JP2018172549A - アンダーフィル用樹脂組成物、電子部品装置及びその製造方法 - Google Patents

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浩士 堀
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Abstract

【課題】流動性及び成形性に優れ、信頼性に優れる電子部品装置を得ることができるアンダーフィル用樹脂組成物、これを用いた電子部品装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)アミン系硬化剤と、(C)無機充填材と、(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマーと、を含有する、アンダーフィル用樹脂組成物、これを用いた電子部品装置及びその製造方法。(D)アンダーフィルは式(I)で表されるシリコーンオリゴマーであり、である、組成物。

【選択図】なし

Description

本発明は、アンダーフィル用樹脂組成物、電子部品装置及びその製造方法に関する。
従来から、トランジスタ、IC(Integrated Circuit)等の電子部品装置の半導体素子(以下、「チップ」ともいう)封止の分野では、生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となっており、封止材として様々な樹脂組成物が適用されている。その中でも、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が広く使用されている。その理由としては、エポキシ樹脂が、作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の封止材に要求される諸特性のバランスに優れていることが挙げられる。
半導体素子の表面実装としては、電子部品装置の小型化及び薄型化に伴い、ベアチップを直接配線基板上に実装する、いわゆるベアチップ実装が主流となっている。このベアチップ実装による半導体装置としては、例えば、COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等が挙げられ、これらの半導体装置においては、エポキシ樹脂を含む液状樹脂組成物が封止材として広く使用されている。
また、半導体素子を、セラミック、ガラス/エポキシ樹脂、ガラス/イミド樹脂、ポリイミドフィルム等の配線基板(以下、「基板」ともいう)上に直接バンプ接続してなる半導体装置(フリップチップ)では、バンプ接続した半導体素子と基板との間隙(ギャップ)に充填するアンダーフィル材として、エポキシ樹脂を含む液状樹脂組成物が使用されている。これらのアンダーフィル材は、電子部品を温湿度、機械的な外力等から保護する重要な役割を果たしている。
フリップチップ実装を行う場合、チップと基板との熱膨張差に起因する熱応力がこれらの接合部に発生するため、接続信頼性の確保が重要な課題である。また、ベアチップは回路形成面が十分に保護されておらず、水分、イオン性不純物等が浸入し易いため、耐湿信頼性の確保も重要な課題である。さらに、チップ保護のために、チップ側面にアンダーフィル材によりフィレットを形成するが、アンダーフィル材とチップとの熱膨張差に起因する熱応力によって、フィレットにクラックが発生し、チップが破壊される恐れがある。また、アンダーフィル材の選定によっては、接合部の保護が不十分となり、温度サイクル試験等で繰り返し熱衝撃を受ける場合に、低サイクルで接合部が疲労破壊することがある。さらに、アンダーフィル材中にボイドが存在すると、バンプの保護が不十分となり、この場合も、低サイクルで接合部が疲労破壊することがある。
以上のような背景から、アンダーフィル材には接続信頼性の向上が求められており、それを実現するための検討が行われている。例えば、耐温度サイクル性を向上させるために、無機充填材を高充填化する方法が検討されている。しかし、無機充填材を高充填化すると、アンダーフィル材の粘度が著しく増大することにより流動性が低下し、成形性等が悪化する場合がある。
これに関連して、ビフェニル構造を有する単官能エポキシ化合物を配合する方法(例えば、特許文献1参照)、特定の粒径のシリカを組み合わせる方法(例えば、特許文献2参照)等により、アンダーフィル材の粘度を低減させ、アンダーフィル材の流動性及び耐温度サイクル性を改善する技術が検討されている。
特開2012−144661号公報 特開2012−149111号公報
しかし、アンダーフィル材には、電子部品装置の進歩に伴いますます高信頼性が要求されるとともに、電子部品装置の製造の生産性、作業性の向上も要求されており、特許文献1及び2の技術では、これらの要求に十分応えることが困難になりつつある。
具体的には、最近の半導体素子の高集積度化及び多機能化に伴いチップサイズが大きくなってきている一方、多ピン化によってバンプの小径化、狭ピッチ化及び狭ギャップ化が進んでいる。また、搭載機器の小型化に伴い、チップ厚の薄型化が行われている。
バンプの狭ピッチ化及び狭ギャップ化の進展により、使用できる無機充填材の粒径は小さくなっており、それに伴う粘度上昇のため無機充填材の高充填化は難しくなってきている。また、単官能エポキシ化合物の適用は、ガラス転移温度(Tg)の低下及び樹脂強度の低下を招く恐れがあるため、単官能エポキシ化合物を多量に配合することが難しくなってきている。このように半導体素子の態様の変化に伴い、アンダーフィル材の高い流動性と信頼性を確保することがますます難しくなってきている。
また、近年の薄型化及び高密度化された半導体装置では銅ピラーによるバンプが用いられることが多くなってきた。このような半導体装置に対して従来のアンダーフィル材を適用した場合、温度サイクル後の剥離及びクラック、吸湿耐熱試験後の剥離等の不良の発生割合が高くなってきており、より高信頼性を発現するアンダーフィル材が要求されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、流動性及び成形性に優れ、信頼性に優れる電子部品装置を得ることができるアンダーフィル用樹脂組成物、これを用いた電子部品装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材及び特定の構造を有するシリコーン化合物を含有するアンダーフィル用樹脂組成物が、流動性及び成形性に優れ、得られる電子部品装置の信頼性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]を提供する。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマーを含有する、アンダーフィル用樹脂組成物。
[2]前記(D)成分が、下記一般式(I)で表される化合物である、上記[1]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
(式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。X、Y及びZは、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基及びフェニル基からなる群から選ばれる炭化水素基、又はエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基及びビニル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を含有する基を示し、X、Y及びZのうち、少なくとも1つが前記官能基を有する基である場合、該官能基の当量は、200g/mol以上である。l、m及びnは、それぞれ整数であり、l+m+n≧2である。但し、l、m及びnで構造単位数が表される各構造単位はいかなる配列順序であってもよい。)
[3]前記一般式(I)において、X及びZが、各々独立に、メチル基、プロピル基、エポキシ基を含有する基、又はビニル基を含有する基である、上記[2]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[4]前記(C)無機充填材の含有量が、40〜75質量%である、上記[1]又は[2]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[5]前記(D)成分の含有量が、前記(C)無機充填材100質量部に対して、0.1〜7質量部である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[6]電子部品と支持部材とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の接続部を封止するために用いられ、前記電子部品と前記支持部材との隙間に充填される、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[7]支持部材と電子部品とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の製造方法であって、前記接続部の少なくとも一部を、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を備える、電子部品装置の製造方法。
[8]支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記支持部材及び前記電子部品を封止又は接着している上記[1]〜[5]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、を含む電子部品装置。
本発明によれば、流動性及び成形性に優れ、信頼性に優れる電子部品装置を得ることができるアンダーフィル用樹脂組成物、これを用いた電子部品装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中における無機充填材の分散性指数の評価方法を説明するための、電子部品装置の断面模式図である。 本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中における無機充填材の分散性指数の評価方法を説明するための、電子部品装置の断面SEM写真である。
本明細書において「工程」との用語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において樹脂組成物中の各成分の含有量は、樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断りのない限り、樹脂組成物中に存在する当該複数の物質の合計含有量を意味する。
本明細書において「常温」は25℃を意味する。また、「液状」は、特に断りのない限り、常温において液状であることを意味し、常温におけるE型粘度計で測定される粘度が1,000Pa・s以下であることを意味する。「固形状」は、特に断りのない限り、常温において固形状、つまり固体であることを意味する。
[アンダーフィル用樹脂組成物]
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマーを含有するものである。
<(A)エポキシ樹脂>
(A)エポキシ樹脂は、一般に使用されているエポキシ樹脂を特に制限なく用いることができ、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。
(A)エポキシ樹脂は、固形状であっても液状であってもよいが、アンダーフィル用樹脂組成物の低粘度化の観点からは、液状であることが好ましい。液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」ともいう)は、常温におけるE型粘度計で測定される粘度が、例えば、0.0001〜10Pa・sであることが好ましい。
(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類とから得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;p−アミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のアミン化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸により酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、流動性及び経済性の観点からは、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、流動性及び経済性の観点からは、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。また、耐熱性、接着性及び流動性の観点からは、例えば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が好ましく、3官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂がより好ましい。3官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、アミノフェノールをエポキシ化して得られる3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、流動性の観点から、いずれも液状であることが好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、いずれかを単独で用いてもよいが、耐熱性、接着性及び流動性の観点からは、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを併用することが好ましい。
(A)エポキシ樹脂中における、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂の合計含有量は、その性能を発揮する観点からは、例えば、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。該合計含有量の上限値に特に制限はなく、粘度、ガラス転移温度、耐熱性等の観点から所望の性状及び特性が得られる範囲で決定すればよく、100質量%であってもよい。
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを併用する場合、その質量比(ビスフェノール型エポキシ樹脂:グリシジルアミン型エポキシ樹脂)は、耐熱性、接着性及び流動性の観点から、例えば、20:80〜80:20が好ましく、30:70〜70:30がより好ましく、40:60〜60:40がさらに好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物が固形状のエポキシ樹脂を含有する場合、(A)エポキシ樹脂中における固形状のエポキシ樹脂の含有量は、流動性の観点から、例えば、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。該含有量の下限値に特に制限はなく、流動性等の特性を考慮して適宜決定すればよく、0質量%であってもよい。
(A)エポキシ樹脂の純度は高いことが好ましく、特に加水分解性塩素量は、IC等の半導体素子上のアルミ配線腐食の原因となり得るため少ない方が好ましい。(A)エポキシ樹脂中の加水分解性塩素量は、耐湿性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物を得る観点から、例えば、500ppm以下であることが好ましい。
ここで、加水分解性塩素量とは、エポキシ樹脂1gをジオキサン30mlに溶解し、1N−KOH(水酸化カリウム)メタノール溶液5mlを添加して30分間還流させた後、電位差滴定により求めた値を尺度としたものである。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、アンダーフィル用樹脂組成物の充填性、成形性、耐温度サイクル性及び耐湿性の観点から、例えば、50〜250g/molが好ましく、60〜200g/molがより好ましく、80〜180g/molがさらに好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中における(A)エポキシ樹脂の含有量は、流動性、成形性及び半導体装置の信頼性の観点から、(C)無機充填材を除く樹脂組成物の全量中、例えば、40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましく、55〜75質量%がさらに好ましい。
<(B)アミン系硬化剤>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(B)アミン系硬化剤を含有する。本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(B)アミン系硬化剤を含有することにより、耐温度サイクル性、耐湿性等に優れ、得られる半導体装置の信頼性を向上させることができる。
(B)アミン系硬化剤は、固形状であっても液状であってもよいが、アンダーフィル用樹脂組成物の流動性の観点からは、液状であることが好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物が固形状のアミン系硬化剤を含有する場合、(B)アミン系硬化剤中における固形状のアミン系硬化剤の含有量は、流動性の観点から、例えば、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。該含有量の下限値に特に制限はなく、流動性等の特性を考慮して適宜決定すればよく、0質量%であってもよい。
(B)アミン系硬化剤としては、例えば、1分子中に1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上(以下、単に「アミノ基」ともいう)を2個以上有する化合物が好ましく、アミノ基を2〜4個有する化合物がより好ましく、アミノ基を2個有するジアミン化合物がさらに好ましい。
(B)アミン系硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、耐温度サイクル性及び耐湿性に優れ、得られる半導体装置の信頼性を向上できる観点からは、例えば、芳香族アミン化合物が好ましい。なお、芳香族アミン化合物とは、芳香環の水素原子の少なくとも1つがアミノ基で置換された化合物をいう。
芳香族アミン化合物は、液状の芳香族アミン化合物であることが好ましい。
芳香族アミン化合物としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、保存安定性の観点からは、例えば、ジエチルトルエンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びジメチルチオトルエンジアミンからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ジエチルトルエンジアミン及び3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
ジエチルトルエンジアミンとしては、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、例えば、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンを60質量%以上含有するものが好ましい。(B)アミン系硬化剤中のジエチルトルエンジアミンの含有量は、保存安定性の観点から、例えば、20〜70質量%が好ましく、30〜55質量%がより好ましい。
芳香族アミン化合物としては、市販品を用いてもよい。市販品の芳香族アミン化合物としては、例えば、jERキュア(登録商標)W(三菱化学株式会社製、商品名)、カヤハード(登録商標)A−A、カヤハード(登録商標)A−B、カヤハード(登録商標)A−S(以上、日本化薬株式会社製、商品名)、トートアミンHM−205(東都化成株式会社製、商品名)、アデカハードナー(登録商標)EH−101(株式会社ADEKA製、商品名)、エポミック(登録商標)Q−640、エポミック(登録商標)Q−643(以上、三井化学株式会社製、商品名)、DETDA80(Lonza社製、商品名)等が入手可能である。
芳香族アミン化合物の活性水素当量は、特に制限はないが、充填性、成形性、耐温度サイクル性及び耐湿性の観点から、例えば、10〜200g/molが好ましく、20〜120g/molがより好ましく、30〜75g/molがさらに好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(B)アミン系硬化剤以外に、フェノール性硬化剤、酸無水物等のエポキシ樹脂硬化剤として一般に使用されている硬化剤を併用してもよい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中の(A)エポキシ樹脂と(B)アミン系硬化剤との当量比[(B)アミン硬化剤の活性水素のモル数/(A)エポキシ樹脂のエポキシ基のモル数]は、それぞれの未反応分を少なく抑える観点から、例えば、0.5〜2.0が好ましく、0.6〜1.8がより好ましく、0.7〜1.5がさらに好ましく、0.8〜1.2が特に好ましい。
<(C)無機充填材>
(C)無機充填材としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。また、(C)無機充填材として難燃効果のある無機充填材を用いてもよく、難燃効果のある無機充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手容易性、化学的安定性及び材料コストの観点からは、例えば、シリカが好ましい。
シリカとしては、例えば、結晶シリカ、非晶質シリカ、溶融シリカ等が挙げられる。また、シリカは、粒子形状から、球状シリカ、破砕シリカ等に分類されるが、アンダーフィル用樹脂組成物の微細間隙への流動性及び浸透性の観点からは、球状シリカであることが好ましい。球状シリカとしては、例えば、爆燃法によって得られる球状シリカ、球状溶融シリカ等が挙げられ、これらの中でも、微細間隙への流動性の観点からは、例えば、球状溶融シリカが好ましい。
なお、本明細書において、「球状」とは、真球状のみならず、楕円状等の略球状、これらの表面に凹凸があるものなども含む。球状シリカのアスペクト比(長径と短径の比)は、例えば、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。アスペクト比は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて任意の50個の粒子の形状を観察し、これらの粒子のアスペクト比を平均した値として求めることができる。
(C)無機充填材は、予め後述するシリコーンオリゴマー、カップリング剤等の各種表面処理剤で表面処理されていてもよい。
(C)無機充填材の体積平均粒径は、例えば、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.3〜3μmがさらに好ましく、0.4〜1μmが特に好ましい。体積平均粒径を0.1μm以上とすることで、樹脂成分への分散性が向上し、得られるアンダーフィル用樹脂組成物はチキソトロピック性が付与され難く、流動性が優れる。また、10μm以下とすることで、(C)無機充填材の沈降を低減でき、得られるアンダーフィル用樹脂組成物の微細間隙への浸透性及び流動性が向上して、ボイド及び未充填部分の発生を防止できる。ここで、体積平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中の(C)無機充填材の含有量は、例えば、40〜75質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましく、60〜68質量%がさらに好ましい。(C)無機充填材の含有量を40質量%以上とすることで、熱膨張係数の低減効果が得られ易く、75質量%以下とすることで、アンダーフィル用樹脂組成物の粘度の上昇を抑制し、流動性、浸透性及びディスペンス性が良好となる。
<(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマー>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマー(以下、「(D)シリコーンオリゴマー」又は「(D)成分」ともいう)を含有する。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物が、(D)シリコーンオリゴマーを含有することにより、流動性及び成形性に優れ、信頼性に優れる電子部品装置を得ることができる。この理由については、定かではないが、以下のように推察される。
従来のアンダーフィル用樹脂組成物を、銅ピラーを適用したパッケージに適用した際に発生する信頼性低下の原因は、次のように推定される。一般に、異種金属が接合すると接触金属間に電位差が発生するとされているが、銅ピラーを適用したパッケージ内の接合部はチップ側の銅ピラーと基板側の銅パッドを接合するために通常はんだが使用されており、これらが接合されるとただちに電位差が発生すると推定される。発生した電位差によってアンダーフィル用樹脂組成物中に表面電位の値が大きいもの、すなわち、カップリング剤処理等を行っていないシリカ等の無機充填材は自身が有する電荷とは逆の電荷を持っている金属表面に移動しやすくなると推定される。この現象が起こることにより、樹脂と無機充填材との分離が接合部付近で多数発生し、結果としてチップ及び基板との熱膨張差がより大きくなった箇所で剥離、クラック等の不具合が生じ、低信頼性を招いていると推察される。
一方、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物には、(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマーが、シリカ等の無機充填材の表面に存在するシラノール基と反応及び結合し、無機充填材表面の電位の値が小さくしていると推定される。これにより、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、銅ピラーを適用したパッケージに充填した際においても、無機充填材の移動(偏析)が抑制され、優れた無機充填材の分散性を有するものとなり、得られる電子部品装置は、熱膨張差に起因する剥離、クラック等の不具合が生じることなく、信頼性に優れたものになると考えられる。
(D)シリコーンオリゴマーは、アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマーであれば特に限定されないが、アルコキシシリル基を有することが好ましく、さらに、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基及びビニル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を含有する基を有することがより好ましく、エポキシ基を含有する基を有することがさらに好ましい。
(D)シリコーンオリゴマーとして、例えば、下記一般式(I)で示される化合物が好ましい。
(式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。X、Y及びZは、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基及びフェニル基からなる群から選ばれる炭化水素基、又はエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基及びビニル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を含有する基を示し、X、Y及びZのうち、少なくとも1つが前記官能基を有する基である場合、該官能基の当量は、200g/mol以上である。l、m及びnは、それぞれ整数であり、l+m+n≧2である。但し、l、m及びnで構造単位数が表される各構造単位はいかなる配列順序であってもよい。)
〜Rが示す炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル等が挙げられ、これらの中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
X、Y及びZが示す炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル等が挙げられ、これらの中でも、メチル基が好ましい。
X、Y及びZが示す官能基を有する基としては、エポキシ基を有する基であることが好ましい。
X、Y及びZのうち、少なくとも1つが前記官能基を有する基である場合、該官能基の当量は、200g/mol以上であり、230〜1,500g/molが好ましく、240〜1,000g/molがより好ましく、260〜700g/molがさらに好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中における(D)シリコーンオリゴマーの含有量は、充填性、分散性及び流動性の観点から、例えば、0.1〜5質量%が好ましく、1〜4.5質量%がより好ましく、1.5〜4質量%がさらに好ましい。(D)シリコーンオリゴマーの含有量が0.1質量%以上であると、良好な流動性が発現し、5質量%以下であると、粘度が上昇することなく、優れた充填性が得られる。
また、(D)シリコーンオリゴマーの含有量は、(C)無機充填材100質量部に対して、充填性、分散性及び流動性の観点から、例えば、0.1〜7質量部が好ましく、0.2〜6.5質量部がより好ましく、0.3〜6質量部がさらに好ましい。(D)シリコーンオリゴマーの含有量が0.1質量部以上であると、良好な流動性が発現し、7質量部以下であると、粘度の上昇が生じず、良好な充填性が発現する。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、樹脂成分と(C)無機充填材との界面接着及び樹脂成分と電子部品の構成部材との界面接着を強固にする目的で、必要に応じて、(D)成分以外のカップリング剤を含有していてもよい。
(D)成分以外のカップリング剤としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基及び3級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上を有するアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、(メタ)アクリルシラン等の各種シラン系化合物;チタン系化合物;アルミニウムキレート類等のアルミニウム系化合物;ジルコニウム系化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他の成分>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(A)〜(D)成分の他、その他の成分として、例えば、可撓剤、界面活性剤、硬化促進剤、イオントラップ材、その他の添加剤等を含有していてもよい。
(可撓剤)
可撓剤は、アンダーフィル用樹脂組成物の耐熱衝撃性の向上及び半導体素子への応力低減の観点から、必要に応じて用いられる。可撓剤としては、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ゴム粒子が好ましい。ゴム粒子としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(UR)、アクリルゴム(AR)、シリコーンゴム等のゴム粒子が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤は、アンダーフィル用樹脂組成物の濡れ性等を改善する観点から、必要に応じて用いられる。界面活性剤としては、例えば、シリコーン変性エポキシ樹脂が挙げられる。シリコーン変性エポキシ樹脂はエポキシ基と反応する官能基を有するオルガノシロキサンとエポキシ樹脂との反応物として得ることができ、常温で液状であることが好ましい。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、(A)エポキシ樹脂及び(B)アミン系硬化剤の硬化反応を促進させる観点から、必要に応じて用いられる。硬化促進剤としては、例えば、シクロアミジン化合物、三級アミン化合物、イミダゾール化合物、有機ホスフィン類、有機ホスフィン類とフェノール樹脂等のπ結合を有する化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、フェニルボロン塩、アミノ基を有する化合物を含むコアをエポキシ化合物を含むシェルで被覆してなるコア−シェル粒子、これらの誘導体などが挙げられる。
(イオントラップ剤)
イオントラップ剤は、IC等の半導体素子の耐マイグレーション性、耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、必要に応じて用いられる。イオントラップ剤としては、例えば、下記組成式(I)又は(II)で表されるイオントラップ剤等が挙げられる。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO (I)
(0<X≦0.5、mは正の数)
BiO(OH)(NO (II)
(0.9≦x≦1.1、0.6≦y≦0.8、0.2≦z≦0.4)
(その他の添加剤)
その他の添加剤としては、例えば、染料、カーボンブラック等の着色剤、希釈剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤などが挙げられる。
<アンダーフィル用樹脂組成物の作製>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、及び必要に応じて含有されるその他の成分を分散混合できる手法であれば、いかなる手法を用いても調製できる。例えば、所定の配合量の前記各成分を秤量し、擂潰機、ミキシングロール、プラネタリミキサ等の混合機を用いて混合及び混練し、必要に応じて脱泡することによって得ることができる。混合及び混練条件は、原料の種類等に応じて適宜決定すればよく、前記各成分が均一に混合及び分散する条件を選択することが好ましい。
<アンダーフィル用樹脂組成物の粘度>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、常温で液状であることが好ましい。つまり、常温におけるE型粘度計で測定した本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の粘度は、例えば、1,000Pa・s以下であることが好ましい。前記粘度が1,000Pa・s以下であると、近年の電子部品の小型化、半導体素子の接続端子のファインピッチ化及び配線基板の微細配線化に対応可能な流動性及び浸透性を確保し易い。
特に、半導体素子と基板との間隙に充填する際のアンダーフィル用樹脂組成物の粘度は上記と同様の観点から重要であり、充填時の温度(例えば、70〜130℃)において、低粘度であることが好ましい。具体的には、110℃における実施例に記載の方法に従って測定する粘度が、例えば、好ましくは100Pa・s以下、より好ましくは10Pa・s以下、さらに好ましくは1Pa・s以下、特に好ましくは0.25Pa・s以下である。粘度の下限に特に制限はないが、実装性の観点からは、例えば、0.01Pa・s以上であってもよく、0.5Pa・s以上であってもよく、0.1Pa・s以上であってもよい。
前記粘度は、封止の対象となる電子部品及び電子部品装置の種類に応じて適宜調整すればよい。粘度は、例えば、上記で例示した各成分の種類、含有量等を制御することによって調整が可能である。
<アンダーフィル用樹脂組成物の用途>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、リジッド又はフレキシブル配線板、ガラス、シリコーンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの電子部品を搭載した半導体装置に適用することができる。
特に、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、信頼性に優れたフリップチップ用のアンダーフィル用樹脂組成物として好適である。具体的には、リジッド又はフレキシブル配線板、ガラス等の基板上に形成した配線に、半導体素子をバンプ接続によるフリップチップボンディングした、フリップチップBGA(Ball Grid Array)、フリップチップLGA(Land Grid Array)、COF(Chip On Film)等の半導体装置に対して好適である。
[電子部品装置]
本発明の電子部品装置は、支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記支持部材と前記電子部品との接続部の少なくとも一部を封止している本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、を含む電子部品装置である。
本発明の電子部品装置を構成する、支持部材、電子部品等を備える半導体装置の好適な態様は、前記本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の用途の項で挙げられた半導体装置と同様である。
本発明の電子部品装置は、支持部材と電子部品との接続部の少なくとも一部が、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物によって封止されていればよいが、前記接続部の全部が封止されていることが好ましい。
[電子部品装置の製造方法]
本発明の電子部品装置の製造方法は、支持部材と電子部品とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の製造方法であって、前記接続部の少なくとも一部を、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を備える、電子部品装置の製造方法である。
本発明の電子部品装置の製造方法に用いられる、支持部材、電子部品等を備える半導体装置の好適な態様は、前記本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の用途の項で挙げられた半導体装置と同様である。
本発明の電子部品装置の製造方法は、支持部材と電子部品との接続部の少なくとも一部を、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物によって封止すればよいが、前記接続部の全部を封止することが好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物を支持部材と電子部品との接続部に充填する方法としては、特に制限はなく、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等の従来公知の方式を適用することができる。アンダーフィル用樹脂組成物の充填は、1回で行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。また、アンダーフィル用樹脂組成物の流動性等を向上させる観点から、各充填は、加熱環境下で行ってもよい。
アンダーフィル用樹脂組成物を接続部に充填した後、アンダーフィル用樹脂組成物を硬化させる。硬化条件は、アンダーフィル用樹脂組成物の組成に応じて適宜決定すればよいが、例えば、80〜200℃の温度範囲で、1〜12時間加熱することで硬化させることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各例で得られたアンダーフィル用樹脂組成物の評価に用いた半導体装置の仕様は以下のとおりである。
[半導体素子]
・半導体素子のサイズ:20mm×20mm×0.55mm厚
・回路の種類:アルミのデイジーチェーン接続
・パッシベーションの種類:ポリイミド「HD4000」(日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製、商品名)
[バンプ]
・バンプの種類:はんだボール(組成:Sn−Ag−Cu)
・バンプ直径:80μm
・ピン数:7,744pin
・バンプピッチ:190μm
[基板]
・基板(コア)の種類:FR−5
・基板のサイズ:60mm×60mm×0.8mm厚
・ソルダーレジストの種類:SR7200(日立化成株式会社製、商品名)
・基板と半導体素子間のギャップ:50μm
[半導体装置の作製]
各例で得られたアンダーフィル用樹脂組成物80mgを、110℃の条件下でディスペンス方式にて半導体装置の基板と半導体素子との間隙に充填(アンダーフィル)した後、150℃で2時間、空気中で加熱し、硬化することで間隙を封止し、半導体装置を作製した。
[物性評価]
各例で得られたアンダーフィル用樹脂組成物を、次の各試験により評価した。評価結果を表1に示す。
(1)110℃粘度(流動性の評価)
アンダーフィル用樹脂組成物の110℃での粘度を、E型粘度計「AR2000」(TAインスツルメント社製)により、40mmパラレルプレート(ギャップ:500μm)を用いて、せん断速度32.5s−1の条件にて測定した。
(2)ボイド占有率(成形性の評価)
封止後の半導体装置の内部を超音波探傷装置「AT−5500」(日立建機株式会社製)で観察し、下記基準に従ってボイド占有率を評価した。ボイド占有率が小さい程、成形性に優れる。
A:ボイド面積が全面積の0.5%以下
B:ボイド面積が全面積の0.5%を超え1%以下
C:ボイド面積が全面積の1%を超え5%以下
D:ボイド面積が全面積の5%を超える
(3)耐温度サイクル性
封止後の半導体装置を、−55℃〜125℃、各30分間のヒートサイクルで1,000サイクル処理した後、導通試験を行い、アルミ配線及びパッドの断線不良を調べ、不良パッケージ数/評価パッケージ数で評価した。
(4)無機充填材の分散性指数の評価
無機充填材の分散性を評価するため、以下の方法により、無機充填材の分散性指数を求めた。
図1は半導体装置の断面模式図であり、図1の「II」で示された領域(以下、「領域II」ともいう)には、配線基板1、チップ基板5、銅ピラー7及びハンダ4に挟まれた空間に流し込まれた後、硬化したアンダーフィル用樹脂組成物9が含まれる。
図2は、図1の領域IIを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した撮影画像の一例である。
分散性指数は、各例で得られた半導体装置について、各々領域IIに該当する領域を、走査型電子顕微鏡を用いて撮影し、得られた撮影画像を、画像処理ソフトフェア(アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)の「ImageJ」)を用いて、以下のように分析することで計算した。
まず、撮影画像のうち、アンダーフィル用樹脂組成物9の領域を特定し、その輝度分布の中央値を基準として、二値化処理を行う。二値化処理されたアンダーフィル用樹脂組成物9の領域を示す画像のうち、白い部分が無機充填材を示しており、黒い部分が無機充填材以外の樹脂成分を示している。
次に、アンダーフィル用樹脂組成物9の領域を、銅ピラー7とハンダ4との境界線Lの延長線を境として、銅ピラー7側の領域Raと、ハンダ4側の領域Rbとに分離する。続いて、領域Ra及び領域Rb、各々について、無機充填材の占有率(領域Ra又は領域Rb全面積中における無機充填材の面積が占める割合)を算出し、各占有率を用いて、次式によって分散性指数を算出した。
分散性指数=100×(領域Raにおける無機充填材の占有率)/(領域Rbにおける無機充填材の占有率)
分散性指数が100に近いほど、アンダーフィル用樹脂組成物中の無機充填材は、領域Ra又は領域Rbのいずれかに偏ることなく、均一な状態で存在していることを示す。一方、分散性指数が100より小さいときは、無機充填材が、領域Rbに偏って存在していることを示す。
[実施例1〜8、比較例1〜6]
表1に示す各成分を表1に示す組成で配合し、三本ロール及び真空擂潰機にて混練分散して、実施例1〜8及び比較例1〜6のアンダーフィル用樹脂組成物を作製した。なお、表1中の配合組成における単位は質量部を意味し、「−」は配合なしを表す。また、表1中の略称等は以下のとおりである。
〔(A)エポキシ樹脂〕
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールFをエポキシ化して得られる液状ジエポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)(三菱化学株式会社製、商品名:jER(登録商標)806、エポキシ当量:160g/mol)
・エポキシ樹脂2:アミノフェノールをエポキシ化して得られる3官能液状エポキシ樹脂(3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂)(三菱化学株式会社製、商品名:jER(登録商標)630、エポキシ当量:95g/mol)
〔(B)アミン系硬化剤〕
・硬化剤1:ジエチルトルエンジアミン(三菱化学株式会社製、商品名:jERキュア(登録商標)W、活性水素当量:45g/mol)
・硬化剤2:3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬株式会社製、商品名:カヤハード(登録商標)A−A、活性水素当量:63g/mol)
〔(C)無機充填材〕
・シリカ:球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:SE−2050、レーザー回折散乱式粒度分布計によって測定された体積平均粒径が0.5μm)
〔(D)シリコーンオリゴマー〕
・シリコーンオリゴマー1:エポキシ/メチル基含有アルコキシオリゴマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KR−516、エポキシ当量:280g/mol)
・シリコーンオリゴマー2:エポキシ基含有アルコキシオリゴマー(信越化学工業株式会社製、商品名:X−41−1053、エポキシ当量:830g/mol)
・シリコーンオリゴマー3:エポキシ基含有アルコキシオリゴマー(信越化学工業株式会社製、商品名:X−41−1059A、エポキシ当量:350g/mol)
・シリコーンオリゴマー4:エポキシ基含有アルコキシオリゴマー(信越化学工業株式会社製、商品名:X−24−9590、エポキシ当量:592g/mol)
〔他のカップリング剤〕
・カップリング剤1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−403)
・カップリング剤2:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−573)
〔その他の成分〕
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名:MA−100)
(D)シリコーンオリゴマーを用いた実施例1〜8で得られたアンダーフィル用樹脂組成物は、110℃粘度が低く、ボイド占有率が小さく、分散性指数が90以上と高い値を示し、耐温度サイクル性も良好であることが分かった。
一方、モノマーのカップリング剤を用いた比較例1〜6で得られたアンダーフィル用樹脂組成物は、ボイド占有率及び110℃粘度は良好であったが、分散性指数が65前後と実施例1〜8に比べて低く、耐温度サイクル性も劣る結果となった。
以上の結果から、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、流動性及び成形性に優れ、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物により信頼性に優れる電子部品装置を得ることができることが分かる。
1・・・配線基板、2・・・電極端子、3・・・絶縁膜、4・・・ハンダ、5・・・チップ基板、6・・・電極端子、7・・・銅ピラー、8・・・パッシベーション、9・・・アンダーフィル用樹脂組成物、L・・・境界線

Claims (8)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)アルコキシシリル基及びヒドロキシシリル基からなる群から選ばれる1種以上を有するシリコーンオリゴマーを含有する、アンダーフィル用樹脂組成物。
  2. 前記(D)成分が、下記一般式(I)で表される化合物である、請求項1に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。

    (式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。X、Y及びZは、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基及びフェニル基からなる群から選ばれる炭化水素基、又はエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基及びビニル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を含有する基を示し、X、Y及びZのうち、少なくとも1つが前記官能基を有する基である場合、該官能基の当量は、200g/mol以上である。l、m及びnは、それぞれ整数であり、l+m+n≧2である。但し、l、m及びnで構造単位数が表される各構造単位はいかなる配列順序であってもよい。)
  3. 前記一般式(I)において、X及びZが、各々独立に、メチル基、プロピル基、エポキシ基を含有する基、又はビニル基を含有する基である、請求項2に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  4. 前記(C)無機充填材の含有量が、40〜75質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  5. 前記(D)成分の含有量が、前記(C)無機充填材100質量部に対して、0.1〜7質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  6. 電子部品と支持部材とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の接続部を封止するために用いられ、前記電子部品と前記支持部材との隙間に充填される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  7. 支持部材と電子部品とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の製造方法であって、前記接続部の少なくとも一部を、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を備える、電子部品装置の製造方法。
  8. 支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記支持部材及び前記電子部品を封止又は接着している請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、を含む電子部品装置。
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