JP2018162372A - グリース組成物、転がり軸受、およびハブベアリング - Google Patents

グリース組成物、転がり軸受、およびハブベアリング Download PDF

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Abstract

【課題】転がり軸受やハブベアリングに封入して使用した際に、潤滑寿命を維持しつつトルクの低減を図ることができるグリース組成物、および、これを封入した転がり軸受とハブベアリングを提供する。
【解決手段】転がり軸受1は、グリース組成物7が転動体4の周囲に封入されてなり、このグリース組成物7は、基油と増ちょう剤とを含み、該基油は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2〜1.7であり、グリース組成物全体に対して増ちょう剤を10〜30質量%含み、該増ちょう剤が、ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるジウレア化合物であり、モノアミン成分が脂環式モノアミン単独、または、脂環式モノアミンと芳香族モノアミンである。
【選択図】図1

Description

本発明はグリース組成物に関する。また、このグリース組成物を封入した転がり軸受とハブベアリングに関する。
軸受を油で潤滑できない場合、潤滑系統をメンテナンスフリーにする場合などでは軸受内部にグリースを充填し、シールまたはシールドを装着して使用する。グリース潤滑にすることにより、(1)軸受を取り扱いやすくなる、(2)シール構造が簡素化できる、(3)環境汚染を抑制できる、といった利点がある。一方、基油の動粘度が潤滑油と同程度の場合、潤滑油に比べて粘性が大きいため、軸受のトルクが上昇する欠点がある。軸受の低トルク化は、省エネの観点から常に求められている課題である。使用用途は主に自動車のハブベアリング、電装補機用軸受、工作機用軸受などである。ハブベアリングは、自動車の車両用軸受であり、軸受の周辺部品であるハブ輪やハウジングとユニット化することで、部品点数の削減と軽量化を図ったものである。ハブベアリング(第二世代以降)では、S53Cなどの機械構造用炭素鋼(軌道部には高周波熱処理)が用いられているが、合金成分が少なく表面強度が弱いため、剥離問題などを抑制すべく潤滑仕様が重要となる。
従来、自動車のハブベアリング用グリースとして、基油に鉱油または合成油を用い、増ちょう剤に脂肪族ジウレア化合物、脂肪族−脂環式ジウレア化合物、脂環式ジウレア化合物の混合物を用い、これにMoDTCやCaスルフォネートを添加したグリースが提案されている(特許文献1参照)。
特開2011−178824号公報
特許文献1では、基油は特に制限なく使用できるとされている。また、グリースのせん断抵抗の低下のため、基油の動粘度を一般的には15〜40mm/sに設定することが好ましい旨が記載されている。しかしながら、使用する基油の動粘度以外の特性によっては、動粘度が同程度であっても、軸受のトルクが高くなる可能性がある。
また、低トルク化のために単純に基油を低粘度化する手法では、該基油が蒸発しやすくなり初期の潤滑性能を長時間維持することが困難となる。このため、上記のハブベアリングのように潤滑性能の低下により耐久性に懸念が生じやすい用途などでは、グリース組成物の基油において、ある程度の粘度を維持することが必要となる。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、転がり軸受やハブベアリングに封入して使用した際に、潤滑寿命を維持しつつトルクの低減を図ることができるグリース組成物、および、これを封入した転がり軸受とハブベアリングを提供することを目的とする。
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含むグリース組成物であって、上記基油は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2〜1.7であり、上記グリース組成物全体に対して、上記増ちょう剤を10〜30質量%含み、上記増ちょう剤が、ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるジウレア化合物であり、上記モノアミン成分が脂環式モノアミン単独、または、脂環式モノアミンと芳香族モノアミンであることを特徴とする。
上記基油が、鉱油および合成油から選ばれる少なくとも1種を含む油であり、該基油の40℃における動粘度が30〜60mm/sであることを特徴とする。
上記基油が、2種以上の鉱油の混合油であることを特徴とする。
上記モノアミン成分として脂環式モノアミンを含み、該脂環式モノアミンがシクロヘキシルアミンであることを特徴とする。また、上記モノアミン成分として芳香族モノアミンを含み、該芳香族モノアミンがアニリンまたはp−トルイジンであることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する転動体と、この転動体の周囲に封入されたグリース組成物とを備えてなる転がり軸受であって、上記グリース組成物が本発明のグリース組成物であることを特徴とする。
本発明のハブベアリングは、自動車の車輪を回転支持し、内部空間にグリース組成物が封入されてなるハブベアリングであって、上記グリース組成物が本発明のグリース組成物であることを特徴とする。
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、基油は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2〜1.7であり、グリース組成物全体に対して増ちょう剤を10〜30質量%含み、該増ちょう剤が、ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるジウレア化合物であり、モノアミン成分が脂環式モノアミン単独、または、脂環式モノアミンと芳香族モノアミンであるので、潤滑寿命を維持しつつ回転トルクの低減を図ることができる。また、基油が、鉱油および合成油から選ばれる少なくとも1種を含む油であり、該基油の40℃における動粘度が30〜60mm/sであるので、十分な潤滑寿命を有する。
また、基油が、2種以上の鉱油の混合油であるので、鉱油を主成分として、上記分子量分布(Mw/Mn)を有するような基油とできる。
本発明の転がり軸受とハブベアリングは、上記グリース組成物を封入しているので、潤滑寿命を低下させずに、回転トルクが低くなる。
本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。 本発明のハブベアリングの一例を示す断面図である。 基油の分子量分布と回転トルクとの関係を示す図である。
潤滑油などの指標として分子量があり、主に、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)が使用されている。Mwは高分子量成分の影響を受けやすく、Mnは低分量成分の影響を受けやすい。Mw/Mnの値が大きいほど分子量の分布が広いものとなる。本発明では、グリース組成物の基油におけるMw/Mnに着目し、これを所定範囲(1.2〜1.7)とし、かつ、増ちょう剤に脂肪族基を含まないジウレア化合物などを採用することで、基油としての動粘度は同程度としながら、軸受などのトルクを低減できることを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明のグリース組成物の基油は、Mw/Mn=1.2〜1.7を有するものであれば、通常グリースの分野で使用される一般的なものを使用できる。この分子量分布は、単一の基油は勿論、2種以上の基油の混合油や、基油に後述するアルカンなどを配合して達成するものであってもよい。基油としては、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油などの鉱油、ポリ−α−オレフィン油、アルキルナフタレンなどの炭化水素系合成油、ポリオールエステル油、りん酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。
本発明では、比較的安価であり、混合油とすることで上記分子量分布や後述の動粘度を達成しやすいことから、鉱油を主成分(基油全量に対して50質量%以上)とすることが好ましい。2種以上の鉱油を混合することが好ましく、例えば、低粘度グレードと高粘度グレードの混合油とすることで、分子量分布を広くできる。また、鉱油としてパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油のいずれも使用できるが、高温時の粘度変化が小さく、下記のアルカンとの相溶性も良いパラフィン系鉱油を用いることが好ましい。
基油として、鉱油に炭素数16〜18のアルカン(常温で液状または固形状)を該基油全量に対して20質量%以上配合して調整してもよい。より好ましくは基油全量に対して30質量%以上である。通常、鉱油には上記アルカンも一部含まれるが、本発明では分子量分布を上記所定範囲(1.2〜1.7)に調整するために、配合物としてこれを相当量追加することが好ましい。上記アルカンとしては、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、およびn−オクタデカンが挙げられる。これらの中でも、入手性に優れ、上記鉱油と混合させやすいことから、n−ヘプタデカンを用いることが好ましい。
基油は、40℃における動粘度が30〜60mm/sであることが好ましく、40〜50mm/sがより好ましい。混合油や上記アルカンを配合した状態で、この動粘度範囲とすることが好ましい。40℃における動粘度が30mm/s 未満の場合は、油膜切れのおそれや、油の蒸発が多くなるおそれがある。一方、40℃における動粘度が60mm/sより高いと、低トルク化が困難になる場合がある。
本発明のグリース組成物の増ちょう剤は、所定のジウレア化合物である。これは、ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるジウレア化合物であり、モノアミン成分が脂環式モノアミン単独、または、脂環式モノアミンと芳香族モノアミンである。すなわち、この増ちょう剤は、脂環式ジウレア化合物単独か、脂環式ジウレア化合物、芳香族ジウレア化合物、脂環式−芳香族ジウレア化合物の混合物となっている。
増ちょう剤にジウレア化合物を用いることで、耐熱耐久性や付着性に優れる。特に脂肪族モノアミンを使用せず、脂肪族ジウレア化合物や脂肪族−脂環式ジウレア化合物を含まないので、軸受などのトルクが上昇することを防止できる。ここで、ジイソシアネート成分としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜などが挙げられる。モノアミン成分である芳香族モノアミンとしては、アニリン、p-トルイジンなどが、脂環式モノアミンとしては、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
基油にウレア化合物などの増ちょう剤を配合してベースグリースが得られる。ジウレア化合物を増ちょう剤とするベースグリースは、基油中で上記ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応させて作製する。
本発明のグリース組成物において、増ちょう剤は、グリース組成物全体に対して10〜30質量%含むようにする。好ましくは、グリース組成物全体に対して10〜20質量%とする。増ちょう剤の含有量が10重量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、30重量%をこえると、低トルク化が困難になる場合がある。また、本発明のグリース組成物のちょう度(JIS K 2220)は、特に限定されない。
また、グリース組成物には、必要に応じて公知の添加剤を添加できる。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗防止剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
本発明の転がり軸受の一例を図1に示す。図1はグリース組成物が封入されているグリース封入転がり軸受(深溝玉軸受)の断面図である。転がり軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。保持器5が、この複数個の転動体4を保持している。シール部材6が外輪等に固定されており、少なくとも転動体4の周囲に上記本発明のグリース組成物7が封入されている。
図1では軸受として深溝玉軸受について例示したが、本発明の転がり軸受は、上記以外の円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受、スラスト針状ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などとしても使用できる。
本発明のハブベアリングの一例を図2に示す。図2は、ハブベアリングの断面図である。ハブベアリング26は、ハブ輪21および内輪22を有する内方部材25と、外輪である外方部材23と、複列の転動体24、24とを備えている。ハブ輪21はその一端部に車輪(図示せず)を取付けるための車輪取付けフランジ21dを一体に有し、外周に内側転走面21aと、この内側転送面21aから軸方向に延びる小径段部21bとが形成されている。ここで、軸方向に関して「外」とは、車両への組付け状態で幅方向外側をいい、「内」とは、幅方向中央側をいう。
ハブ輪21の小径段部21bには、外周に内側転走面22aが形成された内輪22が圧入されている。そして、ハブ輪21の小径段部21bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部21cにより、ハブ輪21に対して内輪22が軸方向へ抜けるのを防止している。外方部材23は、外周に車体取付けフランジ23bを一体に有し、内周に外側転走面23a、23aと、これら複列の外側転走面23a、23aに対向する内側転走面21a、22aとの間には複列の転動体24、24が転動自在に収容されている。
本発明のグリース組成物はシール部材27と、外方部材23と、シール部材28と、内方部材25と、ハブ輪21とに囲まれた内部空間に封入され、外方部材23と、内方部材25とに挟まれた複列の転動体24、24の周囲に位置し、転動体24、24の転動面と、内側転走面21a、22aおよび外側転走面23a、23aとの転がり接触部の潤滑に供される。
本発明のハブベアリングに使用できる材質は、軸受鋼、浸炭鋼、または機械構造用炭素鋼を挙げることができる。これらの中で鍛造性が良く安価なS53Cなどの機械構造用炭素鋼を用いることが好ましい。本発明では上記グリース組成物を転がり接触部を含む上記内部空間に封入しているので、低トルク化を図りつつ、潤滑性能を維持でき、該機械構造用炭素鋼を構成材料としながらも十分な耐久性が期待できる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜実施例9、比較例1、比較例2
まず、基油を混合して、または、基油に試薬を配合して、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比を調整した5種の試験用基油A〜Eを作製した。いずれの基油も動粘度が40〜50mm/sとなる割合で調整している。各試験用基油の具体的な構成を表1に示す。表1中の各油は表下部に示すとおりであり、1)〜6)が粘度グレードの異なる鉱油、7)が試薬である。
ここで、試験用基油の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた。GPC測定条件は以下の通りである。
装置名:HLC−8120GPC(東ソー社製)
濃度検出器;示差屈折率計(RI検出器)polarity=(+)
カラム:TSKgel SuperHZ2000+SuperHZ1000×2(6.0mmID×15cm×3)(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:0.6mL/min
試料濃度:1mg/L
注入量:20μL
カラム温度:40℃
検出器温度:40℃
試料の前処理:試料を秤量し、所定量の溶離液を加えて室温で一晩静置溶解させた。試料溶液は緩やかに振り混ぜた後、0.5μmのPTFEカートリッジフィルターでろ過した。
検量線:標準ポリスチレン(東ソー製A−5000,A−2500、A−1000、A−500)を用いた3次近似曲線。得られる値はポリスチレン換算分子量および分子量分布。
また、試験用基油の動粘度(40℃におけるもの)は以下の方法で測定した。粘度計としてはキャノンフェンスケを用いた。まず、所定量の測定試料を粘度計に入れ、粘度計を40℃の恒温槽に漬けた。試料温度が40℃になったら(15min以上放置)、試料を測時球の上の標線より5〜10mm上まで吸引した。吸引を停止し、自然流下させ試料面が測時球上下の標線間を通過するのに要する時間(流出時間)を測定した。同様の測定を3回実施しした後、流出時間の平均値を算出し、以下の式に代入して動粘度を計算した。
Figure 2018162372
Figure 2018162372
次に、これらの試験用基油を用い表2の構成のグリースを調整した。具体的には、表2に示す基油の半量にジイソシアネート(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート:MDI)を、残りの半量にMDIの2倍当量となるモノアミンをビーカーに入れて混合し、100℃になるまで加熱した。100℃になった後、MDI混合油が入ったビーカーにアミン混合油を投入した。その後、すぐに撹拌して、ビーカー内の内容物の反応をさせた。しばらく撹拌した後、100℃の恒温槽に3時間静置した。恒温槽から取り出し、室温になるまで放冷した後、グリースを3本ロールミルによりが滑らかにした。モノアミンとしては、末端基割合が表1に示す割合になるように、脂環式アミン(シクロヘキシルアミン)、芳香族アミン(アニリンまたはp−トルイジン)、脂肪族アミン(オクチルアミン)を所定当量で用いた。なお、実施例4〜7は芳香族アミンとしてアニリンを、実施例9はp−トルイジンを用いた。
得られたグリースについて、下記に示すトルク測定試験に供し、軸受のトルクを測定した。結果を表2と図3に併記する。なお、表中のちょう度は、不混和ちょう度(JIS K 2220)である。
<トルク測定試験>
竪型式トルク試験機を使用して測定した。試験軸受が縦置きになるようにスピンドルに固定し、回転数600min−1、室温(25℃)雰囲気、外輪にアキシャル荷重20Nを負荷してロードセルで拘束し、内輪回転として、軸受で発生する回転トルクを算出した。試験軸受は深溝玉軸受(6204)であり、ガラス繊維を30体積%配合したナイロン66で成形した冠型保持器を使用した。グリースは空間容積の38%になるように封入し、グリースが飛散しないようにシールド板を装着した。30分間運転中の20〜30分間の平均値をトルク値(mNm)とした。表2には、実施例1の結果を1としたときの比を結果として載せている。
Figure 2018162372
表2と図3に示すように、各実施例では、分子量分布Mw/Mn=1.2〜1.7の基油を用い、脂環式ジウレア化合物、または、脂環式ジウレア化合物/芳香族ジウレア化合物/脂環式−芳香族ジウレア化合物の混合物を増ちょう剤とすることで、軸受の回転トルクを小さくすることができた。一方、比較例1に示すように、Mw/Mnが1.2未満では、動粘度が実施例と同等であるにも関わらず、トルクが高くなった。また、比較例2に示すように、Mw/Mn=1.2〜1.7であっても、増ちょう剤が、脂環式ジウレア化合物/脂肪族ジウレア化合物/脂肪族−脂環式ジウレア化合物の混合物である場合は、トルクが高くなった。
実施例10〜実施例12、比較例3
実施例10〜12では試験用基油B〜Dを、比較例3では試験用基油Eを、それぞれバイアル瓶に3g入れ、80℃の恒温槽に放置した。各基油を入れたバイアル瓶の約20時間毎の重量減少率を蒸発量として算出した。
Figure 2018162372
また、比較例3のMw/Mnが1.7より大きい基油では、低粘度の基油を混合している。そのため、蒸発しやすく、初期の状態(ちょう度、組成など)を長時間維持できない結果となった。
本発明のグリース組成物は、潤滑寿命を維持しつつトルクの低減を図ることができるので、自動車のハブベアリング、電装補機用転がり軸受、工作機用転がり軸受などに封入する低トルクグリースとして好適に利用できる。
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
21 ハブ輪
21a 内側転走面
21b 小径段部
21c 加締部
21d 車輪取付けフランジ
22 内輪
22a 内側転走面
23 外方部材
23a 外側転走面
23b 車体取付けフランジ
24 転動体
25 内方部材
26 ハブベアリング
27 シール部材
28 シール部材

Claims (7)

  1. 基油と増ちょう剤とを含むグリース組成物であって、
    前記基油は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2〜1.7であり、
    前記グリース組成物全体に対して、前記増ちょう剤を10〜30質量%含み、
    前記増ちょう剤が、ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるジウレア化合物であり、前記モノアミン成分が脂環式モノアミン単独、または、脂環式モノアミンと芳香族モノアミンであることを特徴とするグリース組成物。
  2. 前記基油が、鉱油および合成油から選ばれる少なくとも1種を含む油であり、該基油の40℃における動粘度が30〜60mm/sであることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  3. 前記基油が、2種以上の鉱油の混合油であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース組成物。
  4. 前記モノアミン成分として脂環式モノアミンを含み、該脂環式モノアミンがシクロヘキシルアミンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のグリース組成物。
  5. 前記モノアミン成分として芳香族モノアミンを含み、該芳香族モノアミンがアニリンまたはp−トルイジンであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載のグリース組成物。
  6. 内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する転動体と、この転動体の周囲に封入されたグリース組成物とを備えてなる転がり軸受であって、
    前記グリース組成物が請求項1から請求項5までのいずれか1項記載のグリース組成物であることを特徴とする転がり軸受。
  7. 自動車の車輪を回転支持し、内部空間にグリース組成物が封入されてなるハブベアリングであって、
    前記グリース組成物が請求項1から請求項5までのいずれか1項記載のグリース組成物であることを特徴とするハブベアリング。
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