JP2018162582A - 柱端部の接合構造、柱の固定構造、柱端部の接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水平材が上下に架設されている場合でも柱材を設置することができ、施工が容易で微調整可能な柱端部の接合構造、柱の固定構造、及び柱端部の接合方法を提供する。【解決手段】柱端部の接合構造1aは、端面に長さ方向へ延びる挿入孔5と当該挿入孔5に直交する第一ピン孔11とを有する柱3と、挿入孔5に全体が挿入可能で、挿入孔5から一部が突出した状態で固定された連結体6aと、連結体6aを柱3に固定する第一ドリフトピン8と、突出した前記連結体6aが挿入された固定孔7と、固定孔7に直交する第二ピン孔15とを有する水平材4aと、連結体6aを水平材4aに固定する第二ドリフトピン9と、を備え、柱3には端面から長さ方向へ向かって連結体6aの突出長さ以上のスリット10が形成されており、当該スリット10は柱3の長さ方向から見て第一ドリフトピン8に直交するように形成される。【選択図】図3
Description
本発明は、柱を、水平材に接合する柱端部の接合構造、当該柱端部の接合構造を有する柱の固定構造、及び柱端部を水平材に接合する柱端部の接合方法に関する。
従来より、梁、桁、土台などの木製の水平材の上面又は下面に木製の柱の端部を連結体を介して接合する接合構造が知られている。このような構造としては、柱と水平材の接合位置にそれぞれホゾ孔を加工し、これらホゾ孔内に収納された鋼製の連結体をドリフトピンで柱及び水平材に固定することによって、柱端部を水平材に接合している。
ところで上述のような連結体を介した接合構造では、一旦柱端部に設けられたホゾ孔に連結体の一部分を挿入して固定し、当該柱端部のホゾ孔から突出している連結体の他の部分を水平材に設けられたホゾ孔に挿入する必要がある。したがって、水平材が既に上下に架設されている場合には連結体の柱端部から突出した部分が邪魔になって柱を水平材の接合位置に設置することができないので、この方法を採用することができない。
そこで、例えば特許文献1又は特許文献2に示すように、柱端部に形成されたホゾ孔を連結体の全体が挿入可能な長さに形成し、全体が挿入された状態で柱端部を水平材の接合位置に配置し、その後、連結体をホゾ孔内で摺動させて、柱端部から一部を突出させ、当該連結体の一部を水平材のホゾ孔内に挿入させた状態でドリフトピンにより柱と連結体及び水平材と連結体をそれぞれ固定して、柱端部を水平材に接合する構造が提案されている。これらの構造は柱端部のホゾ孔内に挿入された連結体を摺動させるために、連結体に操作紐を取り付けておき、当該操作紐の端部を引くことで連結体を摺動させている。
しかし、操作紐を予めセットしておく作業や当該操作紐を引いて連結体を摺動させる作業は煩わしく、また、一旦引いた操作紐は元に戻すことはできないので、連結体のドリフトピンを受け入れる孔の位置と柱及び水平材のピン孔の位置とがずれた場合に微調整することができない。
そこで本発明は、水平材が上下に架設されている場合でも柱材を設置することができ、施工が容易で微調整可能な柱端部の接合構造、柱の固定構造、及び柱端部の接合方法を提供することを目的とする。
本発明の柱端部の接合構造は、端面に長さ方向へ延びる挿入孔と当該挿入孔に直交する第一ピン孔とを有する柱と、前記挿入孔に全体が挿入可能な長さであり、前記挿入孔から一部が突出した状態で固定された連結体と、前記第一ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該柱に固定する第一ドリフトピンと、前記挿入孔から突出した前記連結体が挿入された固定孔と、前記固定孔に直交する第二ピン孔とを有する水平材と、前記第二ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該水平材に固定する第二ドリフトピンと、を備え、前記柱には端面から長さ方向へ向かって前記連結体の突出長さ以上のスリットが形成されており、当該スリットは前記柱の長さ方向から見て前記第一ドリフトピンに直交するように形成されることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合構造は、前記第一ドリフトピンは前記スリットの前記柱の長さ方向における中央側の縁と接する、又は当該縁よりも前記柱の長さ方向における中央側に配置されることを特徴としている。
本発明の柱の固定構造は、上下1対の水平材の間に設けられる柱の固定構造であって、柱頭及び柱脚の接合構造が上述のいずれかの柱端部の接合構造であることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合構造は、端面に長さ方向へ延びる挿入孔と当該挿入孔に直交する第一ピン孔とが形成された第一柱と、前記挿入孔に全体が挿入可能な長さであり、前記挿入孔から一部が突出した状態で固定された連結体と、前記第一ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該第一柱に固定する第一ドリフトピンと、前記挿入孔から突出した前記連結体が貫通し、当該連結体の一部がさらに突出する貫通孔を有する水平材と、前記貫通孔から突出する前記連結体の端部を挿入する受け孔と、前記受け孔に直交する第三ピン孔とを有する第二柱と、前記第三ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該第二柱に固定する第三ドリフトピンと、を備え、前記第一柱には端面から長さ方向へ向かって前記連結体の前記挿入孔からの突出長さ以上のスリットが形成されており、当該スリットは前記第一柱の長さ方向から見て前記第一ドリフトピンに直交するように形成されることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合構造は、前記水平材は前記貫通孔に直交する第二ピン孔をさらに有し、前記第二ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該水平材に固定する第二ドリフトピンをさらに備えることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合方法は、端面から長さ方向へ延びる挿入孔と、端面から長さ方向へ向かって前記挿入孔と側面とを繋ぐように形成されるスリットと、前記挿入孔に直交するとともに鉛直方向から見てスリットに直交するように形成された第一ピン孔とを有する柱を、前記柱との接合位置に鉛直方向に掘られた固定孔が形成されるとともに、前記固定孔に直交する第二ピン孔が形成される水平材に接合する柱端部の接合方法であって、長手形状の連結体の全体を前記挿入孔に挿入する工程と、前記水平材の前記柱との接合位置に前記柱の端部を配置する工程と、前記スリットから長細い工具を挿入させて、前記連結体に設けられた操作孔に当該工具を挿入する工程と、前記工具を前記柱の長さ方向に移動させることにより、前記連結体を前記挿入孔から突出させるとともに前記水平材の前記固定孔に前記連結体の突出部分を挿入する工程と、第一ドリフトピンを前記第一ピン孔を通して前記連結体に設けられた第一連結孔に挿入するとともに、第二ドリフトピンを前記第二ピン孔を通して前記連結体に設けられた第二連結孔に挿入する工程と、を備えることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合方法は、端面から長さ方向へ延びる挿入孔と、端面から長さ方向へ向かって前記挿入孔と側面とを繋ぐように形成されるスリットと、前記挿入孔に直交するとともに鉛直方向から見てスリットに直交するように形成された第一ピン孔とを有する第一柱、及び、端面から長さ方向へ延びる受け孔を有するとともに当該受け孔に直交する第三ピン孔を有する第二柱を、鉛直な貫通孔が形成される水平材の上下に接合する柱端部の接合方法であって、長手形状の連結体の全体を前記挿入孔に挿入する工程と、前記水平材の前記第一柱及び前記第二柱との接合位置にそれぞれ当該第一柱及び当該第二柱の端部を配置する工程と、前記スリットから長細い工具を挿入させて、前記連結体に設けられた操作孔に当該工具を挿入する工程と、前記工具を前記第一柱の長さ方向に移動させることにより、前記連結体を前記挿入孔から突出させ、前記水平材の前記貫通孔を通して、前記第二柱の受け孔に前記連結体の突出部分を挿入する工程と、第一ドリフトピンを前記第一ピン孔を通して前記連結体に設けられた第一連結孔に挿入し、第三ドリフトピンを前記第三ピン孔を通して前記連結体に設けられた第三連結孔に挿入する工程と、を備えることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合方法は、前記水平材は前記貫通孔に直交する第二ピン孔をさらに有しており、第二ドリフトピンを前記第二ピン孔を通して前記連結体に設けられた第二連結孔に挿入する工程をさらに備えることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合構造によると、連結体は、柱端面に形成された挿入孔から一部が突出した状態で第一ドリフトピンにより柱に固定されており、連結体の挿入孔から突出した部分は水平材の固定孔に挿入されて第二ドリフトピンにより水平材に固定されているので、柱と水平材とを強固に接合することができる。そして、連結体は柱の端面に形成された挿入孔にその全体が挿入可能な長さであるとともに、柱には端面から当該柱の長さ方向へ向かって連結体の突出長さ以上の長さを有するスリットが形成されているので、柱と水平材とを接合する際には、スリットに細長い工具を差し込んで連結体を当該スリットに沿って摺動させることによって、連結体の全体が挿入孔に挿入された状態から連結体の一部が挿入孔から突出した状態まで簡単に移動させることができるとともに、連結体の第一及び第二ドリフトピンを受け入れる孔の位置と柱及び水平材のピン孔の位置とがずれた場合にも簡単に微調整することができ、施工性に優れた柱端部の接合構造とすることができる。また、スリットは柱の長さ方向から見て第一ドリフトピンに直交するように形成されるので、スリットを形成したことによる柱端部の接合耐力の低下を極力抑えることができる。
本発明の柱端部の接合構造によると、第一ドリフトピンはスリットの柱の長さ方向における中央側の縁と接する、又は当該縁よりも柱の長さ方向における中央側に配置されるので、第一ドリフトピンよりも柱の中央側にはスリットが形成されておらず、柱の断面欠損を最小限にすることができ、柱端部の接合耐力を高めることができる。
本発明の柱の固定構造によると、上下1対の水平材の間に設けられる柱を設ける構造であって、柱頭及び柱脚の接合構造を上述の柱端部の接合構造としているので、連結体の全体を挿入孔に挿入した状態で、柱端部から連結体の一部を突出させることなく1対の水平材の間に柱を配置することができるので、連結体が邪魔になることなく1対の水平材の間に柱を固定することができる。また、柱と水平材とを接合する際には、スリットに細長い工具を差し込んで連結体を当該スリットに沿って摺動させることで、連結体を簡単に移動させることができるとともに、連結体の第一及び第二ドリフトピンを受け入れる孔の位置と柱及び水平材のピン孔の位置とがずれた場合にも簡単に微調整することができる。
本発明の柱端部の接合構造によると、第一柱に設けられた挿入孔から一部が突出した状態で第一ドリフトピンにより当該第一柱に固定された連結体の突出した部分が、水平材を貫通して、さらに一部が第一柱と反対側に突出し、第二柱の端面に形成された受け孔に挿入され、第三ドリフトピンにより第二柱に固定されるので、1本の連結体によって第一柱、水平材、及び第二柱を接合することができる。そして、第一柱には端面から長さ方向へ向かって連結体の突出長さ以上のスリットが形成されているので、第一柱、水平材、及び第二柱を接合する際には、スリットに細長い工具を差し込んで連結体を当該スリットに沿って摺動させることによって、連結体の全体が挿入孔に挿入された状態から連結体の一部が挿入孔から突出した状態まで簡単に移動させることができ、連結体の第一、及び第三ドリフトピンを受け入れる孔の位置と第一ピン孔、第三ピン孔の位置とがずれた場合にも簡単に微調整することができ、施工性に優れた柱端部の接合構造とすることができる。
本発明の柱端部の接合構造によると、水平材が貫通孔に直交する第二ピン孔を有しており、第二ドリフトピンが第二ピン孔に挿入された状態で連結体を水平材に固定するので、水平材と連結体との固定が強固なものとなり、第一柱及び第二柱と水平材との接合耐力をより高めることができる。
本発明の柱端部の接合方法によると、連結体を挿入孔に挿入した状態で水平材の柱との接合位置に柱の端部を配置するので、連結体がサッシュや外装材などの他の部材と干渉することなく接合位置に柱を配置することができる。そして工具を柱の長さ方向に移動させることにより、連結体を挿入孔から突出させ、水平材の固定孔に連結体の突出部分を挿入して、第一ドリフトピンを第一ピン孔を通して第一連結孔に挿入し、第二ドリフトピンを第二ピン孔を通して第二連結孔に挿入するので、簡単に柱と水平材とを連結することができる。また、スリットから細長い工具を挿入させて連結体を操作するものであるので、工具の操作によって連結体の位置を微調整することができる。
本発明の柱端部の接合方法によると、連結体の全体を挿入孔に挿入して、水平材との接合位置に第一柱の端部を配置するので、連結体がサッシュや外装材と干渉することなく容易に配置することができる。また、連結体を摺動させて、第一柱の挿入孔から一部が挿入して水平材を貫通し、第二柱の受け孔に挿入された状態で、第一、及び、第三ドリフトピンにより第一柱、水平材、及び第二柱を接合することができ、施工を容易なものにすることができる。また、スリットから細長い工具を挿入させて連結体を操作するものであるので、工具の操作によって連結体の位置を微調整することができる。
本発明の柱端部の接合方法によると、第二ドリフトピンによって、連結体を水平材に固定するので、水平材と連結体との固定が強固なものとなり、第一柱及び第二柱と水平材との接合耐力をより高めることができる。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る柱端部の接合構造1a、当該柱端部の接合構造1aを用いた柱の固定構造2、及び柱端部の接合方法の第一実施形態について、図1から図11を参照しつつ説明する。柱端部の接合構造1aは、木製の柱3の上端部又は下端部を木製の水平材4aに接合する構造であり、水平材4aは、例えば梁、桁、土台などの構造材である。なお本実施形態の柱の固定構造2においては、柱3の上端部及び下端部がともに本発明の柱端部の接合構造1aを有する構成であるが、柱端部の接合構造1aは、柱3の上端部又は下端部のいずれかに用いるものであればよく、必ずしも上下両端に本発明の柱端部の接合構造1aを用いるものでなくても良い。
以下、本発明に係る柱端部の接合構造1a、当該柱端部の接合構造1aを用いた柱の固定構造2、及び柱端部の接合方法の第一実施形態について、図1から図11を参照しつつ説明する。柱端部の接合構造1aは、木製の柱3の上端部又は下端部を木製の水平材4aに接合する構造であり、水平材4aは、例えば梁、桁、土台などの構造材である。なお本実施形態の柱の固定構造2においては、柱3の上端部及び下端部がともに本発明の柱端部の接合構造1aを有する構成であるが、柱端部の接合構造1aは、柱3の上端部又は下端部のいずれかに用いるものであればよく、必ずしも上下両端に本発明の柱端部の接合構造1aを用いるものでなくても良い。
柱端部の接合構造1aを用いた柱の固定構造2は、図1に示すように、上下一対の水平材4aと、これら一対の水平材4aの間に設けられる鉛直な柱3とを有する。柱頭の柱端部の接合構造1aは、上側の水平材4aの下面に柱3の上端が当接する接合構造であり、柱脚の柱端部の接合構造1aは、下側の水平材4aの上面に柱3の下端が当接する接合構造である。
柱端部の接合構造1aは、本実施形態においては図2及び図4に示すように、柱頭の接合構造と柱脚の接合構造とが上下を逆転した同一形状に形成されている。なお、柱頭の接合構造及び柱脚の接合構造は同一形状のものに限定されるものではない。柱頭における柱端部の接合構造1aは、図2及び図3に示すように、柱3と、柱3に形成された挿入孔5に挿入可能な連結体6aと、連結体6aの上端を受ける固定孔7を下面に有する水平材4aと、連結体6aを柱3に固定する第一ドリフトピン8と、連結体6aを水平材4aに固定する第二ドリフトピン9とを備えている。
柱3の柱頭には、上端面の中央から柱3の長さ方向である下方向へ向かって円柱状に穿がたれて延びる挿入孔5が形成されている。また、上端面から柱3の長さ方向である下方向へは、平板状の溝であるスリット10が形成されている。スリット10は挿入孔5を左右に分割するように形成されている。また、柱3の柱頭には一方の側面から他方の側面に貫通する第一ピン孔11が形成されており、第一ピン孔11は挿入孔5に直交するように形成されている。また、第一ピン孔11は柱3の長さ方向から見てスリット10に直交するように形成されている。ここで、柱3の長さ方向から見て直交するとは、柱3の上方又は下方から見た場合に第一ピン孔11とスリット10とが直角に交わるように見えることをいい、第一ピン孔11とスリット10とが実際に直交している場合のほか、実際には上下方向に離れている場合を含む。
第一ピン孔11は、図2(B)に示すように、柱3の長さ方向における位置がスリット10の柱3の中央側の縁に当該第一ピン孔11の外周面が接する位置に形成されている。これによって第一ピン孔11よりも柱3の長さ方向の中央側には、スリット10が形成されておらず、柱3の断面欠損が少なくなるので、第一ピン孔11に第一ドリフトピン8を挿入してより強固に連結体6aを固定することができる。
連結体6aは、円筒状の鋼製パイプである。連結体6aは図3に示すように、外周面の一端側に第一連結孔12aが貫通して形成されており、他端側に第二連結孔13aが貫通して形成されている。また、第一連結孔12aと第二連結孔13aの間には第一連結孔12a及び第二連結孔13aよりも小さい操作孔14が貫通して形成されている。第一連結孔12a及び第二連結孔13aは互いに平行に形成されており、操作孔14は上下方向から見て第一連結孔12a及び第二連結孔13aに対して垂直に形成されている。連結体6aの長さは、図2(B)に示すように、柱3に形成された挿入孔5の深さと同じ長さであるか、又は挿入孔5の深さよりも短く形成されており、挿入孔5に連結体6aの全体が挿入可能な長さとなっている。連結体6aは図2(A)(B)に示すように、挿入孔5の内部を摺動可能であり、少なくとも連結体6aはその全体が挿入孔5に挿入された状態から一部が挿入孔5から突出する状態まで移動することができる。
水平材4aは、前述のように木製の梁、桁、土台であり、柱3の柱頭に接合する上側の水平材4aは梁又は桁である。上側の水平材4aはその下面に挿入孔5から連続する固定孔7が設けられている。固定孔7は挿入孔5と同一の径の円柱状に穿たれており、図2(B)に示すように連結体6aの挿入孔5から突出した部分が挿入される。水平材4aの一方の側面から他方の側面には第二ピン孔15aが固定孔7に直交するように当該水平材4aを貫通して形成されている。
柱頭の柱端部の接合構造1aは、図2(B)及び図3に示すように、挿入孔5に連結体6aの一部を挿入され、第一ドリフトピン8を第一ピン孔11と第一連結孔12aに挿入した状態で、柱端部に連結体6aが固定されており、固定孔7に連結体6aの挿入孔5から突出した部分が挿入されて、第二ドリフトピン9を第二ピン孔15aと第二連結孔13aに挿入した状態で、水平材4aに連結体6aが固定されることにより柱端部を水平材4aに接合している。
また、柱3の柱脚の柱端部の接合構造1aは、図4及び図5に示すように、上述した柱頭の柱端部の接合構造1aを上下逆にした構造であるので、詳細な説明は省略する。柱脚の柱端部は、下端面の中央から上方向へ向かって挿入孔5が形成されているとともに、下端面から上方向へスリット10が形成されている。そして、一方の側面から他方の側面に貫通する第一ピン孔11が挿入孔5に直交するように形成されている。第一ピン孔11は柱3の長さ方向から見てスリット10に直交する。
連結体6aは、上述の柱頭における柱端部の接合構造1aのものと同じ形状であり、第一連結孔12a、第二連結孔13a、操作孔14が貫通して形成されている。図4の(A)(B)に示すように、連結体6aは挿入孔5の内部を摺動して、少なくとも連結体6aはその全体が挿入孔5に挿入された状態から一部が挿入孔5から突出する状態まで移動することができる。
水平材4aは、木製の梁、桁、土台であり、その上面に挿入孔5から連続する固定孔7が設けられており、図4(B)に示すように連結体6aの挿入孔5から突出した部分が挿入されている。柱端部の接合構造1aは、図4(B)及び図5に示すように、挿入孔5に連結体6aの一部を挿入され、第一ドリフトピン8を第一ピン孔11と第一連結孔12aに挿入した状態で、柱端部に連結体6aが固定されており、固定孔7に連結体6aの挿入孔5から突出した部分が挿入されて、第二ドリフトピン9を第二ピン孔15aと第二連結孔13aに挿入した状態で、水平材4aに連結体6aが固定されることにより柱端部を水平材4aに接合している。
柱の固定構造2は、上述のように上下1対の水平材4aの間に設けられる柱の固定構造2であって、柱頭及び柱脚の接合構造が上述の柱端部の接合構造1aにより接合されている。
以上のような柱の固定構造2及び柱端部の接合構造1aを施工する際には、まず、図2(A)及び図4(A)に示すように柱3の上下の端面に形成されている挿入孔5に連結体6aの全体をそれぞれ挿入する。連結体6aの外周径は挿入孔5の内径とほぼ等しく、連結体6aは挿入孔5との摩擦抵抗によってその全体が挿入された状態が維持される。
そして、次に柱3を鉛直に立てた状態で、図6に示すように、上下一対の水平材4aの間に挿入する。柱3の長さは上下一対の水平材4aの間の距離と等しい。このとき連結体6aはその全体が挿入孔5に挿入されているので、上下の水平材4aや例えば図示しないサッシュや外装材などのその他の部材に連結体6aが干渉すること無く水平材4aの間に柱3を配置することができる。
次に、図7から図9に示すように、スリット10に長細い工具16を挿入し、連結体6aに設けられた操作孔14に当該工具16を挿入する。工具16はスリット10及び操作孔14に挿入可能な細さで、且つ、連結体6aを挿入孔5内で摺動させることができる強度を有していれば良い。そして次に、図9及び図10に示すように、工具16を柱3の長さ方向で水平材4aに接近する方向に移動させることにより、連結体6aを挿入孔5から突出させ、当該連結体6aの突出した部分を固定孔7に挿入する。ここで、連結体6aの第一連結孔12a及び第二連結孔13aはそれぞれ柱3及び水平材4aの第一ピン孔11及び第二ピン孔15aに整合するように調整されるが、仮に若干ずれた場合であっても、工具16を操作して微調整することができる。
その後、第一ドリフトピン8を第一ピン孔11を通して連結体6aに設けられた第一連結孔12aに挿入するとともに、第二ドリフトピン9を第二ピン孔15aを通して連結体6aに設けられた第二連結孔13aに挿入することで、柱3及び水平材4aをそれぞれ連結体6aに固定し、上下の柱端部をそれぞれ連結体6aを介して上下の水平材4aに接合する。
このように、本実施形態の柱端部の接合構造1a及び柱端部の接合方法によると、柱3を水平材4aの間に配置するときには連結体6aが挿入孔5から突出しない状態で他の部材や水平材4aと干渉することなく柱3を配置することができる。とくに、上下に既設の水平材4aが設置された位置に柱3を増設する場合に、水平材4aを外すことなく簡単に施工することができる。また、スリット10に細長い工具16を差し込んで連結体6aを操作することで、簡単に連結体6aを挿入孔5から突出させることができるとともに、連結体6aの位置を微調整することもできる。第一ドリフトピン8を挿入する第一ピン孔11は柱3の長さ方向から見てスリット10と直交し、スリット10の柱3の中央側の縁と接する位置、又は当該縁よりも柱3の中央側の位置であるので、柱3の断面欠損を最小限にすることができ、柱端部の接合耐力を高めることができる。
〔第二実施形態〕
次に本発明の柱端部の接合構造1b及び柱端部の接合方法の第二実施形態について、図12から図14を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態の柱端部の接合構造1aと同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の柱端部の接合構造1bは、木製の水平材4bの下に木製の柱の柱頭部を接合するとともに、水平材4bの上に木製の柱の柱脚部を接合するものである。水平材4bは梁又は桁である。
次に本発明の柱端部の接合構造1b及び柱端部の接合方法の第二実施形態について、図12から図14を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態の柱端部の接合構造1aと同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の柱端部の接合構造1bは、木製の水平材4bの下に木製の柱の柱頭部を接合するとともに、水平材4bの上に木製の柱の柱脚部を接合するものである。水平材4bは梁又は桁である。
柱端部の接合構造1bは、図12及び図14に示すように、挿入孔5を有する第一柱3aと、挿入孔5に挿入される連結体6bと、第一柱3aと連結体6bとを固定する第一ドリフトピン8と、鉛直な貫通孔17を有する水平材4bと、連結体6bを水平材4bに固定する第二ドリフトピン9と、受け孔18を有する第二柱3bと、連結体6bを第二柱3bに固定する第三ドリフトピン19と、を備えている。
第一柱3aは、第一実施形態における柱3とほとんど同様の構成である。第一柱3aの水平材4bに接合する側の端面の中央から柱の長さ方向へ向かって円柱状に穿がたれて延びる挿入孔5が形成されており、端面から第一柱3aの長さ方向へは、平板状の溝であるスリット10が形成されている。スリット10は、連結体6bを突出させた場合の突出長さ以上の深さに形成されている。また、第一柱3aには一方の側面から他方の側面に貫通する第一ピン孔11が形成されており、第一ピン孔11は挿入孔5に直交するように形成されている。また、第一ピン孔11は第一柱3aの長さ方向から見てスリット10に直交するように形成されている。
連結体6bは、円筒状の鋼製パイプであり、図12及び図13に示すように、外周面の一端側に第一連結孔12bが貫通して形成されており、他端側に第三連結孔20が貫通して形成されている。また、第一連結孔12bと第三連結孔20との間には第二連結孔13bが貫通して形成されている。そして、第一連結孔12bと第二連結孔13bとの間には、第一連結孔12b、第二連結孔13b及び第三連結孔20よりも小さい操作孔14が貫通して形成されている。第一連結孔12b、第二連結孔13b、及び第三連結孔20は互いに平行に形成されており、操作孔14は上下方向から見てこれら第一連結孔12b、第二連結孔13b、第三連結孔20に対して垂直に形成されている。連結体6bの長さは、図13に示すように、第一柱3aに形成された挿入孔5の深さと同じ長さであるか、又は挿入孔5の深さよりも短く形成されており、挿入孔5に連結体6bの全体が挿入可能な長さとなっている。また、連結体6bの長さは、図14に示すように、水平材4bを貫通して上下に突出する長さとなっている。連結体6bは図13及び図14に示すように挿入孔5の内部を摺動可能であり、少なくとも連結体6bはその全体が挿入孔5に挿入された状態から一部が挿入孔5から突出する状態まで移動することができる。
水平材4bは、挿入孔5から連続する貫通孔17が鉛直方向に貫通して設けられている。貫通孔17は挿入孔5と同一の径の円柱状に穿たれており、図14に示すように連結体6bの挿入孔5から突出した部分が貫通している。水平材4bの一方の側面から他方の側面には第二ピン孔15bが貫通孔17に直交するように当該水平材4bを貫通して形成されている。
第二柱3bは、貫通孔17から連続する受け孔18が設けられている。受け孔18は挿入孔5及び貫通孔17と同一の径の円柱状に穿たれており、図14に示すように連結体6bの貫通孔17からさらに突出した部分が挿入される。第二柱3bの一方の側面から他方の側面には第三ピン孔21が受け孔18に直交するように当該第二柱3bを貫通して形成されている。
本実施形態の柱端部の接合構造1bは、図14に示すように、挿入孔5に連結体6bの一部を挿入され、第一ドリフトピン8を第一ピン孔11と第一連結孔12に挿入した状態で、柱端部に連結体6bが固定されており、貫通孔17に連結体6bの挿入孔5から突出した部分が貫通し、第二ドリフトピン9を第二ピン孔15bと第二連結孔13bに挿入した状態で、水平材4bが連結体6bに固定され、さらに受け孔18に連結体6bの貫通孔17から突出した部分が挿入され、第三ドリフトピン19を第三ピン孔21と第三連結孔20に挿入した状態で、第二柱3bが連結体6bに固定されることにより第一柱3a及び第二柱3bの柱端部を水平材4bに接合している。
なお、本実施形態の柱端部の接合構造1bは、上下を逆転させて、第一柱3aを上に第二柱3bを下に配置したものであっても良い。
本実施形態の柱端部の接合構造1bを施工する柱端部の施工方法は、まず、第一柱3aの端面に形成されている挿入孔5に連結体6bの全体を挿入する。連結体6bは挿入孔5との摩擦抵抗によってその全体が挿入された状態が維持される。次に、水平材4bの上下の接合箇所に第一柱3aの挿入孔5が形成された端面及び第二柱3bの受け孔18が形成された端面が当接するようにそれぞれ配置する。このとき第一柱3aの挿入孔5に連結体6bの全体が挿入されているので、水平材4bや例えばサッシュや外装材などの他の部材に連結体6bが干渉すること無く水平材4bの接合箇所に第一柱3aを配置することができる。
次に、スリット10に長細い工具16を挿入し、連結体6bに設けられた操作孔14に当該工具16を挿入する。そして次に、工具16を柱の長さ方向で水平材4bに接近する方向に移動させることにより、連結体6bを挿入孔5から突出させ、当該連結体6bの突出した部分を水平材4bの貫通孔17に貫通させるとともに、さらに貫通孔17から第二柱3b側に突出した部分を受け孔18に挿入する。連結体6bの第一連結孔12、第二連結孔13b、及び第三連結孔20はそれぞれ第一柱3a、水平材4b、及び第二柱3bの第一ピン孔11、第二ピン孔15b、及び第三ピン孔21に整合するように調整されるが、仮に若干ずれた場合であっても、工具16を操作して微調整することができる。
その後、第一ドリフトピン8を第一ピン孔11を通して連結体6bに設けられた第一連結孔12に挿入し、第二ドリフトピン9を第二ピン孔15bを通して連結体6bに設けられた第二連結孔13bに挿入し、第三ドリフトピン19を第三ピン孔21を通して連結体6bに設けられた第三連結孔20に挿入することで、第一柱3a、水平材4b、及び第二柱3bをそれぞれ連結体6bに固定し、水平材4bに第一柱3a及び第二柱3bの柱端部を接合する。
このように、本実施形態の柱端部の接合構造1b及び柱端部の接合方法によると、第一柱3aを水平材4bの接合箇所に配置する際には、連結体6bが挿入孔5から突出しない状態で他の部材や水平材4bと干渉することなく第一柱3aを配置することができる。また、スリット10に細長い工具16を差し込んで連結体6bを操作することで、簡単に連結体6bを挿入孔5から突出させて、第一柱3a及び第二柱3bを水平材4bに接合することができる。スリット10に細長い工具16を差し込んで連結体6bを操作する構成としたので、工具16を微調整することで連結体6bの位置を微調整することもできる。特に本実施形態の柱端部の接合構造1b及び柱端部の接合方法によると、一本の連結体6bで、第一柱3a及び第二柱3bを水平材4bに接合することができ簡単な構成とすることができる。また、第一柱3a及び水平材4bの接合と第二柱3b及び水平材4bの接合を別々に行う場合に比べて施工工程を削減し施工省力化を図ることができる。
なお、第二実施形態における柱端部の接合構造1b及び柱端部の接合方法は、水平材4bに第二ピン孔15bが形成されているとともに、連結体6bに第二連結孔13bが形成されており、第二ドリフトピン9を第二ピン孔15bを通して第二連結孔13bに挿入することで、水平材4bと連結体6bとを強固に固定し、水平材4bと第一柱3a及び第二柱3bとの接合耐力を高めているが、第二ピン孔15b、第二連結孔13b、及び第二ドリフトピン9が設けられていない構成であってもよい。このように構成したとしても、第一柱3aの第一ピン孔11を通して連結体6bの第一連結孔12bに第一ドリフトピン8を挿入し、第二柱3bの第三ピン孔21を通して連結体6bの第三連結孔20に第三ドリフトピン19を挿入することで、水平材4bの貫通孔17に挿入された連結体6bの上下の突出部分が、第一柱3a及び第二柱3bに強固に固定されることになるので、水平材4bも第一柱3a及び第二柱3bに挟まれた状態で固定されることとなる。
なお、本発明の実施の形態は第一実施形態及び第二実施形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る柱端部の接合構造1a,1b、柱端部の接合方法、及び柱の固定方法は、住宅の水平構造材に柱を接合する構造及び方法として好適に用いることができる。
1a,1b 柱端部の接合構造
2 柱の固定構造
3 柱
3a 第一柱
3b 第二柱
4a,4b 水平材
5 挿入孔
6a,6b 連結体
7 固定孔
8 第一ドリフトピン
9 第二ドリフトピン
10 スリット
11 第一ピン孔
12a,12b 第一連結孔
13a,13b 第二連結孔
14 操作孔
15 第二ピン孔
16 工具
17 貫通孔
18 受け孔
19 第三ドリフトピン
20 第三連結孔
21 第三ピン孔
2 柱の固定構造
3 柱
3a 第一柱
3b 第二柱
4a,4b 水平材
5 挿入孔
6a,6b 連結体
7 固定孔
8 第一ドリフトピン
9 第二ドリフトピン
10 スリット
11 第一ピン孔
12a,12b 第一連結孔
13a,13b 第二連結孔
14 操作孔
15 第二ピン孔
16 工具
17 貫通孔
18 受け孔
19 第三ドリフトピン
20 第三連結孔
21 第三ピン孔
本発明の柱端部の接合構造は、端面に長さ方向へ延びる挿入孔と当該挿入孔に直交する第一ピン孔とを有する柱と、前記挿入孔に全体が挿入可能な長さであり、前記挿入孔から一部が突出した状態で固定された連結体と、前記第一ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該柱に固定する第一ドリフトピンと、前記挿入孔から突出した前記連結体が挿入された固定孔と、前記固定孔に直交する第二ピン孔とを有する水平材と、前記第二ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該水平材に固定する第二ドリフトピンと、を備え、前記柱には端面から長さ方向へ向かって前記連結体の突出長さ以上のスリットが形成されており、当該スリットは前記柱の長さ方向から見て前記第一ドリフトピンに直交するように形成され、前記第一ドリフトピンは前記スリットの前記柱の長さ方向における中央側の縁と接する、又は当該縁よりも前記柱の長さ方向における中央側に配置されることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合構造は、端面に長さ方向へ延びる挿入孔と当該挿入孔に直交する第一ピン孔とが形成された第一柱と、前記挿入孔に全体が挿入可能な長さであり、前記挿入孔から一部が突出した状態で固定された連結体と、前記第一ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該第一柱に固定する第一ドリフトピンと、前記挿入孔から突出した前記連結体が貫通し、当該連結体の一部がさらに突出する貫通孔を有する水平材と、前記貫通孔から突出する前記連結体の端部を挿入する受け孔と、前記受け孔に直交する第三ピン孔とを有する第二柱と、前記第三ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該第二柱に固定する第三ドリフトピンと、を備え、前記第一柱には端面から長さ方向へ向かって前記連結体の前記挿入孔からの突出長さ以上のスリットが形成されており、当該スリットは前記第一柱の長さ方向から見て前記第一ドリフトピンに直交するように形成され、前記第一ドリフトピンは前記スリットの前記第一柱の長さ方向における中央側の縁と接する位置に配置されることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合方法は、端面から長さ方向へ延びる挿入孔と、端面から長さ方向へ向かって前記挿入孔と側面とを繋ぐように形成されるスリットと、前記挿入孔に直交するとともに鉛直方向から見てスリットに直交するように形成された第一ピン孔とを有する柱を、前記柱との接合位置に鉛直方向に掘られた固定孔が形成されるとともに、前記固定孔に直交する第二ピン孔が形成される水平材に接合する柱端部の接合方法であって、長手形状の連結体の全体を前記挿入孔に挿入する工程と、前記水平材の前記柱との接合位置に前記柱の端部を配置する工程と、前記スリットから長細い工具を挿入させて、前記連結体に設けられた操作孔に当該工具を挿入する工程と、前記工具を前記柱の長さ方向に移動させることにより、前記連結体を前記挿入孔から突出させるとともに前記水平材の前記固定孔に前記連結体の突出部分を挿入する工程と、第一ドリフトピンを前記第一ピン孔を通して前記連結体に設けられた第一連結孔に挿入するとともに、第二ドリフトピンを前記第二ピン孔を通して前記連結体に設けられた第二連結孔に挿入する工程と、を備え、前記第一ドリフトピンは前記スリットの前記柱の長さ方向における中央側の縁と接する、又は当該縁よりも前記柱の長さ方向における中央側に配置されることを特徴としている。
本発明の柱端部の接合方法は、端面から長さ方向へ延びる挿入孔と、端面から長さ方向へ向かって前記挿入孔と側面とを繋ぐように形成されるスリットと、前記挿入孔に直交するとともに鉛直方向から見てスリットに直交するように形成された第一ピン孔とを有する第一柱、及び、端面から長さ方向へ延びる受け孔を有するとともに当該受け孔に直交する第三ピン孔を有する第二柱を、鉛直な貫通孔が形成される水平材の上下に接合する柱端部の接合方法であって、長手形状の連結体の全体を前記挿入孔に挿入する工程と、前記水平材の前記第一柱及び前記第二柱との接合位置にそれぞれ当該第一柱及び当該第二柱の端部を配置する工程と、前記スリットから長細い工具を挿入させて、前記連結体に設けられた操作孔に当該工具を挿入する工程と、前記工具を前記第一柱の長さ方向に移動させることにより、前記連結体を前記挿入孔から突出させ、前記水平材の前記貫通孔を通して、前記第二柱の受け孔に前記連結体の突出部分を挿入する工程と、第一ドリフトピンを前記第一ピン孔を通して前記連結体に設けられた第一連結孔に挿入し、第三ドリフトピンを前記第三ピン孔を通して前記連結体に設けられた第三連結孔に挿入する工程と、を備え、前記第一ドリフトピンは前記スリットの前記第一柱の長さ方向における中央側の縁と接する位置に配置されることを特徴としている。
Claims (8)
- 端面に長さ方向へ延びる挿入孔と当該挿入孔に直交する第一ピン孔とを有する柱と、
前記挿入孔に全体が挿入可能な長さであり、前記挿入孔から一部が突出した状態で固定された連結体と、
前記第一ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該柱に固定する第一ドリフトピンと、
前記挿入孔から突出した前記連結体が挿入された固定孔と、前記固定孔に直交する第二ピン孔とを有する水平材と、
前記第二ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該水平材に固定する第二ドリフトピンと、を備え、
前記柱には端面から長さ方向へ向かって前記連結体の突出長さ以上のスリットが形成されており、当該スリットは前記柱の長さ方向から見て前記第一ドリフトピンに直交するように形成されることを特徴とする柱端部の接合構造。 - 前記第一ドリフトピンは前記スリットの前記柱の長さ方向における中央側の縁と接する、又は当該縁よりも前記柱の長さ方向における中央側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の柱端部の接合構造。
- 上下1対の水平材の間に設けられる柱の固定構造であって、
柱頭及び柱脚の接合構造が請求項1又は請求項2に記載の柱端部の接合構造であることを特徴とする柱の固定構造。 - 端面に長さ方向へ延びる挿入孔と当該挿入孔に直交する第一ピン孔とが形成された第一柱と、
前記挿入孔に全体が挿入可能な長さであり、前記挿入孔から一部が突出した状態で固定された連結体と、
前記第一ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該第一柱に固定する第一ドリフトピンと、
前記挿入孔から突出した前記連結体が貫通し、当該連結体の一部がさらに突出する貫通孔を有する水平材と、
前記貫通孔から突出する前記連結体の端部を挿入する受け孔と、前記受け孔に直交する第三ピン孔とを有する第二柱と、
前記第三ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該第二柱に固定する第三ドリフトピンと、
を備え、
前記第一柱には端面から長さ方向へ向かって前記連結体の前記挿入孔からの突出長さ以上のスリットが形成されており、当該スリットは前記第一柱の長さ方向から見て前記第一ドリフトピンに直交するように形成されることを特徴とする柱端部の接合構造。 - 前記水平材は前記貫通孔に直交する第二ピン孔をさらに有し、
前記第二ピン孔に挿入された状態で前記連結体を当該水平材に固定する第二ドリフトピンをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の柱端部の接合構造。 - 端面から長さ方向へ延びる挿入孔と、端面から長さ方向へ向かって前記挿入孔と側面とを繋ぐように形成されるスリットと、前記挿入孔に直交するとともに鉛直方向から見てスリットに直交するように形成された第一ピン孔とを有する柱を、
前記柱との接合位置に鉛直方向に掘られた固定孔が形成されるとともに、前記固定孔に直交する第二ピン孔が形成される水平材に接合する柱端部の接合方法であって、
長手形状の連結体の全体を前記挿入孔に挿入する工程と、
前記水平材の前記柱との接合位置に前記柱の端部を配置する工程と、
前記スリットから長細い工具を挿入させて、前記連結体に設けられた操作孔に当該工具を挿入する工程と、
前記工具を前記柱の長さ方向に移動させることにより、前記連結体を前記挿入孔から突出させるとともに前記水平材の前記固定孔に前記連結体の突出部分を挿入する工程と、
第一ドリフトピンを前記第一ピン孔を通して前記連結体に設けられた第一連結孔に挿入するとともに、第二ドリフトピンを前記第二ピン孔を通して前記連結体に設けられた第二連結孔に挿入する工程と、
を備えることを特徴とする柱端部の接合方法。 - 端面から長さ方向へ延びる挿入孔と、端面から長さ方向へ向かって前記挿入孔と側面とを繋ぐように形成されるスリットと、前記挿入孔に直交するとともに鉛直方向から見てスリットに直交するように形成された第一ピン孔とを有する第一柱、
及び、端面から長さ方向へ延びる受け孔を有するとともに当該受け孔に直交する第三ピン孔を有する第二柱を、
鉛直な貫通孔が形成される水平材の上下に接合する柱端部の接合方法であって、
長手形状の連結体の全体を前記挿入孔に挿入する工程と、
前記水平材の前記第一柱及び前記第二柱との接合位置にそれぞれ当該第一柱及び当該第二柱の端部を配置する工程と、
前記スリットから長細い工具を挿入させて、前記連結体に設けられた操作孔に当該工具を挿入する工程と、
前記工具を前記第一柱の長さ方向に移動させることにより、前記連結体を前記挿入孔から突出させ、前記水平材の前記貫通孔を通して、前記第二柱の受け孔に前記連結体の突出部分を挿入する工程と、
第一ドリフトピンを前記第一ピン孔を通して前記連結体に設けられた第一連結孔に挿入し、第三ドリフトピンを前記第三ピン孔を通して前記連結体に設けられた第三連結孔に挿入する工程と、
を備えることを特徴とする柱端部の接合方法。 - 前記水平材は前記貫通孔に直交する第二ピン孔をさらに有しており、
第二ドリフトピンを前記第二ピン孔を通して前記連結体に設けられた第二連結孔に挿入する工程をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の柱端部の接合方法。
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