JP3789033B2 - レンチキュラーレンズシート印画物の製造方法 - Google Patents

レンチキュラーレンズシート印画物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写によって画像が形成されたレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
その背面に画像が形成されたレンチキュラーレンズシートは、その前面に設けられたレンチキュラーレンズを通して見ると、見る角度によって二画面以上の画像を視認することができ、例えば立体画像や擬似的な動画を観賞することができる。レンチキュラーレンズシートの背面に印字された画像は、二以上の画像をそれぞれ短冊状に分割し、再構成された疑似画像である。そのため、見る角度によって映し出される個々の画像は、短冊状に分割された一画面分の疑似画像がレンチキュラーレンズで屈折され、一つの画像としてレンズ前面から観賞される。
【0003】
疑似画像の形成位置がズレたり、多色印刷時に色ズレが生じたりすると、レンチキュラーレンズを通して観賞される画像がぼけたり、重なり合ったり、連続的な画像にならなかったりする場合がある。このため、所定の位置に精度良く疑似画像を形成することが要求されている。また、画像品質に優れた見栄えの良い画像が要望されている。
【0004】
特開平6−282019号公報には、昇華型熱転写法により、レンチキュラーレンズシートへ疑似画像を形成する方法が開示されている。この方法は、レンチキュラーレンズシートの背面上に、染料受容層を塗工、乾燥して設け、その染料受容層に熱転写によって疑似画像が形成される。また、隠蔽性を高めるために、染料受容層上に白色層または淡色層を塗布または貼り合わせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した疑似画像の形成方法においては、レンチキュラーレンズシートへの染料受容層の形成、染料受容層への熱転写による疑似画像の形成および隠蔽性向上のための隠蔽層の形成がそれぞれ異なる方法および別々の工程で行われる。そのため、疑似画像の形成が煩雑であり、疑似画像および白色層を精度良く形成することができない場合があった。また、白色層または淡色層を塗布する場合、塗布液中の溶剤により転写された疑似画像がにじむおそれがあるとともに、レンチキュラーレンズシート印画物(以下、印画物という)の白色または淡色隠蔽性も十分ではなかった。
【0006】
上記の問題を解決するため、本発明の目的は、レンチキュラーレンズシートの背面に、品質の優れた疑似画像を簡便に且つ短時間に設けることができるレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法、およびかかる方法によって印画濃度が高く、画像品質および白色隠蔽性に優れた画像を観賞することができる印画物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法は、基材フィルムの同一平面状に、少なくとも色材転写部と白色層転写部とを面順次に設けた一体型熱転写シートを準備し、該熱転写シートの色材転写部からレンチキュラーレンズシートの背面側に加熱デバイスを用いて色材を熱移行させて、該レンチキュラーレンズシートを通して見たときに二以上の画像を視認できる擬似画像を形成し、その後すぐに連続して、同じ加熱デバイスを用いて該熱転写シートの白色層転写部から擬似画像の上に白色層を熱転写することに特徴を有する。また、基材フィルムの同一平面上には、受容層転写部を、色材転写部と白色層転写部と共に面順次に設けた一体型熱転写シートを用いることもでき、該熱転写シートの受容層転写部から前記レンチキュラーレンズシートの背面側に加熱デバイスを用いて受容層を熱転写し、その後すぐに連続して、同じ加熱デバイスを用いて該受容層上に前記擬似画像と前記白色層を形成することができる。
【0008】
このように、本発明によれば、一体型熱転写シートを用いることにより、一連の転写動作、例えばプリンター内での連続した熱転写によって、レンチキュラーレンズシートに疑似画像と白色層とを形成することができるため、転写画像の位置ズレを起こしにくく、全ての層をを熱転写によって形成しているので、品質の優れた疑似画像を簡便に形成することができる。また、染着性に乏しいレンチキュラーレンズシートにあっては、受容層転写部を備えた一体型熱転写シートを用いることによって、印画濃度の高い疑似画像を品質よく簡便に形成することができる。
【0009】
また、前記白色層を、全光線透過率が60%以下の白色隠蔽層とすることによって、十分な隠蔽性を有するレンチキュラーレンズシート印画物を製造することができ、特に、全光線透過率が50%以下が好ましい。
【0010】
前記白色層転写部を、剥離層と白色層とをこの順に基材フィルム上に積層したものとすることにより、白色層をレンチキュラーレンズシート上に転写ムラなく容易に転写することができる。この時、前記剥離層と前記白色層とで積層されてなる層の全光線透過率は、60%以下であることが好ましい。
【0011】
また、前記受容層転写部を、離型層と受容層と接着層とがこの順に基材フィルム上に積層されてなるものとすることができ、前記色材転写部を、昇華性染料層とすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のレンチキュラーレンズシート印画物24の製造方法の一例を示す模式図である。ここで用いられる熱転写シートは、図2において詳述するように、基材フィルム12上に、少なくとも一色以上の昇華性染料層14が面順次に設けられた色材転写部22と、転写後の全光線透過率が60%以下となる白色層16が少なくとも設けられた白色層転写部23とが面順次に設けられた一体型熱転写シート(以下、熱転写シート4という)である。レンチキュラーレンズシート1が染着性に乏しい場合には、基材フィルム12上に少なくとも受容層18が設けられた受容層転写部21を、受容層転写部21、色材転写部22、白色層転写部23の順で基材フィルム12の同一面上に設けた熱転写シート4を用いることができる。
【0016】
レンチキュラーレンズシート1の背面3への疑似画像の形成は、平面プラテン7またはプラテンローラー(図示しない)とサーマルヘッド等の加熱デバイス6との間に、熱転写シート4とレンチキュラーレンズシート1とを重ね合わせて密着させ、この状態でレンチキュラーレンズシート1をA方向に移動させながら、加熱デバイス6により加熱し、熱転写シート4からレンチキュラーレンズシート1上に各転写層を転写形成することによって行われる。
【0017】
レンチキュラーレンズシート1は、平面プラテン7の移動またはプラテンローラーの回転によりA方向に移動する。また、熱転写シート4は、巻き取りロール5により、レンチキュラーレンズシート1の移動速度と同じ速度で巻き取られ、レンチキュラーレンズシート1がA方向に移動している間に、一つの転写層がレンチキュラーレンズシート1上に転写形成される。
【0018】
レンチキュラーレンズシート1上には、受容層18が転写され、各色の染料が受容層18に移行し、白色層16等が順次転写される。レンチキュラーレンズシート1がA方向に移動する際、最初に受容層18が転写される。次いで、レンチキュラーレンズシート1がB方向に戻されて、所定の位置で停止した後、再びA方向に移動する際に熱転写シート4の一色目の染料層14から染料が移行する。さらに、レンチキュラーレンズシート1がB方向に戻されて、所定の位置で停止した後、再びA方向に移動する際に熱転写シート4の二色目の染料層14から染料が移行する。このように、A→B→A→B→・・と進行方向を変えて移動し、レンチキュラーレンズシート1上に熱転写シート4の各染料層14から染料が移行して疑似画像が形成され、さらに転写後の全光線透過率が60%以下となる白色層16が転写されて白色隠蔽性に優れたレンチキュラーレンズシート印画物24が形成される。なお、B方向に戻る際には、加熱デバイス6とレンチキュラーレンズシート1との密着は開放される。
【0019】
レンチキュラーレンズシート1と同じ速度で巻き取られる熱転写シート4は、レンチキュラーレンズシート1がB方向に戻る際に、それと共に巻き戻しされずにそのままの状態を保ち、必要に応じて次に転写される層の頭出しが行われる。こうして、熱転写シート4から順次各転写層が転写され、レンチキュラーレンズシート印画物24が得られる。
【0020】
上述したように、レンチキュラーレンズシート印画物24の製造方法によれば、同一の基材フィルム12上に形成された各転写層を、一連の連続した転写動作でレンチキュラーレンズシート1の背面3上に転写して疑似画像を形成することができる。
【0021】
従来は、一体型熱転写シートが用いられておらず、染料層14と白色層16を同一のレンチキュラーレンズシート1上に面順次に形成できなかったので、染料層14を転写して一旦疑似画像を形成した後、別工程で白色層16を形成する必要があったため、疑似画像と白色層16を精度よく、簡便に短時間で設けることができなかったが、本発明では、一体型熱転写シートを用いることによって、染料層14と白色層16を同一のレンチキュラーレンズシート1上に一連の連続した転写動作で、しかも一本のサーマルヘッド(加熱デバイス6)によって面順次に形成することができるので、疑似画像の位置ズレを起こしにくく、またその形成が極めて簡便となった。その結果、疑似画像と白色層16を精度よく、簡便に短時間でレンチキュラーレンズシート1上に設けることができできた。これにより、小型のプリンター内で疑似画像を形成することが可能となるため、粉塵等に汚染されにくく、位置ズレによる色ぼけが少なく、品質の良い疑似画像が形成されたレンチキュラーレンズシート印画物24を得ることができる。
【0022】
図2は、本発明のレンチキュラーレンズシート印画物24の製造方法に使用される熱転写シート4の構成の一例を示す模式図である。本発明で使用される熱転写シート4には、基材フィルム12の一方の面上に、離型層17と受容層18と接着層19とがこの順で積層された受容層転写部21と、イエロー、マゼンタおよびシアンの各染料層14が面順次に設けられた色材転写部22と、剥離層15と白色層16とがこの順に積層された白色層転写部23とが面順次に設けられている。
【0023】
基材フィルム12は、その他方の面上に、耐熱層13が設けられたものを使用することができる。
【0024】
白色層16は、転写後の全光線透過率が60%以下となるように、白色顔料とバインダー樹脂とにより調節され、形成された疑似画像上に、疑似画像と同一の大きさまたは疑似画像より一回り大きい大きさで加熱デバイス6(サーマルヘッ等)によって転写形成される。
【0025】
白色層16は、必要に応じて接着性の樹脂バインダーを含有させることもでき、接着層を介さないで疑似画像上に転写してもよい。なお、レンチキュラーレンズシート1が染料の染着性に乏しい場合には、受容層転写部21を、基材フィルム12上に色材転写部22と白色層転写部23と共に設けることが好ましく、レンチキュラーレンズシート1が良好な染着性を有する場合には、受容層転写部21は必ずしも必要ではない。
【0026】
このように、本発明で用いられる熱転写シート4には、受容層18、染料層14、白色層16等の必要とされる全ての層が基材フィルム12の同一面上に設けられているため、一連の連続的な転写動作で、一枚の熱転写シート4からレンチキュラーレンズシート1上に疑似画像を簡便に且つ効率的に形成することができる。
【0027】
図3は、本発明のレンチキュラーレンズシート印画物24の一例を示す断面図である。レンチキュラーレンズシート印画物24は、上述した方法により、熱転写シート4からレンチキュラーレンズシート1の背面3上に転写され、接着層19と受容層18(疑似画像を含む)と白色層16と剥離層15とが、この順で積層されて形成される。
【0028】
染着性に優れた受容層18は、基材フィルム12上に接着よく設けられた離型層17との境界面から離れ、レンチキュラーレンズシート1の背面3上に接着層19を介して転写形成される。このため、染着性に乏しいレンチキュラーレンズシート1にも疑似画像を形成することが可能となる。なお、レンチキュラーレンズシート1が染着性に優れる場合には、受容層18を設けることなく、疑似画像をレンチキュラーレンズシート1上に直接形成することができる。
【0029】
染料層14が、基材フィルム12上に接着よく設けられていない場合には、基材フィルム12を易接着処理することによって、基材フィルム12と染料層14との接着性を向上させることができる。
【0030】
一方、易接着処理することによって、基材フィルム12と受容層18との接着が必要以上に強くなるおそれがある。しかしながら、受容層18は、基材フィルム12から容易に離れてレンチキュラーレンズシート1に転写されなければならない。そのため、易接着処理された基材フィルム12と受容層18との間に離型層17を設けることによって、受容層18を容易にレンチキュラーレンズシート1上に転写することができる。また、受容層18自体の離型性をよくするために、後述するような所定の割合の離型剤を、受容層18に含有させてもよい。
【0031】
受容層18を転写した後、熱転写シート4の同一面上に面順次に設けられたイエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層14中の染料を、熱転写によって受容層18に順次移行させることによって、疑似画像が形成される。この時、必要に応じて、ブラック染料層を設けることもできる。各染料層14は、昇華性染料であっても熱溶融性インキであってもよく、易接着処理された基材フィルム12上に接着よく設けられているため、受容層18に染料を良好に移行させ、階調性の良い合成された疑似画像を形成することができる。
【0032】
疑似画像が形成された受容層18上には、熱転写シート4の同一面上に設けられた白色層16が、熱転写によって、剥離層15と共に転写形成される。白色層16は、転写後の全光線透過率が60%以下となるように、白色顔料とバインダー樹脂との割合が適正な範囲に調節されている。
【0033】
白色隠蔽性をより向上させるため、白色層16と同時に転写される剥離層15に、白色顔料を含有させることができる。これにより、白色層16中の白色顔料の割合が低下し、全光線透過率が60%を超えて白色隠蔽性が不足するような場合であっても、その不足を補うことができる。
【0034】
このように、本発明によれば、レンチキュラーレンズシート1が染着性を有する場合には色材転写部22および白色層転写部23が、または、レンチキュラーレンズシート1が染着性に乏しい場合には受容層転写部21、色材転写部22および白色層転写部23が、同一の基材フィルム12上に面順次に設けられているため、一連の連続的な転写動作で疑似画像の形成およびレンチキュラーレンズシート印画物24の製造を効率的に行うことができる。このため、ゴミの混入を防止することができるとともに、疑似画像の形成時の位置ズレを最小限にするのに好適であるため、精度よく疑似画像を転写形成することができ、レンチキュラーレンズシート印画物24の製造も容易となる。また、転写するためのプリンター等の小型化および低コスト化を達成することもできる。さらに、白色層16中の白色顔料とバインダー樹脂との割合を調節したり、剥離層15中に白色顔料を含有させることによって、白色隠蔽性を維持または向上させることができ、白色隠蔽性に優れたレンチキュラーレンズシート印画物24を簡便に短時間で製造することができる。また、白色顔料を調整することによって、透過性のよいバックライト型のレンチキュラーレンズシート印画物24とすることも可能となる。
【0035】
以下に、本発明で使用される熱転写シート4を構成する各層およびその形成方法について順次説明する。
【0036】
先ず、基材フィルム12について説明する。基材フィルム12には、必要に応じて、易接着処理を施したり、耐熱層13を設けることができる。
【0037】
(基材フィルム)
熱転写シート4に用いられる基材フィルム12は、ある程度の耐熱性と強度とを有するものであれば、従来公知のものを使用することができる。例えば、0.5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネイトフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロファン等を使用でき、特にポリエステルフィルムが好ましい。
【0038】
基材フィルム12とその表面に設けられる染料層14との密着が乏しい場合には、基材フィルム12の表面に、易接着処理として、プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。また、後述するように、白色層転写部23の剥離層15が凝集破壊してレンチキュラーレンズシート1に転写される場合にも、基材フィルム12と剥離層15との接着が強いことが必要である。そのため、基材フィルム12の表面に易接着処理することが好ましい。
【0039】
(耐熱層)
熱転写シート4に、必要に応じて設けることができる耐熱層13は、転写の際、熱転写シート4の裏面に接触する加熱デバイス6の熱に基づく悪影響、即ちスティッキングや印字シワ等を防止できるので好ましい。
【0040】
耐熱層13を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンもしくはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0041】
これらの樹脂からなる耐熱層13に添加または上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられ、好ましくは、ポリオール、例えばポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物およびリン酸エステル化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
【0042】
耐熱層13は、上記樹脂、滑り性付与剤、さらに充填剤を、適当な溶剤で溶解または分散させて耐熱層用塗工液を調製し、この塗工液を基材フィルム12の他方の面(染料層14等が形成されない面)に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア板を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0043】
次に、色材転写部22について説明する。
【0044】
(染料層)
熱転写シート4に用いられる染料層14は、染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分、さらに、有機フィラーを加えた塗工液から形成される。染料は、熱溶融性インキであっても昇華性染料であってもよく、何れも従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。なお、以下では主に昇華性染料について説明するが、これによって昇華性染料のみに限定されるものではない。
【0045】
幾つかの好ましい昇華性染料としては、マゼンタ染料としては、MS RedG、Macrolex Red Violet R、Ceres Red 7B、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、イエロー染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、シアン染料としては、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられる。
【0046】
上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂としては、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。好ましいものとしては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロースもしくは酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンもしくはポリアクリルアミド等のビニル系樹脂またはポリエステル等が挙げられる。
【0047】
また、転写時に、基材フィルム12との離型性を高めるために、アクリル系、ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系またはセルロース系の樹脂の主鎖にグラフト結合したポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメントおよび長鎖アルキルセグメントから選ばれる少なくとも一種の離型性セグメントを有するグラフトコポリマーを、バインダー樹脂として用いてもよい。
【0048】
染料層14に含有する有機フィラーとしては、染料層用塗工液と濡れ性のよいものであればよく、次に挙げる高分子材料またはそれらを主体とする組成物のフィラーを用いることができる。例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキッド樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、デンプンおよびその誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミノビスマレイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、AS樹脂、ABS樹脂、SBR等が挙げられる。
【0049】
有機フィラーと染料層用塗工液との濡れ性のよい代表的な組み合わせとしては、ポリエチレンフィラーまたはフィシャートロプシュワックス等の有機フィラーと、ポリビニルアセトアセタールをバインダー樹脂とした染料層用塗工液が挙げられる。
【0050】
染料層14の塗工厚は、乾燥状態で0.2〜3μmが好ましく、0.3〜2μmがより好ましい。
【0051】
染料層14は、上記昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分を、適当な溶剤で溶解または分散させて耐熱層用塗工液を調製し、さらに有機フィラーを加えて分散させた塗工液を、基材フィルム12上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア板を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0052】
次に、白色層転写部23について説明する。白色層転写部23には、転写後のレンチキュラーレンズシート印画物24に適度な隠蔽性等を持たせるための白色層16と、白色層16を基材フィルム12から円滑に剥離するための剥離層15とを備えている。
【0053】
(白色層)
熱転写シート1に用いられる白色層16は、転写後の印画物24に適度な白色隠蔽性と光拡散性を持たせるための白色顔料と、バインダー樹脂とから構成されている。また、白色層16が接着層を介さないで疑似画像上に転写する場合には、従来公知の接着性を有するバインダー樹脂を使用したり、接着剤を含有させてもよい。白色顔料としては、典型的な白色顔料のほか、充填材を用いることができる。したがって、ここでいう白色顔料には充填材が含まれる。
【0054】
白色顔料は、硬い固体粒子であり、例えば、酸化チタンまたは酸化亜鉛等の白色顔料、シリカ、アルミナ、クレイ、タルク、炭酸カルシウムまたは硫酸バリウム等の無機充填剤、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂等の樹脂粒子(プラスチックピグメント)が用いられる。なお、酸化チタンには、ルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンとがあるが、何れでもよい。
【0055】
バインダー樹脂は、従来公知のものを用いることができるが、好ましくはアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂またはこれらの一部架橋樹脂である。
【0056】
白色層16には、上記白色顔料とバインダー樹脂との他に、蛍光増白剤を添加することができる。蛍光増白剤は、スチルベンゼン系化合物またはピラゾリン系化合物等のような蛍光増白効果のある公知化合物を使用することができる。また、白色層16に若干の着色剤を含有させてもよい。
【0057】
白色層16は、それが転写されたレンチキュラーレンズシート印画物24をバックライトによる透過光で観賞する場合には、適度な光拡散性と光透過性を持たせる必要があり、一方、それが転写されたレンチキュラーレンズシート印画物24を正面からの反射光で観賞する場合には適度な光拡散性と光反射性を持たせる必要がある。後者の場合、転写後の白色層16の全光線透過率は60%以下であることが好ましく、特に連続画像となるような疑似画像を形成するような場合には50%以下が好ましい。
【0058】
転写後の白色層16の全光線透過率を60%以下にして、十分な白色隠蔽性を付与するために、白色層16を構成するバインダー樹脂(A)と白色顔料(B)との比を、A/B=1/1〜1/10の範囲に設定することが好ましい。この量比の下限を1/1.5とし、または、その上限を1/6とするのが特に好ましい。A/Bの比は、白色層16が転写される対象となるレンチキュラーレンズシート1または受容層18の材質によって適宜その範囲内で設定される。A/Bが1/1よりも大きくなると全光線透過率が60%を越えて白色隠蔽性が低下する場合がある。また、白色顔料を多くしてA/Bが1/10よりも小さくなると、塗膜性が落ちるので、擦過性が劣る場合があったり樹脂分が少なくなることにより接着性が落ちる場合がある。
【0059】
白色層16の厚さは、0.5〜10μm程度とする。
【0060】
全光線透過率の測定は、JIS K 7105で規定される。熱転写シート4の白色層転写部23の全光線透過率を60%以下、好ましくは50%以下となるように、上記のA/B比と白色層16の厚さを設定することによって、優れた印画物24を形成することができる。
【0061】
(剥離層)
熱転写シート4に用いられる剥離層15は、白色層16とともに白色層転写部23を構成し、基材フィルム12と白色層16との間に形成されている。剥離層15は、熱転写シート4とレンチキュラーレンズシート1との融着を防止して、白色層16がレンチキュラーレンズシート1に設けられた受容層18上に転写ムラなく、容易に転写されるために設けられる。
【0062】
剥離層15としては、例えば、剥離層15と基材フィルム12の界面で分離する離型性剥離層や、剥離層15の層内で凝集破壊を起こして基材フィルム12から分離する凝集性剥離層を形成することができる。
【0063】
離型性剥離層は、バインダー樹脂に必要に応じて離型性材料を添加して構成することができる。使用可能なバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、あるいは熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエレタン系樹脂、アミノアルキッド樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の一種または二種以上からなる組成物から離型性剥離層を構成することができる。
【0064】
また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂等の離型性を有する樹脂、タルク、シリカの微粒子、界面活性剤や金属セッケン等の滑剤等が使用できる。
【0065】
離型性剥離層は、離型性を有する樹脂から構成することもできる。この場合、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂等が使用でき、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂分子中にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント等の離型性セグメントがグラフトしたグラフトポリマーを使用してもよく、上記の樹脂の一種または二種以上からなる組成物から構成することもできる。離型性剥離層には、上記の材料のほかに、スチルベンゼン系、ピラゾリン系等の蛍光像増白効果のある従来公知の蛍光増白剤を添加してもよい。
【0066】
凝集破壊性剥離層は、白色層転写部23が受容層18上に転写される際に、剥離層15の厚さ方向の中間付近でいわゆる凝集破壊を起こして、その一部が基材フィルム12から剥がれずに残り、他の一部が印画物24上に転写される。凝集破壊性剥離層が剥離してレンチキュラーレンズシート1上に移行すると、印画物24の最表面には凝集破壊面の凹凸形状が形成される。印画物24の最表面に形成された凹凸は、例えば、バックライトによる透過光で観賞する場合には、照射された光を拡散し、反射させる。このことは、白色層16の光拡散性を補充し、良好な光拡散性と光透過性を併有する見栄えのよい印画物24を形成することができる。
【0067】
凝集破壊性剥離層を形成するための材料は、バインダー樹脂と、必要に応じて添加される離型性材料とが使用される。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルもしくはポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールもしくはポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロースもしくは酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂等の一種または二種以上の樹脂を使用することができる。これらのバインダー樹脂は、熱転写時に基材シート2との融着を防ぐため、Tgまたは軟化点が100℃以上の樹脂を含むことが好ましい。また、適切な離型性材料と組み合わせることにより、Tgまたは軟化点が100℃未満の樹脂でも用いることができる。
【0068】
離型性材料としては、ワックス類、タルクもしくはシリカ等の無機微粒子または有機微粒子を使用できる。離型性材料は、バインダー樹脂量に対して0.1〜200重量%添加することが好ましく、更に好ましくは10〜100重量%である。
【0069】
凝集破壊性剥離層に離型性材料を使用しない場合は、上記バインダー樹脂のうち、樹脂同志の相溶性が低い二種類以上を使用することによって、剥離層15を形成するバインダー樹脂同士の界面で剥離させることができる。
【0070】
剥離層15に白色顔料を含有させることによって、印画物24の白色隠蔽性を向上させることもできる。例えば、白色隠蔽性が不十分な場合、白色層16だけでなく剥離層15にも白色顔料を含有させて、白色層16と剥離層15とで全光線透過率を60%以下にして十分な白色隠蔽性を有する印画物24を得ることができる。
【0071】
また、白色層16に接着性を付与したい場合や接着性を向上させたい場合には、白色層16に接着性のバインダー樹脂を含有させることができるが、この場合、おのずと白色顔料の割合が低下し、白色隠蔽性が不足してくる場合がある。このような白色層16の白色隠蔽性を補うため、剥離層15に白色顔料を含有させて、十分な白色隠蔽性を有する印画物24を得ることもできる。
【0072】
剥離層15に含有させる白色顔料としては、上述と同様に、酸化チタンまたは酸化亜鉛等を使用することができる。白色顔料の含有量は、白色層16の白色隠蔽性との関係で設定されるため、一概にその範囲を規定することはできないが、剥離層中に白色顔料を添加する場合、剥離層15を構成するバインダー樹脂量に対して、通常100〜500重量%、好ましくは上限を300重量%程度、下限を200重量%程度添加する。
【0073】
以上のような離型性または凝集破壊性の剥離層15には、上記の材料の他に、耐候性能を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光贈白剤(スチルベンゼン系、ピラゾリン系等)等を加えてもよい。
【0074】
剥離層15は、上述した染料層14と同様な方法で形成することができ、その厚さは、塗布乾燥後で0.1〜5.0μmが好ましい。
【0075】
最後に、受容層転写部21について説明する。受容層転写部21は、レンチキュラーレンズシート1が染着性の乏しい場合に、熱転写シート4上に色材転写部22および白色層転写部23と共に設けられ、レンチキュラーレンズシート1に転写されることによって疑似画像の形成を容易にさせるとともに、優れた画像を形成させることができる。受容層転写部21は、基材フィルム12上に、離型層17、受容層18、接着層19の順に積層されて設けられている。なお、レンチキュラーレンズシート1が、昇華性染料に対して染着性に優れている場合には、基材フィルム12上に受容層転写部21を設けなくてもよい。
【0076】
(受容層)
本発明の熱転写シート4に用いられる受容層18は、染料層14が熱溶融性インキの場合には通常必要とされないが、昇華性染料の場合にはレンチキュラーレンズシート1の染着性が悪いことがよくあり、通常受容層18が必要で、離型層7上に形成して設けることができる。
【0077】
受容層18を形成するための材料としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0078】
これらの中から選択された単独または複数の材料、および必要に応じて従来公知の各種添加剤等を、適当な溶剤により、溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これを離型層17上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で1〜10μm程度である。
【0079】
添加剤としては、ビニル変性シリコーンまたはアミノ変性シリコーンもしくはエポキシ変性シリコーン等の反応硬化型シリコーンを、離型剤として添加するのが好ましい。これらの離型剤は、受容層18をレンチキュラーレンズシート1に転写する際に、受容層18が離型層17との境界面から剥がれ易くするため、および、受容層18に疑似画像を転写する際に、受容層18と染料層14とが加熱デバイス6の熱で融着しないようにするため好ましく用いられ、その添加量は、受容層の樹脂量に対して0.5〜10重量%が好ましい。
【0080】
また、受容層18の印画感度をよくするために、フタル酸エステル、リン酸エステルまたはポリエステル型可塑剤等、塩化ビニル樹脂用の可塑剤として一般的に用いられている低分子量から高分子量の可塑剤を添加することもできる。その添加量は樹脂量に対して0.5〜30重量%が好ましい。
【0081】
(離型層)
熱転写シート4に用いられる離型層17は、基材フィルム12と受容層18との中間に設けられ、上記受容層18を離型層17との境界面から容易に剥離させるために設けられる。
【0082】
離型層17を形成するための好ましい材料としては、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂またはウレタン樹脂が挙げられ、この中から少なくとも一つ選択されて使用される。
【0083】
離型層17は、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材フィルム12上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その塗工量は、乾燥後の塗工重量として、通常0.05〜2g/m2 である。
【0084】
(接着層)
熱転写シート4に用いられる接着層19は、受容層18をレンチキュラーレンズシート1に転写形成した際の接着性を向上させるために設けられる。接着層19の構成材料としては、ポリアクリル酸エステル、アクリル系共重合体等が挙げられ、必要に応じて、補強剤、可塑剤、充填剤等を添加することができる。
【0085】
接着層19は、上記材料または補強剤等を適当な溶剤により、溶解または分散させ接着層用塗工液を調製し、これを受容層18上に従来公知の方法で塗布、乾燥して形成することができる。その塗工量は、乾燥後の塗工重量として、通常0.5〜5g/m2 である。
【0086】
(検知マーク)
検知マークは、例えばプリンター内において、レンチキュラーレンズシート1上の指定された位置に受容層転写部21を転写するため、転写された後の受容層18上に各色の昇華性染料を位置ズレおよび色ズレなく転写するため、および、形成された疑似画像上の指定された位置に白色層転写部23を転写するための位置決め用のマークとして設けることができる。
【0087】
検知マークは、光学的に認識可能であればどのような形状でもよい。例えば、丸形状、四角形状、ライン形状等の印刷マークまたは貫通穴等の従来公知の検知マークを設けることができる。印刷による検知マークは、熱転写シート4の基材フィルム12の何れか一方の面の一部または複数箇所に、従来公知の印刷方法等によって設けることができる。印刷によって検知マークを設ける場合、使用されるインキとしては、従来から使用されている材料を使用することができ、特に限定されない。
【0088】
以上のように、本発明に使用される熱転写シート4により、一連の転写動作で必要な全ての層および疑似画像を転写することができるため、効率的に印画物24を形成することができる。さらに、層の数を減らした低コストな熱転写シート4で、従来以上の白色隠蔽性等を有する高品質な印画物24を転写形成することができる。
【0089】
この熱転写シート4を使用したレンチキュラーレンズシート印画物24の製造方法により、疑似画像を精度よく簡便に設けることができる。
【0090】
【実施例】
以下に本発明のレンチキュラーレンズシート印画物24およびその製造方法について具体的に説明する。
【0091】
先ず、レンチキュラーレンズシート1に疑似画像を形成するために使用する熱転写シート4において、その熱転写シート4の各層の形成に用いられる各塗工液を、下記の組成に調製した。
【0092】
Figure 0003789033
(マゼンタインキ)
分散染料として、MSレッドを1.5重量部およびマクロレックスレッドバイオレットRを2.0重量部とし、他は上記イエローインキと同様である。
【0093】
(シアンインキ)
分散染料として、カヤセットブルー714を4.5重量部とし、他は上記のイエローインキと同様である。
【0094】
Figure 0003789033
Figure 0003789033
Figure 0003789033
(実施例1)
基材フィルム12として、一方の面に易接着処理された厚さ6μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを使用した。基材フィルム12の他方の面に、上記組成の耐熱層用塗工液をグラビア印刷機により塗工、乾燥して、厚さ1μmの耐熱層13を形成し、さらに60℃で5日間、オーブン中で熟成して硬化処理を行った。
【0095】
次いで、基材フィルム12の易接着処理された面20に、上記組成のイエロー、マゼンタおよびシアンの各染料層用塗工液をグラビア印刷機により面順次に塗工、乾燥して、厚さ1μmの染料層14を形成した。
【0096】
さらに、染料層14と面順次に、上記組成の剥離層用塗工液No.1をグラビア印刷機により塗工、乾燥して、厚さ0.6μmの剥離層15を形成し、その剥離層15上に、上記組成の白色層用塗工液No.1をグラビア印刷機により塗工、乾燥して、厚さ2.0μmの白色層16を形成し、熱転写シート4を作製した。
【0097】
得られた熱転写シート4を用い、PVC(塩化ビニル)製レンチキュラーレンズシート1上に、疑似画像および白色層16を転写形成した。先ず、PVC製レンチキュラーシート1上に、熱転写シート4を接触するように重ね、線密度300dpiのサーマルヘッドを搭載した256階調制御が可能なプリンターを使用し、熱転写シート4上に設けられたイエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層14からPVC製レンチキュラーシート1上に染料を移行させ、疑似カラー画像を転写形成した。続いて、疑似画像上に白色層16を転写形成し、レンチキュラーレンズシート印画物24を作製した。
【0098】
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写シート4上に、受容層転写部21を図2に示す位置に形成した。受容層転写部21の形成は、先ず、実施例1の熱転写シート4の染料層14等と面順次に、上記組成の離型層用塗工液をグラビア印刷機により、乾燥後の塗工量が0.3g/m2 となるように塗工、乾燥し、離型層17を形成した。次いで、離型層17上に上記組成の受容層用塗工液No.1をグラビア印刷機により塗工、乾燥して、厚さ2μmの受容層18を形成した。さらに、受容層18上に上記組成の接着層用塗工液をグラビア印刷機により、乾燥後の塗工量が1g/m2 となるように塗工、乾燥し、接着層19を形成した。こうして、図2に示すような、受容層転写部21を備えた熱転写シート4を作製した。
【0099】
得られた熱転写シート4を用い、予め受容層が設けられていないAS製およびABS製レンチキュラーレンズシート上に、実施例1と同様なプリンターを使用して熱転写した。熱転写シート4から各レンチキュラーレンズシート1上に、先ず、受容層18が接着層19を介して接着性よく転写され、次いで、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色の染料層14から受容層18に、疑似カラー画像を転写形成した。続いて、疑似画像を伴う受容層18上に接着性を有する白色層16と剥離層15とが転写形成し、レンチキュラーレンズシート印画物24を作製した。
【0100】
(実施例3)
受容層用塗工液No.1に代えて、受容層用塗工液No.2を使用して、実施例2と同様な手順で熱転写シート4を作製した。
【0101】
得られた熱転写シート4を用い、実施例2と同様な手順でレンチキュラーレンズシート印画物24を作製した。
【0102】
(実施例4)
剥離層用塗工液No.1に代えて、剥離層用塗工液No.2を使用して、実施例2と同様な手順で熱転写シート4を作製した。
【0103】
得られた熱転写シート4を用い、実施例2と同様な手順でレンチキュラーレンズシート印画物24を作製した。
【0104】
(比較例1)
白色層用塗工液No.1に代えて、白色層用塗工液No.2を使用して、実施例1と同様な手順で熱転写シート4を作製した。
【0105】
得られた熱転写シート4を用いて、受容層が設けられていないPVC製レンチキュラーレンズシート上に、直接、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色の染料を転写し、疑似カラー画像が形成されたPVC製レンチキュラーレンズシートを作製した。
【0106】
(比較例2)
白色層用塗工液No.1に代えて、白色層用塗工液No.3を使用して、実施例1と同様な手順で熱転写シート1を作製した。
【0107】
白色層用塗工液No.3を塗布、乾燥して白色層16を形成したが箔持ちが悪く、得られた熱転写シート4をプリンターに装着した際、白色層16が剥がれてプリンター内に散乱した。
【0108】
(転写性、画像品質および全光線透過率の評価結果)
各実施例および比較例で作製したレンチキュラーレンズシート印画物24について、転写形成された各層の転写性および視認される画像の品質について、目視にて評価した。また、レンチキュラーレンズシート1の全光線透過率についても評価した。その結果を表1に示す。
【0109】
【表1】
Figure 0003789033
実施例1においては、PVC製レンチキュラーレンズシート1上に、予め染料の染着性に優れた受容層が設けられているため、染料層14、白色層16および剥離層15を容易に転写することができ、得られた画像の品質も優れていた。また、全光線透過率も50%で、優れた白色隠蔽性を示した。
【0110】
実施例2〜実施例4においては、熱転写シート4に設けられた受容層18をレンチキュラーレンズシート1に転写した後に、染料層14、白色層16および剥離層15を転写形成するので、その転写性、画像とも優れていた。また、全光線透過率も45%〜50%の範囲を示し、白色隠蔽性に優れていた。
【0111】
しかし、比較例1においては、被転写体であるPVC製レンチキュラレンズシートの染着性が、予め受容層を設けたものと比較してやや劣るため、ぼけた画像になった。また、比較例2においては、白色層16の品質が悪く転写することができなかった。
【0112】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、一体型熱転写シートに設けられた各転写層を、レンチキュラーレンズシート上に一連の転写動作で順次転写形成することによって、簡便に、しかも、色ズレおよび位置ズレのない疑似画像を形成することができる。このため、小型プリンター等によって、容易にレンチキュラーレンズシート印画物を作製することができる。
【0113】
また、全光線透過率が60%以下の白色層を転写することにより、印字濃度が高く見栄えの良い画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法に使用される一体型熱転写シートの構成の一例を示す模式図である。
【図3】本発明のレンチキュラーレンズシート印画物の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 レンチキュラーレンズシート
2 レンチキュラーレンズ
3 背面
4 一体型熱転写シート
5 巻き取りロール
6 加熱デバイス
7 平面プラテン
12 基材フィルム
13 耐熱層
14 染料層
15 剥離層
16 白色層
17 離型層
18 受容層
19 接着層
20 易接着処理面
21 受容層転写部
22 色材転写部
23 白色層転写部
24 レンチキュラーレンズシート印画物

Claims (8)

  1. 基材フィルムの同一平面状に、少なくとも色材転写部と白色層転写部とを面順次に設けた一体型熱転写シートを準備し、
    該熱転写シートの色材転写部からレンチキュラーレンズシートの背面側に加熱デバイスを用いて色材を熱移行させて、該レンチキュラーレンズシートを通して見たときに二以上の画像を視認できる擬似画像を形成し、
    その後すぐに連続して、同じ加熱デバイスを用いて該熱転写シートの白色層転写部から擬似画像の上に白色層を熱転写することを特徴とするレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  2. 基材フィルムの同一平面状に、少なくとも受容層転写部と色材転写部と白色層転写部とを面順次に設けた一体型熱転写シートを用い、
    該熱転写シートの受容層転写部から前記レンチキュラーレンズシートの背面側に加熱デバイスを用いて受容層を熱転写し、
    その後すぐに連続して、同じ加熱デバイスを用いて該受容層上に前記擬似画像と前記白色層を形成することを特徴とする請求項1に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  3. 前記白色層は、全光線透過率が60%以下の白色隠蔽層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  4. 前記白色層は、全光線透過率が50%以下の白色隠蔽層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  5. 前記白色層転写部は、剥離層と白色層とがこの順に基材フィルム上に積層されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  6. 前記剥離層と前記白色層とがこの順に基材フィルム上に積層されてなる層は、全光線透過率が60%以下の白色隠蔽層であることを特徴とする請求項5に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  7. 前記受容層転写部は、離型層と受容層と接着層とがこの順に基材フィルム上に積層されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
  8. 前記色材転写部が昇華性染料層であることを特徴とする請求項1に記載のレンチキュラーレンズシート印画物の製造方法。
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