JP7273138B2 - サージング抑制装置、排気タービン式の過給機およびサージング抑制方法 - Google Patents
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Description
排気タービン式の過給機におけるサージングを抑制するためのサージング抑制装置であって、
大気圧に比べて高圧の高圧気体を蓄圧するように構成された高圧タンクと、
上記過給機のコンプレッサより上流側の上流側吸気通路と上記高圧タンクとを結ぶ高圧気体導入ラインと、
上記高圧気体導入ラインを開閉可能に構成された開閉バルブと、
上記過給機の上記コンプレッサにおける圧力比と吸気流量との関係性に基づいて、上記開閉バルブを制御するように構成された制御装置と、を備える。
排気タービン式の過給機におけるサージングを抑制するサージング抑制装置を用いたサージング抑制方法であって、
上記サージング抑制装置は、
大気圧に比べて高圧の高圧気体を蓄圧するように構成された高圧タンクと、
コンプレッサより上流側の上流側吸気通路と上記高圧タンクとを結ぶ高圧気体導入ラインと、
上記高圧気体導入ラインを開閉可能に構成された開閉バルブと、を備え、
上記サージング抑制方法は、
上記高圧タンクに上記高圧気体を蓄圧するステップと、
上記過給機の上記コンプレッサにおける圧力比と吸気流量との関係性に基づいて、上記開閉バルブを制御するステップと、を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
図1に示されるように、幾つかの実施形態にかかるサージング抑制装置4は、排気タービン式の過給機1におけるサージングの発生を抑制するための装置であり、過給機1に搭載される。
過給機本体3は、エンジン11から排出された排ガスによりタービン32が回転駆動し、タービン32に連動して同軸上で回転駆動するコンプレッサ31により、吸気通路12を流れる燃焼用気体を圧縮するように構成されている。
ウエイストゲートバルブ17を開放し、タービン32に向かって流れる排ガスの一部を迂回通路16に分流させることで、タービン32に導入される排ガスの量やエネルギが低減させることができ、ひいては燃焼用気体の過給圧を低減させることができる。
図示される実施形態では、導入側開閉バルブ7は、開度調整弁であり、制御装置10が指示する指示開度に応じた開度に変更可能に構成されている。この場合には、導入側開閉バルブ7は、制御装置10が指示する指示開度に応じた開度にすることで、高圧気体導入ライン6の導入側開閉バルブ7より下流側を流れる高圧気体の流量を調整可能である。
図2に示されるコンプレッサマップMは、横軸をコンプレッサ31の吸気流量Wとし、縦軸をコンプレッサ31の圧力比PF(入口圧力PIに対する出口圧力POの圧力比)とするマップである。コンプレッサマップMは、予め定常試験により作成されている。コンプレッサ31の運転点R1のコンプレッサマップM上の位置により、過給機本体3の作動領域や効率が判断可能となっている。
図示される実施形態では、過給機1は、図1に示されるように、コンプレッサ31の運転点R1に関する情報を取得するように構成された運転点取得装置18をさらに備える。
制御装置10は、図3に示されるように、運転点取得装置18に電気的に接続され、コンプレッサ31の運転点R1に関する情報が運転点取得装置18から送られるように構成されている。制御装置10は、コンプレッサ31の運転点R1に関する情報から運転点R1を取得するように構成されている運転点取得部101を備える。
図4に示されるように、上述した高圧気体導入ライン6は、高圧気体導入ライン6を流れる高圧気体と上流側吸気通路12Aを流れる燃焼用気体との合流点Pにおいて、高圧気体を導入する少なくとも一つの導入口61を含む。
図4に示されるように、コンプレッサ31に導入される燃焼用気体の流量が低い場合には、過給機本体3のケーシング34のシュラウド部37(ケーシング34のうちコンプレッサ31のインペラ35のインペラ翼36の先端に対向する部分)近傍は、流れFがシュラウド部37から剥離して負圧領域Nが形成されるようになっている。
幾つかの実施形態では、サージング抑制装置4は、図1、5、6に示されるように、上述した高圧タンク5と、上述した高圧気体導入ライン6と、上述した導入側開閉バルブ7と、上述した制御装置10と、高圧気体を高圧タンク5に送るように構成された少なくとも一つの高圧気体取込ライン8と、高圧気体取込ライン8を開閉可能に構成された取込側開閉バルブ9と、を備える。制御装置10は、取込側開閉バルブ9の開閉を制御するように構成されている。
図示される実施形態では、取込側開閉バルブ9は、開度調整弁であり、制御装置10が指示する指示開度に応じた開度に変更可能に構成されている。この場合には、取込側開閉バルブ9は、制御装置10が指示する指示開度に応じた開度にすることで、高圧気体取込ライン8の取込側開閉バルブ9より下流側を流れる高圧気体の流量を調整可能である。
図1に示される実施形態では、排ガス取込ライン8Aは、下流側迂回通路16Aに設けられる分岐部161および高圧タンク5に接続される。下流側迂回通路16Aを流れる排ガスは、下流側排気通路13Bを流れる排ガスや大気圧よりも高圧である。
上述したサージング抑制装置4は、図5に示されるように、EGRガス通路19と高圧タンク5とを結ぶEGRガス取込ライン8Bを備える。換言すると、上述した少なくとも一つの高圧気体取込ライン8は、EGRガス取込ライン8Bを含む。また、上述した取込側開閉バルブ9は、EGRガス取込ライン8Bに設けられる取込側開閉バルブ9Aを含む。
図6に示される実施形態では、エンジン11は、エンジン11の燃焼室から排出されたブローバイガスを蓄圧する蓄圧部111を有する。ブローバイガス取込ライン8Cは、蓄圧部111および高圧タンク5に接続される。ブローバイガスは、大気圧よりも高圧である。
図6に示される実施形態では、燃焼用気体取込ライン8Dは、下流側吸気通路12Bに設けられる分岐部123および高圧タンク5に接続される。下流側吸気通路12Bを流れる燃焼用気体は、大気圧よりも高圧である。
他の幾つかの実施形態では、上述した電動コンプレッサ22は、高圧タンク5内の気体を圧縮するように構成されていてもよい。
幾つかの実施形態にかかるサージング抑制方法200は、排気タービン式の過給機1におけるサージングを抑制するサージング抑制装置4を用いたサージング抑制方法である。上述したサージング抑制装置4は、上述した高圧タンク5と、上述した高圧気体導入ライン6と、上述した導入側開閉バルブ7と、を備える。上述したサージング抑制方法200は、図7に示されるように、高圧タンク5に高圧気体を蓄圧するステップS1と、過給機本体3のコンプレッサ31における圧力比と吸気流量との関係性に基づいて、導入側開閉バルブ7を制御するステップS2と、を備える。
ステップS3では、コンプレッサ31の運転点R1を取得することが行われる。運転点R1は、上述した運転点取得装置18および制御装置10の運転点取得部101により取得してもよいし、他の方法により取得してもよい。
ステップS4では、運転点R1が、コンプレッサマップMの低流量運転領域LF内に位置するか否かの判定が行われる。上記判定は、制御装置10の判定部102が行ってもよいし、手動で行ってもよい。運転点R1が低流量運転領域LF内に位置していない場合には(ステップS4で「NO」)、フローは終了する。
運転点R1が低流量運転領域LF内に位置する場合には(ステップS4で「YES」)、導入側開閉バルブ7を開くことが行われる(ステップS5)。導入側開閉バルブ7を開動作は、制御装置10の開閉指示部103から信号を受け取った導入側開閉バルブ7が行ってもよいし、手動で行ってもよい。
3 過給機本体
4 サージング抑制装置
5 高圧タンク
6 高圧気体導入ライン
7 導入側開閉バルブ
8 高圧気体取込ライン
8A 排ガス取込ライン
8B EGRガス取込ライン
8C ブローバイガス取込ライン
8D 燃焼用気体取込ライン
8E 圧縮空気導入ライン
9,9A~9E 取込側開閉バルブ
10 制御装置
11 エンジン
12 吸気通路
12A 上流側吸気通路
12B 下流側吸気通路
13 排気通路
13A 上流側排気通路
13B 下流側排気通路
14 エアクリーナ
15 エアクーラ
16 迂回通路
16A 下流側迂回通路
17 ウエイストゲートバルブ
18 運転点取得装置
18A 入口圧力センサ
18B 出口圧力センサ
18C 流量センサ
18D 回転数センサ
18E 温度センサ
19 EGRガス通路
20 EGRガスバルブ
21 排ガス脱硫装置
22 電動コンプレッサ
23 気体タンク
24 気体導入ライン
31 コンプレッサ
32 タービン
33 回転シャフト
34 ケーシング
35 インペラ
36 インペラ翼
37 シュラウド部
61 導入口
62 ノズル部
63 鍔部
101 運転点取得部
102 判定部
103 開閉指示部
104 記憶部
111 蓄圧部
121,122,132 合流部
123,131,133,161,191 分岐部
200 サージング抑制方法
341 管状部
342 外周面
343 ザグリ穴
344 貫通孔
A,B 成分
C 方向
F 流れ
L1 サージライン
L2 エンジンの作動線
LF 低流量運転領域
LM 低流量側マージン
M コンプレッサマップ
N 負圧領域
P 合流点
PF 圧力比
PI 入口圧力
PO 出口圧力
R 回転方向
R1 運転点
RN 正常運転領域
RS サージ運転領域
S1,S2,S3,S4,S5 ステップ
W 吸気流量
Claims (10)
- 排気タービン式の過給機におけるサージングを抑制するためのサージング抑制装置であって、
大気圧に比べて高圧の高圧気体を蓄圧するように構成された高圧タンクと、
前記過給機のコンプレッサより上流側の上流側吸気通路と前記高圧タンクとを結ぶ高圧気体導入ラインと、
前記高圧気体導入ラインを開閉可能に構成された開閉バルブと、
前記過給機の前記コンプレッサにおける圧力比と吸気流量との関係性に基づいて、前記開閉バルブを制御するように構成された制御装置と、
前記圧力比と前記吸気流量との関係性から規定される前記コンプレッサの運転点に関する情報を取得可能な少なくとも一つのセンサを含む運転点取得装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記運転点取得装置で取得された前記運転点に関する情報から前記運転点を取得するように構成された運転点取得部と、
前記運転点取得部で取得した前記運転点が、サージングが発生する危険がある運転領域である低流量運転領域に位置するか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記運転点が前記低流量運転領域内に位置していると判定したときに、前記開閉バルブを開くように指示する開閉指示部と、を含む、
サージング抑制装置。 - 前記過給機のタービンより上流側の上流側排気通路と前記タービンより下流側の下流側排気通路とを繋ぐ迂回通路における、前記迂回通路に設けられるウエイストゲートバルブより下流側の下流側迂回通路と、前記高圧タンクとを結ぶ排ガス取込ラインをさらに備える
請求項1に記載のサージング抑制装置。 - 前記過給機のタービンより下流側の下流側排気通路と前記上流側吸気通路とを繋ぐEGRガス通路と、前記高圧タンクとを結ぶEGRガス取込ラインをさらに備える
請求項1又は2に記載のサージング抑制装置。 - エンジンから排出されたブローバイガスを前記高圧タンクに送るように構成されたブローバイガス取込ラインをさらに備える
請求項1乃至3の何れか1項に記載のサージング抑制装置。 - 前記コンプレッサより下流側の下流側吸気通路と前記高圧タンクとを結ぶ燃焼用気体取込ラインをさらに備える
請求項1乃至4の何れか1項に記載のサージング抑制装置。 - 前記高圧タンクに前記高圧気体を圧送するように構成された電動コンプレッサをさらに備える
請求項1乃至5の何れか1項に記載のサージング抑制装置。 - 前記高圧気体導入ラインは、前記高圧気体導入ラインを流れる前記高圧気体と、前記上流側吸気通路を流れる燃焼用気体と、の合流点において、前記高圧気体を前記コンプレッサの軸方向における下流側へ向かう成分を有する方向に向かうように前記上流側吸気通路に導入するように構成された少なくとも一つの導入口を含む
請求項1乃至6の何れか1項に記載のサージング抑制装置。 - 前記高圧気体導入ラインは、前記高圧気体導入ラインを流れる前記高圧気体と、前記上流側吸気通路を流れる燃焼用気体と、の合流点において、前記高圧気体を前記コンプレッサの回転方向における下流側へ向かう成分を有する方向に向かうように前記上流側吸気通路に導入するように構成された少なくとも一つの導入口を含む
請求項1乃至7の何れか1項に記載のサージング抑制装置。 - 請求項1乃至8の何れか1項に記載のサージング抑制装置を備える排気タービン式の過給機。
- 排気タービン式の過給機におけるサージングを抑制するサージング抑制装置を用いたサージング抑制方法であって、
前記サージング抑制装置は、
大気圧に比べて高圧の高圧気体を蓄圧するように構成された高圧タンクと、
コンプレッサより上流側の上流側吸気通路と前記高圧タンクとを結ぶ高圧気体導入ラインと、
前記高圧気体導入ラインを開閉可能に構成された開閉バルブと、
前記コンプレッサの圧力比と吸気流量との関係性から規定される前記コンプレッサの運転点に関する情報を取得可能な少なくとも一つのセンサを含む運転点取得装置と、を備え、
前記サージング抑制方法は、
前記高圧タンクに前記高圧気体を蓄圧する蓄圧ステップと、
前記運転点取得装置で取得された前記運転点に関する情報から前記運転点を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記運転点が、サージングが発生する危険がある運転領域である低流量運転領域に位置するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記運転点が前記低流量運転領域内に位置していると判定されたときに、前記開閉バルブを開くように指示する指示ステップと、を備える
サージング抑制方法。
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