再始動時に、吸気負圧を強制的に発生させることなくアクチュエータを吸気負圧で動作させてバイパス弁を開弁制御することができる。
請求項6に記載の技術によれば、請求項5に記載の技術の効果に加え、圧力室からの吸気負圧の漏れの有無にかかわらず、エンジンの完全暖機後にアクチュエータを吸気負圧で動作させてバイパス弁を開弁制御することができる。
請求項7に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、切替弁の故障時に、バイパス通路に不用意に高い温度のEGRガスが流れることを防止することができ、EGRクーラより下流のEGR通路の溶損を抑制することができる。
請求項8に記載の技術によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術の効果に加え、エンジンの低温始動時にも、吸気負圧を強制的に発生させることなくアクチュエータを吸気負圧で動作させてバイパス弁を開弁制御することができる。
第1実施形態に係り、エンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、バイパス弁が全閉となるときであって、EGRクーラをその長手方向に沿って切断した状態を、バイパス弁の開閉駆動機構と共に示す断面図。 第1実施形態に係り、EGRクーラの一部であって、図2の1点鎖線四角で囲った部分を示す拡大断面図。 第1実施形態に係り、バイパス弁が全開となるときであって、EGRクーラの一部を示す図3に準ずる拡大断面図。 第1実施形態に係り、開閉駆動機構の動作状態を示す概略図。 第1実施形態に係り、開閉駆動機構の動作状態を示す概略図。 第1実施形態に係り、バイパス弁切替制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁切替制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁開弁要求判定制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、吸気温度に応じた開弁要求水温度を求めるために参照される開弁要求水温度マップ。 第1実施形態に係り、バイパス弁切替制御に関する各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁開弁要求判定制御の内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、冷却水温度と吸気温度に応じた開弁判定時間を求めるために参照される開弁判定時間マップ。 第3実施形態に係り、バイパス弁開弁要求判定制御の内容を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、EGR開度に応じた時間補正係数を求めるために参照される時間補正係数マップ。 第4実施形態に係り、バイパス弁開弁要求判定制御の内容を示すフローチャート。
以下、このEGRシステムをHVに搭載されるガソリンエンジンシステムに具体化したいくつかの実施形態について説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[エンジンシステムについて]
図1に、この実施形態のガソリンエンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」と言う。)を概略構成図により示す。このエンジンシステムは、エンジンを間欠運転させるHVに適用される。HVに搭載されたエンジンシステムは、複数の気筒を有するエンジン1を備える。このエンジン1は、4気筒、4サイクルのレシプロエンジンであり、ピストン及びクランクシャフト等の周知の構成を含む。エンジン1には、各気筒へ吸気を導入するための吸気通路2と、エンジン1の各気筒から排気を導出するための排気通路3が設けられる。吸気通路2には、その上流側からエアクリーナ9、スロットル装置4及び吸気マニホールド5が設けられる。排気通路3には、その上流側から順に排気マニホールド6及び触媒7が設けられる。触媒7には、排気を浄化するために、例えば、三元触媒が内蔵される。加えて、このエンジンシステムは、高圧ループタイプの排気還流システム(EGRシステム)11を備える。
スロットル装置4は、吸気マニホールド5より上流の吸気通路2に配置され、運転者のアクセル操作に応じてバタフライ式のスロットル弁4aを開度可変に開閉駆動させることで、吸気通路2を流れる吸気量を調節するようになっている。吸気マニホールド5は、主として樹脂材より構成され、エンジン1の直上流にて吸気通路2に配置され、吸気が導入される一つのサージタンク5aと、サージタンク5aに導入された吸気をエンジン1の各気筒へ分配するためにサージタンク5aから分岐した複数(4つ)の分岐管5bとを含む。吸気マニホールド5は、吸気通路2の一部を構成する。
エンジン1には、各気筒に対応して燃料を噴射するための燃料噴射装置(図示略)が設けられる。燃料噴射装置は、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料をエンジン1の各気筒へ噴射するように構成される。各気筒では、燃料噴射装置から噴射される燃料と吸気マニホールド5から導入される吸気とにより可燃混合気が形成される。
エンジン1には、各気筒に対応して点火装置(図示略)が設けられる。点火装置は、各気筒で可燃混合気に点火するように構成される。各気筒内の可燃混合気は、点火装置の点火動作により爆発・燃焼し、燃焼後の排気は、各気筒から排気マニホールド6及び触媒7を経て外部へ排出される。このとき、各気筒でピストン(図示略)が上下運動し、クランクシャフト(図示略)が回転することにより、エンジン1に動力が得られる。排気マニホールド6は、排気通路3の一部を構成する。
[EGRシステムについて]
図1に示すように、この実施形態のEGRシステム11は、排気通路3と吸気通路2との間に設けられ、エンジン1から排気通路3へ排出される排気の一部をEGRガスとしてエンジン1へ還流させるために吸気通路2へ流すEGR通路12と、EGR通路12を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ13と、EGR通路12を流れるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁14と、EGR通路12を流れるEGRガスをエンジン1の各気筒へ分配するために、吸気マニホールド5の各分岐管5bへEGRガスを分配するEGRガス分配器15とを備える。これらEGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15のEGRガスが流れる流路もEGR通路12を構成している。EGRガス分配器15より上流にてEGR通路12を構成する配管は、入口12aと出口12bを含む。その入口12aは、触媒7より下流の排気通路3に接続され、その出口12bは、EGRガス分配器15に接続される。この実施形態で、EGRガス分配器15は、EGR通路12の終段を構成している。EGR通路12において、EGR弁14は、EGRクーラ13より下流に設けられ、EGRガス分配器15は、EGR弁14より下流に設けられる。
EGRガス分配器15は、主として樹脂材により構成され、全体として横長な形状を有し、その長手方向において、吸気マニホールド5の複数の分岐管5bを横切るように配置される。この実施形態で、EGRガス分配器15は、導入されたEGRガスが集まるガスチャンバ15aと、ガスチャンバ15aから各分岐管5bへEGRガスを分配する複数(4つ)のガス分配通路15bとを含む。
このEGRシステム11では、EGR弁14が開弁することにより、排気通路3を流れる排気の一部がEGRガスとしてEGR通路12を流れ、EGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15を介して吸気マニホールド5の各分岐管5bへ分配され、更にエンジン1の各気筒へ分配されて還流される。
この実施形態において、EGRクーラ13には、バイパス通路16が一体に設けられる。バイパス通路16は、EGR通路12にてEGRクーラ13を迂回する通路であり、EGRクーラ13へ流れるEGRガスの一部を迂回させて流す。バイパス通路16には、同通路16を開閉するためのバイパス弁17が設けられる。
図2に、バイパス弁17が全閉となるときであって、EGRクーラ13をその長手方向に沿って切断した状態を、バイパス弁17の開閉駆動機構19と共に断面図により示す。図3に、EGRクーラ13の一部であって、図2の1点鎖線四角X1で囲った部分を拡大断面図により示す。図4に、バイパス弁17が全開となるときであって、EGRクーラ13の一部を図3に準ずる拡大断面図により示す。
図2に示すように、EGRクーラ13は、ハウジング41と、ハウジング41の中に設けられた熱交換器42と、ハウジング41にEGRガスを導入するための導入口43と、ハウジング41からEGRガスを導出するための導出口44とを含む。バイパス通路16は、ハウジング41に一体に設けられる。熱交換器42は、EGRガスが流入する入口42aと、EGRガスが流出する出口42bとを含む。バイパス通路16は、EGRガスが流入する入口16aと、EGRガスが流出する出口16bとを含む。バイパス通路16の出口16bは、熱交換器42の出口42bに隣接して配置される。また、ハウジング41は、熱交換器42の入口42aから導入口43までの間の導入空間45と、熱交換器42の出口42bから導出口44までの間の導出空間46とを含む。バイパス通路16は、仕切壁48を介して熱交換器42に隣接する。
図2に示すように、この実施形態で、EGRクーラ13は、車両に搭載された状態において、EGRガスが斜め上方へ流れるように斜めに配置される。この斜めの配置状態において、導出口44は導入口43よりも鉛直方向において高い位置に配置され、バイパス通路16は、熱交換器42に対し鉛直方向下側に配置される。これにより、熱交換器42の内部で発生した凝縮水がその出口42bから放出され、バイパス通路16へ流下し、同通路16の上流部へ向けて流下するようになっている。熱交換器42は、エンジン1の冷却水が流れる水通路(図示略)と、その水通路の中に配置され、EGRガスが流れるガス通路(図示略)とを含む。なお、図2では、便宜上、熱交換器42に対する冷却水の取入口や取出口の図示を省略すると共に、熱交換器42やバイパス弁17の図示を簡略化して示す。
図2に示すように、この実施形態において、バイパス弁17は、ハウジング41においてバイパス通路16の出口16bに対応して配置される。バイパス弁17は、略四角板状をなす弁体61と、その弁体61を回動する回転軸62とを含む。バイパス弁17は、弁体61の一辺側が回転軸62に固定され、その一辺側に対向する弁体61の他辺側が回転軸62を中心に揺動するスイングタイプとして構成される。また、回転軸62の一端部には、その半径方向へ伸びるアーム63が設けられる。
[開閉駆動機構について]
図1、図2に示すように、この実施形態のEGRシステム11は、バイパス弁17の回転軸62を回動させて弁体61を開閉駆動させる開閉駆動機構19を備える。図5、図6には、開閉駆動機構19の動作状態を概略図により示す。図1、図2、図5及び図6に示すように、この開閉駆動機構19は、バイパス弁17を開閉駆動させるダイアフラム式のアクチュエータ21を含む。このアクチュエータ21は、ケーシング21aを有し、そのケーシング21aがダイアフラム22により圧力室23と大気室24とに区分けされる。圧力室23には、ダイアフラム22を大気室24の側へ付勢するスプリング25が設けられる。また、ダイアフラム22には、大気室24から突出するロッド26の基端が固定される。図2に示すように、このロッド26の先端は、回転軸62を回動させるためにアーム63に連結される。圧力室23には、サージタンク5a(吸気通路2でもある。)に連通する連通路27が設けられる。大気室24は、大気口21bを介して大気に連通する。
この開閉駆動機構19において、アクチュエータ21は、圧力室23に吸気負圧が導入されることでバイパス弁17を開弁駆動し、圧力室23に大気圧が導入されることでバイパス弁17を閉弁駆動するようになっている。連通路27には、連通路27をサージタンク5aへ連通させる状態と大気に連通させる状態とを選択的に切り替えるための電動式のバキューム・スイッチング・バルブ(VSV)28が設けられる。VSV28は、この開示技術の「切替弁」の一例に相当する。図2,図5及び図6に示すように、VSV28は、第1ポート28a、第2ポート28b及び第3ポート28cを有する。第1ポート28aには、圧力室23から伸びる連通路27が接続され、第2ポート28bには、大気に連通するエアフィルタ29が接続され、第3ポート28cには、サージタンク5aから伸びる連通路27が接続される。サージタンク5aから伸びる連通路27には、逆止弁30が設けられる。この逆止弁30は、サージタンク5aから第3ポート28cへ向かう気流を阻止し、第3ポート28cからサージタンク5aへ向かう気流を許容するように構成される。
この実施形態で、VSV28は、常開式弁であって、非通電時(通電オフ時)に第1ポート28aが第2ポート28bに連通し、圧力室23から伸びる連通路27を大気に連通させ、通電時(オン時)に第1ポート28aが第3ポート28cに連通し、圧力室23から伸びる連通路27をサージタンク5aに連通させるように構成される。すなわち、VSV28が通電オフされることで、図5に示すように、エアフィルタ29に作用する大気圧が、連通路27を通じてアクチュエータ21の圧力室23に導入される。このとき、ダイアフラム22が大気室24の側へ変位してロッド26のほぼ全部がケーシング21aから突出することで、図2、図3に示すように、バイパス弁17が全閉となる。一方、VSV28がオンされることで、図6に示すように、サージタンク5aから連通路27に作用する吸気圧力がアクチュエータ21の圧力室23に導入される。このとき、ダイアフラム22がスプリング25の付勢力に抗して圧力室23の側へ変位してロッド26の一部がケーシング21aへ没入することで、バイパス弁17が全閉状態から図4に示すように全開となる。
[エンジンシステムの電気的構成について]
次に、エンジンシステムの電気的構成の一例について説明する。図1において、このエンジンシステムに設けられる各種センサ等71~77は、エンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する。エンジン1に設けられる水温センサ71は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられる回転数センサ72は、エンジン1のクランクシャフトの回転角(クランク角度)を検出すると共に、そのクランク角度の変化(クランク角速度)をエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ9の近傍に設けられるエアフローメータ73は、エアクリーナ9を流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク5aに設けられる吸気圧センサ74は、スロットル装置4より下流の吸気通路2(サージタンク5a)における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットル装置4に設けられるスロットルセンサ75は、スロットル弁4aの開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気マニホールド6と触媒7との間の排気通路3に設けられる酸素センサ76は、排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ9の入口に設けられる吸気温センサ77は、エアクリーナ9に吸入される外気の温度(吸気温度)THAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
このエンジンシステムは、同システムの制御を司る電子制御装置(ECU)80を更に備える。ECU80には、各種センサ等71~77がそれぞれ接続される。また、ECU80には、EGR弁14及びVSV28の他、インジェクタ(図示略)及びイグニションコイル(図示略)が接続される。この実施形態で、ECU80は、この開示技術における制御手段の一例に相当する。周知のようにECU80は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ等71~77の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて燃料噴射制御、点火時期制御及びEGR制御等を実行するようになっている。
この実施形態で、ECU80は、EGR制御において、エンジン1の運転状態に応じてEGR弁14を制御するようになっている。具体的には、ECU80は、エンジン1の停止時、アイドル運転時及び減速運転時には、EGR弁14を全閉に制御し、それ以外の運転時には、その運転状態に応じて目標EGR開度を求め、EGR弁14をその目標EGR開度に制御するようになっている。このときEGR弁14が開弁されることにより、エンジン1から排気通路3へ排出され、その排気の一部が、EGRガスとしてEGR通路12、EGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15等を介して吸気通路2(吸気マニホールド5)へ流れ、エンジン1の各気筒へ分配され還流される。加えて、ECU80は、EGR制御に関連し、HVの走行モードに応じてバイパス弁17の開閉を切り替えるためにバイパス弁切替制御を実行するようになっている。
[バイパス弁切替制御について]
次に、この実施形態のバイパス弁切替制御について説明する。図7、図8に、バイパス弁切替制御の内容をフローチャートにより示す。処理がこのルーチンへ移行すると、ECU80は、ステップ100で、イグニション(IG)がオンか、すなわち点火装置がオンしたか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ190へ移行する。
ステップ190では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁するためにVSV28をオフ制御し、VSV28をオンしたことを示すVSVオンフラグXVONを「0」に設定する。その後、ECU80は、処理をステップ100へ戻す。
ステップ110では、ECU80は、水温センサ71、回転数センサ72、スロットルセンサ75及び吸気圧センサ74の検出値に基づき、冷却水温度THW、エンジン回転数NE、スロットル開度TA及び吸気圧力PMと、EGRの開閉動作、すなわちEGR弁14の開弁又は閉弁の状態を取り込む。
次に、ステップ120で、ECU80は、取り込まれた各種パラメータTHW,NE,TA,PMとEGRの開閉動作に基づき、HVが走行モード(1)であるか否かを判断する。走行モード(1)は、エンジン1が、低水温で始動し、アイドル運転中であり、EGRカット(EGR弁閉弁)状態の場合を意味する。この走行モード(1)では、吸気通路2にてEGRカットにより高い吸気負圧が発生する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理を130へ移行する。
ステップ130で、ECU80は、取り込まれた各種パラメータTHW,NE,TA,PMとEGRの開閉動作に基づき、HVが走行モード(2)であるか否かを判断する。走行モード(2)は、エンジン1が、低水温で始動し、EGRオン(EGR弁開弁)状態の場合を意味する。この走行モード(2)では、直前の走行モード(1)で発生した高い吸気負圧が、アクチュエータ21の圧力室23に導入済みとなる。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理を140へ移行する。
ステップ140で、ECU80は、取り込まれた各種パラメータTHW,NE,TA,PMとEGRの開閉動作に基づき、HVが走行モード(3)であるか否かを判断する。走行モード(3)は、エンジン1が、再始動し、アイドル運転中である場合を意味する。この走行モード(3)でも、EGRカットにより高い吸気負圧が発生する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理を200へ移行する。
ステップ120、ステップ130又はステップ140から移行してステップ150では、ECU80は、バイパス弁17に対する開弁要求が有るか否かを判断する。この開弁要求は、EGR通路12に暖機の必要性がある場合に、それをECU80が判定して発する要求である。この開弁要求の判定制御については後述する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ160へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理を170へ移行する。
ステップ160では、ECU80は、バイパス弁17を開弁するためにVSV28をオン制御し、VSV28をオンしたことを示すVSVオンフラグXVONを「1」に設定する。
ステップ170では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁するためにVSV28をオフ制御し、VSVオンフラグXVONを「0」に設定する。
ステップ160又はステップ170から移行してステップ180では、ECU80は、エンジン1の間欠停止要求が有るか否かを判断する。この間欠停止要求は、HVのモータ駆動との兼ね合いからHV制御用のコントローラが発する要求である。ECU80は、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻し、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ250へ移行する。
一方、ステップ140から移行してステップ200では、ECU80は、取り込まれた各種パラメータTHW,NE,TA,PMとEGRの開閉動作に基づき、HVが走行モード(4)であるか否かを判断する。走行モード(4)は、エンジン1が、再始動し、EGRオン(EGR弁開弁)中である場合を意味する。この走行モード(4)では、EGRオンにより低い吸気負圧が発生する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ210へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ260へ移行する。
ステップ210では、ECU80は、VSVオンフラグXVONが「1」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ220へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ240へ移行する。
ステップ220では、バイパス弁17に対する閉弁要求が有るか否かを判断する。この閉弁要求は、EGR通路12に暖機の必要性がない場合にECU80が判定する要求である。この閉弁要求の判定制御については、開弁要求の判定制御と共に後述する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ230へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ240へ移行する。
ステップ230では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁するためにVSV28をオフ制御し、VSVオンフラグXVONを「0」に設定する。
ステップ210、ステップ220又はステップ230から移行してステップ240では、ECU80は、エンジン1に対する間欠停止要求が有るか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ250へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ180又はステップ240から移行してステップ250では、ECU80は、バイパス弁17を開弁するためにVSV28をオン制御し、VSVオンフラグXVONを「1」に設定する。
ステップ200又はステップ250から移行してステップ260では、ECU80は、エンジン1を間欠停止させる。この場合、走行モード(5)となる。この走行モード(5)では、エンジン1の間欠停止時に、スロットル装置4の閉弁とEGRカット(EGR弁閉弁)により吸気通路2で発生する高い吸気負圧を、アクチュエータ21の圧力室23に導入することができる。エンジン1の間欠停止(EGRカット)の時間が長い場合は、エンジン1の再始動時に、吸気通路2へのEGRガス導入を遅延させて吸気負圧を発生させることができる。
次に、ステップ270では、ECU80は、エンジン1に対する再始動要求が有るか否かを判断する。この再始動要求は、HVのモータ駆動との兼ね合いからHV制御用のコントローラが発する要求である。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ280へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ280では、ECU80は、エンジン1の間欠停止時間TIstpを取り込む。この間欠停止時間TIstpは、直前にエンジン1を間欠停止したときからECU80がカウントした時間である。
次に、ステップ290で、ECU80は、間欠停止時間TIstpが所定時間A1を超えたか否かを判断する。この所定時間A1は、VSV28からの微量な空気漏れにより、アクチュエータ21の圧力室23からの吸気負圧の抜けを想定した時間である。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、圧力室23からの吸気負圧の抜けが多量であったとして処理をステップ300へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、圧力室23からの吸気負圧の抜けが少量であったとして処理をステップ310へ移行する。
次に、ステップ300で、ECU80は、エンジン1を再始動させると共に、遅延EGR制御を実行した後、処理をステップ100へ戻す。すなわち、ステップ290~ステップ300では、ECU80は、間欠停止時間TIstpが長い場合に、アクチュエータ21の圧力室23から多量な吸気負圧の抜けが生じたとして、エンジン1の再動後のEGR開始を遅らせるのである。この場合、EGR開始を遅らせ、EGR通路12へのEGRガスの導入を遅らせた分だけ、吸気通路2にて吸気負圧が発生することになり、その吸気負圧を利用してアクチュエータ21を動作させることにより、バイパス弁17を開弁させることが可能となる。
一方、ステップ290から移行してステップ310では、ECU80は、エンジン1を再始動させると共に、通常EGR制御を実行した後、処理をステップ100へ戻す。すなわち、ステップ290から移行してステップ310では、ECU80は、間欠停止時間TIstpが長くない場合は、アクチュエータ21の圧力室23から吸気負圧の抜けが生じていないとして、エンジン1の再動後に通常通りにEGR開始させるのである。
上記したバイパス弁切替制御によれば、ECU80は、エンジン1が運転しているときであって、EGR弁14が閉弁しているときに、(ステップ120がYES、ステップ140がYESの場合)は、VSV28を制御してサージタンク5a(吸気通路2)で発生した吸気負圧を連通路27を介してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁駆動し(ステップ150がYESでステップ160の処理、ステップ180がYESでステップ250の処理)、その開弁状態で停止するようになっている。ここで、ECU80は、特に、エンジン1の完全暖機後にバイパス弁17が閉弁している状態でエンジン1が間欠停止するときは、VSV28を制御してエンジン1の停止直前に吸気通路2で発生した吸気負圧を連通路27を介してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁駆動するようになっている。
上記したバイパス弁切替制御によれば、ECU80は、バイパス弁17が開弁状態で停止している場合に、エンジン1が間欠停止から再始動するとき(ステップ270のYESの場合)は、サージタンク5a(吸気通路2)で発生する吸気負圧を、VSV28を制御してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁状態に維持したままエンジン1を間欠停止をしているため(ステップ250,260の処理)、エンジン1の再始動時にバイパス弁17の開弁制御は不要である。ECU80は、間欠停止時にアクチュエータ21の圧力室23に一旦導入された吸気負圧が漏れていると判断した場合、エンジン1の再始動から遅れてEGR弁14を開弁制御(ステップ300の処理)するようになっている。また、ECU80は、上記エンジン1の再始動に際して、エンジン1の間欠停止時間TIstpが所定時間A1を超えた場合(ステップ290がYESの場合)に、エンジン1の再始動から遅れてEGR弁14を開弁制御(ステップ300の処理)するようになっている。すなわち、エンジン1の間欠停止から再始動までの時間(間欠停止時間TIstep)が所定時間A1を超えた場合は、圧力抜けが生じている懸念があるため、EGR弁14の開弁を遅らせて吸気負圧を発生させるようになっている。
上記したバイパス弁切替制御によれば、ECU80は、VSV28への通電オフ時に、連通路27を大気に連通させる状態に切り替えてバイパス弁17を閉弁駆動するようになっている(ステップ170,190,230)。
更に、上記したバイパス弁切替制御によれば、ECU80は、エンジン1の低温始動時であって(ステップ120がYESの場合)、EGR弁14が閉弁状態の場合(ステップ150がYESの場合)は、VSV28を制御し、吸気通路2で発生する吸気負圧を連通路27を介してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁駆動するようになっている。
[バイパス弁開弁要求判定制御について]
次に、バイパス弁開弁要求判定制御について説明する。図9に、バイパス弁開弁要求判定制御の内容をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU80は、ステップ400で、水温センサ71、回転数センサ72及び吸気温センサ77の検出値に基づき、冷却水温度THW、エンジン回転数NE及び吸気温度THAをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ410で、ECU80は、エンジン回転数NEが「500rpm」を超えたか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、エンジン1が稼働中であるとして処理をステップ420へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、エンジン1が停止中であるとして処理をステップ450へ移行する。
ステップ420では、ECU80は、吸気温度THAに応じた開弁要求水温度THWBOを算出する。ECU80は、例えば、図10に示す所定の開弁要求水温度マップを参照することにより、吸気温度THAに応じた開弁要求水温度THWBOを求めることができる。
次に、ステップ430で、ECU80は、開弁要求水温度THWBOが冷却水温度THWより高いか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ440へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ450へ移行する。
そして、ステップ440では、ECU80は、EGR通路12に暖機の必要性があると判断し、バイパス弁開弁要求と判定した後、処理をステップ400へ戻す。
一方、ステップ450では、ECU80は、EGR通路12に暖機の必要性がないと判断し、バイパス弁閉弁要求と判定した後、処理をステップ400へ戻す。
上記したバイパス弁開弁要求判定制御によれば、ECU80は、エンジン1の稼働中に、吸気温度THA、すなわち外気温度に応じてバイパス弁開弁要求の判定又はバイパス弁閉弁要求の判定を行うようになっている。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRシステムの構成、特に開閉駆動機構19の構成によれば、スロットル装置4より下流のサージタンク5a(吸気通路2)における圧力はエンジン1の運転状態により変わり、吸気負圧から大気圧までの圧力状態となる。ここで、VSV28をオフすることで、第1ポート28aと第2ポート28bが連通し、エアフィルタ29を介して連通路27に導入される大気圧が、アクチュエータ21の圧力室23に導入され、図5に示すように、ダイアフラム22が大気室24の側へ変位してアクチュエータ21が所定の動作状態、すなわちロッド26がケーシング21aから突出する状態となる。これにより、バイパス弁17が全閉に閉弁駆動される。一方、VSV28をオンすることで、第1ポート28aと第3ポート28cが連通し、連通路27に大気圧が作用しなくなる。このとき、サージタンク5a(吸気通路2)が吸気負圧の状態であれば、その吸気負圧が逆止弁30及び連通路27を介して圧力室23に導入され、図6に示すように、ダイアフラム22がスプリング25の付勢力に抗して圧力室23の側へ変位してアクチュエータ21が上記所定の動作状態とは逆の動作状態、すなわちロッド26の一部がケーシング21aに没入する状態となる。これにより、バイパス弁17が全開に開弁駆動される。このとき、VSV28をオンし続けることで、圧力室23には大気圧が作用せず、圧力室23からサージタンク5a(吸気通路2)への吸気負圧の抜けが逆止弁30により抑えられ、圧力室23での吸気負圧が最も大きい状態で保持され、バイパス弁17の全開が保持される。
ここで、ECU80は、エンジン1の完全暖機後にバイパス弁17が閉弁している状態でエンジン1が運転しているときであって、EGR弁14が閉弁しているときに、VSV28を制御してサージタンク5a(吸気通路2)で発生する吸気負圧を連通路27を介してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁駆動し、その開弁状態で停止する。従って、完全暖機後にエンジン1が間欠停止し、その後、エンジン1が再始動したときにEGR通路12に暖機が必要であっても、バイパス弁17が既に開弁しているので、バイパス通路16を流れる温度の高いEGRガスが、EGRクーラ13より下流のEGR通路12(EGRガス分配器15)へ流れる。このため、HVのエンジン1に設けられるEGRシステムであって、EGRクーラ13のバイパス通路16に設けられるバイパス弁17をダイアフラム式のアクチュエータ21により開閉駆動させる構成において、エンジン1の完全暖機後の再始動時に、吸気負圧を強制的に発生させることなく(例えば、スロットル装置4を制御することなく)アクチュエータ21を吸気負圧で動作させてバイパス弁17を開弁制御することができる。
すなわち、この実施形態では、ECU80は、(C1)エンジン1の間欠停止時にバイパス弁17を開弁制御し、その開弁状態で停止し、(C2)エンジン1の再始動時に開弁状態のバイパス弁17によりバイパス通路16を流れる温度の高いEGRガスにより、EGRクーラ13より下流のEGR通路12を暖機する。そして、ECU80は、(C3)EGR通路12の暖機が完了したら、バイパス弁17を閉弁制御する。ECU80は、エンジン1の間欠運転に合わせて上記(C1)~(C3)の処理を繰り返すことで、吸気通路2で吸気負圧を強制的に発生させなくても、完全暖機後にバイパス弁17を開弁制御するようになっている。
また、この実施形態の構成によれば、ECU80は、バイパス弁17が開弁状態で停止している場合に、エンジン1が間欠停止から再始動するときは、サージタンク5a(吸気通路2)で発生する吸気負圧を、VSV28を制御してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁状態に維持したままエンジン1を間欠停止をしているため、エンジン1の再始動時にバイパス弁17を開弁制御することは不要である。間欠停止時にアクチュエータ21の圧力室23に一旦導入された吸気負圧が漏れていると判断した場合、ECU80は、エンジン1の再始動から遅れてEGR弁14を開弁制御する。図11に、この制御に関する各種パラメータの挙動をタイムチャートにより示す。図11において、(a)はエンジン回転数NEの変化を示し、(b)は吸気圧力PMの変化を示し、(c)はEGR開度TEGRの変化を示す。図11において、エンジン1が間欠停止後に、時刻t1~t4の間で再始動する場合、時刻t1でエンジン1が再始動を開始した後、通常のEGR制御を実行したとすれば、時刻t2にて(c)に実線で示すように、EGR弁14が開弁を開始するので、(b)に実線で示すように、時刻t3では適当な吸気負圧の発生がなく、アクチュエータ21の圧力室23へ吸気負圧を導入することができない。これに対し、この実施形態では、(c)に破線で示すように、時刻t2より遅れた時刻t3にてEGR弁14の開弁を開始するので、(b)に破線で示すように、時刻t3に適当な吸気負圧が発生し、アクチュエータ21の圧力室23へ吸気負圧を導入できるようになる。従って、完全暖機後にエンジン1が間欠停止し、その後、エンジン1が再始動したときにEGR通路12に暖機が必要であっても、EGR弁14が開弁するより前にバイパス弁17が開弁状態を維持しているため開弁制御することは不要である。アクチュエータ21の圧力室23に一旦導入された吸気負圧が漏れていてもエンジン1の再始動時にEGR弁14の開弁を遅らせることでEGRガスが吸気通路2へ流れず、吸気通路2で吸気負圧が発生し、その吸気負圧がバイパス弁17の開弁駆動のために使用可能となる。この意味でも、HVのエンジン1に設けられるEGRシステムであって、EGRクーラ13のバイパス通路16に設けられるバイパス弁17をダイアフラム式のアクチュエータ21により開閉駆動させる構成において、エンジン1の完全暖機後の再始動時に、吸気負圧を強制的に発生させることなく(例えば、スロットル装置4を制御することなく)、アクチュエータ21を吸気負圧で動作させてバイパス弁17を開弁制御することができる。
また、この実施形態の構成によれば、ECU80は、エンジン1の間欠停止時間TIstpが所定時間A1を超えた場合に、エンジン再始動時から遅らせてEGR弁14の開弁制御を行う。従って、エンジン1の間欠停止時間TIstpが所定時間A1を超えて長くなり、アクチュエータ21の圧力室23に一旦導入された吸気負圧が漏れ出たとしても、バイパス弁17の開弁時にEGRガスが吸気通路2へ流れず、吸気通路2で吸気負圧が発生し、その吸気負圧がバイパス弁17の開弁駆動のために使用可能となる。このため、間欠停止時にアクチュエータ21の圧力室23に一旦導入された吸気負圧が漏れていると判断した場合、エンジン1の完全暖機後の再始動時にアクチュエータ21を吸気負圧で動作させてバイパス弁17を開弁制御することができる。
更に、この実施形態の構成によれば、ECU80は、VSV28への通電オフ時に、連通路27を大気に連通させる状態に切り替えてバイパス弁17を閉弁駆動する。従って、VSV28が故障しても、VSV28が連通路27を大気に連通させる状態となり、バイパス弁17が閉弁状態に保たれる。このため、VSV28の故障時に、バイパス通路16に不用意に高い温度のEGRガスが流れることを防止することができ、EGRクーラ13より下流のEGR通路12の溶損を抑制することができる。
加えて、この実施形態の構成によれば、エンジン1の低温始動時であってEGR弁14が閉弁状態の場合は、吸気通路2にて、アクチュエータ21の動作に必要な吸気負圧を確保することが可能となり、バイパス弁17を開弁駆動させることが可能となる。このため、エンジン1の低温始動時にも、吸気負圧を強制的に発生させることなくアクチュエータ21を吸気負圧で動作させてバイパス弁17を開弁制御することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
[バイパス弁開弁要求判定制御について]
この実施形態では、バイパス弁開弁要求判定制御の内容の点で第1実施形態と構成が異なる。図12に、この実施形態のバイパス弁開弁要求判定制御の内容をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ500で、ECU80は、水温センサ71、回転数センサ72及び吸気温センサ77の検出値に基づき、冷却水温度THW、エンジン回転数NE及び吸気温度THAをそれぞれ取り込む。また、ECU80は、EGR弁14を開弁制御するための指令値をEGR開度TEGRとして取り込む。
次に、ステップ510で、ECU80は、エンジン回転数NEが、例えば「500rpm」を超えたか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、エンジン1が稼働中であるとして処理をステップ520へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、エンジン1が停止中であるとして処理をステップ610へ移行する。
一方、ステップ520では、ECU80は、EGR開度TEGRが所定値B1以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ530へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ540へ移行する。
ステップ530では、ECU80は、EGR開度TEGRが所定値B1以上のときの累積時間TMEON(i)を積算算出する。この場合、ECU80は、前回の累積時間TMEON(i-1)に所定の積算値αを加えることで今回の累積時間TMEON(i)を算出する。
一方、ステップ540では、ECU80は、EGR開度TEGRが所定値B1未満のときの累積時間TMEON(i)を減算算出する。この場合、ECU80は、前回の累積時間TMEON(i-1)から所定の減算値βを引くことで今回の累積時間TMEON(i)を算出する。
ステップ530又はステップ540から移行してステップ550では、ECU80は、累積時間TMEON(i)を、そのままバイパス弁開時間TBONに置き換える。
次に、ステップ560で、ECU80は、バイパス弁開時間TBONが「0」以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ580へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ570へ移行する。
ステップ570では、ECU80は、バイパス弁開時間TBONを「0」に設定し、処理をステップ580へ移行する。
ステップ560又はステップ570から移行してステップ580では、ECU80は、冷却水温度THWと吸気温度THAに応じた開弁判定時間FTBONを算出する。ECU80は、例えば、図13に示すような開弁判定時間マップを参照することにより冷却水温度THWと吸気温度THAに応じた開弁判定時間FTBONを求めることができる。
次に、ステップ590で、ECU80は、開弁判定時間FTBONがバイパス弁開時間TBONより大きいか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ600へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ610へ移行する。
そして、ステップ600では、ECU80は、EGR通路に暖機の必要があるので、バイパス弁開弁要求と判定し、処理をステップ500へ戻す。
一方、ステップ510又はステップ590から移行してステップ610では、ECU80は、EGR通路12に暖機の必要がないので、バイパス弁閉弁要求と判定し、処理をステップ500へ戻す。
上記したバイパス弁開弁要求判定制御によれば、ECU80は、EGR弁14が所定値B1以上のEGR開度TEGRで開弁した累積時間TMEON(i)に基いてバイパス弁開弁要求及びバイパス弁閉弁要求を判定するようになっている。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[バイパス弁開弁要求判定制御について]
この実施形態では、バイパス弁開弁要求判定制御の内容の点で第2実施形態と構成が異なる。図14に、この実施形態のバイパス弁開弁要求判定制御の内容をフローチャートにより示す。図14のフローチャートは、ステップ520~ステップ540の代わりにステップ700とステップ710を設けた点で図12のフローチャートと構成が異なる。
すなわち、図14のフローチャートにおいて、ステップ510の判断結果が肯定となる場合、ECU80は、ステップ700で、EGR開度TEGRに応じた時間補正係数Kαを算出する。ECU80は、例えば、図15に示すような時間補正係数マップを参照することによりEGR開度TEGRに応じた時間補正係数Kαを求めることができる。図15において、「β」は、図12のステップ540における減算値に相当する。
次に、ステップ710で、ECU80は、EGR開度TEGRに応じた累積時間TMEON(i)を積算算出する。この場合、ECU80は、前回の累積時間TMEON(i-1)に時間補正係数Kαを加えることで今回の累積時間TMEON(i)を算出する。その後、ECU80は、ステップ550以降の処理を実行する。
上記したバイパス弁開弁要求判定制御によれば、ECU80は、第2実施形態と同様、ECU80は、EGR弁14が所定値B1以上のEGR開度TEGRで開弁した累積時間TMEON(i)に基いてバイパス弁開弁要求及びバイパス弁閉弁要求を判定するようになっている。ただし、この実施形態では、累積時間TMEON(i)を、EGR開度TEGRに応じた時間補正係数Kαにより補正する点で第2実施形態と異なる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[バイパス弁開弁要求判定制御について]
この実施形態では、バイパス弁開弁要求判定制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図16に、この実施形態のバイパス弁開弁要求判定制御の内容をフローチャートにより示す。この実施形態では、バイパス弁開弁要求の判定を、EGR通路12におけるEGRガス温度THegrに基づいて行うことから、エンジンシステムには、例えば、図1に2点鎖線で示すように、EGR弁14より下流のEGR通路12に、EGRガス温度THegrを検出するためのガス温センサ78を設けることができる。
処理が図16のフローチャートのルーチンへ移行すると、ステップ800で、ECU80は、ガス温センサ78の検出値に基づきEGRガス温度THegrを取り込む。
次に、ステップ810で、ECU80は、EGRガス温度THegrが「130℃」未満か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ820へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ830へ移行する。
そして、ステップ820では、EGRガス温度THegrが「130℃」未満と低いことから、バイパス弁開弁要求と判定し、処理をステップ800へ戻す。
一方、ステップ830では、EGRガス温度THegrが「130℃」以上と高いことから、バイパス弁閉弁要求と判定し、処理をステップ800へ戻す。
上記したバイパス弁開弁要求判定制御によれば、ECU80は、ガス温センサ78で検出されるEGRガス温度THegrに基きバイパス弁開弁要求及びバイパス弁閉弁要求を判定するようになっている。
<別の実施形態>
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、この開示技術の切替弁を三方弁よりなるVSV28により構成したが、切替弁を二つの開閉弁により構成することもできる。
(2)前記各実施形態では、エンジン1の完全暖機後にエンジン1が間欠停止するときに、VSV28を制御してエンジン1の停止直前に吸気通路2で発生した吸気負圧を連通路27を介してアクチュエータ21の圧力室23に導入することでバイパス弁17を開弁駆動するように構成した。これに対し、エンジンの完全暖機後でなく、エンジンの停止直前でなくても、エンジンが間欠停止するときに、VSVを制御して吸気通路2で発生した吸気負圧を連通路を介してアクチュエータの圧力室に導入することでバイパス弁を開弁駆動するように構成することもできる。
(3)この開示技術は、バイパス弁17の開閉制御を実施したものであるが、ダイアフラム式アクチュエータを用い、吸気負圧で制御するものであれば実施可能である。
この開示技術は、エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車のエンジンに適用することができる。
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
5 吸気マニホールド(吸気通路)
11 EGRシステム
12 EGR通路
13 EGRクーラ
14 EGR弁
15 EGRガス分配器(EGR通路)
16 バイパス通路
17 バイパス弁
21 アクチュエータ
21a ケーシング
22 ダイアフラム
23 圧力室
24 大気室
27 連通路
28 VSV(切替弁)
80 ECU(EGR制御手段)

Claims (8)

  1. エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車に適用され、前記エンジンに設けられるEGRシステムであって、
    前記エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとして前記エンジンへ還流させるために吸気通路へ流すEGR通路と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスを冷却するためのEGRクーラと、
    前記EGR通路にて前記EGRクーラを迂回するバイパス通路と、
    前記バイパス通路を開閉するためのバイパス弁と
    を備え、
    前記バイパス弁は、ダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動されるように構成され、
    前記アクチュエータは、そのケーシングがダイアフラムを介して圧力室と大気室に区分けされ、前記圧力室には、前記吸気通路に連通する連通路が設けられ、
    前記アクチュエータは、前記圧力室に吸気負圧が導入されることで前記バイパス弁を開弁駆動し、前記圧力室に大気圧が導入されることで前記バイパス弁を閉弁駆動し、
    前記連通路には、前記連通路を前記吸気通路へ連通させる状態と大気に連通させる状態とを選択的に切り替えるための電動式の切替弁が設けられる
    ように構成したEGRシステムにおいて、
    前記EGR弁、前記バイパス弁及び前記切替弁を制御するためのEGR制御手段を更に備え、
    前記EGR制御手段は、前記エンジンが運転しているときであって、前記EGR弁が閉弁しているときに、前記切替弁を制御して前記吸気通路で発生する前記吸気負圧を前記連通路を介して前記アクチュエータの前記圧力室に導入することで前記バイパス弁を開弁駆動し、その開弁状態で停止する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  2. 請求項1に記載のEGRシステムにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記エンジンの完全暖機後に前記バイパス弁が閉弁している状態で前記エンジンが間欠停止するときは、前記切替弁を制御して前記エンジンの停止直前に前記吸気通路で発生した前記吸気負圧を前記連通路を介して前記アクチュエータの前記圧力室に導入することで前記バイパス弁を開弁駆動する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のEGRシステムにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記バイパス弁が開弁状態で停止している場合に、前記エンジンが間欠停止から再始動するときは、前記エンジンの再始動から遅れて前記EGR弁を開弁制御する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  4. 請求項3に記載のEGRシステムにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えた場合に、前記エンジンの再始動から遅れて前記EGR弁を開弁制御する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  5. エンジンを間欠運転させるハイブリッド自動車に適用され、前記エンジンに設けられるEGRシステムであって、
    前記エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとして前記エンジンへ還流させるために吸気通路へ流すEGR通路と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスを冷却するためのEGRクーラと、
    前記EGR通路にて前記EGRクーラを迂回するバイパス通路と、
    前記バイパス通路を開閉するためのバイパス弁と
    を備え、
    前記バイパス弁は、ダイアフラム式のアクチュエータにより開閉駆動されるように構成され、
    前記アクチュエータは、そのケーシングがダイアフラムを介して圧力室と大気室に区分けされ、前記圧力室には、前記吸気通路に連通する連通路が設けられ、
    前記アクチュエータは、前記圧力室に吸気負圧が導入されることで前記バイパス弁を開弁駆動し、前記圧力室に大気圧が導入されることで前記バイパス弁を閉弁駆動し、
    前記連通路には、前記連通路を前記吸気通路へ連通させる状態と大気に連通させる状態とを選択的に切り替えるための電動式の切替弁が設けられる
    ように構成したEGRシステムにおいて、
    前記EGR弁、前記バイパス弁及び前記切替弁を制御するためのEGR制御手段を更に備え、
    前記EGR制御手段は、前記バイパス弁が開弁状態で停止している場合に、前記エンジンが間欠停止から再始動するときは、前記エンジンの再始動から遅れて前記EGR弁を開弁制御する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  6. 請求項5に記載のEGRシステムにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記エンジンの間欠停止時間が所定時間を超えた場合に、前記エンジンの再始動から遅れて前記EGR弁を開弁制御する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記切替弁への通電オフ時に、前記連通路を前記大気に連通させる状態に切り替えて前記バイパス弁を閉弁駆動する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記EGR制御手段は、前記エンジンの低温始動時であって、前記EGR弁が閉弁状態の場合は、前記切替弁を制御して前記吸気通路で発生する前記吸気負圧を前記連通路を介して前記アクチュエータの前記圧力室に導入することで前記バイパス弁を開弁駆動する
    ことを特徴とするEGRシステム。
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