JP2018171871A - 熱転写プリントシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】被転写体上に、単層構成の転写層、或いは積層構成の転写層が選択的に転写されてなる印画物を簡便に得ることができる熱転写プリントシステムを提供する。
【解決手段】エネルギー印加手段400は、熱転写シート100に印加するエネルギーを変更可能であり、熱転写シート100の第2転写層は、エネルギー印加手段400から第1エネルギーを熱転写シート100に印加することで基材側から剥離され、被転写体300上に転写されるように構成され、熱転写シート100の第1転写層は、エネルギー印加手段400から第1エネルギーを熱転写シートに印加したときには基材1側から剥離されず、第1エネルギーよりも、そのエネルギーが高い第2エネルギーを熱転写シート100に印加することで、基材側から剥離され、第2転写層とともに被転写体300上に転写されるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写プリントシステムに関する。
印画物を得るための熱転写シートとして、例えば、特許文献1、2に提案がされているように、(i)基材の一方の面上に転写層としての熱溶融性インキ層が設けられた熱転写シートや、(ii)基材の一方の面上に転写層としての保護層(剥離層と称される場合もある)が設けられた熱転写シート(保護層転写シートと称される場合もある)等が知られている。また、(iii)基材の同一面上に熱溶融性インキ層と保護層が面順次に設けられた熱転写シート等も知られている。これらの熱転写シートによれば、被転写体と熱転写シートとを重ね、熱転写シートにエネルギーを印加し、溶融、或いは軟化した転写層を、被転写体上に転写することで、被転写体上に転写層が転写されてなる印画物を得る。
熱転写シートを用いて形成される印画物としては、被転写体上に単層の転写層が転写されてなる印画物のほか、被転写体上に複数の転写層が重ねて転写されてなる印画物を挙げることができる。例えば、IDカード等の分野においては、被転写体上に熱溶融性インキ層を転写することで得られる画像の保護を目的として、当該画像上に保護層を転写すること等が行われている。このような印画物は、複数の熱転写シートや、基材の同一面上に転写層が面順次に設けられた熱転写シートを用い、被転写体上に転写層を順次重ねて転写していく方法により形成することができる。例えば、上記(i)の熱転写シートと、上記(ii)の熱転写シートを組合せて、又は上記(iii)の熱転写シートを用いて形成することができる。しかしながら、これらの方法では、被転写体上に、複数の転写層を重ねるために、転写操作を繰り返すことが必要となり、工程が煩雑となる問題がある。
また、熱転写シートの製造コストや、プリンタの小型化の観点から、基材上に、複数の転写層を面順次に設けるのではなく、基材上に単一の転写層を設けたいとの要望もある。しかしながら、基材上に単一の転写層を設けた場合には、1つの熱転写シートを用いるだけでは、被転写体上に転写される転写層の選択の幅が狭く、被転写体上に複数の転写層を転写する場合には、複数の熱転写シートを用いなければならないといった問題が内在する。
特開平9−290576号公報 特開2001−246845号公報
本発明は、被転写体上に、単層構成の転写層、或いは積層構成の転写層が選択的に転写されてなる印画物を簡便に得ることができる熱転写プリントシステムを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写プリントシステムは、エネルギー印加手段、熱転写シート、及び被転写体を有する熱転写プリントシステムであって、前記熱転写シートは、基材上に、第1転写層、第2転写層がこの順で積層されてなり、前記エネルギー印加手段は、前記熱転写シートに印加するエネルギーを変更可能であり、前記熱転写シートの前記第2転写層は、前記エネルギー印加手段から第1エネルギーを前記熱転写シートに印加することで前記基材側から剥離され、前記被転写体上に転写されるように構成され、前記熱転写シートの前記第1転写層は、前記エネルギー印加手段から前記第1エネルギーを前記熱転写シートに印加したときには前記基材側から剥離されず、前記第1エネルギーよりも、そのエネルギーが高い第2エネルギーを前記熱転写シートに印加することで、前記基材側から剥離され、前記被転写体上に転写されるように構成されている、ことを特徴とする。
また、前記エネルギー印加手段が、エネルギー印加部を有する熱転写プリンタであってもよい。
また、上記熱転写プリントシステムにおいて、前記熱転写シートの前記第1転写層が、隠蔽層であってもよい。また、前記熱転写シートの前記第1転写層が、離型剤を含有しており、前記離型剤が、リン酸エステル、オレフィン−マレイン酸共重合体、シリコーンオイルの何れかであってもよい。
また、上記熱転写プリントシステムにおいて、前記熱転写シートの前記第2転写層が、ポリエステル樹脂、又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していてもよい。
また、上記熱転写プリントシステムにおいて、前記熱転写シートの前記第1転写層と、前記第2転写層との間に、中間層が設けられ、前記中間層が、無機粒子を含有していてもよい。
本開示の実施の形態に係る熱転写プリントシステムによれば、被転写体上に、単層構成の転写層、或いは積層構成の転写層が選択的に転写されてなる印画物を簡便に得ることができる。
一実施形態の熱転写プリントシステムの一例を示す概略構成図である。 一実施形態の印画物の形成方法の一例を示す工程図である。 一実施形態の印画物の形成方法の一例を示す工程図である。 一実施形態の印画物の形成方法の一例を示す工程図である。 一実施形態の印画物の形成方法の一例を示す工程図である。 一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<<熱転写プリントシステム>>
本開示の実施の形態に係る熱転写プリントシステム500(以下、一実施形態の熱転写プリントシステムと言う)は、エネルギー印加手段(例えば、熱転写プリンタ、ホットスタンプ、ヒートロール等)、熱転写シート100、及び被転写体300を有している。また、熱転写シート100は、基材1上に、第1転写層10、第2転写層20がこの順で積層されてなり(図6、図7参照)、エネルギー印加手段は、熱転写シートに印加するエネルギーを変更可能に構成されている。また、熱転写シート100の第2転写層20は、エネルギー印加手段から第1エネルギーを熱転写シート100に印加することで基材1側から剥離され、被転写体300上に転写されるように構成され(図2(b)、図4(b)参照)、熱転写シート100の第1転写層10は、エネルギー印加手段から第1エネルギーを熱転写シート100に印加したときには基材1側から剥離されず、第1エネルギーよりも、そのエネルギーが高い第2エネルギーを熱転写シート100に印加することで、基材1側から剥離され、被転写体300上に転写されるように構成されている(図3(b)、図4(b)参照)。図1は、エネルギー印加手段が、熱転写プリンタ400である場合の例を示す、熱転写プリントシステム500の概略構成図である。
<熱転写シート>
はじめに、一実施形態の熱転写プリントシステム500を構成する熱転写シート100について一例を挙げて説明する。一実施形態の熱転写プリントシステム500を構成する熱転写シート100(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)は、図6、図7に示すように、基材1上に、第1転写層10、第2転写層20がこの順で積層されてなり、第1転写層10、及び第2転写層20は、エネルギー印加手段から、熱転写シート100に所定のエネルギーを印加することで、基材側から剥離可能となっている。
以下、本願明細書において、第1転写層10の界面と言う場合には、第1転写層10と、当該第1転写層10と接する基材1側の構成部材との界面(図6、図7に示す場合には、基材1と第1転写層10との界面)を意味し、第2転写層20の界面と言う場合には、第2転写層20と、当該第2転写層20と接する基材1側の構成部材との界面(図6に示す場合にあっては、第1転写層10と第2転写層20との界面、図7に示す場合にあっては、中間層15と第2転写層20との界面)を意味する。
一実施形態の熱転写シート100は、印加するエネルギーによって、転写層の剥離(転写)界面が異なるように、第1転写層10、第2転写層20が構成されている。具体的には、熱転写シートに印加するエネルギーを変更可能なエネルギー印加手段により、熱転写シート100に、第1エネルギーを印加することで、第2転写層20の界面で剥離が生じ、熱転写シート100に、第1エネルギーよりも、そのエネルギーが高い第2エネルギーを印加することで、第1転写層10の界面で剥離が生じるように、第1転写層10、第2転写層20が構成されている。また、本願明細書で言う第1エネルギーとは、第2転写層20の界面で剥離が生ずるエネルギー以上のエネルギーであって、且つ第1転写層10の界面で剥離が生ずるエネルギーよりも小さいエネルギーを意味する。また、第2エネルギーとは、第1転写層10の界面で剥離が生ずるエネルギー以上のエネルギーを意味する。
一実施形態の熱転写プリントシステム500は、エネルギー印加手段が、熱転写シート100に印加するエネルギーを変更可能に構成されている。したがって、エネルギー印加手段により一実施形態の熱転写シート100に印加するエネルギーを調整することで、被転写体上に、選択的に、第2転写層20の転写、或いは、第2転写層20と第1転写層10の積層体の転写を行うことができる。
また、一実施形態の熱転写シート100は、基材1上に、1つの転写層、つまりは、第1転写層10と、第2転写層20の積層体を設けるだけで、被転写体上に異なる機能を有する転写層を選択的に転写することができ、基材上に転写層を面順次に設けた熱転写シートと比較して、熱転写シートを低コストで製造することができる。また、基材上に転写層を面順次に設けた熱転写シートと比較して、1回の熱転写に必要な熱転写シートの長さを短くすることができ、熱転写シート100の巻径を小さくすることができる。これにより、プリンタの小型化や、印画物の製造にかかるコストの低減を図ることができる。以下、一実施形態の熱転写シート100について一例を挙げて具体的に説明する。
(基材)
基材1は、当該基材1の一方の面上に設けられる第1転写層10や、基材1の他方の面上に任意に設けられる背面層(図示しない)を保持する。基材1の材料については特に限定されないが、一実施形態の熱転写シート100に印加される熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、通常2.5μm以上50μm以下の範囲内である。
図6、図7に示すように、基材1上には、第1転写層10、第2転写層20がこの順で設けられている。なお、図6に示す形態では、第1転写層10と第2転写層20とが直接的に接しており、図7に示す形態では、第1転写層10と第2転写層20との間に中間層15が設けられている。
第1転写層10は、エネルギー印加手段により、一実施形態の熱転写シート100に、第2転写層20を剥離(転写)可能な第1エネルギーよりもそのエネルギーが高く、第1転写層10の界面での剥離が可能な第2エネルギーを印加することで剥離する層である。なお、第1転写層10は、エネルギー印加手段により、一実施形態の熱転写シート100に、第2転写層20を剥離(転写)可能な第1エネルギーを印加した場合には、当該第1転写層10の界面から剥離されないように構成されている。
第2転写層20は、エネルギー印加手段により、一実施形態の熱転写シート100に、第1エネルギーを印加することで剥離する層である。
つまり、一実施形態の熱転写シート100において、第1転写層10、及び第2転写層20は、以下の条件を満たしている。
条件1:第2転写層は、エネルギー印加手段により、熱転写シートに、第1エネルギーを印加したときに、当該第2転写層の界面で剥離が生ずるように構成されていること。
条件2:第1転写層は、エネルギー印加手段により、熱転写シートに、第1エネルギーを印加したときには剥離されず、第1エネルギーよりもそのエネルギーが高い、第2エネルギーを印加したときに、第1転写層の界面で剥離が生ずるように構成されていること。
したがって、第1転写層10、及び第2転写層20を選定するにあたっては、上記条件を満たすように、その材料等を決定する必要がある。なお、上記条件を満たす対策は、第1転写層10側で行ってもよく、第2転写層20側で行ってもよく、第1転写層10、第2転写層20の双方で行ってもよい。また、図7に示すように、第1転写層10と第2転写層20との間に中間層15を設け、当該中間層15において、上記条件を満たすための対策を行ってもよい。
(第1転写層)
第1転写層10は、バインダー樹脂を含有している。第1転写層10が含有しているバインダー樹脂について特に限定はなく、第1転写層10に付与する機能等に応じて適宜設定することができる。
例えば、第1転写層10に保護層としての機能を付与する場合には、バインダー樹脂として、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、活性光線硬化性樹脂等を挙げることができる。なお、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
また、第1転写層10に、着色剤等を含有せしめ、当該第1転写層10に、保護層としての機能と、隠蔽層や、着色層としての機能を併せて付与することもできる。第1転写層10に、保護層としての機能と、隠蔽層や、着色層としての機能を併せて付与する場合には、第1転写層10は、バインダー樹脂とともに、着色剤を含有している。着色剤としては、従来公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができる。着色剤としては、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触することにより発色するような物質であってもよい。なお、隠蔽層とは、被転写体300上に転写されることで、当該被転写体300が有する画像等の視認性を低下させるための層である。一例としての隠蔽層は、可視光透過率が80%以下であり、好ましくは、60%以下である。
着色剤の色は、シアン、マゼンタ、イエローに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。第1転写層10に隠蔽層としての機能を付与する場合の着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、パール顔料等を挙げることができる。また、着色剤として、蛍光顔料等を用いることもできる。蛍光顔料は、主に無機系の蛍光体材料であり、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mn、Zn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料である。これら無機系の蛍光体材料の具体的化合物としては、例えば、タングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム等の酸化物系、或いは硫化カルシウム・ビスマス、硫化亜鉛・銀、硫化亜鉛・銅、硫化亜鉛・金・アルミニウム等の硫化物系、酸化亜鉛・亜鉛、バナジウム酸イットリウム・ユウロピウム、酸化イットリウム・ユウロピウム、硫酸化イットリウム・ユウロピウム、硫酸化イットリウム・テルビウム、硫酸化ガドリニウム・テルビウム、硫酸化ランタン・テルビウム、酸臭化ランタン・テルビウム等の酸化物系等の蛍光体材料等を挙げることができる。
また、第1転写層10にこれ以外の機能を付与することもできる。例えば、第1転写層10に染料受容性を有するバインダー樹脂を含有せしめることで、第1転写層10に受容層としての機能を付与することができる。染料受容性を有するバインダー樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。
(第1の対策)
上記条件1、2を満たすための対策として、第1転写層10に、離型剤を含有せしめる対策(以下、第1の対策と言う)を挙げることができる。第1転写層10に離型剤を含有せしめることで、当該第1転写層10と接する第2転写層20の剥離性を軽くすることができ、第1エネルギーの印加によって、第1転写層10を剥離させることなく、第2転写層20のみを被転写体300上に転写することが可能となる。第1の対策は、第1転写層10と、第2転写層20を直接的に接しさせる形態とする場合に好適な対策である。なお、このことは、第1転写層10と、第2転写層20を直接的に接しさせない形態を排除するものでなく、第1の対策がなされた第1転写層10と、第2転写層20との間に、後述する中間層15等を設けてもよい。
離型剤について特に限定はなく、上記条件1、2を満たすことができる離型剤を適宜選択して用いることができるが、リン酸エステル、オレフィン−マレイン酸共重合体、シリコーンオイルの群から選択される1種、又は2種以上を含有せしめることが好ましい。以下、リン酸エステル、オレフィン−マレイン酸共重合体、シリコーンオイルを総称して、「特定の離型剤」と言う場合がある。「特定の離型剤」は、印加されるエネルギーが高くなるにつれ、その離型性が高くなるといった性質を有する。したがって、第1転写層10に「特定の離型剤」を含有させる形態とし、熱転写シートに印加する第1エネルギーや、第2エネルギーを適宜調整することで、バインダー樹脂の選択の幅を広げつつも、上記条件1、2を満たす構成とすることができる。また、この形態の第1転写層10は、基材1として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを用い、当該基材1上に、第1転写層10を直接的に設ける場合に、好ましい形態である。
第1転写層10の総質量に対する、「特定の離型剤」の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限値について特に限定はなく、第1転写層10に付与される機能が妨げられることのない範囲で含有すればよい。一例としては、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。
第1転写層10の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、必要に応じて添加される着色剤や、離型剤等を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した第1転写層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材1上、或いは、基材1上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。第1転写層用塗工液の塗布方法について特に限定なく、従来公知の塗布方法を適宜選択して用いることができる。塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を挙げることができる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。
第1転写層10の厚みについて特に限定はないが、第1転写層10に保護層としての機能を付与する場合には、0.4μm以上1μm以下の範囲が好ましい。また、第1転写層10に保護層とともに、着色層や、隠蔽層としての機能を付与する場合には、0.4μm以上2μm以下の範囲が好ましい。また、第1転写層10に受容層としての機能を付与する場合には、0.4μm以上1μm以下の範囲が好ましい。このことは、後述する第2転写層20の厚みについても同様である。
(第2転写層)
第2転写層20は、バインダー樹脂を含有している。第2転写層20が含有しているバインダー樹脂について特に限定はなく、第2転写層20に付与する機能等に応じて適宜設定することができる。
例えば、第2転写層20に保護層としての機能を付与する場合には、上記第1転写層10で説明したバインダー樹脂を用いればよい。また、第1転写層10に保護層としての機能を付与し、第2転写層20に着色層としての機能を付与することもできる。この場合、第2転写層20に、バインダー樹脂とともに、上記第1転写層10で説明した着色剤等を含有せしめればよい。また、第2転写層20に、受容層としての機能を付与することもできる。また、これ以外の機能を付与することもできる。
(第2の対策)
上記条件1、2を満たすための対策として、第2転写層20に含有せしめるバインダー樹脂の物性と、上記第1転写層10に含有せしめるバインダー樹脂の物性を異ならせる対策(以下、第2の対策と言う)を挙げることができる。具体的には、第2転写層20に含有せしめるバインダー樹脂として、第1転写層10に含有せしめるバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも、そのガラス転移温度(Tg)が低いバインダー樹脂を用いる対策である。第2の対策によれば、第1エネルギーの印加によって、第1転写層10を剥離させることなく、第2転写層20のみを被転写体300上に転写することが可能となる。第2の対策は、上記第1の対策、及び後述する第3の対策や、第4の対策と組合せて行ってもよい。
本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、JIS−K−7121(2012)に準拠し、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味する。
第2の対策の好ましい形態としては、第2転写層20に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、及びポリエステル樹脂の何れか一方、又は双方を含有せしめ、第1転写層10に、第2転写層20が含有しているバインダー樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又はポリエステル樹脂)よりも、そのガラス転移温度(Tg)が高いバインダー樹脂を含有せしめる形態を挙げることができる。第2転写層20に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、及びポリエステル樹脂の何れか一方、又は双方を含有せしめることで、被転写体と第2転写層20との密着性(接着性と称される場合もある)をより良好なものとすることができる。この場合において、第2転写層20が含有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や、ポリエステル樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が、75℃以下のものが好ましく、65℃以下のものがより好ましい。なお、ここで言う、第2転写層20が含有しているバインダー樹脂、及び第1転写層10が含有しているバインダー樹脂とは、これらの転写層が含有しているバインダー樹脂のうち、その含有量が最も多いバインダー樹脂を意味する。
第2転写層20の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した第2転写層用塗工液を調製し、この塗工液を、第1転写層10上、或いは、第1転写層10上に設けられる任意の層(例えば、中間層)上に塗布・乾燥して形成することができる。
(第3の対策)
上記条件1、2を満たすための第3の対策として、第1転写層10と第2転写層20との間に中間層15を設け、当該中間層15に無機粒子を含有せしめる対策(以下、第3の対策と言う)を挙げることができる。この対策によれば、中間層15に含有せしめる無機粒子の含有量などを適宜調整することで、第1エネルギーの印加によって、第1転写層10を剥離させることなく、第2転写層20のみを被転写体300上に転写することが可能となる。
第3の対策における中間層15は、バインダー樹脂と無機粒子とを含有していてもよく、無機粒子のみを含有していてもよい。前者の中間層15におけるバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。また、無機粒子としては、アルミナ、シリカ、酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。後者の中間層15としては、アルミナゾルや、コロイダルシリカを用いて形成される中間層15を挙げることができる。中間層15は、バインダー樹脂として、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。無機粒子についても同様である。
第3の対策における好ましい形態の中間層15は、中間層15の総質量に対し、バインダー樹脂を5質量%以上40質量%以下の範囲で含有しており、より好ましくは、バインダー樹脂を10質量%以上30質量%以下の範囲で含有している。また、好ましい形態の中間層15は、中間層15の総質量に対し、無機粒子を60質量%以上95質量%以下の範囲で含有しており、より好ましくは、無機粒子を70質量%以上90質量%以下の範囲で含有している。中間層の厚みについて特に限定はないが、0.01μm以上5μm以下の範囲が好ましい。
(第4の対策)
上記条件1、2を満たすための対策として、第2転写層20の、第1転写層10が位置する面とは反対側の面に接着層(図示しない)を設ける対策(以下、第4の対策と言う)を挙げることができる。第4の対策によれば、第2転写層20と被転写体300との密着性、及び第1転写層10と第2転写層20との密着性を調整することで、第1エネルギーの印加によって、第1転写層10を剥離させることなく、第2転写層20のみを被転写体300上に転写することが可能となる。
接着層はバインダー樹脂を含有しており、接着層を構成するバインダー樹脂としては、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。
接着層の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散ないし溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を第2転写層20上に塗布・乾燥して形成することができる。接着層の厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上10μm以下の範囲が好ましく、0.8μm以上2.0μm以下の範囲がより好ましい。
(背面層)
また、基材1の他方の面上に背面層(図示しない)を設けてもよい。背面層の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。
また、背面層は、固形あるいは液状の滑剤を含有していてもよい。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。背面層の総質量に対する滑剤の質量は、5質量%以上50質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲である。
背面層の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、背面層用塗工液を調製し、基材1上に塗布・乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
以上、一実施形態の熱転写シート100として、基材1上に、第1転写層10、第2転写層20がこの順で設けられた形態を中心に説明を行ったが、第1転写層10、第2転写層20以外に、複数の転写層を積層した構成とすることもできる。例えば、基材1上に、第1転写層10、第2転写層20、第3転写層(図示しない)、・・・、第N−1転写層(図示しない)、第N転写層(図示しない)をこの順で積層した転写層としてもよい。この場合、第2転写層20よりも、基材1から離れる位置にある転写層は、第2転写層20を剥離可能なエネルギーよりも高いエネルギーによって剥離されるように構成してもよく、つまりは、剥離時に、第2転写層20とともに剥離されるように構成してもよく、第1エネルギーよりも低いエネルギーで剥離されるように構成してもよい。例えば、基材1から遠くに位置する転写層ほど、剥離可能なエネルギーが低くなるように構成してもよい。
<被転写体>
一実施形態の熱転写プリントシステム500を構成する被転写体300について特に限定はなく、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を挙げることができる。また、被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体300は着色されたものであってもよく、透明性を有するものであってもよい。また、被転写体として、受容層を備える従来公知の熱転写受像シートを用いることもできる。
<エネルギー印加手段>
一実施形態の熱転写シートに印加するエネルギーを変更可能なエネルギー印加手段としては、印加するエネルギーを変更可能であり、当該熱転写シート100に、上記第1エネルギー、及び第2エネルギーを印加可能であるとの条件を満たすものであればよく、特に限定はない。このようなエネルギー印加手段としては、例えば、熱転写プリンタや、ホットスタンプ、ヒートロール等を挙げることができる。
<熱転写プリンタの機構・動作>
以下、一実施形態の熱転写プリントシステム500を構成するエネルギー印加手段が、熱転写プリンタ400である場合を例に挙げ、熱転写プリンタ400、及び動作の一例について、図1を参照しながら説明する。
図示する形態の熱転写プリンタ400において、第1供給部451には、熱転写シート100をリボン状に巻き取った巻取が装填されている。第1供給部451は、熱転写シート100の巻取を回転させ、熱転写シート100を、長尺帯状で転写部(エネルギー印加部453)に搬送する。
図示する形態の熱転写プリントシステム500において、熱転写プリンタ400を構成する第2供給部470は、熱転写シート100の搬送に合わせて、枚葉状の被転写体300を1枚ずつ繰り出す繰り出し装置、及び繰り出した被転写体300を搬送するコンベア装置等を有する。なお、被転写体300は長尺の巻取状のものでもよい。
図示する形態の熱転写プリントシステム500において、熱転写プリンタ400を構成する転写部は、サーマルヘッド453と、サーマルヘッド453の下方側に設けられた回転駆動自在なプラテンロール454と、サーマルヘッド453をプラテンロール454に対して昇降自在とさせる昇降手段(図示しない)を備えている。なお、サーマルヘッド453は、エネルギー印加部を構成する。図示する形態の熱転写プリントシステムにおいて、第1供給部451から供給された熱転写シート100、及び第2供給部470から供給された被転写体は、サーマルヘッド453とプラテンロール454との間を通過する。
図示する形態の熱転写プリントシステム500において、熱転写シート100は、第1供給部451としての供給ロール側から、ガイドロール455を経由して、サーマルヘッド453とプラテンロール454との間を通り、ガイドロール456を経由して、巻取りロール452に巻き取られる。サーマルヘッド453とプラテンロール454との間において、熱転写シート100の第2転写層20と、被転写体300とは対向している(図示しない)。
また、エネルギー印加部としてのサーマルヘッド453は、熱転写シート100に印加するエネルギーを変更可能となっている。
図示する形態の熱転写プリントシステム500において、熱転写プリンタ400を構成するサーマルヘッド453は、熱転写シート100の所定の領域に、第1エネルギーを印加し、第1エネルギーが印加された領域に対応する第2転写層20を、被転写体300上に転写する(図2(b)、図4(b)参照)。なお、一実施形態の熱転写プリントシステム500を構成する熱転写シート100は、第1エネルギーの印加では、第1転写層10が基材側から剥離されないように構成されており、第1エネルギーの印加では、第2転写層20のみが被転写体300上に転写される。
具体的には、熱転写シート100と、被転写体300とを位置合わせした後に、サーマルヘッド453をプラテンロール454に向けて降下させ、熱転写シート100、及び被転写体300を介して、サーマルヘッド453を、プラテンロール454に当接させる。また、プラテンロール454を回転駆動させて、熱転写シート100、及び被転写体300を下流側へ搬送する。この間、サーマルヘッド453は、熱転写シート100の所定の領域に、第1エネルギーを印加する。これにより、被転写体300上に、第2転写層20が転写される。
また、図示する形態の熱転写プリントシステム500において、熱転写プリンタ400を構成するサーマルヘッド453は、熱転写シート100の、上記第2転写層20が転写されていない領域に、第1エネルギーよりも高い、第2エネルギーを印加し、第2エネルギーが印加された領域に対応する第1転写層10を、第2転写層20とともに(図3(b)参照)、或いは、第1転写層10のみ(図5(d)参照)を、被転写体300上に転写する。具体的には、図示する形態の熱転写プリントシステム500は、熱転写シート100と、被転写体300とを位置合わせした後に、サーマルヘッド453をプラテンロール454に向けて降下させ、熱転写シート100、及び被転写体300を介して、サーマルヘッド453を、プラテンロール454に当接させる。また、プラテンロール454を回転駆動させて、熱転写シート100、及び被転写体300を下流側へ搬送する。この間、サーマルヘッド453は、熱転写シート100に、第2エネルギーを印加する。これにより、被転写体300上に、第2転写層20や、第2転写層20と第1転写層10がこの順で転写されてなる印画物を得る(図3(b)、図5(d)参照)。得られた印画物200は、排出部444へ搬送され、1枚ずつ集積される。
また、熱転写シートに印加するエネルギーを変更可能なエネルギー印加手段を有する一実施形態の熱転写プリントシステムにかえて、熱転写シートに印加するエネルギーを印加するエネルギー印加手段として、複数のエネルギー印加手段を有する他の実施形態の熱転写プリントシステムとすることもできる。また、熱転写シート100として、枚葉の熱転写シートを用いてもよい。
<<印画物の形成方法>>
本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、被転写体上に転写層が転写されてなる印画物の形成方法であって、被転写体と熱転写シートとを組合せ、熱転写シートにエネルギーを印加して、被転写体上に転写層を転写する工程を含み、被転写体と組合せて用いられる熱転写シートが、基材上に、第1転写層、第2転写層がこの順で積層されてなり、熱転写シートの第2転写層は、第1エネルギーを熱転写シートに印加することで基材側から剥離され、被転写体上に転写されるように構成され、熱転写シートの第1転写層は、第1エネルギーを熱転写シートに印加したときには基材側から剥離されず、第1エネルギーよりも、そのエネルギーが高い第2エネルギーを熱転写シートに印加することで、基材側から剥離され、第2転写層とともに被転写体上に転写されるように構成されていることを特徴としている。
上記特徴を有する一実施形態の印画物の形成方法によれば、被転写体上に、単層構成の転写層、或いは積層構成の転写層が選択的に転写されてなる印画物を簡便に得ることができる。
一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートや、被転写体は、上記一実施形態の熱転写プリントシステム500で説明した、エネルギー印加手段、熱転写シート100や、被転写体300をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
<印画物の形成例>
次に、一実施形態の熱転写プリントシステム500、及び一実施形態の印画物の形成方法を用いた印画物の形成例について説明する。なお、図2〜図5に示す形態では、図6に示す形態の熱転写シート100を用いているが、図7に示す形態や、これ以外の形態の熱転写シートであってもよい。
図2は、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第1エネルギーを印加したときの状態を示す概略断面図である。同図に示す形態では、図2(a)に示すように、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第1エネルギー印加領域に、第1エネルギーを印加することで、図2(b)に示すように、第2転写層の界面で剥離が生じ、被転写体300上に、第2転写層20が転写されてなる印画物200を得る。
図3は、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第2エネルギーを印加したときの状態を示す概略断面図である。同図に示す形態では、図3(a)に示すように、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第2エネルギー印加領域に、第2エネルギーを印加することで、図3(b)に示すように、第1転写層の界面で剥離が生じ、被転写体300上に、第2転写層20と第1転写層10がこの順で転写されてなる印画物200を得る。
図4は、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第1エネルギー印加領域に第1エネルギーを印加し、第2エネルギー領域に第2エネルギーを印加したときの状態を示す概略断面図である。同図に示す形態では、図4(a)に示すように、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第1エネルギー印加領域に、第1エネルギーを印加し、また、第1エネルギー印加領域とは異なる、第2エネルギー印加領域に、第2エネルギーを印加することで、図4(b)に示すように、第1エネルギー印加領域に対応する被転写体上に、第2転写層20が転写され、第2エネルギー印加領域に対応する被転写体300上に、第2転写層20と第1転写層10がこの順で転写されてなる印画物200を得る。
図5は、他の印画物の形成方法を示す概略断面図である。同図に示す形態では、はじめに、図5(a)に示すように、被転写体300と一実施形態の熱転写シート100とを重ね合わせ、第1エネルギー印加領域に、第1エネルギーを印加して、図5(b)に示すように、被転写体300上に、第2転写層20を転写する。次いで、図5(c)に示すように、第2転写層20が転写された被転写体300と、第2転写層20の転写が行われた熱転写シート100とを重ね合わせ、第1エネルギー印加領域と重なり、且つ第1エネルギー印加領域よりも、印加領域が小さい第2エネルギー印加領域に第2エネルギーを印加することで、第2転写層20上に、当該第2転写層20よりも転写面積が小さい第1転写層10が転写されてなる印画物200を得る。また、図5に示す形態において、被転写体300上であって、当該被転写体上に転写された第2転写層20と重ならない領域に、第1転写層10を転写してもよい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準であり、固形分の記載がある成分の配合量は、固形分に換算後の配合量である。
(実施例1)
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルK339―4.5W 三菱樹脂(株))を用い、この基材の一方の面上に、下記組成の第1転写層用塗工液1を、乾燥時の厚みが0.5μmになるように塗布・乾燥し第1転写層を形成した。次いで、第1転写層上に、下記組成の第2転写層用塗工液1を、乾燥時の厚みが0.6μmになるように塗布・乾燥し第2転写層を形成して、基材の一方の面上に、第1転写層、第2転写層がこの順で積層されてなる実施例1の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液1>
・アクリル樹脂 21.85部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・リン酸エステル 0.15部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・着色剤(カーボンブラック) 1部
(#950 三菱化学(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
<第2転写層用塗工液1>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 23部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例2)
第1転写層用塗工液1を、下記組成の第1転写層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液2>
・アクリル樹脂 21.3部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・リン酸エステル 0.7部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・着色剤(カーボンブラック) 1部
(#950 三菱化学(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例3)
第1転写層用塗工液1を、下記組成の第1転写層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液3>
・アクリル樹脂 21.3部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・オレフィン−マレイン酸共重合体 0.7部
(GD70−SR センカ(株))
・着色剤(カーボンブラック) 1部
(#950 三菱化学(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例4)
第1転写層用塗工液1を、下記組成の第1転写層用塗工液4に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液4>
・アクリル樹脂 21.3部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・シリコーンオイル 0.7部
(X―22―3939A 信越化学工業(株))
・着色剤(カーボンブラック) 1部
(#950 三菱化学(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例5)
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルK339―4.5W 三菱樹脂(株))を用い、この基材の一方の面上に、上記組成の第1転写層用塗工液2を、乾燥時の厚みが0.5μmになるように塗布・乾燥し第1転写層を形成した。次いで、第1転写層上に、下記組成の中間層用塗工液1を、乾燥時の厚みが0.05μmになるように塗布・乾燥し中間層を形成した。次いで、中間層上に、上記組成の第2転写層用塗工液1を、乾燥時の厚みが0.6μmになるように塗布・乾燥し第2転写層を形成して、基材の一方の面上に、第1転写層、中間層、第2転写層がこの順で積層されてなる実施例5の熱転写シートを得た。
<中間層用塗工液1>
・ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体 5部
(PVP/VA−E335 ISAジャパン(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 18部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・イソプロピルアルコール 77部
(実施例6)
中間層用塗工液1を、下記組成の中間層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
<中間層用塗工液2>
・ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体 5部
(PVP/VA−E335 ISAジャパン(株))
・コロイダルシリカ(固形分20%) 18部
(スノーテックス(登録商標)0 日産化学工業(株))
・イソプロピルアルコール 77部
(実施例7)
第2転写層用塗工液1を、下記組成の第2転写層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
<第2転写層用塗工液2>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 23部
(ソルバイン(登録商標)CL 日信化学工業(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例8)
第2転写層用塗工液1を、下記組成の第2転写層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例8の熱転写シートを得た。
<第2転写層用塗工液3>
・ポリエステル樹脂 23部
(バイロン(登録商標)700 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・トルエン 38.5部
(実施例9)
第2転写層上に、下記組成の接着層用塗工液を乾燥時の厚みが0.8μmとなるように塗布・乾燥して接着層を形成した以外は、全て実施例5と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
<接着層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 23部
(バイロン(登録商標)290 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・トルエン 38.5部
(実施例10)
第1転写層用塗工液2を、下記組成の第1転写層用塗工液5に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例10の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液5>
・アクリル樹脂 21.3部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・リン酸エステル 0.7部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・着色剤(染料) 1部
(Solvent Blue 63)
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例11)
第1転写層用塗工液2を、上記組成の第1転写層用塗工液5に変更し、第2転写層用塗工液1を、上記組成の第2転写層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例11の熱転写シートを得た。
(実施例12)
第1転写層用塗工液2を、上記組成の第1転写層用塗工液5に変更し、第2転写層用塗工液1を、上記組成の第2転写層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例12の熱転写シートを得た。
(実施例13)
第1転写層用塗工液2を、下記組成の第1転写層用塗工液6に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例13の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液6>
・アクリル樹脂 21.3部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・リン酸エステル 0.7部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・パターン形成材(蛍光増白材) 1部
(TINOPAL(登録商標)OB BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(実施例14)
第1転写層用塗工液2を、上記組成の第1転写層用塗工液6に変更し、第2転写層用塗工液1を、上記組成の第2転写層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例14の熱転写シートを得た。
(実施例15)
第1転写層用塗工液2を、上記組成の第1転写層用塗工液6に変更し、第2転写層用塗工液1を、上記組成の第2転写層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例5と同様にして、実施例15の熱転写シートを得た。
(比較例1)
第1転写層用塗工液1を、下記組成の第1転写層用塗工液Aに変更した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
<第1転写層用塗工液A>
・アクリル樹脂 22部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・着色剤(カーボンブラック) 1部
(#950 三菱化学(株))
・メチルエチルケトン 38.5部
・酢酸n−プロピル 38.5部
(熱転写受像シートの作成)
厚さ35μmの多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール(登録商標)SS P4255 東洋紡(株))からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液3を、グラビアリバースコート方式で、乾燥後の厚みが1.5μmとなるように、塗布・乾燥し、中間層を形成した。次いで、中間層上に、下記組成の受容層用塗工液を、グラビアリバースコート方式で、乾燥後の厚みが5μmとなるように、塗布・乾燥し、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を、グラビアリバースロールコート方式で、乾燥後の厚みが5μmとなるように、塗布・乾燥し、接着層を形成し、厚さが151μmのRC原紙(155g/m2 三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作成した。
(中間層用塗工液3)
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスター(登録商標)WR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 堺化学工業(株))
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックス(登録商標)BAC BASFジャパン社)
・水 14.4部
・イソプロピルアルコール 14.4部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 2.5部
・トルエン 2.5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラック(登録商標)A−969V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケネート(登録商標)D218A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 100部
(熱転写受像シート1(黒ベタ画像の形成))
昇華型転写プリンタ(DS40 大日本印刷(株))と、該プリンタの純正リボンを用い、上記で作成した熱転写受像シートの受容層上に、黒ベタ画像(画像階調:0/255階調)が印画されてなる熱転写受像シート1を得た。
(熱転写受像シート2(黒のステップ画像の形成))
昇華型転写プリンタ(DS40 大日本印刷(株))と、該プリンタの純正リボンを用い、上記で作成した熱転写受像シートの受容層上に、黒のステップ画像が形成されてなる熱転写受像シート2を得た。
(第1エネルギーの印加(印画物A、印画物A'の作成))
上記黒ベタ画像を形成した熱転写受像シート1と、各実施例、及び比較例の熱転写シートを重ね合わせ、ラミネーター(Lamipacker LPD3226 Meister6 フジプラ(株))を用いて、上記画像と重なる位置に対応する、熱転写シートの背面側に、80(℃)、1(m/min.)の条件にて第1エネルギーを印加し、各実施例、及び比較例の印画物Aを得た。また、上記黒ベタ画像を形成した熱転写受像シート1を、上記黒のステップ画像を形成した熱転写受像シート2に変更した以外は、印画物Aの作成と同じ条件で、各実施例、及び比較例の印画物A'を得た。
(転写性評価1)
上記第1エネルギーを印加して印画物Aを形成するときの、各実施例、及び比較例の転写層の転写性を目視で確認し、下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
A:第2転写層のみが転写されている。
NG:第2転写層が転写されていない。
(第2エネルギーの印加(印画物B、印画物B'の作成))
上記黒ベタ画像を形成した熱転写受像シート1と、各実施例、及び比較例の熱転写シートを重ね合わせ、ラミネーター(Lamipacker LPD3226 Meister6 フジプラ(株))を用いて、上記画像と重なる位置に対応する、熱転写シートの背面側に、100(℃)、1(m/min.)の条件にて第2エネルギーを印加し、各実施例、及び比較例の印画物Bを得た。また、上記黒ベタ画像を形成した熱転写受像シート1を、上記黒のステップ画像を形成した熱転写受像シート2に変更した以外は、印画物Bの作成と同じ条件で、各実施例、及び比較例の印画物B'を得た。
(転写性評価2)
上記第2エネルギーを印加して印画物Bを形成するときの、各実施例、及び比較例の転写層の転写性を目視で確認し、下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
A:第1転写層、第2転写層の双方が転写されている。
NG:第1転写層が転写されていない、又は、第2転写層のみが転写されている。
(耐キズ性評価)
上記第1エネルギー、第2エネルギーの印加によって得られた、各実施例、及び比較例の印画物A(第1エネルギーの印加により得られた印画物),B(第2エネルギーの印加により得られた印画物)のそれぞれを、試験用添付白布(綿、カナキン3号)と重ね合わせて、10g/cm2の荷重をかけて、50回往復摩擦試験を行い、目視にて、印画物に形成された画像の状態を確認し、下記評価基準に基づいて耐キズ性を評価した。
「評価基準」
A:画像が全く影響を受けていない。
B:画像が摩擦の影響を受け始めているが、ほとんど目立たない。
C:若干の摩耗が確認されるが、使用上問題ないレベルである。
D:かなり摩耗しており、使用上問題がある。
(耐光性評価)
上記第1エネルギー、第2エネルギーの印加によって得られた、各実施例、及び比較例の印画物A'(第1エネルギーの印加により得られた印画物),B'(第2エネルギーの印加により得られた印画物)に対し、以下に示す耐光性試験の条件で、ランプ照射を行い、耐光性評価を行った。
「耐光性試験の条件」
・照射試験器:アトラス社製Ci4000
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=CIRA
外側=ソーダライム
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m2)・・・420(nm)での測定値
・照射エネルギー:400(kJ/m2)・・・420(nm)での積算値
上記耐光性試験の条件において、ランプ照射前後の光学反射濃度の変化を光学濃度計(Spectrolino X−Rite社)により測定し、照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、濃度残存率を下記の式により算出し、下記の評価基準に基づいて耐光性評価を行った。評価結果を表1に示す。
濃度残存率=(照射後の光学濃度)/(照射前の光学濃度)×100
「評価基準」
A:濃度残存率が85%以上である。
B:濃度残存率が80%以上85%未満である。
NG:濃度残存率が80%未満である。
(隠蔽性評価)
上記第1エネルギーの印加により得られた、実施例1〜9、及び比較例1の印画物A(第1エネルギーの印加により得られた印画物)を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて隠蔽性評価を行った。
「評価基準」
A:第2転写層により画像が隠蔽されており、目視で画像を確認できない。
B:第2転写層により画像が隠蔽されているが、目視で画像を確認できる。
NG:第2転写層が転写されておらず、画像が隠蔽されていない。
(着色性評価)
上記第1エネルギーの印加により得られた、実施例10〜12、及び比較例1の印画物A(第1エネルギーの印加により得られた印画物)を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて着色性評価を行った。
「評価基準」
A:第2転写層により画像が着色されている。
B:第2転写層が転写されておらず、画像が着色されていない。
(パターン形成性評価)
上記第1エネルギーの印加により得られた、実施例13〜15、及び比較例1の印画物A(第1エネルギーの印加により得られた印画物)に、UV光を照射し、所望のパターン形成が行われているかを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて着色性評価を行った。
「評価基準」
A:第2転写層により、画像上に蛍光パターンが形成されている。
B:第2転写層が転写されておらず、画像上に蛍光パターンが形成されていない。
Figure 2018171871
100…熱転写シート
1…基材
10…第1転写層
15…中間層
20…第2転写層
200…印画物
300…被転写体
400…熱転写プリンタ(エネルギー印加手段)
453…エネルギー印加部
500…熱転写プリントシステム

Claims (6)

  1. エネルギー印加手段、熱転写シート、及び被転写体を有する熱転写プリントシステムであって、
    前記熱転写シートは、基材上に、第1転写層、第2転写層がこの順で積層されてなり、
    前記エネルギー印加手段は、前記熱転写シートに印加するエネルギーを変更可能であり、
    前記熱転写シートの前記第2転写層は、前記エネルギー印加手段から第1エネルギーを前記熱転写シートに印加することで前記基材側から剥離され、前記被転写体上に転写されるように構成され、
    前記熱転写シートの前記第1転写層は、前記エネルギー印加手段から前記第1エネルギーを前記熱転写シートに印加したときには前記基材側から剥離されず、前記第1エネルギーよりも、そのエネルギーが高い第2エネルギーを前記熱転写シートに印加することで、前記基材側から剥離され、前記被転写体上に転写されるように構成されている、
    ことを特徴とする熱転写プリントシステム。
  2. 前記エネルギー印加手段が、エネルギー印加部を有する熱転写プリンタである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱転写プリントシステム。
  3. 前記熱転写シートの前記第1転写層が、隠蔽層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写プリントシステム。
  4. 前記熱転写シートの前記第1転写層が、離型剤を含有しており、前記離型剤が、リン酸エステル、オレフィン−マレイン酸共重合体、シリコーンオイルの何れかであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写プリントシステム。
  5. 前記熱転写シートの前記第2転写層が、ポリエステル樹脂、又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写プリントシステム。
  6. 前記熱転写シートの前記第1転写層と、前記第2転写層との間に、中間層が設けられ、
    前記中間層が、無機粒子を含有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱転写プリントシステム。
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