JP2018164188A - 温度補償装置、温度補償型発振器、および温度補償方法 - Google Patents

温度補償装置、温度補償型発振器、および温度補償方法 Download PDF

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克彦 打浪
晴彦 丸
Haruhiko Maru
晴彦 丸
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英明 広瀬
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【課題】発振器は高次の周波数温度特性の成分をもち、その成分は素子固有にばらつくので、高精度に温度特性を補償することは困難であった。【解決手段】制御電圧に応じた周波数で発振する発振器の温度補償を行う温度補償装置であって、温度に応じた第1補償電圧を発生するための第1温度補償回路と、予め設定された設定温度において最大または最小となり、設定温度を含む温度範囲より外の温度での電圧変動が誤差範囲内となる第2補償電圧を発生するための第2温度補償回路と、第1補償電圧および第2補償電圧に基づく制御電圧を発振器に供給する制御電圧供給回路とを備える温度補償装置。【選択図】図1

Description

本発明は、温度補償装置、温度補償型発振器、および温度補償方法に関する。
従来、携帯端末の通信トラフィック量の増大に伴うマクロセル基地局の負担を軽減させるため、スモールセル基地局は今後大量に設置されることが見込まれる。フェムトセルなどのスモールセル基地局で使われる基準クロックは、±100ppb以下という高精度な周波数安定度が要求される。水晶自身のヒステリシス特性は、求められる±100ppbに対して無視できないほど大きいため、高精度クロックが必要な場合はOCXO(環境温度に応じてヒーターに電流を流して発熱させ、水晶振動子を一定の高温に保つことで周波数変動を抑える構成の水晶発振器)を用いるのが一般的であった。しかし、ヒステリシスの小さい水晶振動子が出てきたことにより、TCXO(温度補償型水晶発振器)によって、周波数安定度が±100ppbという高精度な要求を満たそうとする試みがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開平11−68461号公報
発振器は高次の周波数温度特性の成分をもち、その成分は素子固有にばらつくので、高精度に温度特性を補償することは困難であった。
本発明の第1の態様においては、制御電圧に応じた周波数で発振する発振器の温度補償を行う温度補償装置であって、温度に応じた第1補償電圧を発生するための第1温度補償回路と、予め設定された設定温度において最大または最小となり、設定温度を含む温度範囲より外の温度での電圧変動が誤差範囲内となる第2補償電圧を発生するための第2温度補償回路と、第1補償電圧および第2補償電圧に基づく制御電圧を発振器に供給する制御電圧供給回路とを備える温度補償装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、第1の態様の温度補償装置と、温度補償装置が出力する制御電圧に応じた周波数で発振する発振器とを備える温度補償型発振器が提供される。
本発明の第3の態様においては、制御電圧に応じた周波数で発振する発振器の温度補償を行う温度補償方法であって、複数の互いに独立に設定可能な第1温度補償回路から第1補償電圧を発生し、予め設定された選定周波数に一致するように第1温度補償回路の第1補償電圧による補正量を調整した後に、温度補償範囲内における複数の温度で発振器の発振周波数を測定し、発振周波数の測定結果から、予め設定された選定周波数からの周波数エラーの温特を測定し、予め設定された設定温度において最大または最小となり、設定温度を含む温度範囲より外の温度での電圧変動が誤差範囲内となる第2補償電圧を発生し、第2温度補償回路の第2補償電圧による発振器の周波数変動量をそれぞれ個別に複数の温度で測定し、第2温度補償回路の第2補償電圧による発振器の周波数変動量を温度Tの関数として近似し、予め設定された選定周波数に一致するように、周波数エラーに対する第2温度補償回路による補正量と設定温度を調整する温度補償方法が提供される。
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となりうる。
本実施形態に係る温度補償型発振器の構成例を示す。 第2温度補償回路の構成例を示す。 第2温度センサの出力と、第1増幅器の出力と、第2増幅器の出力との関係を示す。 第2補償電圧に対応する電流値の一例を示す。 第3温度補償回路と第4温度補償回路の構成例を示す。 第2温度センサの出力と、第3増幅器の出力と、第4増幅器の出力との関係を示す。 第3補償電圧に対応する電流値の一例を示す。 温度補償型発振器の補償動作のフロー図である。 温度センサの出力電圧と温度の関係を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る温度補償型発振器100の構成例を示す。温度補償型発振器100は、予め定められた補償温度範囲内(例えば−40〜85℃)で、発振器140の温度変化による周波数変動を抑制する。温度補償型発振器100は、参照電圧生成部110と、第1温度センサ120と、第2温度センサ130と、発振器140と、温度補償装置150とを備える。
参照電圧生成部110は、温度補償装置150に接続され、温度補償装置150に参照電圧(例えば2.2V)を供給する。
第1温度センサ120は、発振器140の温度を検出して、検出温度に応じたセンス電圧を出力する。第1温度センサ120は、温度補償装置150の第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166に接続され、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166に、センス電圧を出力する。第1温度センサ120は、外部入力の温度センサを用いてもよい。
第2温度センサ130は、発振器140の温度を検出して、検出温度に応じたセンス電圧を出力する。第2温度センサ130は、温度補償装置150の第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185に接続され、第2温度補償回路171,172,173,174,175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185に、センス電圧を出力する。第2温度センサ130は、外部入力の温度センサを用いてもよい。なお、温度補償型発振器100は第2温度センサ130を備えなくてもよく、この場合第1温度センサ120は、すべての温度補償回路に接続されて、すべての温度補償回路にセンス電圧を出力してよい。
発振器140は、電界の印加によって変形が生じる圧電効果によって、発振動作する素子である。発振器140は、温度補償装置150に接続され、温度補償装置150が出力する制御電圧に応じた周波数で発振する。発振器140は、例えば2つの電極の間に水晶が設けられた水晶発振器である。なお、発振器140の発振周波数は、当該発振器140の温度に応じて変動する。また、発振器140の発振周波数は、発振器毎に、バラツキを有する。温度補償型発振器100は、このような発振器140の発振周波数を調整する。
温度補償装置150は、1又は複数の第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,166と、1又は複数の第2温度補償回路171,172,173,174,175と、1又は複数の第3温度補償回路180と、1又は複数の第4温度補償回路185と、制御電圧供給回路190とを有する。温度補償装置150は、参照電圧生成部110、第1温度センサ120、および第2温度センサ130の出力から、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,166、第2温度補償回路171,172,173,174,175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185のうちの少なくとも1つにより補償電圧を生成し、当該補償電圧に基づいて発振器140に制御電圧を出力する。
第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166は、参照電圧生成部110と第1温度センサ120と制御電圧供給回路190とに接続される。第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166は、第1温度センサ120が検出した温度に応じた第1補償電圧を発生し、制御電圧供給回路190に出力する。一例として第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166は、温度変化に対して2次以上の次数の関数をとる第1補償電圧を生成してよい。第1温度補償回路は、複数設けられてよく、この場合、複数の第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166は、互いに独立に設定可能であり、温度変化に対して互いに異なる次数の関数をとる複数の第1補償電圧を生成してもよい。
第2温度補償回路171,172,173,174,および175は、参照電圧生成部110と第2温度センサ130と制御電圧供給回路190とに接続される。第2温度補償回路171,172,173,174,および175は、予め設定された設定温度において最大または最小となり、設定温度を含む温度範囲より外の温度での電圧変動が誤差範囲内となる第2補償電圧を発生し、制御電圧供給回路190に出力する。例えば、第2温度補償回路171,172,173,174,および175は、温度変化に対し、設定温度で最大ピークまたは最小ピークとなる連続な凸関数をとる第2補償電圧を生成する。第2補償電圧は、設定温度を含む温度範囲より外の温度で、ある電圧(例えば0Vまたは0V以外の電圧)に収束してよい。
第2温度補償回路は、複数設けられてよく、この場合、複数の第2温度補償回路171,172,173,174,および175は、例えば補償温度範囲内の複数の部分温度範囲をそれぞれ補償するために、互いに独立に設定温度を設定可能で、互いに独立に補正量を設定可能である。
第3温度補償回路180は、参照電圧生成部110と第2温度センサ130と制御電圧供給回路190とに接続される。第3温度補償回路180は、補償温度範囲の低温端の第2補償電圧を発生する。以下、当該低温端の第2補償電圧を第3補償電圧とも呼ぶ。第3温度補償回路180は、温度が予め定められた温度以上において電圧変動が誤差範囲内となり、温度が予め定められた温度よりも低くなるにつれて単調増加または単調減少する第3補償電圧を発生し、制御電圧供給回路190に出力する。第3補償電圧は、低温端を含む温度範囲より外の温度で、ある電圧(例えば0Vまたは0V以外の電圧)に収束してよい。
第4温度補償回路185は、参照電圧生成部110と第2温度センサ130と制御電圧供給回路190とに接続される。第4温度補償回路185は、補償温度範囲の高温端の第2補償電圧を発生する。以下、当該高温端の第2補償電圧を第4補償電圧とも呼ぶ。第4温度補償回路185は、温度が予め定められた温度以下において電圧変動が誤差範囲内となり、温度が予め定められた温度よりも高くなるにつれて単調増加または単調減少する第4補償電圧を発生し、制御電圧供給回路190に出力する。第4補償電圧は、高温端を含む温度範囲より外の温度で、ある電圧(例えば0Vまたは0V以外の電圧)に収束してよい。
なお、第3補償電圧および第4補償電圧は、第2温度補償回路171,172,173,174,および175によっても生成することができる。この場合、温度補償装置150は、第3温度補償回路180および第4温度補償回路185を含まなくてよい。
制御電圧供給回路190は、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,166、第2温度補償回路171,172,173,174,175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185の出力に接続される。制御電圧供給回路190は、第1補償電圧、第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧のうちの少なくとも1つに基づく制御電圧を発振器140に供給する。
以上に示したように、本実施形態に係る温度補償型発振器100では、第2温度補償回路171,172,173,174,175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185が、各々設定された温度範囲内で変化する補償電圧を発生し、温度範囲外ではほぼ一定の補償電圧を発生する。これにより、本実施形態に係る温度補償型発振器100によれば、第2温度補償回路171,172,173,174,175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185の各々に対して設定された温度範囲内か否かを判別して各々の補償電圧を利用するか否かを切り替える必要がなく、温度範囲の境目で周波数のチャタリングが発生する可能性をなくすことができる。
図2は、第2温度補償回路171の構成例を示す。他の第2温度補償回路172,173,174,および175は、第2温度補償回路171と同様の構成および動作を有してよい。第2温度補償回路171は、第1設定温度電圧生成部200と、第1抵抗205と、第2抵抗210と、第1増幅器215と、第3抵抗220と、第4抵抗225と、第2増幅器230と、第1定電流源235と、第1スイッチ240と、第1電流源245と、第2電流源250と、第3電流源255とを有する。
第1設定温度電圧生成部200は、第1基準電圧を出力する。第1設定温度電圧生成部200は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて第1基準電圧の電圧値を設定可能であり、これによって、第2補償電圧のピークの電圧が生じる設定温度を設定可能である。第1基準電圧は定電圧であってよい。
第1抵抗205は、第2温度センサ130の出力に接続される。第2抵抗210は、第1抵抗205に接続される。第1増幅器215は、出力端子が第2電流源250に接続され、プラスの入力端子が第1設定温度電圧生成部200に接続され、マイナスの入力端子が第1抵抗205に接続され、マイナスの入力端子と出力端子との間に第2抵抗210が接続される。第1増幅器215は、第2温度センサ130からのセンス電圧を第1基準電圧に対して反転して、センス電圧のゲイン倍した反転センス電圧を、第2電流源250に出力する。第1抵抗205と、第2抵抗210と、第1増幅器215とは、反転増幅回路を構成する。
第3抵抗220は、第1増幅器215の出力端子に接続される。第4抵抗225は、第3抵抗220に接続される。第2増幅器230は、出力端子が第1電流源245に接続され、プラスの入力端子が第1設定温度電圧生成部200に接続され、マイナスの入力端子が第3抵抗220に接続され、マイナスの入力端子と出力端子との間に第4抵抗225が接続される。第2増幅器230は、第1増幅器215の出力電圧を第1基準電圧に対して反転することにより、第2温度センサ130の出力電圧をゲイン倍したセンス電圧を第1電流源245に出力する。第3抵抗220と、第4抵抗225と、第2増幅器230とは、反転増幅回路を構成する。
ここで、図3は、第2温度センサ130の出力と、第1増幅器215の出力と、第2増幅器230の出力との関係を示す。第2温度センサ130のセンス電圧は、一例として温度に対して負の傾きを有する。第1増幅器215の出力は、センス電圧を反転増幅したものであるため温度に対して正の傾きを有する。第2増幅器230の出力は、第1増幅器215からの反転センス電圧をさらに−1倍で反転したものであるため、温度に対して負の傾きを有する。
第1定電流源235は、基準電位に接続され、定電流を出力する。図2では、第1定電流源235は、基準電圧VSSに接続されているが、VREF、VDDに接続される構成でも良い。第1定電流源235は、並列に接続された複数のトランジスタを有し、制御信号によるトランジスタのスイッチングによって、流れる電流量を設定可能である。第2温度補償回路171における温度補償のための補正量は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて、第1定電流源235の電流値を設定することにより調整可能である。例えば、第1定電流源235を流れる電流値をより大きく設定することで、ピークの電圧がより大きくなり、補正量をより大きくすることができる。
第1スイッチ240は、第2温度補償回路171の出力端子Ioutput_PおよびIoutput_Nに接続され、制御信号に応じてスイッチングを行い、第3電流源255からの電流を出力端子Ioutput_PおよびIoutput_Nのいずれかに流す。第1スイッチ240の制御により、第2温度補償回路171の出力が、上に凸の関数、下に凸の関数のいずれかを生成されてもよい。
第1電流源245は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第1定電流源235と参照電圧生成部110とに直列に接続され、ベース端子が第2増幅器230の出力に接続される。第1電流源245は、第2温度センサ130からのセンス電圧に応じた出力が第2増幅器230からベース端子に入力され、当該出力に応じた電流を流す。
第2電流源250は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第1定電流源235と参照電圧生成部110とに直列に接続されて、第1電流源245と並列に接続され、ベース端子が第1増幅器215の出力に接続される。第2電流源250は、第1増幅器215からの反転センス電圧に応じた出力がベース端子に入力され、当該出力に応じた電流を流す。
第3電流源255は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第1定電流源235と第1スイッチ240とに直列に接続されて、第1電流源245および第2電流源250と並列に接続され、ベース端子が第1設定温度電圧生成部200に接続される。第3電流源255は、第1設定温度電圧生成部200からベース端子に供給される第1基準電圧に応じた電流を流し、第2補償電圧は、第3電流源255に流れる電流に応じて第2温度補償回路171の出力端子Ioutput_PとIoutput_Nに発生される。
図4は、第2補償電圧に対応する電流値の一例を示す。図4の第2補償電圧に対応する電流は、設定温度が15℃の場合であり、15℃において電流がピークとなっている。第2温度補償回路171は、温度に依らないバイアス電流で第1定電流源235により一定電流を流し、第1増幅器215の出力電圧と、第2増幅器230の出力電圧と、第1設定温度電圧生成部200の第1基準電圧との3つの電圧が、それぞれ、第1電流源245、第2電流源250、および第3電流源255からなる差動対に入力される。
第2温度補償回路171の出力電流は、第1設定温度電圧生成部200の第1基準電圧が入力された差動対の電流出力であり、設定温度でピーク波形として出力される。ピークとなる設定温度の温度領域以外の電流は、他の差動対(第1電流源245および第2電流源250)から電流を流すことにより図4の波形を実現している。第2補償電圧の凸関数は、電流同士の引き算ではなく、共通の第1定電流源235を元に生成されるシンプルな構成で実現しているため、素子ばらつきの影響を受けにくい構成である。また、ピーク波形の形状は、第1増幅器215の出力、及び第2増幅器230の出力の温度に対する傾きを変えることにより実現され、第2温度補償回路171は、傾きを調整する制御信号、調整レジスタを持っても良い。第2補償電圧の凸関数は、例えばガウス分布やポアソン分布などの累乗項を持った凸状の関数であってよい。
図4において、−5℃以下の場合は、第1電流源245が第1定電流源235に電流をほぼすべて供給し、35℃以上の場合は、第2電流源250が第1定電流源235に電流をほぼすべて供給している。これらの場合、第3電流源255を流れる電流は非常に小さく、第2温度補償回路171の出力電流は非常に小さい。−5℃から35℃の間では、第1設定温度電圧生成部200の第1基準電圧が入力された第3電流源255も、第1定電流源235に電流を供給する。第2温度補償回路171の出力電流は、第1電流源245および第2電流源250のベース端子に入力される電圧が、第1設定温度電圧生成部200の第1基準電圧と同一になる温度でピークとなる。
図4のような凸状の累乗関数を温度補償に用いることで、補償対象となる温度領域外の成分を指数関数的に急激にゼロまたは一定値に近づけることができ、温度領域を実質的に区切ることが容易である。ここで、第1補償電圧のN次関数は、関数の中心(変曲点)から離れるほど数値がN乗で大きくなる。このため特定の温度領域を補償対象とすると、たとえ第1補償電圧の1〜N次成分をなるべくバランス良く重みづけて加算し合成しても、対象の温度領域外での成分を完全にゼロとなるように相殺することは難しい。よって、第1補償電圧による温度補償で残ったエラー部分を、現実的な計算回数で第2補償電圧により補正することができる。
次に、第3温度補償回路180と第4温度補償回路185について説明する。図5は、第3温度補償回路180と第4温度補償回路185の構成例を示す。第3温度補償回路180と第4温度補償回路185は、補償温度範囲の温度端における補償電圧を生成するものであるため、凸関数の片側のみの出力を行う。
第3温度補償回路180は、第2設定温度電圧生成部500と、第5抵抗505と、第6抵抗510と、第3増幅器515と、第2定電流源520と、第2スイッチ525と、第4電流源530と、第5電流源535とを有する。
第2設定温度電圧生成部500は、第2基準電圧(例えばVL=1.7V以下)を出力する。第2設定温度電圧生成部500は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて第2基準電圧の電圧値を設定可能であり、これによって、第3補償電圧のピークの電圧が生じる設定温度を調整可能である。
第5抵抗505は、第2温度センサ130の出力に接続される。第6抵抗510は、第5抵抗505に接続される。第3増幅器515は、出力端子が第4電流源530のゲート端子に接続され、プラスの入力端子が第2設定温度電圧生成部500に接続され、マイナスの入力端子が第5抵抗505に接続され、マイナスの入力端子と出力端子との間に第6抵抗510が接続される。第3増幅器515は、第2温度センサ130からのセンス電圧を第2基準電圧に対して反転して、センス電圧のゲイン倍した反転センス電圧を生成する。第3増幅器515は、センス電圧に応じた当該ゲイン倍した反転センス電圧を出力し、第4電流源530に電流を流す。第5抵抗505と、第6抵抗510と、第3増幅器515とは、反転増幅回路を構成する。
第2定電流源520は、基準電位に接続され、定電流を出力する。第2定電流源520は、図5では、基準電圧VSSに接続されているが、VREF、VDDに接続される構成でも良い。第2定電流源520は、並列に接続された複数のトランジスタを有し、制御信号によるトランジスタのスイッチングによって、流れる電流量を設定可能である。第3温度補償回路180における温度補償のための補正量は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて、第2定電流源520の電流値を設定することにより調整可能である。例えば、第2定電流源520を流れる電流値をより大きく設定することで、ピークの電圧がより大きくなり、補正量をより大きくすることができる。
第2スイッチ525は、第3温度補償回路180の出力端子Ioutput_PおよびIoutput_Nに接続され、制御信号に応じてスイッチングを行い、第5電流源535からの電流を出力端子Ioutput_PおよびIoutput_Nのいずれかに流す。第2スイッチ525の制御により、第3温度補償回路180の出力が、プラスの補正量、マイナスの補正量のいずれかを生成されてもよい。
第4電流源530は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第2定電流源520と参照電圧生成部110とに直列に接続され、ベース端子が第3増幅器515の出力に接続される。第4電流源530は、第2温度センサ130からのセンス電圧に応じた出力がベース端子に入力され、当該出力に応じた電流を流す。
第5電流源535は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第2定電流源520と第2スイッチ525とに直列に接続されて、第4電流源530と並列に接続され、ベース端子が第2設定温度電圧生成部500に接続される。第5電流源535は、ベース端子に入力される第2基準電圧に応じた電流を流し、第3補償電圧は、第5電流源535に流れる電流に応じて第3温度補償回路180の出力端子Ioutput_PとIoutput_Nに発生される。
第4温度補償回路185は、第3設定温度電圧生成部540と、第7抵抗545と、第8抵抗550と、第4増幅器555と、第3定電流源560と、第3スイッチ565と、第6電流源570と、第7電流源575とを有する。
第3設定温度電圧生成部540は、第3基準電圧(例えばVH=0.9V以下)を出力する。第3設定温度電圧生成部540は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて第3基準電圧の電圧値を設定可能であり、これによって、第4補償電圧のピーク電圧が生じる設定温度を調整可能である。
第7抵抗545は、第2温度センサ130の出力に接続される。第8抵抗550は、第7抵抗545に接続される。第4増幅器555は、出力端子が第6電流源570のベース端子に接続され、プラスの入力端子が第3設定温度電圧生成部540に接続され、マイナスの入力端子が第7抵抗545に接続され、マイナスの入力端子と出力端子との間に第8抵抗550が接続される。第4増幅器555は、第2温度センサ130からのセンス電圧を第3基準電圧に対して反転して、センス電圧のゲイン倍した反転センス電圧を生成する。第4増幅器555は、センス電圧に応じた当該ゲイン倍した反転センス電圧を出力し、第6電流源570に電流を流す。第7抵抗545と、第8抵抗550と、第4増幅器555とは、反転増幅回路を構成する。
第3定電流源560は、基準電位に接続され、定電流を出力する。第3定電流源560は、図5では、基準電圧VSSに接続されているが、VREF、VDDに接続される構成でも良い。第3定電流源560は、並列に接続された複数のトランジスタを有し、制御信号によるトランジスタのスイッチングによって、流れる電流量を設定可能である。第4温度補償回路185における温度補償のための補正量は、例えば工場出荷時またはユーザ入力に応じて、第3定電流源560の電流値を設定することにより調整可能である。例えば、第3定電流源560を流れる電流値をより大きく設定することで、ピークの電圧がより大きくなり、補正量をより大きくすることができる。
第3スイッチ565は、第4温度補償回路185の出力端子Ioutput_PおよびIoutput_Nに接続され、制御信号に応じてスイッチングを行い、第7電流源575からの電流を出力端子Ioutput_PおよびIoutput_Nのいずれかに流す。第3スイッチ565の制御により、第4温度補償回路185の出力が、プラスの補正量、マイナスの補正量のいずれかを生成されてもよい。
第6電流源570は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第3定電流源560と参照電圧生成部110とに直列に接続され、ベース端子が第4増幅器555の出力に接続される。第6電流源570は、第4増幅器555から、第2温度センサ130のセンス電圧に応じた出力がベース端子に入力され、当該出力に応じた電流を流す。
第7電流源575は、コレクタ端子とエミッタ端子間が第3定電流源560と第3スイッチ565とに直列に接続されて、第6電流源570と並列に接続され、ベース端子が第3設定温度電圧生成部540に接続される。第7電流源575は、ベース端子に入力される第3基準電圧に応じた電流を流し、第3補償電圧は、第7電流源575に流れる電流に応じて第3温度補償回路180の出力端子Ioutput_PとIoutput_Nに発生される。
図6は、第2温度センサ130の出力と、第3増幅器515の出力と、第4増幅器555の出力との関係を示す。第2温度センサ130のセンス電圧は、温度に対して負の傾きを有する。第3増幅器515および第4増幅器555の出力は、センス電圧を反転増幅したものであるため温度に対して正の傾きを有する。
図7は、第3補償電圧に対応する電流値の一例を示す。図7の第3補償電圧に対応する電流は、設定温度が−40℃の低温端の場合であり、−40℃において電流がピークとなっている。第3温度補償回路180は、温度に依らないバイアス電流で第2定電流源520により一定電流(テール電流)を流し、第3増幅器515からの出力電圧と、第2設定温度電圧生成部500の第2基準電圧との2つの電圧が、第4電流源530および第5電流源535からなる差動対に入力される。
第3温度補償回路180の出力電流は、第2設定温度電圧生成部500の第2基準電圧が入力された差動対(第5電流源535)の電流出力であり、設定温度におけるピーク波形として出力される。ピークとなる設定温度の温度領域以外の電流は、他の差動対(第4電流源530)から電流を流すことにより図7の波形を実現している。
図7において、−25℃以上の場合は、第4電流源530が第2定電流源520に電流をほぼすべて供給している。−25℃から−40℃の間では、第2設定温度電圧生成部500の第2基準電圧が入力された第5電流源535も、第2定電流源520に電流を供給する。
なお、第4温度補償回路185は、第3温度補償回路180と同様に、ただし第3基準電圧を適宜設定することで、図7の第3補償電圧の形状とは左右対称で高温端にピークをとる関数の第4補償電圧を生成することができる。このように、本実施形態により、低温側と高温側の温度端では、温度補償装置150は、ピークの片側だけを発生させればよく、回路の簡素化が可能である。また、ピーク波形の形状は、第3温度補償回路180では、第3増幅器515の出力の温度に対する傾きを、第4温度補償回路185では、第4増幅器555の出力の温度に対する傾きを変えることにより実現され、第3温度補償回路180および第4温度補償回路185は、傾きを調整する制御信号、調整レジスタを持っても良い。
なお、温度補償装置150は、第3温度補償回路180および第4温度補償回路185を有さなくてもよい。この場合は、第2温度補償回路171,172,173,174,および175は、補償温度範囲の全範囲をカバーするように設定温度を設定して、第2補償電圧を生成してよい。
なお、第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185は、第2温度センサ130との間に調整部を有してよく、当該調整部によって、第2温度センサ130のセンス電圧をシフトすることにより発振器140を温度補償してよい。
次に、本実施形態の温度補償型発振器100の補償動作の一例について図8を参照して説明する。図8は、温度補償型発振器100の補償動作のフロー図である。温度補償型発振器100は、例えば−40〜85℃の補償温度範囲で発振器140の温度補償を行う。
S810において、温度補償装置150は、複数の第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166により、温度変化に対して例えば2次〜7次関数をとる第1補償電圧を生成する。第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166は、関数の係数により補正量を調整し、かつ、関数の変曲点が温度範囲内、特に範囲の中心にくるように第1補償電圧を生成してよい。
S820において、温度補償装置150は、発振器140の周波数が温度に依らず一定となるように、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166を調整する。温度補償装置150は、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166と第1温度センサ120との間に変曲点調整回路を有してよく、当該変曲点調整回路によって、第1温度センサ120のセンス電圧をシフトすることにより、発振器140の周波数が予め設定された選定周波数に一致するように関数の変曲点を調整してよい。図9は、温度センサの出力電圧と温度の関係を示す。図9に示すように、第1温度センサ120のセンス電圧をシフトすると温度がシフトし、これにより、温度に応じた第1補償電圧の関数の変曲点がシフトする。
また、補償温度範囲内で複数のN次関数の第1補償電圧により補正する場合、調整パラメータとして、変曲点温度であるT+ΔT、および補正量を示す係数αnを決定する。具体的には、全てのN次関数で変曲点温度を共通として変曲点温度を固定し、最適な係数α1〜αnを導出し、調整エラーを算出する。その後、変曲点温度ΔTを振りながら、係数導出および調整エラー算出を繰り返し、最も調整エラーが小さくなる最適な係数を導出することができる。
次にS830において、温度補償装置150は、第1補償電圧を適用した状態で、温度補償範囲内における複数の温度で発振器140の発振周波数を測定し、発振周波数の測定結果から、予め設定された選定周波数からの周波数エラーの温特を測定する。例えば、温度補償装置150は、S820で算出した最も調整エラーが小さくなる最適な係数に調整され、温度補償範囲内における複数の温度で発振器140の発振周波数を測定し、予め設定された選定周波数からの周波数エラーの温特を測定する。
S840において、温度補償装置150は、複数の第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180,第4温度補償回路185により、温度変化に対してピークの電圧、及び片側のピークの電圧をとる各第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧を生成する。
S850において、第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180,および第4温度補償回路185の各々の補償電圧による発振器140の周波数変動量をそれぞれ個別に複数の温度で測定し、第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180,および第4温度補償回路185の各々による周波数変動量を温度Tの関数として近似する。ここで、第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180,および第4温度補償回路185の各々による電圧変動量ではなく、周波数変動量を直接測る理由は、周波数を出力している実動作時のICの状態に近づけることで、実動作時と調整時のIC内部の発熱による温度変動が及ぼす周波数エラーを小さくするためである。また、周波数変動量を直接測ることにより、発振器140の制御電圧−周波数のノンリニアリティ特性や温度特性により生じるエラー成分込みでの測定が可能で、より周波数安定度の高い調整が可能となる。
S860においては、S830で測定した周波数エラーの温特が最小となるように、複数の第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180,第4温度補償回路185の調整パラメータとして、設定温度(ピーク温度)と、補正量を決めてよい。
ここで、S840−860における、第2温度補償回路171,172,173,174,175、第3温度補償回路180,および第4温度補償回路185の調整パラメータの決定について詳細に説明する。温度補償装置150は、複数の第2温度補償回路171,172,173,174,および175について補償温度範囲を複数の温度領域に分け、温度領域毎に設定温度を決定してよい。例えば温度補償装置150は、5つの第2温度補償回路171,172,173,174,および175について、ブロック1(温度領域:−40〜−15℃)、ブロック2(温度領域:−15〜+10℃)、ブロック3(温度領域:+10〜+35℃)、ブロック4(温度領域:+35〜+60℃)、およびブロック5(温度領域:+60〜+85℃)をそれぞれ振り分けて、各ブロックについて設定温度を決定する。
第2温度補償回路171,172,173,174,および175の各々において、第1設定温度電圧生成部200は、決定した設定温度に応じた第1基準電圧を生成する。ピーク温度を5℃ずつ変更可能である場合には、1つのブロックで、ピーク温度の取りうる可能性は6通り(25/5+1)である。各ブロックでピーク温度の取りうる組み合わせは、全体で6^5=7776通りとなり、現実的な計算回数で調整できる。
補正量は、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166による補償後の発振器140の発振周波数が予め設定された選定周波数からずれた量(周波数エラー)に応じて決めてよい。第2温度補償回路171,172,173,174,および175は、第1定電流源235を通る電流量を切り替えることによって補正量を設定することができる。
また、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166による温度補償後の発振器140の周波数に対して、第3温度補償回路180および第4温度補償回路185による温度補償を行う。第3温度補償回路180は、設定温度が−40℃であり、第4温度補償回路185は、設定温度が85℃である。第3温度補償回路180および第4温度補償回路185の調整パラメータとして、補正量を決める。第3温度補償回路180は、第2定電流源520の電流量を切り替えることによって補正量を設定することができる。第4温度補償回路185は、第3定電流源560の電流量を切り替えることによって補正量を設定することができる。
制御電圧供給回路190は、第1補償電圧、第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧に基づく制御電圧を発振器140に供給する。例えば、制御電圧供給回路190は、第1補償電圧、第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧を含む複数の補償電圧を合計した制御電圧を発振器140に供給する。また、制御電圧供給回路190は、第1温度補償回路160,161,162,163,164,165,および166、第2温度補償回路171,172,173,174,および175、第3温度補償回路180、および第4温度補償回路185が流す電流の合計電流に応じた制御電圧を発振器140に供給してもよい。
温度補償装置150は、S810〜S860で補償回路の調整パラメータを、発振器140毎または選定周波数毎に決定して、温度補償装置150の記憶部に記憶させてよい。温度補償装置150は、制御電圧の供給の際に、対応する調整パラメータを当該記憶部から読み出して制御電圧を調整して供給してよい。
本実施形態により、温度に応じた第1補償電圧により温度補償した発振器140について、残ったエラー部分を、さらに温度範囲毎にピークを有する第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧により温度補償する。これにより、発振周波数の温度特性を相殺して高精度な周波数安定度の要求を満たすことができる。
ここで、例えば、温度変化に対してN次関数をとる補償電圧のみで発振器140の温度補償を行うと以下のような問題がある。
補償温度範囲を複数の部分温度範囲に分けて、部分温度範囲毎に異なるN次関数の補償電圧を出力する場合、部分温度範囲外ではN次関数の補償電圧の出力をOFFする必要がある。N次関数の補償電圧の出力のON/OFFは、温度センサの出力電圧と温度範囲を示す設定電圧との比較に基づいてスイッチング制御される。その際、部分温度範囲の温度境目ではスイッチングがON/OFFを繰り返し、その度に発振器に入力される制御電圧が変動し、結果として、周波数のチャタリングを起こす懸念がある。また、チャタリング防止のために、ON/OFFの温度境目部分でヒステリシスをもたせると、持たせたヒステリシス温度分だけ狙い通りの周波数補正ができない懸念がある。
一方、本実施形態において第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧は、N次多項式ではない凸関数であるため、離散的にスイッチングを行うことなく、対象温度範囲外で成分を十分に減衰させることができる。従って、本実施形態により、N次関数の第1補償電圧により補償しきれないエラーを補正可能である。
また、補償温度範囲内の複数の部分温度範囲を異なるように個別に規定して、温度補償する場合、例えば、補償温度範囲の−40〜85℃内で、5℃ステップで補正開始および終了温度を調整すると、とりうる調整パラメータ(補正開始温度、補正終了温度、および補正量を決める係数)の組み合わせは、1次から5次関数まで用いると4兆通り以上になりうる。本実施形態においては、第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧により追加の温度補償を行うため、第1補償電圧の温度領域は部分温度領域に分けなくても、周波数安定度を高くすることができる。
また、温度にかかわらず1つのN次関数の補償電圧で温度補償を行う場合、任意の温度範囲にN次関数の補償電圧を出力するために、N次関数の変曲点を当該温度範囲内まで調整する必要がでてくる。変曲点の調整は、温度センサからの入力信号のDC値のシフトにより実現可能である。例えば、温度センサの出力が−10mV/℃で、補償温度範囲が−40〜85℃である場合、変曲点の調整電圧レンジは、10×(85−(−40))=1250mVとなり、非常に大きい。広いレンジで、精度良く変曲点を調整する場合、スイッチの数は多くなり、回路規模の増大に繋がる。また、N次関数の変曲点を広範囲に調整する場合、素子の温度特性によりN次関数の出力が変わるため、出力を補正するための調整回路も必要になり、回路が煩雑になり、回路規模がさらに大きくなる。
また、発振器の共振周波数をN次で近似する場合、N次をどんどん大きくしていくと、理想的にはエラー成分はゼロになる。しかし、温度補償回路に入力される温度センサの出力電圧は、1次より大きい高次成分を含んでいる。TCXOの補償温度範囲は、−40〜85℃で、水晶の補正前の周波数温度特性は±15ppm程度である。高精度要求の±0.1ppmでは、補正前の周波数温度特性から0.6〜0.7%内(0.1/15)に収める必要がある。水晶の主な温特成分である3次補正だけを考えた場合でも、温度センサのリニアリティは、0.2%程度に抑える必要があり、実際には難しい。
例えば、温度センサの出力が2次成分を含む場合、理想的な3次関数発生回路では、2次×3次の6次成分が出力に現れる。6次成分を補正するため、6次関数回路が必要になるが、同様に入力となる温度センサの出力が2次成分を持っている場合、2次×6次の12次成分が出力され、次数を上げてもエラー成分はゼロにはならない。また、逆に温度センサを補正して理想的な1次出力を出せたとしても、誤差が1%以下の3次関数発生回路を作るのは実際には難しく、次数を上げてもエラー成分はゼロにはならない。
一方、本実施形態により、第1補償電圧により、周波数のエラーの大きさは大幅に小さくなり(例えば15ppm⇒0.15ppm)、さらに第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧による補正により温度補償を改善できる。第2補償電圧、第3補償電圧、および第4補償電圧による補正でも温度センサのノンリニアリティによるエラーはあるが、温度センサ誤差が1%の場合、0.15ppm×1%=1.5ppb程度で、要求精度に対してほとんど無視できるほど小さく、問題とならない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100 温度補償型発振器、110 参照電圧生成部、120 第1温度センサ、130 第2温度センサ、140 発振器、150 温度補償装置、160 第1温度補償回路、161 第1温度補償回路、162 第1温度補償回路、163 第1温度補償回路、164 第1温度補償回路、165 第1温度補償回路、166 第1温度補償回路、171 第2温度補償回路、172 第2温度補償回路、173 第2温度補償回路、174 第2温度補償回路、175 第2温度補償回路、180 第3温度補償回路、185 第4温度補償回路、190 制御電圧供給回路、200 第1設定温度電圧生成部、205 第1抵抗、210 第2抵抗、215 第1増幅器、220 第3抵抗、225 第4抵抗、230 第2増幅器、235 第1定電流源、240 第1スイッチ、245 第1電流源、250 第2電流源、255 第3電流源、500 第2設定温度電圧生成部、505 第5抵抗、510 第6抵抗、515 第3増幅器、520 第2定電流源、525 第2スイッチ、530 第4電流源、535 第5電流源、540 第3設定温度電圧生成部、545 第7抵抗、550 第8抵抗、555 第4増幅器、560 第3定電流源、565 第3スイッチ、570 第6電流源、575 第7電流源

Claims (15)

  1. 制御電圧に応じた周波数で発振する発振器の温度補償を行う温度補償装置であって、
    温度に応じた第1補償電圧を発生するための第1温度補償回路と、
    予め設定された設定温度において最大または最小となり、前記設定温度を含む温度範囲より外の温度での電圧変動が誤差範囲内となる第2補償電圧を発生するための第2温度補償回路と、
    前記第1補償電圧および前記第2補償電圧に基づく前記制御電圧を前記発振器に供給する制御電圧供給回路と
    を備える温度補償装置。
  2. 前記第2温度補償回路は、温度変化に対し、前記設定温度で最大ピークまたは最小ピークとなる連続な凸関数をとる前記第2補償電圧を生成する請求項1に記載の温度補償装置。
  3. 前記第2温度補償回路は、
    第1定電流源と、
    前記第1定電流源に対して直列に接続され、温度センサからのセンス電圧に応じた電流を流す第1電流源と、
    前記第1定電流源に対して直列かつ前記第1電流源と並列に接続され、前記センス電圧を第1基準電圧に対して反転した反転センス電圧に応じた電流を流す第2電流源と、
    前記第1定電流源に対して直列、かつ前記第1電流源および前記第2電流源と並列に接続され、前記第1基準電圧に応じた電流を流す第3電流源と、
    を有し、
    前記第2補償電圧は、前記第3電流源に流れる電流に応じて発生される
    請求項1または2に記載の温度補償装置。
  4. 前記第1定電流源は、流れる電流量を設定可能である請求項3に記載の温度補償装置。
  5. 互いに独立に前記設定温度を設定可能な複数の前記第2温度補償回路を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  6. 互いに独立に補正量を設定可能な複数の前記第2温度補償回路を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  7. 温度が予め定められた温度以上において電圧変動が誤差範囲内となり、温度が予め定められた温度よりも低くなるにつれて単調増加または単調減少する低温端の前記第2補償電圧を発生するための第3温度補償回路を更に備え、
    前記制御電圧供給回路は、前記低温端の前記第2補償電圧に更に基づく前記制御電圧を前記発振器に供給する
    請求項1から6のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  8. 前記第3温度補償回路は、
    第2定電流源と、
    前記第2定電流源に対して直列に接続され、温度センサからのセンス電圧に応じた電流を流す第4電流源と、
    前記第2定電流源に対して直列かつ前記第4電流源と並列に接続され、第2基準電圧に応じた電流を流す第5電流源と、
    を有し、
    前記低温端の前記第2補償電圧は、前記第5電流源に流れる電流に応じて発生される
    請求項7に記載の温度補償装置。
  9. 温度が予め定められた温度以下において電圧変動が誤差範囲内となり、温度が予め定められた温度よりも高くなるにつれて単調増加または単調減少する高温端の前記第2補償電圧を発生するための第4温度補償回路を更に備え、
    前記制御電圧供給回路は、前記高温端の前記第2補償電圧に更に基づく前記制御電圧を前記発振器に供給する
    請求項1から8のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  10. 前記制御電圧供給回路は、前記第1補償電圧および前記第2補償電圧を含む複数の補償電圧を合計した前記制御電圧を前記発振器に供給する
    請求項1から9のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  11. 前記制御電圧供給回路は、前記第1温度補償回路および前記第2温度補償回路を含む複数の温度補償回路が流す電流の合計電流に応じた前記制御電圧を前記発振器に供給する請求項1から9のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  12. 前記第1温度補償回路は、温度変化に対して2次以上の次数の関数をとる前記第1補償電圧を生成する請求項1から11のいずれか一項に記載の温度補償装置。
  13. 互いに独立に設定可能であり、温度変化に対して互いに異なる次数の関数をとる複数の前記第1補償電圧を生成する複数の前記第1温度補償回路を備える請求項12に記載の温度補償装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の温度補償装置と、
    前記温度補償装置が出力する前記制御電圧に応じた周波数で発振する発振器と
    を備える温度補償型発振器。
  15. 制御電圧に応じた周波数で発振する発振器の温度補償を行う温度補償方法であって、
    複数の互いに独立に設定可能な第1温度補償回路から第1補償電圧を発生し、
    予め設定された選定周波数に一致するように前記第1温度補償回路の前記第1補償電圧による補正量を調整した後に、温度補償範囲内における複数の温度で前記発振器の発振周波数を測定し、
    前記発振周波数の測定結果から、前記予め設定された選定周波数からの周波数エラーの温特を測定し、
    予め設定された設定温度において最大または最小となり、前記設定温度を含む温度範囲より外の温度での電圧変動が誤差範囲内となる第2補償電圧を、第2温度補償回路から発生し、
    前記第2温度補償回路の前記第2補償電圧による前記発振器の周波数変動量をそれぞれ個別に複数の温度で測定し、
    前記第2温度補償回路の前記第2補償電圧による前記発振器の周波数変動量を温度Tの関数として近似し、
    前記予め設定された選定周波数に一致するように、前記周波数エラーに対する前記第2温度補償回路による補正量と前記設定温度を調整する
    温度補償方法。
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