JP2018155233A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブの閉じ渋りを抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、内燃機関に設けられ、プランジャと、前記プランジャを摺動可能に収納し、前記プランジャの底面とともに作動油を貯留する油室を区画するボディと、を有するラッシュアジャスタと、前記油室に連通する通路に設けられた弁と、前記作動油が所定の温度より低い場合、前記弁を開く制御部と、を具備する内燃機関の制御装置である。【選択図】図3
Description
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関において、カムがロッカーアームを押圧すると、ロッカーアームがバルブを押し下げ、バルブが開弁する。バルブとロッカーアームとのクリアランスを調節するために、油圧式ラッシュアジャスタを用いることがある。油圧式ラッシュアジャスタは、ボディと、ボディ内で摺動するプランジャとを有する(例えば特許文献1)。
しかし、バルブが高温になることで熱膨張し、バルブの閉じ渋りが発生することがある。特に内燃機関の急速暖気を行う際には閉じ渋りが発生しやすい。そこで、バルブの閉じ渋りを抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、内燃機関に設けられ、プランジャと、前記プランジャを摺動可能に収納し、前記プランジャの底面とともに作動油を貯留する油室を区画するボディと、を有するラッシュアジャスタと、前記油室に連通する通路に設けられた弁と、前記作動油が所定の温度より低い場合、前記弁を開く制御部と、を具備する内燃機関の制御装置によって達成できる。
バルブの閉じ渋りを抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供できる。
以下、図面を参照して本実施形態の内燃機関の制御装置100について説明する。図1は内燃機関の制御装置100を例示する模式図である。図1に示すように、制御装置100は、内燃機関(エンジン9)、ECU(Engine Control Unit、制御部)50を備える。エンジン9は例えば自動車などの車両に搭載されるガソリンエンジンを例とするが、ディーゼルエンジンなどでもよい。エンジン9は例えば4気筒エンジンなどの多気筒エンジンとすることができる。図1には1つの気筒を図示している。また、車両はエンジン9とともに、モータを備えるハイブリッド車両でもよい。
図1に示すように、エンジン9はシリンダブロック10およびシリンダヘッド11を備える。シリンダヘッド11はシリンダブロック10の上に取り付けられ、シリンダブロック10内にはシリンダ10aが形成される。シリンダ10a内にはピストン19が摺動可能に配置されている。コンロッド20の一端はピストン19に連結され、他端はクランクシャフト22に連結されている。またシリンダブロック10には、冷却水の温度を測定する水温センサ52が設けられている。シリンダブロック10の下側にはオイルを貯留するオイルパン51が取り付けられている。オイルは不図示のオイルポンプにより吸い上げられ、オイルパン51からメインギャラリーを介して、シリンダブロック10およびシリンダヘッド11に供給され、後述のようにラッシュアジャスタ16にも供給される。
シリンダヘッド11には、吸気ポート12、吸気バルブ13、排気ポート14、排気バルブ15、2つのラッシュアジャスタ16、および点火プラグ26が設けられている。吸気バルブ13は吸気ポート12を開閉する。排気バルブ15は排気ポート14を開閉する。
吸気ポート12には燃料噴射弁24が設けられ、さらに上流側には、例えば不図示のエアクリーナ、エアフローメータ、およびスロットルバルブなどを設けてもよい。排気ポート14の下流側には、排気を浄化する触媒およびフィルタなどを設けてもよい。燃料噴射弁24は、燃料を噴射する。吸気バルブ13が開弁することで、燃料と空気との混合気はシリンダ10a内に導入される。点火プラグ26の先端はシリンダ10a内に位置している。点火プラグ26により、混合気は点火され燃焼する。このとき、ピストン19はシリンダ10a内で上下に往復運動し、クランクシャフト22が回転する。
ラッシュアジャスタ16、ロッカーアーム17およびカム18は、吸気バルブ13および排気バルブ15に対応して2つずつ設けられている。吸気バルブ13および排気バルブ15のそれぞれは、不図示のバルブスプリングにより閉弁方向に付勢され、ロッカーアーム17およびカム18により開閉される。カム18は回転し、ロッカーアーム17に作用する。ロッカーアーム17は、カム18の駆動力を受けて揺動し、吸気バルブ13または排気バルブ15を押圧し、開弁させる。吸気バルブ13および排気バルブ15(これらをバルブと総称することがある)は、バルブスプリングの弾性力により閉弁する。
ラッシュアジャスタ16は例えば油圧式ラッシュアジャスタであり、ロッカーアーム17を支持することで、ロッカーアーム17と吸気バルブ13または排気バルブ15との間のクリアランスを調整する。後述するように、ECU50は、ラッシュアジャスタ16のプランジャの高さを調整する。油温センサ54は、例えばオイルパン51に設けられ、オイル(作動油)の温度を測定するが、オイルの供給路の任意の場所に設けてもよい。
図2はラッシュアジャスタ16を例示する断面図である。図2に示すように、ラッシュアジャスタ16はボディ30およびプランジャ32を備える。ボディ30およびプランジャ32は例えばアルミダイカストなどの金属で形成された、円筒形の部材である。ボディ30は底面を有し、上部は解放されている。プランジャ32はボディ30に収納され、ボディ30に対して図の上下方向に摺動可能である。プランジャ32の上端はドーム形状であり、ロッカーアーム17に接触することができる。ボディ30の上端には、プランジャ32の抜け落ちを防止するリング状のキャップ42が取り付けられている。
ボディ30の内壁とプランジャ32の外周面との間、およびキャップ42の端部とプランジャ32の外周面との間には、プランジャ32を囲むリーク通路33が形成される。後述のように、作動油は、高圧室30aからリーク通路33を通じて外部に排出される。また、ラッシュアジャスタ16には、作動油の流通する通路56が設けられている。通路56はボディ30内を通り、ボディ30の外部と高圧室30aとを連通する。通路56の径D1は、リーク通路33の幅W1よりも大きい。通路56にはOCV58(OCV:Oil Control Valve、弁)が設けられている。
プランジャ32の内部には、作動油を貯留する低圧室32aが設けられている。ボディ30とプランジャ32の底面とは、低圧室32aの下側に高圧室30aを区画する。高圧室30aと低圧室32aとは、プランジャ32の連通路32bにより連通することができる。プランジャ32に穴32cが設けられ、ボディ30に穴30bが設けられている。作動油は不図示のオイルポンプにより、オイルパン51から穴30bおよび32cを通じて低圧室32aに供給され、さらに高圧室30aへと導入される。
高圧室30aには、スプリング34および36、リテーナ38、およびチェックボール40が設けられている。スプリング34はボディ30の底面に配置され、リテーナ38を介してプランジャ32に上向きの弾性力を加える。つまりプランジャ32はスプリング34により上向きに付勢される。スプリング36はリテーナ38の底面に配置され、チェックボール40に上向きの弾性力を加える。チェックボール40はプランジャ32の連通路32bに対向しており、スプリング36により上向きに付勢される。チェックボール40が連通路32bから離間すると、高圧室30aと低圧室32aとが連通し、作動油は高圧室30aから低圧室32aへ、または低圧室32aから高圧室30aへと流れることが可能となる。一方、チェックボール40が連通路32bに接触することで、高圧室30aと低圧室32aとの連通は遮断される。
図1に示したカム18がロッカーアーム17を押圧するとき、押圧力がロッカーアーム17を介して、ラッシュアジャスタ16のプランジャ32に伝達される。このため、プランジャ32はボディ30内に進入しようとする。連通路32bがチェックボール40により遮断されることで、高圧室30aから低圧室32aへの作動油の流入が抑制される。高圧室30a内の油圧が上昇することにより、プランジャ32の沈み込みが抑制され、プランジャ32がロッカーアーム17に押し付けられる。したがって吸気バルブ13または排気バルブ15とロッカーアーム17との間にクリアランスが発生することが抑制される。このとき、高圧室30a内の作動油は、ボディ30の内壁とプランジャ32の外周面との間のリーク通路33を通り、わずかにラッシュアジャスタの外部に流出し、プランジャ32はわずかにボディ30内に進入する。こうした作動油の排出をリークダウンと呼ぶ。
カム18が回転し、ロッカーアーム17からの押圧力が減少すると、ロッカーアーム17はプランジャ32から離れようとする。このときプランジャ32はスプリング34の弾性力により押し上げられ、ボディ30から突出する。このため、ロッカーアーム17との間にクリアランスが発生することが抑制される。
温度変化などに応じて、バルブの閉じ渋りが発生することがある。吸気バルブ13および排気バルブ15は例えば耐熱鋼(SUH:Steel Use Heat Resisting)などの金属で形成されている。熱膨張により吸気バルブ13および排気バルブ15が伸びると、バルブリフト量がゼロでも吸気ポート12および排気ポート14を閉じることができない、いわゆる閉じ渋りが発生する。例えば冷間始動時などには、排気ガスを浄化する触媒を早期に活性化させるため、エンジン9の急速な暖気を行うことがある。この場合、吸気バルブ13および排気バルブ15はシリンダ10a内の熱などにより急激に加熱され、シリンダヘッド11などに比べて大きく熱膨張する。シリンダヘッド11はバルブに比べて、十分に加熱されていない。したがって、バルブの膨張速度がシリンダヘッド11の膨張速度より大きくなる。この結果、閉じ渋りが発生する恐れがある。
図1に示したECU50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU10は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。ECU50は、燃料噴射弁24の燃料噴射量、点火プラグ26の点火時期などを制御する。また、ECU50は、水温センサ52が測定する冷却水の温度、および油温センサ54が測定する作動油の温度(油温)Tを取得し、油温Tに基づきOCV58の開度を制御する。またECU50は時間を計測することができる。
図3はECU50が行う制御を例示するフローチャートである。図3に示すように、イグニッションがオンになる(エンジン9の始動、ステップS10)。ECU50は、油温センサ54により測定された油温Tが所定の温度T0より低いか否かを判定する(ステップS12)。エンジン9の急速暖気を行う際、シリンダヘッド11およびラッシュアジャスタ16は十分に温まっておらず、油温も低い。一方、前述のようにバルブは高温になる。したがってエンジン始動後の油温TがT0未満ならば、急速暖気においてバルブが加熱されていると推測される。このときバルブの膨張速度はシリンダヘッド11の膨張速度より大きい。一方、油温TがT0以上ならば、バルブの膨張速度はシリンダヘッド11の膨張速度以下と推測される。
ステップS12において肯定判定(Yes)の場合、ECU50はOCV58を開く(ステップS14)。ECU50は、OCV58を開いてからの経過時間tが所定の時間t0以上になったか否かを判定する(ステップS16)。否定判定(No)の場合、ステップS16が繰り返される。肯定判定の場合、ECU50はOCV58を閉じる(ステップS18)。また、油温TがT0以上の場合(ステップS12で否定判定)も、ECU50はOCV58を閉じる。以上で制御は終了する。
本実施形態によれば、T<T0の場合、ECU50はOCV58を開く。このため、高圧室30a内の作動油は、リーク通路33および通路56を通じて外部へと流出する。これにより作動油の流出量が増大し、高圧室30a内の油圧は低下し、プランジャ32がボディ30内に速やかに下降する。プランジャ32が速やかに沈み込むことで、バルブの伸びをラッシュアジャスタ16により吸収し、閉じ渋りを抑制することができる。
作動油の温度は、バルブの熱膨張量と相関している。例えばエンジン9の始動後に急速暖気が実行される場合、油温は低いが、バルブは加熱される。このため、シリンダヘッド11に比べてバルブの膨張速度が大きくなる。このとき、閉じ渋りが発生しやすい。したがって、油温に基づくことで、ECU50は、閉じ渋りの恐れがある場合にOCV58の開度を大きくすることができる。具体的にはT<T0のときに、ECU50はOCV58を開く(ステップS14)。これにより閉じ渋り抑制することができる。このように、本実施形態によれば、急速暖気時の閉じ渋りを抑制することができる。
通路56の径D1は、リーク通路33の幅W1より大きい。このため通路56からの作動油の流出量は、リーク通路33からの流出量よりも多い。これによりプランジャ32が速やかに沈み込むため、閉じ渋りを抑制することができる。所望の作動油の流出量が達成されるように径D1を定めることができる。なお、径D1は幅W1と同程度もよいし、幅W1より小さくてもよい。
ECU50はOCV58を時間tにわたって開状態に維持する。このため、作動油が流出し、プランジャ32の迅速な沈み込みが可能となる。時間tは、例えば通路56の径D1などに応じて適宜定めることができる。
油温TがT0以上まで高くなれば、ECU50はOCV58を閉じる。これにより通路56からの作動油の流出は抑制される。OCV58以外の弁を用いてもよい。油温センサ54は例えばオイルポンプの作動油の温度を測定してもよい。ECU50は、油温センサ54から油温Tを取得する以外に、例えば水温センサ52の測定する冷却水温度から油温Tを推測してもよい。
本実施形態は、吸気バルブ13および排気バルブ15のそれぞれに対応するラッシュアジャスタに適用してもよいし、これらの少なくとも一方に適用してもよい。高温の排気にさらされる排気バルブ15は熱膨張しやすい。このため排気バルブ15に対応するラッシュアジャスタ16に本実施形態を適用することで、閉じ渋りを効果的に抑制することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
9 エンジン
10 シリンダブロック
10a シリンダ
11 シリンダヘッド
12 吸気ポート
13 吸気バルブ
14 排気ポート
15 排気バルブ
16 ラッシュアジャスタ
17 ロッカーアーム
18 カム
19 ピストン
20 コンロッド
22 クランクシャフト
24 燃料噴射弁
26 点火プラグ
30 ボディ
30a 高圧室
30b、32c 穴
32 プランジャ
32a 低圧室
32b 連通路
33 リーク通路
34、36 スプリング
38 リテーナ
40 チェックボール
42 キャップ
50 ECU
51 オイルパン
52 水温センサ
54 油温センサ
56 通路
58 OCV
100 内燃機関の制御装置
10 シリンダブロック
10a シリンダ
11 シリンダヘッド
12 吸気ポート
13 吸気バルブ
14 排気ポート
15 排気バルブ
16 ラッシュアジャスタ
17 ロッカーアーム
18 カム
19 ピストン
20 コンロッド
22 クランクシャフト
24 燃料噴射弁
26 点火プラグ
30 ボディ
30a 高圧室
30b、32c 穴
32 プランジャ
32a 低圧室
32b 連通路
33 リーク通路
34、36 スプリング
38 リテーナ
40 チェックボール
42 キャップ
50 ECU
51 オイルパン
52 水温センサ
54 油温センサ
56 通路
58 OCV
100 内燃機関の制御装置
Claims (1)
- 内燃機関に設けられ、プランジャと、前記プランジャを摺動可能に収納し、前記プランジャの底面とともに作動油を貯留する油室を区画するボディと、を有するラッシュアジャスタと、
前記油室に連通する通路に設けられた弁と、
前記作動油が所定の温度より低い場合、前記弁を開く制御部と、を具備する内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017055059A JP2018155233A (ja) | 2017-03-21 | 2017-03-21 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017055059A JP2018155233A (ja) | 2017-03-21 | 2017-03-21 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018155233A true JP2018155233A (ja) | 2018-10-04 |
Family
ID=63716245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017055059A Pending JP2018155233A (ja) | 2017-03-21 | 2017-03-21 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018155233A (ja) |
-
2017
- 2017-03-21 JP JP2017055059A patent/JP2018155233A/ja active Pending
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