JP2009067888A - グリース組成物及び転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】これまでよりも優れた耐焼付き性を付与できるグリース組成物、並びにこれまでよりも優れた耐焼付き性能を有し、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供する。
【解決手段】分子中にメルカプト基及びイミダゾール基を有する化合物からなる硫黄系酸化防止剤を、グリース全量に対し0.1〜10質量%含有するグリース組成物、並びに内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、前記グリース組成物を封入した転がり軸受。
【選択図】図1
【解決手段】分子中にメルカプト基及びイミダゾール基を有する化合物からなる硫黄系酸化防止剤を、グリース全量に対し0.1〜10質量%含有するグリース組成物、並びに内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、前記グリース組成物を封入した転がり軸受。
【選択図】図1
Description
本発明はグリースを封入した転がり軸受に関し、特に自動車の電装部品 、エンジン補機であるオルタネータや中間プーリ、コンプレッサ用プーリ、カーエアコン用電磁クラッチ等のような高温高速高荷重条件下で使用される部品に使用される転がり軸受に関する。また、本発明は、前記転がり軸受に好適なグリース組成物に関する。
自動車は小型軽量化を目的としたFF車の普及により、さらには居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、上記に挙げたような電装部品やエンジン補機の小型軽量化がより一層進められており、それに組み込まれる各部品も高性能高出力化がますます求められている。しかし、小型化により出力の低下は避けられず、例えばカーエアコン用電磁クラッチでは高速化することにより出力の低下分を補っており、それに伴って中間プーリも高速化することになる。更に、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、これらの部品は高温に耐えることも必要となっている。
また、コンプレッサ用プーリやカーエアコン用電磁クラッチ用軸受では、主に複列アンギュラ玉軸受が使用されていたが、最近ではプーリや電磁クラッチの軽量化や低コスト化のために単列軸受を使用する傾向にあるが、複列アンギュラ玉軸受と同条件で使用すると、PV値が大きいことや、軸受空間容積が少ないことによるグリース量が少ないこと等から、発熱が大きく、グリース劣化を進行させやすいため、早期に焼付きを生じる。
更に、プーリの軽量化のために樹脂製プーリを採用する傾向にあるが、樹脂製プーリは従来の鉄製プーリに比べて放熱性が低いため、軸受がより高温になり、グリース劣化が促進されて焼付きがより早期に起こる。
そのため、焼付寿命を延長させるために、グリース組成を調整することも数多く試みられており、硫黄系酸化防止剤を添加することも行われている(例えば、特許文献1〜5参照)。
しかしながら、上記に挙げた自動車の電装部品やエンジン補機等の高性能化に伴い、軸受の耐焼付き性の要求は今後とも益々高まることは必至であり、従来のウレア系グリースでは対応しきれないことが予想される。そこで本発明は、これまでよりも優れた耐焼付き性を付与できるグリース組成物、並びにこれまでよりも優れた耐焼付き性能を有し、特に上記に挙げた自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の酸化防止剤を添加したグリース組成物を封入することにより軸受の焼付き性能を大幅に改善でき、更には特定のジウレア化合物と組み合わせることが効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のグリース組成物及び転がり軸受を提供する。
(1)分子中にメルカプト基及びイミダゾール基を有する化合物からなる硫黄系酸化防止剤を、グリース全量に対し0.1〜10質量%含有することを特徴とするグリース組成物。
(2)前記化合物が、メルカプトベンツイミダゾールまたはメルカプトアルキルベンツイミダゾールであることを特徴とする上記(1)記載のグリース組成物。
(3)増ちょう剤として、一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物を[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0.5〜1.0となるように混合してなる混合物グリース全量に対し10〜30質量%含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載のグリース組成物。
(1)分子中にメルカプト基及びイミダゾール基を有する化合物からなる硫黄系酸化防止剤を、グリース全量に対し0.1〜10質量%含有することを特徴とするグリース組成物。
(2)前記化合物が、メルカプトベンツイミダゾールまたはメルカプトアルキルベンツイミダゾールであることを特徴とする上記(1)記載のグリース組成物。
(3)増ちょう剤として、一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物を[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0.5〜1.0となるように混合してなる混合物グリース全量に対し10〜30質量%含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載のグリース組成物。
(式中、R1はシクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基、R3は炭素数8〜20のアルキル基または炭素数7〜20の芳香族炭化水素基を示す)
(4)内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、上記(1)〜(3)の何れか1項に記載のグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。
(4)内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、上記(1)〜(3)の何れか1項に記載のグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。
本発明によれば、これまでよりも優れた耐焼付き性能を付与できるグリース組成物、並びにこれまでよりも耐焼付き性能に優れ、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することができる。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
(グリース組成物)
基油には制限がなく、通常潤滑油の基油に使用される油は全て使用可能である。但し、低温での流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いことによる焼付きを避けるために、40℃における動粘度が10〜400mm2/sであることが好ましく、20〜250mm2/sであることがより好ましく、40〜150mm2/sであることが特に好ましい。
基油には制限がなく、通常潤滑油の基油に使用される油は全て使用可能である。但し、低温での流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いことによる焼付きを避けるために、40℃における動粘度が10〜400mm2/sであることが好ましく、20〜250mm2/sであることがより好ましく、40〜150mm2/sであることが特に好ましい。
基油の種類について具体的に説明すると、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油が挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑油としては、トリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはその水素化物が挙げられる。これらの潤滑油は、単独または混合物として用いることができ、上述した好ましい動粘度に調整される。
上記基油には、増ちょう剤として、好ましくは下記一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物が配合される。
式中、R1はシクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基、R3は炭素数8〜20のアルキル基または炭素数7〜20の芳香族炭化水素基を示す。また、混合比は、[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0.5〜1.0となるように、より好ましくは0,6〜1.0となるように混合する。
また、上記ジウレア化合物の配合量は、グリース組成物の初期混和ちょう度をNLGI No.1〜3にするため、グリース全量の10〜30質量%とすることが好ましい。配合量が10質量%未満ではグリースが軟らかくなりすぎて高温でのグリース漏れ等が懸念され、30質量%を超えるとグリースが硬くなりすぎてトルクむらや低温時の異音発生の原因となる。
グリース組成物には、分子中にメルカプト基及びイミダゾール基を有する化合物からなる硫黄系酸化防止剤が添加される。このような化合物として、例えば、2−メルカプトベンツイミダゾールや、2−メルカプトメチルベンツイミダゾール等のメルカプトアルキルベンツイミダゾール等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤の添加量は、グリース全量の0.1〜10質量%であり、0.5〜5質量%がより好ましい。硫黄系酸化防止剤量が0.1質量%未満では酸化劣化を防止する効果が十分に得られず、10質量%を超えて添加しても効果が飽和するばかりでなく、相対的に基油量が減少して潤滑性や耐焼付き性能に劣るようになる。
グリース組成物には、その性能を一層高めるため、必要に応じて、従来からグリースに用いられている公知の一般的な添加剤を含有させることができる。例えば、金属石けん、ベントン、シリカゲル等のゲル化剤;アミン系、フェノール系、ジチオリン酸亜鉛等の硫黄系以外の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブテン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等が挙げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて添加することができる。これら添加剤の添加量は、本発明の所期の目的を達成できれば特に限定されるものではないが、混合グリース全量の20質量%以下とすることが好ましい。
グリース組成物の製造方法には制限がなく、従来のウレア系グリースと同様にして調製することができるが、一般的には基油中で上記のジウレア化合物の原料(アミン類とジイソシアネート)を反応させて得られる。尚、そのときの加熱温度や攪拌・混合時間等の製造条件は使用する基油やジウレア化合物の原料、硫黄系酸化防止剤、更には他の添加剤により適宜設定される。また、硫黄系酸化防止剤、更には他の添加剤添加剤を添加後、十分に攪拌して均一に分散させる必要があるが、その際加熱することも有効である。
(転がり軸受)
本発明はまた、上記のグリース組成物を封入してなる転がり軸受に関する。図1は、その一実施形態である玉軸受の構造を示す縦断図面である。この玉軸受1は、内輪10と、外輪11と、内輪10と外輪11との間に転動自在に配設された複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器12と、外輪11に取り付けられた接触形のシール14、14と、で構成されている。また、内輪10と外輪11とシール14、14とで囲まれた軸受空間には、上記のグリース組成物Gが充填され、シール14により玉軸受1内に密封されている。そして、グリース組成物Gにより、前記両輪10、11の軌道面と玉13との接触面が潤滑される。
本発明はまた、上記のグリース組成物を封入してなる転がり軸受に関する。図1は、その一実施形態である玉軸受の構造を示す縦断図面である。この玉軸受1は、内輪10と、外輪11と、内輪10と外輪11との間に転動自在に配設された複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器12と、外輪11に取り付けられた接触形のシール14、14と、で構成されている。また、内輪10と外輪11とシール14、14とで囲まれた軸受空間には、上記のグリース組成物Gが充填され、シール14により玉軸受1内に密封されている。そして、グリース組成物Gにより、前記両輪10、11の軌道面と玉13との接触面が潤滑される。
尚、転がり軸受としては、玉軸受の他にも、例えば、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受が挙げられ、同様に上記のグリース組成物が封入される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(試験−1)
第1の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油(動粘度:100mm2/s@40℃)の半量を入れ、そこへシクロヘキシルアミンとp−トルイジンとをシクロヘキシルアミンが1.6モル、p−トルイジンが0.4モルとなる比率で投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器に前記ジアルキルジフェニルエーテル油の半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを上記のアミン量に対し1モルとなる量投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、メルカプトベンツイミダゾールをグリース全量の0.05質量%、0.1質量%、0.5質量%、1.0質量%、2.0質量%.5.0質量%、10.0質量%、12、0質量%となるように添加し、十分攪拌した後、ロールミルを通すことでグリースを得た。尚、何れのグリースにも、防錆剤を一定量添加してある。また、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
第1の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油(動粘度:100mm2/s@40℃)の半量を入れ、そこへシクロヘキシルアミンとp−トルイジンとをシクロヘキシルアミンが1.6モル、p−トルイジンが0.4モルとなる比率で投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器に前記ジアルキルジフェニルエーテル油の半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを上記のアミン量に対し1モルとなる量投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、メルカプトベンツイミダゾールをグリース全量の0.05質量%、0.1質量%、0.5質量%、1.0質量%、2.0質量%.5.0質量%、10.0質量%、12、0質量%となるように添加し、十分攪拌した後、ロールミルを通すことでグリースを得た。尚、何れのグリースにも、防錆剤を一定量添加してある。また、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
そして、各グリースについて、焼付き寿命試験を行った。即ち、内径φ35mm、外径φ52mm、幅13mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に試験グリースを0.9g封入し、外輪回転速度9000min−1、軸受温度180℃、ラジアル荷重2000Nの条件で連続回転させ、焼付きが生じて軸受外輪温度が190℃以上に上昇したとき、試験を終了した。試験は試験グリース毎に4回行い、その平均値を焼付き寿命時間とした。結果を図2に示すが、500時間以上が合格である。
図2から、硫黄系酸化防止剤であるメルカプトベンツイミダゾールを0.1〜10質量%添加することで、焼付き寿命を改善できることがわかる。
(試験−2)
第1の反応容器にペンタエリスリトール油(動粘度:33mm2/s@40℃)の半量を入れ、そこステアリルアミンとシクロヘキシルアミンとを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器に前記ペンタエリスリトール油の半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを上記のアミン量に対し1モルとなる量投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、2−メルカプトメチルベンツイミダゾールをグリース全量の2質量%となるように添加し、十分攪拌した後、ロールミルを通した。
第1の反応容器にペンタエリスリトール油(動粘度:33mm2/s@40℃)の半量を入れ、そこステアリルアミンとシクロヘキシルアミンとを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器に前記ペンタエリスリトール油の半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを上記のアミン量に対し1モルとなる量投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、2−メルカプトメチルベンツイミダゾールをグリース全量の2質量%となるように添加し、十分攪拌した後、ロールミルを通した。
上記一連の操作を、アミン比を変えて行い、ジウレア化合物の混合物における[シクロヘキシル基(R1)のモル数/(シクロヘキシル基(R1)のモル数+ステアリル基(R3)のモル数)]値が0.1〜1.0の範囲で異なるグリースを得た。尚、何れのグリースにも、防錆剤を一定量添加してある。また、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
また、比較のために、上記に従い、ステアリルアミンとシクロヘキシルアミンとを当量とし、更に2−メルカプトメチルベンツイミダゾールを添加せずに参照グリースを調製した。
そして、グリース及び参照グリース試験−1と同様の焼付き耐久試験を行った。結果を図3に示すが、硫黄系酸化防止剤である2−メルカプトメチルベンツイミダゾールを添加し、更に増ちょう剤として、一般式(1)〜(3)で表され、[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0.5〜1.0の混合物を用いることにより、焼付き寿命が大幅に改善されることがわかる。
尚、上記で調製した試験グリースの組成を表1にまとめて示す。
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
13 玉
G グリース組成物
10 内輪
11 外輪
13 玉
G グリース組成物
Claims (4)
- 分子中にメルカプト基及びイミダゾール基を有する化合物からなる硫黄系酸化防止剤を、グリース全量に対し0.1〜10質量%含有することを特徴とするグリース組成物。
- 前記化合物が、メルカプトベンツイミダゾールまたはメルカプトアルキルベンツイミダゾールであることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
- 内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、請求項1〜3の何れか1項に記載のグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007237672A JP2009067888A (ja) | 2007-09-13 | 2007-09-13 | グリース組成物及び転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009067888A true JP2009067888A (ja) | 2009-04-02 |
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ID=40604489
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114909394A (zh) * | 2022-03-19 | 2022-08-16 | 山东蓝宇精密轴承制造有限公司 | 具有减轻内摩擦力特点的双列角接触球轴承 |
-
2007
- 2007-09-13 JP JP2007237672A patent/JP2009067888A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114909394A (zh) * | 2022-03-19 | 2022-08-16 | 山东蓝宇精密轴承制造有限公司 | 具有减轻内摩擦力特点的双列角接触球轴承 |
CN114909394B (zh) * | 2022-03-19 | 2023-09-08 | 山东蓝宇精密轴承制造有限公司 | 具有减轻内摩擦力特点的双列角接触球轴承 |
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