JP4239541B2 - ベルト式無段変速機用転がり軸受 - Google Patents

ベルト式無段変速機用転がり軸受 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のベルト式無段変速機の回転軸を支持する為の転がり軸受の改良に関する。具体的には、変速機の効率を向上させて低燃費を実現するとともに、運転時に発生する騒音を抑え、駆動側、従動側各プーリ及び無端ベルトの摩耗を抑えるべく、CVTフルード(ATF兼用油)として低粘度のものを用いた場合でも、十分な耐久性を確保できる構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
自軸車用の自動変速機用の変速ユニットとしてベルト式無段変速機が種々開発され、実用化されている。図3は、このようなベルト式無段変速機の基本構造を略示している。このベルト式無段変速機は、互いに平行に配置された入力側回転軸1と出力側回転軸2とを有する。これら各回転軸1、2は、特許請求の範囲に記載した固定の部分である、図示しない変速機ケースの内側に、それぞれ1対ずつの転がり軸受3,3により、回転自在に支持している。
【0003】
これら各転がり軸受3,3は、図4にその基本構造が示されているように、互いに同心に設けられた外輪4と内輪5とを有する。このうちの外輪4は、内周面に外輪軌道6を、内輪5は外周面に内輪軌道7を、それぞれ有する。そして、これら外輪軌道6と内輪軌道7との間に複数の転動体8,8を、保持器9により保持した状態で、転動自在に設けている。それぞれがこのように構成される。上記各転がり軸受3,3は、それぞれの外輪4を上記変速機ケースの一部に内嵌固定し、それぞれの内輪5を上記入力側回転軸1または上記出力側回転軸2に外嵌固定している。そして、この構成により、これら両回転軸1、2を上記変速機ケースの内側に、回転自在に支持している(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
上記入力側回転軸1は、エンジン等の駆動源10により、トルクコンバータ或いは電磁クラッチ等の発進クラッチ11を介して回転駆動される。また、上記入力側回転軸1の中間部で1対の転がり軸受3,3の間に位置する部分に駆動側プーリ12を設け、この駆動側プーリ12と上記入力側回転軸1とが同期して回転するようにしている。この駆動側プーリ12を構成する1対の駆動側プーリ板13a,13b同士の間隔は、駆動側アクチュエータ14で一方(図3の左方)の駆動側プーリ板13aを軸方向に変位させることにより調節自在である。即ち、上記駆動側プーリ12の溝幅は、上記駆動側アクチュエータ14により拡縮自在である。
【0005】
一方、上記出力側回転軸2の中間部で1対の転がり軸受3,3の間に位置する部分に従動側プーリ15を設け、この従動側プーリ15と上記出力側回転軸2とが同期して回転するようにしている。この従動側プーリ15を構成する1対の従動側プーリ板16a,16b同士の間隔は、従動側アクチュエータ17で一方(図1の右方)の従動側プーリ板16aを軸方向に変位させることにより調節自在である。即ち、上記従動側プーリ15の溝幅は、上記従動側アクチュエータ17より拡縮自在である。そして、この従動側プーリ15と上記駆動側プーリ12とに、無端ベルト18を掛け渡している。この無端ベルト18としては、金属製のものを使用している。
【0006】
上述のように構成するベルト式無段変速機では、前記駆動源10から上記発進クラッチ11を介して上記入力回転軸1に伝達された動力は、上記駆動側プーリ12から上記無端ベルト18を介して、上記駆動側プーリ15に伝達される。尚、この無端ベルト18として従来から、押し付け方向に動力を伝達するものと、引張方向に動力を伝達するものとが知られている。いずれにしても、上記従動側プーリ15に伝達された動力は、上記出力側回転軸2から減速歯車列19、デファレンシャルギア20を介して駆動輪21,21に伝達される。上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間の変速比を変える場合には、上記両プーリ12,15の溝幅を互いに関連させつつ拡縮する。
【0007】
例えば、上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間の減速比を大きくする場合には、上記駆動側プーリ12の溝幅を大きくするとともに、上記従動側プーリ15の溝幅を小さくする。この結果、上記無端ベルト18の一部でこれら両プーリ12,15に掛け渡された部分の径が、上記駆動側プーリ12部分で小さく、上記従動側プーリ15部分で大きくなり、上記入力側回転軸1と出力側回転軸2の間で減速が行われる。反対に上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間の増速比を大きく(減速比を小さく)する場合には、上記駆動側プーリ12の溝幅を小さくするとともに、上記駆動側プーリ15の溝幅を大きくする。この結果、上記無端ベルト18の一部でこれら両プーリ12,15に掛け渡された部分の径が、上記駆動側プーリ12部分で大きく、上記従動側プーリ15部分で小さくなり、上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間で増速が行われる。
【特許文献1】
特公平8−30526号公報
【特許文献2】
特開平10−292859号公報
【特許文献3】
特開2000−328203号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成され作用するベルト式無段変速機の運転時には、各可動部に潤滑油を供給して、これらの各可動部を潤滑する。ベルト式無段変速機の場合に使用する潤滑油としては、CVTフルード(ATF兼用油)を使用している。この理由は、金属製の無端ベルト18と駆動側、従動側両プーリ12,15との摩擦係合部の摩擦係数を増大し、かつ、安定させる為である。そして、上記CVTフルードを300mL/min以上の流量で上記摩擦部に循環させて、この摩擦部を潤滑している。
【0009】
また、上記CVTフルードの一部は、前記各転がり軸受3,3の内部を(例えば、20mL/min以上の流量で)通過して、これら各転がり軸受3,3の転がり接触部も潤滑する。そのため、各転がり軸受3,3は、図4に示したように、内輪5と外輪3との両端開口部が開口した開放型となっている。従って、これら各転がり軸受3,3では、その内部に、上記無端ベルト18と上記両プーリ12,15との摩擦に伴って発生する摩耗粉や前記減速歯車列19部分での摩擦に伴って発生したギア粉等の異物が、CVTフルードに混入した状態で入り込む可能性が高い。このような異物は、上記転がり軸受3,3の転がり接触部を損傷させ、その耐久性を低下させる原因となる。そのため従来では、上記転がり軸受3,3の軸受サイズを大きくしたり、或いは各転動体8,8の直径(玉径)を大きくすること等により、上記各転がり軸受3,3の基本動定格荷重を大きくし、これら各転がり軸受3,3の寿命に余裕を持たせている。
【0010】
また、これら各転がり軸受3,3の内部を流通する上記異物の量を少なく抑える為、これら各転がり軸受3,3として、前記外輪4の内周面と前記内輪5の外周面との間で前記各転動体8,8の転動面を設置した転動体設置部分の両端開口部を防ぐシール手段を有するものを使用することも考えられている。この場合には、上記転動体設置部分にグリースを充填して、上記各転動体8,8の転動面と前記外輪軌道6及び内輪軌道7との転がり接触部の潤滑を行う。ただし、この場合でも、上記転動体設置部分に上記CVTフルードが全く流通しない状態にはならない。即ち、この転動体設置部分には、比較的少量のCVTフルードが流通する。そのため、グリースは主に初期潤滑に寄与し、その後は徐々にCVTフルードに置き換えられ、ある時期からは上記と同様のCVTフルードによる潤滑となり、異物の混入も同様に発生するようになる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みて、優れた伝達効率と十分な耐久性とを有するベルト式無断変速機を実現すべく、プーリを回転自在に支持する為の転がり軸受3,3の転がり接触部を構成する外輪軌道6、内輪軌道7、転動体8,8の転動面に剥離等の損傷が発生しにくい、長寿命のベルト式無段変速機用転がり軸受を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間でこれらの各転動体を設置した転動体設置部分の両端開口部を塞ぐシール手段とを備え、上記外輪を固定の部分に内嵌支持し、上記内輪をベルト式無段変速機を構成するプーリとともに回転する部分に外嵌支持して、このプーリを上記固定の部分に回転自在に支持するベルト式無段変速機用転がり軸受において、上記各転動体を設置した部分に、40℃における動粘度が40〜150mm/sである基油に、一般式(1)で表されるジウレア化合物を単独で、もしくは該ウレア化合物同士を混合して8〜30質量%の割合で配合してなるグリース組成物を充填し、上記シール手段で密封したことを特徴とするベルト式無段変速機用転がり軸受を提供する。
【化4】
Figure 0004239541
(式中、Rは炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基または炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基または、炭素数8〜20のアルキル基であり、2つのRは同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基を示す)
【0013】
即ち、本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受は、CVTフルード潤滑に代えて密封型のグリース潤滑方式としたものであり、これによりCVTフルードに混入する異物により剥離等の損傷が無くなり、軸受寿命が大幅に向上する。このようなグリース潤滑により軸受寿命の改善を図ったベルト式無段変速機用転がり軸受は、現時点では見出されていない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受に関して図面を参照して詳細に説明する。尚、本実施形態では、図4に対応して転がり軸受を例示して説明する。図示されるように、ベルト式無段変速機用転がり軸受3は、内輪5の内輪軌道7と外輪4の外輪軌道6との間に複数個の転動体8を保持器9により転動自在に保持するとともに、転動体3の設置箇所にグリース(図示せず)を充填し、更にシール部材22で内輪5と外輪4との両端開口部を完全にシールして構成される。シール部材22は「TMシール」と呼ばれる接触型のシール部材であり、図4に拡大して示すようにリップ部が内輪5と強く接するように構成されている。これにより、グリースの漏洩とともにCVTフルードが流入するのを完全に防止する。
【0015】
充填されるグリースは特に制限されるものではないが、以下に好ましいグリース組成を詳述する。
【0016】
[基油]
使用される基油は、低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され不足による焼付きを避けるために、40℃における動粘度が10〜400mm/sec、より好ましくは20〜250mm/sec、更に好ましくは40〜150mm/secである潤滑油を用いる
【0017】
更には、同一温度における動粘度が、CVTフルードと同じか、それより高粘度であることが望ましい。更に、40℃における基油の動粘度がCVTフルードの40℃における動粘度より大きい方がより望ましい。
【0018】
具体例としては、鉱油系,合成油系または天然油系の潤滑油等が挙げられる。前記鉱油系潤滑油としては、鉱油を減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。前記合成油系潤滑基油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。前記炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。前記芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。前記エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンぺラルゴネート、ペンタエリスリトル−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。前記エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリゴールモノエーテル等のポリアルキレングリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑基油としてはトリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。前記天然油系潤滑基油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。これらの基油は、単独または混合物として用いることができ、上述した好ましい動粘度に調整される。
【0019】
[増ちょう剤]
リースの耐熱性や音響性を考慮して、一般式(1)で表されるジウレア化合物を用いる
【0020】
【化2】
Figure 0004239541
【0021】
式中、R1は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基または炭素数8〜20のアルキル基であり、2つのR1は同一でも異なっていてもよい。また、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基を示す。
【0022】
ジウレア化合物の配合量としては、グリースの初期混和ちょう度をNLGI No.1〜3にするために、グリース全量の8〜30質量%とし、好ましくは10〜25質量%である。8質量%未満だとグリースが軽くなりすぎグリース漏れが懸念され、30質量%を超えるとグリースが硬くなりトルクむらや低温時の異音発生の原因となる。
【0023】
[その他添加剤]
上記グリースには、更に優れた性能を高めるため、必要に応じて公知の添加剤を含有することもできる。この添加剤としては例えば、金属石けん、ベントン、シリカゲル等のゲル化剤;アミン系、フェノール系、イオウ系等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブデン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等のさび止め剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等が挙げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて添加することができる。この際、添加剤等の添加量は、本発明の所期の目的を達成できれば特に限定されるものではないが、グリース全量に対して20質量%以下含有させることができる。
【0024】
[製法]
上記グリースを調製する方法には特に制約はない。しかし、一般的には基油中で増ちょう剤を反応させて得られる。尚、加熱温度や攪拌・混合時間等の製造条件は、使用する基油や増ちよう剤、添加剤等により適宜設定される。また、添加剤を配合後十分攪拌し、均一分散させる必要がある。この処理を行うときは、加熱するのも有効である。
【0025】
[CVTフルード]
上記の如く構成される本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受は、従来と同様にベルト式無段変速機に組み込まれ、それに伴ってCVTフルードと接触する。本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受は、シール部材によりCVTフルードが流入しない構成にはなっているものの、経時的にリップ部が摩耗して密封性が低下し、CVTフルードが流入しやすくなる。通常、CVTフルード(ATF油も含む)には鉱油や合成炭化水素油が用いられているが、このCVTフルードが軸受に多量に流入すると、特に鉱油や合成炭化水素油を基油とするグリースが封入されている場合、グリースが著しく軟化して軸受外に流出する恐れがある。
【0026】
そこで、本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受を用いる場合には、CVTフルードの流入を考慮して、鉱油や合成炭化水素油と相溶性の無いポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリアルキレングリコールをCVTフルードに使用することがより好ましい。
【0027】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0028】
(試験軸受の作製)
試験軸受として、JIS名番6208(内径φ40mm、外径φ80mm、幅18mm)を用いた。尚、転がり接触部を構成する各面の粗さは、通常の転がり軸受と同様に、算術平均粗さRaで0.01〜0.03μmとした。また、軸受材料は、標準の軸受鋼2種(SUJ2、硬度:HRC60〜65)とした。更に、保持器は、鉄製の波型プレス保持器を使用した。そして、表1に実施例1〜3として示すグリースを10g(空間容積の50%)充填し、外輪と内輪との間の両端開口部をTMシールで完全に塞いで実施例1〜3の試験軸受を作製した(図1参照)。
【0029】
また、比較のために、同形状で、内輪と外輪との間の両端開口部が開放され、CVTフルード潤滑方式の試験軸受を用意した(図4参照)。
【0030】
(耐久試験)
図3に示したようなベルト式無段変速機の入力側回転軸1を支持する転がり軸受3として、上記の各試験軸受を組み込んだ。尚、出力側回転軸2の回転支持部に組み込んだ転がり軸受3,3には、十分な量(200mL/min)のCVTフルード(40℃での動粘度:35mm2/s、100℃での動粘度:7mm2/s)を供給して、試験軸受よりも前に破損が発生しないようにした。また、比較例1の試験軸受には、CVTフルードを10mL/minの割合で流通させた。
【0031】
そして、次述する条件下で、目標1000時間とする耐久試験を行い、試験後に試験軸受を分解して構成部品の破損の有無と軸受内のグリース残存量を確認した。結果を表1に併記する。
・試験装置:図1に示したベルト式無段変速機
・試験個数:各グリースにつき3個
・判定方法:1000時間運転後に分解、ただし、途中で振動値が急上昇した場合にはその時点で打ち切り後、分解
・エンジンからの出力側回転軸1への入力トルク:200N・m
・入力側回転軸1の回転速度:6000min-1
・軸受温度:100〜110℃
【0032】
【表1】
Figure 0004239541
【0033】
表1に示すように、本発明に従うグリースを封入した試験軸受を用いることにより、比較例1、2の試験軸受と比較して、格段に剥離寿命が向上していることが確認された。また、グリース漏洩が少なくなることも確認された。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受では、グリースを充填密封したことにより、従来のCVTフルード潤滑方式に比べて、転がり接触部を構成する外輪軌道、内輪軌道、転動体の転動面に剥離等の損傷が発生し難く、軸受寿命が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すベルト式無段変速機用転がり軸受のシール部を示す拡大図である。
【図3】ベルト式無段変速機の構成を示す概略図である。
【図4】従来のベルト式無段変速機用転がり軸受を示す断面図である。
【符号の説明】
3 転がり軸受
4 外輪
5 内輪
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 転動体
9 保持器
22 シール部材

Claims (3)

  1. 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間でこれらの各転動体を設置した転動体設置部分の両端開口部を塞ぐシール手段とを備え、上記外輪を固定の部分に内嵌支持し、上記内輪をベルト式無段変速機を構成するプーリとともに回転する部分に外嵌支持して、このプーリを上記固定の部分に回転自在に支持するベルト式無段変速機用転がり軸受において、上記各転動体を設置した部分に、40℃における動粘度が40〜150mm/sである基油に、一般式(1)で表されるジウレア化合物を単独で、もしくは該ウレア化合物同士を混合して8〜30質量%の割合で配合してなるグリース組成物を充填し、上記シール手段で密封したことを特徴とするベルト式無段変速機用転がり軸受。
    Figure 0004239541
    (式中、Rは炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基または炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基または、炭素数8〜20のアルキル基であり、2つのRは同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基を示す)
  2. 封入するグリース組成物の基油がポリアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1記載のベルト式無段変速機用転がり軸受。
  3. 封入するグリース組成物がゲル化剤、極圧剤、油性剤、さび止め剤及び粘度指数向上剤の少なくとも1種を20質量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1記載のベルト式無段変速機用転がり軸受。
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