JP2018162332A - 誘電エラストマー、誘電エラストマーの製造方法、誘電エラストマーアクチュエータ、及び、補助用具 - Google Patents

誘電エラストマー、誘電エラストマーの製造方法、誘電エラストマーアクチュエータ、及び、補助用具 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維状のチタン酸バリウムストロンチウムを配合した誘電エラストマーを伸縮させた場合、μ単位の繊維状のチタン酸バリウムストロンチウムとエラストマーとの界面から誘電エラストマーが破損するおそれがあった。
【解決手段】長鎖長の変性シリコーンの末端に、金属化合物を導入した誘電エラストマーであって、金属化合物は、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンを含み、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンは、フェニル基、アルキル基、メタクリル基、アクリル基、グリシジル基、およびシアノ基の何れか一つを有する誘電エラストマー、当該誘電エラストマーを用いた誘電エラストマーアクチュエータ等を提供する。
【選択図】図6

Description

本発明は、誘電エラストマー、誘電エラストマーの製造方法、誘電エラストマーアクチュエータ、及び、補助用具に関する。
従来、誘電エラストマーアクチュエータに用いる誘電エラストマーの高誘電率化には、エラストマーに繊維状のチタン酸バリウムストロンチウムを混合していた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開平9―31244
しかしながら、繊維状のチタン酸バリウムストロンチウムを配合した誘電エラストマーを伸縮させた場合、μサイズの繊維状のチタン酸バリウムストロンチウムとエラストマーとの界面から誘電エラストマーが破損するおそれがあった。
本発明の第1の態様における誘電エラストマーは、長鎖長の変性シリコーンの末端に、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンを導入する。
本発明の第2の態様における誘電エラストマーの製造方法は、長鎖長の変性シリコーンと、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンと、シランカップリング剤と、有機溶媒との混合物を作製する工程と、混合物に開始剤を添加して撹拌する工程と、混合物を加熱する工程とを含む。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
アクチュエータの概略断面図である。 アクチュエータの概略断面図である。 変性シリコーンの一例を示す化学構造式である。 開環した状態のチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンの一例を示す化学構造式である。 閉環した状態のチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンの一例を示す化学構造式である。 シランカップリング剤の一例を示すメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの化学構造式である。 チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンを末端に導入した変性シリコーン樹脂の構造を示す概念図である。 かご型ポリシルセスキオキサンの合成方法を示す。 チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンの合成方法を示す。 変位と引張応力との関係を示すグラフである。 誘電損失を示すグラフである。 補助用具10を装着したユーザの正面図である。 補助用具10を装着したユーザの背面図である。 補助用具10の制御系を説明するブロック図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
電気的にコントロール可能な誘電エラストマーアクチュエータは、エラストマーの弾性を利用したソフトアクチュエータとして、人工筋肉への応用が期待されている。図1は、アクチュエータ110の概略断面図である。図1は、アクチュエータ110に電圧が印加されていない状態を示す。アクチュエータ110は、誘電エラストマーアクチュエータの一例である。
アクチュエータ110は、電源120と、スイッチ130と、電源120の正極および負極にそれぞれ接続された一対の電極122、124と、当該一対の電極122、124に挟まれた高分子材料126と、を有する。スイッチ130は、制御部140からの制御信号により開閉する。電源120の電圧も制御部140からの制御信号により可変である。
図2は、アクチュエータ110の概略断面図である。図2は、当該アクチュエータ110に電圧が印加された状態を示す。
図2に示すように、制御部140からの制御信号に基づいて、スイッチ130が閉じられるとともに一対の電極122、124間に電圧が印加されると、高分子材料126は電極間が近づく方向に短縮するとともに、その体積分が、電圧印加方向に直交する方向、すなわち図中の水平方向に伸長する。電源120の印加電圧が大きいほど水平方向の伸長量は大きい。
また、高分子材料126に同じ大きさの電圧を印加したとすると、高分子材料126の比誘電率が高いほど水平方向の伸長量は大きい。したがって、アクチュエータ110に用いられる高分子材料126は、高い比誘電率を有することが好ましい。
さらに、高分子材料126に同じ大きさの電圧を印加したとすると、高分子材料126の弾性率が低いほど水平方向に対する伸長量は大きい。したがって、アクチュエータ110に用いられる高分子材料126は、低い弾性率を有することが好ましい。例えば、高分子材料126は、700[kPa]以下の弾性率を有する事が望ましい。
高分子材料126の一例は、長鎖長の変性シリコーン樹脂の末端に、金属化合物を導入した誘電エラストマーである。長鎖長の変性シリコーン樹脂の一例は、アルキレンオキサイドおよびポリシロキサンを主鎖とする長鎖長のシリコーン系の樹脂である。変性シリコーン樹脂の末端には、脱水縮合により金属化合物が導入され、シランカップリング剤等のカップリング剤の添加により架橋密度が適度に調節される。金属化合物の一例は、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンであるが、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属のアルコキシド、および遷移金属のアルコキシドであってもよい。金属化合物を導入することで、変性シリコーン樹脂の比誘電率は高くなる。高分子材料126となる金属化合物が導入された変性シリコーン樹脂の比誘電率は、6以上であることが好ましい。
図3は、変性シリコーン樹脂の一例を示す化学構造式である。図3において(−X−)で表される繰り返し単位150の部分には、アルキレンオキサイド、ポリシロキサン、又はこれらの誘導体等が用いられてよい。アルキレンオキサイドの一例は、ポリエチレンオキサイドまたはポリプロピレンオキサイドである。なお、繰り返し単位150の繰り返し数nは、例えば、10〜200であってよく、一例として170であってよい。変性シリコーン樹脂は、繰り返し数nが大きく長鎖長であることが好ましい。これらにより、変性シリコーン樹脂の弾性率を下げることができる。また、変性シリコーン樹脂は末端部分において、ケイ素と結合したメトキシ基構造を有する。そして、当該ケイ素と結合したメトキシ基が加水分解されたシラノール部分が、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサン、及び、シランカップリング剤と反応して結合する。
金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンの一例は、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンである。金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンはチタンに代えて、ジルコニアまたはチタン酸バリウムを含んでもよい。図4は、開環した状態のチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンの化学構造式の一例である。また、図5は、閉環した状態のチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンの化学構造式の一例を示す。図4および図5に示すように、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンは、水酸基が脱水縮合しないで開環した状態と、水酸基が脱水縮合して閉環した状態と、の複数の状態を取り得ると考えられているが、これらに限定されるものではなく、両者の混合状態もとり得ると考えられている。金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンは、開環した状態に含まれるシラノール基部分、および/または、シロキサン結合部分が加水分解して生成されるシラノール基部分でシランカップリング剤と反応して結合する。
図4および図5に示した金属を含有したかご型ポリシルセスキオキサンにおいて、R基は有機官能基であり、R基はアルキル基、アリール基、メタクリル基、アクリル基、グリシジル基およびシアノ基の少なくとも1つであることが好ましい。金属を含有したかご型ポリシルセスキオキサンは、当該R基としてシランカップリング剤と反応する有機官能基を有してよい。例えば、R基がメタクリル基、アクリル基等である場合、金属を含有したかご型ポリシルセスキオキサンは当該R基部分でシランカップリング剤と反応し、結合してよい。また、かご型ポリシルセスキオキサンが含有するチタンに代えて、遷移金属もしくは希土類金属の少なくとも1種を用いてもよい。なお、変性シリコーン樹脂の比誘電率を向上させるという観点で、かご型ポリシルセスキオキサンに含まれる遷移金属もしくは希土類金属は、誘電率の高いチタンまたはジルコニウムであることが好ましい。
本実施形態において、カップリング剤は、長鎖変性シリコーン樹脂を直接又は間接的に架橋する架橋剤として用いられる。例えば、カップリング剤は、ケイ素と結合するメトキシ基を有するシランカップリング剤であってよく、当該ケイ素と結合するメトキシ基からシラノールが生成されて、長鎖変性シリコーンの末端のシラノール基又はメトキシシランの加水分解基と脱水縮合により結合し、金属を含有したかご型ポリシルセスキオキサンにおけるケイ素と結合した加水分解基と脱水縮合により結合する。また、シランカップリング剤は、アミノ基、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基などの有機官能基を有してよく、当該有機官能基は、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンのメタクリル基、アクリル基等のR基で示される有機官能基と反応して脱水縮合して結合する。これらにより、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンおよびシランカップリング剤は架橋点となり、変性シリコーン樹脂に導入される。
図6は、シランカップリング剤の一例を示すメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの化学構造式である。メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは、ケイ素と結合するメトキシ基からシラノールが生成され、当該シラノールが変性シリコーン樹脂またはチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンのシラノール基と脱水縮合して結合する。また、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは、メタクリル基を有しており、当該メタクリル基が、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンにおけるメタクリロイルと結合する。これらにより、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンおよびシランカップリング剤は、変性シリコーン樹脂に導入され、変性シリコーン樹脂の誘電性が高められる。
チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンは、変性シリコーン樹脂の末端に導入され、分子レベルで変性シリコーン樹脂内に分散される。これにより、変性シリコーン樹脂とチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンとの界面は実質的に存在しなくなる。そのため、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンを末端に導入した変性シリコーン樹脂を、誘電エラストマーアクチュエータのエラストマーとして用いた場合であって、当該変性シリコーン樹脂を挟むようにして設けた電極から電圧を印加して当該変性シリコーン樹脂を伸縮させても、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンと変性シリコーン樹脂との界面から破損することはない。
図7は、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンを末端に導入した変性シリコーン樹脂の構造を示す概念図である。図7に示したように、ソフトセグメント160を構成する長鎖変性シリコーン樹脂の末端には、脱水縮合によりチタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサン162が導入される。これにより、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンは、分子レベルで分散されて、変性シリコーン樹脂に含まれる。また、変性シリコーン樹脂は、シランカップリング剤により直接架橋され、架橋点164が形成される。さらに、変性シリコーン樹脂は、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンを介して、シランカップリング剤により間接的に架橋される。これらの架橋により、変性シリコーン樹脂は、架橋高分子網目が相互に侵入しあった相互侵入高分子網目(IPN)構造をとる。これにより、変性シリコーン樹脂に靱性が付与され、伸縮変形時における変性シリコーン樹脂においても亀裂等の発生が抑制できる。
ここで、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンは、長鎖変性シリコーン樹脂の末端にのみ導入され、側鎖には導入されなくてよい。これを実現するために、長鎖変性シリコーン樹脂は、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンが側鎖に導入されず、末端にのみ導入される構造のものが用いられてよい。例えば、長鎖変性シリコーン樹脂は、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンと加水分解後に反応し得るメトキシシラン等の構造を側鎖に含まない構造か、又は、主鎖のみで側鎖を含まない構造であってよい。これにより、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンが長鎖変性シリコーンの末端にのみ導入されるので、誘電エラストマーの弾性率を低くすることができる。
また、長鎖変性シリコーン樹脂において、架橋点164が増えると誘電エラストマーの弾性率が高くなってしまう。従って、弾性率の観点からは、長鎖変性シリコーン樹脂は少ない方が望ましい。一例として、長鎖変性シリコーン樹脂は、700kPa以下の弾性率、及び、50%以上の伸び率を有することが望ましい。
以上のことから、長鎖変形シリコーン樹脂の亀裂等を抑え、弾性率を低く抑えるために、架橋点164の形成を適正な範囲に保つことが望ましい。このため、長鎖変性シリコーン樹脂において、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンのR基のモル量(Tn)をシランカップリング剤の有機官能基のモル量(RO−SiX)で割った数値(Tn/(RO−SiX))は、1超20未満とすることが好ましく、10≧Tn/(RO−SiX)≧2とすることがより好ましい。
まず、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンの製造方法について説明する。
(製造例1)
図8は、かご型ポリシルセスキオキサンの合成方法を示す。まず、メカニカルスターラーと温度計、還流管を取り付けた1リットルの三口フラスコに、フェニル基(Ph)を有するフェニルトリメトキシシラン28.55g(0.144mmol)とメタクリロイル基(MMA)を有するメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン23.81g(0.096mmol)を入れ、テトラヒドロフラン300mlに溶解した。室温で撹拌しながら、1モル濃度の水酸化ナトリウム溶液9.87gを添加した。
反応液を、オイルバスで60℃に加温し、3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、1モル濃度の塩酸10mlで中和した。ジエチルエーテル700mlを添加し、有機層を分液した。分液した有機層を水洗し、硫酸ナトリウムを添加して乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別後、有機層をロータリーエバポレーターにより濃縮した。さらに真空乾燥し、かご型ポリシルセスキオキサン(R基:Ph/MMA=6/4)を34.3g得た。収率は、92.9%であった。なお、以後、かご型ポリシルセスキオキサンをTnという場合がある。NMR測定により、SiOHを有するケイ素の含有量を確認したところ、合成したTnは、SiOHを有するケイ素を3.4%含むことを確認した。
次に、チタンを含有したTnの合成方法について説明する。図9は、チタンを含有したTnの合成方法を示す。まず、50mlナスフラスコをアルゴン置換し、得られたTn(Ph/MMA=6/4)3.43g(0.023mol、SiOH量として0.78mmol)を当該ナスフラスコ入れた。これに、脱水トルエン11.0gを添加して溶解させた。室温で撹拌しながら、テトライソプロポキシドチタン0.44g(SiOH量の0.78mmol×2)を添加した。
30分撹拌後、1モル濃度の塩酸0.12g(SiOH量の0.78mmol×2×Ti(OR)のアルコキシ基4個分×1.1)を加えた。終夜撹拌して加水分解し、チタンを含有したTnのトルエン溶液を約15.0g得た。ここで、製造例1において製造したチタンを含有したTnをTn1とする。
次に、各実施例として、チタンを含有したTnを導入した変性シリコーン樹脂の製造方法について説明する。
(実施例1)
チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンのトルエン溶液1.5g(Tn0.3g(0.44mmol)含有、メタクリロイル基1.76mmol(計算値))に、変性シリコーン樹脂である株式会社カネカ製の変性シリコーン樹脂系弾性接着剤サイリル4.0gと、シランカップリング剤であるメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン0.2g(0.88mmol)を混合して、変性シリコーン樹脂にチタンを含有したTnを導入した。TnとTn導入前の変性シリコーン樹脂とのメタクリロイル基のモル比(「Tn/RO−SiX」とする)は2/1となる。この際、シランカップリング剤であるメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは、架橋剤として添加した。
この混合溶液に、重合開始剤であるAIBN2%トルエン溶液とジラウリン酸ジブチルスズを添加し撹拌した。この混合溶液をアルミカップに注入し、真空乾燥機を用いて溶媒を除去した後、120度で15時間加熱硬化させて、チタンを含有したTnを導入した変性シリコーン樹脂のフィルムを得た。得られたフィルムの厚さは0.420mmであった。得られたフィルムに対して弾性率、伸び率および比誘電率の測定を行った。
得られたフィルムの引張応力及び変位等を、ミネベア製LTS―1kNB―S50の引張試験機を用いて、引張速度5mm/minの条件で測定した。サンプル形状は、幅4.0mm、厚み0.42mm、長さ15.0mmである。測定結果から、フィルムの弾性率及び伸び率を算出したところ、弾性率は664.0kPaであり、伸び率は91.5%であった。
得られたフィルムの比誘電率は、容量法を用いて測定した。比誘電率は、株式会社HIOKI製のケミカルインピーダンスメータ3532―80を用いて、印加電圧0.1V、室温条件にて、各周波数帯における比誘電率を測定した。なお、サンプル形状は、縦10mm、横10mmである。その結果、測定された比誘電率(10kHz)は7.4であった。
(実施例2)
製造例2として、製造例1におけるフェニル基(Ph)を有するフェニルトリメトキシシランの代わりに、メチル基(Me)を有するメチルトリメトキシシランを用いて、チタンを含有したTn(Tn2とする)を製造した。当該Tn2を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、厚さ0.280mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例3)
実施例2と同様の手法により、厚さ0.320mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例4)
製造例3として、メチル基(Me)を有するメチルトリメトキシシランと、メタクリロイル基(MMA)を有するメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランとのモル比を6:4から8:2に替えたこと以外は、製造例2と同様の手法により、チタンを含有したTn(Tn3とする)を製造した。そして、Tn3を用いて、実施例2と同様の手法により、厚さ0.716mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例5)
実施例4と同様の手法により、厚さ0.719mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例6)
実施例4と同様の手法により、厚さ0.450mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例7)
実施例4と同様の手法により、厚さ0.512mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例8)
製造例4として、フェニル基(Ph)を有するフェニルトリメトキシシランと、メタクリロイル基(MMA)を有するメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランとのモル比を6:4から8:2に替えたこと以外は、製造例1と同様の手法により、チタンを含有したTn(Tn4とする)を製造した。そして、Tn4を用いて、Tn/RO−SiXを2/1から10/1に変えたこと以外は実施例1と同様の手法により、厚さ0.870mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。実施例8においては、添加するシランカップリング剤のメタクリロイル基のモル比を実施例1に対して5分の1に減じている。これにより、変性シリコーン樹脂の架橋点を減らしている。
(実施例9)
Tn/RO−SiXを10/1から1/2に変えたこと以外は実施例8と同様の手法により、厚さ1.150mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。実施例9においては、実施例1に対し添加するシランカップリング剤のメタクリロイル基のモル比を4倍としている。これにより、変性シリコーン樹脂の架橋点を増やしている。
(実施例10)
Tn/RO−SiXを2/1から1/1に変えたこと以外は実施例1と同様の手法により、厚さ0.450mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
(実施例11)
実施例10と同様の手法により、厚さ0.669mmの変性シリコーン樹脂のフィルムを製造した。
表1に実施例1〜11におけるフィルムの製造条件および各物性の評価結果を示す。なお、弾性率、伸び率、及び比誘電率の測定は、実施例1と同様の条件により行った。実施例1〜11のいずれにおいても実用的なフィルムを得ることができたが、表1に示すように、特に実施例1〜8において優れた比誘電率、弾性率、及び、伸び率を得ることができた。
Figure 2018162332
図10は、実施例1、実施例8、及び、実施例9の評価において引張試験機により測定された変位と引張応力との関係を示すグラフである。図10において、横軸は変位[mm]であり、縦軸は、引張応力[N]である。図10の1−1の線分は実施例8に対応し、1−2の線分は実施例1に対応し、1−3の線分は実施例9に対応する。
まず、破断点について説明する。図10から、破断点に至る変位が最も長いのが試料1−1であって、17.3mmである。一方、破断点に至る変位が最も短いのが試料1−3であって、7.86である。シランカップリングの添加量が多くなるほど、破断点に至る変位が短くなっている。これは、シランカップリング剤により変性シリコーン樹脂の架橋点が増え、変性シリコーン樹脂の硬度が高くなり、これにより破断点に至る変位が短くなったものと考えられる。なお、破断点に至る変位が最も短い試料1−3であっても、誘電エラストマーアクチュエータに求められる伸縮量25%以上は確保できた。
次に、弾性率について説明する。図10に示したプロファイルから表1に示す弾性率が得られる。弾性率は、1−1(実施例8)では、0.406N/mmであり、1−2(実施例1)では、0.664N/mmであり、1−3(実施例9)では、0.423N/mmであった。1−1から1−3で大きな差はなく、いずれも小さな弾性率を維持できた。
次に、誘電損失について説明する。図11は、誘電損失を示すグラフである。図11において、横軸は周波数[Hz]である。縦軸は誘電損失[−]である。表1に示した比誘電率は、各周波数の測定データから、誘電損失が最も小さい周波数を選定して、そのときの比誘電率値を測定値とした。
なにも導入していない変性シリコーン樹脂の比誘電率が3.5程度であることから、図11に示すように、変性シリコーン樹脂の末端にチタンを含有したTnを導入することによって、試料1−1(実施例8)においては比誘電率を5.4に高めることができ、試料1−2(実施例1)においては比誘電率を7.4に高めることができた。このように、誘電エラストマーに用いる変性シリコーン樹脂の末端にチタンを含有したTnを導入することによって、誘電エラストマーの比誘電率を4以上とできる。
以上、説明したように、変性シリコーン樹脂の末端に、チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサンを導入したエラストマーを誘電エラストマーアクチュエータのエラストマーとして用いる。これにより、変性シリコーン樹脂の比誘電率は向上し、小さい電圧の印加で高出力を得ることができようになるので、誘電エラストマーアクチュエータの省電力化が図れる。さらに、変性シリコーン樹脂に電圧を印加して、繰り返し伸縮させた場合においても、チタンを含有したTnは、分子レベルで変性シリコーン樹脂内に分散しているので、チタンを含有したTnと変性シリコーン樹脂との界面から破損することはない。これにより、誘電エラストマーアクチュエータの耐久性を向上させることができる。
本実施形態において説明した誘電エラストマーアクチュエータは、身体の動作を補助する補助用具に用いることができる。補助用具は、例えば、アクチュエータが衣服等に取り付けられたアシストスーツであってよい。そのような補助用具についてここで説明する。
図12は、補助用具10を装着したユーザの正面図である。図13は、補助用具10を装着したユーザの背面図である。図12に矢印で示す上下左右を補助用具10の上下左右方向とする。また、ユーザから見て前後を、補助用具10の前後方向とする。
ユーザは、上半身にシャツ80を着るとともに、下半身にズボン82を履いているとする。また、ズボン82の胴体の腰部分には、ベルト84が巻かれている。ベルト84は、胴体の前面に配されるバックル86を有する。シャツ80の上部は、肩からずれないように形成されている。ズボン82の裾は、足首からずれないように絞られている。尚、シャツ80及びズボン82の内面が、ユーザの体と密着するダイビングスーツのような構成であってもよい。シャツ80、ズボン82、及び、ベルト84は、身体に取り付ける装着部の一例である。更に、ベルト84は、身体に固定されている装着部の部分の一例である。
補助用具10は、ユーザの身体の動作を補助する。図12及び図13に示すように、補助用具10は、前右人工筋肉部12と、前左人工筋肉部14と、後右人工筋肉部16と、後左人工筋肉部18と、電源部20と、検出部の一例である右検出部22及び左検出部24と、装着検出部26と、制御部28とを備える。
前右人工筋肉部12は、前右アクチュエータ30と、一対の前右取付部32と、電力配線34とを備える。
前右アクチュエータ30は、上下方向に延びるように形成されている。前右アクチュエータ30の上下方向、即ち、長手方向の一端は、右足の上方であって、ベルト84及びユーザの腰の上方のシャツ80の前面に配置されている。前右アクチュエータ30の長手方向の他端は、右足の膝の下方のズボン82の前面に配置されている。前右アクチュエータ30は、ユーザの胴体の腰及び膝の関節を跨ぐように設けられている。
前右アクチュエータ30は、電圧が印加されると延伸する、図1及び図2で説明したアクチュエータ110により実現されてよい。前右アクチュエータ30は、電圧が印加されると、上下方向、即ち、長手方向に延伸する。これにより、前右アクチュエータ30は、収縮することにより、歩くとき等のユーザの右足の上昇を補助する。
一対の前右取付部32は、前右アクチュエータ30の伸縮方向の両端を服に取り付ける。一方の前右取付部32は、前右アクチュエータ30の上端部に設けられ、シャツ80の前面に取り付けられている。尚、前右アクチュエータ30の上端部は、一方の前右取付部32を介して、伸縮力により動きにくいベルト84に取り付けられていてもよい。このように、身体に固定されたベルト84に取り付けることにより、前右取付部32は、伸縮時の支点となる前右アクチュエータ30の上端部を確実に支持できる。他方の前右取付部32は、前右アクチュエータ30の下端部に設けられ、ズボン82の前面に取り付けられている。前右取付部32は、ボタン、ファスナー、面ファスナー等によってシャツ80またはズボン82に、前右アクチュエータ30とともに取り外し可能に取り付けられている。一対の前右取付部32の一部は、ゴム等の弾性部材で構成することが好ましい。
電力配線34の一端は、上側の前右取付部32を介して、前右アクチュエータ30と電気的に接続されている。電力配線34の他端は、電源部20に接続されている。これにより、電力配線34は、前右アクチュエータ30と電源部20とを電気的に接続する。
前左人工筋肉部14、後右人工筋肉部16及び後左人工筋肉部18は、前右人工筋肉部12と同様の構成を有するので、異なる点以外は説明を省略する。
前左人工筋肉部14は、前左アクチュエータ36と、一対の前左取付部38と、電力配線40とを備える。前左アクチュエータ36は、一対の前左取付部38によって、腰の上方のシャツ80の前面から左足の膝の下方にわたってズボン82の前面に取り付けられている。尚、前左アクチュエータ36の一端は、伸縮力により動きにくいベルト84に取り付けてもよい。前左アクチュエータ36は、収縮することにより、歩くとき等のユーザの左足の上昇を補助する。電力配線40は、前左アクチュエータ36と電源部20とを電気的に接続する。
後右人工筋肉部16は、後右アクチュエータ42と、一対の後右取付部44と、電力配線46とを備える。後右アクチュエータ42は、一対の後右取付部44によって、右足の付け根のズボン82の後面から右足の膝の下方の足首近傍にわたってズボン82の後面に取り付けられている。後右アクチュエータ42は、ベルト84及びシャツ80等に取り付けてもよい。また、後右アクチュエータ42は、膝下までの長さであってもよい。後右アクチュエータ42は、ズボン82のポケット88の内部に配置されている。ポケット88は、後右アクチュエータ42の伸縮とともに、伸縮できる材料が好ましい。これにより、ポケット88が後右アクチュエータ42の伸縮の妨げとなることを防ぐことができる。また、ポケット88が伸縮方向と交差する方向の後右アクチュエータ42の変形を防ぐことができる。後右アクチュエータ42は、収縮することにより、ボールを蹴るとき等のユーザの右足の上昇を補助する。電力配線46は、ベルト84の裏に配置された配線を介して、後右アクチュエータ42と電源部20とを電気的に接続する。
後左人工筋肉部18は、後左アクチュエータ48と、一対の後左取付部50と、電力配線52とを備える。後左アクチュエータ48は、一対の後左取付部50によって、左足の付け根のズボン82の後面から左足の膝の下方の足首近傍にわたってズボン82の後面に取り付けられている。後左アクチュエータ48は、ベルト84及びシャツ80等に取り付けてもよい。また、後左アクチュエータ48は、膝下までの長さであってもよい。ポケット88は、後左アクチュエータ48の伸縮とともに、伸縮できる材料が好ましい。後左アクチュエータ48は、ズボン82のポケット88の内部に配置されている。後左アクチュエータ48は、収縮することにより、ボールを蹴るとき等のユーザの左足の上昇を補助する。電力配線52は、ベルト84の裏に配置された配線を介して、後左アクチュエータ48と電源部20とを電気的に接続する。
電源部20は、ベルト84のバックル86に設けられている。電源部20は、前右アクチュエータ30、前左アクチュエータ36、後右アクチュエータ42及び後左アクチュエータ48と電力を供給可能に電気的に接続されている。電源部20は、図1及び図2の電源120に対応するものであってよい。
右検出部22は、ユーザの右足の膝の近傍に設けられている。右検出部22は、ユーザの右足の動きに対応する加速度を検出する。右検出部22の一例は、3軸加速度センサである。右検出部22は、配線54を介して、制御部28と電気的に接続されている。右検出部22は、ユーザの右足の動き及び加速度に対応する右加速度信号を制御部28へと出力する。右加速度信号は、検出信号の一例である。
左検出部24は、ユーザの左足の膝の近傍に設けられている。左検出部24は、3軸加速度センサであって、ユーザの左足の動きに対応する加速度を検出する。左検出部24は、ユーザの左足の動き及び加速度に対応する左加速度信号を、配線56を介して制御部28へと出力する。左加速度信号は、検出信号の一例である。
装着検出部26は、ベルト84のバックル86に設けられている。装着検出部26の一例は、圧力センサである。装着検出部26は、ベルト84の装着を判定する圧力を検出する。装着検出部26は、制御部28と電気的に接続されている。装着検出部26は、ベルト84がユーザに装着されて、ベルト84に圧力が作用すると、当該圧力に対応する圧力信号を制御部28に出力する。
制御部28は、補助用具10の制御全般を司る。制御部28の一例は、コンピュータである。制御部28は、図1および図2におけるスイッチ130および制御部140に対応するものであってよい。
図14は、補助用具10の制御系を説明するブロック図である。図14に示すように、制御部28は、処理部60と、格納部62とを備える。処理部60は、格納部62に格納された補助用具制御プログラムを読み込むことにより、取得部64、判定部66、及び、電源制御部68として機能する。
取得部64は、右検出部22及び左検出部24から右加速度信号及び左加速度信号を取得する。取得部64は、装着検出部26から圧力信号を取得する。取得部64は、取得した加速度信号及び圧力信号を判定部66へと出力する。
判定部66は、取得部64から右加速度信号及び左加速度信号を取得する。判定部66は、右加速度信号に基づいて右足の速度である右速度を算出する。判定部66は、算出した右速度の正負から右足の移動方向、速さ及び停止を判定する。判定部66は、算出した右速度を積算することにより、右足が最も上昇した位置である右最上位置を検出する。判定部66は、左加速度信号から左足の速度である左速度を算出する。判定部66は、左速度から左足の移動方向、速さ、及び、停止を判定する。判定部66は、算出した左速度を積算することによって、左足が最も上昇した位置である左最上位置を検出する。判定部66は、検出した右最上位置及び左最上位置を格納部62に格納する。
判定部66は、取得部64から圧力信号を取得する。判定部66は、圧力信号からベルト84に作用している圧力を検出して、ベルト84がユーザに装着されているか、または、装着されていないかを判定する。判定部66は、ベルト84が装着されていると判定すると、右加速度信号及び左加速度信号に基づいて検出した右足及び左足の上昇、下降、停止を示す右移動信号及び左移動信号を電源制御部68へと出力する。右移動信号及び左移動信号に上昇、下降の速さを含めてもよい。
電源制御部68は、ベルト84が装着された場合、判定部66が右加速度信号及び左加速度信号に基づいて検出した右移動信号及び左移動信号によって、電源部20を制御する。これにより、電源部20は、ベルト84が装着された場合に、前右アクチュエータ30、前左アクチュエータ36、後右アクチュエータ42及び後左アクチュエータ48のいずれかに電力を供給、または、電力の供給を停止する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 補助用具、12 前右人工筋肉部、14 前左人工筋肉部、16 後右人工筋肉部、18 後左人工筋肉部、20 電源部、22 右検出部、24 左検出部、26 装着検出部、28 制御部、30 前右アクチュエータ、32 前右取付部、34 電力配線、36 前左アクチュエータ、38 前左取付部、40 電力配線、42 後右アクチュエータ、44 後右取付部、46 電力配線、48 後左アクチュエータ、50 後左取付部、52 電力配線、54 配線、56 配線、60 処理部、62 格納部、64 取得部、66 判定部、68 電源制御部、80 シャツ、82 ズボン、84 ベルト、86 バックル、88 ポケット、110 アクチュエータ、120 電源、122、124 電極、126 高分子材料、130 スイッチ、140 制御部、150 繰り返し単位、160 ソフトセグメント、162 チタンを含有したかご型ポリシルセスキオキサン、164 架橋点

Claims (13)

  1. 長鎖長の変性シリコーンの末端に、金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンを導入した誘電エラストマー。
  2. 前記誘電エラストマーは、有機官能基を含むカップリング剤を更に含む請求項1に記載の誘電エラストマー。
  3. 前記金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンは、前記カップリング剤の有機官能基と反応する有機官能基を有し、
    前記カップリング剤の有機官能基のモル量を、前記金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンの前記有機官能基のモル量で割った数値は、1超20未満である請求項2に記載の誘電エラストマー。
  4. 前記金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンは、前記有機官能基としてフェニル基、アルキル基、メタクリル基、アクリル基、グリシジル基、およびシアノ基の何れか一つを有する請求項3に記載の誘電エラストマー。
  5. 前記金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンは前記有機官能基としてメタクリル基を含む請求項4に記載の誘電エラストマー。
  6. カップリング剤はシランカップリング剤であり、前記シランカップリング剤の前記有機官能基はメタクリル基である請求項5に記載の誘電エラストマー。
  7. 前記金属は、遷移金属もしくは希土類金属の少なくとも1つを含む請求項4から6の何れか1項に記載の誘電エラストマー。
  8. 前記遷移金属は、チタンである請求項7に記載の誘電エラストマー。
  9. 前記変性シリコーンは、アルキレンオキシドとポリシロキサンとの共重合体である請求項1から8の何れか1項に記載の誘電エラストマー。
  10. 前記誘電エラストマーの比誘電率は4以上である請求項1から9の何れか1項に記載の誘電エラストマー。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の誘電エラストマーを用いた誘電エラストマーアクチュエータ。
  12. 身体の動作を補助する補助用具であって、
    身体に取り付ける装着部と、
    請求項11に記載の誘電エラストマーアクチュエータと、
    前記誘電エラストマーアクチュエータが前記装着部に取り付けられる取付け部と、
    を備える補助用具。
  13. 長鎖長の変性シリコーンと、
    金属を含むかご型ポリシルセスキオキサンと、
    カップリング剤と、
    有機溶媒と、
    を混合した混合溶液を作製する工程と、
    前記混合溶液に開始剤を添加して撹拌する工程と、
    前記混合溶液を加熱する工程と、
    を含む誘電エラストマーの製造方法。
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