JP2018159124A - 防錆剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物に対して優れた防錆性を付与することのできる防錆剤組成物であって、捨て打ち回数を低減することのできる防錆剤組成物を提供すること。【解決手段】気化性防錆剤と、金属石鹸と、溶剤とを含有する防錆剤組成物である。気化性防錆剤は、アミン類、アミンの塩類及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種である。気化性防錆剤の含有量が組成物全体の1.2質量%以上5.0質量%以下である。防錆剤組成物には、さらに染料を含有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、防錆剤組成物に関し、特に金型成形における短期防錆用として好適に用いることができる防錆剤組成物に関する。
一般的な防錆剤には、防錆油や気化性防錆剤などがある。防錆油は、防錆対象物の金属表面に塗布して油膜を形成することにより、大気中における変色や錆の発生を防止する油脂のことである。防錆油の塗布により金属製品を一時的に錆から守る方法は、手軽且つ安価であり、しかも特別な技術を要しないため、古くから非常に多くの分野で利用されている。
一方、気化性防錆剤は、それ自体がガス化して密閉空間内に充満し、その密閉空間内にある防錆対象物の金属表面に対して防錆効果を発揮するものである。また、気化性防錆剤は、ガス化した防錆剤成分が金属表面を覆うため、直接塗布する必要がない。また、防錆対象物を密閉空間から出す際に、使用済みの防錆剤を除去する必要がないか若しくは除去が非常に簡易である。
例えば、特許文献1や特許文献2には、粉末状の気化性防錆剤、或いは粘結剤を含有させて粒状ないし錠剤状とした気化性防錆剤が記載されている。また、特許文献3には、熱可塑性樹脂粒に発泡剤と防錆剤を含浸させたペレット状の気化性防錆剤が記載されている。特許文献4には、防錆剤成分としてブチンジオールを含有し、通気性の袋に収容された気化性防錆剤が記載されている。
しかしながら、気化性防錆剤は、防錆剤成分が大気中に拡散しやすいため、防錆対象物の特定箇所に噴霧したとしても、防錆剤成分が被膜として留まらず大部分が大気中に拡散する。そのため、気化性防錆剤は、密閉空間で適用しなければ大気中に拡散する防錆剤成分の量が増え、満足すべき防錆効果が得られない。よって、気化性防錆剤は、一般的に密閉空間では有効であるが、開放された空間では適用が困難であるという欠点を有する。
そこで、上記の事情に鑑み提案された気化性防錆剤が特許文献5において開示されている。特許文献5によれば、所定のリン脂質と気化性防錆剤とを含有することにより、密閉空間のみならず開放された空間においても使用できる高い防錆効果を有する気化性防錆剤とすることができる。
特開2001−031966号公報 特開2003−213462号公報 特公平02−57092号公報 特開平09−031672号公報 特開2015−124392号公報
さて、プラスチック成形に用いられる成形金型に対して防錆剤組成物を塗布し、その成形金型を用いて短期間で成形を行うことがある。その場合、防錆剤組成物には、短期間で成形金型に防錆性を付与することが求められる。しかしながら、防錆剤組成物が塗布された成形金型を用いてその防錆処理から短期間のうちに成形を行うと、成形初期の数スロットにおいて防錆剤組成物中の成分、特に気化性防錆剤成分が成形品へ転写或いは移着する現象が生じる。
気化性防錆剤が転写或いは移着した成形品は、不良品となるため製品として使用することができない。そこで、防錆剤組成物を塗布することで防錆処理を施した成形金型を用いて成形を行う場合には、気化性防錆剤が転写或いは移着して成形された数スロットにおける成形品(成形操作開始から初期の成形品)を処分する捨て打ちという作業が行われる。
捨て打ちされた成形品は不良品として処分される。したがって、捨て打ち回数が多くなると、その成形品の歩留りは低下する。そのため、成形品の生産性向上の観点からは、捨て打ち回数を低減させることが望ましい。
本発明は、上述した従来の事情に鑑みて提案されたものであり、対象物に対して優れた防錆性を付与するとともに、成形品の捨て打ち回数を有効に低減することのできる防錆剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を行ったところ、特定の気化性防錆剤と、金属石鹸と、を所定の割合で含有した防錆剤組成物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、気化性防錆剤と、金属石鹸と、溶剤とを含有し、前記気化性防錆剤は、アミン類、アミンの塩類及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種であり、該気化性防錆剤の含有量が組成物全体の1.2質量%以上5.0質量%以下である、防錆剤組成物である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、金型成形に使用される金型に対する防錆処理に用いられる、防錆剤組成物である。
(3)本発明の第3の発明は、第1または第2の発明において、前記金属石鹸は、脂肪酸金属塩から選択される少なくとも1種であり、該金属石鹸の含有量が組成物全体の0.05質量%以上0.20質量%以下である、防錆剤組成物である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記溶剤は、炭化水素系溶剤であり、前記溶剤の含有量が組成物全体の95.0質量%以上98.5質量%以下である、防錆剤組成物である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、さらに、染料を含有する、防錆剤組成物である。
(6)本発明の第6の発明は、第5の発明において、前記染料は、油溶染料を少なくとも含み、前記染料の含有量が組成物全体の0.01質量%以上0.2質量%以下である、防錆剤組成物である。
本発明の防錆剤組成物は、対象物に対して優れた防錆性を付与することのできる防錆剤組成物であって、捨て打ち回数を低減することができる。
以下、本発明の一実施形態の防錆剤組成物(以下、本発明の防錆剤組成物と表記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
<防錆剤組成物>
本発明の防錆剤組成物は、気化性防錆剤と、金属石鹸と、溶剤とを含有する防錆剤組成物である。具体的に、本発明の防錆剤組成物に含まれる気化性防錆剤は、アミン類、アミンの塩類、及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種であり、その気化性防錆剤の含有量が組成物全体の1.2質量%以上5.0質量%以下である。尚、本明細書中の「組成物全体」とは、防錆剤組成物全体を意味するものである。
本発明の防錆剤組成物は、例えば、金属製品、機械部品や自動車部品、可動部を有する部品、短期間の防錆を必要とする金型成形における金型等に対して好適に用いることができる。そして、本発明の防錆剤組成物をこれらの製品等に塗布することにより、これらの製品等の変色や錆の発生を効果的に防ぐことができる。
また、本発明の防錆剤組成物は、気化性防錆剤として、アミン類、アミンの塩類、及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種を含有しているため、用済み後は簡易に除去することができる。
また、成形金型に対して本発明の防錆剤組成物を塗布し、その成形金型を用いて成形した場合であっても、成形品の捨て打ち回数を低減できる防錆剤組成物である。そのため、本発明の防錆剤組成物は、一般の金属製品等に対して用いることができるが、金型成形に使用される金型に対する防錆処理に特に好適に用いることができる。
以下、本発明の防錆剤組成物に含有される気化性防錆剤、金属石鹸、及び、溶剤について説明する。
[気化性防錆剤]
気化性防錆剤は、アミン類、アミンの塩類、及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種である。防錆剤組成物にアミン類、アミンの塩類及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種の気化性防錆剤が含有されることにより、防錆剤組成物が塗布された対象物に優れた防錆性を付与することができる。
気化性防錆剤は、アミン類、アミンの塩類及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種であれば特に限定されない。好ましい気化性防錆剤の具体例としては、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、オレイルアミン、ジドデシルアミン、ベンゾトリアゾールトリエチルアミン、ジエチルアミン、トリデシルアミン、ヘキサメチレンジアミン等を挙げることができる。対象物の防錆性を向上させる観点から、ジシクロヘキシルアミン、または、メチルジシクロヘキシルアミンが特に好ましい。
気化性防錆剤は、組成物全体の1.2質量%以上5.0質量%以下の割合で含有されている。気化性防錆剤の含有量が、組成物全体の1.2質量%未満であると、防錆剤組成物の塗布対象に十分な防錆性を付与することができず、防錆効果を長時間に亘って維持させることができない。一方で、気化性防錆剤の含有量が、組成物全体の5.0質量%超であると、防錆剤組成物を特に金型成形における短期防錆用として使用した場合に、気化性防錆剤が成形品へ転写或いは移着し易くなり、捨て打ち回数が増加するため好ましくない。
また、気化性防錆剤の含有量の上限値に関しては、3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましく、1.9質量%以下であることがさらに好ましい。
[金属石鹸]
金属石鹸は、脂肪酸または2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸、ロジン酸などの有機酸と、金属と、を含む塩である。本発明の防錆剤組成物においては、上述した気化性防錆剤と共に金属石鹸が含有されている。
ここで、従来の防錆剤組成物では、対象物に防錆性を有効に付与するために、防錆剤組成物に含有される気化性防錆剤の含有量として、少なくとも組成物全体の2.0質量%以上が必要であると考えられてきた。しかしながら、本発明者の研究により、防錆剤組成物において気化性防錆剤と共に金属石鹸を含有させることで、その気化性防錆剤の含有量を低減させたとしても防錆性の効果の低下を抑えることができることが分かった。また、このように金属石鹸を含有させて気化性防錆剤の含有量を低減させることで、防錆剤組成物を成形金型に適用した場合において、成形品の捨て打ち回数をより効果的に低減することができる。
本発明の防錆剤組成物によれば、長期に亘って有効に防錆性を付与することができるとともに、成形品の捨て打ち回数を低減することができ、この2つの特性をバランス良く付与することができる。
金属石鹸としては、有機酸と金属とを含む塩であれば特に限定されない。例えば、金属石鹸の具体例として、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、リシノールカルシウム、ラウリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、オクタン酸カルシウム等を挙げることができる。その中でも、上述した2つの特性を塗布対象物に対してバランス良く付与することができるという観点から、パルチミン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、オクタン酸カルシウムであることが特に好ましい。
金属石鹸の含有量としては、特に限定されないが、組成物全体の0.05質量%以上であることが好ましい。含有量が組成物全体の0.05質量%以上であることにより、上述した2つの特性をより一層にバランス良く付与することができる。また、金属石鹸の含有量の上限値としては、組成物全体の5.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。
[溶剤]
溶剤は、気化性防錆剤、金属石鹸等の組成物中の構成成分を溶解することができる溶剤であれば特に制限はされない。具体的には、シクロヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、イソパラフィン等の炭化水素系溶剤を用いることができであることが好ましく、イソヘキサン、イソオクタンであることが特に好ましい。
溶剤の含有量としては、特に限定されないが、組成物全体の80.0質量%以上であることが好ましく、90.0質量%以上であることがより好ましく、95.0質量%以上であることが特に好ましい。含有量が組成物全体の80.0質量%以上であることにより、気化性防錆剤、金属石鹸等の構成成分を有効に溶解することができる。また、溶剤の含有量の上限値としては、組成物全体の98.5質量%以下であることが好ましい。
[染料]
また、本発明の防錆剤組成物においては、さらに染料を含有させることできる。染料は、有機溶剤や油脂の着色に適用されるものを用いることができ、少なくとも油溶染料を含むものであることが好ましい。
具体的に、染料としては、例えば、モノ・ジスアゾ系、金属錯塩型モノアゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系等を挙げることができる。このような染料は、主として有機溶剤、油脂等の着色に用いられる染料である。防錆剤組成物中にこのような染料を含有させることにより、塗布対象物に防錆組成物で塗布して防錆処理を施した際に、その処理した箇所の視認性を高めることができ、処理の有無や処理箇所、処理範囲等を目視により容易に確認することができる。
染料の含有量は、特に限定されないが、組成物全体の0.01質量%以上であることが好ましい。含有量が組成物全体の0.01質量%以上であることにより、着色性が高まるため、視認性を向上させることができる。また、染料の含有量の上限値としては、組成物全体の0.2質量%以下であることが好ましい。染料の含有量を組成物全体の0.2質量%以下とすることで溶剤に有効に溶解され、また、染料が他の部品に転写することを防止することができる。そのため、捨て打ち回数が増加することを防止することができる。
[その他の添加剤]
本発明の防錆剤組成物には、その他、防錆剤組成物に通常配合されている添加剤を含有させることができる。例えば、酸化防止剤、腐食防止剤、消泡剤、ハードケーキ防止剤、沈降防止剤、その他各種の添加剤を任意に選択して配合することができる。また、これら各種の添加剤の含有量は、それぞれ要求される性能に応じて任意に定めることができる。
<防錆剤組成物の製造方法>
本発明の防錆剤組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法により製造することができる。例えば、所定の組成物含有量となるように秤量した気化性防錆剤と、金属石鹸と、溶剤と、さらに必要に応じて添加する添加剤とを混合し、溶剤にこれらの構成成分を溶解させることによって製造することができる。
溶剤への溶解に際しては、その溶解性を向上させる観点から、気化性防錆剤の沸点未満の温度に加熱して混合することが好ましい。また、混合に際しては、公知の撹拌装置を用いて撹拌しながら行うことが好ましい。
<防錆剤組成物の塗布方法>
本発明の防錆剤組成物を対象物に塗布する方法は、特に限定されるものではない。例えば、噴射剤等を含有させてエアゾール等とし、塗布対象物に対して噴霧して塗布する方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
「防錆性の評価:塩水噴霧試験(JIS K 2246に準拠)」
防錆性評価は、塩水噴霧試験装置を用いて噴霧試験を行った評価した。塩水噴霧試験とは、試験片に防錆剤組成物を塗布し温度35℃において塩水を噴霧した装置内に規定時間保持した後の錆発生度を調べる試験である。本試験においては、試験片は鋼板(#240で表面研磨)とし、塩水濃度は5%とした。試験片全体が錆びた時点で終了とし、錆が発生しなかった時間及び試験片全体が錆びた時間をそれぞれ記録した(表1中、「防錆性」の欄に記載)。なお、これらの錆発生の時間が長いほど、対象物に対して優れた防錆性を付与することのできる防錆剤組成物であることを意味する。
「捨て打ち性の評価」
ポリカーボネート(パンライトLー1225Y)のペレットを120℃で4時間乾燥した後に、射出成形機(日精エー・エス・ビー機械株式会社製)を用いて溶融温度280℃、射出圧力1200kg/cm、金型温度80℃にて評価用試験片(90×50×t1mmの透明プレート)を成形した。このとき、成形前の金型側に防錆剤組成物の塗布を行った。評価方法として、防錆剤組成物を塗布した評価用試験片の表面を観察して油分(防錆剤組成物)の有無を確認し、その後、試験片表面に油分が無くなるまで成形を繰り返した。そして、試験片表面に油分(防錆剤組成物)が無くなったときのショット数を記録した(表1中、「捨て打ち」の欄に記載)。なお、本ショット数が少ないほど、捨て打ち回数を低減することのできる防錆剤組成物であることを意味する。
次に、各実施例及び比較例を説明する。
[実施例1]
実施例1では、気化性防錆剤のジシクロヘキシルアミン3.0質量%、金属石鹸のパルチミン酸カルシウム0.10質量%、溶剤のノルマルヘプタンが96.9質量%となるように、ジシクロヘキシルアミンとパルチミン酸カルシウムを80℃で加熱混合した後にノルマルヘプタンを添加撹拌して防錆剤組成物を作製した。
[実施例2]
実施例2では、メチルジシクロヘキシルアミン4.0質量%、オレイン酸カルシウム0.12質量%、イソオクタン95.88質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に防錆剤組成物を作製した。
[実施例3]
実施例3では、ジシクロヘキシルアミン1.5質量%、オクタン酸カルシウムが0.05質量%、イソヘキサン98.45質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に防錆剤組成物を作製した。
[実施例4]
実施例4では、メチルジシクロヘキシルアミン4.9質量%、オレイン酸カルシウム0.15質量%、イソヘキサン94.95質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に防錆剤組成物を作製した。
[比較例1]
比較例1では、気化性防錆剤のジシクロヘキシルアミンが4.0質量%、溶剤のイソヘキサンが96.0質量%となるように、溶剤に気化性防錆剤を添加し撹拌して防錆剤組成物を作製した。
[比較例2]
比較例2では、気化性防錆剤のジシクロヘキシルアミン3.0質量%、リン脂質の大豆レシチン3.0質量%、シクロヘキサン94.0質量%となるようにしたこと以外は、比較例1と同様に防錆剤組成物を作製した。
[比較例3]
比較例3では、メチルジシクロヘキシルアミン4.0質量%、溶剤のイソオクタン96.0質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に防錆剤組成物を作製した。
[比較例4]
比較例4では、気化性防錆剤のジシクロヘキシルアミン6.0質量%、金属石鹸のパルチミン酸カルシウム0.20質量%、溶剤のノルマルヘプタンが93.8質量%となるように、ジシクロヘキシルアミンとパルチミン酸カルシウムを80℃で加熱混合した後にノルマルヘプタンを添加撹拌して防錆剤組成物を作製した。
[比較例5]
比較例5では、気化性防錆剤のジシクロヘキシルアミン1.0質量%、金属石鹸のオレイン酸カルシウム0.03質量%、イソヘキサン98.97質量%となるようにしたこと以外は、比較例4と同様に防錆剤組成物を作製した。
Figure 2018159124
表1に示す結果から、1.2質量%以上5.0質量%以下の気化性防錆剤と、金属石鹸と、を含有する実施例1〜4の防錆剤組成物を用いて防錆処理することで、対象物に対して優れた防錆性を付与することのできたとともに、捨て打ち回数を有効に低減できた。
特に1.5質量%のジシクロヘキシルアミン(気化性防錆剤)を含有した実施例3の防錆剤組成物は、気化性防錆剤の含有量が他の実施例よりも少ないにも関わらず、防錆性評価において他の実施例と同様の特性を有している。これは、防錆剤組成物に金属石鹸が含有されることにより、気化性防錆剤の含有量が少ないにも関わらず、対象物の防錆性の低下が軽減されることが分かる。
一方、金属石鹸を含有していない比較例1及び比較例3の防錆剤組成物は、防錆性及び捨て打ち性のいずれもおいて効果が低いものであることが分かる。また、金属石鹸の代わりに大豆レシチンを含有した比較例2の防錆剤組成物は、優れた防錆性を有しているものの、実施例に比べて捨て打ち性が低下している。さらに、防錆剤組成物の含有量が5.0質量%を超える比較例4の防錆剤組成物は、捨て打ち性が低下しており、防錆剤組成物の含有量が1.2質量%未満の比較例5の防錆剤組成物は、防錆性が低下した。
以上の結果から、所定量の気化性防錆剤と金属石鹸とを含有した防錆剤組成物では、対象物に対して優れた防錆性を付与することのできるとともに、捨て打ち回数を有効に低減することのできることが分かった。

Claims (6)

  1. 気化性防錆剤と、金属石鹸と、溶剤とを含有し、
    前記気化性防錆剤は、アミン類、アミンの塩類、及び亜硝酸塩から選択される少なくとも1種であり、該気化性防錆剤の含有量が組成物全体の1.2質量%以上5.0質量%以下である、防錆剤組成物。
  2. 金型成形に使用される金型に対する防錆処理に用いられる
    請求項1に記載の防錆剤組成物。
  3. 前記金属石鹸は、脂肪酸金属塩から選択される少なくとも1種であり、該金属石鹸の含有量が組成物全体の0.05質量%以上5.0質量%以下である
    請求項1または請求項2に記載の防錆剤組成物。
  4. 前記溶剤は、炭化水素系溶剤であり、該溶剤の含有量が組成物全体の80.0質量%以上98.5質量%以下である
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防錆剤組成物。
  5. さらに、染料を含有する
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の防錆剤組成物。
  6. 前記染料は、油溶染料を少なくとも含み、該染料の含有量が組成物全体の0.01質量%以上0.2質量%以下である
    請求項5に記載の防錆剤組成物。
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