JP2018168823A - 過給アシスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターボラグの発生を低減する。【解決手段】過給アシスト装置50は、過給機21を備えたエンジン1における過給アシスト装置50であって、空気を蓄圧貯留するタンク54と、タンク54に接続され、タンク54に貯留された空気を過給機21のコンプレッサインペラ72に向けて噴射する噴射部60と、を備えることにより、タンク54に貯留された空気を過給機21に向けて噴射部60から噴射することで、過給機21の動作を補助することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの過給をアシストする過給アシスト装置に関する。
従来、所謂、ターボラグの発生を低減するために、タービンより排出される排気ガスを蓄圧タンクに蓄圧し、タービンの回転数が不足している場合に、蓄圧された排気ガスをタービンに当てて過給を補助(アシスト)する過給アシスト装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−156220号公報
しかし、特許文献1に記載の過給アシスト装置では、排気ガスを蓄圧するため、蓄圧タンクが高圧に耐えられるよう設計したり、排圧を上げたりしなければならず、燃焼室内への影響が生じる。
そこで、本発明は、燃焼室内への影響を生じさせずに、ターボラグの発生を低減することが可能な過給アシスト装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の過給アシスト装置は、過給機を備えたエンジンにおける過給アシスト装置であって、空気を貯留するタンクと、タンクに接続され、タンクに貯留された空気を過給機のコンプレッサインペラに向けて噴射する噴射部と、を備える。
また、過給アシスト装置は、過給機によって圧縮された空気が流通する吸気流路とタンクとが接続され、過給機によって圧縮された空気がタンクに供給されて貯留されてもよい。
また、噴射部は、コンプレッサの回転軸方向に噴射部を通る断面から見た場合、コンプレッサインペラに交差する向きよりディフューザ流路方向に傾斜して設けられてもよい。
本発明によれば、燃焼室内への影響が生じず、ターボラグの発生を低減することができる。
過給アシスト装置を備えた車両におけるエンジンの構成を示す概略図である。 コンプレッサの部分断面斜視図である。 コンプレッサと噴射部の位置関係を示す図である。 蓄圧空気送入処理を説明するフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、過給アシスト装置を備えた車両におけるエンジン1の構成を示す概略図である。図1に示すように、エンジン1は、クランクシャフト2を挟んで2つのシリンダブロック3にそれぞれ形成されたシリンダボア3aが対向して配された水平対向4気筒エンジンである。
シリンダブロック3には、クランクケース4が一体形成されるとともに、クランクケース4とは反対側にシリンダヘッド5が固定されている。クランクシャフト2は、クランクケース4によって形成されたクランク室6内に回転自在に支持される。
シリンダボア3aには、コネクティングロッド7を介してクランクシャフト2に連結されたピストン8が摺動可能に収容されている。そして、エンジン1では、シリンダボア3aと、シリンダヘッド5と、ピストン8の冠面とによって囲まれた空間が燃焼室9として形成される。
シリンダヘッド5には、吸気ポート10および排気ポート11が燃焼室9に連通するように形成される。吸気ポート10と燃焼室9との間には、吸気弁12の先端が位置し、排気ポート11と燃焼室9との間には、排気弁13の先端が位置している。
また、エンジン1では、シリンダヘッド5およびヘッドカバー14に囲まれたカム室内に、吸気弁用カム15および排気弁用カム16が設けられる。吸気弁用カム15は、吸気弁12の他端に当接されており、回転することで吸気弁12を軸方向に移動させる。これにより、吸気弁12は、吸気ポート10と燃焼室9との間を開閉する。排気弁用カム16は、排気弁13の他端に当接されており、回転することで排気弁13を軸方向に移動させる。これにより、排気弁13は、排気ポート11と燃焼室9との間を開閉する。
吸気ポート10の上流側には、インテークマニホールド17を含む吸気流路18が連通される。また、排気ポート11の下流側には、エキゾーストマニホールド19を含む排気流路20が連通される。各気筒の燃焼室9から排出された排気ガスは、排気ポート11を介してエキゾーストマニホールド19で集約され、過給機21に導かれる。
過給機21は、エキゾーストマニホールド19(エンジン1)から排出される排気ガスによって回転するタービン21aと、タービン21aの回転動力によって回転するコンプレッサ21bとを含んで構成される。タービン21aとコンプレッサ21bとは、タービンシャフト21cによって接続され、一体回転する。
吸気流路18には、エアクリーナ22、コンプレッサ21b、インタークーラ23、および、スロットル弁24が吸気流路18の上流側から順に設けられる。ここで、吸気流路18のうち、コンプレッサ21bよりも上流側を上流側吸気流路18aと呼び、コンプレッサ21bよりも下流側を下流側吸気流路18bと呼ぶ。
コンプレッサ21bは、タービン21aの回転に伴って回転することで、エアクリーナ22で塵や埃などの不純物が除去された空気(吸気)を圧縮して下流側吸気流路18bに供給する。スロットル弁24は、不図示のアクチュエータによって開度が調整されることで、吸気流路18における吸気の流量を可変する。
インタークーラ23は、コンプレッサ21bで圧縮されて昇温した空気を冷却する。冷却された空気は、インテークマニホールド17、吸気ポート10を介して燃焼室9に導かれる。そして、不図示のインジェクタから噴射された燃料と、燃焼室9に導かれた空気との混合気が、シリンダヘッド5に設けられた不図示の点火プラグによって所定のタイミングで点火されて燃焼される。かかる燃焼により、ピストン8がシリンダボア3a内で往復運動を行い、その往復運動が、コネクティングロッド7を通じてクランクシャフト2の回転運動に変換される。また、燃焼により発生した排気ガスは、排気ポート11、エキゾーストマニホールド19を介してタービン21aに導かれ、タービン21aを回転させた後、排気流路20に設けられた触媒25で浄化され、マフラー26から車外へ排出される。
また、排気流路20には、タービン21aを迂回してタービン21aの上流側と下流側とを連通する排気バイパス流路27が設けられる。排気バイパス流路27には、ウエイストゲートバルブ28が介装され、ウエイストゲートバルブ28により、排気バイパス流路27が開閉される。
また、吸気流路18には、コンプレッサ21bを迂回して上流側吸気流路18aと下流側吸気流路18bとを接続するエアバイパス流路29が設けられる。エアバイパス流路29には、エアバイパスバルブ30が介装される。エアバイパスバルブ30は、運転者がアクセルを放してスロットル弁24が閉鎖されるときに開放され、下流側吸気流路18bの圧力が過剰となることを防止する。
また、吸気流路18には、コンプレッサ21b(過給機21)によって過給(圧縮)された空気を溜め、過給をアシストする過給アシスト装置50が設けられる。過給アシスト装置50は、蓄圧流路52(第2接続流路)、タンク54、アシスト流路56(第1接続流路)、蓄圧バルブ58(バルブ)および噴射部60を含んで構成される。
蓄圧流路52は、下流側吸気流路18b(例えば、吸気流路18内でコンプレッサ21bからスロットル弁24の間)とタンク54とを接続する接続流路である。蓄圧流路52は、一端が下流側吸気流路18bに接続され、他端がタンク54に接続される。
また、蓄圧流路52とタンク54との接続部には、第1蓄圧バルブ58a(蓄圧バルブ58)が設けられる。第1蓄圧バルブ58aは、例えば、逆止弁(一方向弁)で構成され、下流側吸気流路18bからタンク54へ空気を流通させるとともに、蓄圧流路52から下流側吸気流路18bへの空気の逆流を防止している。蓄圧流路52は、コンプレッサ21bによって過給された空気の一部を、タンク54に導く。
タンク54は、過給された空気を貯留することが可能な圧力容器である。コンプレッサ21bにより圧縮された空気は、下流側吸気流路18bおよび蓄圧流路52を介してタンク54に流通し、タンク54に貯留される(蓄圧される)。なお、以下では、タンク54に貯留された(蓄圧された)空気のことを、蓄圧空気と呼ぶ。
アシスト流路56は、タンク54と噴射部60とを接続する接続流路である。アシスト流路56は、一端がタンク54に接続され、他端が噴射部60に接続される。アシスト流路56とタンク54との接続部には、第2蓄圧バルブ58b(蓄圧バルブ58)が設けられる。第2蓄圧バルブ58bは、開閉(オンオフ)が可能なバルブであり、例えば電子制御バルブが用いられる。なお、第2蓄圧バルブ58bの制御については、後述する。
噴射部60は、コンプレッサ21bのコンプレッサハウジング70(図2参照)に形成される。噴射部60は、第2蓄圧バルブ58bで制御された蓄圧空気をコンプレッサ21bに向けて噴射する。なお、噴射部60の詳しい説明は、後述する。
このように、過給アシスト装置50は、コンプレッサ21bで過給され圧縮された吸気を、下流側吸気流路18bから、蓄圧流路52および第1蓄圧バルブ58aを介してタンク54に貯留させる。そして、タンク54に貯留された空気(蓄圧空気)は、第2蓄圧バルブ58bが開放されることにより、アシスト流路56を介して、噴射部60からコンプレッサ21bに向けて噴射され、コンプレッサ21bの過給をアシストする。
また、エンジン1には、制御装置100、圧力センサ102、車速センサ104、アクセルペダルセンサ106、スロットル開度センサ108およびエンジン回転数センサ110が設けられている。なお、図1中、信号の流れを破線の矢印で示す。
制御装置100は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成されている。制御装置100は、エンジン1を含む車両全体の動作を制御するほか、過給アシスト装置50(第2蓄圧バルブ58bの開閉)を制御する蓄圧空気送入処理を行う。蓄圧空気送入処理については、後述する。
圧力センサ102は、下流側吸気流路18b中、インタークーラ23からスロットル弁24の間に配置され、スロットル弁24の上流側の圧力を測定し、圧力を示す圧力信号を制御装置100に送信する。
車速センサ104は、車両の車速(走行速度)を検出し、車速を示す車速信号を制御装置100に送信する。
アクセルペダルセンサ106は、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出し、アクセル開度を示す信号を制御装置100に送信する。
スロットル開度センサ108は、スロットル弁24の開度を検出し、スロットル開度(空気量)を示す信号を制御装置100に送信する。
エンジン回転数センサ110は、エンジンの回転数(エンジン回転数)を検出し、エンジン回転数を示す信号を制御装置100に送信する。
図2は、コンプレッサ21bの部分断面斜視図である。図2では、コンプレッサ21b内の構成を説明しやすくするため、コンプレッサハウジング70の一部を断面で示す。また、図2中、白抜き矢印は、コンプレッサ21b(コンプレッサインペラ72)の回転方向を示し、一点鎖線はコンプレッサ21bの回転軸(タービンシャフト21cの中心軸)を示す。
コンプレッサ21bは、コンプレッサハウジング70と、コンプレッサインペラ72とを含んで構成される。コンプレッサハウジング70は、図2中右下、タービンシャフト21cの軸方向外側が開口しており、吸気口74が形成される。吸気口74は、上流側吸気流路18a(図1参照)に接続され、吸気をコンプレッサ21bに吸入する。コンプレッサインペラ72には、複数のコンプレッサブレード76が形成される。コンプレッサブレード76は、例えば、図2に示すように12枚設けられる。
また、コンプレッサハウジング70内には、環状のコンプレッサスクロール流路78およびディフューザ流路80が設けられている。コンプレッサスクロール流路78は、ディフューザ流路80よりもタービンシャフト21cの径方向外側に位置して設けられる。コンプレッサスクロール流路78は、下流側吸気流路18b(図1参照)と連通するとともに、ディフューザ流路80にも連通している。ディフューザ流路80は、タービンシャフト21cの径方向内側から外側に向けて環状に形成されており、径方向内側において、コンプレッサインペラ72を介して吸気口74に連通している。
コンプレッサインペラ72が回転すると、吸気口74からコンプレッサハウジング70内に空気が吸気される。吸気された空気は、コンプレッサインペラ72のコンプレッサブレード76間を流通する過程において遠心力の作用により増速され、ディフューザ流路80およびコンプレッサスクロール流路78で昇圧されて下流側吸気流路18bに導かれることになる。
また、コンプレッサハウジング70には、噴射部60が形成される。本実施形態では、噴射部60は、例えば、第1噴射部60aと第2噴射部60bの2つが形成される。第1噴射部60aは、図2中、点線の円が描かれている箇所から、図面手前から奥に向かう方向に延在するように形成される。第1噴射部60aは、図中手前側から図中奥方向(コンプレッサブレード76)に向かって蓄圧空気を噴射する。第2噴射部60b(図3参照)は、タービンシャフト21cの中心軸を中心として、第1噴射部60aと軸対称の位置に形成される。
図3は、コンプレッサ21bと噴射部60の位置関係を示す図である。図3(a)は、コンプレッサ21bの正面図であり、図3(b)は、図3(a)の二点鎖線で示すIII−III断面図である。なお、図2同様、図中白抜き矢印は、コンプレッサ21b(コンプレッサインペラ72)の回転方向を示し、図3(b)中の一点鎖線はコンプレッサ21bの回転軸を示す。上述したように、噴射部60はコンプレッサハウジング70に形成される。
噴射部60は、図3(a)に示すように、先端が、コンプレッサインペラ72に向けて開口している。また、末端は、アシスト流路56(図1参照)に接続されている。噴射部60は、回転軸と直交する面(正面)から見た場合、先端が、コンプレッサインペラ72における径方向外縁に臨み、コンプレッサインペラ72の接線方向(噴射部60の延長線とコンプレッサインペラ72の径方向とが直交する位置での接線方向)に並行に形成される。また、噴射部60は、先端から末端に向かってコンプレッサインペラ72の回転方向(噴射部60の延長線とコンプレッサインペラ72の径方向とが直交する位置での回転方向)とは反対側に延在するように、コンプレッサハウジング70に形成される。
そして、蓄圧空気は、噴射部60からコンプレッサインペラ72に向かって噴射される。これにより、コンプレッサインペラ72が蓄圧空気により白抜き矢印方向に回転駆動される。つまり、噴射部60は、コンプレッサインペラ72に向かって流入する吸気の流れに沿うように、コンプレッサブレード76の裏側(回転方向とは反対側の面)に蓄圧空気を噴射するように設けられる。
また、図3(b)に示すように、噴射部60は、中心軸を通る断面と並行で、かつ、噴射部60が延在する断面から見た場合、末端から先端にかけて、径方向外側から径方向内側に向かうように、コンプレッサ21bの回転軸に対して傾斜してコンプレッサハウジング70に形成される。より具体的には、噴射部60は、コンプレッサインペラ72(本体部)と垂直に交差する方向に対して下流(ディフューザ流路80)に向く方向に沿って形成される。
そして、噴射部60がコンプレッサブレード76に向けて蓄圧空気を噴射すると、蓄圧空気は、コンプレッサブレード76の裏側に噴射された後、コンプレッサ21bの下流に向けて(下流側吸気流路18bへ向けて)流れる。
このように、噴射部60は、コンプレッサハウジング70に傾きを有して形成されることにより、蓄圧空気をコンプレッサブレード76に噴射する際に、コンプレッサ21bの駆動を回転方向に補助することができる。したがって、過給アシスト装置50は、過給機21の動作を補助(アシスト)することができる。
(蓄圧空気送入処理)
次に、第2蓄圧バルブ58bの制御の説明を行う。図4は、蓄圧空気送入処理を説明するフローチャートである。上述したように、制御装置100は、車両の走行およびエンジン1の運転状態に応じて第2蓄圧バルブ58bを制御する。なお、かかる蓄圧空気送入処理は所定周期でループ制御される。
制御装置100は、まず、アクセルペダルセンサ106から送信される信号(アクセル開度)に基づいて、所定の加速量以上となるようにアクセルペダルが踏み込まれたか否か判定する(S101)。そして、所定の加速量以上となるようにアクセルペダルが踏み込まれれば(S101におけるYES)、制御装置100は、アクセルペダルセンサ106および車速センサ104から送信される信号に基づいて、アクセルの踏み込み量(アクセル開度)および車両の車速(走行速度)を導出する(S102)。
その後、制御装置100は、上記ステップS102において導出されたアクセルの踏み込み量(アクセル開度)と車速(走行速度)に基づいて、予め記憶されたマップを参照して目標トルクの導出を行う(S103)。また、制御装置100は、車速および目標トルクに基づいて、加速時に過給機21に必要な空気量を導出する。
次に、制御装置100は、エンジン回転数センサ110から送信される信号に基づいて、エンジン1の回転数(エンジン回転数)を導出する。また、制御装置100は、スロットル開度センサ108から送信される信号に基づいて、スロットル弁24の開度(スロットル開度)を導出する(S104)。そして、制御装置100は、エンジン回転数およびスロットル開度に基づいて、吸気量を導出する。また、制御装置100は、吸気量に基づいて、エンジン1から排気される排気ガスの量を導出する。なお、排気ガスの量を導出する際、排気流路20にフローメータを設けてもよく、その他の方法で排気ガスの量を導出してもよい。
次に、制御装置100は、上記ステップS103で導出された目標トルクと、上記ステップS104で導出されたエンジン回転数に基づいて、目標過給圧マップを参照して、目標過給圧を導出する(S105)。なお、目標過給圧マップは、目標トルクと、エンジン回転数とが、目標過給圧に対応付けられている。
次に、制御装置100は、圧力センサ102から送信される信号に基づいて、現在の過給圧を導出する。そして、現在の過給圧が、上記ステップS105で導出された目標過給圧より少ないか否か判定する(S106)。そして、現在の過給圧が目標過給圧よりも少なければ(S106におけるYES)、制御装置100は、圧力センサ102から送信される信号に基づいて、タンク54に蓄圧空気が貯留されているか否か判定する(S107)。その際、制御装置100は、事前(蓄圧空気をアシストしていないとき)に圧力センサ102から送信された信号を読み出し、吸気流路18を通過した空気量に基づいて、タンク54に蓄圧空気が貯留されているか否か判定する。
その結果、タンク54に蓄圧空気が貯留されていれば(ステップS107におけるYES)、制御装置100は、第2蓄圧バルブ58bをオンにする(S108)。つまり、第2蓄圧バルブ58bを開けて、蓄圧空気をコンプレッサ21bへと流出させる。コンプレッサ21bに蓄圧空気が流入されると、上述したように、コンプレッサブレード76に噴射部60より蓄圧空気が噴射される。
そして、制御装置100は、圧力センサ102から送信される信号に基づいて、目標過給圧に到達したか否か判定する(S109)。そして、制御装置100は、目標過給圧に到達しない場合(ステップS109におけるNO)、到達されるまでステップS109の処理を繰り返す。一方、目標過給圧に到達すれば(ステップS109におけるYES)、制御装置100は、第2蓄圧バルブ58bをオフにし(S110)、当該蓄圧空気送入処理を終了する。なお、本実施形態のタンク54の容量は、一端、第2蓄圧バルブ58bをオンにすると、タンク54内の蓄圧空気がなくなる前に過給アシストを終了する程度の容量を持つ。
また、制御装置100は、所定の加速量以上となるようにアクセルペダルが踏み込まれていないと判定した場合(ステップS101におけるNO)、当該蓄圧空気送入処理を終了する。また、制御装置100は、現在の過給圧が目標過給圧よりも少なくない(現在の過給圧が目標過給圧より多い)と判定した場合(ステップS106におけるNO)、過給アシストを行う必要がないので、当該蓄圧空気送入処理を終了する。また、制御装置100は、タンク54に蓄圧空気が貯留されていないと判定した場合(ステップS107におけるNO)、コンプレッサ21bに送る空気を有しておらず、過給アシストを行えないので、当該蓄圧空気送入処理を終了する。
上記のように、過給アシスト装置50が備えられた本実施形態のエンジン1は、過給アシスト装置50により、下流側吸気流路18bから蓄圧流路52を介してタンク54に過給後の空気(蓄圧空気)を貯留することができる。そして、タンク54からアシスト流路56を介して、貯留された過給後の空気(蓄圧空気)をコンプレッサ21bに噴射することで、排気ガスが少なく、過給圧が不足している状態からでも空気の供給を行うことができる。また、蓄圧空気は、噴射部60によってコンプレッサインペラ72の回転方向に沿うように(コンプレッサブレード76の回転をアシストするように)、噴射される。
タンク54に蓄圧空気を貯留することで、高温である排気ガスを貯留する場合に比べてより高い圧力で貯留することができる。また空気は高温になると膨張し、体積が増えてしまうため、排気ガスよりも低温の蓄圧空気を貯留することで、タンク54の容積を少なくしてもコンプレッサインペラ72の回転をアシストすることができる。
また、噴射部60が、コンプレッサブレード76の背面側に蓄圧空気を噴射し、コンプレッサインペラ72の回転をアシストし、かつ、噴射部60から噴射された蓄圧空気がディフューザ流路80に流れゆくような角度に形成されるので、コンプレッサ21bの吸入側に逆流せず、コンプレッサ21bの過給をアシストすることができる。
かかる構成により、過給アシスト装置50は、運転状態に応じて、過給後の圧縮された空気をタンク54に貯留(蓄圧)し、排気ガスだけではタービン21aが十分に回転しない場合において、コンプレッサ21bに蓄圧空気を噴射することによってコンプレッサ21bの回転を補助(アシスト)することができる。よって、過給アシスト装置50は、タンク54に過給(圧縮)された空気を蓄圧させ、蓄圧された空気を用いることで、コンプレッサインペラ72の回転を速めることができ(十分な過給量を得ることができ)、燃焼室9内への影響を生じさせずに、ターボラグが発生することを低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、第1蓄圧バルブ58aは、逆止弁で構成される場合について説明したが、第1蓄圧バルブ58aは、電制バルブであってもよい。また、電制バルブの場合は、所定の条件においてオンオフ(開閉)する制御を定めてもよい。
例えば、上記実施形態では、噴射部60が、コンプレッサハウジング70に2つ設けられる場合について説明したが、噴射部60は1つでもよいし、あるいは、3つ以上設けられてもよい。また、噴射部60が複数設けられる場合は、必ずしもそれぞれの噴射部60がコンプレッサインペラ72の対角線上に設けられなくてもよい。つまり、噴射部60の配置は、好適な一例にすぎず、噴射部60の配置数や配置箇所には特に制限はない。
また、上記実施形態では、目標過給圧は、目標トルクと、エンジン回転数が対応付けられているマップによって導出される場合について説明したが、目標過給圧は、マップを持たず、一定の値に定められていてもよい。その場合も、制御装置100は、現在の過給圧が目標過給圧よりも少なく、タンク54に蓄圧空気が貯留されている場合に、第2蓄圧バルブ58bをオン(開)にすることが可能である。
また、上記実施形態で説明した第2蓄圧バルブ58bの配置は、好適な一例にすぎず、アシスト流路56内であれば、配置箇所には特に制限はない。
また、上記実施形態で説明した蓄圧流路52の配置は、好適な一例にすぎず、下流側吸気流路18b内においてスロットル弁24よりも前(スロットル上流側)であれば、配置箇所には特に制限はない。
また、上記実施形態では、コンプレッサブレード76が12枚設けられる場合について説明したが、コンプレッサブレード76の枚数は、好適な一例にすぎず、コンプレッサ21bが過給を行えるのであれば、設置枚数には特に制限はない。
本発明は、エンジンの過給をアシストする過給アシスト装置に利用できる。
1 エンジン
18 吸気流路
21 過給機
21b コンプレッサ
50 過給アシスト装置
52 蓄圧流路(第2接続流路)
54 タンク
56 アシスト流路(第1接続流路)
58 蓄圧バルブ(バルブ)
60 噴射部
72 コンプレッサインペラ
80 ディフューザ流路

Claims (3)

  1. 過給機を備えたエンジンにおける過給アシスト装置であって、
    空気を貯留するタンクと、
    前記タンクに接続され、前記タンクに貯留された空気を前記過給機のコンプレッサインペラに向けて噴射する噴射部と、
    を備えた過給アシスト装置。
  2. 前記過給機によって圧縮された空気が流通する吸気流路と前記タンクとが接続され、
    前記過給機によって圧縮された空気が前記タンクに供給されて貯留される請求項1に記載の過給アシスト装置。
  3. 前記噴射部は、
    コンプレッサの回転軸方向に前記噴射部を通る断面から見た場合、前記コンプレッサインペラに交差する向きよりディフューザ流路方向に傾斜して設けられる請求項1または2に記載の過給アシスト装置。
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