以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、露光装置を構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、X軸方向及びY軸方向の夫々が水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、夫々、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。
(1)第1実施形態
はじめに、図1から図23を参照しながら、第1実施形態の露光装置EX1について説明する。
(1−1)第1実施形態の露光装置EX1の構成
まず、図1を参照しながら、第1実施形態の露光装置EX1の構成の一例について説明する。図1は、第1実施形態の露光装置EX1の構成の一例を示す構成図である。
図1に示すように、露光装置EX1は、マスクステージ1と、照明系2と、投影光学系3と、液浸部材4Aと、基板ステージ5と、計測ステージ6と、計測システム7と、チャンバ装置8と、制御装置9とを備えている。
マスクステージ1は、マスク11を保持可能である。マスクステージ1は、保持したマスク11をリリース可能である。
マスク11は、基板ステージ5が保持する基板51に投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスク11は、例えば、ガラス板等の透明板と、当該透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたデバイスパターンとを含む透過型マスクであってもよい。但し、マスク11は、いわゆる反射型マスクであってもよい。
マスクステージ1は、マスク11を保持した状態で、照明系2から射出される露光光ELが照射される領域(つまり、後述の照明領域IR)を含む平面(例えば、XY平面)に沿って移動可能である。
例えば、マスクステージ1は、平面モータを含む駆動システム12の動作により移動してもよい。尚、平面モータを含む駆動システム12の一例は、例えば、米国特許第6,452,292号に開示されている。但し、駆動システム12は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。第1実施形態では、マスクステージ1は、駆動システム12の動作により、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向、並びに、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。尚、「マスクステージ1の所定方向に沿った移動」は、「マスクステージ1の所定方向のみに沿った移動」及び「所定方向に沿った方向成分を含む任意の方向に沿ったマスクステージ1の移動」の両方又は一方を含む。
照明系2は、露光光ELを射出する。照明系2からの露光光ELは照明領域IRに照射される。照明系2からの露光光ELは、照明領域IRに配置されたマスク11の一部に照射される。
露光光ELは、例えば、水銀ランプから射出される輝線(例えば、g線、h線若しくはi線等)又はKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光:Deep Ultra Violet光)であってもよい。露光光ELは、例えば、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光:Vacuum Ultra Violet光)であってもよい。
投影光学系3は、マスク11からの露光光EL(つまり、マスク11に形成されたデバイスパターンの像)を、基板51に対して投影する。具体的には、投影光学系3は、投影領域PRに露光光ELを投影する。投影光学系3は、デバイスパターンの像を、投影領域PRに配置された基板51の一部(例えば、後述するショット領域Sの少なくとも一部)に投影する。
第1実施形態では、投影光学系3は、縮小系である。例えば、投影光学系の投影倍率は、1/4であってもよいし、1/5であってもよいし、1/8であってもよいし、又は、その他の値であってもよい。但し、投影光学系3は、等倍系又は拡大系であってもよい。
投影光学系3は、反射光学素子を含まない屈折系であってもよい。投影光学系3は、屈折光学素子を含まない反射系であってもよい。投影光学系3は、反射光学素子及び屈折光学素子の双方を含む反射屈折系であってもよい。投影光学系3は、デバイスパターンの像を、倒立像として投影してもよい。投影光学系3は、デバイスパターンの像を、正立像として投影してもよい。
投影光学系3は、露光光ELが射出される射出面32を含む終端光学素子31を備えている。射出面32は、投影光学系3の像面に向けて露光光ELを射出する。終端光学素子31は、投影光学系3が含む複数の光学素子のうち、投影光学系3の像面に最も近い光学素子である。
終端光学素子31の光軸AXは、Z軸に平行である。この場合、終端光学素子31の光軸AXに平行な方向に着目すると、終端影光学素子31の入射面から射出面32に向かう方向が、−Z軸方向であり、且つ、射出面32から終端光学素子31の入射面に向かう方向が+Z軸方向である。但し、終端光学素子31の光軸AXは、Z軸に平行でなくてもよい。
尚、投影光学系3の光軸の少なくとも一部は、終端光学素子31の光軸AXと一致しており且つZ軸に平行であってもよい。この場合、Z軸方向に着目すると、投影光学系3から当該投影光学系3の像面に向かう方向が、−Z軸方向であり、且つ、投影光学系3から当該投影光学系3の物体面に向かう方向が、+Z軸方向である。
また、上述した投影領域PRの中心は、光軸AXと一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、投影領域PRは、光軸AX上に位置していなくともよい。
射出面32は、−Z軸方向を向いている。従って、射出面32から射出される露光光ELは、−Z軸方向に向かって進行する。射出面32は、XY平面(つまり、水平面)に平行な平面である。但し、射出面32の少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。射出面32の少なくとも一部は、曲面(例えば、凹面又は凸面)であってもよい。
終端光学素子31は、−Z軸方向を向いている射出面32に加えて、当該射出面32の周囲に配置されている外面33を含んでいる。露光光ELは、射出面32から射出される一方で、外面33からは射出されなくてもよい。外面33は、+Z軸方向側に向かうにつれて徐々に光軸AXから遠ざかる形状(つまり、光軸AXに対して傾斜する形状)を有している。但し、外面33の少なくとも一部は、その他の形状を有していてもよい。
投影光学系3は、基準フレーム37によって支持されている。基準フレーム37は、当該基準フレーム37の下側(つまり、−Z軸方向側)に配置されている装置フレーム38に支持されている。基準フレーム37と装置フレーム38との間には、防振装置39が配置されている。防振装置39は、装置フレーム38から基準フレーム37への振動の伝達を抑制する。防振装置39は、例えば、バネ装置を含んでいてもよい。バネ装置の一例として、金属又はゴム等の弾性部材を含むバネ、又は、空気等の気体を含むバネ(いわゆる、エアマウント)が例示される。
液浸部材4Aは、液浸空間LSを形成する。液浸空間LSは、例えば純水である液体LQで満たされた空間(言い換えれば、部分又は領域)を意味する。尚、液浸部材4Aの詳細な構成については、図2から図3等を参照しながら後に詳述する。
基板ステージ5は、基板51をリリース可能に保持する保持部と、保持部の周囲に配置された上面52とを備えている。上面52は、基板51の上面と平行な平面である。上面52は、基板51の上面と同一平面内に配置されている。但し、上面52の少なくとも一部は、基板51の上面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでいてもよい。上面52の少なくとも一部は、基板51の上面と同一平面内に配置されていなくてもよい。尚、基板ステージ5の一例は、例えば、米国特許出願公開第2007/0177125号及び米国特許出願公開第2008/0049209号に開示されている。
基板ステージ5は、基板51を保持した状態で、投影領域PRを含む平面(例えば、XY平面)に沿って移動可能である。基板ステージ5は、ベース部材81のガイド面811上を移動可能である。尚、ガイド面811と投影領域PRを含む平面(例えば、XY平面)とは、実質的に平行であってもよい。
例えば、基板ステージ5は、平面モータを含む駆動システム82の動作により移動してもよい。尚、平面モータを含む駆動システム82の一例は、例えば、米国特許第6,452,292号に開示されている。駆動システム82が含む平面モータは、基板ステージ5に配置された可動子825と、ベース部材81に配置された固定子828とを含んでいてもよい。但し、駆動システム82は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。第1実施形態では、基板ステージ5は、駆動システム82の動作により、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向、並びに、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。尚、「基板ステージ5の所定方向に沿った移動」は、「基板ステージ5の所定方向のみに沿った移動」及び「所定方向に沿った方向成分を含む任意の方向に沿った基板ステージ5の移動」の両方又は一方を含む。
基板51は、デバイスを製造するための基板である。基板51は、例えば半導体ウェハ等の基材と、当該基材上に形成された感光膜とを含んでいる。感光膜は、例えば、感光材(例えば、フォトレジスト)の膜である。尚、基板51は、感光膜に加えて、他の膜(例えば、基板51の表面での露光光ELの意図せぬ反射を防止する反射防止膜及び基板51の表面を保護する保護膜の両方又は一方等)を含んでいてもよい。
計測ステージ6は、基板51を保持しない一方で、露光光ELを計測する計測部材(言い換えれば、計測器)61を保持可能である。つまり、第1実施形態の露光装置EX1は、基板ステージ5と計測ステージ6とを備える露光装置である。このような露光装置の一例は、例えば、米国特許第6,897,963号及び欧州特許出願公開第1713113号に開示されている。
計測ステージ6は、計測部材61を保持した状態で、投影領域PRを含む平面(例えば、XY平面)に沿って移動可能である。計測ステージ6は、基板ステージ5と同様に、ベース部材81のガイド面811上を移動可能である。
例えば、計測ステージ6は、基板ステージ5と同様に、平面モータを含む駆動システム82の動作により移動してもよい。駆動システム82が含む平面モータは、計測ステージ6に配置された可動子826と、ベース部材81に配置された固定子828とを含んでいてもよい。但し、駆動システム82は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。第1実施形態では、計測ステージ6は、駆動システム82の動作により、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向、並びに、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。尚、「計測ステージ6の所定方向に沿った移動」は、「計測ステージ6の所定方向のみに沿った移動」及び「所定方向に沿った方向成分を含む任意の方向に沿った計測ステージ6の移動」の両方又は一方を含む。
計測システム7は、基板ステージ5及び計測ステージ6の位置を計測する。基板ステージ5及び計測ステージ6の位置を計測するために、計測システム7は、干渉計システムを含んでいてもよい。干渉計システムは、基板ステージ5に配置されている計測ミラー及び計測ステージ6に配置されている計測ミラーの夫々に計測光を照射すると共に、当該計測光の反射光を検出することで基板ステージ5及び計測ステージ6の位置を計測してもよい。但し、計測システム7は、干渉計システムに加えて又は代えて、基板ステージ5及び計測ステージ6の位置を計測するエンコーダシステムを含んでいてもよい。尚、エンコーダシステムの一例は、例えば、米国特許出願公開第2007/0288121号に開示されている。
チャンバ装置8は、空間CSの環境(例えば、温度、湿度、圧力及びクリーン度のうちの少なくとも一つ)を調整する。空間CSには、少なくとも、終端光学素子31、液浸部材4A、基板ステージ5及び計測ステージ6が配置されている。但し、マスクステージ1及び照明系2のうちの少なくとも一部が空間CSに配置されていてもよい。
制御装置9は、露光装置EX1全体の動作を制御する。制御装置9は、露光装置EX1全体の動作を制御するコントローラー91と、コントローラー91に接続され且つ露光装置EX1の動作に用いられる各種情報を記憶するメモリ92とを含んでいる。
コントローラー91は、露光装置EX1が露光光ELを用いて基板51を露光する際には、計測システム7の計測結果に基づいて、基板ステージ5の位置を制御する。つまり、コントローラー91は、基板ステージ5を移動させるように、駆動システム82を制御する。コントローラー91は、露光装置EX1が露光光ELを用いて基板51を露光する際に、マスクステージ1の位置を制御する。つまり、コントローラー91は、マスクステージ1を移動させるように、駆動システム12を制御する。コントローラー91は、露光装置EX1が計測ステージ6を用いて露光光ELを計測する際には、計測システム7の計測結果に基づいて、計測ステージ6の位置を制御する。つまり、コントローラー91は、計測ステージ6を移動させるように、駆動システム82を制御する。
コントローラー91は、後に詳述するように、液浸部材4Aの少なくとも一部の部材(例えば、図2を参照しながら詳述する第2部材42)の位置を制御する。尚、液浸部材4Aの少なくとも一部の部材の移動態様については、図4及び図5を参照しながら後に詳述する。
(1−2)第1実施形態の液浸部材4A
続いて、図2から図5を参照して、第1実施形態の液浸部材4Aについて説明する。
(1−2−1)第1実施形態の液浸部材4Aの構成
はじめに、図2から図3を参照して、第1実施形態の液浸部材4Aの構成について説明する。図2は、第1実施形態の液浸部材4Aの断面図(XZ平面に平行な断面図)である。図3は、第1実施形態の液浸部材4Aを下側(−Z軸方向側)から観察した平面図と第1実施形態の液浸部材4Aの断面図(XZ平面に平行な断面図)とを関連付けて示す説明図である。
以下の説明では、特段の説明がない場合には、“上側(上方側)”は、+Z軸方向側を意味するものとする。“下側(下方側)”は、−Z軸方向側を意味するものとする。“内側”とは、光軸AXの放射方向における内側であって、光軸AXに近づく側を意味するものとする。“外側”とは、光軸AXの放射方向における外側であって、光軸AXから遠ざかる側を意味するものとする。
図2に示すように、液浸部材4Aは、射出面32及び液浸部材4Aの下側で移動可能な物体の少なくとも一部の上に液浸空間LSを形成する。従って、物体は、液浸空間LSに面しつつ、射出面32及び液浸部材4Aの両方に対向可能である。
物体は、基板ステージ5であってもよい。この場合、液浸部材4Aは、基板ステージ5の少なくとも一部の上に液浸空間LSを形成する。物体は、基板ステージ5が保持する基板51であってもよい。この場合、液浸部材4Aは、基板51の少なくとも一部の上に液浸空間LSを形成する。物体は、計測ステージ6又は計測ステージ6が保持する計測部材61であってもよい。この場合、液浸部材4Aは、計測ステージ6の少なくとも一部の上又は計測部材61の少なくとも一部の上に液浸空間LSを形成する。
液浸部材4Aは、2つの異なる物体に跨る液浸空間LSを形成してもよい。例えば、液浸部材4Aは、上面52と基板51とに跨る液浸空間LSを形成してもよい。例えば、液浸部材4Aは、基板ステージ5と計測ステージ6とに跨る液浸空間LSを形成してもよい。
尚、以下の説明では、説明の簡略化の観点から、物体が基板51であるものとして説明を進める。
液浸部材4Aは、露光光ELの光路ATが液体LQで満たされるように、液浸空間LSを形成する。例えば、液浸部材4Aは、光路ATのうち射出面32と基板51との間の光路ATLが液体LQで満たされるように、液浸空間LSを形成してもよい。液浸部材4Aは、投影領域PRを含む基板51の上面の少なくとも一部の領域が液体LQで覆われるように、液浸空間LSを形成してもよい。射出面32からの露光光ELは、液体LQを介して基板51に投影される。つまり、第1実施形態の露光装置EX1は、液体LQを介して投影される露光光ELを用いて基板51を露光する液浸露光装置である。
液浸部材4Aは、液浸空間LSの一部を、終端光学素子31と基板51との間の空間に形成する。液浸部材4Aは、液浸空間LSの一部を、液浸部材4Aと基板51との間の空間に形成する。
このような液浸空間LSを形成するために、図2及び図3に示すように、液浸部材4Aは、第1部材41と、第2部材42とを備えている。以下、第1部材41及び第2部材42について、順に説明する。
はじめに、第1部材41について説明する。
第1部材41は、光路ATの周囲に配置されている。第1部材41は、光路ATを取り囲むことが可能な形状を有している。ここで言う「光路AT」は、上述した光路ATL及び終端光学素子31内の露光光ELの光路ATOの両方又は一方を含んでいてもよい。図3に示す例では、第1部材41は、光路ATを取り囲むことが可能な形状の一例である環状又は閉ループ状の形状を有している。光路ATを取り囲むことが可能な形状の他の一例として、例えば、枠状の形状(例えば、非円形若しくは多角形又は楕円等の枠を形成する形状)が例示される。
第1部材41は、第1部材41と終端光学素子31との間に間隙(具体的には、空間SP2)が形成されるように配置されている。第1部材41は、終端光学素子31と接触しないように配置されている。
第1部材41は、終端光学素子31の周囲に配置されている。第1部材41は、終端光学素子31を取り囲むことが可能な形状を有している。この場合、第1部材41は、終端光学素子31を保護する保護部材として機能してもよい。例えば、第1部材41は、第2部材42と終端光学素子31との接触を防止する保護部材として機能してもよい。
第1部材41の一部(例えば、後述する下面4111及び内側面4121の一部)は、射出面32の下側に配置されている。但し、第1部材41は、射出面32の下側に配置されていなくてもよい。
第1部材41の一部(例えば、後述する第1部分411の一部)は、第2部材42の一部(例えば、後述する第2部分422)の下側に配置されている。従って、第1部材41の一部(例えば、後述する下面4111)は、基板51に対向する。第1部材41の一部(例えば、後述する第3部分413)は、第2部材42の一部(例えば、後述する第2部分422の一部)の上側に配置されている。第1部材41の一部(例えば、後述する第1部分411)は、第2部材42の一部(例えば、後述する第1部分421)の内側に配置されている。
第1部材41は、実質的に移動しない。つまり、第1部材41は、実質的に固定されている。例えば、第1部材41は、不図示の支持部材を介して装置フレーム38に固定されていてもよい。尚、投影光学系3及び終端光学素子31の両方又は一方もまた、実質的に移動しない(つまり、実質的に固定されている)。
このような第1部材41は、第1部分411と、第2部分412と、第3部分413とを備えている。
第1部分411は、液浸空間LSの一部となり得る空間SP1を介して基板51の一部に対向する。第1部分411は、XY平面(或いは、基板51の表面に平行な平面)に沿って広がる板状の(言い換えれば、プレート状の)形状を有している。
第1部分411は、下面4111と、上面4112と、外側面4113とを備える。
下面4111は、下側を向いている平面である。下面4111は、空間SP1を介して基板51の一部に対向する。下面4111は、上面4112及び外側面4113の両方又は一方よりも下側に配置されている。下面4111は、XY平面に平行(つまり、光軸AXに垂直)である。下面4111は、射出面32よりも下側に配置されている。
上面4112は、上側を向いている平面である。上面4112は、外側面4113よりも上側に配置されている。上面4112は、XY平面に平行である。従って、上面4112と下面4111とにより、第1部分411の板状の形状を有する部分が形成される。
上面4112の少なくとも一部は、液体LQに対して撥液性を有している。例えば、液浸空間LSに面する可能性がある上面4112の少なくとも一部は、液体LQに対して撥液性を有している。上面4112が撥液性を有するために、例えば、上面4112の少なくとも一部は、フッ素を含む樹脂の膜の表面を含んでいてもよい。このような樹脂の一例として、例えば、PFA(tetra fluoro ethylen−perfluoro alkylvinyl ether copolymer)、又は、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)が例示される。
外側面4113は、外側を向いている平面である。外側面4113は、光軸AXに平行である。外側面4113は、下面4111の外側端部と上面4112の外側端部とを繋ぐ(言い換えれば、連結する又は結ぶ)。従って、外側面4113の下側端部は、下面4111の外側端部と一致している。外側面4113の上側端部は、上面4112の外側端部と一致している。
第2部分412の一部は、液浸空間LSの一部となり得る空間SP2を介して外面33に対向する。
第2部分412は、内側面4121と、外側面4122とを備える。
内側面4121は、内側を向いている平面である。内側面4121は、下面4111の内側端部から上側に向かって延びる。従って、内側面4121の下側端部は、下面4111の内側端部と一致している。
内側面4121の一部は、空間SP2を介して外面33に対向する。内側面4121は、外面33に平行である。内側面4121は、XY平面に対して傾斜している。内側面4121は、外面33と同様に、下側端部から上側に向かって且つ外側に向かって延びる。
外側面4122は、外側を向いている平面である。外側面4122は、上面4112の内側端部から上側に向かって延びる。従って、外側面4122の下側端部は、上面4112の内側端部と一致している。
外側面4122は、外面33に対向していない。外側面4122は、内側面4121に平行である。外側面4122は、XY平面に対して傾斜している。外側面4122は、内側面4121と同様に、下側端部から上側に向かって且つ外側に向かって延びる。
第3部分413は、基板51に対向していない。第3部分413は、XY平面(或いは、基板51の表面に平行な平面)に沿って広がる板状の(言い換えれば、プレート状の)形状を有していてもよい。
第3部分413は、上面4131と、下面4132とを備える。
上面4131は、上側を向いている平面である。上面4131は、XY平面に平行である。上面4131は、内側面4121の上側端部から外側に向かって延びる。従って、上面4131の内側端部は、内側面4121の上側端部と一致している。
上面4131の少なくとも一部は、上面4112と同様に、液体LQに対して撥液性を有している。その結果、空間SP2から上面4131への液体LQの流出が抑制される。
下面4132は、下側を向いている平面である。下面4132は、外側面4122の上側端部から外側に向かって延びる。従って、下面4132の内側端部は、外側面4122の上側端部と一致している。下面4132は、上面4131よりも下側に配置されている。下面4132は、XY平面に平行である。上面4131と下面4132とにより、第3部分413の板状部分が形成される。
第1部材41は、更に、射出面32からの露光光ELが通過可能な開口415を備えている。開口415は、内側面4121の下側端部で規定される。開口415の周囲には、下面4111が配置されている。開口415の中心は、光軸AXに一致している。開口415の中心は、射出面32の中心と一致している。XY平面に沿った開口415の径及び面積は、射出面32の径及び面積よりも小さい。XY平面上における開口415の形状は、例えば円形の形状であってもよい(図3参照)。
尚、説明の便宜上、上述した説明では、第1部材41が、第1部分411、第2部分412及び第3部分413を備えている。しかしながら、第1部材41は、第1部分411、第2部分412及び第3部分413のうちの少なくとも一つを規定していなくてもよい。
続いて、第2部材42について説明する。
第2部材42は、光路ATの周囲に配置されている。このため、第2部材42は、光路ATを取り囲むことが可能な形状を有している。図3に示す例では、第2部材42は、光路ATを取り囲むことが可能な形状の一例である環状又は閉ループ状の形状を有している。
第2部材42は、第2部材42と終端光学素子31との間に第1部材41の一部が配置されるように配置されている。第2部材42は、終端光学素子31と接触しないように配置されている。
第2部材42は、第2部材42の一部(例えば、後述する下面4211及び下面4221の両方又は一方の少なくとも一部)が基板51に対向するように配置されている。第2部材42は、第1部材41と接触しないように配置されている。第2部材42は、第2部材42と第1部材41との間に間隙が形成されるように配置されている。第2部材42の一部(例えば、後述する第2部分422の一部)は、第1部材41の一部(例えば、第1部分411の一部)の上側に配置されている。第2部材42の一部(例えば、後述する第1部分421)は、第1部材41の一部(例えば、第1部分411)の外側に配置されている。
第2部材42は、可動部材である。例えば、第2部材42は、コントローラー91によって制御される駆動装置451の動作によって移動可能であってもよい。駆動装置451は、支持部材453を介して装置フレーム38に固定されていてもよい。但し、支持部材453が設けられていなくてもよい。駆動装置451は、例えばモータ等を含んでいてもよい。例えば、駆動装置451の可動子(不図示)を支持部材452に接続し、固定子を装置フレーム38に接続してもよい。駆動装置451による第2部材42の移動に伴って発生する反力の少なくとも一部は、装置フレーム38に伝達させてもよい。第2部材42の移動に伴う反力により装置フレーム38が振動しても、防振装置39により、投影光学系3は、その影響を実質的に受けない。尚、駆動装置451が、第2部材42の移動に伴う反力の少なくとも一部をキャンセルする機構を有していてもよい。例えば、基板ステージ5の駆動システム82などに搭載されているカウンターマス方式の反力キャンセル機構と同様の機構を駆動装置451に適用することができる。
駆動装置451は、一端が第2部材42に連結され且つ他端が駆動装置451に連結されている支持部材452を移動させてもよい。支持部材452の移動に伴って、支持部材452に連結されている第2部材42が移動してもよい。
第2部材42は、X軸方向及びY軸方向の夫々に沿って移動する。つまり、第2部材42は、光軸AXに垂直な方向(つまり、XY平面内の任意の方向)に沿って移動する。尚、「第2部材42の所定方向に沿った移動」は、「第2部材42の所定方向のみに沿った移動」及び「所定方向に沿った方向成分を含む任意の方向に沿った第2部材42の移動」の両方又は一方を含む。
第2部材42は、実質的に固定されている終端光学素子31に対して移動可能であってもよい。第2部材42の移動に伴い、終端光学素子31と第2部材42との間の相対位置が変化する。
第2部材42は、光路ATの外側で移動可能である。
第2部材42は、第1部材41に対して、相対的に移動する。第2部材42の移動に伴い、第1部材41と第2部材42との間の相対位置が変化する。
第2部材42の少なくとも一部は、第1部材41の上側において移動可能である。第2部材42の少なくとも一部は、第1部材41の外側において移動可能である。第2部材42の少なくとも一部は、基板51の上側において移動可能である。
第2部材42は、液浸空間LSが形成されている状態で移動してもよい。例えば、第2部材42は、射出面32と基板51との間が液体LQで満たされている状態で移動してもよい。但し、第2部材42は、液浸空間LSが形成されていない状態で移動してもよい。
第2部材42は、第1部分421と、第2部分422とを備えている。
第1部分421の一部は、液浸空間LSの一部となり得る空間SP1を介して基板51の一部に対向する。第1部分421は、第1部材41の一部(例えば、第1部分411)よりも外側に配置されている。第1部分421は、第2部分422よりも外側に配置されている。
第1部分421の厚さ(例えば、Z軸方向のサイズ)は、第1部分411の厚さよりも厚い。第1部分421は、第2部材42が移動する際に剛体として振る舞うことが可能な形状を有している。例えば、第1部分421は、第2部材42が移動する際に剛体として振る舞うことが可能となる程度のサイズ(例えば、長さ及び厚さの両方又は一方)を有している。
第1部分421は、下面4211と、内側面4212とを備えている。
下面4211は、下側を向いている平面である。下面4211は、空間SP1を介して基板51の一部に対向する。下面4211は、内側面4212よりも下側且つ外側に配置されている。下面4211は、第1部材41の一部(例えば、下面4111を含む第1部分411)よりも外側に配置されている面である。下面4211は、XY平面に平行である。下面4211は、射出面32よりも下側に配置されている。下面4211は、液体LQに対して親液性を有している。
Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離は、Z軸方向における下面4111と基板51との間の距離と同一である。Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離は、Z軸方向における上面4112と基板51との間の距離よりも小さい。つまり、下面4211は、上面4112よりも下側に配置されている。
内側面4212は、内側を向いている平面である。内側面4212は、光軸AXに平行である。内側面4212は、外側面4113に平行である。内側面4212は、下面4211の内側端部と後述する下面4221の外側端部とを繋ぐ。従って、内側面4212の下側端部は、下面4211の内側端部と一致している。内側面4212の上側端部は、下面4221の外側端部と一致している。
内側面4212の一部は、XY平面に平行な方向に沿って、外側面4113に対向する。内側面4212の一部は、XY平面に平行な方向に沿って、上面4112と下面4221との間の間隙(具体的には、空間SP3)に対向する。
第2部材42は、内側面4212が外側面4113と接触しないように移動する。つまり、第2部材42は、内側面4212と外側面4113との間に間隙が確保され続けるように移動する。
第2部分422は、第1部分421よりも内側に配置されている。
第2部分422の一部は、第1部分411と第2部分412と第3部分413とによって囲まれた空隙に配置されている。その結果、第2部材422の移動に伴う第2部材42の終端光学素子31への意図しない接触が好適に防止される。
第2部分422の一部(例えば、後述する下面4221の一部)は、第1部材41の一部(例えば、上面4112の一部)の上側に配置されている。第2部分422の一部は、空間SP3を介して、第1部材41の一部に対向する。尚、第2部分422は、第2部材42の移動に伴って第1部材41の上側に配置されたり配置されなかったりする部分を有していてもよい。
第2部分422は、下面4221と、内側面4222とを備えている。
下面4221は、下側を向いている平面である。下面4221は、内側面4222よりも下側に配置されている。下面4221は、上面4112に平行である。下面4221は、XY平面に平行である。
下面4221の一部は、空間SP3を介して上面4112の一部に対向する。第2部材42は、下面4221の一部が、上面4112の上側に配置され続けるように移動する。第2部材42は、下面4221の一部と上面4112の一部との間の空間SP3が確保され続けるように移動する。尚、下面4221は、第2部材42の移動に伴って上面4112の一部に対向したり、対向しなかったりする部分を含んでもよい。
Z軸方向における下面4221と基板51との間の距離は、Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離よりも大きい。つまり、下面4221は、下面4211よりも上側に配置されている。
Z軸方向における下面4221と上面4112との間の空間SP3のサイズは、毛細管現象に起因して空間SP1から空間SP3に液体LQが浸透してくることが可能となる程度のサイズである。例えば、Z軸方向における空間SP3のサイズは、0.2mmから1.0mmの範囲内の任意のサイズであってもよい。
下面4221は、液体LQに対して親液性を有している。但し、下面4221は、液体LQに対して撥液性を有していてもよい。
内側面4222は、内側を向いている面である。内側面4222は、外側面4122の一部に対向する。内側面4222は、外側面4122に平行である。内側面4222は、下側端部から上側に向かって且つ外側に向かって延びる。内側面4222の下側端部は、下面4221の内側端部と一致している。内側面4222は、下面4221の内側端部から上側に向かって延びる。
第2部材42は、内側面4222が外側面4122に接触しないように移動する。第2部材42は、内側面4222と外側面4122との間に間隙が確保され続けるように移動する。
第2部材42は、更に、射出面32からの露光光ELが通過可能な円形の開口425を備えている。開口425は、内側面4222の下側端部で規定される。開口425の周囲には、下面4221が配置されている。開口425の内側には、第1部材41の一部が配置されている。開口425の中心が光軸AXに一致するように第2部材42が位置している場合、図2に示すように、下面4221の内縁部と上面4112の外縁部が対向し、環状(ループ状)空間SP3が形成される。
XY平面における開口425の径及び面積は、XY平面における開口415の径及び面積よりも大きい。
尚、説明の便宜上、上述の説明では、第2部材42は、第1部分421及び第2部分422を備えている。しかしながら、第2部材42は、第1部分421及び第2部分422の少なくとも一部を規定していなくてもよい。
液浸部材4Aは、更に、液体供給口431と、液体供給口432と、流体回収口441と、流体回収口442とを備えている。以下、液体供給口431と、液体供給口432と、流体回収口441と、流体回収口442とについて、順に説明する。
まず、液体供給口431について説明する。
液体供給口431は、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給する。液体供給口431は、内側面4121に形成されている。液体供給口431は、空間SP2に面するように形成されている。液体供給口431は、光路空間SPKに面するように形成され、外面33と対向していなくてもよい。
液体供給口431は、終端光学素子31の周囲(言い換えれば、光路ATの周囲)に断続的に分布するように形成されている。例えば、液体供給口431は、内側面4121上で定義される仮想的な円(例えば、開口415の中心周りの仮想的な円)に沿って、等間隔で又はランダムに複数形成されていてもよい。
液体供給口431には、コントローラー91の制御の下で、液体供給路を介して、クリーンで温度調整された液体LQが供給される。液体供給口431から、空間SP2に対して、液体LQが供給される。液体供給口431から空間SP2に対して供給された液体LQの少なくとも一部は、光路ATLを含む光路空間SPKに供給され、光路ATLが液体LQで満たされる。
液体供給口431から空間SP2に対して供給された液体LQの少なくとも一部は、開口415を介して、空間SP1に供給されてもよい。液体供給口431から空間SP2に対して供給された液体LQの少なくとも一部は、開口415を介して、空間SP3に供給されてもよい。
続いて、液体供給口432について説明する。
液体供給口432は、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給する。液体供給口432は、下面4211に形成されている。液体供給口432は、空間SP1に面するように形成されている。液体供給口432は、基板51に面するように形成されている。
液体供給口432は、終端光学素子31の周囲(露光光ELの光路ATの周囲)に断続的に分布するように形成されている。例えば、液体供給口432は、図3に示すように、下面4211上で定義される仮想的な円(例えば、開口425の中心周りの仮想的な円)に沿って、等間隔で又はランダムに複数形成されていてもよい。
液体供給口432には、コントローラー91の制御の下で、液体供給口431に液体LQを供給する流体供給路と同一の又は異なる液体供給路を介して、クリーンで温度調整された液体LQが供給される。液体供給口432から、空間SP1に対して液体LQが供給される。液体供給口432から空間SP1に対して供給された液体LQの少なくとも一部は、空間SP3に供給されてもよい。
続いて、流体回収口441について説明する。
流体回収口441は、液浸空間LS(特に、空間SP1)から液体LQを回収する。流体回収口441は、下面4211の外側に形成されている。流体回収口441は、下面4211の周囲に形成されている。流体回収口441は、空間SP1に面するように形成されている。流体回収口441は、空間SP1を介して基板51に対向するように形成されている。尚、第1部分421の流体回収口441の外側の下面(流体回収口441の周囲の下面)は、液体LQに対して撥液性を有している。
流体回収口441は、液体供給口432よりも外側に形成されている。
流体回収口441は、終端光学素子31の周囲(言い換えれば、光路ATの周囲)に連続的に分布するように形成されている。例えば、流体回収口441は、下面4211上で定義される仮想的な円(例えば、開口425の中心周りの仮想的な円)に沿って連続的に分布するように形成されていてもよい。
流体回収口441には、メッシュプレート等の多孔部材4411が配置されている。多孔部材4411は、基板51の上面に対向する下面と、流体回収路に面する上面と、当該上面及び当該下面を結ぶ複数の孔とを含んでいる。流体回収口441は、多孔部材4411を介して、液浸空間LS(特に、空間SP1)から液体LQを回収する。但し、流体回収口441には、多孔部材4411が配置されていなくてもよい。尚、多孔部材4411の複数の孔の一つを流体回収口441と称してもよい。
流体回収口441からは、コントローラー91の制御の下で、流体回収口441に配置された多孔部材4411を介して液体LQが回収される。例えば、コントローラー91の制御の下で、多孔部材4411の上面側の圧力と多孔部材4411の下面側の圧力との差が調整されることで、流体回収口441から液体LQが回収されてもよい。
続いて、流体回収口442について説明する。
流体回収口442は、液浸空間LS(特に、空間SP3)から液体LQを回収する。流体回収口442は、下面4221に形成されている。流体回収口442は、空間SP3に面するように形成されている。流体回収口442は、空間SP3を介して上面4112に対向するように形成されている。
第2部材42は、空間SP3に流体回収口442が面し続けるように移動する。第2部材42は、上面4112に流体回収口442が対向し続けるように移動する。
流体回収口442は、第2部材42に形成されている液体供給口432よりも内側に形成されている。流体回収口442は、下面4221のうち相対的に内側の箇所に形成されている。
流体回収口442は、終端光学素子31の周囲(言い換えれば、露光光ELの光路ATの周囲)に連続的に分布するように形成されている。例えば、流体回収口442は、下面4221上で定義される仮想的な円(例えば、開口425の中心周りの仮想的な円)に沿って連続的に分布するように形成されていてもよい。流体回収口442は、開口425に沿って下面4221に形成されていてもよい。
流体回収口442からは、コントローラー91の制御の下で、液体LQが回収される。
以上説明した第1実施形態の液浸部材4Aでは、第2部材42の少なくとも一部が液浸空間LSに面しているため、第2部材42の移動は、液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動を引き起こし得る。しかしながら、第1実施形態では、第2部材42が第1部材41よりも外側で移動するため、第2部材42の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が、終端光学素子31に伝達されにくくなる。
第1実施形態の液浸部材4Aでは、内側面4212が内側に向いているため、内側面4212のうち光路ATに近づくように移動する部分は、液浸空間LS内の液体LQを押し分けるように移動する。しかしながら、第1実施形態の液浸部材4Aでは、内側面4212が第1部分411よりも外側に配置されているため、内側面4212の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が、終端光学素子31に伝達されにくくなる。
また、光軸AXに沿った内側面4212の大きさは例えば数mmであり、内側面4212の面積は比較的小さいため、内側面4212の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が起こりにくい。
また、第1部材41(例えば、外側面4113)と第2部材42(例えば、内側面4212)との間の液体LQの少なくとも一部が空間SP3に進入し得る。このため、内側面4212の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が空間SP3への液体LQの流入によって打ち消されやすくなる。従って、第2部材42の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が、終端光学素子31により一層伝達されにくくなる。
このように、第1実施形態の液浸部材4Aでは、第2部材42の移動に起因した液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が、終端光学素子31に伝達されにくくなる。従って、終端光学素子31が液浸空間LS内の液体LQから受ける圧力の変動が好適に抑制される。その結果、終端光学素子31の変動が好適に抑制される。
第1実施形態の液浸部材4Aでは、液浸空間LS内の液体LQの界面LGの一部は、第2部材42と基板51との間に形成される。以下、第2部材42と基板51との間に形成される界面LGを、適宜“界面LG1と称する”。第1実施形態の液浸部材4Aでは、例えば、液体供給口432からの液体LQの供給と並行して、流体回収口441から液体LQを回収しており、界面LG1は、下面4211と多孔部材4411の下面の少なくとも一方と基板51の上面との間に形成される。
液浸空間LS内の液体LQの界面LGの一部は、終端光学素子31と第1部材41との間に形成される。以下、終端光学素子31と第1部材41との間に形成される界面LGを、適宜“界面LG2と称する”。
液浸空間LS内の液体LQの界面LGの一部は、第1部材41と第2部材42との間に形成される。以下、第1部材41と第2部材42との間に形成される界面LGを、適宜“界面LG3と称する”。例えば、界面LG3は、下面4221と上面4112との間に形成される。第1実施形態の液浸部材4Aでは、流体回収口442を介して空間SP3から液体LQが回収(除去)されるため、外側面4122と内側面4222との間の空間には、液体LQが殆ど又は全く存在しない。その結果、外側面4122と内側面4222との間の空間は、気体空間となる。このため、第2部材42は、相対的に円滑に移動することができる。また、下面4221と上面4112との間の空間SP3内の液体LQをスクイズフィルムダンパ軸受として機能させてもよい。この場合、第2部材42をより円滑に安定的に動かすことができる。
尚、図2及び図3を用いて説明した液浸部材4Aは一例である。従って、液浸部材4Aの一部の構成が適宜改変されてもよい。以下、液浸部材4Aの一部の構成の改変の例について説明する。
第1部材41は、光路AT及び終端光学素子31の両方又は一方を取り囲むことが可能な形状を有していなくてもよい。例えば、第1部材41は、光路AT及び終端光学素子31の両方又は一方の周囲の一部に配置されている一方で、光路AT及び終端光学素子31の両方又は一方の周囲の他の一部に配置されていない形状(例えば、一部が開放された開ループ状の形状)を有していてもよい。
第1部材41は、上述した支持部材に加えて、当該支持部材と装置フレーム38との間に配置される防振装置を介して、装置フレーム38に支持されていてもよい。この場合、防振装置は、上述した防振装置39と同様に、バネ装置を含んでいてもよい。
第1部材41の少なくとも一部は、コントローラー91によって制御される駆動装置(例えば、アクチュエータ)の動作によって移動可能な可動部材であってもよい。駆動装置は、第1部材41を支持する支持部材を移動させることで、第1部材41の少なくとも一部を移動させてもよい。駆動装置は、第1部材41を支持する支持部材と装置フレーム38との間に配置されていてもよい。また、第1部材41を支持する支持部材と装置フレーム38との間に防振装置が配置されると共に、当該防振装置に駆動機構が搭載されてもよい。
第1部分411は、板状の(言い換えれば、プレート状の)形状とは異なる任意の形状を有していてもよい。
下面4111の一部は、上面4112及び外側面4113の両方又は一方よりも下側に配置されていなくてもよい。例えば、下面4111の一部は、上面4112及び外側面4113の両方又は一方よりも上側に配置されていてもよい。下面4111の少なくとも一部は、射出面32よりも下側に配置されていなくてもよい。例えば、下面4111の少なくとも一部は、射出面32よりも上側に配置されていてもよい。下面4111の少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。下面4111の少なくとも一部は曲面であってもよい。
上面4112の一部は、外側面4113よりも上側に配置されていなくてもよい。例えば、上面4112の一部は、外側面4113よりも下側に配置されていてもよい。上面4112の少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。上面4112の少なくとも一部は曲面であってもよい。上面4112の少なくとも一部は、液体LQに対して親液性を有していてもよい。
外側面4113の少なくとも一部は、光軸AXに対して傾斜していてもよい。外側面4113の少なくとも一部は曲面であってもよい。尚、外側面4113の形状の他の例(つまり、図2及び図3に示す形状とは異なる形状の例)については、後に詳述する(図19等参照)。
内側面4121の少なくとも一部は、外面33に対して傾斜していてもよい。内側面4121は、光軸AXに対して第1の角度で傾斜する面と、光軸AXに対して第2の角度で傾斜する面とを含んでいてもよい。内側面4121の少なくとも一部は、XY平面に平行であってもよい。内側面4121の少なくとも一部は、光軸AXに平行であってもよい。内側面4121の少なくとも一部は、曲面であってもよい。
外側面4122の少なくとも一部は、内側面4121に対して傾斜していてもよい。外側面4122は、光軸AXに対して第1の角度で傾斜する面と、光軸AXに対して第2の角度で傾斜する面とを含んでいてもよい。外側面4122の少なくとも一部は、XY平面に平行であってもよい。外側面4122の少なくとも一部は、光軸AXに平行であってもよい。外側面4122の少なくとも一部は、曲面であってもよい。
第3部分413は、板状の(言い換えれば、プレート状の)形状とは異なる任意の形状を有していてもよい。第3部分413は、液浸空間LSの形成に寄与しなくてもよい。
上面4131及び下面4132の両方又は一方の少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。上面4131及び下面4132の両方又は一方の少なくとも一部は曲面であってもよい。上面4131の少なくとも一部は、液体LQに対して親液性を有していてもよい。
第1部材41は、第3部分413(上面4131及び下面4132)を備えていなくてもよい。
開口415の中心は、光軸AXに一致していなくてもよい。開口415の中心は、射出面32の中心に一致していなくてもよい。XY平面に沿った開口415の径及び面積は、射出面32の径及び面積よりも大きくてもよいし同一であってもよい。
XY平面上における開口415の形状は、円形の形状とは異なる任意の形状(例えば、多角形、楕円形、又は、露光光ELの円滑な通過を妨げることが殆ど又は全くない任意の形状)であってもよい。XY平面上における第1部材41の各面(例えば、下面4111、上面4112及び内側面4113、内側面4121及び外側面4122、並びに、上面4131及び下面4132)又は各端部(例えば、外側端部及び内側端部、並びに、上側端部及び下側端部)の形状もまた、円形の形状又は円形の形状とは異なる任意の形状であってもよい。
第2部材42は、光路ATを取り囲むことが可能な形状を有していなくてもよい。例えば、第2部材42は、光路ATの周囲の一部に配置されている一方で、光路ATの周囲の他の一部に配置されていない形状(例えば、一部が開放された開ループ状の形状)を有していてもよい。
第2部材42は、X軸方向及びY軸方向の夫々に沿って移動することに加えて又は代えて、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向、並びに、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動してもよい。
下面4211の一部は、内側面4212よりも外側又は下側に配置されていなくてもよい。例えば、下面4211の一部は、内側面4212の一部よりも内側に配置されていてもよい。下面4211の一部は、内側面4212の一部よりも上側に配置されていてもよい。下面4211の少なくとも一部は、射出面32よりも下側に配置されていなくてもよい。例えば、下面4211の少なくとも一部は、射出面32よりも上側に配置されていてもよい。下面4211の少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。例えば、下面4211は、その内側端部から上方に向かって、且つ外側に向かって延びるように傾斜していてもよい。また、下面4211(例えば、流体回収口441)のZ軸方向の位置が、開口425の周囲において同じでなくてもよい。例えば、開口425のY軸方向側の下面4221(流体回収口441)の一部分が、開口425のX軸方向側に位置する下面4221(流体回収口441)の他部分よりも低い位置に配置されてもよい。また、下面4211の少なくとも一部は曲面であってもよい。下面4211の少なくとも一部は、液体LQに対して撥液性を有していてもよい。
Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離は、Z軸方向における下面4111と基板51との間の距離と同一でなくてもよい。尚、Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離とZ軸方向における下面4111と基板51との間の距離との関係の他の例(つまり、図2に示す関係とは異なる関係の例)については、後に詳述する(図22等参照)。
Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離は、Z軸方向における上面4112と基板51との間の距離よりも小さくなくてもよい。言い換えれば、下面4211は、上面4112よりも下側に配置されていなくてもよい。尚、Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離とZ軸方向における上面4112と基板51との間の距離との関係の他の例(つまり、図2に示す関係とは異なる関係の例)については、後に詳述する(図23等参照)。
内側面4212は、XY平面に平行な方向に沿って、外側面4113に対向していなくてもよい。内側面4212は、XY平面に平行な方向に沿って、空間SP3に対向していなくてもよい。内側面4212の少なくとも一部は、光軸AXに対して傾斜していてもよい。内側面4212の少なくとも一部は曲面であってもよい。内側面4212の少なくとも一部は、外側面4113の少なくとも一部に対して傾斜していてもよい。尚、内側面4212の形状の他の例(つまり、図2及び図3に示す形状とは異なる形状の例)については、後に詳述する(図16から図18等参照)。
下面4221の一部は、内側面4222よりも下側に配置されていなくてもよい。例えば、下面4221の一部は、内側面4222の一部よりも上側に配置されていてもよい。下面4221の少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。下面4221の少なくとも一部は、上面4112に対して傾斜していてもよい(つまり、平行でなくてもよい)。下面4221の少なくとも一部は曲面であってもよい。
Z軸方向における下面4221と基板51との間の距離は、Z軸方向における下面4211と基板51との間の距離よりも大きくなくてもよい。つまり、下面4221は、下面4211よりも上側に配置されていなくてもよい。Z軸方向における空間SP3のサイズは、毛細管現象に起因して空間SP1から空間SP3に液体LQが浸透してくることが可能となる程度のサイズよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。尚、Z軸方向における下面4221と基板51との間の距離とZ軸方向における下面4211と基板51との間の距離との関係の他の例(つまり、図2に示す関係とは異なる関係の例)については、後に詳述する(図20から図21等参照)。
内側面4222の少なくとも一部は、外側面4122に対して傾斜していてもよい。内側面4222は、Z軸に対して第1の角度で傾斜する面と、第2の角度で傾斜する面を含んでもよい。内側面4222の少なくとも一部は曲面であってもよい。
XY平面上における開口425の形状は、円形の形状とは異なる任意の形状(例えば、多角形、楕円形、又は、露光光ELの円滑な通過を妨げることが殆ど又は全くない任意の形状)であってもよい。XY平面上における第2部材42の各面(例えば、下面4211及び内側面4212、並びに、下面4221及び内側面4222又は各端部(例えば、外側端部及び内側端部、並びに、上側端部及び下側端部)の形状もまた、円形の形状又は円形の形状とは異なる任意の形状であってもよい。
液体供給口431は、終端光学素子31の周囲に連続的に分布するように形成されていてもよい。複数の液体供給口431に代えて、単一の液体供給口431が形成されていてもよい。液体供給口431は、内側面4121に加えて又は代えて、液浸空間LSに面する可能性がある第1部材41の任意の面に形成されていてもよい。尚、液体供給口431の形成位置の他の例(つまり、図2に示す形成とは異なる形成位置の例)については、後に詳述する(図12等参照)。
液体供給口432は、終端光学素子31の周囲に連続的に分布するように形成されていてもよい。複数の液体供給口432に代えて、単一の液体供給口432が形成されていてもよい。液体供給口432は、下面4211に加えて又は代えて、液浸空間LSに面する第2部材42の任意の面に形成されていてもよい。尚、液体供給口432の形成位置の他の例(つまり、図2に示す形成とは異なる形成位置の例)について、後に詳述する(図13から図14等参照)。
液体供給口432が供給する液体LQの特性(例えば、温度及び種類の両方又は一方)は、液体供給口431が供給する液体LQの特性と同一であってもよい。液体供給口432が供給する液体LQの特性は、液体供給口431が供給する液体LQの特性と異なっていてもよい。
液浸部材4Aは、第2部材42に形成される液体供給口432を備えていなくてもよい。つまり、第2部材42には、液体供給口432が形成されていなくてもよい。
多孔部材4411の下面の少なくとも一部は、下面4211よりも上側に配置されていてもよい。多孔部材4411の下面の少なくとも一部は、下面4211よりも下側に配置されていてもよい。多孔部材4411の下面の少なくとも一部は、下面4211と同じ高さに配置されていてもよい。
多孔部材4411の下面は、下面4211に平行であってもよい。但し、多孔部材4411の下面の少なくとも一部は、下面4211に対して傾斜していてもよい。多孔部材4411の下面は、平面であってもよい。多孔部材4411の下面の少なくとも一部は、曲面であってもよい。
流体回収口442は、第2部材42の下面4221のうち任意の箇所に形成されていてもよい。尚、流体回収口442に加えて又は代えて、空間SP3から液体LQを回収する流体回収口が、第1部材41の上面4112に形成されてもよい。
流体回収口442には、流体回収口441と同様に、メッシュプレート等の多孔部材4421が配置されていてもよい。
第2部材42は、空間SP3に流体回収口442の一部が面しない期間が発生するように移動してもよい。第2部材42は、上面4112に流体回収口442の一部が対向しない期間が発生するように移動してもよい。
流体回収口441及び流体回収口442の両方又は一方は、終端光学素子31の周囲に断続的に分布するように形成されていてもよい。例えば、流体回収口441は、下面4211上で定義される仮想的な円(例えば、開口425の中心周りの仮想的な円)に沿って、等間隔で又はランダムに複数形成されていてもよい。例えば、流体回収口442は、下面4221上で定義される仮想的な円(例えば、開口425の中心周りの仮想的な円)に沿って、等間隔で又はランダムに複数形成されていてもよい。複数の流体回収口441に代えて、単一の流体回収口441が形成されていてもよい。複数の流体回収口442に代えて、単一の流体回収口442が形成されていてもよい。
流体回収口441及び流体回収口442の両方又は一方からは、液体LQが回収される一方で気体が回収されなくてもよい。多孔部材が配置された流体回収口を介して液体を回収する一方で気体を回収しない技術の一例は、例えば、米国特許第7,292,313号に開示されている。但し、流体回収口441及び流体回収口442の両方又は一方からは、液体LQ及び気体の双方が回収されてもよい。
液体供給口431及び液体供給口432の両方若しくは一方からの液体LQの供給と流体回収口441及び流体回収口442の両方若しくは一方からの液体LQの回収とが並行して行われてもよい。但し、液体供給口431からの液体LQの供給と液体供給口432からの液体LQの供給と流体回収口441からの液体LQの回収と流体回収口442からの液体LQの回収との全てが並行して行われなくてもよい。
第2部材42は、液体供給口431から液体LQが供給されている期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、液体供給口431から液体LQが供給されていない期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、液体供給口432から液体LQが供給されている期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、液体供給口432から液体LQが供給されていない期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、流体回収口441から液体LQが回収されている期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。但し、第2部材42は、流体回収口441から液体LQが回収されていない期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、流体回収口442から液体LQが回収されている期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。但し、第2部材42は、流体回収口442から液体LQが回収されていない期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。
第1部材41の下面4111は、液体LQを回収しない。従って、下面4111は、基板51との間に液体LQを保持する。第1部材41の内側面4121、上面4112及び外側面4113もまた、液体LQを回収しない。
第2部材42の下面4211は、液体LQを回収しない。従って、下面4211は、基板51との間で液体LQを保持する。第2部材42の下面4221もまた、液体LQを回収しない。従って、下面4221は、基板51及び上面4112の両方又は一方との間で液体LQを保持する。第2部材42の内側面4212もまた、液体LQを回収しない。
(1−2−2)液浸部材が備える第2部材の移動態様の具体例
続いて、図4及び図5を参照して、第2部材42の移動態様の具体例について説明する。図4は、第2部材42の移動態様の第1の具体例を示す断面図である。図5は、第2部材42の移動態様の第2の具体例を示す断面図である。尚、図4及び図5では、図面の簡略化のために、図2に示した液浸部材4Aの構成要件のうちの一部が省略されている。
第1実施形態では、第2部材42は、基板51の移動態様に基づいて移動する。言い換えれば、第2部材42は、基板51の移動態様(例えば、移動方向、移動速度、加速度及び移動距離のうちの少なくとも一つ)に基づいて定まる移動態様で移動する。但し、第2部材42は、基板51の移動と独立して移動してもよい。
例えば、第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対速度の絶対値が小さくなるように移動してもよい。第2部材42は、第2部材42が移動しない場合と比較して、第2部材42に対する基板51の相対速度の絶対値が小さくなるように移動してもよい。
例えば、第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対加速度の絶対値が小さくなるように移動してもよい。第2部材42は、第2部材42が移動しない場合と比較して、第2部材42に対する基板51の相対加速度の絶対値が小さくなるように移動してもよい。
第2部材42は、コントローラー91によって制御される駆動装置451の動作によって移動することは上述したとおりである。従って、以下に説明する第2部材42の移動は、コントローラー91の制御によって実現される。
第2部材42が移動しない場合における第2部材42に対する基板51の相対速度は、実質的には、第1部材41に対する基板51の相対速度と一致する。従って、第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対速度の絶対値が、第1部材41に対する基板51の相対速度の絶対値よりも小さくなるように移動してもよい。相対加速度についても同様に、第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対加速度の絶対値が、第1部材41に対する基板51の相対加速度の絶対値よりも小さくなるように移動してもよい。
第2部材42に対する基板51の相対速度及び相対加速度の両方又は一方の絶対値を小さくするために、第2部材42は、基板51が移動する方向と同一の方向に向かって移動してもよい。
例えば、図4に示すように、基板51が+X軸方向に向かって移動する場合には、第2部材42は、+X軸方向に向かって移動してもよい。ここで、基板51のX軸方向に沿った移動速度が+V51であり、第2部材42のX軸方向に沿った移動速度が+V42であるとする。第2部材42が移動しない場合の第2部材42に対する基板51の相対速度の絶対値は、|V51|である。一方で、第2部材42が移動する場合の第2部材42に対する基板51の相対速度は、|V51−V42|(<|V51|)である。従って、第2部材42が移動する場合には、第2部材42が移動しない場合と比較して、第2部材42に対する基板51の相対速度が小さくなる。尚、第2部材42に対する基板51の相対加速度についても、第2部材42に対する基板51の相対速度と同様である。
例えば、図5に示すように、基板51が−X軸方向に向かって移動する場合には、第2部材42は、−X軸方向に向かって移動してもよい。ここで、基板51のX軸方向に沿った移動速度が−V51であり、第2部材42のX軸方向に沿った移動速度が−V42であるとする。第2部材42が移動しない場合の第2部材42に対する基板51の相対速度の絶対値は、|−V51|である。一方で、第2部材42が移動する場合の第2部材42に対する基板51の相対速度は、|−V51+V42|(<|−V51|)である。従って、第2部材42が移動する場合には、第2部材42が移動しない場合と比較して、第2部材42に対する基板51の相対速度が小さくなる。尚、第2部材42に対する基板51の相対加速度についても、第2部材42に対する基板51の相対速度と同様である。
基板51が+Y軸方向に向かって移動する場合には、第2部材42は、+Y軸方向に向かって移動してもよい。基板51が−Y軸方向に向かって移動する場合には、第2部材42は、−Y軸方向に向かって移動してもよい。基板51がXY平面内の所定方向に向かって移動する場合には、第2部材42は、当該所定方向に向かって移動してもよい。
第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対速度のうち基板51の移動方向に沿った速度成分の絶対値が小さくなるように移動してもよい。第2部材42は、第2部材42が移動しない場合と比較して、第2部材42に対する基板51の相対速度のうち基板51の移動方向に沿った速度成分の絶対値が小さくなるように移動してもよい。
第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対加速度のうち基板51の移動方向に沿った加速度成分の絶対値が小さくなるように移動してもよい。第2部材42は、第2部材42が移動しない場合と比較して、第2部材42に対する基板51の相対加速度のうち基板51の移動方向に沿った加速度成分の絶対値が小さくなるように移動してもよい。
第2部材42は、基板51が移動する方向と同一の方向に向かって移動しつつも、基板51が移動する方向と交差する又は直交する方向に向かって更に移動してもよい。つまり、第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対速度及び相対加速度の両方又は一方の絶対値を小さくする際には、基板51が移動する方向の成分を含むXY平面内の任意の方向へ移動してもよい。例えば、基板51が+X軸方向に向かって移動する場合には、第2部材42は、+X軸方向に向かって移動しつつ、+Y軸方向又は−Y軸方向に向かって移動してもよい。
以上説明したように、第1実施形態では、第2部材42は、第2部材42に対する基板51の相対速度及び相対加速度の両方又は一方の絶対値を小さくするように移動可能である。従って、液浸空間LSが形成されている状態で基板51が相対的に高速度で移動しても、液浸空間LSを形成する液体LQの一部が基板51上で分離すると共に、当該分離した液体LQが残水として基板51上に残留してしまうことが抑制される。また、液浸空間LSが形成されている状態で基板51が相対的に高速度で移動しても、液浸空間LSに気泡が発生することが抑制される。従って、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
(1−3)露光装置EX1による基板51の露光方法
続いて、図6から図10を参照して、露光装置EX1による基板51の露光方法について説明する。
露光装置EX1が基板51を露光する露光処理に先立って、まずは、コントローラー91は、液浸部材4Aから離れた基板交換位置に基板ステージ5が移動するように、駆動システム82を制御する。その後、コントローラー91は、基板交換位置に位置している基板ステージ5に、露光前の基板51を搬入する(つまり、搬入するように、不図示の基板搬入装置を制御する)。
液浸部材4Aから離れた基板交換位置に基板ステージ5が位置している間に、コントローラー91は、終端光学素子31及び液浸部材4AとZ軸方向に沿って対向する位置に計測ステージ6が配置されるように、駆動システム82を制御する。尚、終端光学素子31及び液浸部材4AとZ軸方向に沿って対向する位置に計測ステージ6が配置されている期間において、計測ステージ6が保持する計測部材61によって、液体LQを介して露光光ELを受光する計測が行われてもよい。
露光前の基板51を基板ステージ5が保持した後、コントローラー91は、終端光学素子31及び液浸部材4AとZ軸方向に沿って対向する位置に、露光前の基板51が搬入された基板ステージ5を移動させる。
尚、上述の動作が行われている間も、基板ステージ5又は計測ステージ6と終端光学素子31との間に液浸空間LSが形成され続ける。
次に、コントローラー91は、基板51に対する露光処理を開始する。具体的には、コントローラー91の制御の下で、照明系2がマスク11に対して露光光ELを照射する。マスク11からの露光光ELは、投影光学系3及び液浸空間LSを介して、基板51に投影される。その結果、基板51には、マスク11に形成されたデバイスパターンの像が投影され、基板51が露光される。
第1実施形態では、露光装置EX1は、露光時にマスク11及び基板51の両方を所定の走査方向(スキャン方向)に沿って移動させる走査型露光装置(いわゆる、スキャニングステッパ)である。第1実施形態では、マスク11の走査方向及び基板51の走査方向が、共にY軸方向であるものとする。従って、コントローラー91は、露光光ELが投影される投影領域PRに対して基板51をY軸方向に沿って移動させる。コントローラー91は、露光光ELが照射される照明領域IRに対してマスク11をY軸方向に沿って移動させる。
ここで、図6を参照しながら、基板51の移動の態様について説明する。図6は、基板ステージ5に保持されている基板51の一例を示す平面図である。
図6に示すように、基板51の上面には、複数のショット領域Sがマトリクス状に分布している。ショット領域Sは、露光光ELによる1回の露光処理で露光される領域である。
例えば、ある一つのショット領域S1に対する露光処理を行う際には、当該ショット領域S1の上側に液浸空間LSが形成されている状態で、コントローラー91は、露光光ELが投影される投影領域PRに対して基板51をY軸方向に沿って移動させる。更に、コントローラー91は、露光光ELが照射される照明領域IRに対してマスク11をY軸方向に沿って移動させる。基板51及びマスク11の移動と並行して、照明系2は、マスク11に対して露光光ELを照射する。その結果、ショット領域S1は、投影光学系3及び液浸空間LSを介して投影される露光光ELによって露光される。
ショット領域S1が露光終了位置に到達すると、ショット領域S1に対する露光処理が終了する。ショット領域S1に対する露光処理が終了した後には、次のショット領域S2(例えば、+X軸方向側においてショット領域S1と隣接するショット領域S2)に対する露光処理を開始するために、次のショット領域S2を露光開始位置に移動させる動作が行われる。具体的には、液浸空間LSが形成されている状態で、コントローラー91は、Y軸方向に交わる方向(例えば、X軸方向、又は、X軸方向及びY軸方向の夫々に対して傾斜する方向)に沿って基板51を移動する。次のショット領域S2を露光開始位置に移動させる動作が行われている間は、照明系2は、マスク11に対して露光光ELを照射しない。次のショット領域S2が露光開始位置に到達すると、ショット領域S1に対する露光光ELの露光処理と同様の態様で、ショット領域S2に対する露光光ELの露光処理が開始する。以降、同様の動作が、基板51上の複数のショット領域を対象として行われる。
以下の説明では、ショット領域Sに対する露光処理を行うために、投影領域PRに対してショット領域SがY軸方向に沿って移動するように基板51をY軸方向に沿って移動させる動作を、適宜“スキャン移動動作”と称する。スキャン移動動作は、ショット領域Sが露光開始位置に位置している状態からショット領域Sが露光終了位置に位置している状態になるまで、基板51をY軸方向に沿って移動させる動作を含んでいてもよい。スキャン移動動作は、主として、基板51をY軸方向に沿って等速移動させる動作を含んでいる。但し、スキャン移動動作は、基板51をY軸方向に沿って加減速移動させる動作を含んでいてもよい。尚、上述したように、スキャン移動動作が行われている間は、照明系2は、マスク11に対して露光光ELを照射する。スキャン移動動作が行われている間は、液浸空間LSが形成されている又は形成され続けていてもよい。
一方で、あるショット領域Sに対する露光処理が終了した後に次のショット領域Sに対する露光処理を開始するために、次のショット領域Sが露光開始位置に移動するように基板51をY軸方向に交わる方向に沿って移動させる動作を、適宜“ステップ移動動作”と称する。ステップ移動動作は、ショット領域Sが露光終了位置に位置している状態から次のショット領域Sが露光開始位置に位置している状態になるまで、基板51をY軸方向に交わる方向に沿って移動させる動作を含んでいてもよい。ステップ移動動作は、主として、基板51をY軸方向に交わる方向に沿って加減速移動させる動作を含んでいる。例えば、ステップ移動動作は、基板51をX軸方向に沿って加減速移動させる動作及び基板51をY軸方向に沿って加減速移動させる動作の両方又は一方を含んでいてもよい。但し、ステップ移動動作は、基板51をY軸方向に交わる方向に沿って等速移動させる動作を含んでいてもよい。尚、上述したように、ステップ移動動作が行われている間は、照明系2は、マスク11に対して露光光ELを照射しない。ステップ移動動作が行われている間は、液浸空間LSが形成されている又は形成され続けていてもよい。
尚、露光開始位置は、あるショット領域SのY軸方向に沿った一方の端部(例えば、投影領域PRの進行方向に対して後方側の端部)を投影領域RPの前側端部が通過する時点での当該あるショット領域Sの位置(言い換えれば、基板51の位置)を含んでいてもよい。露光終了位置は、あるショット領域SのY軸方向に沿った他方の端部(例えば、投影領域PRの進行方向に対して前方側の端部)を投影領域RPの後側端部が通過する時点での当該あるショット領域Sの位置(言い換えれば、基板51の位置)を含んでいてもよい。
また、以下の説明では、あるショット領域Sに対する露光処理を行うためにスキャン移動動作が行われる期間を、適宜“スキャン移動期間”と称する。一方で、あるショット領域Sに対する露光処理が終了してから次のショット領域Sに対する露光処理を開始するためにステップ移動動作が行われる期間を、適宜“ステップ移動期間”と称する。
コントローラー91は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを交互に繰り返し行う。その結果、基板51上の複数のショット領域Sに対する露光処理が順次行われる。
複数のショット領域Sに対する露光処理を行う際に、コントローラー91は、複数のショット領域Sの露光条件に基づいて、基板51を移動させてもよい。例えば、コントローラー91は、複数のショット領域Sの露光条件に基づいて、基板51の移動条件(例えば、移動速度、加速度、移動距離、移動方向及びXY平面内での移動軌跡のうちの少なくとも一つ)を調整してもよい。例えば、図6に示すように、コントローラー91は、露光条件に基づいて、投影領域PRが基板51に対して移動軌跡Srに沿って相対的に移動するように、基板51を移動させてもよい。
複数のショット領域Sの露光条件は、例えば、露光レシピと称される露光制御情報に規定されている。露光制御情報は、例えばメモリ92に記憶されている。露光制御情報が規定する露光条件は、例えば、複数のショット領域Sの配列情報(例えば、複数のショット領域Sの夫々の位置)を含んでいてもよい。露光制御情報が規定する露光条件は、例えば、複数のショット領域Sのサイズ(例えば、複数のショット領域SのY軸方向の長さ)を含んでいてもよい。
図6に示すように、スキャン移動期間及びステップ移動期間のうちの少なくとも一部の期間中に、液浸空間LSの少なくとも一部が上面52上に形成されてもよい。スキャン移動期間及びステップ移動期間のうちの少なくとも一部の期間中に、液浸空間LSの少なくとも一部が基板51と上面52とに跨るように形成されてもよい。計測ステージ6が基板ステージ5に隣接又は接触した状態で基板51に対する露光処理が行われる場合には、スキャン移動期間及びステップ移動期間のうちの少なくとも一部の期間中に、液浸空間LSの少なくとも一部が基板ステージ5と計測ステージ6とに跨るように形成されてもよい。
第2部材42は、ステップ移動期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、照明系2が露光光ELを照射していない(つまり、終端光学素子31から露光光ELが射出されていない)期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、基板51がX軸方向に沿って移動する期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。但し、第2部材42は、ステップ移動期間中に移動しなくてもよい。第2部材42は、照明系2が露光光ELを照射していない期間中に移動しなくてもよい。第2部材42は、基板51がX軸方向に沿って移動する期間中に移動しなくてもよい。
第2部材42は、スキャン移動期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、照明系2が露光光ELを照射している(つまり、終端光学素子31から露光光ELが射出されている)期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。第2部材42は、基板51がY軸方向に沿って移動する期間のうちの少なくとも一部の期間中に移動してもよい。但し、第2部材42は、スキャン移動期間中に移動しなくてもよい。第2部材42は、照明系2が露光光ELを照射している期間中に移動しなくてもよい。第2部材42は、基板51がY軸方向に沿って移動する期間中に移動しなくてもよい。
このような第2部材42の移動態様を踏まえた上で、図7から図10を参照して、基板51の具体的な移動態様と第2部材42の具体的な移動態様との関係の一例について説明する。図7は、投影領域PRの移動軌跡Sr及び第2部材42の移動軌跡Sr’の一具体例を示す平面図である。図8及び図9は、夫々、図7に示す態様で基板51及び第2部材42が移動した場合の第2部材42の移動態様を示す断面図である。図10は、図7に示す態様で基板51及び第2部材42が移動した場合の基板51及び第2部材42の夫々の移動速度を示すグラフである。
図7(a)に示すように、X軸方向に沿って隣接する2つのショット領域S(つまり、ショット領域Sa及びショット領域Sb)に対する露光処理を行う場合を例にあげる。この場合、コントローラー91は、実線で示す移動軌跡Srに沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動するように、基板51を移動させる。
具体的には、コントローラー91は、ショット領域Sa上の−Y軸方向側の端部位置d1からショット領域Sa上の+Y軸方向側の端部位置d2に至る経路Tp1に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動するように、基板51を移動させる。つまり、経路Tp1に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する場合には、コントローラー91は、基板51をY軸方向に沿って(例えば、−Y軸方向に向かって)移動させるスキャン移動動作を行う。従って、経路Tp1に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する間に、ショット領域Saが露光される。
その後、コントローラー91は、ショット領域Sa上の端部位置d2からショット領域Sb上の+Y軸方向側の端部位置d3に至る経路Tp2に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動するように、基板51を移動させる。つまり、経路Tp2に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する場合には、コントローラー91は、基板51をY軸方向に交わる方向に沿って移動させるステップ移動動作を行う。経路Tp2に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する間は、基板51が露光されることはない。例えば、図7(a)中の端部位置d2から中間位置d2.5に投影領域PRが移動する期間は、コントローラー91は、基板51を、−X軸方向に向かって移動させるとともに、−Y軸方向に向かって移動させる。また、図7(a)中の中間位置d2.5から端部位置d3に投影領域PRが移動する期間は、コントローラー91は、基板51を、−X軸方向に向かって移動させるとともに、+Y軸方向に向かって移動させる。
その後、コントローラー91は、ショット領域Sb上の端部位置d3からショット領域Sb上の−Y軸方向側の端部位置d4に至る経路Tp3に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動するように、基板51を移動させる。つまり、経路Tp3に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する場合には、コントローラー91は、基板51をY軸方向に沿って(例えば、+Y軸方向に向かって)移動させるスキャン移動動作を行う。従って、経路Tp3に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する間に、ショット領域Sbが露光される。
その後、コントローラー91は、ショット領域Sb上の端部位置d4からショット領域Sc上の−Y軸方向側の端部位置d5に至る経路Tp4に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動するように、基板51を移動させる。つまり、経路Tp4に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する場合には、コントローラー91は、基板51をY軸方向に交わる方向に沿って移動させるステップ移動動作を行う。経路Tp4に沿って投影領域PRが基板51に対して相対的に移動する間は、基板51が露光されることはない。例えば、図7(a)中の端部位置d4から中間位置d4.5に投影領域PRが移動する期間は、コントローラー91は、基板51を、−X軸方向に向かって移動させるとともに、+Y軸方向に向かって移動させる。また、図7(a)中の中間位置d4.5から端部位置d5に投影領域PRが移動する期間は、コントローラー91は、基板51を、−X軸方向に向かって移動させるとともに、−Y軸方向に向かって移動させる。
投影領域PRがショット領域Sc上の端部位置d5に位置した後には、投影領域PRが端部位置d1から端部位置d5に到達するまでに行われる動作と同様の動作が繰り返される。
図7(a)に示す態様で基板51が移動する場合において、第2部材42は、基板51が移動する方向と同一の方向の成分を含む移動を行うものとする。例えば、投影領域PRが経路Tp1、経路Tp2、経路Tp3及び経路Tp4を順次移動するように基板51が移動する場合には、第2部材42は、図7(b)に示すように、経路Tp1’、経路Tp2’、経路Tp3’及び経路Tp4’を順次移動する。
具体的には、投影領域PRが経路Tp1に沿って移動するスキャン移動動作が行われている場合には、第2部材42は、位置d1’から位置d2’に向かう経路Tp1’に沿って移動する。
位置d1’は、端部位置d1に投影領域PRが位置している時点での、投影領域PRに対する第2部材42の中心(例えば、開口425の中心)の相対的な位置を示す。例えば、位置d1’は、図8(a)に示すように、投影領域PRから−X軸方向及び+Y軸方向にシフトした位置である。
位置d2’は、端部位置d2に投影領域PRが位置している時点での、投影領域PRに対する第2部材42の中心の相対的な位置を示す。例えば、位置d2’は、図8(b)に示すように、投影領域PRから+X軸方向及び−Y軸方向にシフトした位置である。
図7(b)に示すように、経路Tp1’は、−Y軸方向に向かう成分及び+X軸方向に向かう成分を含む経路である。経路Tp1’は、第2部材42が+X軸方向に向かって移動しつつ、−Y軸方向に向かって移動する経路である。経路Tp1’は、スキャン移動動作中における基板51の移動方向に向かう成分、及び、ステップ移動動作中における基板51の移動方向とは逆方向に向かう成分を含む経路である。
その後、投影領域PRが経路Tp2に沿って移動するステップ移動動作が行われている場合には、第2部材42は、位置d2’から位置d2.5’を介して位置d3’に向かう経路Tp2’に沿って移動する。
位置d2.5’は、中間位置d2.5に投影領域PRが位置している時点での、投影領域PRに対する第2部材42の中心の相対的な位置を示す。例えば、位置d2.5’は、図8(c)に示すように、投影領域PRから−Y軸方向にシフトした位置である。
位置d3’は、端部位置d3に投影領域PRが位置している時点での、投影領域PRに対する第2部材42の中心の相対的な位置を示す。例えば、位置d3’は、図8(d)に示すように、投影領域PRから−X軸方向及び−Y軸方向にシフトした位置である。
図7(b)に示すように、経路Tp2’は、−Y軸方向に向かう成分及び−X軸方向に向かう成分を含む経路、並びに、+Y軸方向に向かう成分及び−X軸方向に向かう成分を含む経路の双方を含む経路である。経路Tp2’は、第2部材42が、−Y軸方向に向かって移動しつつ−X軸方向に向かって移動した後に、+Y軸方向に向かって移動しつつ−X軸方向に向かって移動する経路である。経路Tp2’は、第2部材42が、Y軸方向に沿った移動の向きを反転させつつ、−X軸方向に向かって移動する経路である。経路Tp2’は、ステップ移動動作中における基板51の移動方向に向かう成分、及び、スキャン移動動作中における基板51の移動方向に沿った成分を含む経路である。
但し、経路Tp2’は、Y軸方向に沿った成分(つまり、スキャン移動動作中における基板51の移動方向に沿った成分)を含まない経路であってもよい。つまり、経路Tp2’は、第2部材42が−X軸方向のみに向かって移動する経路であってもよい。
その後、投影領域PRが経路Tp3に沿って移動するスキャン移動動作が行われている場合には、第2部材42は、位置d3’から位置d4’に向かう経路Tp3’に沿って移動する。
位置d4’は、端部位置d4に投影領域PRが位置している時点での、投影領域PRに対する第2部材42の中心の相対的な位置を示す。例えば、位置d4’は、図9(a)に示すように、投影領域PRから+X軸方向及び+Y軸方向にシフトした位置である。
図7(b)に示すように、経路Tp3’は、+Y軸方向に向かう成分及び+X軸方向に向かう成分を含む経路である。経路Tp3’は、第2部材42が+X軸方向に向かって移動しつつ、+Y軸方向に向かって移動する経路である。経路Tp3’は、スキャン移動動作中における基板51の移動方向に向かう成分、及び、ステップ移動動作中における基板51の移動方向とは逆方向に向かう成分を含む経路である。
その後、投影領域PRが経路Tp4に沿って移動するステップ移動動作が行われている場合には、第2部材42は、位置d4’から位置d4.5’を介して位置d5’に向かう経路Tp4’に沿って移動する。
位置d4.5’は、端部位置d4.5に投影領域PRが位置している時点での、第2部材42の中心の位置を示す。例えば、位置d4・5’は、図9(b)に示すように、投影領域PRから+Y軸方向にシフトした位置である。
位置d5’は、端部位置d5に投影領域PRが位置している時点での第2部材42の中心の位置を示す。例えば、位置d5’は、図9(c)に示すように、投影領域PRから−X軸方向及び+Y軸方向にシフトした位置である。尚、投影領域PRと位置d5’との間の位置関係は、実質的には、投影領域PRと位置d1’との間の位置関係と同一であってもよい。
図7(b)に示すように、経路Tp4’は、+Y軸方向に向かう成分及び−X軸方向に向かう成分を含む経路、並びに、−Y軸方向に向かう成分及び−X軸方向に向かう成分を含む経路の双方を含む経路である。経路Tp4’は、第2部材42が、+Y軸方向に向かって移動しつつ−X軸方向に向かって移動した後に、−Y軸方向に向かって移動しつつ−X軸方向に向かって移動する経路である。経路Tp4’は、第2部材42が、Y軸方向に沿った移動の向きを反転させつつ−X軸方向に向かって移動する経路である。経路Tp4’は、ステップ移動動作中における基板51の移動方向に向かう成分、及び、スキャン移動動作中における基板51の移動方向に沿った成分を含む経路である。
但し、経路Tp4’は、Y軸方向に沿った成分(つまり、スキャン移動動作中における基板51の移動方向に沿った成分)を含まない経路であってもよい。つまり、経路Tp4’は、第2部材42が−X軸方向のみに向かって移動する経路であってもよい。
上述した経路Tp1’、経路Tp2’、経路Tp3’及び経路Tp4’を移動する第2部材42は、図7(b)に示すように、実質的には、アラビア数字の「8」の字を描くように移動する。
図7(a)に示す移動軌跡Srに沿って投影領域PRが移動するように基板51が移動し且つ図7(b)に示す移動軌跡Sr’に沿って第2部材42が移動する場合には、基板51及び第2部材42の移動速度は、図10に示す態様で変化する。尚、図10の1段目のグラフが、X軸方向に沿った基板51の移動速度を示している。図10の2段目のグラフが、Y軸方向に沿った基板51の移動速度を示している。図10の3段目のグラフが、X軸方向に沿った第2部材42の移動速度を示している。図10の4段目のグラフが、Y軸方向に沿った第2部材42の移動速度を示している。
なお、図10のグラフは一例であって、図10の1段目及び2段目のグラフに示す基板51の移動態様は、適宜変更可能である。図10の3段目及び4段目のグラフに示す第2部材42の移動態様もまた適宜変更可能である。従って、第2部材42は、図7(b)に示す経路とは異なる経路で移動してもよい。
例えば、図10の3段目のグラフにおいては、スキャン移動期間における移動速度の絶対値の変化とステップ移動期間における移動速度の絶対値の変化とが同じであるが、異ならせてもよい。例えば、スキャン移動期間(例えば、端部位置d1’から端部位置d2’への移動期間)における移動速度の絶対値の最大値が、ステップ移動期間(例えば、端部位置d2’から端部位置d3’への移動期間)における移動速度の絶対値の最大値より小さくなるように、第2部材42のX軸方向への移動が制御されてもよい。または、スキャン移動期間(例えば、端部位置d1’から端部位置d2’への移動期間)の少なくとも一部で、第2部材42がX軸方向に等速で移動するように、第2部材42のX軸方向への移動が制御されてもよい。
また、図10の4段目のグラフにおいては、スキャン移動期間においては、第2部材42はY軸方向に等速で移動しているが、スキャン移動期間(例えば、端部位置d1’から端部位置d2’への移動期間)の少なくとも一部で移動速度が変化するように、第2部材42のY軸方向への移動が制御されてもよい。例えば、スキャン移動期間(例えば、端部位置d1’から端部位置d2’への移動期間)においては、スキャン移動動作を開始した後に第2部材42の移動が開始されるように、第2部材42のY軸方向への移動が制御されてもよい。例えば、投影領域PRがショット領域Sの中間位置(例えば、端部位置d1と端部位置d2との中間位置)を通過した時点で、第2部材42のY軸方向への移動が開始されてもよい。
(1−4)液浸部材4Aの変形例
続いて、図11から図23を参照しながら、液浸部材4Aの各種変形例について説明する。尚、液浸部材4Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の参照番号を付することで、その詳細な説明については省略する。
(1−4−1)第1変形例
図11を参照しながら、第1変形例の液浸部材4Aaについて説明する。図11は、第1変形例の液浸部材4Aaが備える第1部材41aの構成を示す断面図である。
図11に示すように、第1変形例では、第1部材41aは、液体供給口431aと流体回収口443aとを備えている。
液体供給口431aは、液浸空間LS(特に、空間SP2)に液体LQを供給する。流体回収口443aは、液浸空間LS(特に、空間SP2)から液体LQを回収する。液体供給口431a及び流体回収口443aは、内側面4121に形成されている。液体供給口431a及び流体回収口442は、空間SP2に面するように形成されている。尚、液体供給口431a及び流体回収口443aの一方又は両方が、光路空間SPKに面するように形成されてもよい。液体供給口431aは光軸AXの一方側に配置され、流体回収口443aは、光軸AXの他方側に形成されている。図11においては、光軸AXに対して、−X軸方向側に液体供給口431aが形成され、+X軸方向側に流体回収口443aが形成されている。流体回収口443aの基板51からの高さは、液体供給口431aの基板51からの高さと同じである。
尚、光軸AXに対して−Y軸方向側に液体供給口431が形成され、+Y軸方向側に流体回収口443aが形成されてもよい。また、液体供給口431の基板51からの高さと、流体回収口443aの基板51からの高さとが異なっていてもよい。
液体供給口431aは、内側面4121に複数形成されていてもよい。例えば、XY平面に沿って、等間隔で、あるいはランダムに複数の液体供給口431aが形成されてもよい。流体回収口443aは、内面4121に複数形成されていてもよい。例えば、XY平面に沿って、等間隔で又はランダムに複数の流体回収口443aが形成されていてもよい。
液体供給口431aからの液体供給及び流体回収口443aからの液体回収は、コントローラー91の制御の下で行われる。流体回収口443aからは、液体LQが回収される一方で気体が回収されなくてもよい。但し、流体回収口443aからは、液体LQ及び気体の双方が回収されてもよい。
第1変形例の液浸部材4Aaを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
尚、流体回収口443aの基板51からの高さは、液体供給口431aの基板51からの高さよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。流体回収口443aには、多孔部材が配置されていてもよい。尚、流体回収口443aに配置される多孔部材は、流体回収口441に配置される多孔部材4411と同様であってもよい。
液浸部材4Aもまた、第1部材41の下面4111に流体回収口を備えていてもよい。または、液浸部材4Aaもまた、第1部材41aの下面4111に流体回収口を備えていてもよい。
(1−4−2)第2変形例
図12を参照しながら、第2変形例の液浸部材4Abについて説明する。図12は、第2変形例の液浸部材4Abが備える第1部材41bの構成を示す断面図である。
図12に示すように、第2変形例では、第1部材41bは、下面4111に液体供給口431bを備えている。
第2変形例の液浸部材4Abを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
尚、第1変形例と同様に、液浸部材4Aもまた、第1部材41の下面4111に流体回収口を備えていてもよい。または、液浸部材4Aaもまた、第1部材41aの下面4111に流体回収口を備えていてもよい。
(1−4−3)第3変形例
図13を参照しながら、第3変形例の液浸部材4Acについて説明する。図13は、第3変形例の液浸部材4Acの構成を示す断面図である。
図13に示すように、第3変形例では、液体供給口432cが下面4221に形成されている。液体供給口432cは、空間SP3(上面4112)に対向しないように形成されているが、空間SP3に面するように形成されていてもよい。
第3変形例の液浸部材4Acを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
尚、液浸部材4Acにおいて、下面4211に、液体供給口432が設けられていてよい。
(1−4−4)第4変形例
図14を参照しながら、第4変形例の液浸部材4Adについて説明する。図14は、第4変形例の液浸部材4Adの構成を示す断面図である。
図14に示すように、第4変形例では、液体供給口432dが内側面4212に形成されている。
第4変形例の液浸部材4Adを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
尚、液体供給口432dは、上面4112及び下面4111の両方又は一方よりも上側に形成されていてもよいし、下側に形成されていてもよい。液体供給口432dは、上面4112又は下面4111と同じ高さに形成されていてもよい。
液体供給口432dは、XY平面に平行な方向に沿って、外側面4113に対向していてもよいし、対向していなくてもよい。液体供給口432dは、XY平面に平行な方向に沿って、空間SP3に対向していてもよいし、対向していなくてもよい。
また、液浸部材4Adにおいて、液体供給口432dに加えて、下面4211に設けられる液体供給口432と、下面4221に設けられる液体供給口432cの一方、または両方が設けられていてよい。
(1−4−5)第5変形例
図15を参照しながら、第5変形例の液浸部材4Aeについて説明する。図15は、第5変形例の液浸部材4Aeの構成を示す断面図である。
図15に示すように、第5変形例では、第2部材42eが、流体回収口442に加えて流体回収口444eを備えている。
流体回収口444eは、内側面4222と外側面4122と上面4112との間の空間から、液体LQ及び気体の一方又は両方を回収する。流体回収口444eは、第2部材42eの内側面4222に形成されている。流体回収口444eからの液体LQの回収は、コントローラー91の制御の下で行われる。
流体回収口444eは、終端光学素子31の周囲(言い換えれば、露光光ELの光路ATの周囲)に断続的に又は連続的に形成されている。例えば、複数の流体回収口444eが、等間隔で又はランダムに形成されていてもよい。
第5変形例の液浸部材4Aeを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第5変形例では、空間SP3よりも内側の空間に液体LQが流出してしまった場合であっても、当該液体LQを回収することができる。
尚、流体回収口444eは、内側面4222と外側面4122との間の空間に面する任意の面に形成されてもよい。例えば、流体回収口444eは、上面4112に形成されてもよい。例えば、流体回収口444eは、外側面4122に形成されてもよい。例えば、流体回収口444eは、下面4221のうち流体回収口442よりも内側の部分に形成されてもよい。例えば、流体回収口444eは、下面4132に形成されてもよい。
流体回収口444eには、多孔部材が配置されていてもよい。尚、流体回収口444eに配置される多孔部材は、流体回収口441に配置される多孔部材4411と同様であってもよい。
上述した各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ad)が流体回収口444eを備えていてもよい。上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ae)は、流体回収口444eを備えている場合は、流体回収口442を備えていなくてもよい。
上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ae)は、第2部材42と基板51(又は、物体)との間の空間SP1の外側の空間(例えば、流体回収口441よりも外側の空間)から、液体LQ及び気体の一方又は両方を回収する流体回収口を備えていてもよい。このような流体回収口は、第2部材42に形成されていてもよいし、第1部材41及び第2部材42とは異なる部材に設けてもよい。
上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ae)は、空間SP2から外側の空間(例えば、内側面4121よりも外側の又は上面4131よりも上側の空間)から、液体LQ及び気体の一方又は両方を回収する流体回収口を備えていてもよい。このような流体回収口は、第1部材(例えば、上面4131)に形成されていてもよいし、第1部材41及び第2部材42とは異なる部材に設けてもよい。
(1−4−6)第6変形例
図16を参照しながら、第6変形例の液浸部材4Afについて説明する。図16は、第6変形例の液浸部材4Afの構成を示す断面図である。
図16に示すように、第6変形例では、第2部材42fの内側面4212fが光軸AXに対して傾斜している。内側面4212fは、下面4211の内側端部から上側に向かって且つ内側に向かって延びている。内側面4212fは、下面4221の外側端部から下側に向かって且つ外側に向かって延びている。
第6変形例の液浸部材4Afを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第6変形例では、内側面4212fが光軸AXに平行である場合と比較して、内側面4212fの移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が相対的に小さくなる。従って、例えば、終端光学素子31が液浸空間LS内の液体LQから受ける圧力の変動が好適に抑制される。その結果、終端光学素子31の変動が好適に抑制される。
尚、内側面4212fの移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動は、内側面4212fの投影面積(具体的には、第2部材42fの移動の方向に直交する面に対する投影面積)が小さくなるほど小さくなる。従って、内側面4212fは、内側面4212fの投影面積が極力小さくなるような形状を有していてもよい。
第6変形例では、内側面4212fが光軸AXに平行である場合と比較して、第2部材42の下側において界面LG1が円滑に移動することができる。例えば、図16において、界面LG1が内側面4212fと基板51との間に形成されている状態で、例えば、基板51と第2部材42との相対的な移動により、界面LG1が−X軸方向に移動する場合にも、界面LG1が、下面4211の内側端部で動きを抑えられることなく、内側面4121fから下面4211へ円滑に移動することができる。界面LG1が下面4211から内側面4121fへ移動する場合も同様である。従って、空間SP1の液体LQの一部が分離し、空間SP1の外側の空間に移動する又は残留することが抑制される。
内側面4212fの全体が光軸AXに対して傾斜していなくてもよい。例えば、内側面4212fの一部が光軸AXに平行であってもよい。
内側面4212fは、夫々が異なる傾斜角度(例えば、XY平面に対する傾斜角度又は光軸AXに対する傾斜角度)で傾斜する複数の傾斜面を含んでいてもよい。例えば、内側面4212fは、第1の傾斜角度で傾斜する第1の傾斜面と、第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度で傾斜する第2の傾斜面とを含んでいてもよい。
尚、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ae)においても、傾斜した内側面4212fが採用されてもよい。
(1−4−7)第7変形例
図17を参照しながら、第7変形例の液浸部材4Agについて説明する。図17は、第7変形例の液浸部材4Agの構成を示す断面図である。
図17に示すように、第7変形例では、第2部材42gの内側面4212gが、第6変形例の内側面4212fと同様に、光軸AXに対して傾斜している。第7変形例では更に、内側面4212gと下面4211とが接続する部分及び内側面4212gと下面4221とが接続する部分の両方又は一方が曲面である。
第7変形例の液浸部材4Agを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第7変形例においても、内側面4212gが光軸AXに平行である場合と比較して、内側面4212gの移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が相対的に小さくなる。
また、第7変形例においては、第2部材42gの下側において界面LG1がより円滑に移動することができる。即ち、界面LG1が下面4211と基板51との間に形成されている状態及び界面LGが内側面4121gと基板51との間に形成されている状態のうちの一方の状態から他方の状態へ遷移する場合にも、界面LG1が円滑に移動することができる。従って、空間SP1の液体LQの一部が分離し、空間SP1の外側の空間に移動する又は残留することが抑制される。
尚、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ae)においても、傾斜した内側面4212gが採用されると共に、内側面4212gと下面4211及び下面4221とが接続する部分の両方又は一方が曲面であってもよい。
尚、内側面4212gに限らず、上述した各面の端部又は上述した各面が互いに接続する部分が曲面であってもよい。
(1−4−8)第8変形例
図18を参照しながら、第8変形例の液浸部材4Ahについて説明する。図18は、第8変形例の液浸部材4Ahの構成を示す断面図である。
図18に示すように、第8変形例では、第2部材42hの内側面4212hが光軸AXに対して傾斜している。さらに第8変形例では、内側面4212hは、下面4211の内側端部から上側に向かって且つ外側に向かって延びている。内側面4212hは、下面4221の外側端部から下側に向かって且つ内側に向かって延びている。
第8変形例の液浸部材4Ahを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第8変形例では、内側面4212hが光軸AXに平行である場合と比較して、内側面4212hの移動によって押し出される液体LQが基板51に向かいにくくなる。従って、内側面4212hの移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動に起因する、基板51の変動が抑制される。また、内側面4212hの移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が、終端光学素子31により一層伝達されにくくなる。
尚、内側面4212hの全体が光軸AXに対して傾斜していなくてもよい。例えば、内側面4212hの一部が光軸AXに平行であってもよい。
内側面4212hは、夫々が異なる傾斜角度で傾斜する複数の傾斜面を含んでいてもよい。例えば、内側面4212hは、第1の傾斜角度で傾斜する第1の傾斜面と、第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度で傾斜する第2の傾斜面とを含んでいてもよい。
尚、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ae)においても、傾斜した内側面4212hが採用されてもよい。
(1−4−9)第9変形例
図19を参照しながら、第9変形例の液浸部材4Aiについて説明する。図19は、第9変形例の液浸部材4Aiの構成を示す断面図である。
図19に示すように、第9変形例では、第1部材41iの外側面4113iが光軸AXに対して傾斜している。第9変形例では、外側面4113iは、下面4111の外側端部から上側に向かって且つ内側に向かって延びている。外側面4113iは、上面4112の外側端部から下側に向かって且つ外側に向かって延びている。
第9変形例の液浸部材4Aiを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第9変形例では、外側面4113iが光軸AXに平行である場合と比較して、液体LQが空間SP3に向かいやすくなる。また、外側面4113iが光軸AXに平行である場合と比較して、内側面4212の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力が変動しにくい。従って、液体LQの圧力変動に起因する影響(終端光学素子31の変動、基板51の変動等)を抑制できる。
尚、外側面4113iは、下面4111の外側端部から上側に向かって且つ外側に向かって延びていてもよい。即ち、外側面4113iは、上面4112の外側端部から下側に向かって且つ内側に向かって延びていてもよい。
また、外側面4113iの全体が光軸AXに対して傾斜していなくてもよい。外側面4113iの一部が光軸AXに平行であってもよい。
また、外側面4113iは、夫々が異なる傾斜角度で傾斜する複数の傾斜面を含んでいてもよい。例えば、外側面4113iは、第1の傾斜角度で傾斜する第1の傾斜面と、第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度で外側に向かって下方に傾斜する第2の傾斜面とを含んでいてもよい。例えば、第1の傾斜面が、下面4111の外側端部から上側に向かって且つ外側に向かって延び、第2の傾斜面が上面4112の外側端部から下側に向かって且つ外側に向かって延びるように傾斜していてもよい。この場合、第1の傾斜面の外側端部と第2の傾斜面の外側端部とが一致していてもよい。
また、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ai)は、外側面を備えていなくともよい。例えば、下面4111の外側端部から外側面4122の下側端部に向かって延びる面が、上面4112と定義されてもよい。
(1−4−10)第10変形例
図20を参照しながら、第10変形例の液浸部材4Ajについて説明する。図20は、第10変形例の液浸部材4Ajの構成を示す断面図である。
図20に示すように、第10変形例では、下面4211の基板51からの高さが下面4221の基板51からの高さと同一である。第10変形例では、第2部材42jは、内側面4212を備えていない。
第10変形例の液浸部材4Ajを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第10変形例では、第2部材42jが内側面4212を備えている場合と比較して、第2部材42jの移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が相対的に小さくなる。従って、終端光学素子31が液浸空間LS内の液体LQから受ける圧力の変動が好適に抑制される。その結果、液体LQの圧力変動に起因する影響(終端光学素子31の変動、基板51の変動等)が好適に抑制される。
(1−4−11)第11変形例
図21を参照しながら、第11変形例の液浸部材4Akについて説明する。図21は、第11変形例の液浸部材4Akの構成を示す断面図である。
図21に示すように、第11変形例では、下面4211の基板51からの高さが下面4221の基板51からの高さより大きい。
第11変形例の液浸部材4Akを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
(1−4−12)第12変形例
図22を参照しながら、第12変形例の液浸部材4Alについて説明する。図22は、第12変形例の液浸部材4Alの構成を示す断面図である。
図22に示すように、第12変形例では、下面4211の基板51からの高さが下面4111の基板51からの高さより大きい。
第12変形例の液浸部材4Alを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第12変形例では、下面4211の基板51からの高さが下面4111の基板51からの高さより大きくない場合と比較して、第2部材42の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が抑制される。従って、液体LQの圧力の変動に起因する影響(終端光学素子31の変動、基板51の変動等)が抑制できる。
(1−4−13)第13変形例
図23を参照しながら、第13変形例の液浸部材4Amについて説明する。図23は、第13変形例の液浸部材4Amの構成を示す断面図である。
図23に示すように、第13変形例では、下面4211の基板51からの高さが上面4112の基板51からの高さより大きい。
第13変形例の液浸部材4Amを備える露光装置EX1においても、上述した液浸部材4Aを備える露光装置EX1が享受することができる各種効果が好適に享受される。例えば、露光不良の発生が抑制される。
第13変形例では、下面4211の基板51からの高さが上面4112の基板51からの高さより大きくない場合と比較して、第2部材42の移動による液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が抑制される。従って、液体LQの圧力の変動に起因する影響(終端光学素子31の変動、基板51の変動等)が抑制できる。
尚、第10変形例の液浸部材4Ajから13変形例の液浸部材4Amとは異なり、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ai)では、下面4211の基板51からの高さが下面4221の基板51からの高さよりも小さい。その結果、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Ai)では、安定的な界面LG1が形成されやすく、空間SP1からの液体LQの流出が抑制できる。従って、第1実施形態では、安定的な界面LG1の形成という効果と液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動の抑制という効果との双方を考慮した上で、下面4211の基板51からの高さが適切な高さに設定されてもよい。
また、上述の各種液浸部材(4A及び4Aaから4Am)において、流体回収口441の外側に気体を供給する気体供給口を設けてもよい。そのような気体供給口は、例えば第2部材42等に設けてもよいし、第1部材41等及び第2部材42等と異なる部材に設けてもよい。また、供給される気体は、液浸空間LSの周囲の空間の気体と実質的に同じであってもよいし、同じでなくてもよい。例えば、供給される気体は、空気、窒素ガス又は炭酸ガスであってもよい。気体供給口からの気体の供給は、空間SP1からの液体LQの流出抑制(界面LG1の維持)を目的として行われてもよいし、他の目的のために行われてもよいし、流出抑制という目的と他の目的の両方のために行われてもよい。例えば、流体回収口441の外側で炭酸ガスを供給することによって、液体LQの流出が抑制されるとともに、液浸空間LSの液体LQ中でのバブルの発生が抑制されてもよい。
(2)第2実施形態
続いて、第2実施形態の露光装置EX2について説明する。尚、第2実施形態の露光装置EX2は、第1実施形態の露光装置EX1と比較して、液浸部材4Bが備える構成要素の一部が第1実施形態の液浸部材4Aが備える構成要素の一部と異なるという点で異なる。第2実施形態の露光装置EX2が備えるその他の構成要素は、第1実施形態の露光装置EX1が備えるその他の構成要素と同一であってもよい。従って、以下では、図24を参照しながら、第2実施形態の液浸部材4Bのうち第1実施形態の液浸部材4Aとは異なる構成要素に着目して説明を進める。図24は、第2実施形態の露光装置EX2が備える液浸部材4Bの断面図(XZ平面に平行な断面図)である。尚、第1実施形態の露光装置EX1が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照番号を付することで、その詳細な説明については省略する。
図24に示すように、液浸部材4Bは、液浸部材4Aと同様に、終端光学素子31の下側で移動可能な物体上に液浸空間LSを形成する。液浸部材4Bは、第1部材41Bと、第2部材42Bとを備えている。以下、第1部材41B及び第2部材42Bについて、順に説明する。
はじめに、第1部材41Bについて説明する。尚、以下では、第2実施形態の第1部材41Bの構成要素のうち第1実施形態の第1部材41の構成要素とは異なる部分に着目して説明を進める。従って、第2実施形態の第1部材41Bの構成要素のうち以下で特段の説明を付さない構成要素については、第1実施形態の第1部材41の構成要素と同様であってもよい。
第2実施形態では、第1部材41Bは、第2部材42Bの一部の下側に配置されていなくてもよい。つまり、第1部材41Bは、第2部材42Bの上側に配置されている。従って、第1部材41Bと基板51との間には、第2部材42Bの一部が配置されている。
第1部材41Bは、内側面4121Bと、外側面4122Bと、下面4111Bとを備えている。
内側面4121Bは、上述した内側面4121と同様に、内側を向いている面であって且つ空間SP2を介して外面33の一部に対向する。
外側面4122Bは、上述した外側面4122と同様に、外側を向いている面であって且つ外面33に対向していない。外側面4122Bは、下面4111Bの外側端部から上側に向かって延びる面であるという点で、外側面4122と異なっている。尚、外側面4122Bのその他の特徴は、上述した外側面4122の特徴と同一であってもよい。
下面4111Bは、上述した下面4111と同様に、下側を向いている面である。下面4111Bは、空間SP1を介して基板51に対向していなくてもよいという点で、下面4111と異なっている。下面4111Bは、空間SP3を介して第2部材42Bの一部(例えば、後述する上面4231Bの一部)に対向するという点で、下面4111と異なっている。尚、下面4111Bのその他の特徴は、上述した下面4111の特徴と同一であってもよい。
続いて、第2部材42Bについて説明する。尚、以下では、第2実施形態の第2部材42Bの構成要素のうち第1実施形態の第2部材42の構成要素とは異なる部分に着目して説明を進める。従って、第2実施形態の第2部材42Bの構成要素のうち以下で特段の説明を付さない構成要素については、第1実施形態の第1部材41の構成要素と同様であってもよい。
第2実施形態では、第2部材42Bは、第1部材41Bの一部の上側に配置されていなくてもよい。つまり、第2部材42Bは、第1部材41Bの下側に配置されている。
第2部材42Bは、上面4231Bと、下面4211Bと、内側面4222Bと、内側面4232Bとを備えている。
上面4231Bは、上側を向いている平面である。上面4231Bは、下面4211Bよりも上側に配置されている。上面4231Bは、内側面4222Bよりも内側に配置されている。上面4231Bは、内側面4232Bよりも外側に配置されている。上面4231Bは、射出面32よりも下側に配置されている。上面4231は、XY平面に平行な平面である。上面4231Bは、液体LQに対して撥液性を有している。
上面4231Bは、第1部材41Bよりも下側に配置されている。上面4231Bの一部は、空間SP3を介して下面4111Bの一部に対向する。上面4231Bと下面4111Bとの間の空間SP3の高さは、光路空間SPKの高さよりも小さい。
下面4211Bは、上述した下面4211と同様に、下側を向いている平面である。下面4211Bは、その一部が下面4111Bの下側に配置されているという点で、下面4211と異なっている。下面4211Bは、その少なくとも一部が第1部材41Bの少なくとも一部(例えば、下面4111B)よりも外側に配置されていなくてもよいという点で、下面4211と異なっている。尚、下面4211Bのその他の特徴は、上述した下面4211の特徴と同一であってもよい。
内側面4222Bは、内側面4222と同様に、内側を向いている平面であって且つ外側面4122Bの一部に対向する。内側面4222Bは、上面4231Bの外側端部から上側に延びるという点で、内側面4222と異なっている。尚、内側面4222Bのその他の特徴は、上述した内側面4222の特徴と同一であってもよい。
内側面4232Bは、内側を向いている平面である。内側面4232Bは、上面4231Bの内側端部と下面4211Bの内側端部とを繋ぐ。従って、内側面4232Bの上側端部は、上面4231Bの内側端部と一致している。内側面4232Bの下側端部は、下面4211Bの内側端部と一致している。内側面4232Bは、光軸AXに平行である。
第2部材42Bは、射出面32からの露光光ELが通過可能な円形の開口425Bを備えている。開口425Bは、開口425Bの内側に第1部材41Bが配置されていないという点で、上述した開口425と異なっている。尚、開口425Bのその他の特徴は、上述した開口425の特徴と同一であってもよい。
液浸部材4Bは、更に、液浸部材4Aと同様に、液体供給口431と流体回収口441と流体回収口442とを備える。尚、第2実施形態では、流体回収口442は、第2部材42Bではなく第1部材41Bに形成されている。
第2実施形態の液浸部材4Bは更に、第2部材42Bの開口425Bに配置される第3部材49Bを備えている。
第3部材49Bは、開口425Bの内部に配置されている。この場合、第3部材49Bは、第2部材42Bと一体化されるように、開口425Bに配置されていてもよい。例えば、第3部材49Bは、開口425Bに埋め込まれる又は嵌め込まれることで第2部材42Bと一体化されるように、開口425Bに配置されていてもよい。尚、ここで言う「第2部材42Bと第3部材49Bとが一体化される」状態は、第2部材42Bの移動に伴って第3部材49Bもまた第2部材42Bと同様に移動する状態を意味していてもよい。
第3部材49Bは、露光光ELが通過可能な部材である。第3部材49Bは、基板51を露光することができる程度の量の露光光ELを通過させることが可能な部材である。例えば、第3部材49Bは、露光光ELの透過率が所定値(例えば、80%、90%若しくは100%又はその他の任意の値)となる部材であってもよい。
第3部材49Bは、投影光学系3の少なくとも一部を構成する光学素子である。例えば、第3部材49Bは、終端光学素子31と共に投影光学系3を構成する光学素子であってもよい。例えば、第3部材49Bは、終端光学素子31の少なくとも一部を構成する光学素子であってもよい。但し、第3部材49Bは、投影光学系3の少なくとも一部を構成する光学素子でなくてもよい。
第3部材49Bが投影光学系3の少なくとも一部を構成する光学素子である場合には、第3部材49Bの傾き(つまり、チルト方向の傾きであって、例えば、θX方向及びθY方向の両方又は一方に沿った傾き)は、基板51に投影されるデバイスパターンの像の像シフトを引き起こしかねない。従って、第2実施形態では、第3部材49Bは、チルト方向の傾きを調整するように移動してもよい。第3部材49Bは、例えば、θX方向及びθY方向の両方又は一方に沿って移動してもよい。
第3部材49Bが第2部材42Bと一体化されている場合には、第2部材42Bが移動することで、第3部材49Bもまた移動する。従って、第3部材49Bのチルト方向の傾きを調整するように、第2部材42Bが移動してもよい。例えば、第3部材49Bのチルト方向の傾きを調整するように、第2部材42BがθX方向及びθY方向の両方又は一方に沿って移動してもよい。
第3部材49Bの形状は、平板状の又はプレート状の形状である。XY平面上における第3部材49Bの形状は、XY平面上における開口425Bの形状と同一である。XY平面上における第3部材49Bの外縁は、XY平面上における開口425Bの外縁と一致する。第3部材49Bの厚さは、第2部材42Bの厚さと同一である。例えば、第3部材49Bの厚さは、上面4231Bと下面4211Bとの間のZ方向の長さと同一である。
第3部材49Bは、上面491Bと、下面492Bと、外側面493Bとを備えている。
上面491Bは、上側を向いている平面である。上面491Bは、XY平面に平行な平面である。上面491Bは、下面492B及び外側面493Bの両方又は一方よりも上側に配置されている。上面491Bの基板51からの高さは、上面4231Bの基板51からの高さと同一である。つまり、上面491Bと上面4231Bとは同一平面上に配置されている。この場合、上面491Bの外側端部は、上面4231Bの内側端部及び内側面4232Bの上側端部の両方又は一方と一致している。
下面492Bは、下側を向いている平面である。下面492Bは、XY平面に平行な平面である。下面492の基板51からの高さは、下面4211Bの基板51からの高さと同一である。つまり、下面492Bと下面4211Bとは同一平面上に配置されている。この場合、下面492Bの外側端部は、下面4211Bの内側端部及び内側面4232Bの下側端部の両方又は一方と一致していてもよい。
外側面493Bは、外側を向いている平面である。外側面493Bは、光軸AXに平行な平面である。外側面493は、上面491Bの外側端部と下面492Bの外側端部とを繋ぐ面である。従って、外側面493Bの上側端部は、上面491Bの外側端部と一致している。例えば、外側面493Bの下側端部は、下面492Bの外側端部と一致している。外側面493BのZ方向の長さは、第2部材42Bの内側面4232BのZ方向の長さと同一である。外側面493Bは、内側面4232Bと接触又は密着していてもよい。
第2部材42Bは更に、空間SP2及び空間SP3の両方又は一方と空間SP1とを連結するための一又は複数の連結孔476Bを備えている。一又は複数の連結孔476Bの夫々は、上面4231Bから下面4211Bに向かって又は下面4211Bから上面4231Bに向かって第2部材42Bを貫通する孔である。一又は複数の連結孔476Bの夫々は、流体回収口441及び流体回収口442の両方又は一方よりも内側に配置されている。
空間SP2及び空間SP3の両方又は一方内の液体LQは、少なくとも一つの連結孔476Bを介して、空間SP1に流入してもよい。空間SP1内の液体LQは、少なくとも一つの連結孔476Bを介して、空間SP2及び空間SP3の両方又は一方に流入してもよい。従って、一又は複数の連結孔476Bの夫々の内部は、液浸空間LSの少なくとも一部を構成してもよい。
以上説明した第2実施形態の液浸部材4Bによれば、開口425Bに第3部材49Bが配置されているがゆえに、第2部材42Bの移動に伴って内側面4232Bが液浸空間LS内の液体LQを押し出すように移動することは殆ど又は全くない。このため、第2実施形態では、開口425Bに第3部材49Bが配置されていない場合と比較して、第2部材42Bの移動に伴う液浸空間LS内の液体LQの圧力の変動が生じにくくなる。従って、終端光学素子31が液浸空間LS内の液体LQから受ける圧力の変動が好適に抑制される。その結果、終端光学素子31の変動が好適に抑制される。
尚、図24に示す液浸部材4Bの構成は、あくまで一例である。例えば、液浸部材は、少なくとも、固定された第1部材と、開口を有し且つ移動可能な第2部材とを備えていればよい。このような液浸部材において、開口に第3部材が配置されていれば、上述した各種効果が相応に享受される。
第2部材42Bは、開口425Bを備えていなくてもよい。この場合、第2部材42Bの一部が、露光光ELが通過可能な部材(つまり、上述した第3部材49Bの如き部材)であってもよい。例えば、第2部材42Bのうちの開口425Bに相当する部分(つまり、露光光ELを通過させるべき部分)が、露光光ELが通過可能な部材であってもよい。第2部材42Bの全体が、露光光ELが通過可能な部材であってもよい。露光光ELが通過可能な部材は、上述した第3部材49Bと同様の特徴を有していてもよい。この場合であっても、第3部材49Bが配置されていない開口425Bを第2部材42Bが備える場合と比較して、終端光学素子31の変動が好適に抑制される。
第2部材42Bを移動させるための構成要素(例えば、駆動装置451、支持部材452及び支持部材453)の少なくとも一部は、Z方向に沿って第1部材41Bを貫通する貫通孔を介して第2部材42Bに連結されていてもよい。例えば、一端が第2部材42Bに連結される支持部材452の少なくとも一部は、Z方向に沿って第1部材41Bを貫通する貫通孔を介して第2部材42Bに連結されていてもよい。
第2部材42Bは、流体回収口441を備えていなくてもよい。この場合、第1部材41Bに形成される流体回収口442は、第2部材42Bの外側端部よりも外側に配置されると共に、空間SP1及び空間PS3の両方から液体LQを回収してもよい。
第1部材41Bは、流体回収口442に加えて又は代えて、空間SP3に気体を供給する給気口を備えていてもよい。給気口は、当該給気口よりも外側へ液体LQが飛び出すことを防ぐエアカーテンを形成するための気体を供給してもよい。第1部材41Bに代えて、第2部材42Bがこのような給気口を備えていてもよい。
第2部材42Bは、流体回収口441に加えて又は代えて、空間SP1に気体を供給する給気口を備えていてもよい。給気口は、当該給気口よりも外側へ液体LQが飛び出すことを防ぐエアカーテンを形成するための気体を供給してもよい。
上面4231Bの少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。上面4231Bの少なくとも一部は曲面であってもよい。上面4231Bの少なくとも一部は、液体LQに対して親液性を有していてもよい。
内側面4232Bの少なくとも一部は、光軸AXに対して傾斜していてもよい。内側面4232Bの少なくとも一部は曲面であってもよい。上面4231Bの少なくとも一部は、液体LQに対して親液性を有していてもよい。
開口425Bの径は、開口415の径よりも大きくてもよい。この場合、内側面4232Bの上側端部及び下側端部の両方又は一方は、内側面4121Bの下側端部よりも外側に配置される。開口425Bの径は、開口415の径よりも小さくてもよい。この場合、内側面4232Bの上側端部及び下側端部の両方又は一方は、内側面4121Bの下側端部よりも内側に配置される。開口425Bの径は、開口415の径と同一であってもよい。この場合、内側面4232Bの上側端部及び下側端部の両方又は一方は、光軸AXに平行な方向に沿って、内側面4121Bの下側端部と同じ位置に配置される。
第3部材49Bの少なくとも一部は、開口425Bの外部に配置されていてもよい。第3部材49Bは、第2部材42Bと一体化されていなくてもよい。
第3部材49Bの形状は、平板状の又はプレート状の形状とは異なる形状であってもよい。XY平面上における第3部材49Bの形状は、XY平面上における開口425Bの形状と同一でなくてもよい。XY平面上における第3部材49Bの外縁の少なくとも一部は、XY平面上における開口425Bの外縁の少なくとも一部と一致していなくてもよい。第3部材49Bの少なくとも一部の厚さは、第2部材42Bの厚さよりも小さくてもよい。第3部材49Bの少なくとも一部の厚さは、第2部材42Bの厚さよりも大きくてもよい。
上面491Bの少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。上面491Bの少なくとも一部は曲面であってもよい。上面491Bの基板51からの高さは、上面4231Bの基板51からの高さよりも大きくてもよい。上面491Bの基板51からの高さは、上面4231Bの基板51からの高さよりも小さくてもよい。
下面492Bの少なくとも一部は、XY平面に対して傾斜していてもよい。下面492Bの少なくとも一部は曲面であってもよい。下面492Bの基板51からの高さは、下面4211Bの基板51からの高さよりも大きくてもよい。下面492Bの基板51からの高さは、下面4211Bの基板51からの高さよりも小さくてもよい。
外側面493BのZ方向の長さは、内側面4232BのZ方向の長さよりも小さくてもよい。外側面493BのZ方向の長さは、内側面4232BのZ方向の長さよりも大きくてもよい。外側面493Bの少なくとも一部は、内側面4232Bと接触又は密着してなくてもよい。
一又は複数の連結孔476Bのうちの少なくとも一部は、流体回収口441及び流体回収口442の両方又は一方よりも外側に配置されていてもよい。一又は複数の連結孔476Bのうちの少なくとも一部は、光軸AXに平行な方向に沿って、流体回収口441及び流体回収口442の両方又は一方と同一位置に配置されていてもよい。
尚、上述した第1実施形態から第2実施形態において、コントローラー91は、CPU等を含むコンピュータシステムを含んでいてもよい。コントローラー91は、コンピュータシステムと外部装置との間の通信させるためのインタフェースを含んでいてもよい。コントローラー91には、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネル等のうちの少なくとも一つを含む入力機器等を含んでいてもよい。入力装置は、例えば、外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含んでいてもよい。コントローラー91には、液晶ディスプレイ等の表示装置が接続されていてもよい。
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク及びCD−ROM等のうちの少なくとも一つを含む記憶媒体を含んでいてもよい。メモリ92には、コンピュータシステムを制御するためのOS(オペレーティングシステム)がインストールされていてもよい。メモリ92には、露光装置EX1(EX2、以下同じ)を制御するためのプログラムが記憶されていてもよい。メモリ92には、光路ATに満たされた液体LQを介して投影される露光光ELを用いて基板51を露光するように露光装置EX1を制御するためのプログラムが記憶されていてもよい。
メモリ92に記憶されているプログラムは、コントローラー91によって読み込まれ且つ実行されてもよい。その結果、液浸部材4A(4B)、基板ステージ5及び計測ステージ6等の露光装置EX1が備える各種構成要素が協働して、液浸空間LSが形成された状態で基板51を露光する露光処理等の各種処理が行われる。
上述の説明では、終端光学素子31の射出面32側(つまり、像面側)の光路ATが液体LQで満たされている投影光学系3が例示されている。しかしながら、終端光学素子31の入射側(つまり、物体面側)の光路ATが液体LQで満たされている投影光学系が用いられてもよい。終端光学素子31の入射側の光路が液体LQで満たされている投影光学系の一例は、例えば、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されている。
上述の説明では、液体LQが水(例えば、純水)である例が例示されている。しかしながら、液体LQは、水以外の液体であってもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性を有していてもよい。液体LQは、露光光ELに対して高い屈折率を有していてもよい。液体LQは、投影光学系3又は基板51の表面を形成する感光材(つまり、フォトレジスト)等に対して安定しているという特性を有してもよい。このような液体LQの一例として、例えば、フッ素系液体(例えば、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)又はフォンブリンオイル等)があげられる。液体LQは、様々な流体(例えば、超臨界流体)であってもよい。
上述の説明では、基板51が半導体デバイス製造用の半導体ウェハを含む例が例示されている。しかしながら、基板51は、ディスプレイデバイス用のガラス基板を含んでいてもよい。基板51は、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウェハを含んでいてもよい。基板51は、露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(例えば、合成石英又はシリコンウェハ)を含んでいてもよい。
上述の説明では、露光装置EX1は、マスク11と基板51とを移動させることでマスク11に形成されたデバイスパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆる、スキャニングステッパ)である例が例示されている。しかしながら、露光装置EX1は、マスク11と基板51とを静止させた状態でマスク11に形成されたデバイスパターンを一括露光すると共に、当該一括露光が終了する毎に基板51をステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆる、ステッパ)であってもよい。ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置は、第1マスク11と基板51とをほぼ静止させた状態で第1マスク11に形成された第1デバイスパターンの縮小像を基板51に露光した後に、第2マスク11と基板51とをほぼ静止させた状態で第2マスク11に形成された第2デバイスパターンの縮小像を、第1デバイスパターンの縮小像に重ねて基板51に露光する露光装置(いわゆる、スティッチ方式の露光装置)であってもよい。スティッチ方式の露光装置は、基板51上で2つ以上のデバイスパターンを部分的に重ねて露光すると共に、基板51を順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置であってもよい。
露光装置EX1は、投影光学系3を介して2つのマスク11のデバイスパターンを基板51上で合成すると共に、1回の走査露光によって基板51上のショット領域Sをほぼ同時に二重露光する露光装置であってもよい。このような露光装置の一例は、例えば、米国特許第6,611,316号に開示されている。露光装置EX1は、プロキシミティ方式の露光装置であってもよい。露光装置EX1は、ミラープロジェクションアライナー等であってもよい。
露光装置EX1は、複数の基板ステージ5を備えるツインステージ型又はマルチステージの露光装置であってもよい。ツインステージ型の露光装置の一例は、例えば、米国特許第6,341,007号、米国特許第6,208,407号及び米国特許第6,262,796号に開示されている。例えば、図25に示すように、露光装置EX1が2つの基板ステージ5A及び5Bを備えている場合には、終端光学素子31の射出面32に対向するように配置される物体は、一方の基板ステージ5A、当該一方の基板ステージ5Aに保持された基板51A、他方の基板ステージ5B及び当該他方の基板ステージ5Bに保持された基板51Bのうちの少なくとも一つであってもよい。
露光装置EX1は、複数の基板ステージ5及び計測ステージ6を備えるツインステージ型又はマルチステージ型の露光装置であってもよい。
露光装置EX1は、基板51に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置であってもよい。露光装置EX1は、液晶表示素子製造用の又はディスプレイ製造用の露光装置であってもよい。露光装置EX1は、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(例えば、CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ及びマスク11(或いは、レチクル)のうちの少なくとも一つを製造するための露光装置であってもよい。
上述の説明では、マスク11が、光透過性の透明板の上に所定の遮光パターン(或いは、位相パターン又は減光パターン)を形成した透過型マスクである例が例示されている。しかしながら、マスク11は、露光すべきデバイスパターンの電子データに基づいて透過パターン、反射パターン又は発光パターンを形成する可変成形マスク(いわゆる、電子マスク、アクティブマスク又はイメージジェネレータ)であってもよい。可変成形マスクの一例は、米国特許第6,778,257号に開示されている。マスク11は、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を備えるパターン形成装置であってもよい。
上述の説明では、投影光学系3を備える露光装置EX1が例示されている。しかしながら、投影光学系3を備えていない露光装置及び露光方法に対して、上述した各種実施形態が適用されてもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成すると共に光学部材を介して投影される露光光で基板を露光する露光装置及び露光方法に対して、上述した各種実施形態が適用されてもよい。
露光装置EX1は、干渉縞を基板51に形成することで基板51にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(いわゆる、リソグラフィシステム)であってもよい。このような露光装置の一例は、例えば、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されている。
上述の露光装置EX1は、上述の各種構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度及び光学的精度を保つように組み合わせることで製造されてもよい。機械的精度を保つために、組み合わせの前後において、機械的精度を達成するための調整処理が各種機械系に行われてもよい。電気的精度を保つために、組み合わせの前後において、電気的精度を達成するための調整処理が各種電気系に行われてもよい。光学的精度を保つために、組み立ての前後において、光学的精度を達成するための調整処理が各種光学系に行われてもよい。各種サブシステムを組み合わせる工程は、各種サブシステムの間の機械的接続を行う工程を含んでいてもよい。各種サブシステムを組み合わせる工程は、各種サブシステムの間の電気回路の配線接続を行う工程を含んでいてもよい。各種サブシステムを組み合わせる工程は、各種サブシステムの間の気圧回路の配管接続を行う工程を含んでいてもよい。尚、各種サブシステムを組み合わせる工程の前に、各種サブシステムの夫々を組み立てる工程が行われる。各種サブシステムを組み合わせる工程が終了した後には、総合調整が行われることで露光装置EX1の全体としての各種精度が確保される。尚、露光装置EX1の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行われてもよい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図26に示す各ステップを経て製造されてもよい。マイクロデバイスを製造するためのステップは、マイクロデバイスの機能及び性能設計を行うステップS201、機能及び性能設計に基づいたマスク(レチクル)11を製造するステップS202、デバイスの基材である基板51を製造するステップS203、上述の実施形態に従って、マスク11のデバイスパターンからの露光光ELで基板51を露光し且つ露光された基板51を現像するステップS204、デバイス組み立て処理(ダイシング処理、ボンディング処理、パッケージ処理等の加工処理)を含むステップS205及び検査ステップS206を含んでいてもよい。
上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液浸部材、露光装置及び露光方法並びにデバイス製造方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
以上、本明細書で説明した実施形態について、以下の付記を更に記載する。
[付記1]
光学部材から射出される露光光が通過する液浸空間を露光装置内に形成する液浸部材であって、
前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置され、且つ、前記光学部材の下方で移動可能な物体に対向する第1下面を備える第1部材と、
前記光学部材の光軸に対して前記第1下面の外側に位置すると共に前記物体に対向する第2下面と、前記光軸に対して前記第2下面の内側に位置すると共に少なくとも一部が前記第1下面の少なくとも一部の上方に位置する第3下面とを備え、且つ、移動可能な第2部材と
を備える液浸部材。
[付記2]
前記第2下面の少なくとも一部に形成された第1液体供給口を備える付記1に記載の液浸部材。
[付記3]
前記第2下面の少なくとも一部に形成された第1液体回収口を備える付記1又は2に記載の液浸部材。
[付記4]
前記第2下面の少なくとも一部に形成された第1液体供給口と、
前記第2下面の少なくとも一部に形成され且つ前記光軸に対して前記第1液体供給口よりも外側に形成された第1液体回収口と、
を備える付記1に記載の液浸部材。
[付記5]
前記第3下面の少なくとも一部に形成された第2液体供給口を備える付記1から4のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記6]
前記第3下面の少なくとも一部に形成された第2液体回収口を備える付記1から5のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記7]
前記第3下面の少なくとも一部に形成された第2液体供給口と、
前記第3下面の少なくとも一部に形成され且つ前記光軸に対して前記第2液体供給口よりも内側に形成された第2液体回収口と、
を備える付記1から4のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記8]
前記第1部材の少なくとも一部は、前記第3下面の少なくとも一部と間隙を介して対向し、
前記第2液体回収口は、前記第1部材の少なくとも一部と前記第3下面との間の間隙の少なくとも一部に面する付記6又は7に記載の液浸部材。
[付記9]
前記第2部材は、前記第2液体回収口が前記第1部材の少なくとも一部と前記第3下面との間の間隙の少なくとも一部に面し続けるように移動する付記8に記載の液浸部材。
[付記10]
前記第2部材は、前記第2下面の内側端部の少なくとも一部と前記第3下面の外側端部の少なくとも一部とを繋ぐ第1内側面を備える付記1から9のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記11]
前記第1内側面は、前記光軸に対して外側に向かって上方に傾斜する面を含む付記10に記載の液浸部材。
[付記12]
前記第1内側面は、前記光軸に対して外側に向かって下方に傾斜する面を含む付記10に記載の液浸部材。
[付記13]
前記第1部材の少なくとも一部は、前記第3下面の少なくとも一部と間隙を介して対向し、
前記第1内側面の少なくとも一部は、前記第2部材の移動の方向に沿って、前記第1部材の少なくとも一部と前記第3下面との間の間隙の少なくとも一部に対向する付記10から12のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記14]
前記第1部材の少なくとも一部と前記第3下面との間の間隙の前記光軸に平行な方向の長さは、前記第1内側面の前記光軸に平行な方向の長さよりも長い又は同一である付記13に記載の液浸部材。
[付記15]
前記第1内側面の少なくとも一部に形成された第3液体供給口を備える付記10から14のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記16]
前記第1部材は、前記第1下面の外側端部の少なくとも一部に繋がる第1外側面を備える付記1から15のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記17]
前記第1外側面は、前記光軸に対して外側に向かって下方に傾斜する面を含む付記16に記載の液浸部材。
[付記18]
前記第2下面は、前記第3下面と同じ高さに配置される付記1から17のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記19]
前記第2下面は、前記第3下面よりも下方に配置される付記1から17のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記20]
前記第2下面は、前記第3下面よりも上方に配置される付記1から17のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記21]
前記第2下面は、前記第1下面と同じ高さ又は前記第1下面よりも上方に配置される付記1から20のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記22]
前記第1部材は、少なくとも一部が前記第3下面の少なくとも一部と間隙を介して対向する第1上面を備える付記1から21のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記23]
前記第2下面は、前記第1上面と同じ高さ又は前記第1上面よりも上方に配置される付記22に記載の液浸部材。
[付記24]
前記第1部材は、前記第1上面の内側端部の少なくとも一部に繋がる第2外側面を備える付記22又は23に記載の液浸部材。
[付記25]
前記第2部材の少なくとも一部は、前記第2外側面及び前記第1上面によって囲まれた空間に位置する付記24に記載の液浸部材。
[付記26]
前記第1部材は、少なくとも一部が前記光学部材の少なくとも一部に対向する第2内側面を備える付記1から25のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記27]
前記第2内側面の少なくとも一部に形成された第4液体供給口を備える付記26に記載の液浸部材。
[付記28]
前記第2内側面の少なくとも一部に形成された第3液体回収口を備える付記26又は27に記載の液浸部材。
[付記29]
前記第2部材は、前記第3下面の内側端部の少なくとも一部に繋がる第3内側面を備える付記1から28のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記30]
前記第1部材は、露光光が通過する第1開口を有する付記1から29のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記31]
前記第1下面は、前記物体の上面が対向する前記光学部材の端面よりも下方に位置する付記1から30のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記32]
光学部材から射出される露光光が通過する液浸空間を露光装置内に形成する液浸部材であって、
前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、
少なくとも一部が前記第1部材の下方に位置し、前記露光光が通過可能な第1開口を備え、且つ、移動可能な第2部材と、
前記第1開口に配置されると共に、前記露光光が通過する第3部材と
を備える液浸部材。
[付記33]
光学部材から射出される露光光が通過する液浸空間を露光装置内に形成する液浸部材であって、
前記光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、
少なくとも一部が前記第1部材の下方に位置し、且つ、移動可能な第2部材と
を備え、
前記光学部材から射出される前記露光光の光路上に位置する前記第2部材の少なくとも一部は、前記露光光が通過可能な第3部材である液浸部材。
[付記34]
前記第2部材は、前記第2部材と前記第1部材との間の空間と、前記第2部材と前記第2部材の下方で移動可能な物体との間の空間とを連結する連結孔を備え、
前記第2部材と前記第1部材との間の空間から、前記第2部材と前記第2部材の下方で移動可能な物体との間の空間へ液体が流入可能である付記32又は33に記載の液浸部材。
[付記35]
前記第1部材の少なくとも一部に形成された第1液体回収口を備え、
前記連結孔は、前記光学部材の光軸に対して前記第1液体回収口より内側に位置する付記32から34のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記36]
前記第2部材の少なくとも一部に形成された第2液体回収口を備え、
前記連結孔は、前記光学部材の光軸に対して前記第2液体回収口より内側に位置する付記32から35のいずれか一項に記載の液浸部材。
[付記37]
液浸空間を介して投影される露光光を用いて基板を露光する露光装置であって、
付記1から36のいずれか一項に記載の液浸部材を用いて前記液浸空間を形成する露光装置。
[付記38]
前記物体との相対速度及び相対加速度の両方又は一方が小さくなるように前記第2部材を移動させる付記37に記載の露光装置。
[付記39]
前記第2部材と前記物体との相対速度が、前記第1部材と前記物体との相対速度よりも小さくなるように前記第2部材を移動させる付記37又は38に記載の露光装置。
[付記40]
前記第2部材と前記物体との相対加速度が、前記第1部材と前記物体との相対加速度よりも小さくなるように前記第2部材を移動させる付記37から39のいずれか一項に記載の露光装置。
[付記41]
前記第2部材を、前記光学部材の光軸に垂直な面内における第1軸に平行な第1方向及び前記光学部材の光軸に垂直な面内における第2軸であって且つ前記第1軸に交わる第2軸に平行な第2方向の夫々に沿って移動させる付記37から40のいずれか一項に記載の露光装置。
[付記42]
前記物体は、前記基板を含んでおり、
前記基板は、第1経路を移動した後に、第2経路を移動し、
前記第1経路における前記基板の移動は、前記第1方向に沿った移動を含み、
前記第2経路における前記基板の移動は、前記第2方向に沿った移動を含み、
前記第2部材は、前記基板が前記第1経路を移動している期間の少なくとも一部において、少なくとも前記第1方向に沿って移動し、
前記第2部材は、前記基板が前記第2経路を移動している期間の少なくとも一部において、少なくとも前記第2方向に沿って移動する付記41に記載の露光装置。
[付記43]
前記物体は、前記基板を含んでおり、
前記基板は、スキャン方向に沿って移動した後に、ステップ方向に沿って移動し、
前記第2部材は、前記基板が前記スキャン方向に沿って移動している期間の少なくとも一部において、少なくとも前記スキャン方向に沿って移動し、
前記第2部材は、前記基板が前記ステップ方向に沿って移動している期間の少なくとも一部において、少なくとも前記ステップ方向に沿って移動する付記37から42のいずれか一項に記載の露光装置。
[付記44]
液浸空間の液体を介して投影される露光光を用いて基板を露光する露光方法であって、
付記1から36のいずれか一項に記載の液浸部材を用いて前記液浸空間を形成する露光方法。
[付記45]
付記37から43のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと
を備えるデバイス製造方法。
[付記46]
付記44に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと
を備えるデバイス製造方法。