JP5119068B2 - トランスミッション用軸受 - Google Patents

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Description

この発明は自動車のトランスミッションに使用される軸受に関するものである。
自動車のトランスミッションは、長期間の使用に伴いハウジングのバリやギヤの摩耗粉等異物がトランスミッション内部に堆積しやすく、トランスミッション内で使用される軸受にとっては厳しい環境となっている。そのため軸受の長寿命化の方策として、特殊熱処理された軸受部品やシール付き構造が採用されている。例えば軸受の転動体部分に潤滑基油と増ちょう剤とを配合してなるグリース組成物を充填し、シール手段で密封したベルト式無段変速機用転がり軸受(特許文献1参照)が知られている。これはCVTフルード潤滑に代えて密封型のグリース潤滑方式としたものであり、これによりCVTフルードに混入する異物により剥離等の損傷を無くし、軸受寿命の改善を図ったものである。従来のトランスミッション用軸受は、長寿命であることが第一とされ、CVTフルードに比べて粘度の高いグリースの使用や、軸受の回転に伴うシールの摺動による回転抵抗の増大が問題視されることはあまりなかった。
しかしながら、近年、環境保護意識の高まりにつれ自動車の燃費向上要求が強まると、各部品レベルにまで低トルク、低発熱が求められるようになった。シールなしの特殊熱処理品を用いた軸受は低トルクではあるが、軸受内に侵入する異物の大きさ、量、硬さによって寿命効果にばらつきが生じる。またシール付き軸受は異物の影響がないため寿命は安定するが、シールの引き摺り抵抗が大きい。また初期潤滑のために封入したグリースの撹拌抵抗が大きくなり、要求を満たすことができないという問題がある。
特開2004−116661号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、異物の侵入を防止でき、低トルクと長寿命の両方を実現できるトランスミッション用軸受の提供を目的とする。
本発明のトランスミッション用軸受は、入力軸の回転を出力軸の回転に伝達するトランスミッションに配置されるトランスミッション用軸受であって、該軸受は、内輪および外輪の軌道輪と、該軌道輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、上記軌道輪の軸方向両端開口部に設けられたシール部材とを備え、上記軌道輪と上記シール部材とで囲まれた軸受内空間にグリースが封入され、該グリースは少なくとも基油と増ちょう剤とを含み、該基油は鉱油単独であるか、または鉱油とポリ-α-オレフィン油との混合油で構成され、40℃における基油動粘度が 100 mm2/s 以下であることを特徴とする。
上記増ちょう剤がウレア化合物、特に芳香族ウレア化合物であることを特徴とする。
上記グリースの封入量が軸受全空間容積の 5〜20 体積%であることを特徴とする。
上記シール部材は、内周縁部および外周縁部を有する環状体であり、その一方の周縁部が一方の軌道輪の端に形成したシール溝に接触または非接触状態で係わるシールリップであり、他方の周縁部が他方の軌道の端に形成した係止溝に固定される係止端であることを特徴とする。
上記シール部材のゴム材質が二トリルゴム、アクリルゴム、またはフッ素ゴムであることを特徴とする。
上記シールリップの前記シール溝側に切欠き溝を設けたことを特徴とする。
本発明のトランスミッション用軸受は、内輪および外輪の軌道輪の軸方向両端開口部に設けられたシール部材を備え、封入するグリースは所定の種類、かつ所定の動粘度の基油を用いているので、ハウジングのバリやギヤの摩耗粉等の異物の侵入を防止でき、かつシールの引き摺り抵抗を低く抑えることができるので、低トルクと長寿命の両方を実現することが可能となる。
上記シール部材は軌道輪に接触または非接触で係わるシールリップを有するので、軸受回転に伴う摺動抵抗を低く抑えることができる。
また、上記シール部材のゴム材質が二トリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムであるのでグリースを構成する基油成分により劣化することがなく、安定なシール性能を維持することができる。
また、上記シールリップは上記シール溝側に切欠き溝を設けたので、軸受回転時に摺動面へのシール部材の吸着を防止することができ、トルクの上昇を防止することができる。
本発明に使用できる基油としては、鉱油単独であるか、または鉱油とポリ-α-オレフィン(以下、PAOと記す)油との混合油であることを必須とする。鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の通常潤滑油やグリースの分野で使用されているものをいずれも使用することができる。
鉱油としてはシクロヘキサン、シクロペンタン等のナフテン系鉱油が低温特性に優れるため好ましい。
PAO油としては、通常、α-オレフィンまたは異性化されたα-オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α-オレフィンの具体例としては、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン等を挙げることができ、通常はこれらの混合物を使用することができる。
鉱油とPAOの混合割合は、(鉱油/PAO)が重量割合で( 100/0)〜( 20/80 )の範囲であることが好ましい。
本発明に好適な基油としては、ナフテン系鉱油単独であるか、またはナフテン系鉱油とPAOとの混合油である。
本発明に使用できる基油は、40℃における動粘度が 100 mm2/s 以下であり、好ましくは 10 〜 75 mm2/s である。
トランスミッション用軸受に用いる基油の動粘度が軸受トルクに及ぼす影響について検討した結果を図3に示す。図3は、基油動粘度と軸受トルクの関係を示す図である。基油動粘度は横軸に対数座標で、軸受トルクは縦軸に表した。
基油は、40 ℃における動粘度が 10〜2000 mm2/s の範囲のナフテン系鉱油を用いた。鉱油を 75〜85 重量%、増ちょう剤として実施例1で用いた芳香族ウレア化合物を 15〜25 重量%配合したグリースを作製した。得られたグリースを6207軸受に軸受全空間容積の 15 体積%となるように封入して、ラジアル荷重 2570 N、回転数 4000 min-1 の条件下で軸受を回転させたときの軸受トルク( N-m )を測定した。
基油動粘度が 100 mm2/s 以下であれば軸受トルクは安定しているが、100 mm2/s をこえると急激に増加する。動粘度の変化割合に対してトルクの変化量が少ない安定した軸受トルク領域で使用するためには、基油動粘度が 100 mm2/s 以下であることが必要となる。なお、40℃における動粘度が 10 mm2/s 未満の場合は、基油粘度が低すぎるため油膜形成が不十分となる。
本発明に使用できる増ちょう剤としては、ベントン、シリカゲル、フッ素化合物、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア化合物が挙げられる。
これらの中で、耐熱性、コスト等を考慮するとウレア化合物が望ましい。
ウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
また、ジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられる。
モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
上記ウレア化合物の中で、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートと、アニリンやp-トルイジンなどの芳香族モノアミンとを反応させて得られる芳香族ジウレア化合物を用いることが好ましい。
基油にウレア系増ちょう剤を配合して、各種添加剤等を配合するためのベースグリースが得られる。ウレア系化合物を増ちょう剤とするベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
ベースグリース 100 重量部中に占める増ちょう剤の配合割合は、1 〜40 重量部、好ましくは 3 〜25 重量部配合される。増ちょう剤の含有量が 1 重量部未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となり、40 重量部をこえると得られたベースグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られ難くなる。
また、本発明に用いるグリースには必要に応じて公知のグリース用添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、金属スルホネート、多価アルコールエステルなどの防錆剤、有機モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤、りん系化合物などの摩耗防止剤等が挙げられる。これらを単独または 2 種類以上組み合せて添加できる。
本発明に用いるシール部材はゴム成形体単独でもよく、あるいはゴム成形体と金属板、プラスチック板、セラミック板等との複合体であってもよい。耐久性および製造性に優れ、固着の容易さからゴム成形体と金属板との複合体が好ましい。
本発明に用いるシール部材のゴム成形体は、高温で潤滑油と接触する使用環境下で良好な摺動性を保ち、耐久性を維持できるゴム材質として、二トリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムを用いることが好ましい。二トリルゴムはブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であり、安価で優れた耐油性を有する。アクリルゴムはアクリル酸エチルまたはアクリル酸ブチルと2-クロロエチルビニルエーテル、メチルビニルケトンなどの共重合成分との共重合体であり、優れた耐熱性を有し、ニトリルゴムよりも高温下で優れた耐油性を示す。またフッ素ゴムはフッ化ビニリデンゴム(FKM)、テトラフルオロエチレン-プロピレンゴム(FEPM)、テトラフルオロエチレン-パープルオロビニルエーテルゴム(FFKM)等があり、優れた耐熱性、耐油性、耐薬品性を有する。
シール部材のゴム成形体は、ゴム単体の成形体であっても、またはゴムに配合剤を配合したゴム組成物からの成形体であっても使用できる。
好ましいシール部材は、金属板と一体成形後に加硫させたゴム成形体である。
本発明のトランスミッション用軸受において、常時シール性を確保するシール構造として、軌道輪の端に形成したシール溝に摺接または近接するシール部材の周縁をシールリップとすることが好ましい。
一方、シールリップを採用すると、シールリップがシール溝に強固に密着し、軸受のトルクが上昇する、いわゆる吸着現象が発生することがある。これは軸受の回転に伴いシールリップとシール溝とが摺接して生ずる摩擦熱や外部からの熱伝導で温度上昇した軸受が、その後冷却され軸受内部が負圧となりシール部材のシールリップがシール溝に強固に密着する現象である。この吸着現象を回避するためにはシールリップをシール溝に対して非接触にすることが好ましい。シール溝に対するシールリップの非接触部分は、軸受の使用状況や吸着現象の発生状況に応じてシールリップの一部に設けるか、シール溝に対向するシールリップの全周に設けてもよい。
本発明において、シール溝に対し一部非接触状態にするためにシール部材に設ける切欠きはシールリップの内面にその先端摺接部に沿って設けることが好ましい。シールリップの内面にその先端摺接部に沿って軸径方向に切欠きを設けた構成を採用すると、シールリップの切欠きのない部分がシール溝の内側面に押し当てられるとともに、シールリップの切欠きのある部分に軸受内部と軸受外部とを連通する空気通路が形成される。この空気通路により軸受内部の負圧が解消されるのでシールリップのシール溝への摺動抵抗が抑制され、軸受回転トルクの上昇を防止することができる。
本発明のトランスミッション用軸受の実施形態を図6により説明する。
図6は本発明のトランスミッション用軸受をCVTに用いた例を示す図である。図6に示すように、トランスミッション用軸受1は、入力軸31の回転を無段階変化で変速して出力軸34の回転に伝達するものである。なお、本実施例では無断変速式トランスミッションに用いた例を示したが、これに限られず、手動変速式トランスミッション、自動変速式トランスミッションに用いることができる。
図6において、入力軸31は、エンジン等の駆動源(図示せず)により、トルクコンバータ40および遊星機構部41を介して回転駆動される。入力軸31と同期回転する駆動側プーリ32が入力軸31に設けられ、この駆動側プーリ32の溝幅は、駆動側アクチュエータ33により拡縮自在に制御される。また、出力軸34と同期回転する従動側プーリ35が出力軸34に設けられ、この従動側プーリ35の溝幅は、従動側アクチュエータ36により拡縮自在に制御される。また、この従動側プーリ35と駆動側プーリ32とは、選ばれた溝幅に対応する径の部分で掛け渡された無端ベルト37を介して、それぞれの径に対応する速度で回転し、入力軸31に伝達された動力は、駆動側プーリ32から無端ベルト37を介して、従動側プーリ35に伝達される。従動側プーリ35に伝達された動力は、出力軸34から減速歯車列38、デファレンシャル39を介して駆動輪(図示せず)に伝達される。これら入力軸31と出力軸34とを回転自在に支承する本発明のトランスミッション用軸受1として深溝玉軸受が用いられる。なお、本発明のトランスミッション用軸受としては、上記深溝玉軸受の他、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受なども採用することができる。
入力軸31に対して出力軸34を増速する場合には、駆動側プーリ32の溝幅を小さくし、かつ従動側プーリ35の溝幅を大きくすることで、無端ベルト37を掛け渡された部分の径が、駆動側プーリ32部分で大きく、従動側プーリ35部分で小さくなり、入力軸31に対する出力軸34の増速が行なわれる。
入力軸31に対して出力軸34を減速する場合には、駆動側プーリ32の溝幅を大きくし、かつ従動側プーリ35の溝幅を小さくすることで、無端ベルト37に掛け渡された部分の径が、駆動側プーリ32部分で小さく、従動側プーリ35部分で大きくなり、入力軸31に対する出力軸34の減速が行なわれる。
本発明のトランスミッション用軸受の例を図1および図2により説明する。図1は本発明のトランスミッション用軸受を示す縦断面図であり、図2はシール部材を示す切り欠き斜視図である。
図1および図2に示すようにトランスミッション用軸受1は内輪2と外輪3と、この内輪2と外輪3との間に転走自在に設けられた転動体4と、内輪2および外輪3の軸方向両端開口部8a、8bに嵌められる環状のシール部材6とから構成される。転動体4の周囲に 40℃における基油動粘度が少なくとも 100 mm2/s 以下の基油動粘度を有するグリース7が封入される。
内輪2の外径面に転動体4が転走する内輪軌道2aが設けられ、外輪3の内径面に内輪軌道2aに対向した外輪軌道3aが設けられている。この内輪軌道2aの両側に周方向のシール溝2bが形成され、このシール溝2bに対向した外輪3の内径面にシール部材係止溝3bが形成されている。このシール部材係止溝3bに上記シール部材6の外周縁部6aが係止されている。
本発明のトランスミッション用軸受に用いるシール部材6の一例を図2に示す。シール部材6はシール部材係止溝3bに係止される外周縁部6aと、シール部材6を補強する金属板(芯金)6bと、内輪軌道2aの両側に設けられた周方向のシール溝2bに摺接するシールリップ6dと、シールリップ6dに軸径方向に設けられた切欠き6cとを有している。軸受内部が負圧になりシールリップ6dがシール溝2bに密着してもこの切欠き6cは軸受内部と軸受外部とを連通する空気通路となり、軸受内部の負圧を解消するのでシールリップ6dのシール溝2bへの摺動抵抗が抑制され、軸受回転トルクの上昇を防止することができる。
上記トランスミッション用軸受に封入されるグリースの封入量は、軸受全空間容積の 5〜20 体積%である。ここで、軸受全空間容積とは、内輪および外輪から構成される軌道輪の軸方向両端開口部に設けられたシール部材により囲まれた軸受内空間(密封空間)のうち、ボールと保持器の容積を差し引いたもので、軸受が停止している状態での空間容積をいう。
後述する実施例1のグリースを封入したシール付き6204玉軸受を例にとり、軸受寿命比およびトルク低減率に及ぼすグリース封入量の影響を測定した結果を図4に示す。
軸受寿命比は、軸受内全空間容積の 5 体積%グリースを封入したときの軸受試験片の寿命を基準の1として、各封入量における軸受試験片寿命を寿命比とした値である。
また、トルク低減率は、比較例1のグリースを封入した軸受トルクと実施例1のグリースを同量封入した軸受のトルクの差を比較例1のグリースを封入した軸受トルクで除した値である。
図4に示すようにグリース封入量が増加すれば軸受寿命は上昇するが、一方でトルク低減率は減少するため、軸受に加わる負荷が増大する。したがって軸受寿命とトルク低減率を両立させる封入量として本発明においては、2つの曲線が交わる 20 体積%をその点として選定した。さらに、この点を上限とし、寿命比を1よりも大きくとることができ、かつ特別な管理工数が必要とならないよう範囲を 15 体積%として、最終的に封入量を軸受内全空間容積の 5〜20 体積%にすることが好適である。20 体積%を上限とすることができる理由は、トルク低減率を寿命比よりも優先させたいためである。トランスミッション用途では、運転後、比較的早期にトランスミッションオイルが軸受内に入り潤滑性能が確保されるため、初期潤滑に必要な量が確保されておれば、グリースの封入量は少ないほどトルク低減率を大きくすることができる。
実施例1および比較例1
基油および増ちょう剤として、それぞれ表1に示す動粘度を有する鉱油と、ウレア化合物とを用いたグリースを作製した。得られたグリースのちょう度および滴点を測定した。結果を表1に示す。
なお、鉱油としては、ナフテン系鉱油を用いた。
また、ウレア化合物として、実施例1は、ジフェニルメタンジイソシアナートとアニリンとを反応させて得られる芳香族ジウレア化合物を、比較例1は、ジフェニルメタンジイソシアナートとシクロへキシルアミンおよびステアリルアミンとを反応させて得られる脂環族、脂肪族ジウレア化合物を用いた。
Figure 0005119068
また、得られたグリースをシール付き6204玉軸受に 4.7 g 封入し、JIS K 2220 に基づく低温トルク試験を-20 ℃にて実施し、起動直後および起動 10 分後のトルク値を、それぞれ起動トルクおよび回転トルクとして測定した。なお、シールはゴム製のシールであり、シールリップ部に切り欠きを設けた。結果を図5に示す。具体的な値は、実施例1の起動トルクが 170 mN-m 、回転トルクが 38 mN-m であるのに対して、比較例1の起動トルクは 447 mN-m 、回転トルクが 80 mN-m であった。
図5に示すように実施例1は、外観、ちょう度、滴点などのグリース特性が略同じ特性を示す比較例1に比べて、起動トルク、回転トルクともに大幅なトルクの低減が実現できた。
実施例2
基油として、ナフテン系鉱油とPAOとの混合油を用いる以外は実施例1と同様にしてグリースを調整した。40℃における混合基油の動粘度は 90 mm2/s であった。
シール付き6204玉軸受に実施例1と同様に得られたグリースを封入して、起動トルク、回転トルクを測定した、その結果、起動トルクは 200 mN-m 、回転トルクは 76 mN-m であった。
本発明のトランスミッション用軸受は、所定の密封手段を備え、封入するグリースは所定の種類、かつ所定の動粘度の基油を用いているので、ハウジングのバリやギヤの摩耗粉等の異物の侵入を防止でき、かつシールの引き摺り抵抗を低く抑えることができ、低トルクと長寿命の両方を実現することが可能となる。このためトランスミッション用軸受として好適に利用できる。
本発明のトランスミッション用軸受を示す縦断面図である。 シール部材を示す図である。 基油動粘度と軸受トルクの関係を示す図である。 軸受寿命比およびトルク低減率に及ぼすグリース封入量の影響を示す図である。 低温トルク測定結果を示す図である。 本発明のトランスミッション用軸受をCVTに用いた例を示す図である。
符号の説明
1 トランスミッション用軸受
2 内輪
2a 内輪軌道
2b シール溝
3 外輪
3a 外輪軌道
3b シール部材係止溝
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
6a 外周縁部
6b 金属板
6c 切欠き
6d シールリップ
7 グリース
8a、8b 開口部
31 入力軸
32 駆動側プーリ
33 駆動側アクチュエータ
34 出力軸
35 従動側プーリ
36 従動側アクチュエータ
37 無端ベルト
38 減速歯車列
39 デファレンシャル
40 トルクコンバータ
41 遊星機構部

Claims (5)

  1. 入力軸の回転を出力軸の回転に伝達するトランスミッションに配置されるトランスミッション用軸受であって、
    該軸受は、内輪および外輪の軌道輪と、該軌道輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、前記軌道輪の軸方向両端開口部に設けられたシール部材とを備え、前記シール部材で囲まれた軸受内空間にグリースが封入され、かつ、運転後においてトランスミッションオイルが前記軸受内空間に入るものであり、
    前記グリースは少なくとも基油と増ちょう剤とを含み、
    該基油は鉱油単独であるか、または鉱油とポリ-α-オレフィン油との混合油であり、40℃における基油動粘度が 100 mm2/s 以下であることを特徴とするトランスミッション用軸受。
  2. 前記増ちょう剤がウレア化合物であることを特徴とする請求項1記載のトランスミッション用軸受。
  3. 前記ウレア化合物が芳香族ウレア化合物であることを特徴とする請求項2記載のトランスミッション用軸受。
  4. 前記グリースの封入量が軸受全空間容積の 5〜20 体積%であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載のトランスミッション用軸受。
  5. 前記シール部材は、内周縁部および外周縁部を有する環状体であり、その一方の周縁部が一方の軌道輪の端に形成したシール溝に接触または非接触状態で係わるシールリップであり、他方の周縁部が他方の軌道の端に形成した係止溝に固定される係止端であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のトランスミッション用軸受。
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