JP2018170081A - リチウム二次電池用集電体及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用集電体及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係るリチウム二次電池用集電体は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種以上のアルカリ金属元素を含む化合物を表面に有する。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム二次電池用集電体及びリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、高容量化を実現することができ、携帯電話やノートパソコン等のモバイルバッテリーから自動車用バッテリーや大型の電力貯蔵用バッテリーまで広く利用されている。
リチウム二次電池は、電極を構成する材料内にリチウムイオンを挿入、脱離することで充放電を行うリチウムイオン二次電池とは異なり、リチウム金属が析出、溶解することで充放電を行う。リチウム金属は極めて卑な電位を有するため、リチウム二次電池は高い理論容量密度を実現できると期待されている。
リチウム二次電池は、充電時に金属リチウムが析出する。金属リチウムは、析出開始点を根として樹状に析出する(デンドライトを形成する)場合がある。樹状に析出した金属リチウムは、リチウム二次電池の放電時に溶解する。樹状に析出した金属リチウムの枝の部分から金属リチウムが順に溶解すれば問題はないが、根元の部分が先に溶解する場合がある。この場合、根元を失った金属リチウムは電解液中に浮遊し、導通が取れなくなる。電解液中に浮遊する金属リチウムは、導通が取れないため、以降の充放電には寄与することができない。その結果、リチウム二次電池のサイクル特性は低減する。
特許文献1には、集電体の表面に3μm以下の細孔を設けることが記載されている。細孔により集電体の比表面積が大きくなり、実効電流密度が低減され、デンドライトの形成が抑制される。
また特許文献2には、集電体の表面にリチウムイオン伝導性保護膜を設けることが記載されている。リチウムイオン伝導性保護膜により面内方向への電子の伝導性を高めることで、特定の場所に電流集中が起きることを防ぎ、デンドライトの形成が抑制される。
特開平8−321310号公報 特表2016−527679号公報
しかしながら、特許文献1に記載の集電体は、微小な細孔を表面に形成する必要があり、作製することが難しい。また特許文献2に記載の集電体は、リチウムイオン伝導性保護膜により面内方向の電子伝導性を高めているが、面内方向の電子伝導性を高めただけではデンドライトの形成を充分抑制することができない。そのため、特許文献1及び2に記載の集電体を用いても、リチウム二次電池のサイクル特性が充分とは言えない場合があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、表面に所定のアルカリ金属を付着することで、デンドライトの形成が抑制されることを見出し、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を得ることができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるリチウム二次電池用集電体は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種以上のアルカリ金属元素を含む化合物を表面に有する。
(2)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記アルカリ金属元素がセシウムであってもよい。
(3)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記化合物がフッ化セシウムであってもよい。
(4)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記化合物が付着する表面の算術表面粗さが0.5μm以上50μm以下であってもよい。
(5)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体において、前記化合物が付着する表面が凹凸を有し、前記凹凸の凸部に前記化合物が付着していてもよい。
(6)上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体は、前記表面にさらにリチウムを有してもよい。
(7)第2の態様にかかるリチウム二次電池は、上記態様にかかるリチウム二次電池用集電体を負極として用い、前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極の間のリチウムイオンの伝導を担う電解液と、を備える。
上記態様に係るリチウム二次電池用集電体によれば、サイクル特性に優れるリチウム二次電池を得ることができる。
本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。 本実施形態にかかる集電体の断面を模式的に示した図である。 本実施形態にかかる集電体の別の例の断面を模式的に示した図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第1実施形態」
[リチウム二次電池]
図1は、第1実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウム二次電池100は、発電部40と、外装体50と、リード60、62とを備える。外装体50は、発電部40を密閉した状態で収容する。一対のリード60、62の一端は、発電部40に接続され、他端は外装体50の外部まで延在している。また図示されていないが、発電部40とともに電解液が、外装体50内に収容されている。
(発電部)
発電部40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されている。図1では、外装体50内に発電部40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられている。
<負極>
負極30は、集電体と金属リチウムとを有する。金属リチウムは、充放電過程によっては存在しない場合もある。充電時には集電体の表面に金属リチウムが析出し、放電時には表面に析出した金属リチウムが溶出する。すなわち、充電時には集電体と金属リチウムとを含むものが負極30となり、放電時には集電体が負極30となる。また充放電に寄与するリチウム量が不足することに備えて、充放電前の初期状態から集電体の一面にリチウム箔をさらに設けてもよい。
図2は、本実施形態にかかる集電体31の断面を模式的に示した図である。図2に示すように集電体31は、金属箔32の表面に化合物33を有する。図2では化合物33が点在している場合を例に図示したが、この場合に限られない。化合物33が膜状に形成されていてもよいし、パターン構造体を形成していてもよいし、化合物を有する粒子を点在させてもよい。
化合物33は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種以上のアルカリ金属元素を含む。このような化合物33としては、例えば、NaX、KX、RbX、CsX(Xはハロゲン)等が挙げられる。
集電体31が化合物33を有すると、デンドライトの形成が抑制される。この原理は明確にはなっていないが以下のように考えられる。化合物33に含まれるアルカリ金属は、酸化還元電位がリチウムと近く、イオン化傾向はリチウムよりも高く電離しやすい。そのため、アルカリ金属を金属箔32の表面に付与すると、金属箔32の表面の電位が下がる。金属箔32の表面の電位が下がると、表面における急激な電位変化及び電流分布の変化が抑制され、デンドライトの形成が抑制される。
アルカリ金属元素は、上述の中でもセシウムであることが好ましく、化合物33はフッ化セシウム(CsF)であることが特に好ましい。セシウムは、他のアルカリ金属と比較して吸湿性が低い。そのため、集電体31を電池に組み込んだ際にも、電解液と化合物33との副反応が生じることも少ない。またセシウム化合物は、潮解性も低く、取り扱いが容易である。フッ化セシウムは、特に安定的に用いることができ、導電性にも優れる。
金属箔32は、電気伝導性に優れる金属により構成されている。電気伝導性に優れる金属としては、銅、ニッケル、アルミ、鉄、白金、金等を用いることができる。また金属箔32を構成する金属は、リチウムと合金を作りにくい材料であることが好ましい。具体的には、銅、ニッケル、チタン、ステンレスからなる群から選択されるいずれかであることが好まく、銅であることが特に好ましい。
金属箔32の表面の算術表面粗さは、0.5μm以上50μm以下であることが好ましい。金属箔32の表面を粗くすると、金属箔32の表面積が大きくなる。その結果、金属箔32の表面の実効電流密度が低減され、デンドライトの形成がより抑制される。一方で金属箔32の表面を粗くしすぎると、その凸部に電流集中が生じやすくなる。また金属箔32はセパレータ10と接触するため、粗な表面が接触することでセパレータ10に負荷がかかる。
また図3は、本実施形態にかかる集電体の別の例の断面模式図である。図3に示す集電体31’に示すように、金属箔32’は表面に凹凸を有し、化合物33は凹凸の凸部32Aに付着していることが好ましい。
上述のように、金属箔32’の表面粗さが粗くなることで、実効電流密度が低減される。一方で、表面に凸部32Aがあると、その部分に電流集中が生じやすくなるという側面もある。そこで、電流集中が生じやすい凸部32Aの表面に化合物33を付着することで、その部分の電位を下げ、表面粗さが粗い場合でも局所的な電流集中を抑えることができる。すなわち、表面粗さを粗くすることで実効電流密度を下げ、さらに凸部に化合物33を付着させることで電流集中を避け、デンドライトの形成を抑制することができる。
<正極>
正極20は、正極集電体22と、その一面に設けられた正極活物質層24とを有する(図1参照)。正極集電体22は、導電性を有する材料により構成されていればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6 -)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn24)、及び、一般式:LiNixCoyMnza2(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV25)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(Li4Ti512)、LiNixCoyAlz2(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
また正極活物質層24は、導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層24は導電材を含んでいなくてもよい。
また正極活物質層24は、バインダーを含む。バインダーは、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
<セパレータ>
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
<電解液>
電解液は、発電部40内に含浸される。電解液には、リチウム塩等を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
非水電解質溶液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
一方で、鎖状カーボネートは、Li負極で還元分解されるおそれが、環状カーボネートよりも高い。そのため耐還元性の観点では、非水溶媒は環状カーボネートのみを含有することが好ましい。例えば、エチレンカーボネートに、1mol/L以上のリチウム塩を加えた非水溶媒を用いることができる。この非水溶媒は、常温で液体である。
また非水電解質溶液としてイオン液体を用いてもよい。イオン液体は、カチオンとアニオンの組合せによって得られる100℃未満でも液体状の塩である。イオン液体は、イオンのみからなる液体であるため、静電的な相互作用が強く、不揮発性、不燃性と言う特徴を有する。電解液としてイオン液体を用いたリチウム二次電池100は、安全性に優れる。
またグライムと呼ばれる低分子オリゴエーテルに対し、リチウム塩を0.8〜1.3のモル比で加えた高濃度電解液を使用してもよい。グライムとリチウムイオンとが錯形成することにより、イオン液体と類似した性質を示す。錯形成により耐還元性が高くなり、長期保存試験に対し優れた特性を示す。
(外装体)
外装体50は、その内部に発電部40及び電解液を密封する。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。リード60、62を正極20、負極30にそれぞれ溶接し、正極20と負極30との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解質と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールする。
上述のように、本実施形態にかかるリチウム二次電池は、負極を構成する集電体が所定のアルカリ金属を有する化合物を有する。アルカリ金属が集電体の電位を下げることで、金属リチウムの局所的な析出が抑制され、デンドライトの形成が抑制される。そのため、放電時に電解液中に浮遊し、以降の充放電に寄与できなくなる金属リチウムが発生することが抑制され、リチウム二次電池のサイクル特性が向上する。
[リチウム二次電池の製造方法]
本実施形態にかかるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。まず正極20及び負極30を作製する。
正極20は、正極集電体22上に正極活物質を含む塗料を塗布、乾燥して作製する。正極活物質を含む塗料は、正極活物質、バインダー及び溶媒を含み、必要に応じて導電材が混合されている。溶媒には、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
塗料における正極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。
そして作製した塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、正極集電体22上に正極活物質層24が形成された正極20が得られる。
負極30は、集電体31として用いる金属箔32を準備する。金属箔32は、市販のものを利用できる。金属箔32の表面に凹凸を形成する場合は、凹凸を形成したスタンパ等に金属箔32を押し当てることで形成することができる。
次いで、金属箔32の表面にアルカリ金属を含む化合物33を付着させる。化合物33を付着させる方法は種々の方法を用いることができる。例えば、金属箔32の表面に化合物33をスパッタリングしてもよいし、金属箔32の表面に化合物33を載せ圧力を加えてもよいし、フォトリソグラフィー等の技術を用いてもよい。
次いで作製した正極20と負極30とを、セパレータ10を介して積層し、電解液と共に、外装体50内に封入する。例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、予め作製した袋状の外装体50に、発電部40を入れる。電解液は、外装体50内に注入してもよいし、発電部40内に含浸させてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「実施例1」
実施例1では、負極に用いる集電体の表面に付着させるアルカリ金属化合物を変えてリチウム二次電池の容量維持率を測定した。リチウム二次電池の容量維持率は、初回の放電時の放電容量に対する100サイクル目の放電時の放電容量の容量比率を意味する。
(実施例1−1)
まず正極を準備した。正極活物質としてNCA(組成式:Li1.0Ni0.78Co0.19Al0.032)、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてPVDFを準備した。これらを溶媒中で混合し、塗料を作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後に、溶媒は除去した。
次いで負極を準備した。負極は、集電体として銅箔を用いた。銅箔の表面粗さは10μmであった。銅箔の表面にアルカリ金属化合物としてCsFを付着させた。CsFはスパッタリング法を用いて銅箔の一面に膜状に形成した。
そして作製された正極と負極とをセパレータを介して積層し発電部を作製した。正極と負極の積層数は1層とした。セパレータには、ポリエチレンとポリプロピレンの積層体を用いた。得られた発電部を電解液に含浸させてから外装体内に封入した。電解液には2.5mol/Lとなるようリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドをエチレンカーボネートに溶解させたものを用いた。そして得られたリチウム二次電池の充放電を行い、容量維持率を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例1−2〜1−8)
実施例1−2〜1−8では付着させるアルカリ金属化合物種を変更した。その他の条件は実施例1−1と同じとした。その結果を表1に示す。
(比較例1−1)
比較例1−1では、アルカリ金属化合物を付着しなかった点のみが実施例1−1と異なる。その他の条件は、実施例1−1と同じとした。その結果を表1に示す。
Figure 2018170081
表1に示すように、実施例1−2〜1−8は、いずれも比較例1−1より容量維持率が優れていた。すなわち、アルカリ金属を含む化合物を金属箔表面に付着させることで容量維持率が向上した。アルカリ金属を含む化合物により金属箔表面にデンドライトが形成されることが抑制されたためと考えられる。
「実施例2」
実施例2では、負極に用いる金属箔の表面粗さを変更して、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例2−1〜2−4)
実施例2−1〜実施例2−4では金属箔の表面粗さを変更した点のみが実施例1−1と異なる。金属箔の表面粗さは、押し当てるスタンパの表面粗さを変えることで調整した。その他の条件は実施例1−1と同様にして容量維持率を測定した。
Figure 2018170081
表2に示すようにいずれの場合でも比較例1−1よりも容量維持率が向上した。また表面粗さが100μmの場合、及び、表面粗さが0.1μmの場合は容量維持率が少し低下した。表面粗さが小さい(0.1μm)場合は、実効電流密度を低下させる効果が十分得られずデンドライトが形成する確率が高まったためと考えられる。また表面粗さが大きい(100μm)場合は、凸部に電流集中が生じデンドライトが形成する確率が高まったためと考えられる。
「実施例3」
実施例3では、アルカリ金属化合物を付着させる場所を変更して、リチウム二次電池の容量維持率を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例3−1)
実施例3−1では表面粗さ10μmの金属箔の凹凸の凸部にアルカリ金属化合物を付着させた。金属箔に押しつけたスタンパから金属箔の凸部となる部分を確認し、その部分のみが開口部となるマスクを作製した。そして、マスクを介してスパッタリングを行うことで、凸部のみにアルカリ金属化合物を付着させた。その他の条件は実施例1−1と同じとした。
(実施例3−2)
実施例3−2では表面粗さ10μmの金属箔の凹凸の凹部にアルカリ金属化合物を付着させた。金属箔の表面にスパッタリングでアルカリ金属化合物を膜状に形成し、表面を研磨して凸部上に形成されたアルカリ金属化合物を除去した。その他の条件は実施例1−1と同じとした。
(実施例3−3)
実施例3−3で金属箔の表面にLi箔を貼り付けた。その他の条件は実施例3−1と同じとした。
Figure 2018170081
表3に示すように、凸部にアルカリ金属化合物を設けると、リチウム二次電池の容量維持率が向上した。凸部は電流集中する可能性が高い部分であるが、この部分にアルカリ金属化合物を付着することで、電位の上昇が抑制されたためと考えられる。また実施例3−3ではリチウム箔を表面に付着することで容量維持率が向上した。充放電時にロスした金属リチウムを、Li箔が補うためと考えられる。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、31,31’…集電体、32,32’…金属箔、33…化合物、40…発電部、50…外装体、60,62…リード、100…リチウム二次電池

Claims (7)

  1. ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種以上のアルカリ金属元素を含む化合物を表面に有する、リチウム二次電池用集電体。
  2. 前記アルカリ金属元素がセシウムである、請求項1に記載のリチウム二次電池用集電体。
  3. 前記化合物がフッ化セシウムである、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用集電体。
  4. 前記化合物が付着する表面の算術表面粗さが0.5μm以上50μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体。
  5. 前記化合物が付着する表面が凹凸を有し、
    前記凹凸の凸部に前記化合物が付着している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体。
  6. 前記表面にさらにリチウムを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用集電体を負極として用い、
    前記負極に対向する正極と、前記負極と前記正極の間のリチウムイオンの伝導を担う電解液と、を備える、リチウム二次電池。
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