JP4922788B2 - ワイパ装置 - Google Patents

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本発明は、車両等のウィンドシールドを払拭するワイパ装置に係り、特にアームピースを覆うピースカバーを備えたワイパ装置に関する。
従来、自動車等の車両には、ウィンドシールドに付着した雨や雪,前車の飛沫等の付着物を払拭して運転者の視界を確保するためにワイパ装置が設けられている。このようなワイパ装置は、電動モータにより駆動されるワイパアームと、ワイパアームの先端側に装着されるワイパブレードと備えており、ワイパブレードは、ワイパアームの先端側に回動自在に装着されるブレードホルダと、ブレードホルダに装着されるブレードラバーとを有している。ブレードラバーは、ワイパアームに内装されたスプリングによってウィンドシールドに向けて押圧力が加えられており、この状態でワイパアームを電動モータにより駆動することで、ブレードラバーがウィンドシールド上を揺動運動して払拭するようになっている。
このようなワイパ装置には各種付属品を装着することがあり、付属品を装着したワイパ装置としては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載されたワイパ装置は、付属品としての樹脂製カバーをワイパアームに装着するようにしており、具体的には、樹脂製カバーに固定した連結部材の保持爪をワイパアームに引っ掛けることにより装着するようにしている。これにより、ワイパアームを構成する部品間に形成される段差等を隠すことができ、ワイパ装置の美観向上等が図れるようにしている。
特開2006−117007号公報(図1)
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたワイパ装置によれば、ワイパアームのロックバック方向からワイパアーム全体を覆うようにして樹脂製カバーを装着するようにし、また、ワイパアームと樹脂製カバーとの間には所定の隙間が形成されるようになっている。
したがって、ワイパ装置が大型化するばかりか、洗車時等において樹脂製カバーを把持してワイパアームをロックバックするときに、樹脂製カバーがワイパアームから外れるといった問題が生じ得る。また、ワイパ装置の作動中において、ウィンドシールド上に積もった雪等の障害物が樹脂製カバーに当たる場合には、ワイパアームと樹脂製カバーとの間に隙間があることからワイパアームと樹脂製カバーとがずれてしまい、これによっても樹脂製カバーがワイパアームから外れるといった問題が生じ得る。
本発明の目的は、ワイパ装置を大型化することなく、ワイパアームからカバーが外れるのを抑制することができるワイパ装置を提供することにある。
本発明のワイパ装置は、駆動源により駆動される回動軸に基端側が装着され、先端側にウィンドシールドを払拭するブレードラバーが装着されるブレードホルダを有するワイパ装置であって、前記回動軸に固定されるアームヘッドと、前記アームヘッドに回動自在に装着されるリテーナと、基端側が前記リテーナに装着され、先端側に屈曲部が形成されるアームピースと、前記屈曲部に装着され、前記ブレードホルダに回動自在に設けられるアーム装着部材と、前記アームピースの形状に沿う形状に形成され、前記ブレードラバーの払拭方向から前記アームピースに装着されるピースカバーとを備え、前記アームピースに、前記ブレードラバーの払拭方向と交差する方向に突出する第1,第2の凸部を設け、前記ピースカバーに、前記第1の凸部の直径寸法と略同一の直径寸法に設定された第1の係合孔および、前記第2の凸部の直径寸法よりも大きな直径寸法に設定された第2の係合孔を設け、前記第2の係合孔の内周面に、前記第2の凸部の前記第2の係合孔内への進入により変形する複数の微小突起を設けたことを特徴とする。
本発明のワイパ装置は、前記ピースカバーの厚み寸法を、前記リテーナの厚み寸法にすることを特徴とする。
本発明によれば、アームピースの形状に沿う形状に形成され、ブレードラバーの払拭方向からアームピースに装着されるピースカバーを備えるので、ワイパ装置の大型化を抑制することができる。ピースカバーをアームピースにブレードラバーの払拭方向から装着するので、ワイパアームのロックバック時にピースカバーがアームピースから外れることを抑制できる。アームピースとピースカバーとの間に隙間が形成されないので、ウィンドシールド上の障害物によって両部材がずれるのを抑制することができる。また、アームピースに、ブレードラバーの払拭方向と交差する方向に突出する第1,第2の凸部を設け、ピースカバーに、第1の凸部の直径寸法と略同一の直径寸法に設定された第1の係合孔および、第2の凸部の直径寸法よりも大きな直径寸法に設定された第2の係合孔を設け、第2の係合孔の内周面に、第2の凸部の第2の係合孔内への進入により変形する複数の微小突起を設けたので、アームピースとピースカバーとを強固に固定することができる。
本発明によれば、ピースカバーの厚み寸法を、リテーナの厚み寸法にするので、リテーナとアームピースとの間の段差を目立たなくして、ワイパ装置の美観向上を図ることができる。
以下、本発明におけるワイパ装置の一実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は車両に装着されたフロントワイパを説明する説明図を、図2は図1のワイパ装置を拡大して示す拡大図を、図3(a),(b)はワイパアームの先端側を示す斜視図を、図4は図3の下側から見た部分拡大図を、図5はピースカバーの装着方法を説明する説明図を、図6(a),(b)は図4の破線円D部を拡大して示す拡大図を、図7はアーム装着部材を示す斜視図を、図8はアーム支持部材を示す斜視図を、図9は図2のA−A線に沿う断面図を、図10は図2のB−B線に沿う断面図を、図11は図2のC−C線に沿う部分断面図を、図12は突出部の屈曲部への押圧状態を説明する説明図をそれぞれ表している。
図1に示すように、車両10には、ウィンドシールドとしてのフロントガラス11に付着した雨や雪,前車の飛沫等の付着物を払拭して、運転者の視界を確保するためにフロントワイパ12が装着されている。
このフロントワイパ12は、車内等に設けられるワイパスイッチ(図示せず)を操作することにより回転駆動される駆動源としてのワイパモータ13と、ワイパモータ13により駆動される回動軸としての運転席側,助手席側ワイパ軸14a,14bと、各ワイパ軸14a,14bに基端側が固定され、先端側がフロントガラス11上を揺動運動する運転席側,助手席側ワイパアーム15a,15bと、ワイパモータ13の回転運動を各ワイパアーム15a,15bの揺動運動に変換するリンク機構16とを有している。
各ワイパアーム15a,15bの先端側には、それぞれ同様に形成された運転席側,助手席側ワイパブレード17a,17bがフロントガラス11の垂直方向に対して回動自在に装着されており、各ワイパブレード17a,17bは、各ワイパアーム15a,15bに内装されたスプリング(図示せず)によってフロントガラス11に対して弾圧的に接触するようになっている。そして、ワイパモータ13を回転駆動することにより、フロントガラス11上の図中二点鎖線で示す各払拭範囲18a,18b、つまり、下反転位置(ワイパアームの停止位置)と上反転位置との間で、各ワイパブレード17a,17bが摺接するようになっている。
図2は運転席側のワイパ装置を示しており、運転席側,助手席側のワイパ装置はそれぞれ同様の構成であるため、以下、運転席側のワイパ装置のみについて説明する。また、運転席側のワイパ装置の説明にあたり、構成部品には「運転席側」を付さずに単に「ワイパアーム」等と称することとし、運転席側,助手席側で区別していた符号末尾のサフィックス「a,b」を省略する。
図2に示すように、ワイパ装置20は、ワイパアーム15とワイパブレード17とを有しており、ワイパアーム15とワイパブレード17とは、相互に回動自在に装着されている。ワイパアーム15は、ワイパ軸14(図1参照)に固定される略L字形状のアームヘッド21と、アームヘッド21に回動自在に装着されるリテーナ22と、図3に示すように基端側(図中右側)がリテーナ22に装着され、先端側(図中左側)に屈曲部23aが形成されたアームピース23とを有している。
アームピース23は、鋼板材料をプレス加工等することにより所定形状に形成されており、このアームピース23の基端側は、アームピース23の板厚よりも薄い板厚の鋼板材料よりなるリテーナ22を屈曲成形することによりリテーナ22に装着されている。したがって、リテーナ22とアームピース23との間にはリテーナ22の厚み寸法の段差G(図5参照)が形成されている。
アームピース23には、プラスチック等の樹脂材料よりなるピースカバー24が覆うようにして装着されており、このピースカバー24の基端側の厚み寸法は、段差Gの厚み寸法と同じ寸法、つまり、リテーナ22の厚み寸法と同じ寸法に設定されている。したがって、ピースカバー24のアームピース23への装着状態において、図3に示すようにリテーナ22の表面Saとピースカバー24の表面Sbとが略同一面上に形成され、外観上、段差Gが目立たなくなっている。特に、リテーナ22の上面および両側面、ピースカバー24の上面および両側面は、略同一面上に形成されることが好ましい。
ピースカバー24はアームピースの形状に沿う形状に形成され、アームピース23を覆う本体部24aと、この本体部24aの基端側に一体的に隣接して形成された第1,第2の脚部24b,24cと、本体部24aの先端側に一体的に形成され、アームピース23の屈曲部23aを覆う屈曲カバー部24dとを有している。屈曲カバー部24dには、アームピース23の屈曲部23aの外周面に沿うようにして略円弧形状のスリット24eが形成されている。
第1,第2の脚部24b,24cには、アームピース23に一体的に隣接して設けられ、ワイパ装置20の払拭方向と交差する方向に突出する第1,第2の凸部23b,23cのそれぞれに係合する第1,第2の係合孔25a,25bが形成されている。ここで、第1の係合孔25aの直径寸法および第1の凸部23bの直径寸法は略同一の直径寸法に設定されているが、第2の係合孔25bの直径寸法は第2の凸部23cの直径寸法よりも大きな直径寸法に設定されている。
各係合孔25a,25bのうち第2の係合孔25bの内周面には、複数の微小突起26,26・・・が周方向に沿って等間隔で一体的に形成されており、各微小突起26,26・・・の頂部を結んで形成される円(図示せず)の直径寸法は、第2の凸部23cの直径寸法よりも小さな直径寸法に設定されている。したがって、図4に示すように第2の凸部23cが第2の係合孔25bに係合することにより、複数の微小突起26,26・・・が変形するようになっている。
アームピース23に対するピースカバー24の装着方法について述べる。まず、図5に示すように、ピースカバー24の本体部24aと各脚部24b,24cとの間に開口する開口部Oを、アームピース23の側面、つまり、ワイパ装置20の払拭方向(図中矢印)から臨ませる。そして、図中二点鎖線矢印に示すように、第1の脚部24bの第1の係合孔25aを第1の凸部23bに係合させて位置合わせをする。ここで、ワイパアーム15が下反転位置にある状態において、開口部Oが車両10の屋根側、つまり、図1中上方を向くようにアームピース23にピースカバー24を臨ませる。
その後、図示しない治具等を用いて屈曲部23aと屈曲カバー部24dとの位置合わせを行い、この状態において、第2の脚部24cをアームピース23に向けて押圧する。このとき、第2の係合孔25bの内周面に設けられた各微小突起26,26・・・が、第2の凸部23cの第2の係合孔25b内への進入により変形される。これにより、第2の係合孔25bに第2の凸部23cが強固に係合されて、アームピース23に密着させた状態でピースカバー24を装着することができる。
このように、第2の係合孔25bの各微小突起26,26・・・が第2の凸部23cによりそれぞれ変形されることにより、アームピース23のプレス成形時に生じる形状誤差やピースカバー24の形状誤差が吸収される。つまり、第1の係合孔25aを第1の凸部23bに係合させ、かつ、屈曲部23aと屈曲カバー部24dとを所定位置に位置合わせした状態のもとで、第2の脚部24cをアームピース23に向けて押圧することにより、図6(a),(b)の矢印に示すように各微小突起26,26・・・がアームピース23やピースカバー24の形状誤差に応じて変形され、したがって、アームピース23やピースカバー24の形状誤差が吸収される。
ワイパブレード17は、図2に示すように、ブレードホルダ30と、ブレードホルダ30の長手方向における略中央部分に回動自在に装着されるアーム装着部材40と、アーム装着部材40に回動自在に装着され、アーム装着部材40との間でアームピース23の屈曲部23aを支持するアーム支持部材50とを有している。
アーム装着部材40は、図7に示すように、アームピース23の屈曲部23aの内側に装着される本体部41と、この本体部41に一体的に形成され、図中上下方向で対となった腕部42a,42bとを有している。本体部41には、ブレードホルダ30の長手方向の略中央部分にその両端に設けられたセレーション等の抜け止めを有する回動ピン31(図中破線)に回動自在に装着される凹溝43が形成され、各腕部42a,42bの先端側(図中左側)には、アーム支持部材50が回動自在に装着される一対の支持ピン44a,44bが、それぞれ内側に向けて一体的に形成されている。
各腕部42a,42bは、凹溝43から離れるにしたがって徐々に図中上下方向の厚さ寸法が小さくなるように形成されており、各腕部42a,42bの図中下端側には、回動ピン31を中心にアーム装着部材40が回動した際に、ブレードラバー60の背面側(図中一点鎖線)に当接するラバー当接部45a,45bが形成されている。
アーム装着部材40の本体部41には、図7および図11に示すように、回動規制部材としてのアーム側係合突起46が一体に形成されており、このアーム側係合突起46は、ブレードホルダ30のホルダ側係合突起30aに係合するようになっている。このように、アーム側係合突起46とホルダ側係合突起30aとが係合することにより、アーム装着部材40のブレードホルダ30に対する所定角度以上の回動を規制、つまり、ワイパブレード17のワイパアーム15(図2参照)に対する所定角度以上の回動を規制するようになっている。
アーム支持部材50は、図8に示すように、アーム装着部材40の各腕部42a,42bに形成された各支持ピン44a,44b(図中破線)に回動自在に装着される装着筒部51と、装着筒部51が一体的に形成される本体部52と、本体部52に一体的に形成され、図中左右方向に弾性変形可能な支持部53とを有している。
支持部53は本体部52に比して薄肉に形成されており、これにより、支持部53は図中左右方向に向けて弾性変形するようになっている。支持部53には、横壁面54aと前壁面54bとを有する突出部54が一体的に形成されている。この突出部54の横壁面54aは、ピースカバー24のスリット24eに対して摺動し、前壁面54bはアームピース23の屈曲部23aの外周面に部分的に接触して摺動するようになっている。
ブレードホルダ30は、図9および図10に示すように、プラスチック等の樹脂材料により略中空状に形成されており、その内側にはブレードラバー60が保持されている。ブレードホルダ30の内側の長手方向には、それぞれ対向するようにして一対の案内突起32a,32bが一体的に形成されており、各案内突起32a,32bは、ブレードラバー60のブレードホルダ30への装着を案内するようになっている。
各案内突起32a,32bのさらに内側の図2のB−B線に対応する部分には、各案内突起32a,32bよりも内側に突出する一対の保持爪33a,33bが形成されており、各保持爪33a,33bによってブレードラバー60のブレードホルダ30からの抜け止めがなされている。なお、各保持爪33a,33bは、図2のB−B線に対応する部分に設けられる他、A−A線を中心として対向する反対側の部分にも同様に設けられており、これにより、ブレードラバー60は、ブレードホルダ30によって2点支持されている。
図10に示すように、ブレードホルダ30の各保持爪33a,33bに対応する部分には、ブレードラバー60の背面側に当接する当接突起34が一体的に形成されており、このように当接突起34がブレードラバー60の背面側に当接することにより、払拭時におけるブレードラバー60のブレードホルダ30に対する過度の傾きを抑制するようにしている。
ブレードホルダ30の図2中左右側には、ブレードラバー60を覆う一対のカバー35が装着されており、この各カバー35に一体的に形成された爪部35aをブレードホルダ30の内側に形成された当接突起34にそれぞれ嵌め込むことにより、各カバー35のブレードホルダ30からの抜け止めがなされている。なお、図10に示すように、カバー35の爪部35aには、鋼鉄製の芯金35bがインサート成形等によってインサートされており、これにより爪部35aに柔軟性を与えるとともに、繰り返しの弾性変形に対する耐久性を向上させている。
ブレードホルダ30および各カバー35には、ブレードホルダ30の長手方向に沿うように、フィン36が一体的に形成されており、このフィン36は、車両10が高速走行等をした際に、走行風を受けることによりブレードラバー60のフロントガラス11からの浮き上がりを防止して、ワイパブレード17の払拭性能の低下を抑制するようになっている。また、アームピース23に取り付けられたピースカバー24の開口部Oが、フィン36側に向いているため、ピースカバー24の開口部Oを外観上目立たなくすることができる。
ブレードラバー60は、天然ゴムやクロロプレンゴム等の材料を使用し、溶融した材料を鋳型に流し込むことにより成形されている。このブレードラバー60は、図9および図10に示すように、鋼材よりなる板状バネとしての一対のバーティブラ61が装着された本体部62を有している。各バーティブラ61は、フロントガラス11の曲率半径よりも小さい曲率半径で湾曲するように弓状に形成されており、これにより、ブレードラバー60の長手方向全域におけるフロントガラス11に対する押圧力を略均一となるようにしている。
ブレードラバー60の本体部62における図中下側には、ブレードホルダ30の各案内突起32a,32bおよび各保持爪33a,33bに対向するボディ部63が一体的に形成されている。このボディ部63のさらに図中下側には、フロントガラス11に接触するリップ部64が一体的に形成されており、このリップ部64とボディ部63とは、払拭時におけるリップ部64のフロントガラス11に対する傾斜動作(反転動作)をスムーズに行うためのネック部65によって互いに接続されている。
図11に示すように、ワイパブレード17は、略U字形状の屈曲部23aに回動自在に装着される、所謂、Uフック方式の装着構造を採用している。アームピース23の屈曲部23aをアーム装着部材40の本体部41に装着した状態のもとで、アーム支持部材50を図中破線に示す状態から、当該アーム支持部材50をアームピース23側へ倒すことにより、アーム支持部材50の突出部54がピースカバー24のスリット24e内に介在してロックされる。これにより、突出部54の前壁面54bがアームピース23の屈曲部23aの外周面に接触され、突出部54と本体部41との間において屈曲部23aが支持されるようになっている。
アーム支持部材50の支持部53における突出部54を除く部分の隙間R(図12参照)には、ピースカバー24の屈曲カバー部24dが入り込むようになっており、これにより、支持部53の突出部54以外の部分は、ピースカバー24の屈曲カバー部24dに対して摺動するようになっている。
突出部54と本体部41との間で屈曲部23aを支持した状態、つまり、図11に示す状態において、ピースカバー24の先端側面Scとアーム支持部材50の基端側面Sdとは略同一面上に形成されている。このように、先端側面Scと基端側面Sdとが略同一面上に形成されるようにピースカバー24の先端側の厚み寸法が設定されている。これにより、リテーナ22とピースカバー24との関係と同様に、ピースカバー24とアーム支持部材50との間の段差が、外観上目立たなくなっている。
突出部54は、支持部53の弾性変形によりアームピース23の屈曲部23a側に所定の押圧力(接触力)で付勢されており、これにより、ワイパブレード17のワイパアーム15に対するこじり方向へのがたつきを防止するようになっている。ここで、突出部54の突出量を適宜調整することにより、屈曲部23aに対する突出部54の押圧力が調整され、したがって、ワイパブレード17のワイパアーム15に対するがたつき具合を調整することができる。
図12に示すように、例えば、フロントガラス11(図1参照)に積もった雪等の重量によって、ワイパアーム15に対してワイパブレード17がこじり中心Cを中心として応力F(図中矢印)を受ける場合がある。この場合、本実施の形態においては、突出部54の前壁面54bがアームピース23の屈曲部23aの外周面を比較的大きな押圧力で押さえ付けていることと、突出部54の両脇の隙間Rにピースカバー24の屈曲カバー部24dが入り込んでいることにより、ワイパブレード17のワイパアーム15に対するこじり方向への変位を抑制するようになっている。
ブレードラバー60を交換する場合等において、ワイパブレード17をワイパアーム15から取り外す場合には、図11の破線に示すように、上記とは逆にアーム支持部材50を図中右側に起こして突出部54によるアームピース23の屈曲部23aへの押圧力を開放するとともに、アームピース23に対してワイパブレード17をスライドさせ、これにより、ワイパブレード17をワイパアーム15から取り外すことができる。
以上詳述したように、本実施の形態に係るワイパ装置20によれば、アームピース23の形状に沿う形状に形成され、ブレードラバー60の払拭方向からアームピース23に装着されるピースカバー24を備えるので、ワイパ装置20の大型化を抑制することができる。また、ピースカバー24をアームピース23にブレードラバー60の払拭方向から装着するので、ワイパアーム15のロックバック時にピースカバー24がアームピース23から外れることを抑制できる。さらに、アームピース23とピースカバー24との間に隙間が形成されないので、フロントガラス11上の障害物によって両部材がずれるのを抑制することができる。また、アームピース23に、ブレードラバー60の払拭方向と交差する方向に突出する第1,第2の凸部23b,23cを設け、ピースカバー24に、第1の凸部23bの直径寸法と略同一の直径寸法に設定された第1の係合孔25aおよび、第2の凸部23cの直径寸法よりも大きな直径寸法に設定された第2の係合孔25bを設け、第2の係合孔25bの内周面に、第2の凸部23cの第2の係合孔25b内への進入により変形する複数の微小突起26を設けたので、アームピース23とピースカバー24とを強固に固定することができる。
さらに、本実施の形態に係るワイパ装置20によれば、ピースカバー24の厚み寸法を、リテーナ22の厚み寸法にするので、リテーナ22とアームピース23との間の段差Gを目立たなくして、ワイパ装置20の美観向上を図ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態においては、アームピース23に対してピースカバー24を、ワイパアーム15が下反転位置にある状態において、開口部Oが車両10の屋根側(図1中上方)を向くように装着したものを示したが、本発明はこれに限らず、上記とは逆に開口部Oが車両10の車輪側(図1中下方)を向くように装着することもできる。
また、上記実施の形態においては、ワイパ装置をフロントワイパ12に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ウィンドシールドとしてのリヤガラスを払拭するリヤワイパにも適用することができる。
車両に装着されたフロントワイパを説明する説明図である。 図1のワイパ装置を拡大して示す拡大図である。 (a),(b)は、ワイパアームの先端側を示す斜視図である。 図3の下側から見た部分拡大図である。 ピースカバーの装着方法を説明する説明図である。 (a),(b)は、図4の破線円D部を拡大して示す拡大図である。 アーム装着部材を示す斜視図である。 アーム支持部材を示す斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 図2のC−C線に沿う部分断面図である。 突出部の屈曲部への押圧状態を説明する説明図である。
符号の説明
10 車両
11 フロントガラス(ウィンドシールド)
12 フロントワイパ
13 ワイパモータ(駆動源)
14a 運転席側ワイパ軸(回動軸)
14b 助手席側ワイパ軸(回動軸)
15a 運転席側ワイパアーム
15b 助手席側ワイパアーム
16 リンク機構
17a 運転席側ワイパブレード
17b 助手席側ワイパブレード
18a 運転席側払拭範囲
18b 助手席側払拭範囲
20 ワイパ装置
21 アームヘッド
22 リテーナ
23 アームピース
23a 屈曲部
23b 第1の凸部(凸部)
23c 第2の凸部(凸部)
24 ピースカバー
24a 本体部
24b 第1の脚部
24c 第2の脚部
24d 屈曲カバー部
24e スリット
25a 第1の係合孔(係合孔)
25b 第2の係合孔(係合孔)
26 微小突起
30 ブレードホルダ
30a ホルダ側係合突起
31 回動ピン
32a,32b 案内突起
33a,33b 保持爪
34 当接突起
35 カバー
35a 爪部
35b 芯金
36 フィン
40 アーム装着部材
41 本体部
42a,42b 腕部
43 凹溝
44a,44b 支持ピン
45a,45b ラバー当接部
46 アーム側係合突起
50 アーム支持部材
51 装着筒部
52 本体部
53 支持部
54 突出部
54a 横壁面
54b 前壁面
60 ブレードラバー
61 バーティブラ
62 本体部
63 ボディ部
64 リップ部
65 ネック部
G 段差
Sc 先端側面
Sd 基端側面
R 隙間

Claims (2)

  1. 駆動源により駆動される回動軸に基端側が装着され、先端側にウィンドシールドを払拭するブレードラバーが装着されるブレードホルダを有するワイパ装置であって、
    前記回動軸に固定されるアームヘッドと、
    前記アームヘッドに回動自在に装着されるリテーナと、
    基端側が前記リテーナに装着され、先端側に屈曲部が形成されるアームピースと、
    前記屈曲部に装着され、前記ブレードホルダに回動自在に設けられるアーム装着部材と、
    前記アームピースの形状に沿う形状に形成され、前記ブレードラバーの払拭方向から前記アームピースに装着されるピースカバーとを備え
    前記アームピースに、前記ブレードラバーの払拭方向と交差する方向に突出する第1,第2の凸部を設け、
    前記ピースカバーに、前記第1の凸部の直径寸法と略同一の直径寸法に設定された第1の係合孔および、前記第2の凸部の直径寸法よりも大きな直径寸法に設定された第2の係合孔を設け、
    前記第2の係合孔の内周面に、前記第2の凸部の前記第2の係合孔内への進入により変形する複数の微小突起を設けたことを特徴とするワイパ装置。
  2. 請求項1記載のワイパ装置において、前記ピースカバーの厚み寸法を、前記リテーナの厚み寸法にすることを特徴とするワイパ装置。
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