JP2018177418A - ボビン処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動ユニット及びボビン処理装置を有する機台において、消費電力の無駄を減らすことにある。【解決手段】ボビン処理装置103は、給糸ボビンを自動ワインダ102に順次供給するための装置である。第1吸引機構47は、空気を吸引することにより、給糸ボビンの糸の処理を行う。第2吸引機構51は、空気を吸引することにより、給糸ボビンの糸の処理を行う。第1ボビン処理装置用ブロワ45は、第1吸引機構47のための吸引空気流を発生させる。第2ボビン処理装置用ブロワ49は、第2吸引機構51のための吸引空気流を発生させる。第1ボビン処理装置用吸引ダクト46は、第1ボビン処理装置用ブロワ45と第1吸引機構47との間に介在する。第2ボビン処理装置用吸引ダクト50は、第2ボビン処理装置用ブロワ49と第2吸引機構51との間に介在する。【選択図】図2

Description

本発明は、給糸ボビンを糸巻取装置に順次供給するためのボビン処理装置に関する。
従来、複数のユニットを有する自動ワインダと、ボビン処理装置とによって、機台が構成されている。ボビン処理装置は、糸が巻装されたボビンをトレイに装着し、次に各種の糸処理を行い、最後に給糸ボビンを自動ワインダに供給する。
機台は、1つのブロワを有しており、ブロワが、自動ワインダのユニット及びボビン処理装置の複数の糸処理装置の吸引機構を動作させている。
この場合、自動ワインダの各ユニットは低い静圧で稼動できる状態であっても、ボビン処理装置の複数の糸処理装置には高い静圧が必要であった。そのため、ブロワはボビン処理装置に合せて稼動している。したがって、電力を無駄に消費している。
従来、ボビン処理装置に専用のブロワが設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、1台の口出し装置に対して1台の吸引源を設け、低圧と高圧を切替えることで省エネを実現している。
欧州特許第2322460号明細書
ボビン処理装置は、口出し装置以外に、例えば、残糸吸引装置、糸解除装置といった複数の糸処理装置を有している。
そのため、特許文献1のように1台の口出し装置に1つの吸引源を設けただけでは、複数の吸引機構の省エネを具体的に実現できない。
本発明の目的は、自動ユニット及びボビン処理装置を有する機台において、消費電力を抑えることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るボビン処理装置は、給糸ボビンを糸巻取装置に順次供給するための装置である。ボビン処理装置は、第1吸引部と、第2吸引部と、第1吸引源と、第2吸引源と、第1空気通路と、第2空気通路とを備えている。
第1吸引部は、空気を吸引することにより、給糸ボビンの糸の処理を行う。
第2吸引部は、空気を吸引することにより、給糸ボビンの糸の処理を行う。
第1吸引源は、第1吸引部のための吸引空気流を発生させる。
第2吸引源は、第2吸引部のための吸引空気流を発生させる。
第1空気通路は、第1吸引源と第1吸引部との間に介在する。
第2空気通路は、第2吸引源と第2吸引部との間に介在する。
この装置では、第1吸引部と第2吸引部にそれぞれ第1吸引源と第2吸引源が設けられており、第1吸引源と第2吸引源のそれぞれが第1吸引部及び第2吸引部に対して吸引空気流を発生することで第1吸引部及び第2吸引部を動作させる。
以上の構造によって、第1吸引部において吸引動作を行っていても、第2吸引部の吸引を停止できる。また、その逆も可能である。これにより、ボビン処理装置の消費電力を低減できる。
ボビン処理装置は、第1シャッタ装置と第2シャッタ装置を有していてもよい。第1シャッタ装置は、第1空気通路に設けられており、第1吸引源と第1吸引部との間を導通及び遮蔽する。第2シャッタ装置は、第2空気通路に設けられおり、第2吸引源と第2吸引部との間を導通及び遮蔽する。
第1吸引部及び第2吸引部は、それぞれ、給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする第1口出し装置及び第2口出し装置であってもよい。
この装置では、例えば通常は第1口出し装置のみで吸引を行っており、特別な場合に第2口出し装置でも吸引を行ってもよい。
第1吸引部及び第2吸引部は、それぞれ、給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする口出し装置と、口出し装置の前工程において給糸ボビンの糸端を側方から吸引するサイドサクションマウスであってもよい。
第1吸引部及び第2吸引部は、それぞれ、給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする口出し装置と、給糸ボビンをトレイに供給するボビン供給装置に設けられるバンチ除去装置とであってもよい。
第1吸引部及び第2吸引部は、それぞれ、給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする口出し装置と、給糸ボビンの残糸を吸引除去する残糸処理装置であってもよい。
ボビン処理装置は、第1吸引源及び第2吸引源の動作を制御するための制御部をさらに備えていてもよい。
本発明に係るボビン処理装置では、ボビン処理装置の電力の消費を抑えることができる。
第1実施形態の自動ワインダシステムの模式的平面図。 ボビン処理装置の吸引制御構成を示すブロック図。 2台の口出し装置の吸引構造を示す模式図。 自動ワインダの吸引制御構成を示すブロック図。
1.第1実施形態
(1)自動ワインダシステム
図1を用いて、本発明の第1実施形態としてのボビン処理装置103を有する自動ワインダシステム101を説明する。図1は、第1実施形態の自動ワインダシステムの模式的平面図である。
自動ワインダシステム101は、自動ワインダ102と、ボビン処理装置103と、ボビン供給装置104とを備えている。自動ワインダ102は、ボビン処理装置103の図左側に設けられている。ボビン処理装置103は、ボビン供給装置104と自動ワインダ102との間に配置されている。
自動ワインダ102は、複数の巻取ユニット105を有している。巻取ユニット105は、実ボビン管5B(給糸ボビン)に巻き付けられている紡績糸を、巻取管上に巻き返して、紡績糸の製品パッケージを製造する装置である。
ボビン処理装置103は、自動ワインダ102より排出される空ボビン管5Aをトレイ3から抜き取るとともに、実ボビン管5Bをトレイ3に装着して、自動ワインダ102に向けて供給する装置である。
ボビン供給装置104は、実ボビン管5Bを、ボビン処理装置103に供給する装置である。
なお、空ボビン管5Aとは、紡績糸が巻き付けられていない筒体そのものをいう。実ボビン管5Bとは、精紡機(図示せず)において生成された紡績糸が筒体の周囲に巻き付けて構成されたボビン管をいう。
(2)自動ワインダ
図1に示すように、自動ワインダ102には、各巻取ユニット105まで実ボビン管5Bを搬送するための供給路106が設けられている。また、自動ワインダ102には、各巻取ユニット105から排出される空ボビン管5Aを搬送するための回収路107が形成されている。供給路106及び回収路107はベルトコンベア等から構成されており、トレイ3を用いて空ボビン管5Aを搬送する。
(3)ボビン処理装置
ボビン処理装置103は、実ボビン管5Bや空ボビン管5Aの搬送手段として、それらをトレイ3に載せた状態で搬送するトレイ搬送ライン108を有している。トレイ搬送ライン108は、自動ワインダ102の供給路106と回収路107とに接続されている。実ボビン管5Bが装着されたトレイ3は、ボビン処理装置103からトレイ搬送ライン108及び供給路106によって巻取ユニット105に供給される。空ボビン管5Aが装着されたトレイ3は、巻取ユニット105から回収路107及びトレイ搬送ライン108に搬送される。
トレイ搬送ライン108は、主搬送ライン121と、第2バンチ処理ライン122とを有している。
主搬送ライン121は、自動ワインダ102から排出された空ボビン管5Aを搬送し、途中で空ボビン管5Aを実ボビン管5Bに置換して、それを自動ワインダ102に向けて搬送する経路である。主搬送ライン121は、概略的にはU字状に形成されている。ここで、主搬送ライン121の始端部は、回収路107の終端部に接続されており、主搬送ライン121の終端部は、供給路106の始端部に接続されている。
ボビン抜き取り装置11は、自動ワインダ102から残糸付きの空ボビン管5Aが返ってきた場合に、そのボビンの糸を巻き取りできるか否かを判別し、できない場合はトレイ3から抜き取って回収する装置である。ボビン抜き取り装置11は、巻き取り不可能な残糸を空ボビン管5Aから吸引除去するための第4吸引機構57(図2)を有している。
実ボビン管供給装置13は、精紡機で製造された実ボビン管5Bを、トレイ3に略直立状態で装着する装置である。実ボビン管供給装置13には、ボビン供給装置104より実ボビン管5Bが供給される。
実ボビン管供給装置13は、図示しないが、ボビン投入装置と、ボビン個別化装置と、ボビン振り分け装置と、一対のボビンシュートとを備えている。実ボビン管供給装置13は、ボビン振り分け装置と一対のボビンシュートによって、2カ所で同時に実ボビン管5Bをトレイ3に供給できる。各ボビンシュートは、トレイ3の装着部に差し込まれるように実ボビン管5Bをセットする。ボビンシュートは、例えば、コーン状円筒体を軸方向で二分割した各分割片からなる。
実ボビン管供給装置13は、バンチリムーバ14(図2)を有している。バンチリムーバ14は、ボトムバンチ(精紡機によりボビンが形成される際の巻き終わり部分)を吸引して除去する第3吸引機構53(図2)を有している。
主搬送ライン121において、実ボビン管供給装置13の搬送方向下流には、第1バンチ解舒装置15A、第1糸端処理装置17A、及び第1口出し装置19Aがこの順番で配置されている。
第1バンチ解舒装置15Aは、実ボビン管供給装置13のバンチリムーバ14と同等の機能を実現するための装置であり、バンチリムーバ14で除去できなかったボトムバンチを除去するためのものである。第1バンチ解舒装置15Aは吸引機構(図示せず)を有する。
第1糸端処理装置17Aは、実ボビン管5Bの糸層表面に巻かれたバックワインド糸を切断して、糸端を引き出しやすくする装置である。第1糸端処理装置17Aは吸引機構(図示せず)を有する。
第1口出し装置19Aは、実ボビン管5Bの表面から糸端を解離させて口出しし、口出しされた糸を筒体の頂部に巻き付けて、糸の端部を筒体の天孔に挿入する装置である。第1口出し装置19Aは、口出しのために糸端を吸引する第1吸引機構47(図2)を有している。
なお、第1糸端処理装置17Aと第1口出し装置19Aとの間には、オプションとして、第1サイドサクション18Aが設けられていてもよい。第1サイドサクション18Aは、糸端を側方に吸引することで後段の口出し処理を補助する装置である。第1サイドサクション18Aは、糸端を吸引するための第5吸引機構61としてのサイドサクションマウス(図示せず)を有している。
戻り搬送ライン122は、例えば第1バンチ解舒装置15Aで口出し処理に失敗した実ボビン管5Bを、再処理させるための経路である。戻り搬送ライン122は、主搬送ライン121の終端部から始端部へ戻すためのバイパス経路となっている。
第2バンチ処理ライン122には、第2バンチ解舒装置15B、第2糸端処理装置17B、及び第2口出し装置19Bがこの順番で配置されている。また、オプションとして、第2サイドサクション18Bが配置されていてもよい。これらの装置は前述したものと同様である。
(4)トレイの流れ
トレイ3の流れを下記に説明する。
実ボビン管供給装置13では、バンチリムーバ14(図2)によって実ボビン管5Bに形成されているボトムバンチが除去される。続いて、空のトレイ3が実ボビン管供給装置13のボビンシュート(図示せず)の直下位置まで到達すると、空のトレイ3の上に実ボビン管5Bが略直立状態で載置される。
次に、トレイ3は、下流側の第1バンチ解舒装置15Aへ向けて主搬送ライン121に搬送される。第1バンチ解舒装置15Aでは、実ボビン管5Bに形成されているボトムバンチ除去が再度実行される。バンチリムーバ14では除去できなかったボトムバンチを確実に除去するためである。
次に、実ボビン管5Bは、第1糸端処理装置17Aへ向けて主搬送ライン121を搬送される。第1糸端処理装置17Aでは、実ボビン管5Bの糸層表面に巻き付いているバックワインド糸が切断され、糸の先端側巻付部が形成される。
次に、実ボビン管5Bは、第1口出し装置19Aへ向けて主搬送ライン121を搬送される。第1口出し装置19Aでは、糸の先端側巻付部が上方に向けて吸引され、糸の端部が実ボビン管5Bの筒体の内側に挿入される。
次に、実ボビン管5Bは、主搬送ライン121をさらに下流へと搬送され、自動ワインダ102の供給路106へと供給される。実ボビン管5Bは、供給路106を搬送され、いずれかの巻取ユニット105に供給される。
巻取ユニット105においては、実ボビン管5Bから糸の解舒が行われ、解舒された糸がパッケージに巻き取られる。
周囲の糸が全て解舒された空ボビン管5Aを載せたトレイ3は、巻取ユニット105から排出され、回収路107を介して再びボビン処理装置103の主搬送ライン121に戻される。
主搬送ライン121では、ボビン抜き取り装置11が、トレイ3に載置されている空ボビン管5Aを抜き取る。
(5)ボビン処理装置の吸引制御構成
図2を用いて、ボビン処理装置103の吸引制御構成を説明する。図2は、ボビン処理装置の吸引制御構成を示すブロック図である。
ボビン処理装置103は、第1ボビン処理装置用ブロワ45(第1吸引源の一例)を有している。第1ボビン処理装置用ブロワ45は、第1口出し装置19Aに吸引力を供給するための装置である。
ボビン処理装置103は、第1ボビン処理装置用吸引ダクト46(空気通路の一例)を有している。第1ボビン処理装置用吸引ダクト46は、第1ボビン処理装置用ブロワ45と第1吸引機構47との間に介在する。
第1ボビン処理装置用ブロワ45は、図3に示すように、ブロワボックス70内に収納された、モータ71と、ファン72と、糸屑回収ボックス73とを有している。図3は、2台の口出し装置の吸引構造を示す模式図である。
糸屑回収ボックス73は、吸引除去した糸屑や風綿を回収するための装置であり、エアフィルタ74を有している。この構造によって、糸屑回収ボックス73は、吸引空気流と、吸引空気流に乗って飛ばされてくる糸屑や風綿とを分離できる。
第1口出し装置19Aは、実ボビン管5Bの糸端を所定の位置に位置決めする第1吸引機構47を有している。第1口出し装置19Aは、第1シャッタ装置48を有している。第1口出し装置19Aは第1ボビン処理装置用吸引ダクト46に接続された空気通路(空気通路の一例、図示せず)を有している。第1シャッタ装置48は、前述の空気通路に設けられており、第1ボビン処理装置用ブロワ45と第1吸引機構47との間で空気通路を開閉できる。第1シャッタ装置48は、例えば、シャッタとエアシリンダとを有している(以下、同様である)。第1シャッタ装置48は例えばシャッタカッタである。
ボビン処理装置103は、第2ボビン処理装置用ブロワ49(第2吸引源の一例)を有している。第2ボビン処理装置用ブロワ49は、第2口出し装置19Bに吸引力を供給するための装置である。
ボビン処理装置103は、第2ボビン処理装置用吸引ダクト50(空気通路の一例)を有している。第2ボビン処理装置用吸引ダクト50は、第2ボビン処理装置用ブロワ49と第2吸引機構51との間に介在する。
第2ボビン処理装置用ブロワ49は、図3に示すように、ブロワボックス76内に収納された、モータ78と、ファン79と、糸屑回収ボックス80とを有している。糸屑回収ボックス80は、吸引除去した糸屑や風綿を回収するための装置であり、エアフィルタ81を有している。
第2口出し装置19Bは、ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする第2吸引機構51を有している。第2口出し装置19Bは、第2シャッタ装置52を有している。第2口出し装置19Bは、第2ボビン処理装置用吸引ダクト50に接続された空気通路(空気通路の一例、図示せず)を有している。第2シャッタ装置52は、前述の空気通路に設けられており、第2ボビン処理装置用ブロワ49と第2吸引機構51との間で空気通路を開閉できる。第2シャッタ装置52は例えばシャッタカッタである。
バンチリムーバ14は、ボトムバンチを解舒するための第3吸引機構53を有している。バンチリムーバ14は、第3シャッタ装置54を有している。バンチリムーバ14は、ダクト55に接続された空気通路(空気通路の一例、図示せず)を有している。第3シャッタ装置54は、前述の空気通路に設けられ、第3ボビン処理装置用ブロワ56と第3吸引機構53との間で空気通路を開閉できる。第3シャッタ装置54は例えばシャッタカッタである。なお、第3ボビン処理装置用ブロワ56には糸屑回収ボックスが設けられているが、説明は省略する(以下、同様である)。
ボビン抜き取り装置11は、ボビンの残糸を吸引する第4吸引機構57としての残糸処理装置を有している。ボビン抜き取り装置11は、第4シャッタ装置58を有している。ボビン抜き取り装置11は、ダクト59に接続された空気通路(空気通路の一例、図示せず)を有している。第4シャッタ装置58は、前述の空気通路に配置され、第4ボビン処理装置用ブロワ60と第4吸引機構57との間で空気通路を開閉できる。
第1サイドサクション18Aは、糸端を側方に吸引する第5吸引機構61を有している。第1サイドサクション18Aは、第5シャッタ装置62を有している。第1サイドサクション18Aは、ダクト63に接続された第1サイドサクション18A内の空気通路(空気通路の一例、図示せず)を有している。第5シャッタ装置62は、前述の空気通路に設けられ、第5ボビン処理装置用ブロワ64と第5吸引機構61との間で空気通路を開閉できる。第5シャッタ装置62は例えばシャッタカッタである。
第2サイドサクション18Bは、糸端を側方に吸引する第6吸引機構65を有している。第2サイドサクション18Bは、第6シャッタ装置66を有している。第6シャッタ装置66は、ダクト67に接続された第2サイドサクション18B内の空気通路(空気通路の一例、図示せず)に配置され、第6ボビン処理装置用ブロワ68と第6吸引機構65との間で空気通路を開閉できる。第6シャッタ装置66は例えばシャッタカッタである。
ボビン処理装置103は、第1制御部91を有している。第1制御部91は、図3に示すコントロールボックス82に収納されている。第1制御部91は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。第1制御部91は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
第1制御部91は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
第1制御部91の各要素の機能は、一部又は全てが、制御部を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。具体的には、第1制御部91の有するROMには、CPUなどに第1吸引制御手段91a(後述)としての機能を発揮させるための制御ソフトウェアが記憶されている。その他、制御部の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
第1制御部91には、図示しないが、対象物の大きさ、形状及び位置検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
第1制御部91は、前述したように、吸引機構及びブロワの動作を制御するための第1吸引制御手段91aを有している。第1吸引制御手段91aは、第1ボビン処理装置用ブロワ45、第2ボビン処理装置用ブロワ49、第3ボビン処理装置用ブロワ56,第4ボビン処理装置用ブロワ60、第5ボビン処理装置用ブロワ64、第6ボビン処理装置用ブロワ68、第1シャッタ装置48、第2シャッタ装置52、第3シャッタ装置54、第4シャッタ装置58、第5シャッタ装置62及び第6シャッタ装置66を駆動することで、各吸引機構における吸引圧力を変更する。尚、第1吸引制御手段73aと各吸引機構の通信手段としては、バス通信などのシリアル通信、複数の配線を配置したパラレル通信のどちらを採用してもよい。また、送受信機を設けて無線通信を行ってもよい。
(6)自動ワインダの吸引制御構成
図4を用いて、自動ワインダ102の吸引制御構成を説明する。図4は、自動ワインダの吸引制御構成を示すブロック図である。
自動ワインダ102は、自動ワインダ用ブロワ75を有している。自動ワインダ用ブロワ75は、自動ワインダ102の複数の吸引機構に吸引力を供給するための装置である。
自動ワインダ102は、自動ワインダ用吸引ダクト77を有している。自動ワインダ用吸引ダクト77は、自動ワインダ用ブロワ75から延びるメインダクト77aと、メインダクト77aから分岐する複数の分岐ダクト77bを有している。
各巻取ユニット105は、吸引機構97と、シャッタ装置99とを有している。シャッタ装置99は、例えば分岐ダクト77bに配置され、自動ワインダ用ブロワ75と吸引機構97との間で空気通路を開閉できる。
自動ワインダ102は、第2制御部93を有している。第2制御部93は、巻取ユニット105ごとに設けられている。第2制御部93は、第1制御部91と直接的に又は間接的に交信可能である。
第2制御部93は、吸引機構97の吸引動作を制御するための第2吸引制御手段93aを有している。第2吸引制御手段93aは、シャッタ装置99を駆動することで、各吸引機構97における吸引圧力を変更する。
(7)実施形態の効果
複数の吸引機構同士の一例(第1吸引部及び第2吸引部)として、第1口出し装置19A及び第2口出し装置19Bの組み合わせにおける吸引動作を説明する。
上述したボビン処理装置103では、第1吸引機構47と第2吸引機構51にそれぞれ第1ボビン処理装置用ブロワ45と第2ボビン処理装置用ブロワ49が設けられており、第1ボビン処理装置用ブロワ45と第2ボビン処理装置用ブロワ49のそれぞれが第1吸引機構47及び第2吸引機構51に対して吸引空気流を発生することで第1吸引機構47及び第2吸引機構51を動作させる。なお、上記の吸引動作の停止とは、モータを停止すること、又はブロワの吸気口をシャッタ(図示せず)によって閉じることを意味する。これにより、電力の消費を抑えることができる。
以上の構造によって、第1吸引機構47において吸引動作を行っていても、第2吸引機構51において吸引を停止できる。また、その逆も可能である。これにより、ボビン処理装置の消費電力を低減できる。
上記の第1の例として、通常は、第2口出し装置19Bは吸引動作を停止しておき、第1口出し装置19Aでの処理能力を超えた場合にのみ、第2口出し装置19Bの吸引動作が行われるようにしてもよい。つまり、一方のみが動作している状態と両方が動作している状態が繰り返される。
上記の第2の例として、第1口出し装置19Aと第2口出し装置19Bを異なる糸の種類に対して動作させている場合は、第1口出し装置19Aが吸引動作しているときは第2口出し装置19Bの吸引動作を停止させ、第2口出し装置19Bが吸引動作しているときは第1口出し装置19Aの吸引動作を停止させてもよい。つまり、一方のみが動作している状態と他方のみが動作している状態が繰り返される。
上記の説明では、第1吸引部及び第2吸引部の組合せ例の説明には、第1吸引機構47と第2吸引機構51を用いた。しかし、第1吸引部及び第2吸引部の組合せ例は、他の吸引機構である第3吸引機構53、第4吸引機構57、第5吸引機構61、第6吸引機構65を含めた複数の吸引機構のいずれ同士の組合せであってもよい。
(8)変形例
前記実施形態では、ボビン処理装置103の全て吸引機構に専用のブロワが設けられていたが、専用のブロワが設けられている吸引機構は一部であってもよい。
専用のブロワが設けられている吸引機構は、例えば、第1口出し装置19A及び第2口出し装置19Bの組み合わせ、第1口出し装置19Aと第1サイドサクション18Aの組み合わせ、第1口出し装置19Aとバンチリムーバ14の組み合わせ、第1口出し装置19Aとボビン抜き取り装置11の組み合わせ、又は他の2台の組み合わせを最低限の構成とする。
上記の場合、ボビン処理装置において専用のブロワが設けられていない吸引機構には例えば1台又は複数台の共通ブロワが接続されている。この共通ブロワはボビン処理装置103専用でもよいし、自動ワインダ102と共通であってもよい。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施例及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
ボビン処理装置における吸引機構の数及び種類は、前記実施形態に限定されない。例えば、口出し装置は1台でもよい。また、ボビン処理装置103は、ボビン供給装置104と自動ワインダ102との間に配置されている実施形態を説明したが、ボビン処理装置103が、リング精紡機と自動ワインダ102との間に配置されている形態にも適用可能である。
ボビン処理装置は、シャッタ装置が設けられていない吸引機構を含んでいてもよい。
前記実施形態では吸引切替え機構は、各吸引機構に設けられたシャッタ装置であったが、特に限定されない。つまり、吸引機構にシャッタ装置を設けずに、他の種類の吸引切替え機構を採用してもよい。他の種類の吸引切替え機構は、例えば、複数の吸引機構を集中的に操作するシャッタ装置であってもよいし、又はブロワで発生する圧を高圧・低圧に切替えることで吸引切替えを行う構成であってもよい。
ボビン処理装置の制御部は、インバータを用いて高圧・低圧の切替えを行ってもよい。
各ブロワは複数のブロワにより構成されていてもよい。
本発明は、給糸ボビンを糸巻取装置に順次供給するためのボビン処理装置に広く適用される。
3 :トレイ
5A :空ボビン管
5B :実ボビン管
11 :ボビン抜き取り装置
13 :実ボビン管供給装置
14 :バンチリムーバ
15A :第1バンチ解舒装置
15B :第2バンチ解舒装置
17A :第1糸端処理装置
17B :第2糸端処理装置
18A :第1サイドサクション
18B :第2サイドサクション
19A :第1口出し装置
19B :第2口出し装置
45 :第1ボビン処理装置用ブロワ
46 :第1ボビン処理装置用吸引ダクト
47 :第1吸引機構
48 :第1シャッタ装置
49 :第2ボビン処理装置用ブロワ
50 :第2ボビン処理装置用吸引ダクト
51 :第2吸引機構
52 :第2シャッタ装置
53 :第3吸引機構
54 :第3シャッタ装置
55 :ダクト
56 :第3ボビン処理装置用ブロワ
57 :第4吸引機構
58 :第4シャッタ装置
59 :ダクト
60 :第4ボビン処理装置用ブロワ
61 :第5吸引機構
62 :第5シャッタ装置
63 :ダクト
64 :第5ボビン処理装置用ブロワ
65 :第6吸引機構
66 :第6シャッタ装置
67 :ダクト
68 :第6ボビン処理装置用ブロワ
70 :ブロワボックス
71 :モータ
72 :ファン
73 :糸屑回収ボックス
74 :エアフィルタ
75 :自動ワインダ用ブロワ
76 :ブロワボックス
77 :自動ワインダ用吸引ダクト
77a :メインダクト
77b :分岐ダクト
78 :モータ
79 :ファン
80 :糸屑回収ボックス
81 :エアフィルタ
82 :コントロールボックス
91 :第1制御部
91a :第1吸引制御手段
93 :第2制御部
93a :第2吸引制御手段
97 :吸引機構
99 :シャッタ装置
101 :自動ワインダシステム
102 :自動ワインダ
103 :ボビン処理装置
104 :ボビン供給装置
105 :巻取ユニット
106 :供給路
107 :回収路
108 :トレイ搬送ライン
121 :主搬送ライン
122 :第2バンチ処理ライン

Claims (7)

  1. 給糸ボビンを糸巻取装置に順次供給するためのボビン処理装置であって、
    空気を吸引することにより、前記給糸ボビンの糸の処理を行う第1吸引部と、
    空気を吸引することにより、前記給糸ボビンの糸の処理を行う第2吸引部と、
    前記第1吸引部のための吸引空気流を発生させるための第1吸引源と、
    前記第2吸引部のための吸引空気流を発生させるための第2吸引源と、
    前記第1吸引源と前記第1吸引部との間に介在する第1空気通路と、
    前記第2吸引源と前記第2吸引部との間に介在する第2空気通路と、
    を備えたボビン処理装置。
  2. 前記第1空気通路に設けられ、前記第1吸引源と前記第1吸引部との間を導通及び遮蔽する第1シャッタ装置と、
    前記第2空気通路に設けられ、前記第2吸引源と前記第2吸引部との間を導通及び遮蔽する第2シャッタ装置と、をさらに備えている、請求項1に記載のボビン処理装置。
  3. 前記第1吸引部及び前記第2吸引部は、それぞれ、前記給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする第1口出し装置及び第2口出し装置である、請求項1又は2に記載のボビン処理装置。
  4. 前記第1吸引部及び前記第2吸引部は、それぞれ、前記給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする口出し装置と、前記口出し装置の前工程において前記給糸ボビンの糸端を側方から吸引するサイドサクションマウスである、請求項1又は2に記載のボビン処理装置。
  5. 前記第1吸引部及び前記第2吸引部は、それぞれ、前記給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする口出し装置と、前記給糸ボビンをトレイに供給するボビン供給装置に設けられるバンチ除去装置である、請求項1又は2に記載のボビン処理装置。
  6. 前記第1吸引部及び前記第2吸引部は、それぞれ、前記給糸ボビンの糸端を所定の位置に位置決めする口出し装置と、前記給糸ボビンの残糸を吸引除去する残糸処理装置である、請求項1又は2に記載のボビン処理装置。
  7. 前記第1吸引源及び前記第2吸引源の動作を制御するための制御部をさらに備えている、請求項1〜6のいずれかに記載のボビン処理装置。
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