JP2018172667A - 共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合体組成物及び共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合体組成物及び共役ジエン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】省燃費性に優れる重合体組成物を得ることができる共役ジエン系重合体を提供すること。【解決手段】本発明の共役ジエン系重合体は、共役ジエンに基づく構成単位を有し、当該重合体1分子中に下記式(1)で表される構成単位を2以上有する。式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R4及びR5は、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R4及びR5は、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R4及びR5が結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合体組成物及び共役ジエン系重合体の製造方法に関する。
近年、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して省燃費化の要求が強くなっており、自動車タイヤに用いる重合体組成物に対しても、省燃費性に優れることが求められている。自動車タイヤ用の重合体組成物としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体等の共役ジエン系重合体と、カーボンブラック、シリカ等の充填剤とを含有する重合体組成物が用いられている。
例えば、特許文献1及び2には、特定のアクリルアミド化合物で変性した共役ジエン系重合体を含む重合体組成物が開示されている。
特開平1−217003号公報 特開平1−217047号公報
しかしながら、従来の共役ジエン系重合体を用いた重合体組成物は、省燃費性において十分に満足のいくものではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、省燃費性に優れる重合体組成物を得ることができる共役ジエン系重合体、該共役ジエン系重合体と充填剤とを含有する共役ジエン系重合体組成物、及び、該共役ジエン系重合体の製造方法を提供することにある。
本発明は、共役ジエンに基づく構成単位を有する共役ジエン系重合体であって、当該重合体1分子中に下記式(1)で表される構成単位を2以上有する、共役ジエン系重合体に関する。
Figure 2018172667

[式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R及びRが結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる原子群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。]
本発明はまた、上述の共役ジエン系重合体と、充填剤とを含有する共役ジエン系重合体組成物に関する。
本発明はさらに、下記工程A及び工程Bを有する共役ジエン系重合体の製造方法に関する。
(工程A):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒の存在下、共役ジエンを含む単量体を重合させ、共役ジエンに基づく構成単位を有する重合体鎖の少なくとも一端に、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
(工程B):工程Aで得られた重合体を、上記アルカリ金属1当量に対して2当量以上の下記式(2)で表される化合物と反応させる工程。
Figure 2018172667

[式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R及びRが結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。]
本発明によれば省燃費性に優れる重合体組成物を得ることができる共役ジエン系重合体、該共役ジエン系重合体と充填剤とを含有する共役ジエン系重合体組成物、及び、該共役ジエン系重合体の製造方法を提供することができる。
本実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素残基を表す。置換ヒドロカルビル基は、炭化水素残基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシル基の水素原子がヒドロカルビル基で置換されている基を表し、置換ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロカルビルオキシ基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。また、置換シリル基は、シリル基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表し、置換アミノ基は、アミノ基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。
[共役ジエン系重合体]
本実施形態の共役ジエン系重合体は、共役ジエンに基づく構成単位を有する共役ジエン系重合体であって、当該重合体1分子中に下記式(1)で表される構成単位を2以上有する。
Figure 2018172667
式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R及びRが結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。
ヒドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
置換ヒドロカルビル基としては、例えば、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基、硫黄原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基が挙げられる。
窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、例えば、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基等のジアルキルアミノアルキル基が挙げられる。酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基等のアルコキシアルキル基が挙げられる。ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、例えば、トリメチルシリルメチル基等のトリアルキルシリルアルキル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル基等のトリアルキルシリルオキシアルキル基;トリメトキシシリルプロピル基等のトリアルコキシシリルアルキル基が挙げられる。
、R及びRのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。R、R及びRの置換ヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基等の炭素数1〜4のアルコキシアルキル基が好ましく、メトキシメチル基及びエトキシエチル基がより好ましく、メトキシメチル基が更に好ましい。
及びRとして、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基であり、更に好ましくは水素原子である。Rとして、省燃費性を高める観点及び経済性から、好ましくは水素原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はメトキシメチル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。
及びRのヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基及びエチル基が更に好ましい。
及びRの置換ヒドロカルビル基は、ヒドロカルビルオキシ基、トリヒドロカルビルシリルオキシ基、ヒドロカルビルチオ基、トリヒドロカルビルシリルチオ基、ヒドロカルビルアミノ基、トリヒドロカルビルシリルアミノ基、シリル基、及び、置換シリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有していてもよい。
置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基が挙げられる。R及びRの置換シリル基としては、トリアルキルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
がヒドロカルビル基であり、Rが置換ヒドロカルビル基であってもよい。この場合、Rは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はn−ブチル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましい。Rは、ジアルキルアミノアルキル基であることが好ましく、ジメチルアミノプロピル基又はジエチルアミノプロピル基であることがより好ましく、ジメチルアミノプロピル基であることが更に好ましい。
化合物の入手性の観点から、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R及びRが結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。
及びRが結合した基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が2〜12の2価の基が挙げられる。R及びRが結合した基は、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基;又はオキシジエチレン基、オキシジプロピレン基等の含酸素基;−CHCH−N=CH−で表される基、−CHCH−NR−CHCH−で表される基等の含窒素基であってもよい。Rは、アルキル基又は置換シリル基を示す。アルキル基は炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。R及びRが結合した基としては、含窒素基又は含酸素基が好ましく、−CHCH−NR−CHCH−で表される基又はオキシジエチレン基がより好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体は、重合体1分子中に式(1)で表される構成単位を2以上有するが、省燃費性とグリップ性の観点から、式(1)で表される構成単位を2〜3000有していてもよく、2〜300有していてもよい。式(1)で表される構成単位は、ブロックであっても、ランダムであってもよい。
上記式(1)で表される構成単位は、下記式(2)で表される化合物を重合させることで共役ジエン系重合体に導入することができる。すなわち、本実施形態の共役ジエン系重合体は、重合体鎖が下記式(2)で表される化合物によって変性されている。
Figure 2018172667
式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、環構造は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。
式(2)で表される化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジフェニルアクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N−メチル−N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−メチル−2−トリメチルシリルアミノエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−メチル−2−(tert−ブチル)ジメチルシリルアミノエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−メチル−3−トリメチルシリルアミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−メチル−3−(tert−ブチル)ジメチルシリルアミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3,3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(4−ジメチルアミノブチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(4−ジエチルアミノブチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−モルホリノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−シアノプロピル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(2−メチル−2−トリメチルシリルアミノエチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(2−メチル−2−トリメチルシリルアミノエチル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(2−メチル−2−(tert−ブチル)ジメチルシリルアミノエチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(2−メチル−2−(tert−ブチル)ジメチルシリルアミノエチル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(2,2−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(2,2−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(2,2−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(2,2−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3−メチル−3−トリメチルシリルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(3−メチル−3−トリメチルシリルアミノプロピル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3−メチル−3−(tert−ブチル)ジメチルシリルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(3−メチル−3−(tert−ブチル)ジメチルシリルアミノプロピル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3,3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(3,3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)ジメチルシリル−N−(3,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、等のアクリルアミド化合物;N−メチル−N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(2−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(4−ジメチルアミノブチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(4−ジエチルアミノブチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(3−モルホリノプロピル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(3−シアノプロピル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド化合物;N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン等のモルホリン化合物;N−アクリロイル−N’−メチルピペラジン、N−アクリロイル−N’−トリメチルシリルピペラジン、N−アクリロイル−N’−(tert−ブチル)ジメチルシリルピペラジン、N−メタクリロイル−N’−トリメチルシリルピペラジン、N−メタクリロイル−N’−(tert−ブチル)ジメチルシリルピペラジン、N−メタクリロイル−N’−メチルピペラジン等のピペラジン化合物が挙げられる。
式(2)で表される化合物として、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−トリメチルシリル−N−(3,3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−アクリロイル−N’−メチルピペラジン、N−アクリロイル−N’−トリメチルシリルピペラジン及びN−メタクリロイル−N’−メチルピペラジンが好ましく、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン及びN−アクリロイル−N’−メチルピペラジンがより好ましい。式(2)で表される化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、強度の観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性の観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300(1994)に従って、100℃にて測定される。
共役ジエン系重合体のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、省燃費性の観点から、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、グリップ性の観点から、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
共役ジエン系重合体の分子量分布は、省燃費性の観点から、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜2である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
本実施形態の共役ジエン系重合体は、下記工程A及び工程Bを有する製造方法により作製することができる。
(工程A):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒の存在下、共役ジエンを含む単量体を重合させ、共役ジエンに基づく構成単位を有する重合体鎖の少なくとも一端に、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
(工程B):工程Aで得られた重合体を、上記アルカリ金属1当量に対して2当量以上の上記式(2)で表される化合物と反応させる工程。
アルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマー等を用いることができる。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムが挙げられる。有機アルカリ金属化合物としては、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、tert−ブチルジメチルシリルオキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド及びカリウムナフタレニドが挙げられる。アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、例えば、カリウム−テトラヒドロフラン錯体及びカリウム−ジエトキシエタン錯体が挙げられる。アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、例えば、3−(ジメチルアミノ)プロピルリチウム又は3−(ジエチルアミノ)プロピルリチウムに、イソプレンを反応させて得られる化合物、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属触媒として、有機リチウム化合物及び有機ナトリウム化合物が好ましく、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物及び有機ナトリウム化合物がより好ましい。アルカリ金属触媒は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素等を用いることができる。脂肪族炭化水素としては、例えば、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン及び2−ヘキセンが挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びエチルベンゼンが挙げられる。脂環族炭化水素としては、例えば、シクロペンタン、メチルシクロペンタン及びシクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、炭素原子数が2〜12の炭化水素が好ましい。炭化水素溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよく、工業用ヘキサンのような脂肪族炭化水素及び脂環族炭化水素の混合物を用いてもよい。
工程Aでは、共役ジエンを含む単量体を重合させ、上述のアルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を重合体鎖末端に有する重合体を製造することができる。共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。共役ジエンは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
工程Aでは、共役ジエンに、他の単量体を組み合わせて重合を行ってもよい。他の単量体としては、例えば、芳香族ビニル、ビニルニトリル及び不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン及びジビニルナフタレンが挙げられる。ビニルニトリルとしては、例えば、アクリロニトリルを、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル及びメタアクリル酸エチルが挙げられる。これらの中では、芳香族ビニルが好ましく、スチレンがより好ましい。
強度の観点から、上記単量体は、芳香族ビニルに基づく構成単位(芳香族ビニル単位)を含んでもよい。すなわち、本実施形態の共役ジエン系重合体は、芳香族ビニルに基づく構成単位を更に有していてもよい。芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100質量%として、好ましくは10質量%以上(共役ジエン単位の含有量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエン単位の含有量は85質量%以下)である。また、省燃費性の観点から、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエン単位の含有量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエン単位の含有量は55質量%以上)である。
省燃費性の観点から、上記単量体は、下記式(3)で表されるビニル化合物を更に含んでもよい。すなわち、本実施形態の共役ジエン系重合体は、下記式(3)で表されるビニル化合物に基づく構成単位を更に有していてもよい。
Figure 2018172667
式中、Rは水素原子又はヒドロカルビル基を示し、Rはヒドロカルビレン基を示し、mは0又は1であり、X、X及びXはそれぞれ独立に、置換アミノ基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、X、X及びXの少なくとも1つは、置換アミノ基である。
、X及びXの置換アミノ基としては、非環状アミノ基でも環状アミノ基であってもよい。
非環状アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基等のジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ基等のジ(トリアルキルシリル)アミノ基が挙げられる。
環状アミノ基としては、例えば、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基等の1−ポリメチレンイミノ基;1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基等のイミダゾリル基;1−イミダゾリジニル基;1−ピペラジニル基;及びモルホリノ基が挙げられる。
置換アミノ基としては、経済性及び入手容易性の観点から、非環状アミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基がより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基が更に好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基及びジ(n−ブチル)アミノ基がより一層好ましい。
、X及びXの少なくとも1つは、置換アミノ基であるが、X、X及びXの2つ又は全部が、置換アミノ基であることが好ましく、X、X及びXの2つが置換アミノ基であることがより好ましい。
、X及びXのヒドロカルビル基としては、上述したヒドロカルビル基を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基及びエチル基が更に好ましい。
、X及びXの置換ヒドロカルビル基としては、上述した置換ヒドロカルビル基を挙げることができ、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。
、X及びXの1つ又は2つがヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基である場合、アルキル基又はアルコキシアルキル基であることが好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基又はエチル基であることがより一層好ましい。
省燃費性とグリップ性の観点から、式(3)で表されるビニル化合物として、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシランが好ましく、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン及びビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシランがより好ましい。化合物の入手性の観点から、式(3)で表されるビニル化合物として、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン及びビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシランが好ましい。
工程Aの重合は、共役ジエン単位のビニル結合量を調整する剤、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく構成単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)等の存在下で行ってもよい。このような調整剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物等を用いることができる。
エーテル化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等の環状のエーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等の脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等の脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香族エーテルが挙げられる。第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン及びキノリンが挙げられる。ホスフィン化合物として、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン及びトリフェニルホスフィンが挙げられる。調整剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
工程Aでの重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃であり、より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
工程Bでは、式(2)で表される化合物を変性剤として用い、工程Aで得られた重合体に、2以上の式(1)で表される構成単位が導入される。工程Bにおいて、工程Aで得られた重合体に反応させる式(2)で表される化合物の量は、有機アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モル当たり、2モル当量以上である。省燃費性とグリップ性の観点から、式(2)で表される化合物の量は、2〜3000当量が好ましく、2〜300当量がより好ましい。式(2)で表される化合物(変性剤)の重合体への導入率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、100%であることが更に好ましい。
工程Bにおいて、工程Aで得られた重合体と式(2)で表される化合物とを反応させる温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃であり、より好ましくは50〜80℃である。反応時間は、通常、60秒〜5時間であり、好ましくは5分〜1時間であり、より好ましくは15分〜1時間である。
本実施形態の製造方法においては、必要に応じて、アルカリ金属触媒による単量体の重合開始から重合停止において、共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。
カップリング剤としては、例えば、四塩化珪素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン及びジエトキシジエチルシランが挙げられる。
カップリング剤の添加量は、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モル当たり、共役ジエン系重合体の加工性の観点から、好ましくは0.03モル以上であり、より好ましくは0.05モル以上である。また、カップリング剤の添加量は、省燃費性の観点から、好ましくは0.4モル以下であり、より好ましくは0.3モル以下である。
共役ジエン系重合体は、公知の回収方法、例えば、共役ジエン系重合体の炭化水素溶液に凝固剤を添加する方法、共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にスチームを添加する方法によって、共役ジエン系重合体の炭化水素溶液から回収することができる。回収した共役ジエン系重合体は、バンドドライヤー、押出型ドライヤー等の公知の乾燥機で乾燥してもよい。
[共役ジエン系重合体組成物]
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、上述の共役ジエン系重合体と、充填剤とを含有する。
充填剤としては、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等を用いることができる。
シリカとしては、例えば、乾式シリカ(無水ケイ酸)、湿式シリカ(含水ケイ酸)、コロイダルシリカ、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム及びケイ酸アルミニウムが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
シリカのBET比表面積は、通常、50〜250m/gである。BET比表面積は、ASTM D1993−03に従って測定することができる。シリカの市販品としては、EVONIK社製の商品名「Ultrasil VN3」、東ソー・シリカ社製の商品名「NIPSIL VN3」、「NIPSIL AQ」、「NIPSIL ER」、「NIPSIL RS−150」、Rhodia社製の商品名「Zeosil 1115MP」、「Zeosil 1165MP」等を用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック及びグラファイトが挙げられる。チャンネルブラックとしては、例えば、EPC、MPC及びCCが挙げられる。ファーネスカーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFが挙げられる。サーマルブラックとしては、例えば、FT及びMTが挙げられる。カーボンブラックは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、通常、5〜200m/gであり、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、通常、5〜300mL/100gである。窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定することができ、DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定することができる。カーボンブラックの市販品としては、三菱化学社製の商品名「ダイヤブラックN339」、東海カーボン社製の商品名「シースト6」、「シースト7HM」、「シーストKH」、EVONIK社製の商品名「CK 3」、「Special Black 4A」等を用いることができる。
充填剤の含有量は、共役ジエン系重合体の含有量100質量部に対して、通常10〜150質量部である。充填剤の含有量は、耐摩耗性及び強度の観点から、好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは30質量部以上であり、補強性を高める観点から、好ましくは120質量部以下であり、より好ましくは100質量部以下である。
省燃費性の観点から、充填剤は、シリカ又はカーボンブラックを含有することが好ましい。シリカの含有量としては、充填剤の総含有量を100質量部として、好ましくは50質量部以上であり、より好ましくは70質量部以上である。カーボンブラックの含有量としては、充填剤の総含有量を100質量部として、好ましくは50質量部以上であり、より好ましくは70質量部以上である。
共役ジエン系重合体組成物には、他の重合体成分、添加剤等を配合してもよい。
他の重合体成分としては、例えば、従来のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−オクテン共重合体が挙げられる。これらの重合体成分は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
他の重合体成分を配合する場合、本実施形態の共役ジエン系重合体の含有量は、省燃費性の観点から、重合体成分の総含有量(共役ジエン系重合体の含有量含む)を100質量部として、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは20質量部以上である。
添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄等の加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤等の加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛等の加硫活性化剤;有機過酸化物;シランカップリング剤;伸展油;加工助剤;老化防止剤;滑剤を例示することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド及びγ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。市販品としては、EVONIK社製の商品名「Si69」、「Si75」等を用いることができる。
伸展油としては、例えば、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850〜0.899)及びパラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790〜0.849)が挙げられる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。伸展油は、単独で又は2種以上組み合わされて用いてもよい。
加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤が挙げられる。加硫促進剤の配合量は、重合体成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3質量部である。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロール、バンバリーミキサー等の公知の混合機で混練する方法を用いてもよい。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤を配合しない場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。加硫剤又は加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤又は加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本実施形態の共役ジエン系重合体及び共役ジエン系重合体組成物は、省燃費性に優れており、タイヤ、靴底、床材、防振材等に用いることができ、特に、タイヤに好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。物性評価は、次の方法で行った。
1.ムーニー粘度(ML1+4
JIS K6300(1994)に従って、100℃にて重合体のムーニー粘度を測定した。
2.ビニル結合量
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より重合体における共役ジエンのビニル結合量(mol%)を求めた。
3.スチレン単位の含有量
JIS K6383(1995)に従って、屈折率から重合体のスチレン単位の含有量(質量%)を求めた。
4.分子量分布(Mw/Mn)
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、重合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:東ソー社製HLC−8020
(2)分離カラム:東ソー社製GMH−XL(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
4.重合体への変性剤導入率
下記の条件(1)〜(7)でガスクロマトグラフィー(GC)法により、重合体溶液中の未反応変性剤のモルを求め、下記式により重合体への変性剤の導入率を算出した。
変性剤導入率(%)=[未反応変性剤(モル)/投入した変性剤(モル)]×100
(1)装置:(株)島津製作所製GC−2010
(2)カラム:DB−5MS(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm、アジレント・テクノロジー社製)
(3)注入口及びトランスファーライン温度:250℃
(4)オーブン温度:150℃(5分保持)→20℃/分→300℃(5分保持)
(5)キャリアーガス:He(0.81mL/分)
(6)注入量:1μL
(7)検出器:FID(検出器温度:300℃)
5.重合体の吸着率
液体クロマトグラフィー(LC)法により、以下の条件で重合体のカラムへの吸着率を算出した。
(測定試料の調製)
内部標準としてオクタコサンを約0.2w/v%の濃度で添加したテトラヒドロフラン(THF)溶液を準備し、当該THF溶液30mLに対して、重合体30mgを溶解させて測定試料を調製した。
(測定装置)
測定装置として、島津製作所製の送液ポンプ:LC−20AD、デガッサー:DGU−20A3、オートサンプラー:SIL−20A HT、カラムオーブン:CTO−20A、示差屈折率検出器(RID):RID−10A、システムコントローラー:CBM−20A、解析ソフト:LC solution ver. 1.24 SP1を用いた。
(測定条件)
測定カラムとして、GLサイエンス製のLCカラム:Inertsil CX(内径4.6mm、長さ250mm)を2本接続し、カラムオーブン温度を30℃、RIDセル温度を40℃に設定した。移動相としてTHF(和光、特級、安定剤不含)を用い、20μLの試料を装置に注入して、流速1mL/分でカラムを通過させた。
(吸着率の計算)
上記条件で測定試料のLC測定を行い、得られたクロマトグラムについて、重合体に由来するピーク及び内部標準ピークにベースラインを引き、ピーク面積を求めた。また、標準サンプルとして、スチレンに基づく構成単位の含有量が25質量%であり、Mwが25.6万の未変性スチレン−ブタジエン共重合体(以下、「未変性SBR」と略記する。)を用いて、同様の測定を行い、ピーク面積を求めた。そして、下記式から重合体の吸着率を求めた。
吸着率(%)=[1−(A×S)/(A×S)]×100
ここで、Aは、未変性SBRのピーク面積、Sは、未変性SBRにおける内部標準のピーク面積、Aは、重合体のピーク面積、Sは、重合体における内部標準のピーク面積を示す。なお、標準サンプルとしては、上記未変性SBRに限定されず、スチレンに基づく構成単位の含有量が約5〜50質量%、Mwが10万〜110万の範囲にある未変性のスチレン−ブタジエン共重合体を用いることができ、スチレンに基づく構成単位の含有量は測定試料中の重合体のそれの0.9倍〜1.1倍が好ましく、Mwは測定試料中の重合体のMwの0.5倍〜1.5倍が好ましい。
6.省燃費性
加硫シートから幅1mm又は2mm、長さ40mmの短冊状に試験片を打ち抜き、試験に供した。測定は、粘弾性測定装置(上島製作所社製)によって、歪み1%及び周波数10Hzの条件下で、温度70℃での試験片の損失正接(tanδ(70℃))を測定した。tanδが小さいほど、省燃費性に優れる。
実施例1
<共役ジエン系重合体1の作製>
内容積5Lのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後、ヘキサン(比重0.68g/cm)2.55kg、1,3−ブタジエン135g、スチレン45g、テトラヒドロフラン1.5mL及びエチレングリコールジエチルエーテル1.2mLを重合反応容器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム(以下、「nBuLi」と略記する。)を3.41mmol含有するn−ヘキサン溶液を投入し、重合を開始し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を2.5時間行った。重合中、攪拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応容器内に連続的に供給した。1,3−ブタジエンの供給量は202g、スチレンの供給量は68gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド(以下、「MePAM」と略記する。)を17.1mmol含有するn−ヘキサン溶液を添加して15分間撹拌した後、重合体溶液にメタノールを0.21mL含有するn−ヘキサン溶液20mLを加えて、更に5分間撹拌した。重合体溶液のGC測定により、未反応のMePAMが残っていないことを確認した。LC測定により算出された重合体の吸着率は、41%であった。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)1.8g及びペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、重合体溶液中の揮発分の大部分を常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、共役ジエン系重合体1を得た。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
「共役ジエン系重合体1」100質量部、シリカ(EVONIK社製、商品名:Ultrasil VN3−GR)78.4質量部、シランカップリング剤(EVONIK社製、商品名:Si69)6.4質量部、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:ダイヤブラックN339)6.4質量部、伸展油(ジャパンエナジー社製、商品名:JOMOプロセスNC−140)47.6質量部、老化防止剤(住友化学社製、商品名:アンチゲン3C)1.5質量部、ステアリン酸2質量部、亜鉛華2質量部、加硫促進剤(住友化学社製、商品名:ソクシノールCZ)1質量部、加硫促進剤(住友化学社製、商品名:ソクシノールD)1質量部、ワックス(大内新興化学工業社製、商品名:サンノックN)1.5質量部、加工助剤(ストラクトール社製、商品名:EF44)1質量部、及び硫黄1.4質量部を、ラボプラストミルにて混練して、シリカを充填剤として含有する重合体組成物(以下、「Si重合体組成物」と略記する。)を調製した。次いで、Si重合体組成物を6インチロールでシートに成形し、該シートを160℃で55分加熱して加硫させ、加硫シートを作製した。
「共役ジエン系重合体1」70質量部、ポリブタジエンゴム(宇部興産(株)製、商品名:BR150B)30質量部、カーボンブラック(ダイヤブラックN339)55質量部、伸展油(JOMOプロセスNC−140)10質量部、老化防止剤(アンチゲン6C)1質量部、ステアリン酸2質量部、亜鉛華3質量部、加硫促進剤(ソクシノールCZ)1.5質量部、ワックス(サンノックN)2.0質量部、及び硫黄1.5質量部を、ラボプラストミルにて混練して、カーボンブラックを充填剤として含有する重合体組成物(以下、「CB重合体組成物」と略記する。)を調製した。次いで、CB重合体組成物を6インチロールでシートに成形し、該シートを160℃で12分加熱して加硫させ、加硫シートを作製した。
実施例2
<共役ジエン系重合体2の作製>
実施例1の共役ジエン系重合体の作製において、MePAMの添加量を17.1mmolから30.7mmolに変更した以外は、実施例1と同様にして、共役ジエン系重合体2を得た。重合体溶液のGC測定により、未反応のMePAMが残っていないことを確認した。LC測定により算出された重合体の吸着率は、44%であった。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
共役ジエン系重合体2を用いた以外は実施例1と同様にして、Si重合体組成物を調製し、加硫シートを作製した。
比較例1
<共役ジエン系重合体3の作製>
内容積20Lのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン10.2kg、1,3−ブタジエン606g、スチレン193g、テトラヒドロフラン6.1mL及びエチレングリコールジエチルエーテル4.5mLを重合反応容器内に投入した。次に、nBuLiを11.7mmol含有するn−ヘキサン溶液を投入し、重合を開始し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3.0時間行った。重合中、攪拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応容器内に連続的に供給した。1,3−ブタジエンの供給量は909g、スチレンの供給量は291gであった。次に、メタノールを0.71mL含有するヘキサン溶液20mLを重合反応器内に投入し、重合体溶液を5分間撹拌した。LC測定により算出された重合体の吸着率は、0%であった。
重合体溶液に「スミライザーGM」8.0g及び「スミライザーTP−D」4.0gを加え、次に、重合体溶液中の揮発分の大部分を常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、共役ジエン系重合体3を得た。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
「共役ジエン系重合体3」100質量部、「Ultrasil VN3−GR」80.0質量部、「Si75」6.4質量部、「ダイヤブラックN339」5.0質量部、「JOMOプロセスNC−140」40.0質量部、「アンチゲン6C」2.0質量部、ステアリン酸2.0質量部、亜鉛華3.0質量部、「ソクシノールCZ」1.5質量部、「ソクシノールD」2.0質量部、「サンノックN」2.0質量部、「EF44」1.0質量部及び硫黄1.5質量部を、ラボプラストミルにて混練して、Si重合体組成物を調製した。次いで、Si重合体組成物を6インチロールでシートに成形し、該シートを160℃で55分加熱して加硫させ、加硫シートを作製した。
また、共役ジエン系重合体3を用いた以外は実施例1と同様にして、CB重合体組成物を調製し、加硫シートを作製した。
比較例2
<共役ジエン系重合体4の作製>
実施例1の共役ジエン系重合体の作製において、nBuLiの添加量を3.41mmolから2.52mmolに変更し、MePAMを17.1mmol含有するn−ヘキサン溶液を、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド(以下、「PAM」と略記する。)を25.2mmol含有するn−ヘキサン溶液に変更し、メタノールの添加量を0.21mLから0.15mLに変更した以外は、実施例1と同様にして、共役ジエン系重合体4を得た。重合体溶液のGC測定により、未反応のPAMは投入変性剤モルの95%であったことを確認した。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
共役ジエン系重合体4を用いた以外は実施例1と同様にして、Si重合体組成物を調製し、加硫シートを作製した。
比較例3
<共役ジエン系重合体5の作製>
実施例1の共役ジエン系重合体の作製において、nBuLiの添加量を3.41mmolから3.82mmolに変更し、MePAMの添加量を17.1mmolから3.82mmolに変更し、メタノールの添加量を0.21mLから0.23mLに変更した以外は、実施例1と同様にして、共役ジエン系重合体5を得た。重合体溶液のGC測定により、未反応のMePAMが残っていないことを確認した。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
共役ジエン系重合体5を用いた以外は実施例1と同様にして、Si重合体組成物及びCB重合体組成物を調製し、それぞれの加硫シートを作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。表中の「Si」は、Si重合体組成物の加硫シートに対応し、表中の「CB」はCB重合体組成物の加硫シートに対応する。
Figure 2018172667
実施例3
<共役ジエン系重合体6の作製>
内容積5Lのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン2.55kg、1,3−ブタジエン135g、スチレン45g、テトラヒドロフラン1.5mL、エチレングリコールジエチルエーテル1.2mLを重合反応容器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン0.81mmol及びnBuLi2.98mmolを、それぞれ、n−ヘキサン溶液として投入して重合を開始し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を2.5時間行った。また、重合開始から0.3時間後、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシランを1.01mmol含有するn−ヘキサン溶液を重合反応器内に投入した。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応容器内に連続的に供給した。1,3−ブタジエンの供給量は202g、スチレンの供給量は68gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、MePAMを11.9mmol含有するn−ヘキサン溶液を添加し、15分間撹拌した後、重合体溶液にメタノールを0.18mL含有するヘキサン溶液20mLを加えて、更に5分間撹拌した。重合体溶液のGC測定により、未反応のMePAMが残っていないことを確認した。
重合体溶液に「スミライザーGM」1.8g及び「スミライザーTP−D」0.9gを加え、次に、重合体溶液中の揮発分の大部分を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、共役ジエン系重合体6を得た。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
「共役ジエン系重合体6」100質量部、「Ultrasil VN3−GR」78.4質量部、「Si75」6.4質量部、「ダイヤブラックN339」6.4質量部、「JOMOプロセスNC−140」47.6質量部、「アンチゲン3C」1.5質量部、ステアリン酸2質量部、亜鉛華2質量部、「ソクシノールCZ」1質量部、「ソクシノールD」1質量部、「サンノックN」1.5質量部、「EF44」1質量部及び硫黄1.4質量部を、ラボプラストミルにて混練して、Si重合体組成物を調製した。次いで、Si重合体組成物を6インチロールでシートに成形し、該シートを160℃で55分加熱して加硫させ、加硫シートを作製した。
実施例4
<共役ジエン系重合体7の作製>
内容積20Lのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン10.2kg、1,3−ブタジエン600g、スチレン200g、テトラヒドロフラン6.1mL、エチレングリコールジエチルエーテル4.6mLを重合反応容器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン3.66mmol及びnBuLi13.5mmolを、それぞれ、n−ヘキサン溶液として投入して重合を開始し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3.0時間行った。また、重合開始から0.4時間後、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシランを4.88mmol含有するn−ヘキサン溶液を重合反応器内に投入した。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応容器内に連続的に供給した。1,3−ブタジエンの供給量は900g、スチレンの供給量は300gであった。
次に、重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、N−アクリロイルモルホリン(以下、「ACMO」と略記する。)を135mmol含有するn−ヘキサン溶液を添加し、15分間撹拌した後、重合体溶液にメタノールを0.82mL含有するヘキサン溶液20mLを加えて、更に5分間撹拌した。重合体溶液のGC測定により、未反応のACMOが残っていないことを確認した。
重合体溶液に「スミライザーGM」8.0g及び「スミライザーTP−D」4.0gを加え、次に、重合体溶液中の揮発分の大部分を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、共役ジエン系重合体7を得た。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
共役ジエン系重合体7を用いた以外は実施例3と同様にして、Si重合体組成物を調製し、加硫シートを作製した。
実施例5
<共役ジエン系重合体8の作製>
内容積5Lのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン2.55kg、1,3−ブタジエン133g、スチレン47g、テトラヒドロフラン1.5mL及びエチレングリコールジエチルエーテル1.2mLを重合反応容器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン0.81mmol及びnBuLi3.06mmolを、それぞれ、n−ヘキサン溶液として投入して重合を開始し、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を2.5時間行った。また、重合開始から0.3時間後、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン1.01mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入した。重合中、撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応容器内に連続的に供給した。1,3−ブタジエンの供給量は200g、スチレンの供給量は70gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、N−アクリロイル−N’−メチルピペラジン(以下、「AMP」と略記する。)を30.6mmol含有するn−ヘキサン溶液を添加し、15分間撹拌した後、重合体溶液にメタノールを0.19mL含有するヘキサン溶液20mLを加えて、更に5分間撹拌した。重合体溶液のGC測定により、未反応のAMPが残っていないことを確認した。
重合体溶液に「スミライザーGM」1.8g及び「スミライザーTP−D」0.9gを加え、次に、重合体溶液中の揮発分の大部分を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、共役ジエン系重合体8を得た。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
共役ジエン系重合体8を用いた以外は実施例3と同様にして、Si重合体組成物を調製し、加硫シートを作製した。
比較例4
<共役ジエン系重合体9の作製>
実施例3の共役ジエン系重合体の作製において、nBuLiの添加量を2.98mmolから3.61mmolに変更し、MePAMの添加量を11.9mmolから3.61mmolに変更し、メタノールの添加量を0.18mLから0.22mLに変更した以外は、実施例3と同様にして、共役ジエン系重合体9を得た。重合体溶液のGC測定により未反応のMePAMが残っていないことを確認した。
<重合体組成物の調製及び加硫シートの作製>
共役ジエン系重合体9を用いた以外は実施例3と同様にして、Si重合体組成物を調製し、加硫シートを作製した。
実施例3〜5及び比較例4の評価結果を表2に示す。
Figure 2018172667

Claims (8)

  1. 共役ジエンに基づく構成単位を有する共役ジエン系重合体であって、当該重合体1分子中に下記式(1)で表される構成単位を2以上有する、共役ジエン系重合体。
    Figure 2018172667

    [式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R及びRが結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。]
  2. 前記Rがヒドロカルビル基であり、前記Rが置換ヒドロカルビル基である、請求項1に記載の共役ジエン系重合体。
  3. 前記R及びRが、結合して窒素原子と共に環構造を形成している、請求項1に記載の共役ジエン系重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体と、充填剤とを含有する、共役ジエン系重合体組成物。
  5. 前記共役ジエン系重合体の含有量100質量部に対して、前記充填剤の含有量が10〜150質量部である、請求項4に記載の共役ジエン系重合体組成物。
  6. 下記工程A及び工程Bを有する、共役ジエン系重合体の製造方法。
    (工程A):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒の存在下、共役ジエンを含む単量体を重合させ、前記共役ジエンに基づく構成単位を有する重合体鎖の少なくとも一端に、前記アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
    (工程B):前記工程Aで得られた重合体を、前記アルカリ金属1当量に対して2当量以上の下記式(2)で表される化合物と反応させる工程。
    Figure 2018172667

    [式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を示し、R及びRは、結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R及びRが結合した基は、ケイ素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を有してもよい。]
  7. 前記Rがヒドロカルビル基であり、前記Rが置換ヒドロカルビル基である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記R及びRが、結合して窒素原子と共に環構造を形成している、請求項6に記載の方法。
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