JP2018165793A - 近接露光方法及び近接露光装置 - Google Patents

近接露光方法及び近接露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができ、露光精度を向上することができる近接露光方法及び近接露光装置を提供する。【解決手段】近接露光装置は、ワークとマスクとの間のギャップをギャップ調整機構を備え、露光転写時にギャップ調整機構の動作によりギャップを変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、近接露光方法及び近接露光装置に関する。
近接露光は、表面に感光材を塗布した透光性のワーク(被露光材)をワークステージ上に保持すると共に、このワークをマスクステージのマスク保持枠に保持されたマスクに近接させ、両者の隙間を例えば数10μm〜数100μmにした状態で両者を静止させ、次いで、マスクのワークから離間する側から照明光学系によって露光用の光をマスクに向けて照射することによりワーク上に該マスクに描かれた露光パターンを転写するようにしたものである。
ワークに転写される被露光パターンの形状やサイズは、主に、マスクの開口形状、露光ギャップ、照射される露光量などによって決定される。例えば、露光ギャップは、ワークステージの平坦度や、マスクの四辺保持によるたわみの存在によってばらつくため、被露光パターンのばらつきに影響する。液晶パネルのカラーフィルタのような直視型デバイスの場合には、これらのサイズや形状のばらつきは、ムラとなって認識されてしまう。
例えば、ブラックマトリクスの線幅が太くなると、開口が狭くなり、暗くなる方向へ、カラー部の膜厚が薄くなると、色の濃さが薄くなる方向へシフトし、周囲と異なる場合には、ムラとなって認識される。
従来、特許文献1には、露光時間の半分の時間帯までワークを露光し、一旦、シャッターを閉じた後、マスクを水平方向に微小移動させて、改めてシャッターを開き、残りの半分の時間帯までワークを露光することで、不純物によるワークのパターン欠けを防止することが記載されている。
特開2007−164085号公報
ところで、特許文献1に記載の近接露光方法によれば、不純物によるパターン欠けは防止できるが、マスクを水平方向に微小移動させるため、被露光パターンの位置精度が低下する可能性があり、改善が望まれる。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができ、露光精度を向上することができる近接露光方法及び近接露光装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
前記ワークと前記マスクとの間のギャップをギャップ調整機構と、
を備える近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光方法であって、
前記露光転写時に前記ギャップ調整機構の動作により前記ギャップを変更することを特徴とする近接露光方法。
(2) 前記露光転写時に前記ギャップ調整機構の動作により前記ギャップを変更することで、2つの前記ギャップで前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写することを特徴とする(1)に記載の近接露光方法。
(3) 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
を備え、前記照明光学系が、前記ワークに照射される前記光のコリメーション半角を調整可能なコリメーション半角調整機構を有する近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光方法であって、
前記露光転写時に前記コリメーション半角調整機構により前記コリメーション半角を変更することを特徴とする近接露光方法。
(4) 前記露光転写時に前記コリメーション半角調整機構により前記コリメーション半角を変更することで、2つの前記コリメーション半角で前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写することを特徴とする(3)に記載の近接露光方法。
(5) 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
前記ワークと前記マスクとの間のギャップをギャップ調整機構と、
を備える近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光装置であって、
前記露光転写時に前記ギャップを変更するように、前記ギャップ調整機構を制御する制御部を有することを特徴とする近接露光装置。
(6) 前記制御部は、2つの前記ギャップで前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写するように、前記ギャップ調整機構を制御することを特徴とする(5)に記載の近接露光装置。
(7) 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
を備え、前記照明光学系が、前記ワークに照射される前記光のコリメーション半角を調整可能なコリメーション半角調整機構を有する近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光装置であって、
前記露光転写時に前記コリメーション半角を変更するように、前記コリメーション半角調整機構を制御する制御部を有することを特徴とする近接露光装置。
(8) 前記制御部は、2つの前記コリメーション半角で前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写するように、前記コリメーション半角調整機構を制御することを特徴とする(7)に記載の近接露光装置。
本発明の近接露光方法及び近接露光装置によれば、被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができ、露光精度を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る近接露光装置の正面図である。 図1に示す照明光学系を示す図である。 設定ギャップに対して上下限値それぞれにおけるワーク面での露光光強度、及び上下限値で切り換えて露光された場合の平均化されたワーク面での露光光強度を示すグラフである。 (a)は、設定コリメーション角に対して上下限値それぞれにおけるワーク面での露光強度、及び上下限値で露光された場合の平均化されたワーク面での露光強度を示すグラフであり、(b)は、(a)を部分的に拡大したグラフである。 設定ギャップ及びコリメーション角を固定した場合のワーク面での照度を表す図である。 (a)は、ギャップを変更し、コリメーション角を固定した場合のワーク面での照度を表す図であり、(b)は、コリメーション半角を変更し、ギャップを固定した場合のワーク面での照度を表す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る近接露光装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、近接露光装置PEは、被露光材としてのワークWより小さいマスクMを用い、マスクMをマスクステージ(マスク支持部)1で保持すると共に、ワークWをワークステージ(ワーク支持部)2で保持し、マスクMとワークWとを近接させて所定の露光ギャップで対向配置した状態で、照明光学系3からパターン露光用の光をマスクMに向けて照射することにより、マスクMのパターンをワークW上に露光転写する。また、ワークステージ2をマスクMに対してX軸方向とY軸方向の二軸方向にステップ移動させて、ステップ毎に露光転写が行われる。
ワークステージ2をX軸方向にステップ移動させるため、装置ベース4上には、X軸送り台5aをX軸方向にステップ移動させるX軸ステージ送り機構5が設置されている。X軸ステージ送り機構5のX軸送り台5a上には、ワークステージ2をY軸方向にステップ移動させるため、Y軸送り台6aをY軸方向にステップ移動させるY軸ステージ送り機構6が設置されている。Y軸ステージ送り機構6のY軸送り台6a上には、ワークステージ2が設置されている。ワークステージ2の上面には、ワークWがワークチャック等で真空吸引された状態で保持される。また、ワークステージ2の側部には、マスクMの下面高さを測定するためのワーク側変位センサ15が配設されている。従って、ワーク側変位センサ15は、ワークステージ2と共にX、Y軸方向に移動可能である。
装置ベース4上には、複数(図に示す実施形態では4本)のX軸リニアガイドのガイドレール51がX軸方向に配置され、それぞれのガイドレール51には、X軸送り台5aの下面に固定されたスライダ52が跨架されている。これにより、X軸送り台5aは、X軸ステージ送り機構5の第1リニアモータ20で駆動され、ガイドレール51に沿ってX軸方向に往復移動可能である。また、X軸送り台5a上には、複数のY軸リニアガイドのガイドレール53がY軸方向に配置され、それぞれのガイドレール53には、Y軸送り台6aの下面に固定されたスライダ54が跨架されている。これにより、Y軸送り台6aは、Y軸ステージ送り機構6の第2リニアモータ21で駆動され、ガイドレール53に沿ってY軸方向に往復移動可能である。
Y軸ステージ送り機構6とワークステージ2の間には、ワークステージ2を上下方向に移動させるため、比較的位置決め分解能は粗いが移動ストローク及び移動速度が大きな上下粗動装置7と、上下粗動装置7と比べて高分解能での位置決めが可能でワークステージ2を上下に微動させてマスクMとワークWとの対向面間のギャップを所定量に微調整する上下微動装置(ギャップ調整機構)8が設置されている。
上下粗動装置7は後述の微動ステージ6bに設けられた適宜の駆動機構によりワークステージ2を微動ステージ6bに対して上下動させる。ワークステージ2の底面の4箇所に固定されたステージ粗動軸14は、微動ステージ6bに固定された直動ベアリング14aに係合し、微動ステージ6bに対し上下方向に案内される。なお、上下粗動装置7は、分解能が低くても、繰り返し位置決め精度が高いことが望ましい。
上下微動装置8は、Y軸送り台6aに固定された固定台9と、固定台9にその内端側を斜め下方に傾斜させた状態で取り付けられたリニアガイドの案内レール10とを備えており、該案内レール10に跨架されたスライダ11を介して案内レール10に沿って往復移動するスライド体12にボールねじのナット(図示せず)が連結されると共に、スライド体12の上端面は微動ステージ6bに固定されたフランジ12aに対して水平方向に摺動自在に接している。
そして、固定台9に取り付けられたモータ17によってボールねじのねじ軸を回転駆動させると、ナット、スライダ11及びスライド体12が一体となって案内レール10に沿って斜め方向に移動し、これにより、フランジ12aが上下微動する。
なお、上下微動装置8は、モータ17とボールねじによってスライド体12を駆動する代わりに、リニアモータによってスライド体12を駆動するようにしてもよい。
この上下微動装置8は、Z軸送り台6aのY軸方向の一端側(図1の左端側)に1台、他端側に2台、合計3台設置されてそれぞれが独立に駆動制御されるようになっている。これにより、上下微動装置8は、ギャップセンサ27による複数箇所でのマスクMとワークWとのギャップ量の計測結果に基づき、3箇所のフランジ12aの高さを独立に微調整してワークステージ2の高さ及び傾きを微調整する。
なお、上下微動装置8によってワークステージ2の高さを十分に調整できる場合には、上下粗動装置7を省略してもよい。
また、Y軸送り台6a上には、ワークステージ2のY方向の位置を検出するY軸レーザ干渉計18に対向するバーミラー19と、ワークステージ2のX軸方向の位置を検出するX軸レーザ干渉計に対向するバーミラー(共に図示せず)とが設置されている。Y軸レーザ干渉計18に対向するバーミラー19は、Y軸送り台6aの一側でX軸方向に沿って配置されており、X軸レーザ干渉計に対向するバーミラーは、Y軸送り台6aの一端側でY軸方向に沿って配置されている。
Y軸レーザ干渉計18及びX軸レーザ干渉計は、それぞれ常に対応するバーミラーに対向するように配置されて装置ベース4に支持されている。なお、Y軸レーザ干渉計18は、X軸方向に離間して2台設置されている。2台のY軸レーザ干渉計18により、バーミラー19を介してY軸送り台6a、ひいてはワークステージ2のY軸方向の位置及びヨーイング誤差を検出する。また、X軸レーザ干渉計により、対向するバーミラーを介してX軸送り台5a、ひいてはワークステージ2のX軸方向の位置を検出する。
マスクステージ1は、略長方形状の枠体からなるマスク基枠24と、該マスク基枠24の中央部開口にギャップを介して挿入されてX,Y,θ方向(X,Y平面内)に移動可能に支持されたマスクフレーム25とを備えており、マスク基枠24は装置ベース4から突設された支柱4aによってワークステージ2の上方の定位置に保持されている。
マスクフレーム25の中央部開口の下面には、枠状のマスクホルダ26が設けられている。即ち、マスクフレーム25の下面には、図示しない真空式吸着装置に接続される複数のマスクホルダ吸着溝が設けられており、マスクホルダ26が複数のマスクホルダ吸着溝を介してマスクフレーム25に吸着保持される。
マスクホルダ26の下面には、マスクMのマスクパターンが描かれていない周縁部を吸着するための複数のマスク吸着溝(図示せず)が開設されており、マスクMは、マスク吸着溝を介して図示しない真空式吸着装置によりマスクホルダ26の下面に着脱自在に保持される。
また、マスクフレーム25には、マスクMのアライメントマークMaと、ワークWのアライメントマークWaとを撮像するアライメント調整用のCCDカメラ30が搭載されている。さらに、ワークステージ2には、ワークステージ2に照射される露光光の照度を測定する照度測定手段としての複数の照度センサ95が設けられている。
図2に示すように、照明光学系3は、発光部としての超高圧水銀ランプ71と、このランプ71から発生された光に指向性をもたせて射出する反射鏡72と、を含む光源部73と、複数のレンズセルからなるフライアイレンズによって構成され、光源部73からの光の強度を均一化するインテグレータ74と、インテグレータ74の出射面から出射された光路の向きを変える平面鏡75と、コリメーションミラー76と、光源部73とインテグレータ74との間に配置されて照射された光を透過・遮断するように開閉制御する露光制御用シャッター77と、を備える。なお、ランプ71は単一のランプに限らず、複数個のランプを組み合わせたものであってもよい。また、光源部73としては、ランプ71に限らず、レーザー光であってもよい。
また、本実施形態の照明光学系3は、ワークWに転写されるパターンの所望の線幅に対応する所定のコリメーション半角に調整するためのコリメーション半角調整機構として、インテグレータ74の入射面側に設けられ、所定のコリメーション半角に設定されるように、複数のレンズセルのいずれかに入射される光を遮光する遮光部材78と、光源部73とインテグレータ74との間に設けられ、光源部73からの光の強度を均一化する他のインテグレータ79と、を備える。
なお、他のインテグレータ79は、コリメーション半角を小さくすることで悪化する露光面内での照度分布を改善するものであり、必要に応じて設置すればよい。
コリメーション半角は、インテグレータ径とコリメーションミラー76(又は、コリメーションレンズ)によって決まるが、遮光部材78は、インテグレータ74からの出射光が拡散せずに、出射光がより平行光に近くなるように設けられる。具体的に、遮光部材78は、コリメーション半角内の角度の大きい光に寄与するレンズセルの部分を遮光して、所定のコリメーション半角を与えるように移動可能に構成される。なお、コリメーション半角は、0.1〜2.0°の間で設定されるようにするのが好ましい。コリメーション半角が0.1°より小さいと、転写パターンに歪みが発生する一方、2.0°より大きいと、転写パターンのぼけ量が大きくなる。ただし、遮光部材78によって遮光すると、照度均一性が悪化するため、その場合には、分割数の多いインテグレータ74を採用することで均一性を向上させている。
また、コリメーション角を変更したため、照度が変わり露光量が下がってしまうような場合には、露光量が下がった分だけ露光時間を長くするように設定してもよい。
本実施形態の近接露光装置PEにおいては、ワークステージ2上に載置されたワークWと、マスクステージ1に支持された、マスクパターンを有するマスクMとが、これらの対向面間のギャップを例えば100〜300μm程度の隙間に調整されて近接対向配置される。そして、照明光学系3からの露光用の光が、他のインテグレータ79に入射され、さらに、遮光部材78を可動して部分的に遮光されたインテグレータ74で集光され、平面鏡75およびコリメーションミラー76で反射されて所定のコリメーション角を持った平面光とされてマスクMに入射する。そして、マスクMを透過した露光用の光は、ワークWの表面に塗布されたポジ型レジストを感光させてマスクMのマスクパターンがワークWに露光転写される。
従って、遮光部材78の移動によってインテグレータ74に入射される光を部分的に遮光することで、所定のコリメーション半角を与えることができるので、被露光パターンの所望の線幅に応じてコリメーション半角を可変に設定することができ、所望の線幅の高解像度なパターンを得る。
なお、コリメーション半角調整機構は、公知のものが適用可能であり、例えば、国際公開2012/067246号に記載のものが適用可能である。
また、近接露光装置PEは、上述したX軸ステージ送り機構5、Y軸ステージ送り機構6、上下粗動装置7、上下微動装置8、及び照明光学系3を主に制御する制御部90を有し、制御部90は、記憶部91やタイマー92等を備える。さらに、制御部90は、後述するように、露光転写時に、ワークWとマスクMとの間のギャップを変更するように、ギャップ調整機構としての上下微動装置8を動作させたり、コリメーション半角を変更するように、コリメーション半角調整機構としての遮光部材78を動作させる。
ここで、本実施形態の近接露光装置PEでは、被露光パターンにムラが生じるような場合に、このムラをぼかすように、露光転写時に、ワークWとマスクMとの間のギャップと、コリメーション半角との少なくとも一方を変更する。
具体的に、ギャップの変更は、露光時間のうち第1の時間だけ第1のギャップでワークWを露光し、一旦、シャッター77を閉じた後、上下微動装置8の動作により第2のギャップに変更し、改めてシャッター77を開き、残りの第2の時間だけワークWを露光することで、行われる。
或いは、ギャップの変更は、シャッター77を開いた状態のままで、露光時間のうち第1の時間だけ第1のギャップでワークWを露光し、上下微動装置8の動作により第2のギャップに変更し、残りの第2の時間だけワークWを露光することで、行われてもよい。
一例として、第1のギャップは、設定ギャップに対して所定値だけ大きなギャップとし、第2のギャップは、設定ギャップに対して該所定値だけ小さなギャップとする。これにより、被露光パターンのサイズへの影響を抑制する。
また、コリメーション半角の変更は、露光時間のうち第1の時間だけ第1のコリメーション半角でワークWを露光し、一旦、シャッター77を閉じた後、遮光部材78の動作により第2のコリメーション半角に変更し、改めてシャッター77を開き、残りの第2の時間だけワークWを露光することで、行われる。
或いは、コリメーション半角の変更も、シャッター77を開いた状態のままで、露光時間のうち第1の時間だけ第1のコリメーション半角でワークWを露光し、遮光部材78の動作により第2のコリメーション半角に変更し、残りの第2の時間だけワークWを露光することで、行われてもよい。
この場合、第1のコリメーション半角、第2のコリメーション半角、第1の時間、第2の時間の設定は、シャッター移動加速度、シャッター移動速度、遮光量に応じて設定される。
この場合も、一例として、第1のコリメーション半角は、設定コリメーション半角に対して所定値だけ大きなコリメーション半角とし、第2のコリメーション半角は、設定コリメーション半角に対して該所定値だけ小さなコリメーション半角とする。これにより、被露光パターンのサイズへの影響を抑制する。
図3は、被露光パターンが所定の線幅となるように、露光条件が設定ギャップ120μm、マスク開口8μm、設定コリメーション半角1.0度に設定されている場合に、ギャップを100μmと140μmの2段階(設定ギャップに対して±20μm)で変化させることで平均化されたワーク面での露光光強度を表している。この場合、ギャップ100μmでの露光時間と、ギャップ140μmでの露光時間を等しくしている。
この結果、被露光面での被露光パターンのサイズは、ギャップが100μmのときには、5.8μm、ギャップが140μmのときは、6.5μmとなるが、上記2つのギャップにて露光された場合には、サイズが6.0μmに平均化され、設定ギャップ120μmで露光した場合のサイズと略等しくなる。
図4は、被露光パターンが所定の線幅となるように、露光条件が設定ギャップ150μm、マスク開口8μm、設定コリメーション半角0.9度に設定されている場合に、コリメーション半角を0.8度と1.0度の2段階(設定コリメーション半角に対して±0.1度)で変化させることで平均化されたワーク面での露光光強度を表している。この場合も、コリメーション半角0.8度での露光時間と、コリメーション半角1.0度での露光時間を等しくしている。
この結果、被露光面での被露光パターンのサイズは、コリメーション半角が0.8度のときには、7.84μm、コリメーション半角が1.0度のときには、7.98μmとなるが、上記2つのコリメーション半角にて露光された場合には、7.90μmに平均化され、設定コリメーション半角0.9度で露光した場合のサイズと略等しくなる。
さらに、図5、図6(a)及び(b)では、露光条件が設定ギャップ150μm、マスク開口8μm、設定コリメーション半角2.0度に設定されている。この場合に、図5は、設定ギャップ150μmに固定して露光した場合の照度を2次元でプロットしたものを表し、図6(a)は、ギャップを130μmと170μmの2段階(設定ギャップに対して±20μm)で変化させた場合の照度を2次元でプロットしたものを表し、図6(b)は、コリメーション半角を1.8度と2.2度の2段階(設定コリメーション半角に対して±0.2度)で変化させた場合の照度を2次元でプロットしたものを表す。
この結果、図6(a)に示す、ギャップを変更させた場合では、図5に示す、設定ギャップ150μmに固定した場合に生じていたY方向の波状の照度変化が改善されていることが確認され、被露光パターンのムラが抑制されることがわかる。
また、図6(b)に示す、コリメーション半角を変更させた場合では、図5に示す、設定ギャップ150μmに固定した場合に生じていたY方向の波状の照度変化がわずかではあるが改善されていることが確認され、被露光パターンのムラが抑制されることがわかる。
以上説明したように、本実施形態の近接露光装置PE及び近接露光方法によれば、露光転写時に上下微動装置8の動作によりギャップを変更するので、被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができ、露光精度を向上することができる。特に、マスクパターンを水平移動する特許文献1に比べて、被露光物とマスクの相対位置をZ方向にのみ動かすため、位置精度の悪化を防止する事が出来る。
また、露光転写時に上下微動装置8の動作によりギャップを変更することで、2つのギャップでマスクMのパターンをワークWに露光転写するので、2つのギャップに変更するのみで、被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができる。
また、2つのギャップは、設定ギャップに対して所定値だけ大きなギャップと、設定ギャップに対して該所定値だけ小さなギャップであるので、被露光パターンのサイズは、設定ギャップで露光転写した場合のサイズと略等しく、被露光パターンのサイズへの影響を極力抑制することができる。
また、本実施形態の近接露光装置PE及び近接露光方法によれば、露光転写時に遮光部材78によりコリメーション半角を変更するので、被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができ、露光精度を向上することができる。
また、露光転写時に遮光部材78によりコリメーション半角を変更することで、2つのコリメーション半角でマスクMのパターンをワークWに露光転写するので、2つのコリメーション半角に変更するのみで、被露光パターンにムラが発生するのを抑制することができる。
さらに、2つのコリメーション半角は、設定コリメーション半角に対して所定値だけ大きなコリメーション半角と、設定コリメーション半角に対して該所定値だけ小さなコリメーション半角であるので、被露光パターンのサイズは、設定コリメーション半角で露光転写した場合のサイズと略等しく、被露光パターンのサイズへの影響を極力抑制することができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、ギャップの変更や、コリメーション半角の変更は、設定ギャップや設定コリメーション半角を中心として、大小両方の値を用いて行われているが、構造上の制約を受ける場合などでは、設定ギャップや設定コリメーション半角以上の値のみ、又は、設定ギャップや設定コリメーション半角以下の値のみを用いて変更を行ってもよい。この場合にも、被露光パターンのムラの発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、照明光学系からの光をマスクMを介してワークWに照射している露光中に、ワークWとマスクMとの間のギャップを変更する手法、コリメーション半角を変更する手法をそれぞれ説明しているが、両者を同時に変更するようにしてもよく、その場合、ムラの発生をより効果的に防止することができる。
また、ワークWとマスクMとの間のギャップを変更する手法のみを用いる場合には、近接露光方法及び近接露光装置においては、コリメーション半角調整機構を設けない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ギャップ調整機構として上下微動装置8が使用されているが、本発明は、マスクステージ1を上下に駆動する駆動機構を設けて、ワークWとマスクMとの間のギャップを調整するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、2つのギャップで露光転写を行っているが、本発明は、複数のギャップで露光転写が行われればよい。同様に、上記実施形態では、2つのコリメーション半角で露光転写を行っているが、本発明は、複数のコリメーション半角で露光転写が行われればよい。
また、ギャップの変更は、シャッター77を開いた状態のままで、露光時間のうち、所定の時間だけ、ギャップを揺動(繰り返し変動)するようにしてもよい。同様に、コリメーション半角の変更も、シャッター77を開いた状態のままで、露光時間のうち、所定の時間だけ、コリメーション半角を揺動(繰り返し変動)するようにしてもよい。
1 マスクステージ(マスク支持部)
2 ワークステージ(ワーク支持部)
3 照明光学系
30 CCDカメラ(アライメントカメラ)
90 制御部
M マスク
PE 近接露光装置
W ワーク

Claims (8)

  1. 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
    露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
    前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
    前記ワークと前記マスクとの間のギャップをギャップ調整機構と、
    を備える近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光方法であって、
    前記露光転写時に前記ギャップ調整機構の動作により前記ギャップを変更することを特徴とする近接露光方法。
  2. 前記露光転写時に前記ギャップ調整機構の動作により前記ギャップを変更することで、2つの前記ギャップで前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写することを特徴とする請求項1に記載の近接露光方法。
  3. 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
    露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
    前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
    を備え、前記照明光学系が、前記ワークに照射される前記光のコリメーション半角を調整可能なコリメーション半角調整機構を有する近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光方法であって、
    前記露光転写時に前記コリメーション半角調整機構により前記コリメーション半角を変更することを特徴とする近接露光方法。
  4. 前記露光転写時に前記コリメーション半角調整機構により前記コリメーション半角を変更することで、2つの前記コリメーション半角で前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写することを特徴とする請求項3に記載の近接露光方法。
  5. 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
    露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
    前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
    前記ワークと前記マスクとの間のギャップをギャップ調整機構と、
    を備える近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光装置であって、
    前記露光転写時に前記ギャップを変更するように、前記ギャップ調整機構を制御する制御部を有することを特徴とする近接露光装置。
  6. 前記制御部は、2つの前記ギャップで前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写するように、前記ギャップ調整機構を制御することを特徴とする請求項5に記載の近接露光装置。
  7. 被露光材としてのワークを支持するワーク支持部と、
    露光パターンを有するマスクを支持するマスク支持部と、
    前記マスクに向けて露光用の光を照射する照明光学系と、
    を備え、前記照明光学系が、前記ワークに照射される前記光のコリメーション半角を調整可能なコリメーション半角調整機構を有する近接露光装置を用いて、前記ワーク支持部と前記マスク支持部の動作により前記ワークと前記マスクとを近接させた状態で、前記照明光学系からの露光用の光を前記マスクを介して前記ワークに照射し、前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写する近接露光装置であって、
    前記露光転写時に前記コリメーション半角を変更するように、前記コリメーション半角調整機構を制御する制御部を有することを特徴とする近接露光装置。
  8. 前記制御部は、2つの前記コリメーション半角で前記マスクのパターンを前記ワークに露光転写するように、前記コリメーション半角調整機構を制御することを特徴とする請求項7に記載の近接露光装置。
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