JP2018154578A - 抗炎症剤 - Google Patents
抗炎症剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018154578A JP2018154578A JP2017051749A JP2017051749A JP2018154578A JP 2018154578 A JP2018154578 A JP 2018154578A JP 2017051749 A JP2017051749 A JP 2017051749A JP 2017051749 A JP2017051749 A JP 2017051749A JP 2018154578 A JP2018154578 A JP 2018154578A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypeptide
- sequence
- amino acids
- inflammatory agent
- amino acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
Description
本発明の抗炎症剤が、上記構成であることにより、マクロファージを炎症部位に遊走させ、抗炎症作用を誘導するIL−10の産生量を増加させることができる。したがって、組織の修復を促すことが期待される。
ポリペプチド(A)は、天然物からの抽出、有機合成法(酵素法、固相合成法及び液相合成法等)及び遺伝子組み換え法等によって得られる。有機合成法に関しては、「生化学実験講座1、タンパク質の化学IV(1981年7月1日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)」又は「続生化学実験講座2、タンパク質の化学(下)(昭和62年5月20日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)」に記載されている方法等が適用できる。遺伝子組み換え法に関しては、特許第3338441号公報に記載されている方法等が適用できる。天然物からの抽出、有機合成法及び遺伝子組み換え法はともに、ポリペプチド(A)を得られるが、アミノ酸配列を簡便に変更でき、安価に大量生産できるという観点等から、遺伝子組み換え法が好ましい。
なお、上記においてa〜cは、それぞれアミノ酸配列の連続する数であり、2〜200の整数である。
各アミノ酸配列が連続する数は、抗炎症性の向上の観点から、2〜100(上記a〜cが2〜100)が好ましく、さらに好ましくは2〜50(上記a〜cが2〜50)であり、特に好ましくは2〜10(上記a〜cが2〜10)である。
すなわち、(VGVPG)a配列、(GVGVP)b配列及び(VPGVG)c配列の、a、b及びcが同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、ポリペプチド(A)は、抗炎症性の向上の観点から、GAGAGS配列(4)を、1〜100個有することが好ましく、1〜60個有することがさらに好ましい。
また、ポリペプチド(A)が、GAGAGS配列(4)を2個以上有する場合、GAGAGS配列(4)は連続していてもよい。具体的には、ポリペプチド(A)は(GAGAGS)d配列を含むものであってもよい。
なお、上記においてdはGAGAGS配列(4)の連続する数であり、整数である。
GAGAGS配列(4)が連続する数は、抗炎症性の向上の観点から、2〜100(上記dが2〜100)が好ましく、さらに好ましくは2〜50(上記dが2〜50)であり、特に好ましくは2〜10(上記dが2〜10)である。
また、ポリペプチド(A)は、抗炎症性の向上の観点から、GVGVPGAGAGS配列(5)を、1〜40個有することが好ましく、さらに好ましくは1〜20個有することである。
また、ポリペプチド(A)が、GVGVPGAGAGS配列(5)を2個以上有する場合、GVGVPGAGAGS配列(5)は連続していてもよい。具体的には、ポリペプチド(A)は(GGVGVPGAGAGS)e配列を含むものであってもよい。
なお、上記においてeはGVGVPGAGAGS配列(5)が連続する数であり、整数である。
GVGVPGAGAGS配列(5)が連続する数は、抗炎症性の向上の観点から、2〜30(上記eが2〜30)が好ましく、さらに好ましくは2〜10(上記eが2〜10)である。
介在アミノ酸配列(Z)の具体例としては、VAAGY配列(8)、GAAGY配列(9)及びLGP配列等が挙げられる。
末端アミノ酸配列(S)の具体例としては、MDPVVLQRRDWENPGVTQLNRLAAHPPFASDPM配列(10)等が挙げられる。
以下に、各精製タグ(i)とそのタグを認識結合するリガンド(ii)との組み合わせの一例を示す。
(i−1)グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GTS) (ii−1)グルタチオン
(i−2)マルトース結合タンパク質(MBP) (ii−2)アミロース
(i−3)HQタグ (ii−3)ニッケル
(i−4)Mycタグ (ii−4)抗Myc抗体
(i−5)HAタグ (ii−5)抗HA抗体
(i−6)FLAGタグ (ii−6)抗FLAG抗体
(i−7)6×Hisタグ (ii−7)ニッケル又はコバルト
前記精製タグ配列の導入方法としては、発現用ベクターにおけるポリペプチド(A)をコードする核酸の5’又は3’末端に精製タグをコードする核酸を挿入する方法や市販の精製タグ導入用ベクターを使用する方法等が挙げられる。
<アミノ酸の数の割合の測定方法1>
特定のアミノ酸残基でポリペプチドを切断するプロテアーゼを2種類以上用いてポリペプチド(A)を30残基以下程度まで分解する。その後、高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」と記載する)にて切断したポリペプチドを分離し、プロテインシークエンサーにてアミノ酸配列を読み取る。得られたアミノ酸配列からペプチドマッピングして、ポリペプチド(A)の全配列を決定する。その後、以下記載の式により、ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)及びVPGVG配列(3)のアミノ酸の数の割合を算出する。
VGVPG配列(1)のアミノ酸の数の割合(%)={VGVPG配列(1)の数×5/ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数}×100
GVGVP配列(2)のアミノ酸の数の割合(%)={GVGVP配列(2)の数×5/ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数}×100
VPGVG配列(3)のアミノ酸の数の割合(%)={VPGVG配列(3)の数×5/ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数}×100
<アミノ酸の数の割合の測定方法2>
特定のアミノ酸残基でポリペプチドを切断するプロテアーゼを2種類以上用いてポリペプチド(A)を30残基以下程度まで分解する。その後、HPLCにて切断したポリペプチドを分離し、プロテインシークエンサーにてアミノ酸配列を読み取る。得られたアミノ酸配列からペプチドマッピングして、ポリペプチド(A)の全配列を決定する。その後、以下記載の式により、ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するGAGAGS配列(4)のアミノ酸数の割合を算出する。
GAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合(%)={GAGAGS配列(4)の数×6/ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数}×100
装置:ACQUITY UPLCシステム
カラム:Shodex OHpak SB−806M HQ
移動相:0.15M リン酸緩衝液 pH7.0
流速:0.5ml/min
検出器:ACQUITY UPLC RID検出器
温度:40℃
(i)VGVPG配列(1)からなるポリペプチド。
(ii)GVGVP配列(2)からなるポリペプチド。
(iii)VPGVG配列(3)からなるポリペプチド。
(iv)GVGVPGAGAGS配列(5)からなるポリペプチド。
(v)(GAGAGS)4配列(6)及び(GVGVP)4GKGVP(GVGVP)3配列(7)を有するポリペプチド。
具体例としては、(GAGAGS)4配列(6)を12個及び(GVGVP)4GKGVP(GVGVP)3配列(7)を13個有し、これらが交互に化学結合してなるポリペプチドに、さらに、(GAGAGS)2配列(11)が1個化学結合した、分子質量が約80kDaの配列(12)のポリペプチド(SELP8K);(GAGAGS)2配列(11)を17個及び(GVGVP)4GKGVP(GVGVP)3配列(7)を17個有し、これらが交互に化学結合してなる、分子質量が約82kDaの配列(13)のポリペプチド(SELP0K)等が挙げられる。
ポリペプチド(A’)のアミノ酸配列と、ポリペプチド(A)のアミノ酸配列の相同性は、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
なお、本発明の抗炎症剤は、ポリペプチド(A)及びポリペプチド(A’)の内、ポリペプチド(A)のみを含有していてもよく、ポリペプチド(A’)のみを含有していてもよく、ポリペプチド(A)及びポリペプチド(A’)の両方を含有していてもよい。
ポリペプチド(A)及び/又はポリペプチド(A’)の合計含有量は、抗炎症性の向上の観点から、抗炎症剤の重量を基準として、0.0001〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜20重量%である。
水としては、特に限定するものではなく、滅菌されたものが好ましい。滅菌方法としては、0.20μm以下の孔径を持つ精密ろ過膜を通した水、限外ろ過膜を通した水、逆浸透膜を通した水及びオートクレーブで121℃20分加熱して過熱滅菌したイオン交換水等が挙げられる。
抗炎症剤中の水の含有量(重量%)は、細胞及び組織への親和性の観点から、下限は、好ましくは68.79重量%であり、次にさらに好ましくは68.62重量%であり、次にさらに好ましくは68.40重量%であり、次にさらに好ましくは70.00重量%であり、次にさらに好ましくは78.40重量%であり、特に好ましくは78.62重量%であり、次に特に好ましくは78.79重量%であり、最も好ましくは80.00重量%である。また、上限は、好ましくは99.9999重量%であり、さらに好ましくは99.9900重量%であり、次にさらに好ましくは99.3999重量%であり、次にさらに好ましくは99.3900重量%であり、次にさらに好ましくは99.1799重量%であり、特に好ましくは99.1700重量%であり、次に特に好ましくは99.0099重量%であり、最も好ましくは99.0000重量%である。
抗炎症剤中の無機塩の含有量(重量%)は、人間の体液と同等にするという観点から、抗炎症剤の重量を基準として0.5〜1.3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1重量%、特に好ましくは0.85〜0.95重量%である。
リン酸(塩)としては、リン酸及びリン酸塩が挙げられる。
塩としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられ、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩等が挙げられる。
抗炎症剤中のリン酸(塩)の含有量(重量%)は、皮膚弾性を向上する観点から、抗炎症剤の重量を基準として0.10〜0.30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.12〜0.28重量%、特に好ましくは0.14〜0.26重量%である。
生体材料の培地としては、特に限定されないが、例えば、RPMI1640培地、DMEM培地及びαMEM培地等が挙げられる。
また、本発明の抗炎症剤は、最終濃度が0.00001〜30重量%となるように培地に加えられることが好ましく、0.001〜80重量%となるように加えられることが望ましい。
培養対象の生体材料としては、特に限定されないが、移植用細胞、移植用組織等が挙げられる。また、本発明の抗炎症剤を培地に加え、該培地を生体の創傷部位に適用してもよい。すなわち、生体に直接使用してもよい。
[SELP8Kの作製]
○SELP8K生産株の作製
特許第4088341号公報の実施例記載の方法に準じて、SELP8KをコードしたプラスミドpPTS0345を作製した。
作製したプラスミドを大腸菌にトランスフォーメーションし、SELP8K生産株を得た。以下、このSELP8K生産株を用いて、ポリペプチド(A)の一種である(GAGAGS)4配列(6)を12個及び(GVGVP)4GKGVP(GVGVP)3配列(7)を13個有し、これらが交互に化学結合した構造を有する分子質量が約80kDaの配列(12)のポリペプチドであるSELP8K(ポリペプチド(A1))を生産する方法を示す。
30℃で生育させたSELP8K生産株の一夜培養液を使用して、250mlフラスコ中のLB培地50mlに接種した。該LB培地に、カナマイシンを最終濃度50μg/mlとなるように加え培養液とし、該培養液を30℃で攪拌しながら(200rpm)インキュベートした。培養液の濁度がOD600=0.8(吸光度計UV1700:島津製作所製を使用)となった時に、該培養液40mlを、42℃に温められた別のフラスコに移し、42℃で約2時間培養した。その後、培養した培養液を氷上で冷却し、培養液の濁度OD600を測定し、遠心分離にて大腸菌を集菌した。
集菌した大腸菌を用い、下記工程1:菌体溶解、工程2:遠心分離による不溶性細片の除去、工程3:硫安沈殿、工程4:限外濾過、工程5:陰イオン交換クロマトグラフィー、工程6:限外濾過、工程7:凍結乾燥により大腸菌バイオマスからタンパク質を精製した。このようにして、分子質量が約85kDaの精製したSELP8K(ポリペプチド(A1))を得た。
集菌した大腸菌100gに対して、脱イオン水200gを加えて、高圧ホモジナイザー(55MPa)にて菌体溶解し、溶解した菌体を含む菌体溶解液を得た。その後、菌体溶解液を氷酢酸にてpH4.0に調整した。
さらに菌体溶解液を遠心分離(6300rpm、4℃、30分間)して、上清を回収した。
工程2で回収した上清に硫安濃度が25重量%となるように飽和硫安溶液を投入した。その後、8〜12時間静置した後、遠心分離にて沈殿物を回収した。回収した沈殿物を脱イオン水に溶解した。次に、溶解した液に対して、硫安濃度が25重量%となるように飽和硫安溶液を投入した。その後、8〜12時間静置した後、遠心分離にて沈殿物を回収した。回収した沈殿物を脱イオン水に溶解し、溶液を得た。
工程3で得た溶液を分子質量30,000カットの限外濾過装置(ホロファイバー:GEヘルスケア製)に供した。工程3で得た溶液に対して、20倍量の脱イオン水を用いて、限外濾過を実施し、限外濾過後のポリペプチド溶液を得た。
ポリペプチドの濃度が20g/Lとなるように限外濾過後のポリペプチド溶液を、10mM酢酸ナトリウム緩衝液に加え、その後、陰イオン交換カラムHiPrepSP XL16/10(GEヘルスケア社製)をセットしたAKTAPrime(アマシャム社製)に供した。溶出液として500mM酢酸ナトリウム緩衝液を用いて、溶出画分を回収した。
工程5で得た溶出画分を上記「4:限外濾過」と同様にして処理し、限外濾過後のポリペプチド溶液を得た。
ポリペプチド濃度が3g/Lとなるように、工程6で得たポリペプチド溶液を脱イオン水で希釈し、水位が10mm以下となるようにステンレス製のバットに入れた。その後、凍結乾燥機(日本テクノサービス社製)に入れて、−30℃、24時間かけて凍結させた。凍結後、真空度が5Pa以下、−30℃で、110時間かけて1次乾燥、真空度が5Pa以下、30℃で、48時間かけて2次乾燥させ、SELP8K(ポリペプチド(A1))を得た。また、得られたSELP8Kを用いて、下記「アミノ酸の数の割合の測定方法3」により、SELP8K中のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)、VPGVG配列(3)及びGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合を測定した。結果を表1に示す。
トリプシン(プロメガ(株)製)又はエラスターゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬(株)製)を用いてSELP8Kを37℃で24時間反応し、30残基以下程度まで分解した。その後、HPLCにて分離し、BiopharmaLynx 1.2(日本ウォーターズ(株)製)にてアミノ酸配列を読み取った。得られたアミノ酸配列からペプチドマッピングして、SELP8Kの全配列を決定した。その後、以下記載の式により、ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)、VPGVG配列(3)及びGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合を算出した。
VGVPG配列(1)のアミノ酸の数の割合(%)={VGVPG配列(1)の数×5/SELP8Kのアミノ酸の総数}×100
GVGVP配列(2)のアミノ酸の数の割合(%)={GVGVP配列(2)の数×5/SELP8Kのアミノ酸の総数}×100
VPGVG配列(3)のアミノ酸の数の割合(%)={VPGVG配列(3)の数×5/SELP8Kのアミノ酸の総数}×100
GAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合(%)={GAGAGS配列(4)の数×6/SELP8Kのアミノ酸の総数}×100
水溶液a[製造例1のSELP8K(ポリペプチド(A1))を10mg及び5mMの塩化カルシウムを含む10mMトリス緩衝液(pH8.8)]1mLに、2mg/mLのエラスターゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬(株)製)2.5μLを加えて、反応溶液とし、40℃で20分反応を行った。反応後のサンプル溶液を、HPLCにより以下の条件で分離し、分子質量が約40kDaであるポリペプチド(A2)を得た。また、得られたポリペプチド(A2)を用いて、上記「アミノ酸の数の割合の測定方法3」により、ポリペプチド(A2)中のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)、VPGVG配列(3)及びGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合を測定した。結果を表1に示す。
装置:ACQUITY UPLCシステム
カラム:Shodex OHpak SB−806M HQ
移動相:0.15M リン酸緩衝液 pH7.0
流速:0.5ml/min
検出器:ACQUITY UPLC RID検出器
温度:40℃
水溶液a[製造例1のSELP8K(ポリペプチド(A1))を10mg及び5mMの塩化カルシウムを含む10mMトリス緩衝液(pH8.8)]1mLに、2mg/mLのエラスターゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬(株)製)2.5μLを加えて、反応溶液とし、40℃で30分反応を行った。反応後のサンプル溶液を、HPLCにより上記条件で分離し、分子質量が約20kDaであるポリペプチド(A3)を得た。また、得られたポリペプチド(A3)を用いて、上記「アミノ酸の数の割合の測定方法3」により、ポリペプチド(A3)中のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)、VPGVG配列(3)及びGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合を測定した。結果を表1に示す。
水溶液a[製造例1のSELP8K(ポリペプチド(A1))を10mg及び5mMの塩化カルシウムを含む10mMトリス緩衝液(pH8.8)]1mLに、2mg/mLのエラスターゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬(株)製)2.5μLを加えて、反応溶液とし、40℃で120分反応を行った。反応後のサンプル溶液を、HPLCにより上記条件で分離し、分子質量が約5kDaであるポリペプチド(A4)を得た。また、得られたポリペプチド(A4)を用いて、上記「アミノ酸の数の割合の測定方法3」により、ポリペプチド(A4)中のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)、VPGVG配列(3)及びGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合を測定した。結果を表1に示す。
水溶液a[製造例1のSELP8K(ポリペプチド(A1))を10mg及び5mMの塩化カルシウムを含む10mMトリス緩衝液(pH8.8)]1mLに、2mg/mLのエラスターゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬(株)製)2.5μLを加えて、反応溶液とし、40℃で24時間反応を行った。反応後のサンプル溶液を、HPLCにより上記条件で分離し、分子質量が約1.5kDaであるポリペプチド(A5)を得た。また、得られたポリペプチド(A5)を用いて、上記「アミノ酸の数の割合の測定方法3」により、ポリペプチド(A5)中のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)、VPGVG配列(3)及びGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合を測定した。結果を表1に示す。
ペプチド合成(ライフテクノロジース社)によりアミノ酸配列がVGVPG配列(1)であるポリペプチド(A6)を得た。
ペプチド合成(ライフテクノロジース社)によりアミノ酸配列がGVGVP配列(2)であるポリペプチド(A7)を得た。
ペプチド合成(ライフテクノロジース社)によりアミノ酸配列がVPGVG配列(3)であるポリペプチド(A8)を得た。
ペプチド合成(ライフテクノロジース社)によりアミノ酸配列がGVGVPGAGAGS配列(5)であるポリペプチド(A9)を得た。
ポリペプチド(A1)〜(A9)をそれぞれRPMI1640培地で0.01重量%になるように調製し、実施例1〜9に係る抗炎症剤(1)〜(9)とした。
SEW2871(ケイマンケミカル(株)製)をRPMI1640培地で0.01重量%になるように調製し、比較例1に係る抗炎症剤(1’)とした。
マクロファージの遊走作用は、マウス腹腔マクロファージに対する作用をボイデンチャンバー法に従って評価した。マクロファージはC57BL/6N(雌、6−9週齢)の腹腔に4%チオグリコレート(日本製薬製)を投与し、4日後に腹腔から採取した。これをRPMI1640培地に懸濁し、細胞浮遊液(5×106個/mL)として試験に使用した。24穴ボイデンチャンバー(Transwell、ポアサイズ8μm、コーニング社製)は上室に細胞浮遊液100μL、下室に実施例1に係る抗炎症剤(1)を600μL加えた。これを、炭酸ガスインキュベータ(5%二酸化炭素、95%空気環境下)を用いて37℃で4時間インキュベートし、膜下面に遊走した細胞をヘマカラー染色キット(メルク社製)を使用して染色し、顕微鏡下(400×)で染色された細胞数の計数を7視野で行った。その結果、遊走された細胞数は7視野平均で205個であった。また、試験後の下室のRPMI1640培地上清中のIL−10の量をIL−10定量ELISAキット(R&Dシステムス社製)を用いて定量したところ、843pg/mLであった。結果を表1に示す。
また、実施例1〜9に係る抗炎症剤を用いることにより、IL−10の産生量を極めて多くすることができ、マクロファージの遊走細胞1個に対するIL−10の産生量を極めて多くすることができる。従って、実施例1〜9の抗炎症剤は、抗炎症剤として優れていることがわかった。
なお、IL−10は、炎症性サイトカインの産生を始めとする免疫機能を抑制性に制御する機能を有する。
また、本発明の抗炎症剤の対象疾患としては、熱傷、皮膚剥削創、難治性皮膚潰瘍、褥瘡、筋疾患、自己免疫疾患、関節疾患等が挙げられる。
Claims (10)
- VGVPG配列(1)、GVGVP配列(2)及びVPGVG配列(3)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸配列を合計1〜200個有するポリペプチド(A)及び/又は前記ポリペプチド(A)のアミノ酸配列との相同性が85%以上のアミノ酸配列を有するポリペプチド(A’)を含有する抗炎症剤。
- 前記ポリペプチド(A)は、VGVPG配列(1)を含んでおり、
前記ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するVGVPG配列(1)のアミノ酸の数の割合が35〜100%である請求項1に記載の抗炎症剤。 - 前記ポリペプチド(A)は、GVGVP配列(2)を含んでおり、
前記ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するGVGVP配列(2)のアミノ酸の数の割合が35〜100%である請求項1に記載の抗炎症剤。 - 前記ポリペプチド(A)は、VPGVG配列(3)を含んでおり、
前記ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するVPGVG配列(3)のアミノ酸の数の割合が35〜100%である請求項1に記載の抗炎症剤。 - 前記ポリペプチド(A)が、さらにGAGAGS配列(4)を1〜200個有する請求項1〜4のいずれかに記載の抗炎症剤。
- 前記ポリペプチド(A)のアミノ酸の総数に対するGAGAGS配列(4)のアミノ酸の数の割合が0〜65%である請求項5に記載の抗炎症剤。
- 前記ポリペプチド(A)が、GVGVPGAGAGS配列(5)を1〜50個有するポリペプチドである請求項1に記載の抗炎症剤。
- 前記ポリペプチド(A)が、(GAGAGS)4配列(6)及び(GVGVP)4GKGVP(GVGVP)3配列(7)を有するポリペプチドである請求項1に記載の抗炎症剤。
- 前記ポリペプチド(A)のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)法による分子質量が0.4〜200kDaである請求項1〜8のいずれかに記載の抗炎症剤。
- 前記抗炎症剤の重量を基準として、前記ポリペプチド(A)及び/又は前記ポリペプチド(A’)の合計含有量が0.0001〜30重量%である請求項1〜9のいずれかに記載の抗炎症剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017051749A JP6982395B2 (ja) | 2017-03-16 | 2017-03-16 | インターロイキン10の産生量増加剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017051749A JP6982395B2 (ja) | 2017-03-16 | 2017-03-16 | インターロイキン10の産生量増加剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018154578A true JP2018154578A (ja) | 2018-10-04 |
JP6982395B2 JP6982395B2 (ja) | 2021-12-17 |
Family
ID=63717680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017051749A Active JP6982395B2 (ja) | 2017-03-16 | 2017-03-16 | インターロイキン10の産生量増加剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6982395B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3862030A4 (en) * | 2018-10-05 | 2022-08-31 | Hiroshima University | MENISCIAL REGENERATION MATERIAL |
EP4071162A4 (en) * | 2019-12-02 | 2023-12-27 | Kyoto University | BRONCHIAL EMBOLIZATION MATERIAL |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110288001A1 (en) * | 2008-12-18 | 2011-11-24 | Homayoun Sadeghi | Biologically active proteins activatable by peptidase |
JP2012502625A (ja) * | 2008-09-16 | 2012-02-02 | ナチュラル エンヴァイロメント リサーチ カウンシル | 樹状細胞調節分子 |
JP2014007990A (ja) * | 2012-06-28 | 2014-01-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 細胞保存剤及び細胞保存用溶液 |
JP2014104193A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Sanyo Chem Ind Ltd | インプラント用コーティング剤、インプラント及びインプラントの製造方法 |
WO2018141969A1 (en) * | 2017-02-06 | 2018-08-09 | Biotempt B.V. | Peptide modulators of the interaction between human c-peptide and human elastin receptor for therapeutic use |
-
2017
- 2017-03-16 JP JP2017051749A patent/JP6982395B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012502625A (ja) * | 2008-09-16 | 2012-02-02 | ナチュラル エンヴァイロメント リサーチ カウンシル | 樹状細胞調節分子 |
US20110288001A1 (en) * | 2008-12-18 | 2011-11-24 | Homayoun Sadeghi | Biologically active proteins activatable by peptidase |
JP2014007990A (ja) * | 2012-06-28 | 2014-01-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | 細胞保存剤及び細胞保存用溶液 |
JP2014104193A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Sanyo Chem Ind Ltd | インプラント用コーティング剤、インプラント及びインプラントの製造方法 |
WO2018141969A1 (en) * | 2017-02-06 | 2018-08-09 | Biotempt B.V. | Peptide modulators of the interaction between human c-peptide and human elastin receptor for therapeutic use |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
J. BIOMATER. SCI. POLYM. ED. (2014) VOL.25, NO.12, P.1266-1277, JPN6020045731, ISSN: 0004504583 * |
J. IMMUNOL. (1999) VOL.162, ISSUE 3, P.1707-1716, JPN6021017706, ISSN: 0004504581 * |
PHARMACOL. REP. (2016) VOL.68, ISSUE 2, P.329-337, JPN6021017708, ISSN: 0004504582 * |
日本内科学会雑誌 (2010) VOL.99, NO.9, P.90-95, JPN6020045729, ISSN: 0004504580 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3862030A4 (en) * | 2018-10-05 | 2022-08-31 | Hiroshima University | MENISCIAL REGENERATION MATERIAL |
EP4071162A4 (en) * | 2019-12-02 | 2023-12-27 | Kyoto University | BRONCHIAL EMBOLIZATION MATERIAL |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6982395B2 (ja) | 2021-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yeboah et al. | Elastin‐like polypeptides: A strategic fusion partner for biologics | |
JP5727737B2 (ja) | 自己組織化ペプチドおよび高強度ペプチドゲル | |
CN110845603B (zh) | 人胶原蛋白17型多肽、其生产方法和用途 | |
US7833978B2 (en) | Thrombomodulin derivatives and conjugates | |
ES2643485T3 (es) | Hialuronidasa bacteriana y proceso para su producción | |
AU2008288093A1 (en) | Polypeptides, matrices, hydrogels and methods of using same for tissue regeneration and repair | |
JP6982395B2 (ja) | インターロイキン10の産生量増加剤 | |
KR101234361B1 (ko) | 치아 및 뼈 재생을 위한 융합 단백질 | |
JP6383721B2 (ja) | 創傷治癒剤 | |
JP5602635B2 (ja) | 封入体形成タンパク質の製造方法 | |
WO2019239751A1 (ja) | 細胞移植用組成物及び細胞移植方法 | |
JP6496484B2 (ja) | 創傷治癒剤 | |
JP6775227B2 (ja) | 細胞移植用組成物及びそれを含む細胞移植用溶液 | |
JP6730834B2 (ja) | タンパク質組成物 | |
JP2013249272A (ja) | 皮膚弾性向上材及び皮膚弾性向上用タンパク質溶液 | |
JP6253875B2 (ja) | コラーゲン産生促進剤、コラーゲン産生促進用培養液、抗老化剤、コラーゲン産生促進用ゲル、及び、コラーゲン産生用ゲルの製造方法 | |
JP2013208425A (ja) | 組織再生用ゲル、組織再生用タンパク質溶液及び組織再生用ゲルの製造方法 | |
KR102684366B1 (ko) | 반월판 재생용 재료 | |
JP7429929B2 (ja) | 半月板再生用材料 | |
EP4148133A1 (en) | Chimeric protein containing fibrinogen fragment and laminin fragment, and use thereof | |
AU2004282071B2 (en) | Novel protein and production process and use thereof | |
JP2015177968A (ja) | 癒着防止剤及び癒着防止剤組成物 | |
PT107276A (pt) | Método para produção de colagenase recombinante para digestão de colagénios | |
JP2013224282A (ja) | 細胞膜透過性を有する製剤、細胞膜透過性組成物及び薬物輸送方法 | |
Azam | Engineering Advanced Materials using Type III Secretion in Salmonella enterica |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210518 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210707 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210727 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211026 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211119 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6982395 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |