JP2018176801A - ワイパ装置用枢支部材及びワイパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイパ装置におけるボールピンやピボット軸のシャフト部等のセレーション加工された圧入軸部を備える部材において、圧入軸部にセレーション未加工部が形成されないようにすること。【解決手段】一端側に枢支部となるボールピン30のボール部30aないしピボット軸22の支持部22aが、他端側につば部30d,22dがそれぞれ形成され、つば部30d,22dにはセレーション加工された圧入軸部30b,22bが形成され、圧入軸部30b,22bが揺動又は回動する部材24に形成された穴内24a、24bに圧入固定されたワイパ装置用枢支部材であって、つば部30d,22dには圧入軸部30b,22bの根元側外周に沿って所定深さの溝30f,22fが形成されており、圧入軸部は30b,22b少なくとも溝30f,22fに対応する位置までセレーション加工部30e,22eが設けられている。【選択図】図6

Description

本発明は、車両用ワイパ装置のリンク機構に使用されるセレーション形成部を有するワイパ装置用枢支部材に関する。
自動車には、フロントガラスに付着した雨滴等を払拭するためのワイパ装置が設けられている。このワイパ装置では、先端にワイパアームが固定されるピボット軸のシャフト部を回動可能に支持し、それぞれ車体側に固定される2つのピボットホルダと、中空材からなりそれぞれのピボットホルダ同士を互いに連結する中空フレームと、中空フレームに固定される駆動源と、この駆動源の駆動力をピボット軸に伝達するリンク機構とを備えている。そして、ワイパアームに連結されたワイパブレードによってフロントガラス表面の雨滴等を払拭する構成となされている(特許文献1参照)。
このワイパ装置では、それぞれのピボット軸のシャフト部にピボットレバーが固定され、これらのピボットレバー同士が同期リンクロッドにより連結され、駆動源と一方のピボットレバーとがクランクアーム及び駆動源側リンクロッドを介して連結されてリンク機構を構成している。なお、ピボット軸の先端にはワイパアームが枢支され、このワイパアームの先端にはワイパブレードが支持されている。
通常、ワイパ装置では、リンク機構を構成するクランクアームと駆動源側リンクロッドの連結部、駆動源側リンクロッドと一方のピボットレバーの連結部、一方のピボットレバーと同期リンクロッドの連結部、同期リンクロッドの連結部と他方のピボットレバーの連結部等には、例えばボールピンからなる枢支部材が設けられている(特許文献2参照)。
また、ワイパ装置において、2個のボール部を組み合わせたものを用いて2個のリンクロッドを同時に駆動する形式の2段式ボールピンも知られている(特許文献3照)。
このような構成のワイパ装置によれば、車両の車種などにより、駆動源の配置や姿勢が異なっても駆動源の駆動力をピボット軸の回転力として伝達することができる。
特許第5351324号公報 特開平11−223210号公報 特開2000−043683号公報 特開2006−103416号公報
上記のようなボールピンからなる枢支部材は、回り止めのため、セレーション加工が施された圧入軸部をピボットレバーないしクランクアームに形成された穴に圧入して固定されている。同じく、それぞれのピボット軸のシャフト部も、セレーション加工が施された圧入軸部をピボットレバーに形成された穴に圧入して固定されている (特許文献4参照)。
これらのセレーション加工が施された軸部を有するボールピンないしピボット軸のシャフトは、垂直精度を出すために冷間鍛造加工により製造されているが、セレーション加工が施された圧入軸部の根元には加工上、それ以上セレーション加工具を移動させることができなくなって、セレーション未加工部が残存してしまう。そのため、従来のボールピンを例えばピボットレバーに形成された穴内に根元端面まで圧入して固定しようとすると、圧入軸部のセレーション未加工部が穴の縁に乗り上げ、強圧入部が形成されて隙間が形成されてしまうことがある。同様に、ピボット軸のシャフト部をピボットレバーに形成された穴内に根元端面まで圧入して固定しようとすると、圧入軸部の未加工部分が穴の縁に乗り上げ、強圧入部が形成されて隙間が形成されてしまうことがある。
そのため、従来のセレーション加工された圧入軸部を他の部材の穴内に圧入して固定する場合、圧入軸部を根元端面まで圧入できずに設計寸法を満足することができなかったり、むりやり圧入すると軸が曲がったりする不具合が生じることがある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ボールピンやピボット軸等のセレーション加工された圧入軸部を備える部材を他の部材の穴内に圧入して固定する際に、これらの部材の根元端面まで容易に他の部材の穴内に圧入することができ、これらの部材の根元端面と他の部材の表面の間に隙間が生じないように固定できるセレーション加工された圧入軸部を備えるワイパ装置用枢支部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、ワイパ装置用枢支部材と第1部材との垂直精度をさらに向上することができるワイパ装置用枢支部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、ピボット軸に適したワイパ装置用枢支部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、ボールピンに適したワイパ装置用枢支部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、ピボットレバーに適したワイパ装置用枢支部材を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、上記ワイパ装置用枢支部材を備えたワイパ装置を提供することにある。
本発明の第1の態様のワイパ装置用枢支部材は、一端側に枢支部が、他端側につば部がそれぞれ形成され、前記つば部に対して前記枢支部とは反対側にはセレーション加工された圧入軸部が形成され、揺動又は回動する第1部材に形成された穴内に前記圧入軸部が圧入固定されたワイパ装置用枢支部材であって、前記つば部には前記圧入軸部の根元側外周に沿って所定深さの溝が形成されており、前記圧入軸部は少なくとも前記溝に対応する位置までセレーション加工部が設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の態様のワイパ装置用枢支部材は、第1の態様のワイパ装置用枢支部材において、前記セレーション加工部は、前記つば部と前記第1部材との当接面の位置まで設けられていることを特徴とする。
本発明の第3の態様のワイパ装置用枢支部材は、第1の態様のワイパ装置用枢支部材において、前記セレーション加工部は、前記溝内まで設けられていることを特徴とする。
本発明の第4の態様のワイパ装置用枢支部材は、第1〜3のいずれかの態様のワイパ装置用枢支部材において、前記つば部は、前記第1部材に面接触していることを特徴とする。
本発明の第5の態様のワイパ装置用枢支部材は、第1〜4のいずれかの態様のワイパ装置用枢支部材において、前記ワイパ装置用枢支部材は、シャフト部を備えるピボット軸であることを特徴とする。
本発明の第6の態様のワイパ装置用枢支部材は、第1〜4のいずれかの態様のワイパ装置用枢支部材において、前記ワイパ装置用枢支部材は、ボール部を備えるボールピンであることを特徴とする。
本発明の第7の態様のワイパ装置用枢支部材は、第6の態様のワイパ装置用枢支部材において、前記ボール部が複数設けられていることを特徴とする。
本発明の第8の態様のワイパ装置用枢支部材は、第6又は7の態様のワイパ装置用枢支部材において、前記ボール部には第2部材に設けられたボール係合部が摺動可能に係合していることを特徴とする。
本発明の第9の態様のワイパ装置用枢支部材は、第6〜8のいずれかの態様のワイパ装置用枢支部材において、前記第1部材は駆動源に接続されていることを特徴とする。
本発明の第10の態様のワイパ装置用枢支部材は、第1〜8のいずれかの態様のワイパ装置用枢支部材において、前記第1部材はピボットレバーであることを特徴とする。
本発明の第11の態様のワイパ装置は、第1〜10のいずれかの態様のワイパ装置用枢支部材を備えることを特徴とする。
本発明の第1の態様のモータ装置によれば、つば部には圧入軸部の根元側外周に沿って所定深さの溝が形成されているので、汎用的に使用されている冷間鍛造法によって圧入軸部にセレーション加工を行っても、つば部に達するまでセレーション加工部を形成することができ、圧入軸部とつば部との境界部分には未加工部分が形成されない状態とすることができる。そのため、圧入軸部の根元部が穴の縁に乗り上げることがなくなる。これにより、つば部と揺動又は回動する部材との密着状態が良好となり、つば部と揺動又は回動する部材との間に隙間が生じないようにすることができる。
本発明の第2の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、圧入軸部とつば部との境界部分に、確実に未加工部分が形成されない状態とすることができる。前記第1の態様のワイパ装置用枢支部材の奏する効果がより顕著に奏されるようになる。
本発明の第3の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、圧入軸部とつば部との境界部分に、より確実に未加工部分が形成されない状態とすることができる。
本発明の第4の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、ワイパ装置用枢支部材と第1部材との垂直精度をさらに向上することができる。
本発明の第5の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材をピボット軸として用いることができる。
本発明の第6の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材をボールピンとして用いることができる。
本発明の第7の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材をボール部が複数設けられているボールピンとして用いることができる。
本発明の第8の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材を、ボール部には第2部材に設けられたボール係合部が摺動可能に係合しているボールピンとして用いることができる。
本発明の第9の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材を、第1部材が駆動源に接続されているワイパ装置用枢支部材として用いることができる。
本発明の第10の態様のワイパ装置用枢支部材によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材を、ピボットレバーに用いることができる。
本発明の第11の態様のワイパ装置によれば、上記効果を奏するワイパ装置用枢支部材を備えたワイパ装置を提供することができる。
実施形態1及び比較例に共通するワイパ装置の正面図である。 図1のワイパ装置の平面図である。 図3Aは実施形態1のボールピンの正面図であり、図3Bは同じく部分縦断面図である。 ボールリテーナを説明する部分断面図である。 図5Aは実施形態1のピボット軸の正面図であり、図5Bは同じく部分縦断面図である。 図6Aは実施形態1のピボット軸及びボールピンをピボットレバーへ固定した状態を示す正面図であり、図6Bは図6AのVB部分の部分断面図であり、図6Cは図6AのVC部分の部分断面図である。 図7Aは比較例のボールピンの正面図であり、図7Bは同じく部分縦断面図である。 図8Aは比較例のピボット軸及びボールピンのピボットレバーへの固定状態を示す正面図であり、図8Bは図8AのVIIB部分の部分断面図であり、図8Cは図8AのVIIC部分の部分断面図である。 実施形態2のワイパ装置の正面図である。 図10Aは実施形態2の二段式ボールピンの正面図であり、図10Bは図10Aの部分断面図である。 図9のX部分の部分断面図である。
[ワイパ装置について]
まず、本発明の実施形態1及び比較例に共通するワイパ装置10を図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は実施形態1及び比較例に共通するワイパ装置10の正面図であり、図2は同じく平面図である。
このワイパ装置10は、2つのピボットホルダ11,12と、中空フレーム13と、駆動源としてのモータ14と、駆動源側リンクロッド15及び同期リンクロッド16とを備えている。ピボットホルダ11,12は、例えばアルミ合金よりなる鋳造品であって、筒状のピボット支持部11a,12aと、ピボット支持部11a,12aの略軸直交方向に延びる車体固定部11b,12bと、車体固定部11b,12bとは異なる位置においてピボット支持部11a,12aの軸直交方向に延びる取付軸11c,12cと、ピボット支持部11a,12aの径方向外方に皿状に延設された水受け用の受皿部11e,12eを備えている。ピボット支持部11a,12aには、ピボット軸21,22が挿通されて回動可能に支持されている。このピボット軸21,22の先端に設けられた枢支部としての支持部22a(図5参照)には図示省略したワイパアームが固定され、そのワイパアームの先端にはワイパブレードが支持されている。
また、ピボット軸21,22の基端に設けられた圧入軸部22b(図5参照)がピボットレバー23,24の穴24b(図6参照)に圧入され、ピボット軸21,22とピボットレバー23,24とはピボット軸21,22を中心に一体に揺動(回動)するようになっている。また、車体固定部11b,12bの先端には防振ゴム19,20が取り付けられ、車体固定部11b,12bは防振ゴム19,20を介してボルトにて車体の取付ブラケット(図示省略)に締結固定されている。また、取付軸11c,12cは、中実の断面略円形に形成され、その外周面にはカシメ用凹部11d,12dが多数形成されている。
中空フレーム13は、例えば亜鉛鋼板を筒状にした中空パイプからなり、2つのピボットホルダ11,12同士を互いに連結している。この中空フレーム13は、挿入された取付軸11c,12cがカシメ固定される一対の連結固定部13a,13bと、一対の連結固定部13a,13bを連結するとともに屈曲されることで前記ピボット軸21,22の基端方向に配置される駆動源固定部13cとを備えている。取付軸11c,12cが連結固定部13a,13bに挿入された状態で、連結固定部13a,13bの外側から周方向に4箇所、軸方向に2列の合計8か所をカシメ装置のカシメ治具によりカシメ固定すると、カシメ部が取付軸11c,12cの外周面に形成されたカシメ用凹部11d,12dと係合することにより、取付軸11c,12cが連結固定部13a,13bに固定される。なお、このワイパ装置10の2つのピボットホルダ11,12は、中空フレーム13に固定された状態で、搭載する車種のフロントガラスの曲率などに応じて2つのピボット軸21,22の相対的な傾きが平行ではなく、先端に向かって若干離間するように設定されている。また、このワイパ装置10の駆動源固定部13cは、潰されることで非中空とされ、更に長手軸の直交方向断面が略コ字形状とされ、その略コ字形状の中間平面部13dには一対の取付孔13eが形成されている。そして、駆動源固定部13cの中間平面部13dには、モータ14が締結固定されている。
モータ14は、モータ本体14aとギヤ部14bとからなり、そのギヤ部14bのハウジング14cに取付孔13eと対応した一対の取付足14dが形成されている。モータ14はその取付足14dが駆動源固定部13cの中間平面部13d上に載置され、その状態で取付孔13eを貫通するボルトBにて駆動源固定部13cの中間平面部13dに締結固定されている。また、ギヤ部14bのハウジング14cにおいて、取付足14dの反対側にはハウジング14cに一体に突出形成された不図示の支持ピンに支持ゴム部材14e(図2参照)が装着され、支持ゴム部材14eは、車体の図示しない支持部としての嵌着孔に嵌着されて支持されることになる。即ち、このワイパ装置10の2つのピボットホルダ11,12、中空フレーム13及びモータ14からなる一体物は、2つのピボットホルダ11,12の車体固定部11b,12bとモータ14の支持ゴム部材14eの3箇所で、車体に対して3点支持されている。
また、モータ14の出力軸14fは、ピボット軸21,22と略同方向に突出するように設定されている。出力軸14fには、出力軸14fと一体回転するクランクアーム14gが固定されている。クランクアーム14gの先端部には、駆動源側リンクロッド15の基端部が連結され、その駆動源側リンクロッド15の先端部には、一方のピボットホルダ11に支持された一方のピボット軸21と一体で揺動(回動)する一方のピボットレバー23に連結されている。なお、この実施形態1の駆動源側リンクロッド15は、ピボット軸21,22の基端側で一方のピボットレバー23に連結されている。
また、一方のピボットレバー23と他方のピボットレバー24とは、同期リンクロッド16によって駆動連結されている。なお、この実施形態1の同期リンクロッド16は、各ピボットレバー23,24におけるピボット軸21,22の先端側で連結されている。この実施形態のワイパ装置10は、車体に固定されたフロントガラスを払拭するためのものであって、ピボット軸21,22の先端側が車両後方側と対応するように車体に取り付けられるものである。
このワイパ装置10は、モータ14が駆動されると、その駆動力はクランクアーム14gの回転力となって駆動源側リンクロッド15を経て一方のピボットレバー23に伝達されてピボット軸21を駆動し、さらにピボットレバー23の回動が同期リンクロッド16によって他方のピボットレバー24に伝達されて他方のピボット軸22を駆動し、2つのピボット軸21,22が同期して回動することになる。ピボット軸21,22の先端に設けられた支持部22aには図示省略したワイパアームが固定され、そのワイパアームの先端にはワイパブレードが支持されている。ワイパ装置10は、各ピボット軸21,22の回動によってワイパアーム及びワイパブレードが所定範囲で揺動運動されることにより、ワイパブレードがウインドウガラス面の上反転位置と下反転位置との間を往復払拭されるように構成されている。
このワイパ装置10においては、クランクアーム14gと駆動源側リンクロッド15との間が第1のボールピン31によって、駆動源側リンクロッド15と一方のピボットレバー23との間が第2のボールピン32によって、一方のピボットレバー23と同期リンクロッド16との間が第3のボールピン33によって、同期リンクロッド16と他方のピボットレバー24との間が第4のボールピン34によって、それぞれ所定の回動動作を行うことができるように、それぞれボールリテーナ40(図4参照)により結合されている。
[実施形態1]
ここで、ワイパ装置10で用いられる実施形態1の第1〜第4のボールピン31〜34の具体的構成を図3及び図4によって、ピボット軸21及び22の具体的構成を図5によって説明する。なお、図3Aは実施形態1のボールピン30の正面図であり、図3Bは同じく部分縦断面図である。図4はボールリテーナ40を説明する部分断面図である。また、図5Aは実施形態1のピボット軸22の正面図であり、図5Bは同じく部分縦断面図である。また、第1〜第4のボールピン31〜34の具体的構成は、全て実質的に同一であるので、図3においては参照符号30で代表して示してある。同様に、ピボット軸21及び22も実質的に同一の構成を備えているので、ピボット軸22で代表して説明する。
ボールピン30は、外周が球面状である枢支部としてのボール部30aと、ボール部30aの一端側に設けられた圧入軸部30bとを有している。ボール部30aと圧入軸部30bとの間には軸部30cとつば部30dとが設けられており、つば部30dから圧入軸部30b側の寸法Hはピボットレバー24の板厚寸法Mよりも大きな寸法となっている。そして、圧入軸部30bの外周側は、冷間鍛造加工によってセレーション加工部が設けられている。このボールピン30においては、ボール部30aが本発明のワイパ装置10の枢支部に対応する。
そして、実施形態1におけるボールピン30においては、圧入軸部30bの外周側は、冷間鍛造加工によってセレーション加工部30eが設けられているとともに、つば部30dの圧入軸部30bの根元側外周に沿って所定深さの環状の溝30f(図3B参照)が形成されている。冷間鍛造加工によってセレーション加工部を形成する際には、セレーション加工具の先端側にセレーション加工により刻まれた残渣が貯まる。しかしながら、つば部30dの圧入軸部30bの根元側外周に沿って所定深さの環状の溝30fが形成されていると、冷間鍛造加工によってセレーション加工部を形成する際、セレーション加工により刻まれた残渣を溝30f内に位置させることができるため、セレーション加工具(図示省略)の先端側をつば部30dに当接するまで移動させることができ、圧入軸部30bの外周側につば部30dに達するまでセレーション加工部30eを形成することができる。これにより、圧入軸部30bの少なくとも溝30fに対応する位置までセレーション加工部30eを形成することができる。例えば、軸線方向でつば部30dの圧入軸部30b側端面の位置までセレーション加工部30eを形成することができる。
この環状の溝30fの径方向の幅及び深さは、冷間鍛造加工によって圧入軸部30bの外周側にセレーション加工部30eを形成する際に、セレーション加工により刻まれた残渣が溝30f内に収まるように幅及び大きさであれば良く、実験的に適宜に定めればよい。この際、例えばセレーション加工具の先端側が溝30f内に位置することができるようにする等、溝30fの形状及びセレーション加工具の形状を工夫することにより、セレーション加工部30eが溝30f内にまで形成されるようにしてもよい。
第4のボールピンを例に挙げてボールリテーナ40との係合について説明する。ボールピン30はピボットレバー24の穴24aに圧入されている。ボールピン30の球面状のボール部30aにはボールリテーナ40が摺動可能に係合している。ボールリテーナ40は合成樹脂製で同期リンクロッド16に設けられた固定穴16aにインサート成形により一体に成形されており、ボールピン30のボール部30aが装着される装着凹部40aと、装着凹部40aの下方に延出するリップ部40bと、固定穴16aを同期リンクロッド16の厚み方向に挟持する環状の固定部40cと、固定部40cの下方に突出してリップ部40bの外周側を包囲するシール壁40dとを備えている。装着凹部40aの内周側は、ボール部30a外周の球面状の形状に対応するように、球面状に形成されており、ボール部30aを摺動可能に装着しているので、ボールリテーナ40は同期インクロッド16とピボットレバー24とを転動可能に連結している。リップ部40bにおける下端側の周囲には複数のスリット40eが設けられている。リップ部の内径はボール部30aの外径よりも小さく形成されているが、スリット40eが設けられているので、スリット40eの下方からボール部30aを挿入することにより、ボールリテーナ40にボールピン30を装着することができる。なお、シール壁40dの内径は、ボール部30aの外径よりも大きく形成されている。
ボールピン30の軸部30cのつば部30d側の外周と、ボールリテーナ40のシール壁40dの外周との間には、ブーツ50が装着されていることにより、シールされている。ブーツ50はゴム製であり、シール壁40dの外周に摺接する摺接部50aと、軸部30cのつば部30d側の外周に取り付けられる取付部50eと、摺接部50a及び取付部50eを接続すると共に可撓性を有する薄肉状の可撓部50dとを備えている。摺接部50aは円弧状部50bとつば状部50cとからなる。円弧状部50bはシール壁40dに摺動可能に接触している。ボールリテーナ40がボールピン30のボール部30aの周りを摺動する動きに応じて、可撓部50dが変形し、円弧状部50bがシール壁に摺接することにより、シール状態を維持することができる。つば部50cの上面は傾斜面となっており、つば部50cの上面側に水が溜まるのを防ぐことができる。また、軸部30cの外周にブーツ50の取付部50eを挿入した状態で、ボールリテーナ40を上方から取り付ける際に、つば部50cがストッパの役割を果たし、ブーツ50が内側に巻き込まれるのを防止することができる。このブーツ50をシール壁40dの外周に取り付けることにより高いシール性を確保することができる。なお、ここでは、ボールリテーナ40について第4のボールピン34を例に挙げて説明したが、第1〜第3のボールピン31、32、33についても第4のボール34と同様である。
ここで、ピボット軸22の具体的構成を図5を用いて説明する。なお、図5Aは実施形態1のピボット軸22の正面図であり、図5Bは同じく部分縦断面図である。
ピボット軸22は、一方側の端部に図示省略したワイパアームを支持する枢支部としての支持部22aが形成され、他方側の端部に圧入軸部22bが形成されている。支持部22aと圧入軸部22bとの間にはシャフト22cとつば部22dとが設けられており、つば部22dから圧入軸部22b側の寸法Lはピボットレバー24の板厚寸法Mよりも大きな寸法となっている。そして、圧入軸部22bの外周側は、冷間鍛造加工によってセレーション加工部が設けられている。このピボット軸22においては、支持部22aが本発明の枢支部に対応する。
そして、実施形態1におけるピボット軸22においては、圧入軸部22bの外周側は、ボールピン30の場合と同様に、冷間鍛造加工によってセレーション加工部22eが設けられているとともに、つば部22dの圧入軸部22bの根元側外周に沿って所定深さの環状の溝22f(図5B参照)が形成されている。このピボット軸22も、つば部22dの圧入軸部22bの根元側外周に沿って所定深さの環状の溝22fが形成されているので、冷間鍛造加工によってセレーション加工部を形成する際、セレーション加工により刻まれた残渣を溝22f内に位置させることができ、圧入軸部22bの外周側につば部22dに達するまでセレーション加工部22eを形成することができる。これにより、圧入軸部22bの少なくとも溝22fに対応する位置までセレーション加工部22eを形成することができる。例えば、軸線方向でつば部22dの圧入軸部22b側端面の位置までセレーション加工部22eを形成することができる。
この環状の溝22fの径方向の幅及び深さも、冷間鍛造加工によって圧入軸部22bの外周側にセレーション加工部22eを形成する際に、セレーション加工により刻まれた残渣が溝22f内に収まるような幅及び大きさであれば良く、実験的に適宜に定めればよい。この際、例えばセレーション加工具の先端側が溝22f内に位置することができるようにする等、溝22fの形状及びセレーション加工具の形状を工夫することにより、セレーション加工部22eが溝22f内にまで形成されるようにしてもよい。
次に実施形態1のボールピン30及びピボット軸22をそれぞれピボットレバー24に形成された穴24a,24bに固定した状態を図6を用いて説明する。なお、図6Aは実施形態1のボールピン30及びピボット軸22のピボットレバー24への固定状態を示す正面図であり、図6Bは図6AのVB部分の部分断面図であり、図6Cは図6AのVC部分の部分断面図である。
図6A〜図6Cには、実施形態1のボールピン30の圧入軸部30bをピボットレバー24に形成された穴24aに、また、ピボット軸22の圧入軸部22bをピボットレバー24に形成された穴24bに、それぞれ圧入して圧入軸部22b及び圧入軸部30bの突出部分をカシメ固定した状態が示されている。ボールピン30のつば部30dには圧入軸部30bの根元側外周に沿って環状の溝30fが形成されており、ピボット軸22のつば部22dには圧入軸部22bの根元側外周に沿って環状の溝22fが形成されているので、それぞれの圧入軸部30b,22bの根元部にはセレーション未加工部が形成されていない。そのため、それぞれの圧入軸部30b,22bの根元部が穴の縁に乗り上げることがなくなり、それぞれのつば部30d,22dとピボットレバー24との密着状態が良好となる。この時、つば部30d,22dの圧入軸部30b,22b側の面は、ピボットレバー24の装着面に対して面接触し、つば部30d,22dとピボットレバー24との間に隙間が生じないようにすることができる。これによりつば部30d,22dとピボットレバー24との組み付け寸法精度が向上し、ボールピン30及ピボット軸22のピボットレバー24に対する垂直精度が向上する。
ボールピン30のピボットレバー24に対する垂直精度の向上は、ワイパブレードの払拭範囲の正確な設定に大きく寄与する。第4のボールピン34を例に挙げて説明すると、ピボットレバー24において、同期リンクロッド16が接続されている第4のボールピン34とピボット軸22との間隔は比較的短く、この間隔が短いほど第4のボールピン34のピボットレバー24に対する垂直度がピボット軸の回転角度範囲の設定に大きな影響を及ぼす。このため、第4のボールピン34とピボットレバー24との垂直度の誤差が少しでもあると、ピボット軸の回転角度範囲の設定にずれが生じ、例えばワイパブレードがオーバーランしたり、ピラーに当たったりする恐れがある。したがって、実施形態1のボールピン30は、つば部30dがボール部30a及び圧入軸部30bと冷間鍛造により一体に形成されたものであり、つば部30dの圧入軸部30b側の面がピボットレバー24の装着面に対して面接触し、ピボットレバー24に対する垂直精度が高いため、ワイパブレードの払拭範囲を正確に設定することが可能となる。さらに、実施形態1のピボット軸22のピボットレバー24に対する垂直精度も向上するため、ワイパブレードの払拭範囲をより正確に設定することが可能となる。なお、駆動源側リンクロッド15と接続される第2のボールピン32及びピボット軸21の垂直精度についても第4のボールピン34及びピボット軸22と同じことが言える。
[比較例]
次に、比較例のボールピン30Aの具体的構成を図7によって説明するとともに、比較例のボールピン30A及びピボット軸22Aをピボットレバー24に固定した状態を図8によって説明するが、ピボット軸22Aの単独の具体的構成の図示は省略するとともに、実施形態1のボールピン30及びピボット軸22と同一の構成部分は同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。なお、図7Aは比較例のボールピンの正面図であり、図7Bは同じく縦断面図である。また、図8Aは比較例のピボット軸及びボールピンのピボットレバーへの固定状態を示す正面図であり、図8Bは図8AのVIIB部分の部分断面図であり、図8Cは図8AのVIIC部分の部分断面図である。
実施形態1のボールピン30及びピボット軸22ではつば部30d,22dに圧入軸部30b,22bの根元側外周に沿って環状の溝30f,22fが形成されている。それに対し、比較例のボールピン30A及びピボット軸22Aはこのような溝が形成されていない。そのため、比較例のボールピン30A及びピボット軸22Aでは、冷間鍛造加工によって嵌合軸部30d,22eにセレーション加工部30e,22eを形成する際には、セレーション加工具の先端側にセレーション加工により刻まれた残渣が貯まるため、圧入軸部30b,22bの根元側にセレーション未加工部30g,22gが形成されてしまう。
このボールピン30A及びピボット軸22Aをそれぞれピボットレバー24に形成された穴24a,24b内に圧入すると、セレーション未加工部30g,22gが穴24a,24bの縁に乗り上げてしまう。そのため、比較例のボールピン30A及びピボット軸22Aでは、圧入軸部30b,22bをつば部30d,22dがピボットレバー24の表面に接する状態にまで圧入することができず、すき間Gが形成されてしまうことがある。これにより、所定の設計寸法を満足することができなかったり、むりやり圧入すると圧入軸部30b,22bが曲がったりして、上述のようなボールピン30Aとピボット軸22Aとの間隔が変化してしまい不具合が生じてしまう。
この比較例と比べると、実施形態1のボールピン30及びピボット軸22ではつば部30d,22dに圧入軸部30b,22bの根元側外周に沿って環状の溝30f,22fが形成されているので、それぞれの圧入軸部30b,22bの根元部にはセレーション未加工部が形成されていない。そのため、それぞれの圧入軸部30b,22bの根元部が穴の縁に乗り上げることがなくなり、それぞれのつば部30d,22dとピボットレバー24との密着状態が良好となる。さらに、つば部30d,22dの圧入軸部30b,22b側の面は、ピボットレバー24の装着面に対して面接触し、つば部30d,22dとピボットレバー24との間に隙間が生じないようにすることができる。これによりつば部30d,22dとピボットレバー24との組み付け寸法精度が向上し、ボールピン30及ピボット軸22のピボットレバー24に対する垂直精度が向上する。ボールピン30のピボットレバー24に対する垂直精度の向上は、ワイパブレードの払拭範囲の正確な設定に大きく寄与するが、実施形態1のボールピン30は、つば部30dの圧入軸部30b側の面がピボットレバー24の装着面に対して面接触し、ピボットレバー24に対する垂直精度が高いため、ワイパブレードの払拭範囲を正確に設定することが可能となる。
[実施形態2]
実施形態2として、本発明の技術思想を2段式ボールピンに適用した例を図9〜図11を用いて説明する。なお、図9は実施形態2のワイパ装置の正面図である。図10Aは実施形態2の2段式ボールピンの正面図であり、図10Bは図10Aの部分断面図である。図11は図9のX部分の部分断面図である。なお、図10及び図11では、実施形態1の2段式ボールピン30との構成の対比を行い易くするため、上下反転して示してある。また、図9〜図11においては、図1及び図2に示したワイパ装置10及び実施形態1のボールピンと同一の構成部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
このワイパ装置10Aは、2つのピボットホルダ11,12と、中空フレーム13と、駆動源としてのモータ14と、第1のリンクロッド15a及び第2のリンクロッド15bとを備えている。ピボット支持部11a,12aには、ピボット軸21,22が挿通されて回動可能に支持されている。ピボット軸21,22の先端には図示省略したワイパアームが固定され、そのワイパアームの先端にはワイパブレードが支持されることになる。
また、ピボット軸21,22の基端側はピボットレバー23,24に固定され、ピボット軸21,22とピボットレバー23,24とは一体に揺動(回動)するがようになされている。このワイパ装置10Aの2つのピボットホルダ11,12は、中空フレーム13に固定された状態で、搭載する車種のフロントガラスの曲率などに応じて2つのピボット軸21,22の相対的な傾きが平行ではなく、先端に向かって若干離間するように設定されている。また、中空フレーム13の中央部は、潰されることで非中空とされ、更に長手軸の直交方向断面が略コ字形状とされ、その略コ字形状の中間平面部13dにモータ14が固定されている。
モータ14はモータ本体14aとギヤ部14bとからなっており、モータ14の出力軸14fは、ピボット軸21,22とは反対方向に突出するように設定されている。出力軸14fには、出力軸14fと一体回転するクランクアーム14gが固定されている。クランクアーム14gの先端部には、2段式ボールピン30Bを介して第1のリンクロッド15a及び第2のリンクロッド15bの基端部がそれぞれ連結されている。第1のリンクロッド15aの先端部は一方のピボットホルダ11に支持された一方のピボット軸21と一体で揺動(回動)する一方のピボットレバー23が連結されており、第2のリンクロッド15bの先端部は他方のピボットホルダ12に支持された他方のピボット軸22と一体で揺動(回動)する他方のピボットレバー24が連結されている。
このワイパ装置10Aは、モータ14が駆動されると、その駆動力はクランクアーム14gの回転力となって第1のリンクロッド15aを経て一方のピボットレバー23に伝達されてピボット軸21を駆動し、さらに第2のリンクロッド15aを経て他方のピボットレバー24に伝達されてピボット軸22を駆動し、2つのピボット軸21,22が同期して回動することになる。
このワイパ装置10においては、クランクアーム14gと第1のリンクロッド15aとの間及び第2のリンクロッド15bとの間が2段式ボールピン30Bによってそれぞれ所定の回動動作を行うことができるように、図11に示したように、第1のボール受容部35及び第2のボール受容部36によって結合されている。
2段式ボールピン30Bは、図10に示したように、実施形態1のボールピン30とは、ボール部30aに換えて第1のボール部30a1及び第2のボール部30a2とからなるものを用いたほかは実質的に同一の構成を備えている。すなわち、2段式ボールピン30Bは、第1のボール部30a1及び第2のボール部30a2と、第2のボール部30a2の第1のボール部30a1とは反対側に設けられた圧入軸部30bとを有している。この2段式ボールピン30Bにおいては、第1のボール部30a1及び第2のボール部30a2が本発明の枢支部に対応する。第1のボール部30a1及び第2のボール部30a2の外周は球面状に形成されている。
図11に示したように、第1のボール受容部35は合成樹脂製で第1リンクロッド15aに設けられた固定穴15a1にインサート成形により一体に成形されている。第1のボール受容部35の内周は、第1のボール部30a1の外周の球面形状に対応した球面状に形成されている。また、第2のボール受容部36は合成樹脂製で第2リンクロッド15bに設けられた固定穴15b1にインサート成形により一体に成形されている。第2のボール受容部36の内周は、第2のボール部30a2の外周の球面形状に対応した球面状に形成されている。このような構成により、2段式ボールピン30B、第1のボール受容部35及び第2のボール受容部36は、クランクアーム14g、第1リンクロッド15a及び第2リンクロッド15bを転動可能に連結している。なお、第2のボール部30a2の外径は第1のボール部30a1の外径よりも大きく設定することができる。また、クランクアーム14gにおける出力軸14fと反対側の端部に設けられた穴には、二段式ボールピン30Bの圧入軸部30bを圧入し、圧入軸部30bの突出部分をカシメ固定している。
第2のボール部30a2と圧入軸部30bとの間には軸部30cとつば部30dとが設けられており、つば部30dから圧入軸部30b側の寸法Hはクランクアーム14gの板厚寸法Mよりも大きな寸法となっている。そして、圧入軸部30bの外周側は冷間鍛造加工によってセレーション加工部30eが設けられているとともに、つば部30dの圧入軸部30bの根元側外周に沿って、実施形態1のボールピン30の場合と同様に、所定深さの環状の溝30f(図10B参照)が形成されている。
冷間鍛造加工によってセレーション加工部を形成する際には、セレーション加工具の先端側にセレーション加工により刻まれた残渣が貯まる。しかしながら、つば部30dの圧入軸部30bの根元側外周に沿って所定深さの環状の溝30fが形成されていると、冷間鍛造加工によってセレーション加工部を形成する際、セレーション加工により刻まれた残渣を溝30f内に位置させることができるため、セレーション加工具(図示省略)の先端側をつば部30dに当接するまで移動させることができ、圧入軸部30bの外周側につば部30dに達するまでセレーション加工部30eを形成することができる。これにより、圧入軸部30bの少なくとも溝30fに対応する位置までセレーション加工部30eを形成することができる。例えば、軸線方向でつば部30dの圧入軸部30b側端面の位置までセレーション加工部30eを形成することができる。
この環状の溝30fの径方向の幅及び深さは、冷間鍛造加工によって圧入軸部30bの外周側にセレーション加工部30eを形成する際に、セレーション加工により刻まれた残渣が溝30f内に収まるような幅及び大きさであれば良く、実験的に適宜に定めればよい。この際、例えばセレーション加工具の先端側が溝30f内に位置することができるようにする等、溝30fの形状及びセレーション加工具の形状を工夫することにより、セレーション加工部30eが溝30f内にまで形成されるようにしてもよい。
このような構成の2段式ボールピン30Bの場合であっても、2段式ボールピン30Bのつば部30dには圧入軸部30bの根元側外周に沿って環状の環状の溝30fが形成されているので、圧入軸部30bの根元部にはセレーション未加工部が形成されていない。そのため、圧入軸部30bの根元部がクランクアーム14gに形成された穴の縁に乗り上げることがなくなり、つば部30dとクランクアーム14gとの密着状態が良好となる。この時、つば部30dの圧入軸部30b側の面は、クランクアーム14gの装着面に対して面接触し、つば部30dとクランクアーム14gとの間に隙間が生じないようにすることができる。これによりつば部30dとクランクアーム14gとの組み付け寸法精度が向上し、二段式ボールピン30Bのクランクアーム14gに対する垂直精度が向上する。
第1のリンクロッド15a及び一方のピボットレバー23の結合と、第2のリンクロッド15b及び他方のピボットレバー24との結合には、実施形態1で説明したボールピン30を用いることができる。ボールピン30のピボットレバー24に対する垂直精度の向上は、ワイパブレードの払拭範囲の正確な設定に大きく寄与するが、実施形態1のボールピン30は、つば部30dの圧入軸部30b側の面がピボットレバー24の装着面に対して面接触し、ピボットレバー24に対する垂直精度が高いため、ワイパブレードの払拭範囲を正確に設定することが可能となる。さらに、ピボット軸21及び22についても、実施形態1のピボット軸21、22を採用することにより、ピボットレバー23、24に対する垂直精度も向上するため、ワイパブレードの払拭範囲をより正確に設定することが可能となる。
10,10A2…ワイパ装置 11,12…ピボットホルダ
11a,12a…ピボット支持部 11b,12b…車体固定部
13…中空フレーム 13d…中間平面部 14…モータ
14a…モータ本体 14b…ギヤ部 14f…出力軸
14g…クランクアーム 15…駆動源側リンクロッド
16…同期リンクロッド 21,22,21A,22A…ピボット軸
21a,22a…支持部 22b…圧入軸部 22c…シャフト
22d…つば部 22e…セレーション加工部 22f…溝
22g…セレーション未加工部 23,24…ピボットレバー 24a,24b…穴
30〜34、30A…ボールピン 30B…2段式ボールピン
30a…ボール部 30a1…第1のボール部
30a2…第2のボール部 30b…圧入軸部 30c…軸部
30d…つば部 30e…セレーション加工部 30f…溝
30g…セレーション未加工部 40…ボールリテーナ 40a…装着凹部
40b…リップ部 40c…固定部 40d…装着凹部
40e…スリット 50…ブーツ 50a…摺接部
50b…円弧状部 50c…つば状部 50d…可撓部
50e…取付部 G…すき間

Claims (11)

  1. 一端側に枢支部が、他端側につば部がそれぞれ形成され、前記つば部に対して前記枢支部とは反対側にはセレーション加工された圧入軸部が形成され、揺動又は回動する第1部材に形成された穴内に前記圧入軸部が圧入固定されたワイパ装置用枢支部材であって、
    前記つば部には前記圧入軸部の根元側外周に沿って所定深さの溝が形成されており、
    前記圧入軸部は少なくとも前記溝に対応する位置までセレーション加工部が設けられていることを特徴とするワイパ装置用枢支部材。
  2. 前記セレーション加工部は、前記つば部と前記第1部材との当接面の位置まで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイパ装置用枢支部材。
  3. 前記セレーション加工部は、前記溝内まで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイパ装置用枢支部材。
  4. 前記つば部は、前記第1部材に面接触していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパ装置用枢支部材。
  5. 前記ワイパ装置用枢支部材は、シャフト部を備えるピボット軸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイパ装置用枢支部材。
  6. 前記ワイパ装置用枢支部材は、ボール部を備えるボールピンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイパ装置用枢支部材。
  7. 前記ボール部が複数設けられていることを特徴とする請求項6に記載のワイパ装置用枢支部材。
  8. 前記ボール部には第2部材に設けられたボール係合部が摺動可能に係合していることを特徴とする請求項6又は7に記載のワイパ装置用枢支部材。
  9. 前記第1部材は駆動源に接続されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のワイパ装置用枢支部材。
  10. 前記第1部材はピボットレバーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のワイパ装置用枢支部材。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のワイパ装置用枢支部材を備えることを特徴とするワイパ装置。
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