JP2004132507A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】200℃に近い高温下でも優れた耐焼付き性を備えた、自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供する。
【解決手段】固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として特定のジウレア化合物を含有するグリースを封入した転がり軸受。
【選択図】 図1
【解決手段】固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として特定のジウレア化合物を含有するグリースを封入した転がり軸受。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はグリースを封入した転がり軸受に関し、特に自動車の電装部品、エンジン補機であるオルタネータや中間プーリ、カーエアコン用電磁クラッチ等のような高温高速高荷重条件下で使用される部品に使用される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は小型軽量化を目的としたFF車の普及により、さらには居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、上記に挙げたような電装部品やエンジン補機の小型軽量化がより一層進められており、それに組み込まれる各部品も高性能高出力化がますます求められている。しかし、小型化により出力の低下は避けられず、例えばオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチでは高速化することにより出力の低下分を補っており、それに伴って中間プーリも高速化することになる。更に、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、これらの部品は高温に耐えることも必要となっている。最近では特に使用温度が高くなる傾向にあり、例えばオルタネータではラジエータの冷却水によりオルタネータ内部の熱を冷却するため、軸受温度が160〜200℃になることがある。
【0003】
焼付き寿命を延長させるために、従来より種々の提案がなされており、グリースの増ちょう剤組成を変更することも数多く試みられており、ウレア化合物を増ちょう剤に用いることが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開平5−98280号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特許第1817330号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウレア系グリースは高温に晒された後に温度が下がると硬化する、所謂「熱硬化性」を有するとともに、耐熱性の低いウレア化合物では分解が起こり軟化するという問題を抱えている。実際の自動車では、運転時に軸受が高温となり、停車時には常温となるため、熱硬化性の大きなグリースを封入すると再起動時に硬化によりグリースの流動性不足が生じ、焼付きを招きやすくなる。また、グリースが軟化した場合には、グリース漏れが起こり易くなり、グリース不足に起因する焼付きを招きやすくなる。
【0005】
このように、従来のウレア系グリースでは、温度変化によるちょう度の変化が大きく、特に最近の自動車における温度変化範囲である160〜200℃の範囲でちょう度の変化が大きく、焼付き性能の面で十分とは言えない状況にある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、200℃に近い高温下でも優れた耐焼付き性を備えた、特に上記した電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、導電性物質と、特定のジウレア化合物とを含有するグリースを封入することにより、軸受の焼付き性能を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記の転がり軸受を提供する。
(1)固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物を[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0〜0.5となるように混合してなる混合物を含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基、R3はシクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基を示す)
(2)固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として一般式(4)で表されるジウレア化合物と一般式(5)で表されるジウレア化合物とを(一般式(4)で表されるジウレア化合物:一般式(5)で表されるジウレア化合物)=(0.1〜0.9:0.9〜0.1)となるように混合してなる混合物を含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R4、R5は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基、炭素数8〜20の直鎖アルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。)
【0012】
本発明の転がり軸受では、封入グリースが導電性物質であるカーボンブラックまたはカーボンナノチューブを含有するため、固定輪と転動体、回転輪と転動体との間が導通して電位差が生じず、これらの金属表面で電気化学的な反応により発生する白色組織変化を伴った剥離(以下、「白色組織剥離」という。)が抑えられる。また、特定のジウレア化合物を増ちょう剤として用いることで、高温での高速回に伴う剪断を受けてもちょう度変化が少なくなり、潤滑不足やグリース漏れも無く、安定した潤滑が維持される。そして、このような効果が相俟って、焼付き寿命が大幅に改善される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0014】
本発明において、軸受の構造自体は制限されるものではなく、例えば図1に断面図で示されるような構成の玉軸受1を例示することができる。図示される玉軸受1は、内輪50と外輪51との間に保持器52を介して複数の転動体である玉53を略等間隔で回動自在に保持してなり、更に内輪50、外輪51及び玉53で形成される空所Sに、後述されるグリース(図示せず)を所定量充填し、シール54で封止して構成されている。尚、内輪50、外輪51は、一方が固定輪、他方が回転輪となる。
【0015】
グリースを形成する基油には制限がなく、グリースに使用される潤滑油は全て使用可能である。但し、焼付き性能や、低温での流動性不足による低温起動時の異音発生を考慮すると、基油の40℃における動粘度は10〜400mm2/sが好ましく、20〜250mm2/sがより好ましく、40〜150mm2/sが特に好ましい。
【0016】
基油の種類について具体的に説明すると、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油が挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑油としては、トリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはその水素化物が挙げられる。これらの潤滑油は、単独または混合物として用いることができ、上述した好ましい動粘度に調整される。
【0017】
上記基油には、増ちょう剤として、下記一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物が配合される。
【0018】
【化5】
【0019】
一般式(1)〜(3)において、R1は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基、R3はシクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基を示す。また、混合物は、[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0〜0.5の範囲となるように混合される。
【0020】
また、増ちょう剤として、下記一般式(4)表されるジウレア化合物と、一般式(5)で表されるジウレア化合物とを、一般式(4)で表されるジウレア化合物:一般式(5)で表されるジウレア化合物=0.1〜0.9:0.9〜0.1の割合で混合した混合物を用いることもできる。
【0021】
【化6】
【0022】
尚、一般式(4)、(5)において、R4、R5は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基、炭素数8〜20の直鎖アルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。
【0023】
増ちょう剤の配合量は、何れの混合物の場合も、上記基油とともにグリースを形成し得る量であれば制限されるものではないが、得られるグリースの混和ちょう度をNLGI No.1〜3にするため、グリース全量の10〜35質量%とすることが好ましい。
【0024】
また、グリースには、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方が添加される。添加量は、カーボンブラック、カーボンナノチューブともにグリース全量の1〜40体積%である。尚、併用する場合は、合計量で1〜40体積%とする。カーボンブラック及びカーボンナノチューブは、グリースに導電性を付与して内輪50と玉53、外輪51と玉53とを導通させて白色組織剥離を抑えるための成分であり、添加量が1体積%未満では導電性の付与が不十分で、白色組織剥離の抑制効果が発現しない。一方、添加量が40体積%を超える場合は、トルク上昇を招いたり、早期に焼付きに至るため、好ましくない。
【0025】
尚、カーボンブラックは、平均粒径が10nm〜3μmのものを用いることが好ましく、それにより白色組織剥離の発生をより効果的に抑えることができ、更には音響特性も良好となる。
【0026】
カーボンナノチューブは、図2(a)にその全体を模式的に示すように、主に炭素六員環の網目状構造(図2(b))が丸まって、両末端が閉口したチューブ状を呈する炭素多面体である。尚、異径のチューブ接合部や末端の閉口部においては、炭素5員環や炭素7員環となっている場合もある。また、カーボンナノチュープは、直径が平均0.5nm〜15nmで、長さが平均0.5μm〜50μmのものが白色組織剥離の抑制の点で好ましい。
【0027】
また、カーボンナノチューブ類として球状構造を採るものがあり、例えばC60、C70はフラーレンとして知られているが、本発明においてはこのフラーレンも使用できる。このフラーレンは、グラファイトと同様に炭素原子と炭素原子とがsp2混成軌道により結合しており、ダイヤモンド構造とは異なり、単層で細長い形状を採ることから、摺動性を有し、かつ強固であるという利点を有する。
【0028】
グリースには、その性能を一層高めるため、必要に応じて、従来からグリースに用いられている公知の一般的な添加剤を含有させることができる。例えば、金属石けん、ベントン、シリカゲル等のゲル化剤;アミン系、フェノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブテン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の防錆剤;ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダ等の金属不活性剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等が挙げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて添加することができる。また、これら添加剤の添加量は、本発明の所期の目的を達成できれば特に限定されるものではないが、混合グリース全量の20質量%以下とすることが好ましい。
【0029】
グリースは上記の各成分を含有するが、その製造方法には制限がなく、従来のウレア系グリースと同様にして調製することができるが、一般的には基油中で上記のジウレア化合物の原料(アミン類とジイソシアネート)を反応させて得られる。尚、そのときの加熱温度や攪拌・混合時間等の製造条件は使用する基油やジウレア化合物の原料、添加剤等により適宜設定される。また、添加剤を添加後、十分に攪拌して均一に分散させる必要があるが、その際加熱することも有効である。
【0030】
本発明では、上記のグリースにより焼付き寿命を改善するが、その効果をより高めるために、固定輪(内輪50または外輪51)の軌道面の中心線平均粗さを0.025μmRa以上0.095μmRa以下とすることが好ましく、0.03μmRa以上0.085μmRa以下とすることがより好ましく、0.035μmRa以上0.08μmRa以下とすることが更に好ましい。白色組織剥離は、転動体の自転滑りにより2次的に発生する水素イオンによっても起こるため、固定輪の軌道面を上記の如く粗くして転動体の自転滑りを抑えることも焼付き性能を高める上で有効となる。そのため、固定輪の軌道面の中心線平均粗さが0.025μmRa未満という鏡面仕上げに近い状態では転動体の自転滑りを抑える効果が少なくなる。一方、固定輪の軌道面の中心線平均粗さが0.095μmRaを超える場合には、内・外輪と転動体との金属接触が増大して振動や剥離が起こりやすくなる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0032】
(グリースAの調製)
第1の反応容器にポリα−オレフィン(PAO、動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへシクロヘキシルアミン及びp−トルイジンとを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にPAOの半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、平均粒径300nmのカーボンブラックを全量の4体積%を占める量と、酸化防止剤とを添加し、ロールミルを通すことで一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物を増ちょう剤とし、カーボンブラックを含有するグリースを得た。
【0033】
上記一連の操作を、アミン比を変えて行い、ジウレア化合物の混合物における[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0〜1.0の範囲で異なるグリースAを得た。尚、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
【0034】
(グリースBの調製)
第1の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油(動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへp−トルイジンを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油の半量を入れ、そこへトリレンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、酸化防止剤を添加し、ロールミルを通すことで一般式(4)で表されるジウレア化合物を増ちょう剤とするグリースaを得た。
【0035】
また、第1の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油(動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへp−トルイジンを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油の半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、酸化防止剤を添加し、ロールミルを通すことで一般式(5)で表されるジウレア化合物を増ちょう剤とするグリースbを得た。
【0036】
そして、上記で得られたグリースaとグリースbとを、グリースa:グリースb=0〜1:1〜0の割合で変え、平均直径5nmで平均長さ10μmのカーボンナノチューブを全量の4体積%を占める量添加し、ロールミルを通すことでグリースBを得た。尚、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
【0037】
(グリースCの調製)
第1の反応容器にポリα−オレフィン(PAO、動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへシクロヘキシルアミン及びp−トルイジンとを等モル投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にPAOの半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、平均粒径10nm〜5μmのカーボンブラックを全量の4体積%を占める量と、酸化防止剤とを添加し、ロールミルを通すことで一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物(R1/(R1+R3)比=0.5)を増ちょう剤とし、粒径の異なるカーボンブラックを含有するグリースCを得た。尚、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
【0038】
下記表1に、グリースA、グリースB及びグリースCの性状をまとめて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
また、上記の如く調製したグリースA及びグリースBを用いて焼付き寿命試験を行い、グリースCを用いて軸受初期音響試験を行った。尚、各試験方法及び評価基準は以下の通りである。
【0041】
(焼付き寿命試験)
内径φ17mm、外径φ52mm、幅16mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)にグリースAまたはBを2.3g封入して試験軸受を作製し、図3に示す試験装置を用いて焼付き寿命を評価した。図示される試験装置は、回転用シャフト60を一対の支持用軸受62,62で支持し、その中間部に試験軸受61を装着し、更に全体を所定温度に維持できるように恒温容器(図示せず)に収容する構成となっている。試験は、シャフト60を回転させて試験軸受61を内輪回転速度20000min−1、軸受温度170℃、ラジアル荷重98Nの条件で連続回転させ、焼付きが生じて軸受外輪温度が180℃以上に上昇したとき、試験を終了した。試験はグリース毎に4回行い、その平均値を焼付き寿命時間とし、1000時間以上を合格とした。
【0042】
図4にグリースAを用いた結果を示すが、増ちょう剤として、一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物を、R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)比で0〜0.5となるように混合した混合物を用いることにより、焼付き寿命が大幅に改善されることがわかる。また、図5にグリースBを用いた結果を示すが、増ちょう剤として、一般式(4)で表されるジウレア化合物と一般式(5)で表されるジウレア化合物とを、0.1〜0.9:0.9〜0.1となるように混合した混合物を用いることにより、焼付き寿命が大幅に改善され、0.25〜0.75:0.75〜0.25となるように混合した混合物は更に焼付き寿命が長くなることがわかる。
【0043】
(軸受初期音響試験)
内径φ15mm、外径φ35mm、幅11mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に、グリースCを0.7g封入して試験軸受を作製した。そして、試験軸受を、雰囲気温度25℃、アキシアル荷重27.4Nにて内輪を回転速度1800min−1で連続回転させ、そのときのアンデロン値(1800〜10000Hzの振動速度)を測定した。測定はグリース毎に10回行い、その平均値が3.5アンデロン以下を合格とした。
【0044】
結果を図6に示すが、添加するカーボンブラックの粒子径が10nm〜3μmであれば、音響特性にも優れることがわかる。
【0045】
(剥離寿命試験)
上記のグリースCに従い、粒子径300nmのカーボンブラックを用い、その配合量が異なるグリースを調製し、これを内径φ17mm、外径φ47mm、幅14mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に2.3g封入して試験軸受を作製した。そして、図7に示す試験装置を用いて剥離寿命を評価した。図示される試験装置では、一対の支持用軸受71,71で支持されたシャフト70の端部に試験軸受75の内輪を嵌合させ、更に外輪をホルダー72に固定し、プーリー73を介してエンジン(図示せず)からの回転を試験軸受75に伝達する。尚、符号74は外輪温度を測定するための温度計であり、符号76は外輪を加熱するためのヒータである。そして、軸受回転速度2400〜13300min−1の繰り返し、室温雰囲気下、プーリー荷重1560Nの条件で軸受を連続回転させ、1500時間を目標に試験を行った。そして、試験軸受75の外輪転走面に剥離が生じて振動が発生したとき、あるいは剥離が発生しない場合には1500時間経過した時点で試験を終了した。試験は各10回行い、その平均値を剥離寿命とした。
【0046】
また、同様の試験軸受を用い、上記と同様に焼付き寿命試験を行った。剥離寿命及び焼付き寿命の測定結果を図8にまとめて示す。
【0047】
図示されるように、カーボンブラックの配合量が1〜40体積%であれば、焼付き寿命及び剥離寿命の両方に優れることがわかる。これに対し、カーボンブラックの配合量が1体積%未満では剥離寿命に劣り、カーボンブラックの配合量が40体積%を超えると焼付き寿命に劣るようになる。
【0048】
(固定輪軌道面の粗さの検証)
JIS呼び番号6303の軸受を用い、その外輪軌道面の中心線平均粗さが0.02μmRa〜0.10μmRaとなるように加工し、これにグリースA(但し、R1/(R1+R3)比が0.5)を2.3g封入して試験軸受を作製し、上記と同様の剥離寿命試験を行った。尚、剥離が生じない場合は、1500時間経過後に試験を終了した。
【0049】
図9に結果を示すが、外輪軌道面の中心線平均粗さが0.025μmRa以上0.095μmRa以下の範囲であれば、優れた耐剥離性能が得られることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として特定のジウレア化合物を含有するグリースを封入したことにより、200℃に近い高温下でも優れた耐焼付き性能を備え、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態である玉軸受を示す断面図である。
【図2】(a)はカーボンナノチューブの全体構造を示す模式図であり、(b)はその部分拡大図である。
【図3】実施例において、焼付き寿命試験に用いた試験装置を示す概略構成図である。
【図4】実施例で得られた、ジウレア化合物におけるR1/(R1+R3)比と焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【図5】実施例で得られた、一般式(4)で表されるジウレア化合物の比率と焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【図6】実施例で得られた、カーボンブラックの粒径と軸受初期音響との関係を示すグラフである。
【図7】実施例において、剥離寿命試験に用いた試験装置を示す概略構成図である。
【図8】実施例で得られた、カーボンブラックの配合量(体積%)と、焼付き寿命または剥離寿命との関係を示すグラフである。
【図9】実施例で得られた、外輪軌道面の中心線平均粗さと剥離寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 玉軸受
50 内輪
51 外輪
52 保持器
53 玉
54 シール部材
【発明の属する技術分野】
本発明はグリースを封入した転がり軸受に関し、特に自動車の電装部品、エンジン補機であるオルタネータや中間プーリ、カーエアコン用電磁クラッチ等のような高温高速高荷重条件下で使用される部品に使用される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は小型軽量化を目的としたFF車の普及により、さらには居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、上記に挙げたような電装部品やエンジン補機の小型軽量化がより一層進められており、それに組み込まれる各部品も高性能高出力化がますます求められている。しかし、小型化により出力の低下は避けられず、例えばオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチでは高速化することにより出力の低下分を補っており、それに伴って中間プーリも高速化することになる。更に、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、これらの部品は高温に耐えることも必要となっている。最近では特に使用温度が高くなる傾向にあり、例えばオルタネータではラジエータの冷却水によりオルタネータ内部の熱を冷却するため、軸受温度が160〜200℃になることがある。
【0003】
焼付き寿命を延長させるために、従来より種々の提案がなされており、グリースの増ちょう剤組成を変更することも数多く試みられており、ウレア化合物を増ちょう剤に用いることが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開平5−98280号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特許第1817330号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウレア系グリースは高温に晒された後に温度が下がると硬化する、所謂「熱硬化性」を有するとともに、耐熱性の低いウレア化合物では分解が起こり軟化するという問題を抱えている。実際の自動車では、運転時に軸受が高温となり、停車時には常温となるため、熱硬化性の大きなグリースを封入すると再起動時に硬化によりグリースの流動性不足が生じ、焼付きを招きやすくなる。また、グリースが軟化した場合には、グリース漏れが起こり易くなり、グリース不足に起因する焼付きを招きやすくなる。
【0005】
このように、従来のウレア系グリースでは、温度変化によるちょう度の変化が大きく、特に最近の自動車における温度変化範囲である160〜200℃の範囲でちょう度の変化が大きく、焼付き性能の面で十分とは言えない状況にある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、200℃に近い高温下でも優れた耐焼付き性を備えた、特に上記した電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、導電性物質と、特定のジウレア化合物とを含有するグリースを封入することにより、軸受の焼付き性能を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記の転がり軸受を提供する。
(1)固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物を[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0〜0.5となるように混合してなる混合物を含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基、R3はシクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基を示す)
(2)固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として一般式(4)で表されるジウレア化合物と一般式(5)で表されるジウレア化合物とを(一般式(4)で表されるジウレア化合物:一般式(5)で表されるジウレア化合物)=(0.1〜0.9:0.9〜0.1)となるように混合してなる混合物を含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R4、R5は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基、炭素数8〜20の直鎖アルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。)
【0012】
本発明の転がり軸受では、封入グリースが導電性物質であるカーボンブラックまたはカーボンナノチューブを含有するため、固定輪と転動体、回転輪と転動体との間が導通して電位差が生じず、これらの金属表面で電気化学的な反応により発生する白色組織変化を伴った剥離(以下、「白色組織剥離」という。)が抑えられる。また、特定のジウレア化合物を増ちょう剤として用いることで、高温での高速回に伴う剪断を受けてもちょう度変化が少なくなり、潤滑不足やグリース漏れも無く、安定した潤滑が維持される。そして、このような効果が相俟って、焼付き寿命が大幅に改善される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0014】
本発明において、軸受の構造自体は制限されるものではなく、例えば図1に断面図で示されるような構成の玉軸受1を例示することができる。図示される玉軸受1は、内輪50と外輪51との間に保持器52を介して複数の転動体である玉53を略等間隔で回動自在に保持してなり、更に内輪50、外輪51及び玉53で形成される空所Sに、後述されるグリース(図示せず)を所定量充填し、シール54で封止して構成されている。尚、内輪50、外輪51は、一方が固定輪、他方が回転輪となる。
【0015】
グリースを形成する基油には制限がなく、グリースに使用される潤滑油は全て使用可能である。但し、焼付き性能や、低温での流動性不足による低温起動時の異音発生を考慮すると、基油の40℃における動粘度は10〜400mm2/sが好ましく、20〜250mm2/sがより好ましく、40〜150mm2/sが特に好ましい。
【0016】
基油の種類について具体的に説明すると、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油が挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑油としては、トリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはその水素化物が挙げられる。これらの潤滑油は、単独または混合物として用いることができ、上述した好ましい動粘度に調整される。
【0017】
上記基油には、増ちょう剤として、下記一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物が配合される。
【0018】
【化5】
【0019】
一般式(1)〜(3)において、R1は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基、R3はシクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基を示す。また、混合物は、[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0〜0.5の範囲となるように混合される。
【0020】
また、増ちょう剤として、下記一般式(4)表されるジウレア化合物と、一般式(5)で表されるジウレア化合物とを、一般式(4)で表されるジウレア化合物:一般式(5)で表されるジウレア化合物=0.1〜0.9:0.9〜0.1の割合で混合した混合物を用いることもできる。
【0021】
【化6】
【0022】
尚、一般式(4)、(5)において、R4、R5は炭素数7〜12の芳香族環含有炭化水素基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基、炭素数8〜20の直鎖アルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。
【0023】
増ちょう剤の配合量は、何れの混合物の場合も、上記基油とともにグリースを形成し得る量であれば制限されるものではないが、得られるグリースの混和ちょう度をNLGI No.1〜3にするため、グリース全量の10〜35質量%とすることが好ましい。
【0024】
また、グリースには、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方が添加される。添加量は、カーボンブラック、カーボンナノチューブともにグリース全量の1〜40体積%である。尚、併用する場合は、合計量で1〜40体積%とする。カーボンブラック及びカーボンナノチューブは、グリースに導電性を付与して内輪50と玉53、外輪51と玉53とを導通させて白色組織剥離を抑えるための成分であり、添加量が1体積%未満では導電性の付与が不十分で、白色組織剥離の抑制効果が発現しない。一方、添加量が40体積%を超える場合は、トルク上昇を招いたり、早期に焼付きに至るため、好ましくない。
【0025】
尚、カーボンブラックは、平均粒径が10nm〜3μmのものを用いることが好ましく、それにより白色組織剥離の発生をより効果的に抑えることができ、更には音響特性も良好となる。
【0026】
カーボンナノチューブは、図2(a)にその全体を模式的に示すように、主に炭素六員環の網目状構造(図2(b))が丸まって、両末端が閉口したチューブ状を呈する炭素多面体である。尚、異径のチューブ接合部や末端の閉口部においては、炭素5員環や炭素7員環となっている場合もある。また、カーボンナノチュープは、直径が平均0.5nm〜15nmで、長さが平均0.5μm〜50μmのものが白色組織剥離の抑制の点で好ましい。
【0027】
また、カーボンナノチューブ類として球状構造を採るものがあり、例えばC60、C70はフラーレンとして知られているが、本発明においてはこのフラーレンも使用できる。このフラーレンは、グラファイトと同様に炭素原子と炭素原子とがsp2混成軌道により結合しており、ダイヤモンド構造とは異なり、単層で細長い形状を採ることから、摺動性を有し、かつ強固であるという利点を有する。
【0028】
グリースには、その性能を一層高めるため、必要に応じて、従来からグリースに用いられている公知の一般的な添加剤を含有させることができる。例えば、金属石けん、ベントン、シリカゲル等のゲル化剤;アミン系、フェノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブテン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の防錆剤;ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダ等の金属不活性剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等が挙げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて添加することができる。また、これら添加剤の添加量は、本発明の所期の目的を達成できれば特に限定されるものではないが、混合グリース全量の20質量%以下とすることが好ましい。
【0029】
グリースは上記の各成分を含有するが、その製造方法には制限がなく、従来のウレア系グリースと同様にして調製することができるが、一般的には基油中で上記のジウレア化合物の原料(アミン類とジイソシアネート)を反応させて得られる。尚、そのときの加熱温度や攪拌・混合時間等の製造条件は使用する基油やジウレア化合物の原料、添加剤等により適宜設定される。また、添加剤を添加後、十分に攪拌して均一に分散させる必要があるが、その際加熱することも有効である。
【0030】
本発明では、上記のグリースにより焼付き寿命を改善するが、その効果をより高めるために、固定輪(内輪50または外輪51)の軌道面の中心線平均粗さを0.025μmRa以上0.095μmRa以下とすることが好ましく、0.03μmRa以上0.085μmRa以下とすることがより好ましく、0.035μmRa以上0.08μmRa以下とすることが更に好ましい。白色組織剥離は、転動体の自転滑りにより2次的に発生する水素イオンによっても起こるため、固定輪の軌道面を上記の如く粗くして転動体の自転滑りを抑えることも焼付き性能を高める上で有効となる。そのため、固定輪の軌道面の中心線平均粗さが0.025μmRa未満という鏡面仕上げに近い状態では転動体の自転滑りを抑える効果が少なくなる。一方、固定輪の軌道面の中心線平均粗さが0.095μmRaを超える場合には、内・外輪と転動体との金属接触が増大して振動や剥離が起こりやすくなる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0032】
(グリースAの調製)
第1の反応容器にポリα−オレフィン(PAO、動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへシクロヘキシルアミン及びp−トルイジンとを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にPAOの半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、平均粒径300nmのカーボンブラックを全量の4体積%を占める量と、酸化防止剤とを添加し、ロールミルを通すことで一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物を増ちょう剤とし、カーボンブラックを含有するグリースを得た。
【0033】
上記一連の操作を、アミン比を変えて行い、ジウレア化合物の混合物における[R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)]値が0〜1.0の範囲で異なるグリースAを得た。尚、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
【0034】
(グリースBの調製)
第1の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油(動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへp−トルイジンを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油の半量を入れ、そこへトリレンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、酸化防止剤を添加し、ロールミルを通すことで一般式(4)で表されるジウレア化合物を増ちょう剤とするグリースaを得た。
【0035】
また、第1の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油(動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへp−トルイジンを投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にジアルキルジフェニルエーテル油の半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、酸化防止剤を添加し、ロールミルを通すことで一般式(5)で表されるジウレア化合物を増ちょう剤とするグリースbを得た。
【0036】
そして、上記で得られたグリースaとグリースbとを、グリースa:グリースb=0〜1:1〜0の割合で変え、平均直径5nmで平均長さ10μmのカーボンナノチューブを全量の4体積%を占める量添加し、ロールミルを通すことでグリースBを得た。尚、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
【0037】
(グリースCの調製)
第1の反応容器にポリα−オレフィン(PAO、動粘度:100mm2/s、40℃)の半量を入れ、そこへシクロヘキシルアミン及びp−トルイジンとを等モル投入し、70〜80℃に加熱した。次いで、第2の反応容器にPAOの半量を入れ、そこへジフェニルメタンジイソシアネートを投入して70〜80℃に加熱し、内容物を第1の反応容器に加え、加熱した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、平均粒径10nm〜5μmのカーボンブラックを全量の4体積%を占める量と、酸化防止剤とを添加し、ロールミルを通すことで一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物の混合物(R1/(R1+R3)比=0.5)を増ちょう剤とし、粒径の異なるカーボンブラックを含有するグリースCを得た。尚、何れのグリースも混和ちょう度がNLGI No.2となるように調整した。
【0038】
下記表1に、グリースA、グリースB及びグリースCの性状をまとめて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
また、上記の如く調製したグリースA及びグリースBを用いて焼付き寿命試験を行い、グリースCを用いて軸受初期音響試験を行った。尚、各試験方法及び評価基準は以下の通りである。
【0041】
(焼付き寿命試験)
内径φ17mm、外径φ52mm、幅16mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)にグリースAまたはBを2.3g封入して試験軸受を作製し、図3に示す試験装置を用いて焼付き寿命を評価した。図示される試験装置は、回転用シャフト60を一対の支持用軸受62,62で支持し、その中間部に試験軸受61を装着し、更に全体を所定温度に維持できるように恒温容器(図示せず)に収容する構成となっている。試験は、シャフト60を回転させて試験軸受61を内輪回転速度20000min−1、軸受温度170℃、ラジアル荷重98Nの条件で連続回転させ、焼付きが生じて軸受外輪温度が180℃以上に上昇したとき、試験を終了した。試験はグリース毎に4回行い、その平均値を焼付き寿命時間とし、1000時間以上を合格とした。
【0042】
図4にグリースAを用いた結果を示すが、増ちょう剤として、一般式(1)〜(3)で表されるジウレア化合物を、R1のモル数/(R1のモル数+R3のモル数)比で0〜0.5となるように混合した混合物を用いることにより、焼付き寿命が大幅に改善されることがわかる。また、図5にグリースBを用いた結果を示すが、増ちょう剤として、一般式(4)で表されるジウレア化合物と一般式(5)で表されるジウレア化合物とを、0.1〜0.9:0.9〜0.1となるように混合した混合物を用いることにより、焼付き寿命が大幅に改善され、0.25〜0.75:0.75〜0.25となるように混合した混合物は更に焼付き寿命が長くなることがわかる。
【0043】
(軸受初期音響試験)
内径φ15mm、外径φ35mm、幅11mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に、グリースCを0.7g封入して試験軸受を作製した。そして、試験軸受を、雰囲気温度25℃、アキシアル荷重27.4Nにて内輪を回転速度1800min−1で連続回転させ、そのときのアンデロン値(1800〜10000Hzの振動速度)を測定した。測定はグリース毎に10回行い、その平均値が3.5アンデロン以下を合格とした。
【0044】
結果を図6に示すが、添加するカーボンブラックの粒子径が10nm〜3μmであれば、音響特性にも優れることがわかる。
【0045】
(剥離寿命試験)
上記のグリースCに従い、粒子径300nmのカーボンブラックを用い、その配合量が異なるグリースを調製し、これを内径φ17mm、外径φ47mm、幅14mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に2.3g封入して試験軸受を作製した。そして、図7に示す試験装置を用いて剥離寿命を評価した。図示される試験装置では、一対の支持用軸受71,71で支持されたシャフト70の端部に試験軸受75の内輪を嵌合させ、更に外輪をホルダー72に固定し、プーリー73を介してエンジン(図示せず)からの回転を試験軸受75に伝達する。尚、符号74は外輪温度を測定するための温度計であり、符号76は外輪を加熱するためのヒータである。そして、軸受回転速度2400〜13300min−1の繰り返し、室温雰囲気下、プーリー荷重1560Nの条件で軸受を連続回転させ、1500時間を目標に試験を行った。そして、試験軸受75の外輪転走面に剥離が生じて振動が発生したとき、あるいは剥離が発生しない場合には1500時間経過した時点で試験を終了した。試験は各10回行い、その平均値を剥離寿命とした。
【0046】
また、同様の試験軸受を用い、上記と同様に焼付き寿命試験を行った。剥離寿命及び焼付き寿命の測定結果を図8にまとめて示す。
【0047】
図示されるように、カーボンブラックの配合量が1〜40体積%であれば、焼付き寿命及び剥離寿命の両方に優れることがわかる。これに対し、カーボンブラックの配合量が1体積%未満では剥離寿命に劣り、カーボンブラックの配合量が40体積%を超えると焼付き寿命に劣るようになる。
【0048】
(固定輪軌道面の粗さの検証)
JIS呼び番号6303の軸受を用い、その外輪軌道面の中心線平均粗さが0.02μmRa〜0.10μmRaとなるように加工し、これにグリースA(但し、R1/(R1+R3)比が0.5)を2.3g封入して試験軸受を作製し、上記と同様の剥離寿命試験を行った。尚、剥離が生じない場合は、1500時間経過後に試験を終了した。
【0049】
図9に結果を示すが、外輪軌道面の中心線平均粗さが0.025μmRa以上0.095μmRa以下の範囲であれば、優れた耐剥離性能が得られることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として特定のジウレア化合物を含有するグリースを封入したことにより、200℃に近い高温下でも優れた耐焼付き性能を備え、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態である玉軸受を示す断面図である。
【図2】(a)はカーボンナノチューブの全体構造を示す模式図であり、(b)はその部分拡大図である。
【図3】実施例において、焼付き寿命試験に用いた試験装置を示す概略構成図である。
【図4】実施例で得られた、ジウレア化合物におけるR1/(R1+R3)比と焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【図5】実施例で得られた、一般式(4)で表されるジウレア化合物の比率と焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【図6】実施例で得られた、カーボンブラックの粒径と軸受初期音響との関係を示すグラフである。
【図7】実施例において、剥離寿命試験に用いた試験装置を示す概略構成図である。
【図8】実施例で得られた、カーボンブラックの配合量(体積%)と、焼付き寿命または剥離寿命との関係を示すグラフである。
【図9】実施例で得られた、外輪軌道面の中心線平均粗さと剥離寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 玉軸受
50 内輪
51 外輪
52 保持器
53 玉
54 シール部材
Claims (5)
- 固定輪と回転輪との間に、保持器により複数の転動体を転動自在に保持するとともに、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を1〜40体積%の割合で含有し、かつ、増ちょう剤として一般式(4)で表されるジウレア化合物と一般式(5)で表されるジウレア化合物とを(一般式(4)で表されるジウレア化合物:一般式(5)で表されるジウレア化合物)=(0.1〜0.9:0.9〜0.1)となるように混合してなる混合物を含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
- カーボンブラックは、平均粒径が10nm〜3μmであることを特徴とする請求項1または2記載の転がり軸受。
- カーボンナノチューブは、直径が平均0.5nm〜15nmで、長さが平均0.5μm〜50μmであることを特徴とする請求項1または2記載の転がり軸受。
- 固定輪の軌道面中心線平均粗さが0.025μmRa以上0.095μmRa以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の転がり軸受。
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