JP2018176241A - 機械構造用鋼材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
鋼材中において、粗大なMnSは、次のプロセスで生成すると考えられる。鋳造工程において、溶鋼中における凝固部の生成の進行とともに、デンドライト(樹枝状晶)の成長も進行する。その際、デンドライトの二次アーム(デンドライトの主軸(幹)から生成した枝)の間の領域(以下、最終凝固部という)の液相では、Mn及びSが濃化する。さらに凝固が進行すると、二次アーム間の最終凝固部において凝固が進行してMnSが析出する。デンドライトが多数形成されれば、二次アーム間も多数形成され、その結果、微細な(幅の狭い)最終凝固部が多数形成される。この場合、幅の狭い最終凝固部に、微細なMnSが生成する。その結果、微細なMnSが分散して形成される。
(b)C含有量が高いほど、固相と液相との間の界面エネルギーが大きくなり、固液界面は複雑な形状をとりにくくなる。したがって、C含有量が高いほど、デンドライトの二次アーム間隔が広くなる。
(c)冷却速度が同じ場合、C含有量が高いほど、固液共存温度範囲が拡大し、凝固に時間がかかる。そのため、デンドライトの二次アーム間隔は広くなる。
上述のとおり、冷却速度が同じ場合、C含有量が高いほど、デンドライト二次アーム間隔が広くなる。一方、C含有量が同じである場合、冷却速度が遅いほど、デンドライト二次アーム間隔が広くなる。さらに、二次アーム間隔が狭いほど、MnSの粗大化が抑制され、微細なMnSが分散して形成されると考えられる。そこで本発明者らは、二次アーム間隔を狭くする方法についてさらに検討を行った。
Fn1≦V<30 (1)
CC<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+CC) (2)
CC≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+CC) (3)
ここで、「Cc」には溶鋼中のC含有量(質量%)が代入される。
なお、鋳造材のデンドライト二次アーム間隔をλ2(μm)と定義したとき、上記凝固冷却速度Vは、式(4)で定義される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
Fn1≦V<30 (1)
ここで、Fn1は式(2)及び式(3)で定義される。
CC<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+CC) (2)
CC≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+CC) (3)
ここで、式(2)及び式(3)中のCCは溶鋼のC含有量(質量%)を示す。
鋳造材のデンドライト二次アーム間隔をλ2(μm)と定義したとき、上記凝固冷却速度Vは、式(4)で定義される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
本発明による機械構造用鋼材の製造方法は、溶鋼を鋳造して鋳造材を製造する工程(鋳造工程)と、鋳造材に対して熱間加工を実施して機械構造用鋼材を製造する工程(熱間加工工程)とを含む。以下、各工程について説明する。
鋳造工程では初めに、溶鋼を準備する。溶鋼の化学組成は次の元素を含有する。
炭素(C)は、鋼の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、C含有量が高すぎれば、硬質の炭化物が析出し、鋼の被削性が低下する。したがって、C含有量は0.1〜1.0%である。C含有量の好ましい下限は0.12%であり、より好ましくは0.16%である。C含有量の好ましい上限は0.85%であり、より好ましくは0.70%である。
シリコン(Si)は、鋼中のフェライトを強化する。Siはさらに、鋼の焼戻し軟化抵抗を高める。Si含有量が低すぎれば、これらの効果は得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼が脆化する。Si含有量が高すぎればさらに、高温での鋼の変形抵抗が高まる。したがって、Si含有量は、0.01〜1.5%である。Si含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.10%である。Si含有量の好ましい上限は1.0%であり、より好ましくは0.6%である。
マンガン(Mn)は、鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。Mnはさらに、鋼の焼入れ性を高め、焼入れ後の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、これらの効果は得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。Mn含有量が高すぎればさらに、鋼の強度が高くなりすぎ、冷間加工性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.05〜2.0%である。Mn含有量の好ましい下限は0.1%であり、より好ましくは0.3%である。Mn含有量の好ましい上限は1.7%であり、より好ましくは1.2%である。
燐(P)は、鋼の被削性を高める。P含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、P含有量が高すぎれば、鋼の強度が高まり、冷間加工性、熱間加工性、及び鋳造性が低下する。したがって、P含有量は0.003〜0.2%である。P含有量の好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。P含有量の好ましい上限は0.1%であり、より好ましくは0.05%である。
硫黄(S)は、鋼中のMnと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。S含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、S含有量が高すぎれば、鍛造性が低下し、熱間鍛造及び冷間鍛造時に割れが発生しやすくなる。したがって、S含有量は0.01〜0.05%である。S含有量の好ましい下限は0.012%であり、より好ましくは0.015%である。S含有量の好ましい上限は0.045%であり、より好ましくは0.04%である。
窒素(N)は不可避に含有される。Nは鋼に固溶し、鋼の強度を高める。しかしながら、N含有量が高すぎれば、切削において、動的ひずみ時効により、刃先近傍で硬化するため、工具の寿命が低下する。したがって、N含有量は0.01%以下である。N含有量の好ましい下限は0.001%であり、より好ましくは0.002%である。N含有量の好ましい上限は0.008%であり、より好ましくは0.006%である。
酸素(O)は不純物である。この明細書において、T.Oは、鋼中の酸化物の総量を意味する。T.Oが高すぎれば、粗大な酸化物が形成される場合がある。その結果、粗大な酸化物は割れの起点となり、鋼の鍛造性が低下する。したがって、T.Oは0.0018%以下である。T.Oの好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。T.Oの好ましい上限は0.0016%であり、より好ましくは0.0014%である。
本発明による機械構造用鋼材用の溶鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Cr、Ni、及びMoからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、鋼の焼入れ性を高める。
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Crはさらに、焼戻し軟化抵抗を高める。Crが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、Cr炭化物が形成され、鋼が脆化する。したがって、Cr含有量は0〜2.0%である。Cr含有量の好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.02%である。Cr含有量の好ましい上限は1.8%であり、より好ましくは1.5%である。
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Niは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Niはさらに、鋼の延性及び耐食性を高める。Niが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。したがって、Ni含有量は0〜2.0%である。Ni含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.1%である。Ni含有量の好ましい上限は1.5%であり、より好ましくは1.0%である。
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Moはさらに、焼戻し軟化抵抗を高める。Moが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。したがって、Mo含有量は0〜1.0%である。Mo含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.08%である。Mo含有量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.5%である。
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Vは炭窒化物等を形成する。Vの炭窒化物等は、ピン止め効果により結晶粒を微細化し、鋼の強度を高める。Vが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、V含有量が高すぎれば、かえって鋼の機械的性質が低下する。したがって、V含有量は0〜1.0%である。V含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.08%である。V含有量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.5%である。
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは炭窒化物等を形成する。Nbの炭窒化物等は、ピン止め効果により結晶粒を微細化し、鋼の強度を高める。Nbが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、炭窒化物等が過剰に形成され、かえって鋼の機械的性質が低下する。したがって、Nb含有量は0〜0.2%である。Nb含有量の好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。Nb含有量の好ましい上限は0.15%であり、より好ましくは0.1%である。
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Tiは炭窒化物等を形成する。Tiの炭窒化物等は、ピン止め効果により結晶粒を微細化し、鋼の強度を高める。Tiはさらに、鋼中のOと結合して軟質な酸化物を形成し、鋼の被削性を高める。Tiが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。したがって、Ti含有量は0〜0.1%である。Ti含有量の好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。Ti含有量の好ましい上限は0.08%であり、より好ましくは0.06%である。
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは鋼中のOと結合して軟質な酸化物を形成し、鋼の被削性を高める。Caはさらに、MnSに固溶し、MnSの圧延や鍛造による伸延を抑制する。その結果、鋼の異方性が低下する。Caが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、硬質の酸化物を過剰に形成し、かえって鋼の被削性が低下する。Ca含有量が高すぎればさらに、製造時の歩留まりが低下する。したがって、Ca含有量は0〜0.005%である。Ca含有量の好ましい下限は0.0002%であり、より好ましくは0.0004%である。Ca含有量の好ましい上限は0.004%であり、より好ましくは0.003%である。
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは鋼中のOと結合して酸化物を形成する。形成した酸化物は、MnSの析出核となり、MnSを微細に分散させる。その結果、鋼の鍛造性が高まり、さらに、鋼の異方性が低下する。Mgが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Mg含有量が高すぎればさらに、製造時の歩留まりが低下する。したがって、Mg含有量は0〜0.005%である。Mg含有量の好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。Mg含有量の好ましい上限は0.004%であり、より好ましくは0.003%である。
ジルコニウム(Zr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Zrは鋼中のOと結合して酸化物を形成する。形成した酸化物は、MnSの析出核となり、MnSを微細に分散させる。その結果、鋼の鍛造性が高まり、さらに、鋼の異方性が低下する。Zrが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Zr含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Zr含有量が高すぎればさらに、製造時の歩留まりが低下する。したがって、Zr含有量は0〜0.01%である。Zr含有量の好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。Zr含有量の好ましい上限は0.005%であり、より好ましくは0.003%である。
テルル(Te)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Teは鋼の被削性を高める。Teはさらに、MnSの伸延を抑制する。その結果、鋼の異方性が低下する。Teが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Te含有量が高すぎれば、鋳造時に割れが発生する場合がある。したがって、Te含有量は0〜0.005%である。Te含有量の好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。Te含有量の好ましい上限は0.004%であり、より好ましくは0.003%である。
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Biは鋼の被削性を高める。Biが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Bi含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Bi含有量が高すぎればさらに、鋳造時において鋼に瑕が発生する場合がある。したがって、Bi含有量は0〜0.15%である。Bi含有量の好ましい下限は0.001%であり、より好ましくは0.002%である。Bi含有量の好ましい上限は0.1%であり、より好ましくは0.05%である。
鉛(Pb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Pbは鋼の被削性を高める。Pbが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Pb含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Pb含有量が高すぎればさらに、鋳造時において鋼に瑕が発生する場合がある。したがって、Pb含有量は0〜0.15%である。Pb含有量の好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.03%である。Pb含有量の好ましい上限は0.12%であり、より好ましくは0.1%である。
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは鋼に固溶して焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Bはさらに、窒化物として析出し、鋼の被削性を高める。Bが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、B含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。B含有量が高すぎればさらに、かえって鋼の機械的性質が低下する。したがって、B含有量は0〜0.004%である。B含有量の好ましい下限は0.0005%であり、より好ましくは0.0008%である。B含有量の好ましい上限は0.0035%であり、より好ましくは0.003%である。
鋳造工程では、溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で溶鋼を冷却し、凝固させる。上述のとおり、C含有量に応じた冷却速度(℃/s)で溶鋼を冷却することにより、デンドライト二次アーム間隔を狭くでき、微細なMnSを分散して生成することができる。その結果、高い鍛造性及び高い被削性を有する機械構造用鋼材を製造できる。
好ましくは、上述のとおり定義された凝固冷却速度V(℃/s)は、式(1)を満たす。
Fn1≦V<30 (1)
式(1)中のVは、鋳片の凝固冷却速度(℃/s)が代入される。式(1)中のFn1は、式(2)及び式(3)で定義される。
CC<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+CC) (2)
CC≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+CC) (3)
式(2)及び式(3)中の「CC」には、溶鋼のC含有量(質量%)が代入される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
鋳造工程により製造された鋳造材に対して、熱間加工を実施して機械構造用鋼材を製造する。
[MnS最大粒径測定試験]
各試験番号の丸棒におけるMnSの最大粒径を次の方法で求めた。各試験番号の丸棒の横断面(長手方向に垂直な断面)のR/2部(横断面において、丸棒の中心と外表面とを結ぶ直線(半径)の中心位置)を含む試験片を作成した。試験片のうち、上記R/2部を含む横断面が顕鏡面となるように、試験片を樹脂埋めし、鏡面研磨を行った。観察面を研磨した後、3%硝酸アルコール(ナイタール腐食液)を用いて観察面をエッチングした。エッチングされた観察面を500倍の光学顕微鏡にて観察し、任意の50視野(1視野あたりの面積は9000μm2)を特定した。特定した50視野の写真画像を生成した。各視野において、コントラストに基づいてMnSを特定した。特定された複数のMnSの各々について、面積を求めた。求めた面積を同じ面積の円に換算したときの直径(円相当径)を、そのMnSの粒径(μm)と定義した。50視野で求めたMnSの粒径のうち、最大の粒径を、その試験番号の丸棒でのMnSの最大粒径(μm)と定義した。MnSの最大粒径(μm)を表4〜6に示す。
鍛造性評価試験を次の方法で実施した。各試験番号の直径60mmの丸棒の一部を切断した。切断された丸棒に対して切削加工を実施して、直径20mm、長さ30mmの据込試験片を作成した。据込試験片の中心軸は、切削加工前の直径60mmの丸棒の中心軸と一致した。
ε=(H0−H)/H0 (5)
ここで、H0は鍛造前の据え込み試験片の長さ(mm)、Hは鍛造後の据え込み試験片の長さ(mm)である。
被削性評価試験を次の方法で実施した。各試験番号の直径60mmの棒鋼を20mmの長さで切断して試験片とした。試験片に対して、穿孔を実施した。
表1〜6を参照して、試験番号1〜60は、化学組成及び冷却条件が適切であった。そのため、MnSの最大粒径が20μm未満となった。そのため、限界歪みεが85%以上となり、高い鍛造性を示した。さらに、最高切削速度VL1000が20m/min以上となり、高い被削性を示した。
表7及び8を参照して、試験番号75及び76は、化学組成及び冷却条件が適切であった。そのため、MnSの最大粒径が20μm未満となった。その結果、限界歪みεが85%以上となり、高い鍛造性を示した。さらに、最高切削速度VL1000が20m/min以上となり、高い被削性を示した。
Claims (7)
- 質量%で、
C:0.1〜1.0%、
Si:0.01〜1.5%、
Mn:0.05〜2.0%、
P:0.003〜0.2%、
S:0.01〜0.05%、
N:0.01%以下、
T.O:0.0018%以下、
Cr:0〜2.0%、
Ni:0〜2.0%、
Mo:0〜1.0%、
V:0〜1.0%、
Nb:0〜0.2%、
Ti:0〜0.1%、
Ca:0〜0.005%、
Mg:0〜0.005%、
Zr:0〜0.01%、
Te:0〜0.005%、
Bi:0〜0.15%、
Pb:0〜0.15%、及び
B:0〜0.004%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する溶鋼を、造塊法又は連続鋳造法により凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程と、
前記鋳造材を再加熱後、熱間加工を実施して、機械構造用鋼材を製造する工程とを備え、
前記鋳造工程では、前記溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で前記溶鋼を凝固させる、機械構造用鋼材の製造方法。 - 請求項1に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
前記鋳造工程では、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度である凝固冷却速度V(℃/秒)が式(1)を満たす、機械構造用鋼材の製造方法。
Fn1≦V<30 (1)
ここで、式(1)中のFn1は式(2)及び式(3)で定義される。
CC<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+CC) (2)
CC≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+CC) (3)
ここで、式(2)及び式(3)中のCCは前記溶鋼のC含有量(質量%)を示す。
前記鋳造材のデンドライト二次アーム間隔をλ2(μm)と定義したとき、前記凝固冷却速度Vは、式(4)で定義される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4) - 請求項1又は請求項2に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
前記化学組成は、
Cr:0.01〜2.0%、
Ni:0.05〜2.0%、及び
Mo:0.05〜1.0%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
前記化学組成は、
V:0.05〜1.0%、
Nb:0.005〜0.2%、及び
Ti:0.005〜0.1%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
前記化学組成は、
Ca:0.0002〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.005%、及び、
Zr:0.0003〜0.01%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
前記化学組成は、
Te:0.0003〜0.005%、
Bi:0.001〜0.15%、及び、
Pb:0.01〜0.15%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
前記化学組成は、
B:0.0005〜0.004%を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。
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