JP2018176241A - 機械構造用鋼材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】C含有量に関わらず、高い鍛造性と高い被削性とを有する、機械構造用鋼材の製造方法を提供する。【解決手段】本発明による機械構造用鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.1〜1.0%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.003〜0.2%、S:0.01〜0.05%、N:0.01%以下、及び、T.O:0.0018%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する溶鋼を、造塊法及び連続鋳造法により凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程と、鋳造材を再加熱後、熱間加工を実施して機械構造用鋼材を製造する工程とを備える。鋳造工程では、溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で溶鋼を凝固させる。【選択図】図1

Description

本発明は、機械構造用鋼材の製造方法に関する。
自動車や産業機械に用いられる機械部品の多くは、熱間鍛造又は冷間鍛造により成形される。そのため、機械部品の素材である機械構造用鋼材には、高い鍛造性が要求される。また、機械部品を製造する際、必要に応じて、機械部品の素材である機械構造用鋼材に対して、切削加工が実施される。したがって、機械構造用鋼材には、高い鍛造性だけでなく、高い被削性も要求される。
鋼材中にMnSが形成されていれば、鋼の被削性は高まる。しかしながら、粗大なMnSが形成されれば、粗大なMnSが応力集中源となり、鋼材の鍛造性が低下する場合がある。微細なMnSを鋼材中に分散できれば、鋼材の被削性を高めつつ、鋼材の鍛造性を高めることができる。そのため、MnSを鋼材中に微細に分散させる技術が求められている。
MnSを鋼材中に微細に分散する技術が、特開2003−293081号公報(特許文献1)、特開平1−228643号公報(特許文献2)、国際公開第01/066814号(特許文献3)、特開平8−92687号公報(特許文献4)、及び、特開平10−1746号公報(特許文献5)に提案されている。
特許文献1に開示されている機械構造用鋼は、鋼中に、MnSを主成分とする微細な硫化物系介在物が単位面積当たり5000個/mm以上存在することを特徴とする。鋼中のMn、Sを原子%比でMn/S=0.6〜1.4の1:1前後を含有し、かつ、S含有量を質量%で0.05から0.40%とすることにより、上述の微細な硫化物系介在物が得られる、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示されている方法は、脱酸前溶存酸素濃度が重量で20〜60ppmの溶鋼に、Zr、Ti、Ce、Y、及びHfのうち少なくとも1種の脱酸元素を溶存させ、連続鋳造機又は鋳型に鋳込み、該鋳片又は該鋼塊の1/2厚み位置の平均冷却速度が液相線温度〜1400℃で50℃/分以上、1400〜1300℃で1〜50℃/分とする。この方法により、鋼中にMnSを微細に分散析出できる、と特許文献2には記載されている。
特許文献3に開示されている鋼は、質量%で、C:0.1〜0.85%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.003〜0.2%、S:0.003〜0.5%、Zr:0.003〜0.01%を含有するとともに、Al:0.01%以下、total−O:0.02%以下、total−N:0.02%以下に制限し、かつ、MnSの平均アスペクト比10以下で、最大アスペクト比30以下を有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなる。上記化学組成により、MnSを微細に分散し、かつ、MnSの形状を球状に維持できる、と特許文献3には記載されている。
特許文献4に開示されている熱間鍛造用非調質鋼は、Si:2%以下、S:0.10%以下、N:0.02%以下、O:0.010%以下及び不可避的不純物元素を含む鋼において、更にC:0.10〜0.6%、Mn:0.3〜2.5%、Cr:0.05〜2.5%、V:0.03〜0.5%、Al:0.060%以下、Ti:0.005〜0.03%を含有すると共に、平均粒径が0.1〜5μmである介在物を1×10〜1×10個/mm含有する。この介在物はTi酸・窒化物、MnS、及び該Ti酸・窒化物とMnSを主体とする複合化合物である。上記介在物を含有する熱間鍛造用非調質鋼は、上記成分組成を有する溶鋼を鋳造するに際して1500〜900℃の温度範囲を1℃/分以上の冷却速度で冷却した鋼材に、熱間鍛造を施し、次いで空冷することにより製造できる、と特許文献4には記載されている。
特許文献5に記載されているばね鋼は、質量%で、C:0.25〜0.70%、Si:1.0〜2.1%、Mn:0.05〜0.49%、Cr:0.05〜2.0%、S:0.02%以下、N:10〜200ppm、を含有するとともに、Ti:0.001〜0.2%、Cu:0.05〜0.5%、Ca:0.0002〜0.01%、Zr:0.001〜0.10%、よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる。上記ばね鋼ではさらに、表面から0.3mm以上の深さで、かつ中心部を含まない領域から設定される20mmの広さの断面内に存在するMnを主成分とする硫化物又は硫化物をベースとする複合化合物であって長径8μm以上のものが20個以下である。このばね鋼は、上記各成分組成を満足する溶鋼を用いて20℃/min以上の平均凝固速度で鋳造し、得られた鋳造物を圧延又は伸線することにより製造される、と特許文献5には記載されている。
特開2003−293081号公報 特開平1−228643号公報 国際公開第01/066814号 特開平8−92687号公報 特開平10−1746号公報
しかしながら、特許文献1〜5に開示される技術では、C含有量とMnSとの関係についての言及がなされていない。そのため、鋼材中のC含有量が高い場合、MnSが微細になりにくく、鋼材の鍛造性及び被削性が低下する場合がある。
本発明の目的は、C含有量に関わらず、高い鍛造性と高い被削性とを有する、機械構造用鋼材の製造方法を提供することである。
本発明による機械構造用鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.1〜1.0%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.003〜0.2%、S:0.01〜0.05%、N:0.01%以下、T.O:0.0018%以下、Cr:0〜2.0%、Ni:0〜2.0%、Mo:0〜1.0%、V:0〜1.0%、Nb:0〜0.2%、Ti:0〜0.1%、Ca:0〜0.005%、Mg:0〜0.005%、Zr:0〜0.01%、Te:0〜0.005%、Bi:0〜0.15%、Pb:0〜0.15%、及び、B:0〜0.004%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する溶鋼を、造塊法又は連続鋳造法により凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程と、鋳造材を再加熱後、熱間加工を実施して機械構造用鋼材を製造する工程とを備える。鋳造工程では、溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で溶鋼を凝固させる。
本発明による機械構造用鋼材の製造方法は、C含有量に関わらず、高い鍛造性と高い被削性とを有する機械構造用鋼材を製造できる。
図1は、炭素含有量と凝固冷却速度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明者らは、MnSを鋼材中に微細に分散させる技術について調査及び検討を行った。その結果、本発明者らは、次の知見を得た。
(A)粗大なMnSが形成する要因について
鋼材中において、粗大なMnSは、次のプロセスで生成すると考えられる。鋳造工程において、溶鋼中における凝固部の生成の進行とともに、デンドライト(樹枝状晶)の成長も進行する。その際、デンドライトの二次アーム(デンドライトの主軸(幹)から生成した枝)の間の領域(以下、最終凝固部という)の液相では、Mn及びSが濃化する。さらに凝固が進行すると、二次アーム間の最終凝固部において凝固が進行してMnSが析出する。デンドライトが多数形成されれば、二次アーム間も多数形成され、その結果、微細な(幅の狭い)最終凝固部が多数形成される。この場合、幅の狭い最終凝固部に、微細なMnSが生成する。その結果、微細なMnSが分散して形成される。
以上のプロセスに基づいて、本発明者らは、二次アーム間隔を狭くすれば、粗大なMnSの生成が抑制され、微細なMnSを分散できるのではないかと考えた。
そこで本発明者らは、上述のデンドライトの二次アーム間隔に着目し、種々の鋼種について凝固組織形態を調査した。その結果、本発明者らは炭素(C)含有量と、二次アーム間隔とに相関があることを見出した。本発明者らがさらに検討を重ねた結果、鋳造工程における冷却速度及びC含有量とデンドライト二次アーム間隔との関係について、次の知見を得た。
(a)過冷却の度合いが大きいほど、細かいデンドライトが生成し、二次アーム間隔が狭くなる。すなわち、冷却速度が速く、凝固が速やかに進行するほど、二次アーム間隔は狭くなる。
(b)C含有量が高いほど、固相と液相との間の界面エネルギーが大きくなり、固液界面は複雑な形状をとりにくくなる。したがって、C含有量が高いほど、デンドライトの二次アーム間隔が広くなる。
(c)冷却速度が同じ場合、C含有量が高いほど、固液共存温度範囲が拡大し、凝固に時間がかかる。そのため、デンドライトの二次アーム間隔は広くなる。
以上の知見(a)〜(c)に基づいて、本発明者らは、鋳造工程において、溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で溶鋼を冷却して凝固させることにより、微細なMnSを分散して生成できることを見出した。
(B)MnSを微細にする方法について
上述のとおり、冷却速度が同じ場合、C含有量が高いほど、デンドライト二次アーム間隔が広くなる。一方、C含有量が同じである場合、冷却速度が遅いほど、デンドライト二次アーム間隔が広くなる。さらに、二次アーム間隔が狭いほど、MnSの粗大化が抑制され、微細なMnSが分散して形成されると考えられる。そこで本発明者らは、二次アーム間隔を狭くする方法についてさらに検討を行った。
本発明者らは、鋳造工程における鋼の温度域のうち、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度を「凝固冷却速度」(℃/min)と定義し、この凝固冷却速度に注目した。
ここで、本明細書における「凝固冷却速度」をより具体的に次のとおり定義する。造塊法により鋼塊を製造する場合、鋼塊の重心における、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度を凝固冷却速度(℃/min)と定義する。連続鋳造法により鋳片を製造する場合、鋳片長手方向に対して垂直に切断した面の中心部における、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度を凝固冷却速度(℃/min)と定義する。
凝固冷却速度を速めれば、過冷却の度合いが大きくなり、デンドライト二次アーム間隔を狭くすることができる。この場合、粗大なMnSの形成を抑制し、鋼材中にMnSを微細に分散させることができると考えられる。一方で、デンドライト二次アーム間隔はC含有量の影響も受ける。そこで本発明者らは、凝固冷却速度と、C含有量と、MnSのサイズとについて、調査を行った。
図1は、溶鋼中のC含有量C(質量%)及び凝固冷却速度V(℃/s)と、鋳造工程後の鋳造材中のMnSのサイズとの関係を示す図である。図1は次の方法で得られた。
質量%で、C:0.1〜1.0%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.003〜0.2%、S:0.01〜0.05%、N:0.01%以下、T.O:0.0018%以下を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する溶鋼を複数準備した。各溶鋼のC含有量は、0.1〜1.0の広い範囲で異なる数値とした。また、各溶鋼のC含有量以外の他の元素の含有量は、上記範囲内とした。
準備された複数の溶鋼を用いて連続鋳造を実施して、複数の鋳造材(鋳片)を製造した。各鋳造材の長手方向に対して垂直な断面(横断面)は同じであった。各鋳造での凝固冷却速度Vを後述の方法で特定した。各鋳造において、凝固冷却速度V以外の他の条件はいずれも同じとした。凝固冷却速度Vは、後述の方法により調整した。
各鋳造材に対してさらに、次の条件で分塊圧延、及び、連続圧延機による仕上げ圧延を実施して、直径60mmの棒鋼を製造した。具体的には、鋳造材を1200℃に加熱した。加熱後の鋳造材に対して分塊圧延を実施して、ビレットを製造した。ビレットの横断面(長手方向に対して垂直な断面)はいずれも同じとした。ビレットを1200℃に加熱した。加熱後のビレットに対して連続圧延機による仕上げ圧延を実施して、直径60mmの棒鋼を製造した。鋳造材から棒鋼までの熱間加工(分塊圧延及び仕上げ圧延)での累積減面率は94%であった。
製造された直径60mmの棒鋼において、MnSの最大粒径を後述の方法で求めた。各溶鋼のC含有量と、凝固冷却速度Vと、求めたMnSの最大粒径とを用いて、図1を作成した。
図1中の「△」印は、MnSの最大粒径が20μm以上であり、粗大なMnSが形成されたことを示す。「○」印はMnSの最大粒径が20μm未満であり、微細なMnSが形成されたことを示す。
図1を参照して、MnSの最大粒径が20μm未満となる場合(図1中「○」印)、C含有量Cと凝固冷却速度Vとは、相関関係があることがわかる。すなわち、C含有量に応じて、凝固冷却速度を変化させることにより、換言すれば、C含有量に応じた凝固冷却速度で溶鋼を冷却して凝固させることにより、微細なMnSを分散して形成することができる。
さらに、C含有量が高くなれば、MnSの最大粒径を20μm未満とするために必要な凝固冷却速度Vが速くなる。すなわち、C含有量Cが高いほど、凝固冷却速度Vを速くすれば、MnSを小さくできる。
さらに、図1を参照して、C含有量C=0.45%付近において、MnSの最大粒径が非連続に変化した。この点についてさらに検討した結果、式(1)〜式(3)を満たす凝固冷却速度で鋳造工程を実施すれば、粗大なMnSの生成が抑制され、微細なMnSが分散して生成し、その結果、高い鍛造性及び高い被削性を有する機械構造用鋼材が製造できることが分かった。
Fn1≦V<30 (1)
<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+C) (2)
≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+C) (3)
ここで、「Cc」には溶鋼中のC含有量(質量%)が代入される。
なお、鋳造材のデンドライト二次アーム間隔をλ2(μm)と定義したとき、上記凝固冷却速度Vは、式(4)で定義される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
C含有量Cc=0.45%において、MnSの最大粒径が非連続に変化する理由については定かではないが、次の事項が考えられる。C含有量Cc=0.45%付近において、固相と液相との界面エネルギーが変化し、固液界面の形状が変化する。具体的には、C含有量Cが0.45%より低ければ、bcc構造のδ相が生成し、C含有量Cが0.45%よりも高ければ、fcc構造のγ相が生成する。生成する相が異なるため、C含有量C=0.45%を境に、固相と液層との界面エネルギーが非連続に変化する。その結果、図1に示すとおり、MnSの最大粒径において、C含有量C=0.45を境に、非連続な結果が生じる。
凝固冷却速度Vが式(1)を満たせば、機械構造用鋼材中のMnSの最大粒径が20μm未満となる。一方、凝固冷却速度Vが速すぎれば、凝固時に過剰に多い歪みが発生し、固相における割れの原因となる。したがって、凝固冷却速度Vの上限は30℃/sである。
以上の知見に基づいて完成した本発明による機械構造用鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.1〜1.0%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.003〜0.2%、S:0.01〜0.05%、N:0.01%以下、T.O:0.0018%以下、Cr:0〜2.0%、Ni:0〜2.0%、Mo:0〜1.0%、V:0〜1.0%、Nb:0〜0.2%、Ti:0〜0.1%、Ca:0〜0.005%、Mg:0〜0.005%、Zr:0〜0.01%、Te:0〜0.005%、Bi:0〜0.15%、Pb:0〜0.15%、及び、B:0〜0.004%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する溶鋼を、造塊法又は連続鋳造法により凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程と、鋳造材を再加熱後、熱間加工を実施して、機械構造用鋼材を製造する工程とを備える。鋳造工程では、溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で溶鋼を凝固させる。
好ましくは、上記鋳造工程では、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度である凝固冷却速度V(℃/秒)が式(1)を満たす。
Fn1≦V<30 (1)
ここで、Fn1は式(2)及び式(3)で定義される。
<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+C) (2)
≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+C) (3)
ここで、式(2)及び式(3)中のCは溶鋼のC含有量(質量%)を示す。
鋳造材のデンドライト二次アーム間隔をλ2(μm)と定義したとき、上記凝固冷却速度Vは、式(4)で定義される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
上記化学組成は、Cr:0.01〜2.0%、Ni:0.05〜2.0%、及び、Mo:0.05〜1.0%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
上記化学組成は、V:0.05〜1.0%、Nb:0.005〜0.2%、及び、Ti:0.005〜0.1%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
上記化学組成は、Ca:0.0002〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、及び、Zr:0.0003〜0.01%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
上記化学組成は、Te:0.0003〜0.005%、Bi:0.001〜0.15%、及び、Pb:0.01〜0.15%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
上記化学組成は、B:0.0005〜0.004%を含有してもよい。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[機械構造用鋼材の製造方法]
本発明による機械構造用鋼材の製造方法は、溶鋼を鋳造して鋳造材を製造する工程(鋳造工程)と、鋳造材に対して熱間加工を実施して機械構造用鋼材を製造する工程(熱間加工工程)とを含む。以下、各工程について説明する。
[鋳造工程]
鋳造工程では初めに、溶鋼を準備する。溶鋼の化学組成は次の元素を含有する。
C:0.1〜1.0%
炭素(C)は、鋼の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、C含有量が高すぎれば、硬質の炭化物が析出し、鋼の被削性が低下する。したがって、C含有量は0.1〜1.0%である。C含有量の好ましい下限は0.12%であり、より好ましくは0.16%である。C含有量の好ましい上限は0.85%であり、より好ましくは0.70%である。
Si:0.01〜1.5%
シリコン(Si)は、鋼中のフェライトを強化する。Siはさらに、鋼の焼戻し軟化抵抗を高める。Si含有量が低すぎれば、これらの効果は得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼が脆化する。Si含有量が高すぎればさらに、高温での鋼の変形抵抗が高まる。したがって、Si含有量は、0.01〜1.5%である。Si含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.10%である。Si含有量の好ましい上限は1.0%であり、より好ましくは0.6%である。
Mn:0.05〜2.0%
マンガン(Mn)は、鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。Mnはさらに、鋼の焼入れ性を高め、焼入れ後の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、これらの効果は得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。Mn含有量が高すぎればさらに、鋼の強度が高くなりすぎ、冷間加工性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.05〜2.0%である。Mn含有量の好ましい下限は0.1%であり、より好ましくは0.3%である。Mn含有量の好ましい上限は1.7%であり、より好ましくは1.2%である。
P:0.003〜0.2%
燐(P)は、鋼の被削性を高める。P含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、P含有量が高すぎれば、鋼の強度が高まり、冷間加工性、熱間加工性、及び鋳造性が低下する。したがって、P含有量は0.003〜0.2%である。P含有量の好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。P含有量の好ましい上限は0.1%であり、より好ましくは0.05%である。
S:0.01〜0.05%
硫黄(S)は、鋼中のMnと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。S含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、S含有量が高すぎれば、鍛造性が低下し、熱間鍛造及び冷間鍛造時に割れが発生しやすくなる。したがって、S含有量は0.01〜0.05%である。S含有量の好ましい下限は0.012%であり、より好ましくは0.015%である。S含有量の好ましい上限は0.045%であり、より好ましくは0.04%である。
N:0.01%以下
窒素(N)は不可避に含有される。Nは鋼に固溶し、鋼の強度を高める。しかしながら、N含有量が高すぎれば、切削において、動的ひずみ時効により、刃先近傍で硬化するため、工具の寿命が低下する。したがって、N含有量は0.01%以下である。N含有量の好ましい下限は0.001%であり、より好ましくは0.002%である。N含有量の好ましい上限は0.008%であり、より好ましくは0.006%である。
T.O:0.0018%以下
酸素(O)は不純物である。この明細書において、T.Oは、鋼中の酸化物の総量を意味する。T.Oが高すぎれば、粗大な酸化物が形成される場合がある。その結果、粗大な酸化物は割れの起点となり、鋼の鍛造性が低下する。したがって、T.Oは0.0018%以下である。T.Oの好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。T.Oの好ましい上限は0.0016%であり、より好ましくは0.0014%である。
本発明の形態による機械構造用鋼材用の溶鋼の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、不純物とは、機械構造用鋼材の溶鋼を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものであって、機械構造用鋼材に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[任意元素]
本発明による機械構造用鋼材用の溶鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Cr、Ni、及びMoからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、鋼の焼入れ性を高める。
Cr:0〜2.0%
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Crはさらに、焼戻し軟化抵抗を高める。Crが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、Cr炭化物が形成され、鋼が脆化する。したがって、Cr含有量は0〜2.0%である。Cr含有量の好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.02%である。Cr含有量の好ましい上限は1.8%であり、より好ましくは1.5%である。
Ni:0〜2.0%
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Niは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Niはさらに、鋼の延性及び耐食性を高める。Niが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。したがって、Ni含有量は0〜2.0%である。Ni含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.1%である。Ni含有量の好ましい上限は1.5%であり、より好ましくは1.0%である。
Mo:0〜1.0%
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Moはさらに、焼戻し軟化抵抗を高める。Moが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。したがって、Mo含有量は0〜1.0%である。Mo含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.08%である。Mo含有量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.5%である。
上記溶鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、V、Nb、及びTiからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、炭化物、窒化物及び炭窒化物(これらを総称して「炭窒化物等」という)を形成して、鋼の強度を高める。
V:0〜1.0%
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Vは炭窒化物等を形成する。Vの炭窒化物等は、ピン止め効果により結晶粒を微細化し、鋼の強度を高める。Vが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、V含有量が高すぎれば、かえって鋼の機械的性質が低下する。したがって、V含有量は0〜1.0%である。V含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.08%である。V含有量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.5%である。
Nb:0〜0.2%
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは炭窒化物等を形成する。Nbの炭窒化物等は、ピン止め効果により結晶粒を微細化し、鋼の強度を高める。Nbが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、炭窒化物等が過剰に形成され、かえって鋼の機械的性質が低下する。したがって、Nb含有量は0〜0.2%である。Nb含有量の好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。Nb含有量の好ましい上限は0.15%であり、より好ましくは0.1%である。
Ti:0〜0.1%
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Tiは炭窒化物等を形成する。Tiの炭窒化物等は、ピン止め効果により結晶粒を微細化し、鋼の強度を高める。Tiはさらに、鋼中のOと結合して軟質な酸化物を形成し、鋼の被削性を高める。Tiが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。したがって、Ti含有量は0〜0.1%である。Ti含有量の好ましい下限は0.005%であり、より好ましくは0.01%である。Ti含有量の好ましい上限は0.08%であり、より好ましくは0.06%である。
本発明による機械構造用鋼材の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ca、Mg、及びZrからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、いずれも、MnSの形態を制御する。
Ca:0〜0.005%
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは鋼中のOと結合して軟質な酸化物を形成し、鋼の被削性を高める。Caはさらに、MnSに固溶し、MnSの圧延や鍛造による伸延を抑制する。その結果、鋼の異方性が低下する。Caが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、硬質の酸化物を過剰に形成し、かえって鋼の被削性が低下する。Ca含有量が高すぎればさらに、製造時の歩留まりが低下する。したがって、Ca含有量は0〜0.005%である。Ca含有量の好ましい下限は0.0002%であり、より好ましくは0.0004%である。Ca含有量の好ましい上限は0.004%であり、より好ましくは0.003%である。
Mg:0〜0.005%
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは鋼中のOと結合して酸化物を形成する。形成した酸化物は、MnSの析出核となり、MnSを微細に分散させる。その結果、鋼の鍛造性が高まり、さらに、鋼の異方性が低下する。Mgが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Mg含有量が高すぎればさらに、製造時の歩留まりが低下する。したがって、Mg含有量は0〜0.005%である。Mg含有量の好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。Mg含有量の好ましい上限は0.004%であり、より好ましくは0.003%である。
Zr:0〜0.01%
ジルコニウム(Zr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Zrは鋼中のOと結合して酸化物を形成する。形成した酸化物は、MnSの析出核となり、MnSを微細に分散させる。その結果、鋼の鍛造性が高まり、さらに、鋼の異方性が低下する。Zrが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Zr含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Zr含有量が高すぎればさらに、製造時の歩留まりが低下する。したがって、Zr含有量は0〜0.01%である。Zr含有量の好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。Zr含有量の好ましい上限は0.005%であり、より好ましくは0.003%である。
本発明による機械構造用鋼材用の溶鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Te、Bi、及びPbからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、鋼の被削性を高める。
Te:0〜0.005%
テルル(Te)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Teは鋼の被削性を高める。Teはさらに、MnSの伸延を抑制する。その結果、鋼の異方性が低下する。Teが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、Te含有量が高すぎれば、鋳造時に割れが発生する場合がある。したがって、Te含有量は0〜0.005%である。Te含有量の好ましい下限は0.0003%であり、より好ましくは0.0005%である。Te含有量の好ましい上限は0.004%であり、より好ましくは0.003%である。
Bi:0〜0.15%
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Biは鋼の被削性を高める。Biが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Bi含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Bi含有量が高すぎればさらに、鋳造時において鋼に瑕が発生する場合がある。したがって、Bi含有量は0〜0.15%である。Bi含有量の好ましい下限は0.001%であり、より好ましくは0.002%である。Bi含有量の好ましい上限は0.1%であり、より好ましくは0.05%である。
Pb:0〜0.15%
鉛(Pb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Pbは鋼の被削性を高める。Pbが少しでも含有されれば、この効果はある程度得られる。しかしながら、Pb含有量が高すぎれば、この効果は飽和する。Pb含有量が高すぎればさらに、鋳造時において鋼に瑕が発生する場合がある。したがって、Pb含有量は0〜0.15%である。Pb含有量の好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.03%である。Pb含有量の好ましい上限は0.12%であり、より好ましくは0.1%である。
本発明による機械構造用鋼材用の溶鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Bを含有してもよい。
B:0〜0.004%
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは鋼に固溶して焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Bはさらに、窒化物として析出し、鋼の被削性を高める。Bが少しでも含有されれば、これらの効果はある程度得られる。しかしながら、B含有量が高すぎれば、これらの効果は飽和する。B含有量が高すぎればさらに、かえって鋼の機械的性質が低下する。したがって、B含有量は0〜0.004%である。B含有量の好ましい下限は0.0005%であり、より好ましくは0.0008%である。B含有量の好ましい上限は0.0035%であり、より好ましくは0.003%である。
以上の化学組成を有する溶鋼は、周知の方法で溶製される。たとえば、転炉又は電気炉にて一次精錬を実施して、溶鋼を製造する。また、一次精錬後の溶鋼に対してさらに、AOD(Argon Oxygen Decarburization)、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)、RH(RUHRSTAHL−HERAEUS)等による二次精錬を実施してもよい。
以上の工程により、上記化学組成を有する溶鋼を溶製する。なお、当然ではあるが、本発明の機械構造用鋼材の化学組成も、上記溶鋼の化学組成と同じである。したがって、機械構造用鋼材は上述の化学組成を有する。
上述の溶鋼を鋳造して、鋳造材を製造する。本明細書でいう鋳造は、造塊法による鋳造と、連続鋳造法による鋳造とを含む。したがって、本明細書でいう鋳造材は、鋼塊又は鋳片である。鋳片はたとえば、スラブ、ブルーム、ビレットである。鋳造工程において、上述の溶鋼を鋳型に注入し、冷却する。冷却により溶鋼が凝固して鋳造材が製造される。
[鋳造工程での冷却]
鋳造工程では、溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で溶鋼を冷却し、凝固させる。上述のとおり、C含有量に応じた冷却速度(℃/s)で溶鋼を冷却することにより、デンドライト二次アーム間隔を狭くでき、微細なMnSを分散して生成することができる。その結果、高い鍛造性及び高い被削性を有する機械構造用鋼材を製造できる。
冷却速度はたとえば、次の方法により調整できる。造塊法の場合、たとえば、鋳型のサイズを変更することにより、冷却速度を調整できる。たとえば、冷却速度を速くしたければ、鋳型の長手方向に垂直な断面(以下、横断面という)の断面積を小さくすればよい。冷却速度を遅くしたければ、鋳型の横断面の断面積を大きくすればよい。
連続鋳造法の場合も同様に、たとえば、鋳型のサイズを変更することにより冷却速度を調整できる。具体的には、鋳型の横断面の面積を調整することにより、冷却速度を調整できる。連続鋳造法の場合はさらに、連続鋳造機の鋳型下流に配列されたロール群において、ロール間に、鋳片を冷却するための流体ノズルが複数配置されている。そのため、これらの複数の流体ノズルから噴射する流体(水に代表される冷却液、空気、又は冷却液及び空気の混合流体)の流量を調整することにより、冷却速度を調整できる。
[式(1)〜式(3)について]
好ましくは、上述のとおり定義された凝固冷却速度V(℃/s)は、式(1)を満たす。
Fn1≦V<30 (1)
式(1)中のVは、鋳片の凝固冷却速度(℃/s)が代入される。式(1)中のFn1は、式(2)及び式(3)で定義される。
<0.45である場合:
Fn1=0.06×(0.8+C) (2)
≧0.45である場合:
Fn1=0.09×(0.1+C) (3)
式(2)及び式(3)中の「C」には、溶鋼のC含有量(質量%)が代入される。
凝固冷却速度は液相線から固相線までの冷却速度の平均であり、デンドライトの二次アーム間隔に基づいて決定する。液相線から固相線までとは、たとえば、1500℃〜1300℃の範囲である。鋳造材のデンドライトの二次アーム間隔に基づく凝固冷却速度の決定方法は、次のとおりである。
鋳造材が鋼塊の場合、鋼塊の重心位置を中心に含む5mm×5mmの観察領域において、デンドライト二次アーム間隔λ2(μm)を測定する。鋳造材が鋳片の場合、鋳片の横断面の中心を、観察領域の中心に含む、5mm×5mmの観察領域において、デンドライト二次アーム間隔λ2(μm)を測定する。測定されたデンドライド二次アーム間隔λ2(μm)を用いて、次の式(4)で凝固冷却速度V(℃/s)が定義される。
V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
式(4)より、デンドライト二次アーム間隔λ2は凝固冷却速度Vに依存する。したがって、デンドライト二次アーム間隔λ2を測定することにより、凝固冷却速度Vを求めることができる。
式(4)で定義された凝固冷却速度Vが式(1)を満たす場合、図1に示すとおり、粗大なMnSの生成が抑制され、微細なMnSが分散して生成する。そのため、機械構造用鋼材の鍛造性及び被削性が高まる。
[熱間加工工程]
鋳造工程により製造された鋳造材に対して、熱間加工を実施して機械構造用鋼材を製造する。
熱間加工工程では通常、鋳造材に対して1又は複数回の熱間加工を実施する。各熱間加工を実施する前に、素材(鋳造材、又は、鋳造材を1又は複数回熱間加工して製造された中間材)を加熱する。その後、素材に対して熱間加工を実施する。熱間加工はたとえば、熱間鍛造や、熱間圧延である。複数回熱間加工を実施する場合、最初の熱間加工はたとえば、分塊圧延又は熱間鍛造であり、次の熱間加工はたとえば、連続圧延機を用いた仕上げ圧延である。連続圧延機ではたとえば、一対の水平ロールを有する水平スタンドと、一対の垂直ロールを有する垂直スタンドとが交互に一列に配列される。熱間加工後の素材は空冷等の周知の冷却法により冷却される。熱間加工工程において、熱間加工前の素材の加熱温度は周知の温度で足り、たとえば、950〜1300℃である。
以上の工程により、本実施の形態による機械構造用鋼材を製造する。機械構造用鋼材はたとえば、棒鋼又は線材である。以上の製造方法により製造された機械構造用鋼材は、高い鍛造性及び高い被削性を得られる。以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
表1〜3に示す化学組成を有する溶鋼(試験番号1〜74)を、150kg高周波炉で溶製した。
Figure 2018176241
Figure 2018176241
Figure 2018176241
上記溶鋼を用いて、造塊法により鋼塊を鋳造した。各鋼塊は、鋳型のサイズを変更することにより、凝固冷却速度を調整した。各試験番号の溶鋼に用いた鋳型について、200mm×300mm×700mmの鋳型を鋳型A、220mm×300mm×700mmの鋳型を鋳型B、180mm×300mm×700mmの鋳型を鋳型Cとして表4〜6に示す。各試験番号の鋳造時の溶鋼過熱度(鋳造時の溶鋼温度と液相線温度との差)は30℃とした。
Figure 2018176241
Figure 2018176241
Figure 2018176241
続いて、凝固冷却速度を、以下の方法で求めた。試験番号1、2、及び、22については、上述の方法により鋼塊の重心でのデンドライト二次アーム間隔λ2を測定し、式(4)に基づいて凝固冷却速度Vを求めた。その他の試験番号については、鋳型サイズが試験番号1、2、及び、22のいずれかと同様であったため、試験番号1、2及び22のうち、鋳型サイズが同じ試験番号と同じ凝固冷却速度Vとみなした。
上述の方法で求めた凝固冷却速度V(℃/s)を、表4〜6に示す。凝固冷却速度Vが式(1)を満たす場合、冷却条件を満たすと判断した(表4〜6中の「○」)。一方、凝固冷却速度Vが式(1)を満たさない場合、冷却条件を満たさないと判断した(表4〜6中の「×」)。
続いて、製造された各鋼塊に対して熱間加工を実施して、機械構造用鋼材を製造した。具体的には、鋼塊を1250℃に加熱した。加熱後の鋼塊に対して熱間鍛造(鍛伸)を実施して、直径60mmの丸棒を製造した。鍛造終了時の鋼材(丸棒)の温度はいずれも1150℃であった。
[評価試験]
[MnS最大粒径測定試験]
各試験番号の丸棒におけるMnSの最大粒径を次の方法で求めた。各試験番号の丸棒の横断面(長手方向に垂直な断面)のR/2部(横断面において、丸棒の中心と外表面とを結ぶ直線(半径)の中心位置)を含む試験片を作成した。試験片のうち、上記R/2部を含む横断面が顕鏡面となるように、試験片を樹脂埋めし、鏡面研磨を行った。観察面を研磨した後、3%硝酸アルコール(ナイタール腐食液)を用いて観察面をエッチングした。エッチングされた観察面を500倍の光学顕微鏡にて観察し、任意の50視野(1視野あたりの面積は9000μm)を特定した。特定した50視野の写真画像を生成した。各視野において、コントラストに基づいてMnSを特定した。特定された複数のMnSの各々について、面積を求めた。求めた面積を同じ面積の円に換算したときの直径(円相当径)を、そのMnSの粒径(μm)と定義した。50視野で求めたMnSの粒径のうち、最大の粒径を、その試験番号の丸棒でのMnSの最大粒径(μm)と定義した。MnSの最大粒径(μm)を表4〜6に示す。
[鍛造性評価試験]
鍛造性評価試験を次の方法で実施した。各試験番号の直径60mmの丸棒の一部を切断した。切断された丸棒に対して切削加工を実施して、直径20mm、長さ30mmの据込試験片を作成した。据込試験片の中心軸は、切削加工前の直径60mmの丸棒の中心軸と一致した。
据込試験片に熱電対を取り付けた。熱電対が取り付けられた据込試験片を、高周波加熱により、1000℃に加熱した。加熱後3秒以内に、据込試験片に対して据込鍛造を実施した。据込鍛造時において、据込試験片に対して歪みを段階的に付与していき、歪み付与後に割れの発生の有無を確認した。割れが発生していない場合、さらに歪みを付与した。微細な割れ(長さ0.5〜1.0mm)が肉眼又は拡大鏡で初めて観察されたとき、割れが発生したと認定した。据え込み試験片に割れが発生したときの歪みを限界歪みε(%)とし、式(5)で定義した。
ε=(H−H)/H (5)
ここで、Hは鍛造前の据え込み試験片の長さ(mm)、Hは鍛造後の据え込み試験片の長さ(mm)である。
表4〜6に、限界歪みε(%)を示す。機械構造用鋼材では、限界歪みεが85%以上であることが望ましい。そこで、限界歪みεが85%以上である場合、鍛造性が高いと判断した(表4〜6中で「○」)。一方、限界歪みεが85%未満である場合、鍛造性が低いと判断した(表4〜6中で「×」)。
[被削性評価試験]
被削性評価試験を次の方法で実施した。各試験番号の直径60mmの棒鋼を20mmの長さで切断して試験片とした。試験片に対して、穿孔を実施した。
具体的には、ドリル外周速度を変化させて、ドリル折損までの累積穴深さを測定した。ドリルは高速度鋼ストレートドリルを用いた。ドリルのノーズRは3mmであり、先端角は118°であった。切削速度:10〜70m/min、送り量:0.25mm/rev、穴深さ9mmとして、穿孔を実施した。累積穴深さ(穴深さ×穿孔数)が1000mmに達した場合は、ひとつのドリルでの穿孔を終了した。この場合、ドリルを付け替え、さらにドリル外周速度を高速にして破損まで試験を繰り返した。累積穴深さ1000mmを穿孔可能な最大のドリル外周速度を、外周切削速度VL1000(m/min)と定義して、被削性の指標とした。
表4〜6に、最高切削速度VL1000(m/min)を示す。機械構造用鋼材では、最高切削速度VL1000が20m/minであることが望ましい。そこで、最高切削速度VL1000が20m/min以上である場合、被削性が高いと判断した(表4〜6中の「○」)。一方、切削速度VL1000が20m/min未満である場合、被削性が低いと判断した(表4〜6中の「×」)。
[試験結果]
表1〜6を参照して、試験番号1〜60は、化学組成及び冷却条件が適切であった。そのため、MnSの最大粒径が20μm未満となった。そのため、限界歪みεが85%以上となり、高い鍛造性を示した。さらに、最高切削速度VL1000が20m/min以上となり、高い被削性を示した。
一方、試験番号61〜72の鋼材では、化学組成は適切であったものの、凝固冷却速度がFn1より低かった。そのため、MnSの最大粒径が20μm以上となった。その結果、限界歪みεが85%より低くなり、鍛造性が低かった。
試験番号73及び74の鋼材では、冷却速度は適切であり、MnSの最大粒径が20μm未満となり、限界歪みεが85%以上となった。一方で、S含有量が低すぎた。そのため、最高切削速度VL1000が20m/min未満となり、被削性が低かった。
表7に示す化学組成を有する溶鋼(試験番号75〜78)を、転炉、取鍋精錬設備(LF:Ladle Furnace)、及び、RH(Ruhrstahl−Hausen)真空脱ガス装置を用いて溶製した。
Figure 2018176241
続いて、220mm×220mmの矩形の鋳型を用いて、鋳造速度1.3〜1.5m/minで連続鋳造を実施し、上記溶鋼から鋳片(220mm×220mm)を製造した。鋳造時の溶鋼過熱度は30℃、二次冷却比水量は0.20l/kgであった。製造された鋳片に対して分塊圧延を実施して、ビレットを製造した。ビレットに対して連続圧延機を用いた仕上げ圧延を実施して、直径60mmの棒鋼(機械構造用鋼材)を製造した。分塊圧延時の鋳片の加熱温度は1200℃であり、仕上げ圧延時のビレットの加熱温度は1100℃であった。
実施例1と同様に、凝固冷却速度V(℃/s)、MnSの最大粒径(μm)、限界歪みε(%)、及び最高切削速度VL1000(m/min)を求めた。さらに、冷却条件、鍛造性、及び被削性も実施例1と同様に判断した。試験番号75については、上述の方法により鋳片の重心でのデンドライト二次アーム間隔λ2を測定し、その測定結果から凝固冷却速度Vを求めた。試験番号76〜78については、鋳型サイズ、鋳造速度、溶鋼過熱度、及び、二次冷却比水量が、試験番号75と同様であったため、凝固冷却速度Vが試験番号75と等しいとみなした。これらの結果を表8に示す。
Figure 2018176241
[試験結果]
表7及び8を参照して、試験番号75及び76は、化学組成及び冷却条件が適切であった。そのため、MnSの最大粒径が20μm未満となった。その結果、限界歪みεが85%以上となり、高い鍛造性を示した。さらに、最高切削速度VL1000が20m/min以上となり、高い被削性を示した。
試験番号77及び78の鋼材では、化学組成は適切であったものの、凝固冷却速度VがFn1より低かった。そのため、MnSの最大粒径が20μm以上となった。その結果、限界歪みεが85%より低くなり、鍛造性が低かった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.1〜1.0%、
    Si:0.01〜1.5%、
    Mn:0.05〜2.0%、
    P:0.003〜0.2%、
    S:0.01〜0.05%、
    N:0.01%以下、
    T.O:0.0018%以下、
    Cr:0〜2.0%、
    Ni:0〜2.0%、
    Mo:0〜1.0%、
    V:0〜1.0%、
    Nb:0〜0.2%、
    Ti:0〜0.1%、
    Ca:0〜0.005%、
    Mg:0〜0.005%、
    Zr:0〜0.01%、
    Te:0〜0.005%、
    Bi:0〜0.15%、
    Pb:0〜0.15%、及び
    B:0〜0.004%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する溶鋼を、造塊法又は連続鋳造法により凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程と、
    前記鋳造材を再加熱後、熱間加工を実施して、機械構造用鋼材を製造する工程とを備え、
    前記鋳造工程では、前記溶鋼のC含有量に応じた冷却速度で前記溶鋼を凝固させる、機械構造用鋼材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
    前記鋳造工程では、液相線温度から固相線温度までの平均冷却速度である凝固冷却速度V(℃/秒)が式(1)を満たす、機械構造用鋼材の製造方法。
    Fn1≦V<30 (1)
    ここで、式(1)中のFn1は式(2)及び式(3)で定義される。
    <0.45である場合:
    Fn1=0.06×(0.8+C) (2)
    ≧0.45である場合:
    Fn1=0.09×(0.1+C) (3)
    ここで、式(2)及び式(3)中のCは前記溶鋼のC含有量(質量%)を示す。
    前記鋳造材のデンドライト二次アーム間隔をλ2(μm)と定義したとき、前記凝固冷却速度Vは、式(4)で定義される。
    V=(1/60)×(λ2/770)−(1/0.41) (4)
  3. 請求項1又は請求項2に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
    前記化学組成は、
    Cr:0.01〜2.0%、
    Ni:0.05〜2.0%、及び
    Mo:0.05〜1.0%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
    前記化学組成は、
    V:0.05〜1.0%、
    Nb:0.005〜0.2%、及び
    Ti:0.005〜0.1%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
    前記化学組成は、
    Ca:0.0002〜0.005%、
    Mg:0.0003〜0.005%、及び、
    Zr:0.0003〜0.01%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
    前記化学組成は、
    Te:0.0003〜0.005%、
    Bi:0.001〜0.15%、及び、
    Pb:0.01〜0.15%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材の製造方法であって、
    前記化学組成は、
    B:0.0005〜0.004%を含有する、機械構造用鋼材の製造方法。
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