<第1実施形態>
以下、本発明に係る電子装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る電子装置20は、例えばハイブリッド自動車又は電気自動車に搭載される車両駆動システムに適用される。
図1に示すように、車両駆動システムは、ベース電源10と、電子装置20とを備えている。本実施形態において、ベース電源10は、蓄電池であり、具体的には例えば、定格電圧が12Vの鉛蓄電池である。電子装置20は、集積回路21とマイコン22とを備えている。
集積回路21は、基準電源30と、誤差量メモリ31と、第1温度センサ32と、第2温度センサ33と、通信部34とを備えている。基準電源30は、ベース電源10から供給される作動電圧を入力として基準電圧Vrefを生成し、マイコン22に出力する。本実施形態では、基準電源30は、図2に示すようにバンドギャップ方式の電源である。なお、本実施形態において、基準電源30が「物理量出力部」に相当する。
基準電圧Vrefの目標値は、目標電圧Vtgtである。目標電圧Vtgtは、一定の規定電圧であり、例えば5Vである。しかし、基準電源30では、バンドギャップの温度特性により目標電圧Vtgtに対する基準電圧Vrefの誤差量ΔVが生じる。誤差量ΔVは、基準電圧Vref及び目標電圧Vtgtを用いて次の(式1)のように表される。
ΔV=Vref-Vtgt・・・(式1)
本実施形態では、図3に破線で示すように、基準電源30の温度TAが-50℃及び100℃の場合に、基準電圧Vrefは目標電圧Vtgtよりも小さくなり、誤差量ΔVが負の値となる。一方、基準電源30の温度TAが25℃の場合に、基準電圧Vrefは目標電圧Vtgtよりも大きくなり、誤差量ΔVが正の値となる。なお、例えば、-50℃は、集積回路21の使用温度領域の下限温度であり、100℃は、集積回路21の使用温度領域の上限温度である。また、25℃は、集積回路21の使用温度領域の中間温度(具体的には中央温度)である。本実施形態において、目標電圧Vtgtが「所定の物理量」に相当し、基準電圧Vrefが「出力値」に相当する。
誤差量メモリ31には、誤差量ΔVを示す誤差量データDGが予め記憶されている。誤差量データDGは、基準電源30の温度TA毎に、基準電源30の温度TAと関連付けられて記憶されている。本実施形態では、基準電源30の温度TAが-50℃の場合における誤差量ΔVである第1誤差量ΔVA、基準電源30の温度TAが25℃の場合における誤差量ΔVである第2誤差量ΔVB、及び基準電源30の温度TAが100℃の場合における誤差量ΔVである第3誤差量ΔVCを示す誤差量データDGが記憶されている。図3に実線で示すように、基準電源30の温度TAが-50℃よりも大きく25℃よりも小さい場合には、第1誤差量ΔVAと第2誤差量ΔVBとに基づく直線補間により各温度TAの誤差量ΔVを算出できる。また、基準電源30の温度TAが25℃よりも大きく100℃よりも小さい場合には、第2誤差量ΔVBと第3誤差量ΔVCとに基づく直線補間により各温度TAの誤差量ΔVを算出できる。なお、本実施形態において、誤差量データDGが「記憶情報」に相当する。
第1温度センサ32は、基準電源30の温度TAを検出し、基準電源30の温度TAに応じた第1電圧VT1をマイコン22に出力する。第2温度センサ33は、基準電源30の温度TAを検出し、基準電源30の温度TAに応じた第2電圧VT2をマイコン22に出力する。なお、本実施形態において、第1温度センサ32が「第1温度検出部」に相当し、第2温度センサ33が「第2温度検出部」に相当する。
通信部34は、通信ネットワークを介して、マイコン22との間で無線通信方式により各種データを受送信する。通信部34は、例えばマイコン22からの要求に応じて誤差量メモリ31に記憶された誤差量データDGを送信する。
マイコン22は、AD変換器41と、内部メモリ42と、制御部43と、マイコン通信部44とを備えている。AD変換器41は、第1,第2温度センサ32,33から出力された第1,第2電圧VT1,VT2を取得し、デジタル信号に変換する。
内部メモリ42には、基準電源30の温度TAに対応して第1電圧VT1が予め規定されたマップ情報である第1マップMP1と、基準電源30の温度TAに対応して第2電圧VT2が予め規定されたマップ情報である第2マップMP2と、が記憶されている。制御部43は、第1電圧VT1と第1マップMP1とに基づいて、基準電源30の温度TAを検出でき、第2電圧VT2と第2マップMP2とに基づいて、基準電源30の温度TAを検出できる。
制御部43は、基準電源30から出力された基準電圧Vrefを電源電圧として動作する。制御部43は、入力されたデジタル信号に基づいて、アクチュエータ50に対する駆動指令を生成して出力する。これにより、アクチュエータ50の駆動制御が実施される。なお、本実施形態において、制御部43が「信号取得部、制御部」に相当する。
具体的には、制御部43は、第1,第2電圧VT1,VT2のうち少なくとも1つに基づいて基準電源30の温度TAを検出し、マイコン通信部44を介して、集積回路21に検出された温度TAに対応する誤差量データDGの送信を要求する。制御部43は、集積回路21から誤差量データDGを取得すると、取得した誤差量データDGを用いて、基準電圧Vrefが目標電圧Vtgtとなるように基準電圧Vrefを補正する。つまり、制御部43は、第1,第2電圧VT1,VT2のうち少なくとも1つと、誤差量メモリ31の誤差量データDGとに基づいて、基準電圧Vrefを補正する。これにより、制御部43は、目標電圧Vtgtとなるように補正された基準電圧Vrefに基づいて、アクチュエータ50に対する駆動指令を生成でき、アクチュエータ50を精度よく駆動制御できる。
つまり、集積回路21の誤差量メモリ31に記憶された誤差量データDGは、基準電圧Vrefを補正する補正データとして用いられる。このため、誤差量メモリ31には、基準電源30の温度TAと関連付けられた基準電圧Vrefの補正値が記憶されている、ということができる。なお、本実施形態において、誤差量メモリ31が「記憶部」に相当する。
本実施形態では、集積回路21に、基準電源30の温度TAを検出する第1温度センサ32と第2温度センサ33とが備えられている。このため、例えば断線等により少なくとも一方の温度センサ32,33が故障した場合には、第1電圧VT1と第1マップMP1とに基づいて検出される基準電源30の温度TAと、第2電圧VT2と第2マップMP2とに基づいて検出される基準電源30の温度TAとが異なる。このため、検出された基準電源30の温度TAに差が生じている場合に、少なくとも一方の温度センサ32,33が故障していると判定できる。
しかし、第1温度センサ32と第2温度センサ33との間に短絡が発生すると、検出された基準電源30の温度TAが等しくなることがあり、この場合に第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できない。
例えば、第1温度センサ32と第2温度センサ33とにおいて、基準電源30の温度TAと第1,第2電圧VT1,VT2との関係を示す特性(以下、温度特性という)が等しい場合を想定する。この場合、第1温度センサ32と第2温度センサ33との間における短絡の有無によらず、第1電圧VT1と第2電圧VT2とは等しくなり、検出された基準電源30の温度TAが等しくなる。このため、検出された基準電源30の温度TAに基づいて、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できない。
また、各温度センサ32,33では、短絡により温度特性が変化することがあり、これにより各温度センサ32,33の温度特性と、マイコン22の内部メモリ42に記憶された第1,第2マップMP1,MP2との間に差が生じることがある。この場合、短絡後に検出された基準電源30の温度TAに基づいて基準電圧Vrefを補正しても、基準電圧Vrefを適切に補正できない。
本実施形態では、第1温度センサ32と第2温度センサ33とにおいて、温度特性が異なっている。このため、第1温度センサ32と第2温度センサ33との間に短絡が発生した場合、検出された基準電源30の温度TAに差が生じる。これにより、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できる。
続いて、図4を用いて、マイコン22の制御部43により実施される故障判定処理について説明する。この処理は、第1温度センサ32と第2温度センサ33との間の短絡を含む、少なくとも一方の温度センサ32,33の故障を判定する処理である。図4に示す処理は、例えば所定の処理周期毎に繰り返し実施される。
なお、本実施形態において、第2温度センサ33の検出分解能は、第1温度センサ32の検出分解能よりも高いものとする。ここで、検出分解能とは、最小の読み取り可能な温度差を意味し、例えば、検出分解能が0.01℃の温度センサは、検出分解能が0.1℃の温度センサよりも検出分解能が高い。
故障判定処理を開始すると、まずステップS10において、AD変換器41を介して第1,第2電圧VT1,VT2を取得する。続くステップS12において、ステップS10で取得された第1,第2電圧VT1,VT2と、内部メモリ42に記憶された第1,第2マップMP1,MP2とに基づいて基準電源30の温度TAを検出する。以下の説明では、第1電圧VT1と第1マップMP1とに基づいて検出された基準電源30の温度TAを第1温度TA1とし、第2電圧VT2と第2マップMP2とに基づいて検出された基準電源30の温度TAを第2温度TA2とする。
続くステップS14において、ステップS12で検出された第1,第2温度TA1,TA2に基づいて、少なくとも一方の温度センサ32,33の故障を判定する。具体的には、ステップS12で検出された第1温度TA1と第2温度TA2との差の絶対値ΔTAを算出し、この絶対値ΔTAが判定閾値Tthよりも大きいかを判定する。ここで判定閾値Tthは、例えば、第1,第2温度センサ32、33が正常である場合において、第1,第2温度センサ32,33の温度検出誤差により発生しうる絶対値ΔTAの最大値に設定されている。なお、本実施形態において、ステップS14の処理が「故障判定部」に相当する。
第1,第2温度センサ32,33が正常であると、第1,第2温度TA1,TA2は略同一の温度となる。このため、絶対値ΔTAは略ゼロとなり、ステップS14で否定判定される。この場合、第1,第2温度センサ32,33のうち、検出分解能の高い第2温度センサ33により検出された第2温度TA2に基づいて、基準電圧Vrefを補正する。
具体的には、ステップS16において、集積回路21の誤差量メモリ31から、第2温度TA2に対応する誤差量データDGを取得する。続くステップS18において、ステップS16で取得された誤差量データDGを用いて基準電圧Vrefを補正し、故障判定処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS18の処理が「補正部」に相当する。
一方、第1,第2温度センサ32,33の少なくとも一方に故障が発生していると、第1,第2温度TA1,TA2は互いに異なる温度となる。このため、絶対値ΔTAは判定閾値Tthよりも大きくなり、ステップS14で肯定判定される。この場合、ステップS20において、少なくとも一方の温度センサ32,33が故障していると判定し、故障判定処理を終了する。
続いて、図5に、本実施形態の第1,第2温度センサ32,33を示す。図5に示すように、第1,第2温度センサ32,33は、図示を省略する電流源とグランドとの間に並列に接続されている。各温度センサ32,33の高圧側には、第1,第2検出ラインL1,L2が接続されている。第1検出ラインL1は、集積回路21内に設けられた第1回路内検出ラインL1Xと、集積回路21とマイコン22との間に設けられた第1回路外検出ラインL1Yとを有する。第2検出ラインL2についても同様である。第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xには抵抗器RLが設けられている。
第1,第2温度センサ32,33は、感温ダイオードDSにより基準電源30の温度TAを検出する。具体的には、第1温度センサ32は、1つの感温ダイオードDSを有している。第2温度センサ33は、直列に接続された2つの感温ダイオードDSを有している。本実施形態において、第1,第2温度センサ32,33を構成する感温ダイオードDSは、同一種類のものであり、感温ダイオードDSの順方向電圧はVFである。
このため、電流源から第1温度センサ32に基準電流IFが供給されると、第1温度センサ32の両端間にVFの電圧が発生し、この電圧VFが第1電圧VT1として出力される。また、電流源から第2温度センサ33に基準電流IFが供給されると、第2温度センサ33の両端間に2VFの電圧が発生し、この電圧2VFが第2電圧VT2として出力される。
つまり、第1,第2温度センサ32,33では、直列接続された感温ダイオードDSの数の違いにより、温度特性が異なっている。図6(A)に、第1,第2温度センサ32,33がともに正常である場合の第1,第2温度センサ32,33の温度特性を示す。
図6(A)に示すように、第1,第2温度センサ32,33がともに正常である場合、第1電圧VT1は、基準電源30の温度TAが-50℃の場合に0.8Vとなる。第1電圧VT1は、温度TAの上昇とともに線形状に減少し、基準電源30の温度TAが100℃の場合に0.6Vとなる。また、第2電圧VT2は、基準電源30の温度TAが-50℃の場合に1.6Vとなる。第2電圧VT2は、温度TAの上昇とともに線形状に減少し、基準電源30の温度TAが100℃の場合に1.2Vとなる。つまり、基準電源30の各温度TAに対して、第1,第2電圧VT1,VT2は異なる電圧に設定されている。
図6(B)~(D)に、第1,第2温度センサ32,33の少なくとも一方に故障が発生している場合の第1,第2温度センサ32,33の温度特性を示す。なお、図6(B)~(D)には、第1,第2温度センサ32,33がともに正常である場合の温度特性を破線にて示し、第1,第2温度センサ32,33の少なくとも一方に故障が発生している場合の温度特性を実線にて示している。
図6(B)に、第1温度センサ32を構成する感温ダイオードDSに故障が発生し、第1電圧VT1が0.8VFとなった場合の温度特性を示す。この場合、第1電圧VT1の変化に伴い第1温度TA1が、正常値から変化する。一方、第2温度TA2は、正常値に維持される。その結果、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じることから、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できる。
図6(C)に、第1,第2回路外検出ラインL1Y,L2Yが短絡した場合の温度特性を示す。第1,第2回路外検出ラインL1Y,L2Yが短絡すると、高圧側の第2電圧VT2は減少し、低圧側の第1電圧VT1は増加する。しかし、第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xに抵抗器RLが設けられているため、第1,第2温度センサ33の温度特性は等しくならず、第2電圧VT2が第1電圧VT1よりも大きい関係が維持される。
この場合、第1,第2電圧VT1,VT2の変化に伴い第1,第2温度TA1,TA2が、正常値から変化する。第1電圧VT1は増加変化するため、第1温度TA1は低下する側に変化する。一方、第2電圧VT2は減少変化するため、第2温度TA2は上昇する側に変化する。その結果、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じることから、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できる。
また、図6(D)に、抵抗器RLよりも第1,第2温度センサ32,33側で第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xが短絡した場合の温度特性を示す。抵抗器RLよりも第1,第2温度センサ32,33側で第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xが短絡すると、第1,第2温度センサ32,33の温度特性は等しくなる。なお、図6(D)では、短絡により第1温度センサ32の第1電圧VT1が0.8VFとなっており、これにより、第2温度センサ33の第2電圧VT2も0.8VFとなっている。
この場合、第1,第2温度センサ33の温度特性は等しくなる。本実施形態では、第1,第2温度センサ32,33がともに正常である場合の温度特性が異なっている。このため、第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xの短絡により第1,第2温度センサ32,33の温度特性が等しくなった場合には、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じることから、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できる。
このように、本実施形態の電子装置20では、図6(B)~(D)のいずれの場合にも、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できる。
図7に、比較例の電子装置120を示す。電子装置120は、集積回路121を備える。集積回路121は、第1,第2温度センサ32,133がともに正常である場合の温度特性が等しい点で、本実施形態の集積回路21と異なる。具体的には、第2温度センサ133は、第1温度センサ32と同様に1つの感温ダイオードDSを有している。このため、電流源から第2温度センサ133に基準電流IFが供給されると、第2温度センサ133の両端間にVFの電圧が発生し、この電圧VFが第2電圧VT2として出力される。
図8(A)に、第1,第2温度センサ32,133がともに正常である場合の第1,第2温度センサ32,133の温度特性を示す。図8(A)に示すように、第1,第2温度センサ32,133がともに正常である場合、基準電源30の各温度TAに対して、第1,第2電圧VT1,VT2は等しい電圧に設定されている。
図8(B)に、第1温度センサ32を構成する感温ダイオードDSに故障が発生し、第1電圧VT1が0.8VFとなった場合の温度特性を示す。この場合、第2電圧VT2の変化に伴い第2温度TA2が、正常値から変化する。一方、第1温度TA1は、正常値に維持される。その結果、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じることから、第1,第2温度センサ32,133の故障を判定できる。
図8(C)に、第1,第2回路外検出ラインL1Y,L2Yが短絡した場合の温度特性を示す。比較例では、第1,第2回路外検出ラインL1Y,L2Yの短絡の有無に関わらず、第1,第2温度センサ32,133の温度特性は同一となる。また、第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xに抵抗器RLが設けられているため、第1,第2回路外検出ラインL1Y,L2Yが短絡しても、第1,第2温度センサ32,133の温度特性は変化しない。
この場合、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じないことから、第1,第2温度センサ32,133の故障を判定できない。一方、第1,第2温度センサ32,133の温度特性が変化しないことから、短絡後の第1,第2温度TA1,TA2は正常値に維持されるため、この第1,第2温度TA1,TA2を用いて、基準電圧Vrefを適切に補正できる。
また、図8(D)に、抵抗器RLよりも第1,第2温度センサ32,133側で第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xが短絡した場合の温度特性を示す。比較例では、第1,第2回路内検出ラインL1X,L2Xの短絡の有無に関わらず、第1,第2温度センサ32,133の温度特性は同一となる。図8(D)では、短絡により第1温度センサ32の第1電圧VT1が0.8VFとなっており、これにより、第2温度センサ133の第2電圧VT2も0.8VFとなっている。
この場合、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じないことから、第1,第2温度センサ32,133の故障を判定できない。また、第1,第2電圧VT1,VT2の変化に伴い第1,第2温度TA1,TA2が、正常値から変化するため、この第1,第2温度TA1,TA2を用いて、基準電圧Vrefを適切に補正できない。
このように、比較例の電子装置120では、図8(C)、(D)の場合において、第1,第2温度センサ32,33の故障を判定できない。特に、図8(D)の場合には、基準電源30の温度TAを正確に検出できず、基準電圧Vrefを適切に補正できない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・本実施形態では、電子装置20は、第1温度センサ32と第2温度センサ33とを備えている。これらの温度センサ32,33は、基準電源30の温度TAをそれぞれ検出する。このため、検出された第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じている場合に、少なくとも一方の温度センサ32,33が故障していると判定できる。
・本実施形態では、各温度センサ32,33において温度特性が異なっている。このため、第1温度センサ32と第2温度センサ33との間に短絡が発生し、これらの温度センサ32,33の温度特性が等しくなった場合、検出された第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じることから、第1,第2温度センサ32,33が故障していると判定できる。
具体的には、基準電源30の各温度TAに対して、第1,第2電圧VT1,VT2が異なる電圧に設定されている。このため、第1温度センサ32と第2温度センサ33との間に短絡が発生した場合には、第1電圧VT1と第2電圧VT2との少なくとも一方が変化するため、第1温度TA1と第2温度TA2との少なくとも一方が変化する。このため、検出された第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じることから、第1,第2温度センサ32,33が故障していると判定できる。
・本実施形態では、第1温度センサ32と第2温度センサ33とが、同一対象である基準電源30の温度TAを検出しているため、検出された第1温度TA1と第2温度TA2との間の温度差に基づいて、第1温度センサ32と第2温度センサ33との少なくとも一方の故障を判定できる。
そして、第1温度センサ32と第2温度センサ33とが、ともに正常であると判定された場合に、これらの温度センサ32,33のうち、検出分解能が高い第2温度センサ33で検出された第2温度TA2に基づいて基準電圧Vrefを補正する。これにより、基準電圧Vrefを精度よく補正できる。
・本実施形態では、基準電源30は、一定の目標電圧Vtgtに応じた電圧を出力する。しかし、基準電源30では、温度変化により出力する基準電圧Vrefに温度誤差が発生するため、基準電圧Vrefは必ずしも目標電圧Vtgtと一致しない。本実施形態では、故障判定処理において、基準電圧Vrefが目標電圧Vtgtとなるように基準電圧Vrefを補正する。そのため、基準電源30の温度によらず、目標電圧Vtgtとなるように補正された基準電圧Vrefを用いることができる。そのため、この補正された基準電圧Vrefを用いて、アクチュエータ50を精度よく駆動制御できる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図9及び図10を参照しつつ説明する。図9において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。また、図10において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図9に示すように、電子装置20がマイコン22を備えない点で第1実施形態の電圧検出装置と異なる。本実施形態では、集積回路21に、温特補正部35と、加算回路36と、信号出力部37とを備える点で第1実施形態の電圧検出装置と異なる。
温特補正部35は、AD変換器60と、内部メモリ61と、制御部62と、DA変換器63とを備えている。AD変換器60は、第1,第2温度センサ32,33から出力された第1,第2電圧VT1,VT2を取得し、デジタル信号に変換する。
内部メモリ61には、第1,第2マップMP1,MP2が記憶されている。制御部62は、第1電圧VT1と第1マップMP1とに基づいて第1温度TA1を検出し、第2電圧VT2と第2マップMP2とに基づいて第2温度TA2を検出する。
また、内部メモリ61には、誤差量データDGが記憶されている。制御部62は、第1,第2温度TA1,TA2のうち少なくとも一方に基づいて基準電源30の温度TAを検出し、検出された温度TAに対応する誤差量データDGを内部メモリ61から取得する。制御部43は、取得した誤差量データDGを、DA変換器63を用いて誤差量ΔVに変換し、加算回路36に出力する。なお、本実施形態において、内部メモリ61が「記憶部」に相当する。
加算回路36は、加算回路36は、基準電源30から出力された基準電圧Vrefを取得するとともに、温特補正部35から出力された誤差量ΔVを取得する。加算回路36は、誤差量ΔVを用いて基準電圧Vrefを補正し、補正後の基準電圧Vref、つまり目標電圧Vtgtとなるように補正された基準電圧Vrefを電子装置20の外部に出力する。これにより、電子装置20は、目標電圧Vtgtとなるように補正された基準電圧Vrefを、電子装置20外部のマイコン等に供給できる。なお、本実施形態において、加算回路36が「信号取得部、電圧出力部」に相当する。
また、制御部62は、故障判定処理を実施する。制御部62は、故障判定処理により、少なくとも一方の温度センサ32,33に故障が発生していると判定された場合に、信号出力部37を介して故障発生信号EMを電子装置20の外部に出力する。
続いて、図10を用いて、温特補正部35の制御部62により実施される故障判定処理について説明する。図10に示す処理は、例えば所定の処理周期毎に繰り返し実施される。なお、本実施形態においても、第2温度センサ33の検出分解能は、第1温度センサ32の検出分解能よりも高いものとする。
本実施形態では、ステップS14で否定判定すると、ステップS16において、第2電圧VT2に基づいて検出された第2温度TA2に対応する誤差量データDGを取得する。なお、本実施形態では、制御部62と、誤差量データDGが記憶された内部メモリ61とが、同一の温特補正部35内に設けられているため、誤差量データDGを取得するまでの期間が端出される。
続くステップS30において、ステップS16で取得された誤差量データDGを用いて加算回路36に誤差量ΔVを出力し、故障判定処理を終了する。これにより、出力された誤差量ΔVを用いて、加算回路36により基準電圧Vrefが補正される。なお、本実施形態において、ステップS30の処理が「補正部」に相当する。
一方、ステップS14で肯定判定すると、ステップS32において、信号出力部37を介して故障発生信号EMを出力し、故障判定処理を終了する。
・以上説明した本実施形態によれば、電子装置20は、集積回路21のみによって構成されている。このため、電子装置20の構成を簡略化できる。
・また、故障判定処理において、通信により誤差量データDGを取得する必要がない。このため、誤差量データDGを取得するまでの期間を短縮できる。
・本実施形態では、故障判定処理において、基準電圧Vrefが目標電圧Vtgtとなるように基準電圧Vrefを補正する。そのため、基準電源30の温度によらず、目標電圧Vtgtとなるように補正された基準電圧Vrefを用いることができる。そのため、この補正された基準電圧Vrefを、電子装置20外部のマイコン等に供給できる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図11から図14を参照しつつ説明する。図11において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。また、図13において、先の図5に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図11に示すように、集積回路21が第3温度センサ38を備える点で第1実施形態の電圧検出装置と異なる。第3温度センサ32は、基準電源30の温度TAを検出し、基準電源30の温度TAに応じた第3電圧VT3をマイコン22に出力する。なお、本実施形態において、第3温度センサ38が「第3温度検出部」に相当する。
内部メモリ42には、基準電源30の温度TAに対応して第3電圧VT3が予め規定されたマップ情報である第3マップMP3が記憶されている。制御部43は、第3電圧VT3と第3マップMP3とに基づいて、基準電源30の温度TAを検出できる。以下の説明では、第3電圧VT3と第3マップMP3とに基づいて検出された基準電源30の温度TAを第3温度TA3という。
続いて、図12を用いて、マイコン22の制御部43により実施される故障判定処理について説明する。図12に示す処理は、例えば所定の処理周期毎に繰り返し実施される。なお、本実施形態において、第1温度センサ32、第2温度センサ33、及び第3温度センサ38は、この順に検出分解能が高いものとする。
故障判定処理を開始すると、まずステップS40において、AD変換器41を介して第1~第3電圧VT1~VT3を取得する。続くステップS42において、ステップS40で取得された第1~第3電圧VT1~VT3と、内部メモリ42に記憶された第1~第3マップMP1~MP3と、に基づいて第1~第3温度TA1~TA3を検出する。
ステップS42で第1~第3温度TA1~TA3を検出すると、検出された第1~第3温度TA1~TA3のうち、任意の組み合わせにおける2つの温度の差に基づいて、対応する2つの温度センサの少なくとも一方の故障を判定する。具体的には、ステップS42で検出された第2温度TA3と第3温度TA3との差の絶対値ΔTA23を算出し、この絶対値ΔTA23が判定閾値Tthよりも大きいかを判定する。
第2,第3温度センサ33,38が正常であると、第2,第3温度TA2,TA3は略同一の温度となる。このため、絶対値ΔTA23は略ゼロとなり、ステップS44で否定判定される。この場合、ステップS46において、ステップS42で検出された第1温度TA1と第3温度TA3との差の絶対値ΔTA13を算出し、この絶対値ΔTA13が判定閾値Tthよりも大きいかを判定する。
第2,第3温度センサ33,38に加え、第1温度センサ32が正常であると、第1,第3温度TA1,TA3は略同一の温度となる。このため、絶対値ΔTA13は略ゼロとなり、ステップS46で否定判定される。この場合、正常であると判定された第1~第3温度センサ32,33,38のうち、検出分解能の最も高い第3温度センサ38により検出された第3温度TA3に基づいて、基準電圧Vrefを補正する。
具体的には、ステップS50において、集積回路21の誤差量メモリ31から、第3温度TA3に対応する誤差量データDGを取得する。続くステップS52において、ステップS50で取得された誤差量データDGを用いて基準電圧Vrefを補正し、故障判定処理を終了する。
一方、第1温度センサ32に故障が発生していると、第1,第3温度TA1,TA3は互いに異なる温度となる。このため、絶対値ΔTA13は判定閾値Tthよりも大きくなり、ステップS46で肯定判定される。この場合、ステップS48において、第1温度センサ32が故障していると判定し、ステップS50に進む。つまり、正常であると判定された第2,第3温度センサ33,38のうち、検出分解能の高い第3温度センサ38により検出された第3温度TA3に基づいて、基準電圧Vrefを補正する。
一方、第2,第3温度センサ33,38の少なくとも一方に故障が発生していると、第2,第3温度TA2,TA3は互いに異なる温度となる。このため、絶対値ΔTA23は判定閾値Tthよりも大きくなり、ステップS44で肯定判定される。この場合、ステップS54において、ステップS42で検出された第1温度TA1と第3温度TA3との差の絶対値ΔTA13を算出し、この絶対値ΔTA13が判定閾値Tthよりも大きいかを判定する。
第1,第3温度センサ32,38が正常であると、第1,第3温度TA1,TA3は略同一の温度となる。このため、絶対値ΔTA13は略ゼロとなり、ステップS54で否定判定される。この場合、ステップS56において、第2温度センサ33が故障していると判定し、ステップS50に進む。つまり、正常であると判定された第1,第3温度センサ32,38のうち、検出分解能の高い第3温度センサ38により検出された第3温度TA3に基づいて、基準電圧Vrefを補正する。
一方、第1,第3温度センサ32,38の少なくとも一方に故障が発生していると、第1,第3温度TA1,TA3は互いに異なる温度となる。このため、絶対値ΔTA13は判定閾値Tthよりも大きくなり、ステップS54で肯定判定される。この場合、ステップS58において、ステップS42で検出された第1温度TA1と第2温度TA2との差の絶対値ΔTA12を算出し、この絶対値ΔTA12が判定閾値Tthよりも大きいかを判定する。なお、本実施形態において、ステップS44,S46,S54,S58の処理が「故障判定部」に相当する。
第1,第2温度センサ32,33が正常であると、第1,第2温度TA1,TA2は略同一の温度となる。このため、絶対値ΔTA12は略ゼロとなり、ステップS58で否定判定される。この場合、ステップS60において、第3温度センサ38が故障していると判定する。そして、正常であると判定された第1,第2温度センサ32,33のうち、検出分解能の高い第2温度センサ33により検出された第2温度TA2に基づいて、基準電圧Vrefを補正する。
具体的には、ステップS62において、集積回路21の誤差量メモリ31から、第2温度TA2に対応する誤差量データDGを取得する。続くステップS64において、ステップS62で取得された誤差量データDGを用いて基準電圧Vrefを補正し、故障判定処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS52,S64の処理が「補正部」に相当する。
一方、第1,第2温度センサ32,33の少なくとも一方に故障が発生していると、第1,第2温度TA1,TA2は互いに異なる温度となる。このため、絶対値ΔTA12は判定閾値Tthよりも大きくなり、ステップS54で肯定判定される。この場合、ステップS48において、第1~第3温度センサ32,33,38のうち、複数の温度センサが故障していると判定し、故障判定処理を終了する。
続いて、図13に、本実施形態の第1~第3温度センサ32,33,38を示す。図13に示すように、第1,第2,第3温度センサ32,33,38は、図示を省略する電流源とグランドとの間に並列に接続されている。第3温度センサ38の高圧側には、第3検出ラインL3が接続されている。第3検出ラインL3は、集積回路21内に設けられた第3回路内検出ラインL3Xと、集積回路21とマイコン22との間に設けられた第3回路外検出ラインL3Yとを有する。第3回路内検出ラインL3Xには抵抗器RLが設けられている。
第3温度センサ38は、感温ダイオードDSにより基準電源30の温度TAを検出する。具体的には、第3温度センサ38は、直列に接続された3つの感温ダイオードDSを有している。このため、電流源から第3温度センサ38に基準電流IFが供給されると、第3温度センサ38の両端間に3VFの電圧が発生し、この電圧3VFが第3電圧VT3として出力される。
第1~第3温度センサ32,33,38では、直列接続された感温ダイオードDSの数の違いにより、温度特性が異なっている。図14(A)に、第1~第3温度センサ32,33,38が全て正常である場合の第1~第3温度センサ32,33,38の温度特性を示す。
図14(A)に示すように、第3温度センサ32が正常である場合、第3電圧VT3は、基準電源30の温度TAが-50℃の場合に2.4Vとなる。第3電圧VT3は、温度TAの上昇とともに線形状に減少し、基準電源30の温度TAが100℃の場合に1.8Vとなる。つまり、基準電源30の各温度TAに対して、第1~第3電圧VT1~VT3は互いに異なる電圧に設定されている。
図14(B),(C)に、第2,第3温度センサ33,38の少なくとも一方に故障が発生している場合の第1~第3温度センサ32,33,38の温度特性を示す。なお、図14(B),(C)には、第2,第3温度センサ33,38が正常である場合の温度特性を破線にて示し、第2,第3温度センサ33,38の少なくとも一方に故障が発生している場合の温度特性を実線にて示している。
図14(B)に、第3温度センサ38を構成する感温ダイオードDSの1つに故障が発生し、第3電圧VT3が2.5VFとなった場合の温度特性を示す。この場合、第3電圧VT3の変化に伴い第3温度TA3が、正常値から変化する。一方、第1,第2温度TA1,TA2は、正常値に維持される。その結果、第1温度TA1と第3温度TA3との間及び第2温度TA2と第3温度TA3との間に温度差が生じる。一方、第1温度TA1と第2温度TA2との間に温度差が生じない。このため、第3温度センサ38の故障を判定できる。
この場合、正常であると判定された第1,第2温度センサ32,33のうち、検出分解能の高い第2温度センサ33により検出された第2温度TA2に基づいて、基準電圧Vrefを補正する。これにより、基準電圧Vrefを精度よく補正できる。
図6(C)に、第2,第3回路外検出ラインL2Y,L3Yが短絡した場合の温度特性を示す。第2,第3回路外検出ラインL2Y,L3Yが短絡すると、第2,第3電圧VT2,VT3が変化し、この変化に伴い第1,第2温度TA1,TA2が、正常値から変化する。その結果、第1温度TA1と第2温度TA2との間、第1温度TA1と第3温度TA3との間、及び第2温度TA2と第3温度TA3との間に温度差が生じる。このため、第1~第3温度センサ32,33,38のうち、複数の温度センサの故障を判定できる。
・以上説明した本実施形態によれば、電子装置20は、第1~第3温度センサ32,33,38を備える。そして、これらの温度センサ32,33,38により検出された第1~第3温度TA1~TA3のうち、任意の組み合わせにおける2つの温度の差に基づいて、対応する2つの温度センサの少なくとも一方の故障を判定する。
・第1~第3温度TA1~TA3に故障が発生していないか、又は第1~第3温度TA1~TA3のうちの1つに故障が発生している場合、2つの温度の差が判定閾値Tthよりも小さくなる組み合わせが存在する。このため、2つの温度の差が判定閾値Tthよりも小さくなる組み合わせが存在することで、少なくとも2つの温度センサが正常であると判定できる。
この場合、正常であると判定された少なくとも2つの温度センサのうちの1つにより検出された基準電源30の温度TAに基づいて、基準電圧Vrefを補正できる。この際に、検出分解能の高い方の温度センサを用いることで、基準電圧Vrefを精度よく補正できる。
・一方、第1~第3温度TA1~TA3のうちの2つに故障が発生しているか、又は第1~第3温度TA1~TA3の全てに故障が発生している場合、2つの温度の差が判定閾値Tthよりも小さくなる組み合わせが存在しない。このため、2つの温度の差が判定閾値Tthよりも小さくなる組み合わせが存在しないことで、少なくとも2つの温度センサに故障が発生していることを判定できる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、物理量が一定の規定電圧である例を示したが、電圧は所定周期で変動してもよい。また、物理量は電圧に限られず、圧力や温度等であってもよい。この場合、物理量出力部は、例えば、圧力センサや温度センサ等であり、物理量に応じた電圧を出力する。
・電子装置が備える温度検出部の数は、2つ又は3つに限られず、4つ以上の温度検出部を備えていてもよい。この場合、第1,第2実施形態では、温度特性の異なる2種類の温度検出部が含まれており、各種類の温度センサの1つが、第1温度検出部となり、第2温度検出部となる。また、第3実施形態では、温度特性の異なる3種類の温度検出部が含まれており、各種類の温度センサの1つが、第1温度検出部、第2温度検出部、及び第3温度検出部となる。
・上記実施形態では、温度検出部として、感温ダイオードを用いたものを例示したが、これに限られず、例えば、感温抵抗(具体的には例えば、NTCサーミスタ)であってもよいし、所定の温度特性を有するトランジスタであってもよい。
・上記実施形態では、温度センサの温度特性が異なる例として、直列接続された感温ダイオードの数が異なる例を示したが、これに限られず、温度検出部に用いられる素子が異なっていてもよい。
・この場合、素子の組み合わせによっては、物理量出力部が特定の温度となる場合に、各温度検出部からの出力電圧が等しくなることがある。この場合には、この特定の温度TA近傍において、温度検出部の故障判定を停止すればよい。
・第3実施形態の図12に示す処理において、ステップS46,S48の処理が無くてもよい。