JP2018154539A - ガス発生剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性能及び燃焼性能が顕著に向上したガス発生剤組成物を提供する。
【解決手段】燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として過塩素酸カリウムと塩基性硝酸銅とを含み、その組成において、前記硝酸グアニジン30質量%以上〜65質量%未満、前記過塩素酸カリウム20質量%以上〜40質量%未満、前記塩基性硝酸銅10質量%以上〜30質量%未満であり、前記過塩素酸カリウムの質量%が前記塩基性硝酸銅の質量%より大きいことを特徴とするガス発生剤組成物。耐熱性能及び燃焼性能を顕著に向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は車両搭乗者安全装置用ガス発生器に用いられる耐熱性能及び燃焼性能に優れるガス発生剤組成物に関するものである。好適には、ボンネット上昇装置(PUH、ポップアップフード)を用いたガス発生剤組成物に関するものである。
車両室外では歩行者や二輪車の搭乗者に対する衝突衝撃緩衝装置、又は車両上に被衝突者が乗り上げた際の衝撃緩衝装置、ボンネット上昇装置などがある。このような場合、被衝突者を保護するために、前方衝突用エアバッグより迅速に展開させるために、優れた応答性が要求され、このような位置への装備に適用可能なボンネット上昇装置の開発が進められている。
これらの衝撃緩衝装置等の安全装置は従来設置されている安全装置と異なり、車両室外に設置され、例えば、車両前後部バンパー付近、ボンネット内側やエンジンルーム、車両上部など外部環境に曝される位置やエンジンなどの熱源付近、さらに過酷な温度環境部位に配置される。
屋外温度環境に曝される部位へ当該ガス発生器を設置することを想定した場合、ガス発生器に充填されるガス発生剤組成物は、熱により物性及び品質劣化を受ける懸念がある。ガス発生剤組成物の物性及び品質劣化は車両安全装置の迅速かつ確実な応答性に甚大な影響を及ぼすため、上記品質保証基準では不十分であり、より高温条件である120℃で500時間、より好ましくは120℃で1500時間の過酷試験にて、耐熱劣化安定性が保証されるガス発生剤組成物が必要である。
従来のガス発生剤組成物として、例えば、特許文献1にはアルカリ金属過塩素酸含有ガス発生剤のガス発生剤組成物が開示されている。ガス成分中に含まれる窒素酸化物やアンモニア等の有毒なガス成分の生成を抑制できるガス発生剤組成物に関するものである。しかしながら、ガス発生剤組成物は十分な燃焼速度を有するものではない。
また、特許文献2にはニトロセルロースを含有しないガス発生剤組成物が開示されている。ニトセルロース以外の窒素有機化合物、例えば硝酸グアニジンとニトログアニジンを含有することで燃焼性能を有するガス発生剤組成物に関するものである。しかしながら、ガス発生剤組成物は十分な耐熱性能を有するものではない。
また、特許文献3にはサイドエアバッグ展開用ガス発生剤組成物が開示されている。酸化剤として過塩素酸カリウムを含有することで燃焼性能を有するガス発生剤組成物に関するものである。しかしながら、許容できない燃焼温度の上昇を招き、十分な燃焼性能を有するものではない。
特表2008−507472号公報 米国特許6893517号明細書 特表2013−541487号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、燃焼特性、耐熱性能及び燃焼性能が向上したガス発生剤組成物を提供することにある。ボンネットフード内側等の車両室外設置用ガス発生器において、経時劣化変性が少ない車両室外設置用ガス発生器及びボンネット上昇装置を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として過塩素酸カリウムと塩基性硝酸銅を適切な配合量で調整したことを特徴とするガス発生剤組成物の耐熱性能及び燃焼性能が顕著に向上できるガス発生剤組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として過塩素酸カリウムと塩基性硝酸銅とを含み、その組成において、前記硝酸グアニジン30質量%以上〜65質量%未満、前記過塩素酸カリウム20質量%以上〜40質量%未満、前記塩基性硝酸銅10質量%以上〜30質量%未満であり、前記過塩素酸カリウムの質量%が前記塩基性硝酸銅の質量%より大きいことを特徴とするガス発生剤組成物。
(2)前記過塩素酸カリウムは22質量%〜26質量%であることを特徴とする(1)に記載のガス発生剤組成物。
(3)前記塩基性硝酸銅は14質量%〜19質量%であることを特徴とする(1)〜(2)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
(4)前記前記過塩素酸カリウムは50%粒径が1〜30μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
(5)前記ガス発生剤組成物中の過塩素酸カリウムの質量%は塩基性硝酸銅の質量%の1.0倍を超え、1.8倍以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
(6)燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として過塩素酸カリウムと塩基性硝酸銅とを含み、その組成において、前記硝酸グアニジン59.5質量%以上〜60.5質量%未満、前記過塩素酸カリウム23.5質量%以上〜24.5質量%未満、前記塩基性硝酸銅15.5質量%以上〜16.5質量%未満であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
(7)バインダー剤0.1質量%〜10質量%を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
(8)スラグ形成剤を含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
(9)滑剤を含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
本発明によれば、燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として塩基性硝酸銅と過塩素酸カリウムを含有するガス発生剤組成物において、硝酸グアニジン30質量%以上〜65質量%未満、過塩素酸カリウム20質量%以上〜40質量%未満、塩基性硝酸銅10質量%以上〜30質量%未満の範囲に限定することで耐熱性能及び燃焼性能が顕著に向上したガス発生剤組成物を提供することができ、該ガス発生剤組成物は車両室外設置用ガス発生器の小型化を達成でき、特に、迅速な応答が要求されるボンネット上昇装置(PUH、ポップアップフード)用ガス発生剤組成物として好適である。
本発明のガス発生器の一例の断面図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のガス発生剤組成物は、燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として塩基性硝酸銅と過塩素酸カリウムを含有するガス発生剤組成物において、硝酸グアニジン30質量%以上〜65質量%未満、過塩素酸カリウム20質量%以上〜40質量%未満、塩基性硝酸銅10質量%以上〜30質量%未満であることを特徴とし、耐熱性能及び燃焼性能が優れ、車両室外設置用ガス発生器のガス発生剤組成物である。特に、ボンネット上昇装置(PUH、ポップアップフード)用ガス発生剤組成物として好適である。
本発明のガス発生剤組成物の燃料成分は、含窒素有機化合物であり、ここで、該含窒素有機化合物としては硝酸グアニジンを使用する。また、含窒素有機化合物は他のものを併用してもよく、例えばグアニジン又はその誘導体、トリアゾール又はその誘導体、テトラゾール又はその誘導体、ビトリアゾール又はその誘導体、ビテトラゾール又はその誘導体、アゾジカルボンアミド又はその誘導体、ヒドラジン又はその誘導体、及びヒドラジド誘導体が好ましい。ここで、硝酸グアニジンは、分子中に酸素を含有するため酸化剤成分の配合量を低減でき、また良好な熱安定性を有し、更には低コスト、燃焼時の高いガス収率が期待できる等のメリットがある。なお、これら含窒素有機化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記含窒素有機化合物は、取り扱いが容易であることから粉末若しくは顆粒状であることが好ましく、その50%粒径は、5〜80μmが好ましく、10〜50μmが更に好ましい。なお、含窒素有機化合物の50%粒径は大き過ぎるとガス発生剤組成物成形体の強度が低下する一方で、小さ過ぎると粉砕に多大なコストを必要とする。また、本発明において、50%粒径とは、測定粒子数基準の50%粒径を意味し、例えばレーザー回折・散乱法等で測定できる。
本発明のガス発生剤組成物中に占める硝酸グアニジンの含有率(配合割合)は、30質量%以上〜65質量%未満が好ましく、50質量%〜60質量%が更に好ましい。該含窒素有機化合物の含有率(配合割合)が30質量%未満では、ガス発生剤組成物100g当たりの発生ガスモル数が減少し、酸素過剰で窒素酸化物の発生が増加する傾向にある。一方、硝酸グアニジンの含有率( 配合割合)が65質量%以上を超えると、有機物が多くなるため、ガス発生剤組成物の真比重が減少し、体積当たりの充填量が減少し、また、酸化剤成分が不足するために引火性のある有毒な一酸化炭素が多く発生する傾向にある。
塩基性金属硝酸塩としては、塩基性硝酸銅、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マグネシウム、塩基性硝酸鉄等が挙げられる。これらの中でも、塩基性硝酸銅が本願では使用される。なお、これら塩基性金属硝酸塩は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記塩基性金属硝酸塩は、取り扱いが容易であることから粉末若しくは顆粒状であることが好ましく、その50%粒径は、1〜80μmが好ましく、1〜50μmが更に好ましい。なお、塩基性金属硝酸塩の50%粒径は、大き過ぎるとガス発生剤組成物成形体の強度が低下する一方で、小さ過ぎると粉砕に多大なコストを必要とする。
全質量中に占める上記塩基性金属硝酸塩の含有量は、着火性、燃焼性等のガス発生特性を更に向上させる観点から10質量%以上で且つ30質量%未満の範囲が好ましく、14〜25質量%であることがより好ましく、15.5質量%〜16.5質量%の範囲が更に好ましい。全質量中に占める塩基性硝酸銅の含有量が30質量%以上では、上記した通り、優れた応答性が要求されるボンネット上昇装置(PUH、ポップアップフード)用ガス発生剤組成物として、燃焼性能が十分ではない。一方、全質量中に占める塩基性硝酸銅の含有量が10質量%未満では、酸化剤中に占める過塩素酸カリウムの含有量が多くなり燃焼性能は、燃焼温度が高く、着火性等のガス発生特性の向上効果が十分に得られない。
過塩素酸塩としては、過塩素酸カリウムを使用する。また、他の過塩素酸塩を併用することも可能であり、例えば、アルカリ金属の過塩素酸塩、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、過塩素酸アンモニウム等が挙げられる。具体的には、アルカリ金属の過塩素酸塩として過塩素酸ナトリウム等、アルカリ土類金属の過塩素酸として過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸ストロンチウム等が挙げられる。なお、これら過塩素酸塩は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記過塩素酸塩は、その粒径が小さい程、燃料成分との接触面積が増大し、該燃料成分に対して優れた反応性を示すため、ガス発生剤組成物の着火性及び燃焼性を大幅に向上できることから、その50%粒径を1〜50μmの範囲にすることが必要であり、1〜30μmの範囲が好ましく、5〜30μmの範囲が更に好ましく、8〜25μmの範囲が一層好ましい。なお、上記過塩素酸塩の50%粒径が1μm未満では、粉砕に多大なコストを必要とする一方、50μmを超えると、ガス発生剤組成物成形体の強度が低下することに加えて、着火性、燃焼性等のガス発生特性の向上効果が十分に得られない。
上述のように、過塩素酸カリウムは、該燃料成分に対して反応性が非常に高いので、例えば、ガス発生剤組成物に必要とされる酸化剤成分の全てを過塩素酸カリウムとしてしまうと、反応性が鋭敏すぎ、その取り扱いが非常に困難になる。このため、本発明のガス発生剤組成物においては、酸化剤成分中に占める過塩素酸カリウムの含有量の制御が非常に重要であり、本発明者らが最適化を試みたところ、全質量中に占める過塩素酸カリウムの含有量を20質量%以上〜40質量%未満の範囲に限定する必要があることを見出した。本発明のガス発生剤組成物において、全質量中に占める過塩素酸カリウムの含有量が40質量%以上では、上記した通り、反応性が高くなり過ぎ、その取り扱いが困難になる他、作動時に塩素由来のガス成分の発生量が増加し、該ガス成分を回収するための添加剤が必要となり、ガス発生剤組成物の有効成分(燃焼成分及び酸化剤成分)の含有量を低減するため回避すべきである。また、自立燃焼性を喪失し、場合によっては燃焼が中断してしまうおそれがある。なお、ここでいう自立燃焼性とは、着火後に燃焼が中断せずに完全に燃え尽きる性質を意味する。一方、全質量中に占める過塩素酸カリウムの含有量が20質量%未満では、着火性、燃焼性等のガス発生特性の向上効果が十分に得られない。なお、本発明のガス発生剤組成物において、全質量中に占める過塩素酸カリウムの含有量は、着火性、燃焼性等のガス発生特性を更に向上させる観点から20質量%以上で且つ40質量%未満の範囲が好ましく、22質量%以上で且つ26質量%未満の範囲が更に好ましい。
本発明のガス発生剤組成物においては、酸化剤として塩基性硝酸銅と過塩素酸カリウムを併用している。ここで、ガス発生剤組成物中の質量%としては、過塩素酸カリウムの方が大きい。これは、このように調整することで、適切な酸素バランスを保ちつつ、ガス出力特性において、着火開始から短時間での反応性を高くし、圧力を極めて短時間で急激に上昇することが可能となる。そこで、着火直後の圧力の上昇を向上させる観点から、ガス発生剤組成物中の過塩素酸カリウムの質量%は塩基性硝酸銅の質量%の1.0倍を超え、1.8倍以下であることが好適であり、1.1倍〜1.6倍であることがより好ましい。
本発明のガス発生剤組成物において、硝酸グアニジンが59.5質量%〜60.5質量%、過塩素酸カリウムが23.5質量%〜24.5質量%、塩基性硝酸銅が15〜25質量%であることが好ましい。このような特定の成分比率とすることにより、過塩素酸カリウムに起因する過度な鋭敏性を抑えると共に、着火速度を速める機能を確保することが可能となり、その上で塩基性硝酸銅に起因する燃焼圧力の制御も可能となり、燃焼圧力が過度に上昇することを抑えることができるガス発生剤を実現できるためである。
さらに、上記性能をより高める観点から、本発明のガス発生剤組成物において、硝酸グアニジンが59.5質量%〜60.5質量%、過塩素酸カリウムが23.5質量%〜24.5質量%、塩基性硝酸銅が15〜19質量%であることが好ましい。
特には、本発明のガス発生剤組成物において、硝酸グアニジンが59.5質量%〜60.5質量%、過塩素酸カリウムが23.5質量%〜24.5質量%、塩基性硝酸銅が15.5質量%〜16.5質量%の場合、特に優れた燃焼特性を有することがわかった。これは、当該比率により、上記性能を確保できると共に、塩基性硝酸銅に起因する燃焼圧力が過度に上昇することを抑えつつ、着火速度を速める確保を十分に確保できるのに顕著な効果があり、そして、優れた燃焼圧力の上昇制御から、マイクロガスジェネレーター、インフレーターの外殻部材の薄肉化を有効に実現することが可能となるためである。
本発明のガス発生剤組成物は、更に添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、一般的に車両搭乗者安全装置用ガス発生器用のガス発生剤組成物に使用可能な添加剤を用いることができる。例えば、好適な燃焼特性を維持するために成形性や形状保持性を付与するためのバインダー剤、スラグ形成剤、燃料調整剤、滑剤等の添加剤を用いることができる。これら添加剤の含有量は、その用途により異なるが、いずれの用途においても、添加剤の含有量が多くなり過ぎると、燃焼性等の性能が低下するため、ガス発生剤組成物中に占める添加剤の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
上記バインダー剤は、好適な燃焼特性を維持させるために成形性、形状保持性を付与する添加剤であり、例えば、ガス発生剤組成物がバインダー剤を含有する場合、ガス発生器が使用される過酷な環境下であっても、燃焼性能を保持することができる。該バインダー剤としては、ガス発生剤組成物の燃焼挙動に大幅な悪影響を与えなければ特に制限なく使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、微結晶性セルロース、グアガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、デンプン等の多糖誘導体、ステアリン酸塩等の有機バインダー、二硫化モリブデン、合成ヒドロタルサイト、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、シリカ、アルミナ等の無機バインダーが好適に挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコールが特に好ましい。本発明のガス発生剤組成物中におけるバインダー剤の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。バインダー剤の含有量が高いと、成形体の破壊強度を高めることができるが、組成物中の炭素元素及び水素元素の数が増大し、炭素元素の不完全燃焼生成物である一酸化炭素ガスの濃度が増大し、発生ガスの品質を低下させ、また燃焼を阻害してしまうおそれもあることから、ガス発生剤組成物の形状を維持できる最低量での使用が好ましい。特に、バインダー剤の含有量が10質量%を超えると、酸化剤成分の相対的存在割合の増大が必要となり、ガス発生剤組成物中における燃料成分(含窒素有機化合物)の相対的存在割合が低下し、ガス発生器の実用化が困難になるおそれがある。
上記スラグ形成剤は、ガス発生剤組成物の燃焼後に生成する燃焼残渣を容易にろ過することを可能にする添加剤であり、インフレータの外に放出することを防ぐことを目的に添加される。該スラグ形成剤の具体例としては、例えば、窒化珪素、炭化珪素、二酸化珪素、珪酸塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸性白土、クレー等の天然鉱物等が挙げられる。本発明のガス発生剤組成物中におけるスラグ形成剤の含有量は、0.5〜10質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい。スラグ形成剤の含有量が高いと、燃焼性を低下させ、更には発生ガスのモル数を低下させることから、乗員保護性能が十分に発揮されないおそれがある。
上記滑剤は、ガス発生剤組成物の調製時において原料成分の混合性向上、流動性改善を目的として添加される。該滑剤の具体例としては、例えば、グラファイト、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、窒化ホウ素、高分散シリカ(二酸化珪素)、タルク等が挙げられる。これらの中でも、高分散シリカ(二酸化珪素)は、原料混合時の固着や凝集を抑制して均一に分散混合する機能を有しており、各成分の粒度特性・作用を維持する効果があり、特に有用である。本発明のガス発生剤組成物中における滑剤の含有量は、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%が更に好ましい。滑剤の含有量が高いと、燃焼性の低下、発生ガスのモル数の低下、更には発生ガス中の一酸化炭素の濃度の増大等が起きるおそれがある。
上記燃焼調整剤は、ガス発生剤組成物の燃焼を調整するための添加剤であり、具体例としては、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化クロム、酸化コバルト、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン等の金属酸化物、活性炭粉末、グラファイト、カーボンブラック等の炭素類等が挙げられる。本発明のガス発生剤組成物中における燃焼調整剤の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
上記滑剤は、ガス発生剤組成物の調製時において原料成分の混合性向上、流動性改善を目的として添加される。該滑剤の具体例としては、例えば、グラファイト、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、窒化ホウ素、高分散シリカ(二酸化珪素)、タルク等が挙げられる。これらの中でも、ステアリン酸マグネシウムは、原料混合時の固着や凝集を抑制して均一に分散混合する機能を有しており、各成分の粒度特性・作用を維持する効果があり、特に有用である。本発明のガス発生剤組成物中における滑剤の含有量は、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%が更に好ましい。滑剤の含有量が高いと、燃焼性の低下、発生ガスのモル数の低下、更には発生ガス中の一酸化炭素の濃度の増大等が起きるおそれがある。
本発明のガス発生剤組成物は、適当な形状を有する成形体として使用することが好ましい。以下、ガス発生剤組成物の成形体をガス発生剤とも称する。なお、ガス発生剤組成物は、ガス発生剤組成物の燃焼性能、ガス発生器の燃焼特性に合わせて様々な形状に成形することができる。その成形方法としては、顆粒成型方法、加圧成形方法、押出成形方法が挙げられる。本発明のガス発生剤組成物の成形体の形状は、特に限定されず、顆粒状、ペレット状、ディスク状、球状、棒状、円柱状、円筒状、金平糖状、テトラポット状等が挙げられる。また、該成形体は、無孔のものでもよいし、単孔又は多孔といった有孔のもの(例えば、単孔円筒状又は多孔円筒状)でもよい。更に、ペレット状、ディスク状の成形体は、片面又は両面に1〜数個程度の突起を設けてもよい。突起の形状は特に制限されず、例えば、円柱状、円筒状、円錐状、多角錘状等が挙げられる。
本発明のガス発生剤組成物の加圧成形体において、その形状が円柱状である場合、該成形体の円柱直径が小さいと、ガス発生剤の燃焼性を顕著に向上できることを見出した。加えて、円柱状成形体の直径が小さいと、ガス発生剤の嵩密度が高くなることを見出した。ガス発生器に該ガス発生剤を充填した場合、円柱直径が大きいものと同程度の充填量において、ガス発生特性の向上が期待される。また、嵩密度が高いと、単位体積当たりのガス発生剤充填量の増量が可能となり、ガス発生器の高出力を図るこが可能となるため望ましい。また、別の観点では、嵩密度が高いと、ガス発生剤を充填する空間の小容量化が可能となり、ガス発生器の小型化が達成できるため望ましい。特に、ガス発生剤を充填する空間の形状が制限されるガス発生器においては、該ガス発生器に適用されるガス発生剤の充填性の向上が重要な課題となる。従って、本発明のガス発生剤組成物の成形体をガス発生器に充填する場合、該ガス発生器への充填性を向上させる観点から、成形体の形状を円柱状とし、その円柱直径を小さくすることが好ましい。具体的には、円柱状成形体の直径は、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.2mm以下、更に好ましくは2.0mm以下である。また、特に限定されるものではないが、円柱状成形体の直径は、1.0mm以上が好ましい。更に、円柱状成形体の厚み(高さ)は、薄く(低く)すると、燃焼性能は向上するものの充填性が低下し、一方、厚く(高く)すると、充填性は向上するものの燃焼性能が低下するため、厚み/直径の比率は、50〜80%が好ましく、60〜70%が更に好ましい。加えて、燃焼性、充填性、成形体の強度等を考慮した場合、円柱状成形体の厚みは3.0mm以下が好ましく、2.0mm以下が更に好ましく、1.5mm以下が一層好ましい。また、特に限定されるものではないが、円柱状成形体の厚みは、0.5mm以上が好ましい。なお、円柱状成形体としては、厚みが1.5mm以下で、直径が2.0mm 以下の加圧成形体が、最も好適である。また、円柱状成形体とは、該円柱状成形体の表面に曲面を形成した形状も含まれるものであり、その曲面高さは0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下が更に好ましく、0.1mm以下が一層好ましい。また、成形体角面の面取りをした形状も含まれる。
本発明のガス発生剤組成物の成形体の顆粒成形方法による製造方法を例示する。燃料成分、酸化剤成分、任意の各種添加剤をV 型混合機又はロッキングミキサー等の乾式混合機にて混合する。混合の際には、該成分の混合物中に球体を分散し介在させることで、該成分の粉末が球体による力を細部にわたって受けるため、組成物中に各成分が均一に分散する。ロッキングミキサーのような回転と揺動運動を行う混合機を用いることで、各成分がより均一に分散したガス発生剤組成物を得ることができるため望ましい。得られたガス発生剤組成物(粉末)に、バインダー剤を含有する溶液(バインダー溶液)を添加し、撹拌造粒機等の湿式造粒機を用いて該ガス発生剤組成物を造粒する。バインダー溶液の添加量は、一概には言えないが、混合粉末に対して5〜20質量%添加することができる。その後、80〜120℃にて熱処理し、さらに、造粒後に80〜120℃熱処理して顆粒を得る。熱処理後の顆粒の水分量は、1%を超えると流動性の低下が起こり、安定して次工程の加圧成形を行うことができないおそれがあるため、顆粒中の水分量は1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下が望ましい。
次に、本発明のガス発生剤組成物の成形体の加圧成形方法による製造方法を例示する。加圧成形により、錠剤状、ペレット状又はディスク状にガス発生剤組成物を成形する場合、該顆粒をロータリー打錠機によって所望の形状に加圧成形する。加圧成形の際、通常使用されるステアリン酸マグネシウム等の滑剤を0.1〜5質量%の範囲で添加することも可能である。加圧成形された成形体は、100〜130℃で3〜20時間熱処理した後、ガス発生剤として使用できる。熱処理後のガス発生剤中の水分量は1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下が望ましい。
次に、本発明のガス発生剤組成物の成形体の押出成形方法による製造方法を例示する。燃料成分、酸化剤成分、各種添加剤を混合機にて混合し、得られた混合粉末に外割で10〜30質量%の水又は有機溶媒を加えて混練し、粘性を有する湿薬にする。その後、所望の形状に押出成形可能なダイスに該湿薬を通し、押出成形体を適宜切断していく。押出成形品は柱状体であり、より好ましい形体としては長尺円柱状成形体である。このようにして得られた押出成形体を熱処理し、ガス発生剤として使用できる。
図1に示した小型ガス発生器1は金属製カップ2と3、及び樹脂製の塞栓4と絶縁カバー5により外殻が形成され、その内部に点火装置6が配置されている。その内部空間には本発明のガス発生剤組成物を成型したガス発生剤成型体7が充填されている。該ガス発生器1は以下のように作動するものである。すなわち衝突感知センサー(図示しない)から発信される電気信号を受け点火装置6が起動し、点火装置内の点火薬(図示しない)を着火し、点火装置6の金属製カップ2の外殻を破断して火炎を発生させる。発生した火炎が当該ガス発生剤成型体7を着火させる。ガス発生剤成型体7は燃焼によりガスを生成し、金属製カップ3と絶縁カバー5を破断し生成ガスを排出する。排出される生成ガス圧力により所定の車両安全性装置を起動させる。
本発明に係るガス発生剤組成物は耐熱性に優れることから、ボンネットフード内部又はエンジンルーム内に設置される車両室外用ガス発生器、ボンネット上昇装置用ガス発生器として好適に用いられる。
このようなガス発生器は、車両室外、特にエンジンルーム周辺、ボンネット周辺、バンパー周辺などに設置する車両安全装置起動用ガス発生器に適用できるものである。特に好適な用途として、自動車のボンネット内部に設置されるボンネット上昇装置用のガス発生器が挙げられる。これは歩行者が車両と衝突した際、車両前部ボンネットを所定高さに持ち上げる装置であり、歩行者がボンネットに衝突する衝撃を緩和するとともに、歩行者がボンネットを介して内部に格納されるエンジン等の機械部分との衝突を回避する機能を有する。その具体的な装置としては、ボンネット内部に設置されるものであり、例えば特開2002−370611号公報に記載されるような、ガス発生器のガス圧力により上方に立ち上げられるロッドによりボンネットを持上げ上昇させる機構、特開2005−200012号公報に記載されるような、ガス発生器のガス圧力により固定フックを解除し、ボンネット持上げ機構を作動させるボンネットを上昇させる装置、特開2007−39027号公報に記載されるような、ガス発生器により膨張部材を上昇させることによりボンネットを上昇させる装置等が挙げられる。このようなガス発生器は、これらの装置を起動させるガス発生器として当該装置に組み込み、適用されるのに好適な性能を有する。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各試験は以下の方法で行った。
1 . 粒度測定法
レーザー回折・散乱法式粒度測定装置(日機装株式会社製 マイクロトラックMT3300II)を用いて、50%粒径を測定した。なお、50%粒径とは、上述の通り、測定粒子数基準の50%粒径を指す。
2 . 耐熱試験(高温安定性試験)
ガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)をアルミ容器に入れて密封した後、140℃に調温された恒温槽に入れて放置した。その後、任意の時間でガス発生剤を取り出し、ガス発生剤の重量減少率を測定し、分解の有無について確認した。
3 . 燃焼性試験(10ccタンク試験)
ガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)160mgまたは180mgを容積10ccの燃焼用密閉容器に充填してガス発生剤を燃焼させ、最大到達圧力及び最大圧力への到達時間を計測した。
(比較例1)
硝酸グアニジン51.9質量%、50%粒径が18.4μmの過塩素酸カリウム34.0質量%、塩基性硝酸銅9.1質量%、ニトログアニジン5.0質量%、グラファイト0.5質量%を混合し、次いで、0.6質量%のポリビニルアルコール水溶液11.8質量部%を噴霧添加し、110℃で2時間熱処理し、造粒後、110℃で2時間熱処理して顆粒を作製した。次に、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を添加し、打錠機にて、直径1.6mm、厚さ0.95〜1.1mmの円柱物に成形した後、120℃で5時間熱処理して本発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)を得た。
(比較例2)
硝酸グアニジン51.9質量%、50%粒径が18.4μmの過塩素酸カリウム34.0質量%、塩基性硝酸銅9.1質量%、ニトログアニジン5.0質量%、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を混合し、次いで、0.6質量%のポリビニルアルコール水溶液11.8質量部%を噴霧添加し、110℃で2時間熱処理し、造粒後、110℃で2時間熱処理して顆粒を作製した。次に、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を添加し、打錠機にて、直径1.6mm、厚さ0.95〜1.1mmの円柱物に成形した後、120℃で5時間熱処理して本発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)を得た。
(実施例1)
硝酸グアニジン55.0質量%、50%粒径が18.4μmの過塩素酸カリウム24.0質量%、塩基性硝酸銅21.0質量%、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を混合し、次いで、0.6質量%のポリビニルアルコール水溶液11.8質量部%を噴霧添加し、110℃で2時間熱処理し、造粒後、110℃で2時間熱処理して顆粒を作製した。次に、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を添加し、打錠機にて、直径1.6mm、厚さ0.95〜1.1mmの円柱物に成形した後、120℃で5時間熱処理して本発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)を得た。
(実施例2)
硝酸グアニジン57.5質量%、50%粒径が18.4μmの過塩素酸カリウム24.0質量%、塩基性硝酸銅18.5質量%、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を混合し、次いで、0.6質量%のポリビニルアルコール水溶液11.8質量部%を噴霧添加し、110℃で2時間熱処理し、造粒後、110℃で2時間熱処理して顆粒を作製した。次に、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を添加し、打錠機にて、直径1.6mm、厚さ0.95〜1.1mmの円柱物に成形した後、120℃で5時間熱処理して本発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)を得た。
(実施例3)
硝酸グアニジン60.0質量%、50%粒径が18.4μmの過塩素酸カリウム24.0質量%、塩基性硝酸銅16.0質量%、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を混合し、次いで、0.6質量%のポリビニルアルコール水溶液11.8質量部%を噴霧添加し、110℃で2時間熱処理し、造粒後、110℃で2時間熱処理して顆粒を作製した。次に、ステアリン酸マグネシウム0.4質量%を添加し、打錠機にて、直径1.6mm、厚さ0.95〜1.1mmの円柱物に成形した後、120℃で5時間熱処理して本発明のガス発生剤組成物の成形体(ガス発生剤)を得た。
比較例1〜2と実施例1〜3のガス発生剤組成物の成形体の組成比を表1に示す。
Figure 2018154539
<試験例1.耐熱試験>
比較例1〜2と実施例1〜3のガス発生剤組成物の成形体を140℃にて、96時間の耐熱試験に投入した。初期重量及び試験後重量から算出した重量減少率を表2に示す。比較例1〜2の重量減少率は5%以上であり、実施例1〜3の重量減少率は0.5%以下であり、ニトログアニジンを含まない組成は高温条件下における分解はほとんどなくガス発生剤として容認できる性能であることが確認できる。
Figure 2018154539
<試験例2.燃焼性試験(10ccタンク試験)>
実施例1〜3のガス発生剤組成物の成形体(180mg)について10ccタンク試験を実施した。その結果を表3に示す。実施例3>実施例2>実施例1の順で最大圧力(Pmax)が高く、圧力上昇速度(dP/dt)も高い値を示しており、燃焼速度が速くなっていることが分かる。
Figure 2018154539
<試験例2.燃焼性試験(10ccタンク試験)>
比較例2と実施例3のガス発生剤組成物の成形体(160mg)について10ccタンク試験を実施した。その結果を表4に示す。実施例3は比較例2よりも最大圧力(Pmax)と圧力上昇速度(dP/dt)は小さいが、ほぼ同等の燃焼性能を有することが分かる。
Figure 2018154539
本発明に係るガス発生剤組成物は耐熱性能及び燃焼性能に優れ、熱による性能の変化も少ないため、自動車において車両室外の過酷な環境におかれる用途、例えばボンネット上昇装置においても、従来のガス発生剤組成物より経時的性能劣化が少なく、車両安全用デバイスの信頼性向上を図ることができる。
1 ガス発生器
2、3 金属カップ
4 塞栓
5 絶縁カバー
6 点火装置
7 ガス発生剤成形体

Claims (9)

  1. 燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として過塩素酸カリウムと塩基性硝酸銅とを含み、その組成において、前記硝酸グアニジン30質量%以上〜65質量%未満、前記過塩素酸カリウム20質量%以上〜40質量%未満、前記塩基性硝酸銅10質量%以上〜30質量%未満であり、前記過塩素酸カリウムの質量%が前記塩基性硝酸銅の質量%より大きいことを特徴とするガス発生剤組成物。
  2. 前記過塩素酸カリウムは22質量%〜26質量%であることを特徴とする請求項1に記載のガス発生剤組成物。
  3. 前記塩基性硝酸銅は14質量%〜19質量%であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
  4. 前記前記過塩素酸カリウムは50%粒径が1〜30μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
  5. 前記ガス発生剤組成物中の過塩素酸カリウムの質量%は塩基性硝酸銅の質量%の1.0倍を超え、1.8倍以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
  6. 燃料成分として硝酸グアニジンと、酸化剤成分として過塩素酸カリウムと塩基性硝酸銅とを含み、その組成において、前記硝酸グアニジン59.5質量%以上〜60.5質量%未満、前記過塩素酸カリウム23.5質量%以上〜24.5質量%未満、前記塩基性硝酸銅15.5質量%以上〜16.5質量%未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス発生剤組成物。
  7. バインダー剤0.01質量%〜10質量%を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
  8. スラグ形成剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
  9. 滑剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のガス発生剤組成物。
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WO2024053710A1 (ja) * 2022-09-07 2024-03-14 株式会社ダイセル ガス発生剤組成物

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