JP2018169005A - 管継手 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献1に記載された管継手は納まりの悪いLT形状の管継手であり、納まりの重要な空調配管で用いられるDTやDL形状の継手の場合には、受口同士が近接している。そのため、塩ビ管の受口同士が干渉してしまうおそれがあった。
また、特許文献2に記載の空調ドレン用の管継手は、塩ビ管への接着性能を確保するために塩ビ樹脂やABS樹脂等の塩ビ用接着剤で接着可能な原料で管継手を成形する必要があった。そのため、原料選択の自由度が低く、熱伝導率の低い原料を用いることができなかった。
本発明による管継手は、接着受口部の内層に樹脂製管部材と接着剤で接着可能な樹脂で成形した環状の受口部材を設けたため、樹脂製管部材との接着強度が高く、しかも外層と継手本体はポリオレフィン樹脂からなるため耐疲労性が高い上に熱伝導率が低いために断熱性が高い。また、外層と継手本体の少なくともいずれか一方が発泡層を有しているため、断熱性をより向上できる。
ポリオレフィン樹脂からなる接着受口部の外層と継手本体を発泡層で形成したことで断熱性が一層高くなる。
ポリオレフィン樹脂の継手本体について外側を非発泡層として包囲し内側に発泡層を充填した2層構造とすることで耐疲労性が高く断熱性が高い上に、継手本体の内部に設けた発泡層によってより断熱性を向上できる。しかも、継手本体は受口部材の端部まで突出形成した凸部に近接する位置まで内部の発泡層を延在できるため断熱性が一層向上する。
受口部材における環状突起の外周側端部の角部に面取り部がテーパ状に形成されているため、複数の接着受口部の受口部材が近接配置されていても受口部材同士の隙間を確保できるため継手本体の強度を損なうことがない。
この場合、受口部材の内面に抜きテーパが形成されているため金型を抜けやすくすることができる上に、内層である受口部材が管継手の外層から抜けないように形成できる。
本発明は、接着受口部内に樹脂製管部材を挿入して接着剤によって受口部材と接着する際、外層に設けた窓部に嵌合する透明な受口部材を通して受口部材内に樹脂製管部材が十分挿入されたことや接着剤が塗布されたことを目視確認できる。しかも、受口部材の一部が外層の窓部に突出嵌合するため、樹脂製管部材に引き抜き圧力がかかった場合でも受口部材が抜けることを防止できる。
また、外層と継手本体の少なくともいずれか一方が発泡層を有しているため、断熱性をより向上できる。
まず本発明の第一実施形態による管継手を図1〜図4により説明する。
図1に示す樹脂製の管継手1(以下、単に管継手という)は図2に示す樹脂製管部材2を挿入して接着剤等で接着可能なものである。管継手1は短管状で例えば略90度直角に湾曲させられた管状の継手本体3と、継手本体3の両端部に設けられた複数の接着受口部4と、を有するエルボタイプである。
管継手1の接着受口部4は継手本体3に対してフランジ部5を介して拡径されて環状に形成されている。接着受口部4に対して樹脂製管部材2の端部を挿入して接着剤により接着固定することで互いに接続できる。継手本体3はその内径が樹脂製管部材2の内径とほぼ同じになるように形成されている。
しかも、本実施形態において、外層8と継手本体3の伸縮性樹脂材料は発泡性樹脂からなる単層構成とされている。これにより、外層8と継手本体3の断熱性が更に高く保持される。
図2は管継手1の接着受口部4と樹脂製管部材2の接合構造を示すものである。図2において、接着受口部4の内層7は図3及び図4に示すように硬質材料からなる略円環状の受口部材9で構成されている。受口部材9において、樹脂製管部材2を挿入する上部開口に第1開口部10が形成され、第1開口部10に対向する継手本体3側に第2開口部11が形成されている。第1開口部10と第2開口部11は流体の流れ方向に対向配置されている。
受口部材9は透明な塩化ビニル樹脂またはABS樹脂で形成されている。また、受口部材9の外周面9aの下部には例えば凹部14と凸部15に跨る凸状のリブ20が一体形成されている。或いは、リブ20を受口部材9と別体に略コの字状に形成して凸部15に直交する方向に嵌合してもよい。
また、フランジ部5を介して外層8と接続される継手本体3の上面3aは受口部材9の環状突起12に対向しており、リング状の凸部24と凹部25が径方向に同心状に交互に配列形成され、環状突起12の下面に形成された凹部17と凸部18が噛み込んで嵌合している。そのため、継手本体3に内圧が付加されたときや冷却や加熱等により継手本体3が拡張または縮小した場合でも受口部材9と継手本体3との間に互いに密着する荷重が働き、止水性を失うことを阻止できる。
また、外層8に嵌合する受口部材9を樹脂製管部材2と同様な塩化ビニル樹脂またはABS樹脂で形成して同系の接着剤で接着したため、接着強度が高い。
また、受口部材9の外周面9aに形成した凹部14及び凸部15を外層8の内周面8aに形成した凸部21及び凹部22と嵌合させたため、樹脂製管部材2に引き抜き方向の荷重が働いても引き抜きを阻止できる。更に、受口部材9の底部の環状突起12の下面に形成した凹部17及び凸部18と凸部24及び凹部25とを嵌合させたため、冷熱によって管継手1が拡径縮小した場合に互いに密着する荷重が働いて止水性を失うことはない。
例えば、第一実施形態の変形例による管継手1として、外層8と継手本体3の一方が全体にポリオレフィン樹脂の発泡層で形成され、他方が非発泡層の硬質樹脂で形成されていてもよい。
本第二実施形態による管継手1Aでは、外層8に窓部27は形成されておらず、その内面の全長に亘って凸部21と凹部22が交互に配列形成され、受口部材9の外周面9aに形成された凹部14と凸部15に噛み合って嵌合している。そのため、受口部材9にリブ20は設けられていない。なお、第一実施形態による管継手1と同様に外層8に窓部27、受口部材9にリブ20を形成してもよい。
しかも、継手本体3の上面3aにおける受口部材9のリング状の環状突起12との当接面に凸部24と凹部25が同心円状に交互に形成され、環状突起12の凹部17と凸部18とが嵌合している。継手本体3の上面3aにおける凸部24の近傍にまで発泡層30が延びて形成されている。特に環状突起12に凹部17が形成されているため、これに嵌合する上面3aの凸部24が形成されており、この凸部24の近傍まで発泡層30が樹脂製管部材2側に延びているため断熱性を高めることができる。
また、継手本体3に連続して設けられた外層8はその金型内にポリオレフィン樹脂の発泡性溶融樹脂を充填した中実構成である。こうして、継手本体3の内部に発泡樹脂からなる発泡層30を備えた2層構造の継手本体3を製造できる。
そのため、本第二実施形態による管継手1Aによれば、継手本体3の上面3a近傍に設けた凸部24と発泡層30によって樹脂製管部材2との間の断熱性を比較例の構成よりも高めることができる。
図7に示す管継手1Bにおける継手本体3と接着受口部4の接合部において、外層8の内側に嵌合された内層7の受口部材9は略円環状の外周面9aと第2開口部11を形成する略リング状の環状突起12とを有している。これら外周面9aに交互に形成された凹部14及び凸部15が外層8の内周面に形成された凸部21及び凹部22とに噛み合って嵌合されている。同様に環状突起12に同心円状に形成された凹部17及び凸部18が継手本体3の上面3aに形成された凸部24及び凹部25に噛み合って嵌合されている。
本第三実施形態によれば、受口部材9の外周面9aと環状突起12の角部に面取り部32を形成したため、外層8と継手本体3との接続部における面取り部32の部分の肉厚が大きくなり、継手本体3の強度を向上できる。
本変形例による管継手1Cによれば、継手本体3を挟んで三方向に互いに直交させて交差配置した各接着受口部4において、各受口部材9の外周面9aと環状突起12との交差角部にそれぞれ面取り部32を設けたため、短管状の継手本体3に設けた各受口部材9の面取り部32同士の隙間33が大きくなる。そのため、継手本体3の各受口部材9が互いに近接配置されていても、その強度を向上できる。
図9(a)に示す受口部材9はその内面9bに抜きテーパ面を形成した。内面9bをテーパ状に形成し、第1開口部10から第2開口部11に向けて次第に内面9bの内径が縮径するように形成したため、射出成形時に金型35を抜け易くした。しかも、外周面9aの凹部14及び凸部15と外層8の凹部22及び凸部21とを噛み合わせて嵌合させたことで、受口部材9が継手本体3の外層8から抜けにくいように形成した。
これによって管継手1、1A、1Bに挿入される樹脂製管部材2と例えばTS接合可能になる。
また、外層8に窓部27を設けない場合、受口部材9は透明でなくてもよい。
2 樹脂製管部材
3 継手本体
4 接着受口部
7 内層
8 外層
9 受口部材
10 第1開口部
11 第2開口部
12 環状突起
14、17、22、25 凹部
15、18、21、24 凸部
20 リブ
27 窓部
30 発泡層
32 面取り部
33 隙間
Claims (6)
- 短管状の継手本体と前記継手本体の端部に設けられた複数の接着受口部とを有すると共に、前記接着受口部に樹脂製管部材を挿入して接着固定可能に構成される管継手において、
前記接着受口部は内層と外層を有しており、
前記内層に、前記接着受口部の開口側の第1開口部と前記継手本体側の第2開口部を有していて前記樹脂製管部材と接着剤で接着可能な樹脂で成形した環状の受口部材を有しており、
前記外層と前記継手本体はポリオレフィン樹脂を有しており、
前記外層と前記継手本体の少なくともいずれか一方が発泡層を有していることを特徴とする管継手。 - 前記接着受口部の外層と前記継手本体は前記発泡層からなっている請求項1に記載された管継手。
- 前記接着受口部の外層は非発泡層からなり、
前記継手本体は非発泡層で構成されていると共に、前記受口部材に突出形成された凸部に近接する位置に前記発泡層が延びて設けられている請求項1に記載された管継手。 - 前記受口部材における前記第2開口部を形成する環状突起の外周側端部に面取り部が形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載された管継手。
- 前記受口部材の内面は前記第1開口部から第2開口部に向けて次第に縮径されている請求項1から4のいずれか1項に記載された管継手。
- 短管状の継手本体と前記継手本体の端部に設けられた複数の接着受口部とを有すると共に、前記接着受口部に樹脂製管部材を挿入して接着固定可能に構成される管継手において、
前記接着受口部は内層と外層を有しており、
前記内層に、前記接着受口部の開口側の第1開口部と前記継手本体側の第2開口部を有していて前記樹脂製管部材と接着剤で接着可能な樹脂で成形した環状の受口部材を有しており、
前記外層と前記継手本体はポリオレフィン樹脂を有しており、
前記受口部材は透明な層であり、
前記接着受口部の外層には前記受口部材の内部を目視可能な窓部が形成され、前記窓部内に前記受口部材の一部が嵌合されて表面に露出していることを特徴とする管継手。
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