上述の図1において、様々な要素及び/又は部品を繋ぐ実線がある場合、それらは、例えば、機械的接続、電気的接続、流体的接続、光学的接続、電磁気的接続、その他の接続、及び/又はこれらの組み合わせを表す。本明細書において、「接続された」という用語は、直接的に関連付けられていることも、間接的に関連付けられていることも意味する。例えば、部材Aは、部材Bと直接的に関連付けられる場合もあれば、例えば別の部材Cを介して間接的に関連付けられる場合もある。なお、開示されている様々な要素間のすべての関係が示されているとは限らない。したがって、ブロック図に示していない接続も存在しうる。様々な要素及び/又は部品を繋ぐ破線がある場合、これらは、機能及び目的の面で、実線で表したものに類似する接続を表す場合がある。ただし、破線で表した接続は、選択的に設けられるもの、あるいは、本開示の代替的な実施例に関するものである場合がある。同様に、破線で表した要素及び/又は部品がある場合、これらは、本開示における代替的な実施例を表す場合がある。実線及び/又は破線で示した1つ以上の要素を、本開示の範囲から逸脱することなく、ある特定の実施例から省くこともできる。外部要素がある場合は、点線で表している。仮想上(想像上)の要素も、明確にするために図示している場合がある。当業者であればわかるように、図1に示した特徴のいくつかは、図1、その他の図面、及び/又は、付随する開示に記載された他の特徴を含むことなく、様々な方法で組み合わせることができ、この際、そのような組み合わせが、本開示に明確に示されている必要はない。同様に、提示の実施例に限定されない追加の特徴を、本明細書で図示及び説明した特徴のいくつか又はすべてと組み合わせることもできる。
上述の図7及び図8において、ブロックは、工程及び/又はその一部を示す場合があり、様々なブロックを繋ぐ線は、それらの工程又はその一部について何ら特定の順序又は従属関係を示唆するものではない。破線で示したブロックは、代替の工程及び/又はその一部を示す。様々なブロックを繋ぐ破線がある場合、これらは、工程又はその一部の代替的な従属関係を示す。なお、開示されている様々な工程間のすべての従属関係が示されているとは限らない。図7及び図8ならびに本明細書に記載の方法の工程を説明する付随の開示は、必ずしもこれらの工程の実行順序を決定するものであると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されてはいるが、工程の順序は適宜に変更可能であると解釈すべきである。したがって、いくつかの工程を、異なる順序で、あるいは同時に実行することも可能である。また、当業者であればわかるように、記載したすべての工程を必ずしも実行しなくてもよい。
以下の説明においては、開示した概念が十分に理解されるよう、多くの具体的な詳細事項が提示されているが、本開示は、これらの詳細事項のいくつか又はすべてが無くても実施可能な場合もある。他の場合では、本開示が不必要に曖昧になることを避けるべく、既知の装置及び/又は処理についての詳細を省いている。特定の実施例に関連させて説明する概念もあるが、これらの実施例は、本開示を限定することを意図するものではない。
特に記載のない限り、「第1」、「第2」などの用語は標識として用いられているに過ぎず、これらの用語で言及している要素に対し、順序、位置又は階層的な要件を課すものではない。また、例えば「第2の」要素について言及することによって、例えば、「第1の」要素、あるいは、より小さい序数の要素の存在、及び/又は、「第3の」要素、あるいは、より大きい序数の要素の存在を要件としたり排除したりするものではない。
本明細書において、「一実施例」という時は、当該例に関連させて述べる1つ又は複数の特徴、構造、特性が、少なくとも1つの実施態様に含まれるということを意味する。本明細書の様々な箇所で用いられる「一実施例」という用語は、同一の実施例を指す場合もあるし、そうでない場合もある。
本明細書において、特定の機能を実行するように「構成された(configured to)」システム、装置、構造、物品(article)、要素、部品又はハードウェアは、一切の変更を要することなくその特定の機能を実行できるものを指し、その特定の機能を実行するのに何らかの変更を要するものを指すのではない。言い換えれば、特定の機能を実行するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、部品又はハードウェアは、その特定の機能を実行することを目的として、具体的に、選択、作製、実現、利用、プログラム及び/又は設計されたものを指す。本明細書において、「構成されている」という表現は、システム、装置、構造、物品、要素、部品又はハードウェアが既に備えている特性に言及するものであり、この特性により、当該システム、装置、構造、物品、要素、部品又はハードウェアは、一切の変更を要することなくその特定の機能を実行することができる。本開示において、特定の機能を実行するように「構成されている」システム、装置、構造、物品、要素、部品、又はハードウェアは、この記載に加えて、あるいは、この記載に代えて、当該機能を行うように「適合化された(adapted to)」、及び/又は「動作可能な(operative to)」ものとして記載される場合もある。
本開示の技術的事項の例示的且つ非排他的な実施例を、特許請求の範囲に記載のものも記載していないものも含め、以下に記載する。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A及び図2Bを参照すると、部品114の非水平面116から突出する留め具ヘッド112に材料104を塗布するためのアプリケータ200が示されている。アプリケータ200は、ハウジング(enclosure)210、塗布レバー(daubing lever)220、及び、塗布レバー220にモーメントを与えるための手段240を含む。ハウジング210は、壁部213を含み、この壁部は、内側214、内側214上の内表面215、及び、内側214と反対側の外側216を規定する。ハウジング210は、さらに、壁部213の内表面215で規定される内部空間211を含む。塗布レバー220は、ハウジング210の壁部213を貫通するとともに、ハウジング210に対して可動接続されている。塗布レバー220は、ハウジング210の壁部213の外側216に位置する起動端(actuation end)222aを有する。塗布レバー220は、さらに、ハウジング210の壁部213の内側214に位置する作業端(working end)222bを、起動端222aの反対側に有する。塗布レバー220は、さらに、当接部228を含み、これは、起動端222a、作業端222b、又は、起動端222aと作業端222bの間のうちのいずれかに位置する。手段240は、塗布レバー220にモーメントを与えて、塗布レバー220の当接部228をハウジング210に向けて付勢する。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例1を特徴づけるものである。
作業端222bは、部品114の非水平面116に対してハウジング210が前進・後退するのに伴って留め具ヘッド112に接触するよう構成されている。この接触は、手段240が塗布レバー220に与えるモーメントによって実現される。ハウジング210が非水平面116に対して移動するのに伴って、このモーメントが塗布レバー220をハウジング210に対して移動させ、作業端222bと留め具ヘッド112の間の接触が維持される。なお、作業端222bは、上記接触を維持しながら、留め具ヘッド112に対して移動する。留め具ヘッド112に材料104が塗布された後において、ハウジング210を非水平面116から後退させると、作業端222bは留め具ヘッド112上の材料104を再分配(redistribute)させる。具体的には、作業端222bが最終的に留め具ヘッド112から後退する際、材料104を重力と逆方向に押し上げる(swiped)ので、材料104は偏って分布した状態(uneven distribution)になる。この分布の偏りは、後に材料104が留め具ヘッド112上で硬化する間に重力によって生じる垂れ下がりを相殺するよう設計されている。材料104が硬化し、材料104に以降の垂れ下がりが発生しなくなる時点で、留め具ヘッド112上の材料104が均一に分布されているようにできる。
手段240は、塗布レバー220にモーメントを与えるものであり、塗布レバー220をハウジングに対して移動させて、(例えば、図2Aに示すように)当接部228をハウジング210に接触させる、あるいは、(例えば、図2Bに示すように)作業端222bを留め具ヘッド112に接触させることができる。この際のモーメントは、ハウジング内の材料104を掻き分けて塗布レバー220を移動させるのに十分なモーメントである。塗布レバー220は、後述するように、材料104中のこの移動を助けるような様々な特徴を有する。材料104は、例えば粘性物質(例えば、粘度が少なくとも約1,000cP、あるいは、場合によっては、少なくとも約10,000cP)である。
さらに、手段240は、この動作を生じさせるのに十分なモーメントを与えるよう設計されている。塗布レバー220にモーメントを与える手段240のいくつかの例としては、ゴムバンド(rubber band)、ばね、空圧装置が挙げられる。例えば、ゴムバンドを、例えば図2A及び図2Bに示すように、ハウジング210と塗布レバー220の起動端222aの周りに巻き掛けてることができる。ゴムバンドは、起動端222aをハウジング210に対して引き寄せる。これによって塗布レバー220にモーメントが加わり、塗布レバー220の当接部228がハウジング210に向かって付勢される。
作業端222bが留め具ヘッド112に接触して、手段240により与えられるモーメントに逆らうと、当接部228がハウジング210から引き離される。この状態では、モーメントは、引き続き当接部228をハウジング210に向かって付勢させ、これとともに作業端222bを留め具ヘッド112に向かって付勢させるように作用する。したがって、作業端222bと留め具ヘッド112の接触は、当接部228がハウジング210に接触するまで維持される。さらに、作業端222bと留め具ヘッド112の接触は、ハウジング210が部品114の非水平面116に近づくように(例えば、図4B〜図4Dを参照)、また、遠ざかるように(例えば、図4E〜図4Gを参照)移動する際も維持される。このように作業端222bと留め具ヘッド112の間の接触が維持されることにより、材料104を留め具ヘッド112に付着させた後、部品114の非水平面116からハウジング210を後退させるのに伴って、留め具ヘッド112上の材料104を再分配させることができる。具体的には、この再分配は、重力と逆方向に行うことができるので、材料104が硬化するまでの間に重力により生じる垂れ下がりを相殺することができる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A〜図2Cを参照すると、ハウジング210は、仮想平面204にある封止リム212を含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例2を特徴づけるものであり、また、実施例2は、上述の実施例1による技術的事項を包含する。
封止リム212は、ハウジング210を部品114の非水平面116に対して封止するために用いられる。これにより、材料104を非水平面116の封止部分117内に留めることができる。また、封止部分117より外側における部品114への望ましくない付着を防止することができる。この様子は、例えば図2Bに模式的に示されている。
封止リム212が部品114の非水平面116に接触すると、ハウジング210の内部空間211において、材料104が部品114の非水平面116及び留め具ヘッド112に向かって流動する。この流動により、留め具ヘッド112及び非水平面116における留め具ヘッド112の周辺部分に材料104が付着する。封止リム212は、封止部分117を超えて材料104が流れ出すことを阻止する。このように、封止リム212によって封止部分117の形状及び大きさが規定される。ハウジング210の内部空間211における材料104の流動は、封止リム212が部品114の非水平面116から離間する前に停止される。封止リム212を含む仮想平面204は、アプリケータ200の中心軸202に対して垂直でもよい。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2Cを参照すると、ハウジング210の封止リム212は、円形である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例3を特徴づけるものであり、また、実施例3は、上述の実施例2による技術的事項を包含する。
封止リム212が円形であると、同じく円形である留め具ヘッド112を収容することができる。封止リム212により、非水平面116における材料104の境界である封止部分117が規定される。材料104の境界が円形の場合、角部が存在せず、所与の面積の境界領域を最短の外周長で囲むことができるので、用途によっては有用である。
封止リム212の形状は、非水平面116上の封止部分117の形状を規定し、封止部分の形状は、留め具ヘッド112の形状に依存する。いくつかの実施例において、封止部分117の形状は、留め具ヘッド112の形状に対応し、また、封止部分117は、留め具ヘッド112と非水平面116との界面よりも大きい。この大きさの差は、留め具ヘッド112と非水平面116の界面に形成される封止縁(sealing bead)の大きさを規定する。封止リム212の形状、並びに、アプリケータ200の動作時における封止リム212と留め具ヘッド112とのアライメントにより、一定の大きさの封止縁及び適切な封止が保証される。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A及び図2Bを参照すると、塗布レバー220は、ハウジング210に対して回動可能である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例4を特徴づけるものであり、また、実施例4は、上述の実施例1〜3のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
塗布レバー220がハウジング210に対して回動することにより、ハウジング210が部品114の非水平面116から後退する際に、作業端222bがハウジング210に対して移動でき、より具体的には、留め具ヘッド112との接触を維持することができる。留め具ヘッド112とのこの接触により、既に留め具ヘッド112に塗布された材料104を作業端222bで再分配させることができる。
ハウジング210に対する塗布レバー220の回動は、手段240が与えるモーメントによって生じる。回動は、ハウジング210が部品114の非水平面116に対して移動し、塗布レバー220の当接部228がハウジング210に到達するまで継続する。回動は、双方向に可能であり、ハウジング210が部品114の非水平面116に対して前進する間は、一方向に回動し、ハウジング210が非水平面116から後退する間は、逆方向に回動する。ハウジング210が部品114の非水平面116に対して封止され、移動が停止すると、作業端222bは留め具ヘッド112に接触し、塗布レバー220はハウジング210に対し回動しなくなる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A、図2B、図2C及び図6A〜図6Dを参照すると、塗布レバー220は、貫通孔225を有する。アプリケータは、さらに、軸体230を含み、これは、ハウジング210に固定されているとともに、塗布レバー220の貫通孔225を通って突出している。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例5を特徴づけるものであり、また、実施例5は、上述の実施例4による技術的事項を包含する。
貫通孔225と軸体230との組み合わせにより、塗布レバー220は、ハウジング210に対して、少なくとも回動することが可能であり、また、いくつかの実施例では、ハウジング210に対して、より具体的には、軸体に230に対して並進移動することが可能である。軸体230は、実質的に、塗布レバー220がハウジング210に対して回動する際の回動中心として機能する。軸体230は、また、塗布レバー220の保持部としても機能して、塗布レバー220が他の種類の移動をしないよう規制する。
軸体230は、円筒形であってよい。軸体230は、ハウジング210の両縁部の間において突出する構成でもよく、これら両縁部で軸体230が支持される構成でもよい。軸体230は、塗布レバー220も支持することができる。貫通孔225と軸体230の組み合わせによって、塗布レバー220の動きを制御することができる。例えば、貫通孔225と軸体230の双方が(例えば、図2Dに示すように)円形であれば、塗布レバー220はハウジング210に対する移動としては、貫通孔225と軸体230の中心軸周りに回動のみが可能である。ただし、貫通孔225が長穴であれば、ハウジング210に対して塗布レバー220を並進移動させることも可能になる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2D及び図6Aを参照すると、塗布レバー220の貫通孔225は円形である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例6を特徴づけるものであり、また、実施例6は、上述の実施例5による技術的事項を包含する。
貫通孔225が円形であると、塗布レバー220は、ハウジング210に対して回動可能である。なお、貫通孔225が円形であると、塗布レバー220はハウジング210に対して並進移動できない。
ハウジング210に対する塗布レバー220の移動を制限することにより、アプリケータ200の動作を簡素化することができる。さらに、この特徴は、頂部表面が平坦な留め具ヘッド112について利用することができる。塗布レバー220の作業端222bから貫通孔225までの間の部分の長さは、少なくとも部分的には、留め具ヘッド112の直径に基づいて選択される。この部分の長さを選択する際の別の要素として、留め具ヘッド112の厚みがある。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A、図2B,図6C及び図6Dを参照すると、塗布レバー220の貫通孔225は、湾曲した長穴(curved slot)である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例7を特徴づけるものであり、また、実施例7は、上述の実施例5による技術的事項を包含する。
貫通孔225が長穴であると、塗布レバー22はハウジング210に対して回動、及び、並進移動が可能である。塗布レバー220は、任意の時点でハウジング210に対して回動可能であるが、塗布レバー220がハウジング210に対する並進移動を開始できる位置(例えば、ハウジング210に対する塗布レバー220の角度)は、貫通孔225の曲率により制御される。この並進移動の特徴を利用すれば、複雑な形状(例えば、半球形)の留め具ヘッド112に適合させる(accommodate)ことが可能になる。
貫通孔225の曲率は、留め具ヘッド112の個々の形状に合わせて具体的に設計することができる。例えば、留め具ヘッド112が半球形であれば、塗布レバー220はハウジング210に対して並進移動と回動との両方を行う必要がある。これらの特徴及びタイミング(曲率により決定される)を組み合わせれば、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112の接触を維持した状態で、作業端222bが留め具ヘッド112を径方向に横切るように移動させることができ、留め具ヘッド112に付着させた材料104を押し上げることができる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図6Bを参照すると、塗布レバー220の貫通孔225は直線的な長穴(straight slot)である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例8を特徴づけるものであり、また、実施例8は、上述の実施例5による技術的事項を包含する。
貫通孔225が直線的な長穴であると、塗布レバー220はハウジング210に対して回動可能であることに加えて、ハウジング210に対して並進移動も可能である。貫通孔225が直線的な長穴であると、塗布レバー220は、任意の時点でハウジング210に対して並進移動が可能である。同様に、塗布レバー220は、任意の時点でハウジング210に対して回動可能である。
貫通孔225が直線的な長穴であると、塗布レバー220は、任意の時点でハウジング210に対して回動及び並進移動することができるので、例えば上述した他の実施例に比べて、塗布レバー220の移動の自由度を高めることができる。この高い自由度により、他の設計では対応できないようなより多くの形状の留め具ヘッド112に、塗布レバー220の作業端222bを適合させることが可能になる。さらに、自由度が高いことによって塗布レバー220を短くすることが可能になり、アプリケータ200をさらに小型化することが可能になる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A、図2B及び図6Dを参照すると、塗布レバー220の貫通孔225は、ドッグレッグ形状(dogleg shape)である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例9を特徴づけるものであり、また、実施例9は、上述の実施例5による技術的事項を包含する。
貫通孔225のドッグレッグ形状は、湾曲形状の具体例であり、急峻な角度を伴うキャッチ部(catch)226を有する。このようなドッグレッグ形状によれば、塗布レバー220がハウジング210に対して所定の角度になるまで、より具体的には、貫通孔225のドッグレッグ形状の輪郭が手段240により加えられるモーメントに対して所定の角度になるまで、ハウジング210に対する塗布レバー220の並進移動の開始を遅らせることができる。塗布レバー220は、ドッグレッグ形状によって決まる閾値角度に達すると、ハウジング210に対する並進移動を開始する。
ドッグレッグ形状及びドッグレッグ形状に関連づけられた並進移動の遅延を利用すれば、特定の形状(例えば、半球状)の留め具ヘッド112に適合させることが可能になる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図5Cを参照すると、塗布レバー220は、さらに、塗布レバー220の起動端222aと作業端222bとの間に位置する材料通路227を有する。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例10を特徴づけるものであり、また、実施例10は、上述の実施例5〜9のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
材料通路227によって、材料が、塗布レバー220を迂回するのではなく、塗布レバー220を貫通するように流動することが可能になる。この特徴により、ハウジング210に材料104が充填されている場合に、また、軸部の幅が広い塗布レバー220を用いる場合に、ハウジング210内で塗布レバー220をより容易に移動させることができる。
材料通路227は、例えば図5Cに示すようなリングであってもよいし、これに類似する任意の他の特徴であってもよい。材料通路227は、起動端222aと作業端222bが互いに相補的となるとともに、塗布レバー220を介してモーメントが伝達されるように設計されている。材料通路227の大きさと形状は、材料の粘度、塗布レバー220の大きさ、ハウジング210の大きさ、及び、塗布レバー220が材料104中を移動する際の所望の速度に依存する。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図5Cを参照すると、貫通孔225の最小閉断面を含む平面に対して垂直な線は、第1平面内にある。また、材料通路227の最小閉断面を含む平面に対して垂直な線は、第2平面内にある。第1平面は、第2平面に対して垂直である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例11を特徴づけるものであり、また、実施例11は、上述の実施例10による技術的事項を包含する。
材料通路227の配向は、ハウジング210内における塗布レバー220の動作方向に対して実質的に垂直である。この配向により、材料通路227を通過する材料104の流動が、塗布レバー220における様々な固体部分に当たる流動よりも生じやすくなる。
貫通孔225の最小閉断面を含む第1平面は、実質的に、塗布レバー220がハウジング210に対して回動及び/又は並進移動する平面である。よって、塗布レバー220が材料104中を移動する際に発生する抵抗力は、この平面又はこの平面に平行な面内に生じる。したがって、材料通路227が、より具体的には、材料通路227の最小閉断面を含む第2平面が第1平面に対して垂直であると、この抵抗を小さくすることができる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2A及び図2Bを参照すると、塗布レバー220はハウジング210に対して並進移動することができる。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例12を特徴づけるものであり、また、実施例12は、上述の実施例4、5、7〜11のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
塗布レバー220がハウジング210に対して並進移動することにより、様々な形状の留め具ヘッド112に適合させることができる。また、ハウジングを部品114の非水平面116から後退させる際に、塗布レバー220の作業端222bが留め具ヘッド112と接触した状態を維持することができる。
この並進移動は、上述したように、塗布レバー220の長穴によって実現される。並進移動の方向は、長穴の形状により規定される。いくつかの実施例において、塗布レバー220は、ハウジング210に対する並進移動と回動の両方が可能である。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図5Dを参照すると、塗布レバー220は、さらに、塗布レバー220の起動端222aと作業端222bとの間に位置するテーパ部229を有する。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例13を特徴づけるものであり、また、実施例13は、上述の実施例1〜12のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
テーパ部229により、塗布レバー220が材料104を掻き分けて移動(例えば、ハウジング210に対して並進移動及び/又は回動)する際に、塗布レバー220の周りで材料104が流動しやすくなる。具体的には、テーパ部229は、塗布レバー220に作用する抗力(drag)を低減させる。
テーパ部229は、すみ肉(fillet)、面取り(chamfer)、あるいは、その他の任意の適当な特徴を含む。テーパ部229は、塗布レバー220の片側に設けてもよいし、塗布レバー220の両側に設けてもよい。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2Dを参照すると、貫通孔225の最小閉断面を含む平面に対して垂直な線は、第1平面内にある。テーパ部229の対称平面は、第1平面に対して垂直である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例14を特徴づけるものであり、また、実施例14は、上述の実施例13による技術的事項を包含する。
テーパ部229の配向は、ハウジング210内における塗布レバー220の動作方向に対して実質的に垂直である。この配向により、塗布レバー220の周りで材料104が流動しやすくなる。
貫通孔225の最小閉断面を含む第1平面は、実質的に、塗布レバー220がハウジング210に対して回動及び/又は並進移動する平面である。よって、塗布レバー220が材料104中を移動する際に発生する抵抗力は、この平面又はこの平面に平行な面内に生じる。したがって、テーパ部229が、より具体的には、テーパ部229の対称平面が第1平面に対して垂直であると、この抵抗を小さくすることができる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2Aを参照すると、塗布レバー220はハウジング210に対して移動可能であり、塗布レバー220の当接部228をハウジング210の内表面215に接触させることができる。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例15を特徴づけるものであり、また、実施例15は、上述の実施例1〜14のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
塗布レバー220の当接部228は、塗布レバー220の移動に対するポジティブ・ストップ(positive stop)の1つとして機能する。当接部228がハウジング210の内表面215に一旦接触すると、塗布レバー220は、手段240により与えられるモーメントを利用する方向にそれ以上移動することはできない。
塗布レバー220は、手段240により与えられるモーメントによって、あるいは、作業端222bに作用する力によって移動することができる。作業端222bが(例えば、図4Bに示すように)留め具ヘッド112に最初に接触する際は、当接部228はハウジング210の内表面215に接触している。ハウジング210がさらに非水平面116に近づくよう移動するのに伴って、塗布レバー220がハウジング210に対して移動して、(例えば、図4Cに示すように)内表面215に対する当接部228の接触が解除される。作業端222bが(例えば、図4G及び図4Hに示すように)留め具ヘッド112から離間するまで、再度の接触は生じない。言い換えると、作業端222bが留め具ヘッド112に接触しない限りは、塗布レバー220の当接部228は、塗布レバー220の移動に対するポジティブ・ストップとして機能する。
当接部228は、例えば、図2Aに模式的に示すような、起動端222aと作業端222bとの間に位置する突出部により構成できる。別の実施例では、当接部228は、起動端222aあるいは作業端222bに位置していてもよい。さらに、当接部228を手段240に組み込むことも可能である。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図5A及び図5Bを参照すると、塗布レバー220の作業端222bは、ローラ223a又は湾曲パドル223bのいずれか1つを含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例16を特徴づけるものであり、また、実施例16は、上述の実施例1〜15のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
ローラ223a又は湾曲パドル223bを作業端222bに設ける構成によれば、作業端222bは、大きな摩擦を発生させたり、留め具ヘッド112の表面の様々な凸部に引っ掛かったりすることなしに、留め具ヘッド112に対して(少なくとも径方向に)並進移動することができる。
図5Aは、塗布レバー220の作業端222bが湾曲パドル223bである構成を示している。湾曲パドル223bは、ハウジング210から材料104を除去した後の清掃が容易である。図5Bは、塗布レバー220の作業端222bがローラ223aである構成を示す。ローラ223aは、円筒形でもよい。なお、ローラ223a及び湾曲パドル223bのいずれも、留め具ヘッド112上の材料104を再分配させることができる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図2Aを参照すると、塗布レバー220の作業端222bをハウジング210の内部空間211から外側に延出させることが可能である。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例17を特徴づけるものであり、また、実施例17は、上述の実施例1〜16のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
塗布レバー220の作業端222bが内部空間211の外側に延出可能であると、厚みは小さいが径が大きいような留め具ヘッド112にも適合させることができる。
例えば、塗布レバー220がハウジング210に対して回動可能な場合、径方向への作業端222bの移動には、対応する軸方向の移動が伴う。したがって、径方向に大きく移動する必要がある場合には、作業端222bをハウジング210の内部空間211から外側に延出させることで、ハウジング210が非水平面116に対して封止される前に、必要な径方向の移動を行わせることができる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3を参照すると、部品114の非水平面116から突出する留め具ヘッド112に材料104を塗布する方法300が開示されている。材料104は、アプリケータ200を用いて塗布され、このアプリケータは、ハウジング210と、ハウジング210の内部空間211において延びる塗布レバー220と、塗布レバー220にモーメントを与えて、塗布レバー220の当接部228をハウジング210に向けて付勢させる手段240と、を含む。方法300は、部品114の非水平面116に対して垂直な軸に沿って、アプリケータ200を非水平面116に対して前進させることを含み、これにより塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112とを接触させるとともに、塗布レバー220の当接部228をハウジング210から離間させる(図3のブロック320)。また、方法300は、留め具ヘッド112を囲んで、ハウジング210の封止リム212を部品114の非水平面116に対して押圧することを含む(図3のブロック330)。加えて、方法300は、ハウジング210に材料104を少なくとも部分的に充填することを含む(図3のブロック340)。方法300は、さらに、非水平面116に対して垂直な軸に沿ってアプリケータ200を非水平面116から後退させることを含む(図3のブロック350)。この際、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112との間の接触を維持し(図3のブロック352)、塗布レバー220にモーメントを与える手段240によって、塗布レバー220の作業端222bがハウジング210に対して移動して(図3のブロック353)留め具ヘッド112を横切るとともに、ハウジング210に少なくとも部分的に充填された材料104を、留め具ヘッド112において非対称的に分配させて(図3のブロック354)、留め具ヘッド112の下側半分に比べてより多くの材料104を留め具ヘッド112の上側半分に偏在させる。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例18を特徴づけるものである。
方法300は、材料104を留め具ヘッド112において非対称的に分配させることができるので、これを利用することで、例えば、材料104が硬化する際に重力により生じる材料104の垂れ下がりを相殺することができる。このような非対称的な分配は、作業端222bが少なくとも径方向に留め具ヘッド112を横切って移動することで得られる。具体的には、アプリケータ200を非水平面116に対して垂直な軸202に沿って非水平面から後退させると、塗布レバー220の作業端222bがハウジング210に対して移動して留め具ヘッド112を横切って、材料104を非対称的に分配させる。
塗布レバー220の作業端222bが最初に留め具ヘッド112に接触すると、作業端222bが、留め具ヘッド112を第1径方向に横切るように摺動する。また、塗布レバー220の当接部228が、ハウジング210から離間するように移動する。この摺動は、アプリケータ200が部品114の非水平面116に対して前進するのに伴って生じ、ハウジング210の封止リム212が留め具ヘッド112を囲んで部品114の非水平面116に対して押圧されるまで継続する。ハウジング210に材料104が少なくとも部分的に充填されると、留め具ヘッド112と、いくつかの実施例では、ハウジング210内の非水平面116の部分と、に材料104が接触する。この接触の後、アプリケータ200を非水平面116から軸202に沿って後退させる。ここで、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112の間の接触は維持される。加えて、塗布レバー220の作業端222bがハウジング210に対して移動し、留め具ヘッド112を横切って、留め具ヘッド112において材料104を非対称的に分配させる。この分配が終了すると、留め具ヘッド112の下半分に比べてより多くの材料104が留め具ヘッド112の上半分に付着した状態になる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3、図2A及び図2Bを参照すると、方法300によれば、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112との接触を維持したまま、非水平面116に対して垂直な軸202に沿ってアプリケータ200を非水平面116から後退させるのに伴って、塗布レバー220はハウジング210に対して回動する(図3のブロック356)。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例19を特徴づけるものであり、また、実施例19は、上述の実施例18による技術的事項を包含する。
塗布レバー220がハウジング210に対して回動することにより、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112との接触を維持したまま、ハウジング210を非水平面116から後退させることが可能になる。この回動により、実質的に軸202に沿って、作業端222bをハウジング210に対して移動させることができる。なお、この回動により、作業端222bはハウジング210に対して径方向(例えば、軸202に対して垂直)にも移動する。
ハウジング210に対する塗布レバー220の回動は、ハウジング210の軸体230と塗布レバー220の貫通孔225とを組み合わせて用いることで実現可能である。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3、図2A、図2B及び図6B〜図6Dを参照すると、方法300によれば、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112との接触を維持したまま、非水平面116に対して垂直な軸に沿ってアプリケータ200を非水平面116から後退させるのに伴って、塗布レバー220はハウジング210に対して並進移動する(図3のブロック357)。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例20を特徴づけるものであり、また、実施例20は、上述の実施例19による技術的事項を包含する。
塗布レバー220がハウジング210に対して並進移動することにより、塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112との接触を維持したまま、ハウジング210を非水平面116から後退させることが可能になる。言い換えると、この並進移動により、実質的に軸202に沿って、作業端222bをハウジング210に対して移動させることができる。
ハウジング210に対する塗布レバー220の並進移動は、塗布レバー220の貫通孔225を長穴で構成し、ハウジング210の軸体230と組み合わせて用いることで実現可能である。長穴は、例えば図6Bに示すように、直線的な長穴であってもよい。あるいは、例えば図6C及び図6Dに示すように、湾曲した長穴でもよい。より具体的には、湾曲した長穴は、例えば、図6Dに示すようなキャッチ部を有する。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3及び図4Eを参照すると、方法300によれば、材料104をインレット217からハウジング210に注入して、材料104をハウジング210に少なくとも部分的に充填する(図3のブロック342)。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例21を特徴づけるものであり、また、実施例21は、上述の実施例18〜20のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
材料104をハウジング210に充填するのは、材料104を留め具ヘッド112及び留め具ヘッド112周辺の非水平面116に付着させることを目的とする。具体的には、ハウジング210が非水平面116に接触すると、材料104が留め具ヘッド112及び非水平面116に付着し、後にハウジング210を後退させても、留め具ヘッド112及び非水平面116に付着したまま残る。インレット217は、材料104をハウジング210内に注入するために使用される。
インレット217は、例えば、コーキングガン(caulking gun)やアプリケータなどの材料ディスペンサ装置にハウジング210を接続するために利用される。インレット217は、たとえば、図2Aに示すようなディスペンサ・アダプタ250を含みうる。材料104をハウジング210に供給する際、ハウジング210を材料104で完全に満たしてもよく、これにより、留め具ヘッド112、非水平面116、及び/又は、留め具ヘッド112と非水平面116の間の界面に空隙が発生したり、封止が不完全になったりすることを防止できる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3及び図4E〜図4Gを参照すると、方法300によれば、非水平面116に対して垂直な軸に沿ってアプリケータ200を非水平面116から後退させるのに伴って、塗布レバー220の作業端222bをハウジング210に対して移動させることは、ハウジング210の内部空間211内において延びる塗布レバー220に対して材料104を流動させることを含む(図3のブロック343)。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例22を特徴づけるものであり、また、実施例22は、上述の実施例18〜21のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
塗布レバー220がハウジング210に対して(またハウジング210の内部で)移動する際にハウジング210の内部空間211に材料104が充填されていれば、塗布レバー220は内部空間211内の材料104を掻き分けて移動し、材料104は塗布レバー220に対して流動する。言い換えると、塗布レバー220に対して材料104を流動させる。
塗布レバー220は、例えば、テーパ部229及び材料通路227などの様々な特徴を有しており、これにより、塗布レバー220に対して材料104が流動しやすくなる。また、ハウジング210内の材料140の分布が材料104の流動によって偏らないようにできる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3及び図4E〜図4Gを参照すると、方法300によれば、ハウジング210の内部空間211において延びる塗布レバー220に対して材料104を流動させることは、材料104の少なくとも一部を塗布レバー220の周りを流動させることを含む(図3のブロック344)。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例23を特徴づけるものであり、また、実施例23は、上述の実施例22による技術的事項を包含する。
材料104が充填されたハウジング210の内部空間211内を塗布レバー220が移動する間、塗布レバー220の周りを材料104が流動する。
塗布レバー220は、例えば、テーパ部229などの様々な特徴を備えており、これにより、塗布レバー220の周りを材料104が流動しやすくなる。また、ハウジング210内の材料140の分布が、材料104の流動によって偏らないようにできる。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3及び図4E〜図4Gを参照すると、方法300によれば、ハウジング210の内部空間211において延びる塗布レバー220の周りで材料104の少なくとも一部を流動させることは、塗布レバー220のテーパ部229の周りで材料104の少なくとも一部を流動させることを含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例24を特徴づけるものであり、また、実施例24は、上述の実施例23による技術的事項を包含する。
塗布レバー220は、テーパ部229を有し、これにより、材料104が充填されたハウジング210内を塗布レバー220が移動する際に、材料104が塗布レバー220の周りを流動しやすくなる。テーパ部229は、塗布レバー220に作用する材料104の抗力を効果的に低減させる。
テーパ部229は、すみ肉、面取り、あるいは、その他の任意の適当な特徴を含む。テーパ部229は、塗布レバー220の片側に設けてもよいし、塗布レバー220の両側に設けてもよい。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3及び図4E〜図4Gを参照すると、方法300によれば、ハウジング210の内部空間211において延びる塗布レバー220に対して材料104を流動させることは、材料104の少なくとも一部が塗布レバー220を貫通するように流動させることを含む(図3のブロック345)。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例25を特徴づけるものであり、また、実施例25は、上述の実施例22〜24のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
材料104が充填されたハウジング210の内部空間211内を塗布レバー220が移動する間、塗布レバー220は材料104に対しても移動する。例えば、塗布レバー220が材料通路227を有する場合、材料104は塗布レバー220を貫通して流動する。この流動に対する抵抗を、(例えば、材料104が塗布レバー220を通り抜けて流れるようにして)低減することで、作業端222bと留め具ヘッド112の接触を維持することができ、また。ハウジング210を非水平面116から後退させる速度を上げることができる。
材料通路227は、例えば図5Cに示すようなリングであってもよいし、これに類似する任意の他の特徴であってもよい。材料通路227は、起動端222aと作業端222bが互いに相補的に作用するとともに、塗布レバー220を介してモーメントが伝達されるように設計されている。材料通路227の大きさと形状は、材料の粘度、塗布レバー220の大きさ、ハウジング210の大きさ、及び、塗布レバー220が材料104を掻き分けて移動する際の所望の速度に依存する。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図5Cを参照すると、方法300によれば、塗布レバー220を貫通して材料104の少なくとも一部を流動させることは、塗布レバー220の材料通路227を通って材料の少なくとも一部を流動させること含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例26を特徴づけるものであり、また、実施例26は、上述の実施例25による技術的事項を包含する。
塗布レバー220は、例えば、図5Cに示すような材料通路227を備えてもよく、これにより材料104は、塗布レバー220を貫通して流動することができる。
材料通路227は、例えば図5Cに示すようなリングであってもよいし、これに類似する任意の他の特徴であってもよい。材料通路227は、起動端222aと作業端222bが互いに相補的に作用するとともに、塗布レバー220を介してモーメントが伝達されるように設計されている。材料通路227の大きさと形状は、材料の粘度、塗布レバー220の大きさ、ハウジング210の大きさ、及び、塗布レバー220が材料104を掻き分けて移動する際の所望の速度に依存する。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図3及び図4E〜図4Gを参照すると、方法300によれば、塗布レバー220の作業端222bがハウジング210に対して移動して留め具ヘッド112を横切るようにすることは、留め具ヘッド112を横切るように塗布レバー220の作業端222bを摺動させることを含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例27を特徴づけるものであり、また、実施例27は、上述の実施例18〜26のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
留め具ヘッド112を横切るように塗布レバー220の作業端222bを摺動させることにより、作業端222bと留め具ヘッド112との接触を維持することができる。具体的には、ハウジング210が後退する際、留め具ヘッド112上の材料104を作業端222bが再分配させる。
留め具ヘッド112を横切るように塗布レバー220の作業端222bを摺動させることは、塗布レバー220にモーメントを与える手段240によって塗布レバー220の作業端222bがハウジング210に対して移動し、留め具ヘッド112を横切ることで実現される。この結果、留め具ヘッド112の下半分に比べてより多くの材料104が留め具ヘッド112の上半分に位置するように、材料104を非対称的に分配させることができる。
概括的には図4E〜図4Gを参照し、具体的には、例えば図5Bを参照すると、方法300によれば、塗布レバー220の作業端222bがハウジング210に対して移動して留め具ヘッド112を横切るようにすることは、留め具ヘッド112を横切るように塗布レバー220の作業端222bを転がり移動(rolling)させることを含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例28を特徴づけるものであり、また、実施例28は、上述の実施例18〜26のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
塗布レバー220の作業端222bは、例えば、図5Bに示すようなローラ223aを有しており、留め具ヘッド112を横切るように作業端222bが転がり移動させることができる。これにより、留め具ヘッド112に対する作業端222bの抗力を低減することができ、留め具ヘッド112の様々な表面形状に作業端222bが追従することができ、損傷(たとえば、作業端222b及び留め具ヘッド112の掻き傷)が発生する可能性を低減することができる。
図5Bは、塗布レバー220の作業端222bに設けられたローラ223aを示す。ローラ223aは、円筒形でもよい。なお、ローラ223a及び湾曲パドル223bのいずれも、留め具ヘッド112上の材料104を再分配させることができる。
概括的には図3を参照し、具体的には、例えば図4F〜図4Hを参照すると、方法300は、さらに、非水平面116に対して垂直な軸に沿ってアプリケータ200を非水平面116から継続的に後退移動させることを含み、これにより塗布レバー220の作業端222bと留め具ヘッド112との間の接触を解除させるとともに、塗布レバー220の当接部228をハウジング210に接触させる。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例29を特徴づけるものであり、また、実施例29は、上述の実施例18〜28のうちの任意の1つによる技術的事項を包含する。
例えば、図4Gに模式的に示されるように、作業端222bによる留め具ヘッド112上の材料104の再分配が完了すれば、作業端222bを留め具ヘッド112から後退させる。この時点では、塗布レバー220の当接部228はハウジング210に接触しており、塗布レバー220は、ハウジングに対して手段240からの力によってそれ以上は移動できない状態にある。
概括的には図1を参照し、具体的には、例えば図4I〜図4Jを参照すると、方法300は、さらに、塗布レバー220の作業端222bによって留め具ヘッド112において非対称的に分配させた材料104を、重力を利用して再分配させて、留め具ヘッド112において対称的に分布させることを含む。本段落に記載したこの技術的事項は、本開示の実施例30を特徴づけるものであり、また、実施例30は、上述の実施例29による技術的事項を包含する。
作業端222bが留め具ヘッド112上の材料104の再分配を完了し、作業端222bが留め具ヘッド112から後退すると、材料104は作業端222bに支持されていない状態になり、材料104が重力によって留め具ヘッド112全体に再び拡がる。このように、重力による材料104の再分配によって、留め具ヘッド112上の材料104が均される。
本開示の実施例は、図7に示す航空機の製造及び保守方法1100、及び、図8に示す航空機1102に関連させて説明することができる。生産開始前の工程として、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様決定及び設計(ブロック1104)と、材料調達(ブロック1106)とを含む。生産中の工程として、航空機1102の部品及び小組立品(subassembly)の製造(ブロック1108)及びシステム統合(ブロック1110)が行われる。その後、航空機1102は、認証及び納品(ブロック1112)の工程を経て、就航(ブロック1114)に入る。就航期間中、航空機1102は、定例の整備及び保守のスケジュールに組み込まれる(ブロック1116)。定例の整備及び保守には、航空機1102の1つ又は複数のシステムの変更、再構成、改修、などが含まれうる。
例示的な方法1100の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又は、オペレータ(例えば、顧客)によって実行又は実施することができる。説明のために言及すると、システムインテグレータは、航空機メーカ及び主要システム(majority-system)下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体(military entity)、サービス組織(service organization)などであってもよい。
図8に示すように、例示的な方法1100によって製造される航空機1102は、複数の高水準システム1120と内装1122とを備えた機体1118を含む。高水準システム1120の例としては、推進系1124、電気系1126、油圧系1128及び環境系1130うちの1つ以上が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。また、航空宇宙産業における実施例について説明したが、本開示の原理は、例えば自動車産業などの他の産業に適用することができる。したがって、本明細書に開示した原理は、航空機1102以外にも、例えば、陸上車両、船舶、宇宙飛行体などの他の輸送体にも適用可能である。
本明細書において図示又は説明した装置及び方法は、製造及び保守方法1100の任意の1つ以上の段階において用いることができる。例えば、部品及び小組立品の製造工程(ブロック1108)に対応する部品又は小組立品は、航空機1102の就航期間中(ブロック1114)に製造される部品又は小組立品と同様の方法で製造することができる。また、1つ以上の実施例の装置、方法、又はそれらの組み合わせを、製造工程1108及び1110で用いることによって、例えば、航空機1102の組み立て速度を大幅に速めたりコストを削減したりすることができる。同様に、1つ以上の実施例の装置又は方法、あるいは、それらの組み合わせは、限定するものではないが、航空機1102の就航期間中(ブロック1114)及び/又は整備及び保守中(ブロック1116)に用いることができる。
本明細書に開示の装置及び方法の様々な実施例は、様々な部品、特徴及び機能を有する。なお、本開示の装置及び方法の様々な実施例は、本開示の装置及び方法の他の任意の実施例の部品、特徴、及び機能のいずれでも任意に組み合わせて含むことができ、そのすべての可能性は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。
本開示に関連する分野の当業者であれば、上述の説明及び添付図面に示された教示を受けて、本開示に記載された実施例に対する様々な改変を思いつくであろう。
したがって、本開示は、例示した特定の実施例に限定されるものではなく、変形例及び他の実施例も添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。また、上述の記載及び添付図面は、要素及び/又は機能のある特定の例示的な組み合わせに関連させて本開示の実施例を説明しているが、代替の実施態様において、要素及び/又は機能の別の組み合わせを提供することもでき、そのような組み合わせも添付の特許請求の範囲から逸脱するものではないことは理解されよう。