JP2018155244A - ターボ圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】2次流れ及びそれに起因する渦流れを抑制してターボ圧縮機の効率を向上させる。【解決手段】ターボ圧縮機(100)の翼車(10)は、ハブ(30)及び複数の翼(31)を有する。回転軸(O)から前縁部(31a)とハブ縁部(31c)との交点までの距離をR1と定義し、回転軸(O)から前縁部(31a)とシュラウド縁部(31d)との交点までの距離をR2と定義し、回転軸(O)から後縁部(31b)までの距離をR3と定義したとき、距離R1、距離R2及び距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たす。コード方向に関する前縁部(31a)からの無次元距離をMと定義したとき、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において翼角度βsが一定であり、無次元距離Mが5%の位置において翼角度βh及び翼角度βsがβh≧βs×2/3の関係を満たす。【選択図】図1
Description
本開示は、ターボ圧縮機に関する。
ターボ圧縮機は、翼車と呼ばれる部品を備えている。翼車は、圧縮性の流体を送風又は圧縮するために用いられる回転部品であり、流体を主として回転接線方向に加速することによって流体に運動エネルギーを付与する。翼車は、一般的に円錐台に近い形状を有し、小径面の中心と大径面の中心とを結ぶ直線を軸として回転する。翼車は、ハブ及び複数の翼を有する。複数の翼は、ハブの表面上に放射状に配置されている。
ターボ圧縮機に吸入された流体は、翼の前縁部に所定の角度で衝突する。この衝突によって、翼の表面(負圧面)と翼の裏面(正圧面)との間に速度差が発生し、流体に運動エネルギーが与えられる。翼の前縁部から翼の後縁部までの区間においては、翼車の回転半径の増加にともなって、主として回転接線方向に関する流体の分速度が増加する。翼車が最大の外径を有する位置において分速度が最大となり、流体に付与される運動エネルギーの総量が定められる。
翼車の翼間の流路における流体の流れは、非常に複雑である。複雑な流れ場では、速度が遅くかつ高強度の渦流れ(高い渦度を有する渦流れ)が発生する。渦流れは、翼から流体に運動エネルギーを効率的に付与することを妨げる。また、渦流れにおける流体の摩擦によって損失が生じる。このことは、圧力比及び断熱効率の低下の要因となる。
渦流れの1つとして、負圧面での相対圧力差によって引き起こされる2次流れに起因する渦流れが知られている。2次流れとは、主流に垂直な速度成分を有する流れを意味する。2次流れは、シュラウド壁に衝突し、剥離し、渦流れとなって主流を阻害する。
図8A及び図8Bは、特許文献1に記載されたターボ圧縮機の翼車の翼角度を示すグラフである。各グラフの横軸は、翼の主流方向の長さ(コード方向の長さ)の無次元距離mを示している。各グラフの縦軸は、翼角度を示している。図8Aは、翼のハブ縁部における翼角度βHを示している。図8Bは、翼のシュラウド縁部における翼角度βSを示している。図8Cは、無次元距離mに対する(βH−βS)の値を示している。
特許文献1には、翼間の流路の出口に近づくにつれて相対圧力差ΔCpが減少するように翼車を設計することが記載されている。相対圧力差ΔCpは、翼の負圧面上の圧力差である。(βH−βS)の値が増加すると相対圧力差ΔCpは減少する。
Colin Osborne et al. 著、「AERODYNAMIC AND MECHANICAL DESIGN OF AN 8:1 PRESSURE RATIO CENTRIFUGAL COMPRESSOR」、NASA CR-134782、1975年4月
特許文献1は、翼間の流路の出口付近における(βH−βS)の値に着目しているにすぎない。
本開示の目的は、2次流れ及びそれに起因する渦流れを抑制してターボ圧縮機の効率を向上させることにある。
すなわち、本開示は、
ケーシングと、
前記ケーシング内に配置された翼車と、
を備え、
前記翼車は、上面、下面及び外周面を有するハブと、前記ハブの前記外周面上に放射状に配置された複数の翼とを有し、
前記複数の翼のそれぞれは、前記ハブの前記上面の側に位置する前縁部と、前記ハブの前記下面の側に位置する後縁部と、前記ハブの前記外周面に接するハブ縁部と、スパン方向の外側に位置する翼端であるシュラウド縁部とを含み、
前記翼車の回転軸から前記前縁部と前記ハブ縁部との交点までの距離をR1と定義し、
前記翼車の前記回転軸から前記前縁部と前記シュラウド縁部との交点までの距離をR2と定義し、前記翼車の前記回転軸から前記後縁部までの距離をR3と定義したとき、
前記距離R1、前記距離R2及び前記距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たし、
コード方向に関する前記前縁部からの無次元距離をMと定義したとき、
前記無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において前記シュラウド縁部の翼角度βsが一定であり、
前記無次元距離Mが5%の位置において前記ハブ縁部の翼角度βh及び前記シュラウド縁部の前記翼角度βsがβh≧βs×2/3の関係を満たす、ターボ圧縮機を提供する。
ケーシングと、
前記ケーシング内に配置された翼車と、
を備え、
前記翼車は、上面、下面及び外周面を有するハブと、前記ハブの前記外周面上に放射状に配置された複数の翼とを有し、
前記複数の翼のそれぞれは、前記ハブの前記上面の側に位置する前縁部と、前記ハブの前記下面の側に位置する後縁部と、前記ハブの前記外周面に接するハブ縁部と、スパン方向の外側に位置する翼端であるシュラウド縁部とを含み、
前記翼車の回転軸から前記前縁部と前記ハブ縁部との交点までの距離をR1と定義し、
前記翼車の前記回転軸から前記前縁部と前記シュラウド縁部との交点までの距離をR2と定義し、前記翼車の前記回転軸から前記後縁部までの距離をR3と定義したとき、
前記距離R1、前記距離R2及び前記距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たし、
コード方向に関する前記前縁部からの無次元距離をMと定義したとき、
前記無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において前記シュラウド縁部の翼角度βsが一定であり、
前記無次元距離Mが5%の位置において前記ハブ縁部の翼角度βh及び前記シュラウド縁部の前記翼角度βsがβh≧βs×2/3の関係を満たす、ターボ圧縮機を提供する。
本開示の技術によれば、前縁部の近傍の負圧面において、スパン方向の相対圧力差が減少する。これにより、2次流れ及びそれに起因する渦流れが抑制され、ターボ圧縮機の効率が向上する。
(本開示の基礎となった知見)
常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が冷媒として冷凍サイクル装置に使用されることがある。常温での飽和蒸気圧が負圧である物質としては、水が挙げられる。水を用いた冷凍サイクル装置のターボ圧縮機の翼車がフロン系冷媒(例えばR134a)を用いた冷凍サイクル装置のターボ圧縮機の翼車と同じ比速度にて設計されている場合、水を用いた冷凍サイクル装置のターボ圧縮機には次のような問題が生じる。
常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が冷媒として冷凍サイクル装置に使用されることがある。常温での飽和蒸気圧が負圧である物質としては、水が挙げられる。水を用いた冷凍サイクル装置のターボ圧縮機の翼車がフロン系冷媒(例えばR134a)を用いた冷凍サイクル装置のターボ圧縮機の翼車と同じ比速度にて設計されている場合、水を用いた冷凍サイクル装置のターボ圧縮機には次のような問題が生じる。
水蒸気の密度はフロン系冷媒の蒸気の密度よりも小さいので、翼車への入口における水蒸気のマッハ数(音速に対する流速の比)は、フロン系冷媒の蒸気のマッハ数よりも大きい。水蒸気のマッハ数は、例えば、R134aのマッハ数の1.3倍である。マッハ数が大きいので、翼車への入口における水蒸気の静圧の低下幅も大きい。飽和状態に近い状態の水蒸気が翼間の流路に進むとき、静圧の低下によって水蒸気が凝縮する。翼に水滴が衝突してエロージョンが促進されたり、凝縮水の滞留によって流路が閉塞されたりする。その結果、ターボ圧縮機の信頼性が損なわれたり、ターボ圧縮機の性能が低下したりする。
静圧の低下による冷媒の凝縮を防ぐために、翼車への入口の流路面積を増やしてマッハ数を下げることが有効である。しかし、入口の流路面積を増やすと、翼車の半径も増加し、翼の前縁部の長さも増加する。前縁部の長さが増えると、翼の先端部(シュラウド縁部)の近傍を流れる冷媒と翼の根元部(ハブ縁部)の近傍を流れる冷媒との間の相対マッハ数が拡大する。前縁部において翼に加わる負荷が過剰に増加し、翼の負圧面における相対圧力差が増加する。その結果、スパン方向の2次流れが助長される。2次流れは、シュラウド壁に衝突して剥離し、渦流れを生じさせる。有害な渦流れが翼の前縁部で発生すると、渦流れが主流を阻害しながら下流に向かって流れる。主流を阻害する低速領域がディフューザーまで拡大し、ディフューザーにおける静圧回復効果が妨げられる。その結果、ターボ圧縮機の性能が低下する。
特許文献1は、翼角度βHと翼角度βSとの差に着目しているものの、翼間の流路の出口付近における(βH−βS)の値に着目しているにすぎない。さらに、特許文献1は、空気などの一般的な流体の2次流れを抑制することに言及するにとどまっている。
本発明者らの上記知見によれば、翼の前縁部の近傍の負圧面において、スパン方向の相対圧力差を減らすことが2次流れ及びそれに起因する渦流れを抑制すること、ひいてはターボ圧縮機の性能の向上に有効である。シュラウド縁部において翼に加わる負荷を下げつつ、ハブ縁部において翼に加わる負荷を上げると、相対圧力差を効果的に減らすことができる。
本開示の第1態様に係るターボ圧縮機は、
ケーシングと、
前記ケーシング内に配置された翼車と、
を備え、
前記翼車は、上面、下面及び外周面を有するハブと、前記ハブの前記外周面上に放射状に配置された複数の翼とを有し、
前記複数の翼のそれぞれは、前記ハブの前記上面の側に位置する前縁部と、前記ハブの前記下面の側に位置する後縁部と、前記ハブの前記外周面に接するハブ縁部と、スパン方向の外側に位置する翼端であるシュラウド縁部とを含み、
前記翼車の回転軸から前記前縁部と前記ハブ縁部との交点までの距離をR1と定義し、
前記翼車の前記回転軸から前記前縁部と前記シュラウド縁部との交点までの距離をR2と定義し、前記翼車の前記回転軸から前記後縁部までの距離をR3と定義したとき、
前記距離R1、前記距離R2及び前記距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たし、
コード方向に関する前記前縁部からの無次元距離をMと定義したとき、
前記無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において前記シュラウド縁部の翼角度βsが一定であり、
前記無次元距離Mが5%の位置において前記ハブ縁部の翼角度βh及び前記シュラウド縁部の前記翼角度βsがβh≧βs×2/3の関係を満たすものである。
ケーシングと、
前記ケーシング内に配置された翼車と、
を備え、
前記翼車は、上面、下面及び外周面を有するハブと、前記ハブの前記外周面上に放射状に配置された複数の翼とを有し、
前記複数の翼のそれぞれは、前記ハブの前記上面の側に位置する前縁部と、前記ハブの前記下面の側に位置する後縁部と、前記ハブの前記外周面に接するハブ縁部と、スパン方向の外側に位置する翼端であるシュラウド縁部とを含み、
前記翼車の回転軸から前記前縁部と前記ハブ縁部との交点までの距離をR1と定義し、
前記翼車の前記回転軸から前記前縁部と前記シュラウド縁部との交点までの距離をR2と定義し、前記翼車の前記回転軸から前記後縁部までの距離をR3と定義したとき、
前記距離R1、前記距離R2及び前記距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たし、
コード方向に関する前記前縁部からの無次元距離をMと定義したとき、
前記無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において前記シュラウド縁部の翼角度βsが一定であり、
前記無次元距離Mが5%の位置において前記ハブ縁部の翼角度βh及び前記シュラウド縁部の前記翼角度βsがβh≧βs×2/3の関係を満たすものである。
第1態様によれば、距離R1、距離R2及び距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たすので、作動流体の凝縮が防止される。さらに、第1態様によれば、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において、シュラウド縁部の翼角度βsが一定である。言い換えると、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において、シュラウド縁部は直線的な翼形状を有する。このような構成によれば、シュラウド縁部に加わる翼負荷を抑えることができる。さらに、無次元距離Mが5%の位置においてβh≧βs×2/3の関係が満たされるように、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間におけるハブ縁部の翼角度βhが調整されていると、ハブ縁部に加わる翼負荷が増加し、ハブ縁部の負圧面の静圧の低下幅が拡大する。これにより、前縁部の近傍の負圧面において、スパン方向の相対圧力差が減少する。その結果、2次流れに起因する渦流れの発生が抑制され、渦流れによって主流が阻害されにくくなり、ターボ圧縮機の性能が向上する。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係るターボ圧縮機の前記無次元距離Mが5%を超えかつ10%以下の区間における前記シュラウド縁部の前記翼角度βsは、前記無次元距離Mが0%の位置における前記シュラウド縁部の前記翼角度βsの0.97倍よりも小さく、前記無次元距離Mが10%の位置において前記翼角度βh及び前記翼角度βsがβh≧βs×1/2の関係を満たす。第2態様によれば、翼車が定格設計点よりも高速で回転し、翼の全体に加わる翼負荷が高い状況においても、シュラウド縁部に加わる翼負荷を下げつつ、ハブ縁部に加わる翼負荷を上げることができる。その結果、前縁部の近傍の負圧面において、スパン方向の相対圧力差が減少し、2次流れ及びそれに起因する渦流れの発生が抑制される。高負荷運転条件においてこの効果は顕著であり、ターボ圧縮機の性能が向上する。
本開示の第3態様において、例えば、第1又は第2態様に係るターボ圧縮機の前記翼車は、常温での飽和蒸気圧が負圧である作動流体を圧縮する。本開示の技術は、このような作動流体を圧縮するためのターボ圧縮機に特に有用である。
本開示の第4態様に係る冷凍サイクル装置は、
第1又は第2態様に係るターボ圧縮機を備え、
常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が冷媒として使用されているものである。
第1又は第2態様に係るターボ圧縮機を備え、
常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が冷媒として使用されているものである。
本開示の技術は、常温での飽和蒸気圧が負圧である物質を冷媒として用いた冷凍サイクル装置に特に有用である。
本開示の第5態様において、例えば、第4態様に係る冷凍サイクル装置の前記物質が水を含む。水を含む冷媒は、環境に対する負荷が小さい。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
図1に示すように、本実施形態のターボ圧縮機100は、翼車10、バックプレート13、シュラウド14及びケーシング16を備えている。翼車10は、ハブ30及び複数の翼31を有し、ケーシング16の内部に配置されている。バックプレート13とシュラウド14との間にはディフューザ15が形成されている。翼車10を通過した作動流体がディフューザ15に流れ込む。シュラウド14は、翼車10を取り囲むシュラウド壁14aを有する。ケーシング16は、圧縮されるべき作動流体を翼車10に導くための吸入空間17を形成している。吸入空間17は、翼車10への入口である。翼車10にはノーズコーン12が取り付けられている。シュラウド14がケーシング16の一部であってもよい。
ターボ圧縮機100は、遠心圧縮機でありうる。本開示の技術は、斜流圧縮機にも適用可能である。
図1の子午面投影図は、翼車10の回転軸Oを含む子午面に翼31及びシュラウド壁14aを回転投影することによって得られる回転投影図である。子午面投影図に表された形状は、ターボ機械の分野において、「子午面形状」と呼ばれている。
図2に示すように、翼車10のハブ30は、上面30a、下面30b及び外周面30cを有する。ハブ30は、円錐台に近い形状を有し、上面30aから下面30bに向かって滑らかに拡径している。複数の翼31は、ハブ30の外周面30cの上に放射状に配置されている。
翼31は、正圧面31p及び負圧面31qを有する。正圧面31pは、翼車10の回転方向Dにおける前方側に位置している面である。負圧面31qは、翼車10の回転方向Dにおける後方側に位置している面である。
翼31は、さらに、前縁部31a、後縁部31b、ハブ縁部31c及びシュラウド縁部31dを有する。前縁部31aは、コード方向において、ハブ30の上面30aの側に位置する翼端である。後縁部31bは、コード方向において、ハブ30の下面30bの側に位置する翼端である。ハブ縁部31cは、ハブ30の外周面30cに接する翼端である。シュラウド縁部31dは、スパン方向の外側に位置する翼端である。スパン方向において、シュラウド縁部31dは、ハブ縁部31cの反対側に位置している。
図3に示すように、スパン方向は、矢印Aで示される方向である。コード方向は、矢印Bで示される方向である。スパン方向は、コード方向に直交している。
翼車10は、複数の副翼(splitter blade)を備えていてもよい。複数の副翼のそれぞれは、主翼(full blade)である翼31よりも短い翼であり、翼31と翼31との間に配置されうる。
図1に示すように、翼車10の回転軸Oから前縁部31aとハブ縁部31cとの交点までの距離をR1と定義する。翼車10の回転軸Oから前縁部31aとシュラウド縁部31dとの交点までの距離をR2と定義する。翼車10の回転軸Oから後縁部31bまでの距離をR3と定義する。距離R1は、前縁部31aの位置におけるハブ30の半径である。距離R2は、前縁部31aの位置における翼車10の半径である。距離R3は、後縁部31bの位置における翼車10の半径である。作動流体は、吸入空間17を通じて翼車10に導かれる。吸入面積は、前縁部31aの軌跡によって規定されるドーナツ状の面の面積(π×((R2)2−(R1)2))に等しい。
次に、常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が作動流体である場合、作動流体の凝縮を防止するために必要な距離R1,R2及びR3の関係について説明する。
距離R3は、翼車10の最大の半径である。翼車10の大きさを表す指標として比速度Nsが用いられる。比速度Nsと翼車10に要求される外周速度とが決まれば、距離R3が求められる。ターボ圧縮機100は、例えば、0.6〜0.8の比速度Nsを有する。外周速度は、翼31の後縁部31bの速度(m/sec)である。比速度Nsは、下記式によって定義される。
N:軸の回転数[rpm]
Q:作動流体の体積流量(入口)[m3/sec]
H:熱落差(ヘッド)[m]
Q:作動流体の体積流量(入口)[m3/sec]
H:熱落差(ヘッド)[m]
距離R1は、翼31の固有値と軸の回転数との関係から決定されうる。翼31の固有値は、ハブ30の強度、翼31の前縁部31aの長さなどに関連する値である。距離R1は、距離R3と概ね比例関係にある。距離R1及び距離R3は、例えば、0.2≦R1/R3≦0.3の関係を満たす。
常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が作動流体として使用されるとき、先に説明したように、作動流体の凝縮に起因する問題が生じやすい。本実施形態では、距離R2及び距離R3が0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たす。これにより、作動流体の凝縮が防止され、ターボ圧縮機100の信頼性が向上する。
一般的なターボ圧縮機において、距離R2は、翼間の流路に作動流体が流入するときに翼の前縁部と作動流体との相対速度が最小となるように調整される。距離R2が増加すると吸入面積も増加し、作動流体の流入速度V1が下がる。距離R2が増加すると、前縁部とシュラウド縁部との交点の速度VR2も増加するので、流入速度V1と速度VR2との速度合成値(翼の前縁部と作動流体との相対速度)には最小値が存在する。
例えば、冷媒として水が使用された2段圧縮冷凍サイクルにおいて、蒸発温度が6℃であり、凝縮温度が37℃であるとき、蒸発器における飽和圧力は0.94kPaであり、凝縮器における飽和圧力は6.28kPaである。圧力比は6.68(=6.28kPa/0.94kPa)である。一段あたりの圧縮比は約2.58である。この圧力比を達成するために必要な翼車の外周速度は、断熱効率及びスリップ係数によって算出されうる。比速度Nsが0.6であり、比(R1/R3)が0.25であるとき、流入速度V1と速度VR2との速度合成値が最小となるR2/R3の値は約0.54である。この値は、作動流体がフロン系冷媒(例えばR134a)であっても変わらない。
図5を参照して作動流体の凝縮のメカニズムを説明する。図5において、蒸発器における飽和圧力がP0であり、蒸発器における飽和温度がT0である。蒸発器における流路面積が翼車への入口の流路面積よりも十分に大きいと仮定すると、蒸発器における作動流体の流速はゼロに近似できる。この場合、蒸発器において、作動流体の全圧は静圧(=P0)に等しい。翼車への入口における作動流体の流速がV1であるとき、流速に対応して静圧はP1まで低下する。作動流体の圧力が低下するとき、作動流体の状態は、損失を無視すると等エントロピー線に沿って変化する。翼車への入口において作動流体が適度な過熱度shを有していたとしても、圧力がP0からP1まで低下すると、作動流体は気相状態から気液二相状態に変化し、作動流体の凝縮が発生する。
本実施形態では、0.6≦R2/R3≦0.8の関係が満たされる。つまり、流入速度V1と速度VR2との速度合成値が最小値よりも大きい。このような構成によって、作動流体の凝縮が防止されうる。
次に、翼車10における翼31の翼角度βについて説明する。
まず、翼の負圧面における相対圧力差について説明する。仮に、作動流体と前縁部31aとの相対角度と前縁部31aの翼角度との角度差(=angle of incidence)がスパン方向に一定である場合、負圧面31qにおける作動流体の静圧は、ハブ縁部31cの近くで高く、シュラウド縁部31dの近くで低い。作動流体と前縁部31aとの相対角度は、作動流体の流入速度V1と前縁部31aの周方向の速度とによって決まる。
前縁部31aの位置において、ハブ縁部31cの回転半径は距離R1に等しく、シュラウド縁部31dの回転半径は距離R2に等しい。距離R2が距離R1よりも大きいので、シュラウド縁部31dの周方向の速度は、ハブ縁部31cの周方向の速度よりも大きい。周方向の速度が大きいことは、翼31と作動流体との相対速度が大きいことを意味する。つまり、前縁部31aの近傍において、翼31の負圧面31qにはスパン方向に沿って圧力勾配(相対圧力差)が存在する。
本実施形態においては、作動流体の凝縮を防止するために、距離R3に対する距離R2の比(R2/R3)が0.6≦R2/R3≦0.8を満たす。この範囲は、一般的なターボ圧縮機における(R2/R3)の値よりも大きい。そのため、負圧面31qにおけるスパン方向の相対圧力差も大きくなる可能性がある。負圧面31qにおける相対圧力差が増加すると、スパン方向の2次流れが助長される。スパン方向の2次流れは、主流を阻害する渦流れを発生させる。
スパン方向の2次流れを抑制するために、本実施形態の翼車10は、以下に説明する構造を有する。これにより、作動流体の凝縮を防止しつつ、スパン方向の2次流れを抑制することができる。
図6は、本実施形態における翼車10の翼角度βh及びβsを示している。縦軸は翼角度βを示している。横軸はコード方向に関する前縁部31aからの無次元距離M(%)を示している。0%の位置が翼31の前縁部31aに相当し、100%の位置が後縁部31bに相当する。例えば、ハブ縁部31cの全長(ハブ縁部31cの翼断面の中心線の全長)をLとしたとき、ハブ縁部31cにおける無次元距離MがY%の位置は、ハブ縁部31cに沿って前縁部31aから後縁部31bに向かって(L*Y)/100の距離だけ進んだ位置に対応する。このことは、シュラウド縁部31dについてもあてはまる。
図6に示すように、本実施形態では、翼角度βは負の値を有する。「翼角度βh」及び「翼角度βs」は、次の方法によって特定されうる。
図4に示すように、特定の無次元距離Mの位置において、ハブ30の外周面30cの法線NLに垂直な投影面BPにハブ縁部31cの翼断面の中心線311を投影する。回転軸Oに平行かつその法線NLを含む基準平面Hを投影面BPに投影する。得られた投影図BPにおいて、ハブ縁部31cの翼断面の中心線311と基準平面Hとのなす角度が特定の無次元距離Mの位置における翼角度βhである。
同様に、特定の無次元距離Mの位置において、シュラウド面の法線NLに垂直な投影面BPにシュラウド縁部31dの中心線312を投影する。回転軸Oに平行かつその法線NLを含む基準平面Hを投影面BPに投影する。得られた投影図BPにおいて、シュラウド縁部31dの中心線312と基準平面Hとのなす角度が特定の無次元距離Mの位置における翼角度βsである。「シュラウド面」は、翼車10を回転させたときに得られるシュラウド縁部31dの軌跡によって規定される面である。
翼車10の回転軸Oは、法線NLを含む基準平面Hの上に存在していることもある。
なお、特許文献1に記載された翼角度の定義は、本明細書における翼角度の定義と異なる。本明細書における翼角度βは、特許文献1に記載された翼角度β1から90°を引いた角度(β=β1−90°)に対応する。
図6に示すように、本実施形態の翼車10において、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において、シュラウド縁部31dの翼角度βsが一定である。言い換えると、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において、シュラウド縁部31dは直線的な翼形状を有する。「翼角度βsが一定」とは、無次元距離Mが0%の位置における翼角度βsに対して、翼角度βsの変化が±1%以内であることを意味する。
図6に示すように、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において、ハブ縁部31cの翼角度βhは急激に増加している。無次元距離Mが5%の位置において、ハブ縁部31cの翼角度βh及びシュラウド縁部31dの翼角度βsは、βh≧βs×2/3の関係を満たす。つまり、無次元距離Mが5%の位置において、翼角度βhと翼角度βsとの間に十分な差が確保されている。無次元距離Mが5%の位置におけるハブ縁部31cの翼角度βhの上限値は、例えば0度である。
シュラウド縁部31dの翼角度βsが一定であると、正圧面31pと負圧面31qとの速度差がつきにくいので、シュラウド縁部31dに加わる翼負荷を抑えることができる。無次元距離Mが5%の位置においてβh≧βs×2/3の関係が満たされるように、無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間におけるハブ縁部31cの翼角度βhが調整されていると、ハブ縁部31cに加わる翼負荷が増加し、ハブ縁部31cの負圧面31qの静圧の低下幅が拡大する。これにより、前縁部31aの近傍の負圧面31qにおいて、スパン方向の相対圧力差が減少する。その結果、2次流れに起因する渦流れの発生が抑制され、渦流れによって主流が阻害されにくくなり、ターボ圧縮機の性能が向上する。比(R2/R3)が0.6≦R2/R3≦0.8を満たすことによって発生する可能性のある不利益(スパン方向の相対圧力差)が翼角度βh及びβsの調整によって相殺されていると考えることができる。
図6に示すように、無次元距離Mが5%を超えかつ10%以下の区間において、翼角度βsの変化は緩やかである。無次元距離Mが5%を超えかつ10%以下の区間における翼角度βsは、無次元距離Mが0%の位置における翼角度βsの0.97よりも小さい。無次元距離Mが10%の位置において、翼角度βh及び翼角度βsがβh≧βs×1/2の関係を満たしている。このような構成によれば、翼車10が定格設計点よりも高速で回転し、翼31の全体に加わる翼負荷が高い状況においても、シュラウド縁部31dに加わる翼負荷を下げつつ、ハブ縁部31cに加わる翼負荷を上げることができる。その結果、前縁部31aの近傍の負圧面31qにおいて、スパン方向の相対圧力差が減少し、2次流れ及びそれに起因する渦流れの発生が抑制される。高負荷運転条件においてこの効果は顕著であり、ターボ圧縮機100の性能が向上する。
本実施形態のターボ圧縮機100の翼車10は所謂オープン型である。ただし、本開示の技術は、シュラウド壁14aが翼車10のシュラウド縁部31dに接しているクローズド型の翼車にも適用できる。
(冷凍サイクル装置の実施形態)
図7に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置200は、冷媒を循環させる主回路6、吸熱回路7及び放熱回路8を備えている。主回路6には、常温で液体の冷媒が充填されている。詳細には、冷媒として、常温(日本工業規格:20℃±15℃/JIS Z8703)での飽和蒸気圧が負圧である物質が使用されている。そのような冷媒として、水又はアルコールを主成分とする冷媒が挙げられる。冷凍サイクル装置200の運転時において、主回路6の内部は、大気圧よりも低い負圧状態である。本明細書において、「主成分」とは質量比で最も多く含まれた成分を意味する。
図7に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置200は、冷媒を循環させる主回路6、吸熱回路7及び放熱回路8を備えている。主回路6には、常温で液体の冷媒が充填されている。詳細には、冷媒として、常温(日本工業規格:20℃±15℃/JIS Z8703)での飽和蒸気圧が負圧である物質が使用されている。そのような冷媒として、水又はアルコールを主成分とする冷媒が挙げられる。冷凍サイクル装置200の運転時において、主回路6の内部は、大気圧よりも低い負圧状態である。本明細書において、「主成分」とは質量比で最も多く含まれた成分を意味する。
主回路6は、蒸発器66、第1圧縮機61、中間冷却器62、第2圧縮機63、凝縮器64及び膨張弁65を含む。これらの機器は流路(配管)によってこの順に接続されている。
吸熱回路7は、蒸発器66で冷却された冷媒液を使用するための回路であり、ポンプ70、室内熱交換器71などの必要な機器を有している。吸熱回路7の一部は蒸発器66の内部に位置している。蒸発器66の内部において、吸熱回路7の一部は、冷媒液の液面よりも上に位置していてもよいし、冷媒液の液面よりも下に位置していてもよい。吸熱回路7には、水、ブラインなどの熱媒体が充填されている。
蒸発器66に貯留された冷媒液は、吸熱回路7を構成する部材(配管)に接触する。これにより、冷媒液と吸熱回路7の内部の熱媒体との間で熱交換が行われ、冷媒液が蒸発する。吸熱回路7の内部の熱媒体は、冷媒液の蒸発潜熱によって冷却される。例えば、冷凍サイクル装置200が室内の冷房を行う空気調和装置である場合、吸熱回路7の熱媒体によって室内の空気が冷却される。室内熱交換器71は、例えば、フィンチューブ熱交換器である。
放熱回路8は、凝縮器64の内部の冷媒から熱を奪うために使用される回路であり、ポンプ80、室外熱交換器81などの必要な機器を有している。放熱回路8の一部は凝縮器64の内部に位置している。詳細には、凝縮器64の内部において、放熱回路8の一部は、冷媒液の液面よりも上に位置している。放熱回路8には、水、ブラインなどの熱媒体が充填されている。冷凍サイクル装置200が室内の冷房を行う空気調和装置である場合、放熱回路8の熱媒体によって凝縮器64の冷媒が冷却される。
第2圧縮機63から吐出された高温の冷媒蒸気は、凝縮器64の内部において、放熱回路8を構成する部材(配管)に接触する。これにより、冷媒蒸気と放熱回路8の内部の熱媒体との間で熱交換が行われ、冷媒蒸気が凝縮する。放熱回路8の内部の熱媒体は、冷媒蒸気の凝縮潜熱によって加熱される。冷媒蒸気によって加熱された熱媒体は、室外熱交換器81において、外気又は冷却水によって冷却される。
蒸発器66は、例えば、断熱性及び耐圧性を有する容器によって構成されている。蒸発器66は、冷媒液を貯留するとともに、冷媒液を内部で蒸発させる。蒸発器66の内部の冷媒液は、蒸発器66の外部からもたらされた熱を吸収し、沸騰する。すなわち、吸熱回路7から熱を吸収することによって加熱された冷媒液が蒸発器66の中で沸騰及び蒸発する。本実施形態において、蒸発器66に貯留された冷媒液は、吸熱回路7を循環する熱媒体と間接的に接触する。つまり、蒸発器66に貯留された冷媒液の一部は、吸熱回路7の熱媒体によって加熱され、飽和状態の冷媒液を加熱するために使用される。
第1圧縮機61及び第2圧縮機63は、冷媒蒸気を2段階で圧縮する。第1圧縮機61として、本実施形態のターボ圧縮機100が使用されうる。第2圧縮機63は、第1圧縮機61から独立した容積型圧縮機であってもよいし、シャフト11によって第1圧縮機61に連結されたターボ圧縮機であってもよい。第2圧縮機63として、本実施形態のターボ圧縮機100が使用されてもよい。シャフト11を回転させるための電動機67は、第1圧縮機61と第2圧縮機63との間に配置されている。シャフト11の長手方向に沿って、第1圧縮機61、第2圧縮機63及び電動機67がこの順番で配置されていてもよいし、電動機67、第1圧縮機61及び第2圧縮機63がこの順番で配置されていてもよい。第1圧縮機61及び第2圧縮機63がシャフト11によって連結されているので、第1圧縮機61及び第2圧縮機63の部品点数が減少する。
中間冷却器62は、第1圧縮機61から吐出された冷媒蒸気を第2圧縮機63に吸入される前に冷却する。中間冷却器62は、直接接触式の熱交換器であってもよいし、間接式の熱交換器であってもよい。
凝縮器64は、例えば、断熱性及び耐圧性を有する容器によって構成されている。凝縮器64は、冷媒蒸気を凝縮させるとともに、冷媒蒸気を凝縮させることによって生じた冷媒液を貯留する。本実施形態では、過熱状態の冷媒蒸気が、外部環境に熱を放出することによって冷却された熱媒体に間接的に接触して凝縮する。つまり、冷媒蒸気は、放熱回路8の熱媒体によって冷却され、凝縮する。
膨張弁65は、凝縮した冷媒液を減圧する減圧機構の一例である。膨張弁65は省略されていてもよい。
本実施形態において、蒸発器66及び凝縮器64は、間接接触型の熱交換器(例えば、シェルチューブ熱交換器)である。ただし、蒸発器66及び凝縮器64は、直接接触型の熱交換器であってもよい。つまり、吸熱回路7及び放熱回路8を冷媒液が循環することによって、冷媒液が加熱されたり冷却されたりしてもよい。さらに、吸熱回路7及び放熱回路8の少なくとも1つが省略されていてもよい。
本実施形態のターボ圧縮機100が第1圧縮機61として使用されている場合、冷媒の過熱度が比較的小さかったとしても、冷媒の凝縮が防止される。第1圧縮機61の入口(翼車10への入口)における冷媒の温度は、蒸発器66における飽和温度に5℃を加えた温度以下であってもよい。冷媒の過熱度が比較的低いので、圧縮過程における理論動力を減らすことができ、第1圧縮機61の消費電力も減少する。
本明細書に開示された技術は、チラー及びターボ冷凍機に代表される冷凍サイクル装置に適している。冷凍サイクル装置は、例えば、業務用又は家庭用の空調機器に使用される。
10 翼車
14 シュラウド
16 ケーシング
30 ハブ
31 翼
31a 前縁部
31b 後縁部
31c ハブ縁部
31d シュラウド縁部
31q 負圧面
31p 正圧面
100 ターボ圧縮機
200 冷凍サイクル装置
14 シュラウド
16 ケーシング
30 ハブ
31 翼
31a 前縁部
31b 後縁部
31c ハブ縁部
31d シュラウド縁部
31q 負圧面
31p 正圧面
100 ターボ圧縮機
200 冷凍サイクル装置
Claims (5)
- ケーシングと、
前記ケーシング内に配置された翼車と、
を備え、
前記翼車は、上面、下面及び外周面を有するハブと、前記ハブの前記外周面上に放射状に配置された複数の翼とを有し、
前記複数の翼のそれぞれは、前記ハブの前記上面の側に位置する前縁部と、前記ハブの前記下面の側に位置する後縁部と、前記ハブの前記外周面に接するハブ縁部と、スパン方向の外側に位置する翼端であるシュラウド縁部とを含み、
前記翼車の回転軸から前記前縁部と前記ハブ縁部との交点までの距離をR1と定義し、前記翼車の前記回転軸から前記前縁部と前記シュラウド縁部との交点までの距離をR2と定義し、前記翼車の前記回転軸から前記後縁部までの距離をR3と定義したとき、
前記距離R1、前記距離R2及び前記距離R3が0.2≦R1/R3≦0.3かつ0.6≦R2/R3≦0.8の関係を満たし、
コード方向に関する前記前縁部からの無次元距離をMと定義したとき、
前記無次元距離Mが0%以上かつ5%以下の区間において前記シュラウド縁部の翼角度βsが一定であり、
前記無次元距離Mが5%の位置において前記ハブ縁部の翼角度βh及び前記シュラウド縁部の前記翼角度βsがβh≧βs×2/3の関係を満たす、ターボ圧縮機。 - 前記無次元距離Mが5%を超えかつ10%以下の区間における前記シュラウド縁部の前記翼角度βsは、前記無次元距離Mが0%の位置における前記シュラウド縁部の前記翼角度βsの0.97倍よりも小さく、
前記無次元距離Mが10%の位置において前記翼角度βh及び前記翼角度βsがβh≧βs×1/2の関係を満たす、請求項1に記載のターボ圧縮機。 - 前記翼車は、常温での飽和蒸気圧が負圧である作動流体を圧縮する、請求項1又は2に記載のターボ圧縮機。
- 請求項1又は2に記載のターボ圧縮機を備え、
常温での飽和蒸気圧が負圧である物質が冷媒として使用されている、冷凍サイクル装置。 - 前記物質が水を含む、請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
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