JP2017039887A - 高分子化合物、その変性物及びその製造方法 - Google Patents

高分子化合物、その変性物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の末端構造を有する新規な高分子化合物を提供すること。
【解決手段】1,1−ジアリールエチレン類に由来する第一の構成単位及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類に由来する第二の構成単位を有する末端構造を含む、高分子化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は高分子化合物、その変性物及びその製造方法に関する。
高分子化合物は、その重合態様、平均分子量、分子量分布等の構造的な特徴に応じて様々な物性を有するものとなることが知られており、その用途は多岐にわたる。これまで、用途の拡大、物性向上等を目的として、上述の構造的な特徴を制御した高分子化合物の製造方法が、種々検討されている(例えば、非特許文献1)。
「大学院高分子科学」講談社サイエンティフィック、1997、p193
高分子化合物の更なる用途拡大のため、従来とは異なる着眼点による新規な高分子化合物及びその製造方法の開発が求められている。
本発明は、特定の末端構造を有する新規な高分子化合物、並びに、その製造方法及びその変性物を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の反応性化合物(1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類)を用いることにより、少なくとも一端が特定の末端構造に均一化された高分子化合物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の一側面は、1,1−ジアリールエチレン類に由来する第一の構成単位及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類に由来する第二の構成単位を有する末端構造を含む、高分子化合物に関する。
一態様において、末端構造は、少なくとも第一の構成単位を有するものであってよい。
一態様において、末端構造は第一の構成単位を複数有していてよい。このとき、複数の第一の構成単位は互いに異なっていてよく、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に位置するように配列されていてよい。
一態様において、末端構造は、少なくとも第二の構成単位を有するものであってよい。
一態様において、末端構造は第二の構成単位を複数有していてよい。このとき、複数の第二の構成単位は互いに異なっていてよく、対応するN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に位置するように配列されていてよい。
一態様において、末端構造は、下記式(3)で表される構造を有していてよい。

[式中、U及びUは第一の構成単位を示し、Uは第二の構成単位を示し、x、y及びzはそれぞれ0、1又は2以上の整数を示し、x+y+zは1以上である。式中の両端の結合手のうち、U側の結合手が末端側である。xが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、且つ、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に配列される。yが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、且つ、対応するN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に配列される。zが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、且つ、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に配列される。]
本発明の他の一側面は、上述した高分子化合物の製造方法に関するものであってよい。この製造方法は、モノマー成分のアニオン重合により、少なくとも一端に反応点を有するポリマー鎖を形成する重合工程と、1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアリールエチレン類を含む反応性化合物をポリマー鎖と反応させて、反応点から伸長した末端構造を形成する末端形成工程と、を備えるものであってよい。
本発明の他の一側面は、上述した高分子化合物を変性した変性物に関するものであってよい。
本発明によれば、特定の末端構造を有する新規な高分子化合物、並びに、その製造方法及びその変性物を提供することを目的とする。
(a)は、実施例B1で得られた高分子化合物のMALDI−TOF−MS分析により得られたスペクトルを示す図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る高分子化合物は、特定の反応性化合物に由来する特定の構成単位を有する末端構造を含む。本明細書中、末端構造とは、高分子化合物を構成するポリマー鎖の少なくとも一端を含む部分構造を示す。本実施形態において、特定の反応性化合物は、1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類であってよい。また、本実施形態において、高分子化合物の末端構造は、特定の構成単位を一つ又は複数有していてよく、特定の構成単位を複数有するとき、それらは互いに異なっていてよい。
従来の高分子化合物は、その多くが、ポリマー鎖を構成する繰り返し単位に水素原子等が付加した単純な末端構造を有するものであり、末端構造に多様な機能性を付与することが困難であった。また、従来の高分子化合物では、末端に、繰り返し単位とは異なる単位構造を導入しようとしても、当該単位構造が一つ導入されたもの及び複数導入されたものが混在して、均一な末端構造を形成することが困難であった。特に、複数の単位構造が導入された複雑な末端構造を、高分子化合物に均一に導入することは、極めて困難であった。
本実施形態に係る高分子化合物は、特定の反応性化合物(1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類)によって高分子化合物の末端構造を精密に制御し得ることを見出してなされたものであり、本実施形態に係る高分子化合物では、その末端に多様な機能性を効果的に付与することができる。
以下、本実施形態に係る高分子化合物の末端構造の具体的な態様について詳述する。
第一の態様において、高分子化合物は、1,1−ジアリールエチレン類に由来する第一の構成単位(以下、「構成単位(A)」ともいう。)を有する末端構造を含むものであってよい。
1,1−ジアリールエチレン類は、例えば下記式(1a)で表される化合物であってよく、構成単位(A)は、例えば下記式(1b)で表される構成単位であってよい。なお、末端構造において、式(1b)で表される構成単位は、α位(1位)の炭素原子(R及びRが結合している炭素原子)が末端側に位置するように結合されていてよい。
式中、R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
上記置換基は、例えば、高分子化合物が有するポリマー鎖の重合条件下で反応しない基であってよい。上記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、−O−RA1(RA1は、アルキル基、アリール基又は保護基を示す。)で表される基、−RA2−O−RA3で表される基(RA2はアルキレン基又はアリーレン基を示し、RA3はアルキル基、アリール基又は保護基を示す。)、シアノ基、−N(−RA4(RA4は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。)等が挙げられる。
なお、RA1における保護基及びRA3における保護基は、ヒドロキシル基を保護する保護基であればよく、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等のシリル系保護基;メチル基、ベンジル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基等のエーテル系保護基;などであってよい。
及びRは、無置換のフェニル基であってよい。これにより、末端構造がジフェニルメチレン基を有するものとなり、高分子化合物の耐熱性が良好になる傾向がある。
及びRは、置換基を有するフェニル基であってもよい。これにより、末端構造が上述した置換基を有するものとなり、置換基に応じた多様な機能性を有する高分子化合物が得られる。また、当該高分子化合物によれば、置換基の官能基変換等によって、多様な機能性を有する高分子材料を得ることができる。
1,1−ジアリールエチレン類の具体例としては、1,1−ジフェニルエチレン、1,1−ビス(4−シアノフェニル)エチレン、1,1−ビス(3−シアノフェニル)エチレン、1,1−ビス(2−シアノフェニル)エチレン、1,1−ビス[4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル]エチレン、1,1−ビス[4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル]エチレン、1,1−ビス[3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)フェニル]エチレン、1,1−ビス(4−フロロフェニル)エチレン、1,1−ビス(3−フロロフェニル)エチレン、1,1−ビス(2−フロロフェニル)エチレン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)エチレン、1,1−ビス(3−クロロフェニル)エチレン、1,1−ビス(2−クロロフェニル)エチレン、1,1−ビス(4−ブロモフェニル)エチレン、1,1−ビス(3−ブロモフェニル)エチレン、1,1−ビス(2−ブロモフェニル)エチレン、1,1−ビス(4−ニトロフェニル)エチレン、1,1−ビス(3−ニトロフェニル)エチレン、1,1−ビス(2−ニトロフェニル)エチレン、1,1−ビス(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)エチレン、1,1−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,1−ビス(4−ピリジル)エチレン等が挙げられる。
第一の態様に係る高分子化合物は、末端構造において、構成単位(A)を複数有していてよい。このとき、複数の構成単位(A)は互いに異なっていてよい。また、複数の構成単位(A)は、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に位置するように配列されていてよい。ここで、β位炭素とは、1,1−ジアリールエチレン類におけるエチレンの炭素原子のうち、2位の炭素原子(式(1a)において、炭素−炭素二重結合を形成する炭素原子のうちR及びRが結合していない方の炭素原子)を意味する。
具体的には、例えば、末端構造が、1,1−ジフェニルエチレン(β位炭素のケミカルシフトは114.2ppm)に由来する構成単位(A1)と1,1−ビス(4−シアノフェニル)エチレン(β位炭素のケミカルシフトは119.1ppm)に由来する構成単位(A2)とを有するとき、末端構造中、構成単位(A2)は構成単位(A1)より末端側に位置するように配列されてよい。
1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトは、1,1−ジアリールエチレン類が有する二重結合の反応性と良く相関する。このため、後述する製造方法において、各構成単位(A)の配列を容易に上記のように制御することができる。換言すると、後述する製造方法によれば、各構成単位(A)の配列が上述のように制御された高分子化合物を容易に得ることができる。
第二の態様において、高分子化合物は、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類に由来する第二の構成単位(以下、「構成単位(B)」ともいう。)を有する末端構造を含むものであってよい。
N,N−ジアルキルメタクリルアミド類は、例えば下記式(2a)で表される化合物であってよく、構成単位(B)は、例えば下記式(2b)で表される構成単位であってよい。なお、末端構造において、式(2b)で表される構成単位は、α位(1位)の炭素原子(CHが結合している炭素原子)が末端側に位置するように結合されていてよい。
式中、R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。
及びRにおけるアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であってよい。アルキル基の炭素数は、例えば1〜10であってよく、1〜5であってよく、1〜3であってよい。
及びRにおけるアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等であってよい。
なお、R及びRが互いに結合して環を形成する、とは、R及びRのそれぞれのアルキル基におけるC−H結合の一部を、R及びRの間のC−C結合に置き換えて、R及びRが結合する窒素原子を含んだ環構造を形成することを意味する。このような環を形成した化合物の具体例としては、N−メタクリロイルアジリジン、N−メタクリロイルアゼチジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン等が挙げられる。
及びRにおける置換基は、例えば、高分子化合物が有するポリマー鎖の重合条件下で反応しない基であってよい。このような置換基としては、R及びRにおける置換基と同じものが例示できる。
N,N−ジアルキルメタクリルアミド類の具体例としては、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N,N−ジペンチルメタクリルアミド等が挙げられる。
第二の態様に係る高分子化合物は、末端構造において、構成単位(B)を複数有していてよい。このとき、複数の構成単位(B)は互いに異なっていてよい。また、複数の構成単位(B)は、対応するN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に位置するように配列されていてよい。ここで、β位炭素とは、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類におけるエチレンの炭素原子のうち、2位の炭素原子(式(2a)において、炭素−炭素二重結合を形成する炭素原子のうち、CHが結合していない方の炭素原子)を意味する。
N,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトは、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類が有する二重結合の反応性と良く相関する。このため、後述する製造方法において、各構成単位(B)の配列を容易に上記のように制御することができる。換言すると、後述する製造方法によれば、各構成単位(B)の配列が上述のように制御された高分子化合物を容易に得ることができる。
第三の態様において、高分子化合物は、構成単位(A)及び構成単位(B)を有する末端構造を含むものであってよい。第三の態様における構成単位(A)及び構成単位(B)としては、上記と同様のものが例示できる。
第三の態様において、末端構造中の配列は、構成単位(A)に対応する1,1−ジアリールエチレン類の反応性、及び、構成単位(B)に対応するN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の反応性に応じて適宜変更されてよい。
例えば、構成単位(B)は、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが114.5ppm未満である構成単位(A)より末端側に配列されてよい。また、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが114.5ppm以上である構成単位(A)は、構成単位(B)より末端側に配置されていてよい。
構成単位(B)を形成するN,N−ジアルキルメタクリルアミド類は、そのアルキル基の変化による反応性の変化が小さいため、比較的近い反応性を有する。このため、構成単位(B)は、上述のように、上記ケミカルシフトが114.5ppm未満である構成単位(A)より末端側、上記ケミカルシフトが114.5ppm以上である構成単位(A)よりポリマー鎖側(末端と反対側)に好適に配置される。
第三の態様において、末端構造は構成単位(A)を複数有していてよく、このとき複数の構成単位(A)同士は互いに異なり、その配列は上記と同様に制御されていてよい。また、末端構造は、構成単位(B)を複数有していてよく、このとき複数の構成単位(B)同士は互いに異なり、その配列は上記と同様に制御されていてよい。
第三の態様において、末端構造は、下記式(3)で表される部分構造を有していてよい。なお、式(3)において、右端(U側)の結合手は、高分子化合物の末端側の結合手であり、左端(U側)の結合手は、高分子化合物のポリマー鎖側(末端と反対側)の結合手である。
式中、U及びUは構成単位(A)を示し、Uは構成単位(B)を示す。また、x、y及びzは、0、1又は2以上の整数を示し、x+y+zは1以上である。
xが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側(すなわち、式(3)の右端の結合手側)に位置するように配列されていてよい。
yが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、対応するN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側(すなわち、式(3)の右端の結合手側)に位置するように配列されていてよい。
zが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、対応する1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側(すなわち、式(3)の右端の結合手側)に位置するように配列されていてよい。
は、13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが114.5ppm未満の1,1−ジアリールエチレン類に由来する構成単位であってよく、Uは、13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが114.5ppm以上の1,1−ジアリールエチレン類に由来する構成単位であってよい。
式(3)における右端の結合手は、高分子化合物の末端側の結合手であり、例えば、高分子化合物の末端を成す基と結合していてよい。当該結合手は、例えば、水素原子と結合していてよく、重合開始剤又は重合停止剤に由来する基と結合していてよい。
本実施形態に係る高分子化合物は、上述の特定の末端構造を有するものであればよい。例えば、高分子化合物は、ポリマー鎖と、該ポリマー鎖の少なくとも一端に形成された末端構造とを有するものであってよい。末端構造は、ポリマー鎖の一端のみに形成されていてよい。また、ポリマー鎖が直鎖状であるとき、末端構造はポリマー鎖の両端に形成されていてよい。また、ポリマー鎖が分岐状であるとき、末端構造はポリマー鎖の複数の末端に形成されていてよい。
高分子化合物におけるポリマー鎖は、モノマー成分に由来する繰り返し単位を有するものであってよい。モノマー成分は、例えば、アニオン重合性化合物であってよく、ポリマー鎖は、モノマー成分のアニオン重合により得られる重合体(アニオン重合体)であってよい。
モノマー成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−フェニルスチレン、m−フェニルスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン系化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、クロロプレン、ペンタジエン類、ヘキサジエン類等のジエン系化合物;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルヘテロアレーン系化合物;tert−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;N,N−ジアルキルアクリルアミド等のアクリルアミド系化合物;(メタ)アクリロニトリル等のアクリロニトリル系化合物等が挙げられる。モノマー成分は、これらのうち一種であっても二種以上であってもよい。
本実施形態において、高分子化合物は、スチレン系化合物に由来する繰り返し単位をポリマー鎖に有する、スチレン系ポリマーであってよい。このとき、高分子化合物中のスチレン系化合物に由来する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の全量基準で、例えば50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
また、本実施形態において、高分子化合物は、ジエン系化合物に由来する繰り返し単位をポリマー鎖に有する、ジエン系ポリマーであってよい。このとき、高分子化合物中のジエン系化合物に由来する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の全量基準で、例えば50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
また、本実施形態において、高分子化合物は、ビニルヘテロアレーン系化合物に由来する繰り返し単位をポリマー鎖に有する、ビニル系ポリマーであってよい。このとき、高分子化合物中のビニルヘテロアレーン系化合物に由来する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の全量基準で、例えば50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
また、本実施形態において、高分子化合物は、アクリル系化合物(例えば、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド系化合物、アクリロニトリル系化合物等)に由来する繰り返し単位をポリマー鎖に有する、アクリル系ポリマーであってよい。このとき、高分子化合物中のアクリル系化合物に由来する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の全量基準で、例えば50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
本実施形態に係る高分子化合物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に限定されない。例えば、高分子化合物の数平均分子量Mnは、5.0×10以上であってよく、5.0×10以上であってよく、5.0×10以上であってよい。また、高分子化合物の数平均分子量Mnは、例えば、1.0×10以下であってよく、1.0×10以下であってよく、1.0×10以下であってよい。
本実施形態において、高分子化合物の数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)は、例えば、3.0以下であってよく、2.5以下であってよく、2.0以下であってよく、1.7以下であってよく、1.4以下であってよい。ここで、Mw/Mnは分子量分布を表し、Mw/Mnが小さいことは分子量分布が狭いことを意味する。なお、Mw/Mnの下限は1である。
なお、本明細書中、高分子化合物の数平均分子量Mnは、RALLS−GPC法(Right Angle Laser Light Scattering GPC)により測定された値を示す。なお、RALLS−GPC法による測定は、実施例に記載の方法で行われる。
また、本明細書中、高分子化合物の数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算のMn及びMwから算出された値を示す。なお、GPCによる測定は、実施例に記載の方法で行われる。
本実施形態に係る高分子化合物は、その末端構造が制御されているため、均一な組成及び特性を有する高分子材料として好適に利用することができる。また、本実施形態に係る高分子化合物は、末端構造に官能基を有していてよく、当該官能基を変換することによって多様な機能性を効果的に付与することができる。
本実施形態において、高分子化合物は、その末端構造又はポリマー鎖が有する官能基を変換することで、多様な変性物を得ることができる。すなわち、本実施形態に係る高分子化合物は、所望の特性に応じて変性した変性物として、利用してもよい。
高分子化合物の変性は、例えば、末端構造又はポリマー鎖が有する官能基に対して、求核付加反応、還元反応、酸化反応、光反応、カップリング反応、ラジカル反応、Wittig反応、アセタール化反応、イミン化反応、エステル化反応等を行うことにより行ってよい。具体的には、例えば、求核付加反応によって、高分子化合物に長鎖のアルキル基を付加させて、グラフトポリマーを形成することができる。
本実施形態に係る高分子化合物及び/又は当該高分子化合物の変成物を含む高分子材料は、例えば、自動車用エラストマー、工業用エラストマー、建築用エラストマー、雑貨用エラストマー、医療用エラストマー、食品用エラストマー、樹脂改質用エラストマー等の熱硬化性又は熱可塑性の各種エラストマー、各種接着剤、各種シーリング(コーキング)材、フィルム、樹脂、成形材、塗料、ゴム、被覆材などの用途に好適に用いることができる。自動車用エラストマーは、例えば、ウェザーストリップ、ハンドブレーキグリップカバー、シフトノブ、アームレスト、アシストグリップ、インスツルメントパネル、ドアパネル、エアバッグカバー、ベルトラインモール、ルーフモール、グラスランチャンネル、エンジンルーム、ブーツ、タイヤ等の用途に用いることができる。工業用エラストマーは、例えば、ガスケット、キャップシール、チューブ類、消音ギア、工具類のグリップ等の用途に用いることができる。建築用エラストマーは、例えば、制振・免震ゴム等の用途に用いることができる。雑貨用エラストマーは、例えば、歯ブラシ、ペン、かみそり、カッター等々のグリップ、靴底、玩具などの用途に用いることができる。医療用エラストマーは、例えば、輸液バッグ、輸液ポート、キャップ等の用途に用いることができる。食品用エラストマーは、例えば、キャップライナー等の用途に用いることができる。樹脂改質用エラストマーは、例えば、ポリプロピレンの耐衝撃性改良、ポリエチレンの耐熱性改良等の用途に用いることができる。
(高分子化合物の製造方法)
本実施形態に係る高分子化合物の製造方法の好適な態様について、詳細に説明する。
本実施形態に係る製造方法は、モノマー成分のアニオン重合により、少なくとも一端に反応点を有するポリマー鎖を形成する重合工程と、反応性化合物(1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類)を当該ポリマー鎖と反応させて、反応点から伸長した末端構造を形成する末端形成工程と、を備えていてよい。
重合工程では、上述したモノマー成分を用いることができる。モノマー成分は、例えば、スチレン系化合物であってよく、ジエン系化合物であってよく、ビニルヘテロアレーン系化合物であってよく、アクリル系化合物であってよい。
好適な一態様において、モノマー成分はスチレン系化合物であってよい。スチレン系化合物由来の活性種は反応液中で安定に存在し、スチレン系化合物のアニオン重合はリビング的に進行する。すなわち、スチレン系化合物のアニオン重合はリビングアニオン重合で進行し、このため設計通りの分子量と狭い分子量分布で上記高分子化合物が得られ易い傾向がある。
モノマー成分は、1種のアニオン重合性化合物のみからなっていてよく、複数種のアニオン重合性化合物を含んでいてもよい。モノマー成分が、1種のアニオン重合性化合物のみからなる場合、得られるポリマー鎖は単独重合体である。
重合工程では、例えば、有機溶媒中に分散又は溶解させたモノマー成分を、重合開始剤と反応させる方法によりモノマー成分を重合させてよい。
重合工程で用いられる有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル系溶媒等が好適であり、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。脂肪族炭化水素としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、グリム(グライム)、ジグリム(ジグライム)等が挙げられる。
重合工程で用いることができる重合開始剤の具体的な例としては、リチウムナフタレン、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、セシウムナフタレン、ベンジルリチウム、ベンジルナトリウム、ベンジルカリウム、ベンジルセシウム、ジフェニルメチルリチウム、ジフェニルメチルナトリウム、ジフェニルメチルカリウム、ジフェニルメチルセシウム、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、トリフェニルメチルカリウム、トリフェニルメチルセシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、ノルマルプロピルリチウム、イソプロピルリチウム、ノルマルブチルリチウム、イソブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が挙げられる。
重合工程では、重合開始剤の種類によってポリマー鎖中の反応点の数を制御してよい。例えば、重合開始剤としてベンジルリチウム、ベンジルナトリウム、ベンジルカリウム、ベンジルセシウム、ジフェニルメチルリチウム、ジフェニルメチルナトリウム、ジフェニルメチルカリウム、ジフェニルメチルセシウム、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、トリフェニルメチルカリウム、トリフェニルメチルセシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、ノルマルプロピルリチウム、イソプロピルリチウム、ノルマルブチルリチウム、イソブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等を用いることで、ポリマー鎖の一方の末端に反応点を生じさせることができる。また、重合開始剤としてリチウムナフタレン、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、セシウムナフタレン等を用いることで、ポリマー鎖の両末端に反応点を生じさせることができる。
重合開始剤の量は、所望の高分子化合物の分子量等に応じて適宜調整することができるが、例えば、モノマー成分100質量部に対し、0.001質量部以上であってよく、0.01質量部以上であってよく、0.1質量部以上であってよく、100質量部以下であってよく、10質量部以下であってよく、6質量部以下であってよい。
アニオン重合の反応時間は、モノマー成分の転化率等に応じて適宜調整できるが、例えば、0.1〜100時間であってよく、1〜10時間であってよい。アニオン重合の反応温度は、モノマー成分の転化率、所望の高分子化合物の分子量分布等に応じて適宜調整できるが、例えば、−100℃〜100℃であってよく、−50℃〜50℃であってよい。
上記重合工程は、第一のモノマー成分を重合させて、少なくとも一端に反応点を有する第一のブロック鎖を得る工程と、第一のモノマー成分とは異なる第二のモノマー成分をさらに重合させて、第一のブロック鎖の反応点から伸長し、末端に反応点を有する第二のブロック鎖を得る工程と、を含むものであってよい。このような重合工程を備える製造方法によればブロック共重合体を製造することができる。
末端形成工程は、特定の反応性化合物(1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類)を、反応点を有するポリマー鎖と反応させて、反応点から伸長した特定の末端構造を形成する工程であってよい。反応性化合物として、1,1−ジアリールエチレン類を用いることで上述した構成単位(A)が形成され、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類を用いることで上述した構成単位(B)が形成される。
本実施形態において、反応性化合物として複数種の化合物を用いるとき、複数種の化合物はポリマー鎖の反応点に順次反応させてよい。
末端形成工程では、反応性化合物がポリマー鎖の末端の反応点と反応することで、反応性化合物に由来する構成単位が形成される。この際、形成された構成単位の末端には反応点が存在しており、2分子目、3分子目の反応性化合物が当該反応点と反応することで末端構造が不均一になってしまうことが懸念される。しかし、本実施形態においては、反応性化合物として、単独重合性に乏しい1,1−ジアリールエチレン類又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類を用いている。このような反応性化合物(a1)によれば、ポリマー鎖の末端の反応点とは反応して構成単位(a1)を形成する一方で、構成単位(a1)の末端の反応点とは反応せずに構成単位(a1)が連続して形成されることが抑制される。すなわち、本実施形態においては、一種類の反応性化合物(a1)から、それに由来する構成単位(a1)を一つだけ、ポリマー鎖の末端に導入することができる。構成単位(a1)の末端の反応点に対しては、例えば、他の反応性化合物(a2)を反応させて構成単位(a2)を形成し得るが、このときも、構成単位(a2)の末端の反応点と反応性化合物(a2)とは反応せず、構成単位(a2)は一つだけポリマー鎖の末端に導入される。
一態様において、反応性化合物は、2種以上の1,1−ジアリールエチレン類を含んでいてよい。このとき、末端形成工程では、1,1−ジアリールエチレン類のうち13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが小さいものを、当該ケミカルシフトが大きいものより先にポリマー鎖と反応させてよい。
13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトは1,1−ジアリールエチレン類の反応性と良く相関している。このため、当該ケミカルシフトに基づいてポリマー鎖の反応点に反応させる順番を定めることで、各反応性化合物に由来する構成単位が順に導入された、均一な末端構造を有する高分子化合物が得られる。
一態様において、反応性化合物が2種以上のN,N−ジアルキルメタクリルアミド類を含んでいてよい。このとき、末端形成工程では、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類のうち、13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが小さいものを、当該ケミカルシフトが大きいものより先にポリマー鎖と反応させてよい。
13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトはN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の反応性と良く相関している。このため、当該ケミカルシフトポリマー鎖の反応点に反応させる順番を定めることで、各反応性化合物に由来する構成単位が順に導入された、均一な末端構造を有する高分子化合物が得られる。
一態様において、反応性化合物は、1,1−ジアリールエチレン類及びN,N−ジアルキルメタクリルアミド類の両方を含んでいてよい。このとき、末端形成工程では、1,1−ジアリールエチレン類のうち13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが114.5ppm未満のものは、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類より先にポリマー鎖と反応させてよく、1,1−ジアリールエチレン類のうち13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが114.5ppm以上のものは、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類より後にポリマー鎖と反応させてよい。
N,N−ジアルキルメタクリルアミド類の反応性は、1,1−ジアリールエチレン類のうち上記ケミカルシフトが114.5ppm未満のものと、1,1−ジアリールエチレン類のうち上記ケミカルシフトが114.5ppm以上のものとの中間程度であるから、上記の順序で反応性化合物をポリマー鎖と反応させることにより、各反応性化合物に由来する構成単位を順序良く導入することができ、均一な末端構造を有する高分子化合物が得られる。
末端形成工程において、反応性化合物1種類あたりの量は、重合開始剤の量(モル数)を基準として適宜調整してよい。例えば、重合開始剤の量M(モル数)に対する反応性化合物1種類あたりの量M(モル数)の比M/Mは、1〜100000であってよい。1,1−ジアリールエチレン類及びN,N−ジアルキルメタクリルアミド類はいずれも単独重合性に乏しいため、反応性化合物を重合開始剤に対して過剰量添加した場合であっても、末端構造を目的の構造に制御することができる。
末端形成工程における反応時間、反応温度等は、特に制限されず、反応性化合物の種類、ポリマー鎖の反応点の態様、重合開始剤の種類等に応じて適宜変更してよい。反応温度は、例えば−100〜100℃であってよく、−50〜50℃であってよい。反応時間は、例えば0.1〜100時間であってよく、1〜10時間であってよい。なお、上記反応時間は、反応性化合物1種類あたりの反応時間であってよい。
末端形成工程では、反応性化合物を反応させた後、末端の反応点を不活性化するために、重合停止剤を添加してよい。重合停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;酢酸等のカルボン酸;水などが挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<一端に末端構造が形成された高分子化合物>
(実施例A1)
sec−ブチルリチウム(sec−BuLi)0.0542mmol(関東化学製)を含むn−ヘプタン溶液2mL、スチレン(東京化成製)2.12mmolを含むテトラヒドロフラン(THF)溶液3mL、及び、1,1−ジフェニルエチレン(DPE)(東京化成製)0.178mmolを含むTHF溶液2mLを用意した。なお、DPEの13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトは、114.2ppmである。
[重合工程]
まず、全ガラス製反応容器を高真空ライン(10−6mmHg)に接続して、高真空下で脱気とベーキングを2回繰り返した。次いで、ガラス部を溶封して、全ガラス製反応容器を高真空ラインから切り離した。真空下でsec−BuLiを含むn−ヘプタン溶液(sec−BuLi溶液)を反応容器に移した後、−78℃に冷却した。真空下でsec−BuLi溶液を含む反応溶液を激しく攪拌し、同じく−78℃に冷却したスチレンを含むTHF溶液(スチレン溶液)を反応溶液に添加し、15分間反応させた。これにより、一端に反応点であるカルボアニオンを有するポリスチレン鎖を形成した。
[末端形成工程]
次いで、真空下でDPEを含むTHF溶液(DPE溶液)を反応溶液に添加し、15分間反応させた。反応容器を開封し、重合停止剤であるメタノール1mmolを含むTHF溶液2mLを添加し、重合を停止した。重合開始剤であるsec−BuLiのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[sec−BuLiのモル数])は、3.28であった。
重合を停止させた後、反応溶液を200mLのメタノールに注ぎ込み、白色の固体を沈殿させた。得られた固体を桐山ロート及び桐山ろ紙を用いた減圧ろ過によってろ別した後、10mLのベンゼンに溶解させ、凍結乾燥を行った。上記操作により精製し、下記式(4−1)で表される高分子化合物(高分子化合物A1)を200mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物A1について、MALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(4−1)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。なお、MALDI−TOF−MS分析は、Shimadzu AXIMA−performance mass spectrometer(島津製作所製)を用いて行った。マトリックスにはジスラノールを用い、塩にはトリフルオロ酢酸銀を用いた。
得られた高分子化合物A1について、下記(I)の方法で、数平均分子量Mnの計算値を算出した。また、下記(II)及び(III)の方法で、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnを測定した。その結果、数平均分子量Mnの計算値は4.31×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は4.83×10、Mw/Mnは1.08であった。
(I)数平均分子量Mnの計算値の算出
得られた高分子化合物の末端に存在する、DPEに由来する構成単位並びに重合開始剤及び重合停止剤に由来する部分構造の分子量と、重合開始剤の使用量(モル)に対すモノマー成分の使用量(モル)の比(モノマー成分の使用量/重合開始剤の使用量)に基づき算出したポリマー鎖の分子量と、を合計して、数平均分子量Mnの計算値とした。
(II)数平均分子量Mnの測定
Right Angle Laser Light Scattering GPC(RALLS−GPC)を用いて、高分子化合物の数平均分子量Mnを測定した。より具体的には、屈折率計、散乱強度計及び粘度計を検出器として有するViscotek Model 302 Triple Detector Array(旭テクネイオン(株)製)を使用し、流量を1.0mL/min、カラムオーブンの温度を30℃に設定して、測定を行った。流出溶媒にはTHFを用い、分析カラムはTOSOH G5000HHR+G4000HHR+G3000HHRを使用した。
(III)比(Mw/Mn)の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)を測定した。より具体的には、Viscotek Model 302 Triple Detector Array(旭テクネイオン(株)製)を使用した。
(実施例A2)
sec−BuLi溶液2mL(sec−BuLi:0.0339mmol)、スチレン溶液3mL(スチレン:1.33mmol)、DPE溶液2mL(DPE:0.111mmol)、並びに、N,N−ジメチルメタクリルアミド(DMMA)(東京化成製)0.149mmolを含むTHF溶液2mLを用意した。
[重合工程]
実施例A1と同様にして、一端に反応点を有するポリスチレン鎖を合成した。
[末端形成工程]
次いで、真空下でDPE溶液を反応溶液に添加し、15分間反応させた。次いで、真空下でDMMAを含むTHF溶液(DMMA溶液)を反応溶液に添加し、15分間反応させた。反応容器を開封し、重合停止剤であるメタノール1mmolを含むTHF溶液2mLを添加し、重合を停止した。重合開始剤であるsec−BuLiのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[sec−BuLiのモル数])は、3.28であった。また、sec−BuLiのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[sec−BuLiのモル数])は、4.40であった。
次いで、実施例A1と同様の操作により精製し、下記式(5−1)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物A2)を100mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物A2について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(5−1)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物A2について、上記(I)、(II)及び(III)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、並びに、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は4.42×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は4.63×10、Mw/Mnは1.08であった。
(実施例A3)
DMMA溶液に代えてCNDPE溶液2mL(CNDPE:0.215mmol)を用い、sec−BuLi溶液の使用量を2mL(sec−BuLi:0.108mmol)とし、スチレン溶液の使用量を8mL(スチレン:5.63mmol)とし、DPE溶液の使用量を2mL(DPE:0.164mmol)とし、重合停止剤としてメタノール1mmolを含むTHF溶液2mLを用いたこと以外は、実施例A2と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるsec−BuLiのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[sec−BuLiのモル数])は、1.52であった。また、sec−BuLiのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[sec−BuLiのモル数])は、1.99であった。
次いで、実施例A1と同様の操作により精製し、式(6−1)で表される高分子化合物(高分子化合物A3)を500mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物A3について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(6−1)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物A3について、上記(I)、(II)及び(III)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、並びに、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は5.89×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は5.34×10、Mw/Mnは1.05であった。
<両端に末端構造が形成された高分子化合物>
(実施例B1)
カリウムナフタレン(K−Naph)0.102mmolを含むTHF溶液2.50mL、スチレン溶液2.70mL(スチレン:2.98mmol)、DPE溶液1.80mL(DPE:0.155mmol)を用意した。
[重合工程]
まず、全ガラス製反応容器を高真空ライン(10−6mmHg)に接続して、高真空下で脱気とベーキングを2回繰り返した。次いで、ガラス部を溶封して、全ガラス製反応容器を高真空ラインから切り離した。真空下でK−Naphを含むTHF溶液(K−Naph溶液)を反応容器に移した後、−78℃に冷却した。真空下でK−Naph溶液を含む反応溶液を激しく攪拌し、同じく−78℃に冷却したスチレン溶液を反応溶液に添加し、15分間反応させた。これにより、両端に反応点であるカルボアニオンを有するポリスチレン鎖を合成した。
[末端形成工程]
次いで、真空下でDPE溶液を反応溶液に添加し、15分間反応させた。ここで、反応容器から反応溶液7mLのうち4mLを取り出した。なお、取り出した反応溶液は実施例B2において用いた。次いで、15分間静置した後、反応容器を開封し、重合停止剤であるメタノール1mmolを含むTHF溶液2mLを添加し、重合を停止した。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.53であった。
重合を停止させた後、反応溶液を200mLのメタノールに注ぎ込み、白色の固体を沈殿させた。得られた固体を桐山ロート及び桐山ろ紙を用いた減圧ろ過によってろ別した後、10mLのベンゼンに溶解させ、凍結乾燥を行った。上記操作により精製し、下記式(4−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B1)を130mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B1について、実施例A1と同様にしてMALDI−TOF−MS分析を行った。結果を図1に示す。分析の結果、1シリーズのピークのみが観測され、それぞれのピークが、計算により求めた下記式(4−2)で表される構造に由来するピーク値とよく一致することが確認された。また、ピーク間距離が104Daであり、スチレンの分子量と一致することが確認された。なお、図1(a)は、MALDI−TOF−MS分析により得られたスペクトルを示す図であり、図1(b)は、図1(a)の部分拡大図である。
得られた高分子化合物B1について、上記(I)、(II)及び(III)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、並びに、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は6.44×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は6.87×10、Mw/Mnは1.09であった。また、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
得られた高分子化合物B1について、下記(IV)の方法でガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10を測定した。なお、10質量%減少温度T10は、高分子化合物B1の質量が、測定開始時の質量から10質量%減少した時の温度を意味する。その結果、Tgは92℃、T10は427℃であった。
(IV)ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定
一度100℃まで試料を加熱し、同温度で10分間アニールを施した後、室温まで試料を急冷した。この後、再度20℃/分で昇温して、ガラス転移温度(Tg)及び10質量%減少温度(T10)を測定した。測定には、DSC装置(セイコー電子社製「DSC6220」)を用いた。
(実施例B2)
まず、全ガラス製反応容器を高真空ライン(10−6mmHg)に接続して、高真空下で脱気とベーキングを2回繰り返した。次いで、ガラス部を溶封して、全ガラス製反応容器を高真空ラインから切り離した。真空下で、実施例B1で取り出した反応溶液4mLを反応容器に移した後、−78℃に冷却した。真空下で反応溶液を激しく攪拌し、同じく−78℃に冷却したDMMA溶液2.5mL(DMMA:0.147mmol)を反応溶液に添加し、15分間反応させた。次いで、反応容器を開封し、重合停止剤であるメタノール0.851mmolを含むTHF溶液2.80mLを添加し、重合を停止した。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.53であった。また、K−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、2.53であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(5−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B2)を190mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B2について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(5−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B2について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は6.66×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は6.91×10、Mw/Mnは1.09であった。また、Tgは97℃、T10は401℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B3)
sec−BuLi溶液に代えてK−Naph溶液1.80mL(K−NaPh:0.0731mmol)を用い、スチレン溶液の使用量を2.40mL(2.64mmol)とし、DPE溶液の使用量を1.50mL(DPE:0.129mmol)とし、CNDPE溶液の使用量を2.60mL(CNDPE:0.155mmol)とし、重合停止剤としてメタノール1mmolを含むTHF溶液2mLを用いたこと以外は、実施例A3と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.77であった。また、K−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、2.13であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(6−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B3)を300mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B3について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(6−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B3について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は7.89×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は9.99×10、Mw/Mnは1.21であった。また、Tgは103℃、T10は409℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B4)
K−NaphのTHF溶液1.90mL(K−NaPh:0.0771mmol)、スチレン溶液1.90mL(スチレン:2.09mmol)、DPE溶液3.70mL(DPE:0.165mmol)、DMMA溶液2.40mL(DMMA:0.171mmol)とし、CNDPE溶液2.90mL(CNDPE:0.156mmol)を用意した。
[重合工程]
上記のK−Naph溶液を用い、スチレン溶液の使用量を1.90mL(2.09mmol)としたこと以外は、実施例B1と同様にして、両端に反応点を有するポリスチレン鎖を合成した。
[末端形成工程]
次いで、真空下でDPE溶液を反応溶液に添加し、15分間反応させた。次いで、真空下でDMMA溶液を反応溶液に添加し、15分間反応させた。次いで、真空下でCNDPEを含むTHF溶液(CNDPE溶液)を反応溶液に添加し、15分間反応させた。反応容器を開封し、重合停止剤であるメタノール1mmolを含むTHF溶液2mLを添加し、重合を停止した。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、2.14であった。また、K−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、2.22であった。また、K−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、2.02であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(7−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B4)を250mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B4について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(7−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B4について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は6.69×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は6.40×10、Mw/Mnは1.10であった。また、Tgは104℃、T10は362℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B5)
sec−BuLi溶液に代えてK−NaPh溶液2.70mL(K−NaPh:0.157mmol)を用い、DPE溶液に代えてDMMA溶液2.50mL(DMMA:0.178mmol)を用い、スチレン溶液の使用量を3.90mL(3.30mmol)とし、重合停止剤としてメタノール0.936mmolを含むTHF溶液3.30mLを用いたこと以外は、実施例A1と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.13であった。
次いで、実施例A1と同様の操作により精製し、これにより、式(8−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B5)を380mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B5について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(8−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B5について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は4.61×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は5.59×10、Mw/Mnは1.06であった。また、Tgは88℃、T10は419℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B6)
DPE溶液に代えてDMMA溶液3.20mL(DMMA:0.141mmol)を用い、K−Naph溶液の使用量を1.90mL(K−NaPh:0.110mmol)とし、スチレン溶液の使用量を2.63mL(3.10mmol)とし、CNDPE溶液の使用量を3.00mL(CNDPE:0.134mmol)とし、重合停止剤として酢酸1.18mmolを含むTHF溶液2.60mLを用いたこと以外は、実施例B3と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.28であった。また、K−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.21であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(9−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B6)を320mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B6について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(9−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B6について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は5.64×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は5.77×10、Mw/Mnは1.12であった。また、Tgは94℃、T10は424℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B7)
DMMA溶液に代えてCNDPE溶液2.50mL(CNDPE:0.150mmol)を用い、K−NaPh溶液の使用量を2.20mL(K−NaPh:0.0893mmol)とし、スチレン溶液の使用量を2.00mL(2.20mmol)とし、重合停止剤としてメタノール0.790mmolを含むTHF溶液2.60mLを用いたこと以外は、実施例B5と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.68であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(10−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B7)を250mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B7について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(10−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B7について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は5.59×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は4.57×10、Mw/Mnは1.20であった。また、Tgは99℃、T10は418℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B8)
DPE溶液に代えて式(11a)で表される化合物(化合物(11a))0.149mmolを含むTHF溶液3.30mLを用い、K−Naph溶液の使用量を2.00mL(K−NaPh:0.116mmol)とし、スチレン溶液の使用量を2.90mL(スチレン:2.46mmol)とし、DMMA溶液の使用量を2.40mL(DMMA:0.141mmol)とし、CNDPE溶液の使用量を3.20mL(CNDPE:0.142mmol)とし、重合停止剤としてメタノール7.17mmolを含むTHF溶液3.30mLを用いたこと以外は、実施例B4と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対する化合物(11a)のモル数の比([化合物(11a)のモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.28であった。また、K−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.21であった。また、K−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.23であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(11−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B8)を210mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示し、Buはtert−ブチル基を示す。また、化合物(11a)の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトは、114.2ppmである。
得られた高分子化合物B8について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(11−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B8について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は6.03×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は6.57×10、Mw/Mnは1.08であった。また、Tgは99℃、T10は367℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B9)
DPE溶液に代えて式(12a)で表される化合物(化合物(12a))0.175mmolを含むTHF溶液1.85mLを用い、K−Naph溶液の使用量を2.20mL(K−NaPh:0.128mmol)とし、スチレン溶液の使用量を3.60mL(スチレン:3.05mmol)とし、DMMA溶液の使用量を3.65mL(DMMA:0.161mmol)とし、CNDPE溶液の使用量を3.80mL(CNDPE:0.169mmol)とし、重合停止剤であるメタノール6.22mmolを含むTHF溶液2.95mLを用いたこと以外は、実施例B4と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対する化合物(12a)のモル数の比([化合物(12a)のモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.37であった。また、K−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.26であった。また、K−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.32であった。
次いで、実施例B1と同様の操作により精製し、式(12−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B9)を280mg得た。なお、式中、PSはポリスチレン鎖を示し、Buはtert−ブチル基を示す。また、化合物(12a)の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトは、111.8ppmである。
得られた高分子化合物B9について、実施例A1と同様にMALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(12−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。
得られた高分子化合物B9について、上記(I)、(II)、(III)及び(IV)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定、並びに、ガラス転移温度Tg及び10質量%減少温度T10の測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は6.54×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は6.54×10、Mw/Mnは1.06であった。また、Tgは103℃、T10は361℃であった。これにより、設計分子量と実測分子量が良く一致すること、分子量分布が狭いこと、及び、GPC曲線が単峰性であることが確認された。
(実施例B10)
スチレン溶液に代えてイソプレン5.61mmolを含むTHF溶液4.40mLを用い、K−Naph溶液の使用量を2.20mL(K−NaPh:0.128mmol)とし、DPE溶液の使用量を2.10mL(DPE:0.181mmol)とし、DMMA溶液の使用量を3.00mL(DMMA:0.176mmol)とし、CNDPE溶液の使用量を3.40mL(CNDPE:0.151mmol)とし、重合停止剤として酢酸1.36mmolを含むTHF溶液3.00mLを用いたこと以外は、実施例B4と同様にして重合工程及び末端形成工程を行った。重合開始剤であるK−Naphのモル数に対するDPEのモル数の比([DPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.42であった。また、K−Naphのモル数に対するDMMAのモル数の比([DMMAのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.38であった。また、K−Naphのモル数に対するCNDPEのモル数の比([CNDPEのモル数]/[K−Naphのモル数])は、1.18であった。
次いで、重合を停止させた後の反応溶液を200mLのメタノールに注ぎ込み、白色の固体を沈殿させた。得られた固体をクロロホルム(CHCl)に再度溶解させ、これを再度200mLのメタノールに注ぎ込み、再度固体を沈殿させた。得られた粘性物を再度CHClに溶解させ、これを200mLのメタノールに注ぎ込み、粘性物を沈殿させた。得られた粘性物を、デカンテーションにより取り出した後、10mLのベンゼンに溶解させ、凍結乾燥を行った。上記操作により精製し、式(13−2)で表される構造を有する高分子化合物(高分子化合物B10)を420mg得た。なお、式中、PIspはポリイソプレン鎖を示す。
得られた高分子化合物B10について、MALDI−TOF−MS分析を行ったところ、算出されたピーク値は理論値と良く一致し、式(13−2)で表される高分子化合物が得られていることが確認された。なお、MALDI−TOF−MS分析のマトリックスには、trans−2−[3−(4−tert−Butylphenyl)−2−methyl−2−propenylidene]malononitrileを用い、塩にはトリフルオロ酢酸ナトリウムを用いた。
得られた高分子化合物B10について、上記(I)、(II)及び(III)の方法で、数平均分子量Mnの計算値の算出、並びに、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mnの測定を行った。その結果、数平均分子量Mnの計算値は7.02×10、RALLS−GPCによる数平均分子量Mnの測定値は9.08×10、Mw/Mnは1.12であった。

Claims (8)

  1. 1,1−ジアリールエチレン類に由来する第一の構成単位及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類に由来する第二の構成単位を有する末端構造を含む、高分子化合物。
  2. 前記末端構造が、少なくとも前記第一の構成単位を有する、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 前記末端構造が前記第一の構成単位を複数有し、
    複数の前記第一の構成単位は互いに異なり、対応する前記1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に位置するように配列されている、請求項2に記載の高分子化合物。
  4. 前記末端構造が、少なくとも前記第二の構成単位を有する、請求項1に記載の高分子化合物。
  5. 前記末端構造が前記第二の構成単位を複数有し、
    複数の前記第二の構成単位は互いに異なり、対応する前記N,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが末端側に位置するように配列されている、請求項4に記載の高分子化合物。
  6. 前記末端構造が、下記式(3)で表される構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高分子化合物。

    [式中、U及びUは前記第一の構成単位を示し、Uは前記第二の構成単位を示し、x、y及びzはそれぞれ0、1又は2以上の整数を示し、x+y+zは1以上である。式中の両端の結合手のうち、U側の結合手が末端側である。xが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、且つ、対応する前記1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが前記末端側に配列される。yが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、且つ、対応する前記N,N−ジアルキルメタクリルアミド類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが前記末端側に配列される。zが2以上の整数であるとき、複数のUは互いに異なり、且つ、対応する前記1,1−ジアリールエチレン類の13C−NMRスペクトルにおけるβ位炭素のケミカルシフトが大きいものが前記末端側に配列される。]
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物を製造する方法であって、
    モノマー成分のアニオン重合により、少なくとも一端に反応点を有するポリマー鎖を形成する重合工程と、
    1,1−ジアリールエチレン類及び/又はN,N−ジアルキルメタクリルアミド類を含む反応性化合物を前記ポリマー鎖と反応させて、前記反応点から伸長した前記末端構造を形成する末端形成工程と、
    を備える、高分子化合物の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物を変性した変性物。
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