JP2018152817A - 振動板用シートおよびそれを用いた振動板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】音質および耐熱性に優れた振動板の生産効率の向上を図る。
【解決手段】振動板用シート1は、離型シート10と、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層20と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層30とを順に積層して成る。
【選択図】図1
【解決手段】振動板用シート1は、離型シート10と、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層20と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層30とを順に積層して成る。
【選択図】図1
Description
本発明は、振動板用シートおよびそれを用いた振動板の製造方法に関する。
マイクロフォン、イヤフォン、ヘッドフォンの形態を持つスピーカは、一般的に、振動板を備える。振動板は、スピーカ本体における略中央付近に固定される。振動板は、その周囲に対して「エッジ」と呼ばれる部材がスピーカ本体のフレームとの間に介在することで、スピーカ本体に固定されている。振動板には、高内部損失で適度なコンプライアンスを有しつつ軽量であることが、エッジには、適切なリニアリティを備えることが、それぞれ要求される。また、振動板およびエッジには、優れた耐久性および耐候性が要求される。
エッジの構造には、エッジを振動板本体と同じ材料で一体成形した「フィクスエッジ」と、振動体本体とエッジを夫々の要求される機能に適した材料で個別に製造し、一体化させた「フリーエッジ」とがある。エッジとしての理想的な物性は、一般的には、フリーエッジの方が得やすい。
エッジは、振動板をフレームとの間でどのような位置や角度で取り付けるかを定める部分となるため、プレス加工による成型品が用いられる。より具体的には、ゴムコンパウンドを固定金型にセットして、その固定金型に対して移動金型をプレスすることでエッジを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、振動板の周囲を補強するために、補強部材を振動板と一体化するような技術、例えば発泡ゴム製のエッジを金型にて形成する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
一方、振動板では、スピーカの種類に応じて種々の形状が要求される。そのため、振動板となるシート状の素材に対して、金型を用いたプレス加工が採用されることが多い。例えば、予め、割金型にエッジをセットしておき、振動板の形状を形成すると同時にエッジとの一体化をプレス加工により行う技術も知られている(例えば、特許文献3を参照)。
ところで、振動板は、スピーカとして音を出力している際、部分的ではあるが、約130℃の高温になる場合がある。従来の振動板の素材としては、PET(ポリエチレン・テレフタレート)やPEN(ポリエチレン・ナフタレート)が広く用いられてきた。しかし、PET製またはPEN製の振動板が約130℃の高温状態になると、軟化して弾性率が低下し、その結果、良い音を出力することが難しくなる。このような課題を解決するため、耐軟化材料として、例えば、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)が知られており、高級なスピーカの振動板の材料として好適に採用されている。また、PEEK以外にも、PU(ポリウレタン)、シリコーンゴムなどが知られている。特に、220〜250℃の高温下でも軟化し難いシリコーンゴムは優れた材料であり、マイクロスピーカなどにも採用されている例がある。
しかし、シリコーンゴムを用いて振動板を金型成形する場合には、以下のような問題がある。図4に示すように、従来の振動板成形用シート100は、離型PET101、未硬化液状シリコーン層102、離型PET103の順に積層した構造を有する。振動板成形用シート100を用いて振動板を成形する際、当該シート100の離型PET101を剥離して、露出した未硬化液状シリコーン層102側を第1金型にあてて、離型PET103側から第2金型を接触せしめて金型の型締めを行う。加温・加圧下で金型成形後、金型を開き、成形物から離型PET103を剥離する。これによって、シリコーン製の振動板が完成する。
前記製造工程では、未硬化液状シリコーン層102を第1金型上に配置する際に、液状のシリコーン組成物が流れ、あるいは第1金型の周辺に該組成物が飛散する状況が生じる場合がある。かかる状況が生じた場合には、振動板の周囲にバリが発生し、あるいは振動板の一部が欠損若しくは所望の厚さよりも薄くなってしまう。この結果、本来不要な工程が増え、あるいは振動板として欠陥のある製品となるために製品の歩留まり低下にもつながる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、音質および耐熱性に優れた振動板の生産効率の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係る振動板用シートは、離型シートと、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層と、を順に積層して成る。
別の実施形態に係る振動板用シートは、さらに、第1層を厚さ5〜30μmの層としても良い。
別の実施形態に係る振動板用シートは、また、第2層を厚さ2〜20μmの層としても良い。
別の実施形態に係る振動板用シートは、また、第1層を厚さ10〜15μmの層とし、かつ第2層を厚さ5〜10μmの層としても良い。
別の実施形態に係る振動板用シートは、また、離型シートをポリエステル製のシートとしても良い。
本発明の一実施形態に係る振動板用シートの製造方法は、上述のいずれか1つの振動板用シートを用いた振動板の製造方法であって、離型シートと、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層とを順に積層して成る振動板用シートを第1金型に接触配置させるシート配置工程と、振動板用シートの上に第2金型を配置して、第1金型と第2金型とを含む金型の型締めを行う型締工程と、金型内にて成形を行う成形工程と、金型を開き成形物を取り出す取出工程と、成形物から離型シートを剥離する離型シート剥離工程と、を含む。
本発明によれば、音質および耐熱性に優れた振動板の生産効率の向上を図ることができる。
次に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.振動板用シート
図1は、本発明の実施形態に係る振動板用シートの厚さ方向に沿って切断した際の断面図を示す。
図1は、本発明の実施形態に係る振動板用シートの厚さ方向に沿って切断した際の断面図を示す。
図1に示す振動板用シート1は、スピーカに用いられる振動板を製造するための複合シートである。振動板用シート1は、その厚さ方向に、離型シート10と、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層20と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層30とを順に備える積層体である。本明細書において、「主として」とは、以下に続く構成材料、構成部材等が全体に占める重量比率にて50%を超える量で含まれることを意味する。
(1)離型シート
離型シート10は、好ましくは、主として熱可塑性樹脂を含むシートであって、最終製品である振動板からは剥離されるシートである。すなわち、好適な離型シート10は、その全体に対して熱可塑性樹脂を、50質量%を超える量で含む。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を例示できる。熱可塑性樹脂は、好ましくは、未硬化液状シリコーン組成物が硬化してシリコーンになる条件(例えば130〜160℃)で完全に溶けない程度の融点を有する樹脂である。そのような樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレンナフタレートに代表されるポリエステルを好適に例示できる。ただし、離型シート10を、熱可塑性樹脂以外の材料から構成し、あるいはフィラー等の他の材料を含むシートとしても良い。
離型シート10は、好ましくは、主として熱可塑性樹脂を含むシートであって、最終製品である振動板からは剥離されるシートである。すなわち、好適な離型シート10は、その全体に対して熱可塑性樹脂を、50質量%を超える量で含む。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を例示できる。熱可塑性樹脂は、好ましくは、未硬化液状シリコーン組成物が硬化してシリコーンになる条件(例えば130〜160℃)で完全に溶けない程度の融点を有する樹脂である。そのような樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレンナフタレートに代表されるポリエステルを好適に例示できる。ただし、離型シート10を、熱可塑性樹脂以外の材料から構成し、あるいはフィラー等の他の材料を含むシートとしても良い。
離型シート10は、厚さに特に制約は無いが、好ましくは厚さ5〜60μm、より好ましくは厚さ7〜40μm、さらにより好ましくは厚さ10〜25μmのシートである。なお、数値範囲を「〜」で示す場合、特筆しない限りは、その範囲に、「〜」の前後の数値も含まれる。以後も同様である。
(2)第1層
第1層20は、未硬化液状シリコーン組成物から成る層であって、成形後に振動板の一部を形成する部分である。未硬化液状シリコーン組成物は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物とも称し、例えば、付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物、縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物、電離放射線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を好適に例示できる。
第1層20は、未硬化液状シリコーン組成物から成る層であって、成形後に振動板の一部を形成する部分である。未硬化液状シリコーン組成物は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物とも称し、例えば、付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物、縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物、電離放射線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を好適に例示できる。
付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、好ましくは、a)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、b)分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンと、c)主として白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属変性体若しくは錯体からなるヒドロシリル化触媒と、を含有する。なお、当該組成物は、フィラー等の他の材料を含有しても良い。
縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、好ましくは、a)分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、b)分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシラン若しくはオルガノポリシロキサンと、c)縮合触媒とを含有する。別の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、好ましくは、a)分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、b)分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンと、c)縮合触媒とを含有する。また、別の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、好ましくは、a)分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンと、b)縮合触媒とを含有する。なお、当該組成物は、フィラー等の他の材料を含有しても良い。
電離放射線硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、アクリルアミド基含有オルガノポリシロキサン; 一分子中に少なくとも2個のメルカプトアルキル基を有するオルガノポリシロキサン; 一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンからなる組成物; アルケニル基含有オルガノポリシロキサン; アクリル基またはメタクリル基含有オルガノポリシロキサン; 一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン; の内のいずれか化合物を含み、光開始剤を用いて紫外線によって硬化され、あるいは電子線によって硬化される組成物である。なお、当該組成物は、フィラー等の他の材料を含有しても良い。
第1層20は、厚さに特に制約は無いが、好ましくは厚さ5〜30μm、より好ましくは厚さ10〜15μmの層である。
(3)第2層
第2層30は、主として熱可塑性ポリウレタンを含む層であって、成形後に振動板の一部を形成する部分である。すなわち、好適な第2層30は、その全体に対して熱可塑性ポリウレタンを、50質量%を超える量で含む。熱可塑性ポリウレタンは、ポリエステルまたはポリエーテルとイソシアナートとの反応により得られるゴム状弾性体であり、ポリエステルタイプとポリエーテルタイプのいずれをも使用可能である。なお、第2層30は、熱可塑性ポリウレタン以外の他の材料(例えば、フィラー)を含んでいても良い。また、この実施形態では、第2層30は、熱可塑性ポリウレタン以外のゴム状弾性体を含まないが、当該ゴム状弾性体を含んでいても良い。
第2層30は、主として熱可塑性ポリウレタンを含む層であって、成形後に振動板の一部を形成する部分である。すなわち、好適な第2層30は、その全体に対して熱可塑性ポリウレタンを、50質量%を超える量で含む。熱可塑性ポリウレタンは、ポリエステルまたはポリエーテルとイソシアナートとの反応により得られるゴム状弾性体であり、ポリエステルタイプとポリエーテルタイプのいずれをも使用可能である。なお、第2層30は、熱可塑性ポリウレタン以外の他の材料(例えば、フィラー)を含んでいても良い。また、この実施形態では、第2層30は、熱可塑性ポリウレタン以外のゴム状弾性体を含まないが、当該ゴム状弾性体を含んでいても良い。
第2層30は、第1層20と異なり、振動板用シート1において非液状の層である。このため、振動板用シート1の第2層30側を第1金型に接触させて、配置する場合に、第2層30が流れ出る状況、あるいは第1金型の所定位置から外方向に飛散する状況にはならない。第2層30は、厚さに特に制約は無いが、好ましくは厚さ2〜20μm、より好ましくは厚さ5〜10μmの層である。
2.振動板の製造方法
図2は、図1の振動板用シートを用いた振動板の製造工程のフローを示す。図3は、図2のフローの各工程での状態を説明するための断面図を示す。図3の(a)および(f)では、振動板用シート1の一部Aおよび振動板60の一部Bの各拡大断面図もそれぞれ示す。
図2は、図1の振動板用シートを用いた振動板の製造工程のフローを示す。図3は、図2のフローの各工程での状態を説明するための断面図を示す。図3の(a)および(f)では、振動板用シート1の一部Aおよび振動板60の一部Bの各拡大断面図もそれぞれ示す。
この実施形態に係る振動板の製造方法は、先に説明した振動板用シート1を用いた振動板の製造方法であって、離型シート10と、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層20と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層30とを順に積層して成る振動板用シート1の第2層30側を第1金型41に接触配置させるシート配置工程(S100)と、振動板用シート1の離型シート10の上に第2金型42を配置して、第1金型41と第2金型42とを含む金型40の型締めを行う型締工程(S200)と、金型40内にて成形を行う成形工程(S300)と、金型40を開き成形物50を取り出す取出工程(S400)と、成形物50から離型シート10を剥離する離型シート剥離工程(S500)と、を含む。以下、各工程について詳述する。なお、以下に説明する各工程については、第1金型41と第2金型42とからなる金型40を用いて振動板60を製造する例で説明する。
(1)シート配置工程(S100)
図3の(a)に示すように、この工程では、第1金型(下金型と称することもできる)41の上から、振動板用シート1が、その第2層30側を下にして、第1金型41に接触せしめて配置される。
図3の(a)に示すように、この工程では、第1金型(下金型と称することもできる)41の上から、振動板用シート1が、その第2層30側を下にして、第1金型41に接触せしめて配置される。
(2)型締工程(S200)
図3の(b)に示すように、この工程では、振動板用シート1の離型シート10の上に第2金型42を配置して、第1金型41と第2金型42とを含む金型40の型締めが行われる。
図3の(b)に示すように、この工程では、振動板用シート1の離型シート10の上に第2金型42を配置して、第1金型41と第2金型42とを含む金型40の型締めが行われる。
(3)成形工程(S300)
図3の(c)に示すように、型締工程後に続いて、金型40内を好適には加温して、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層20の硬化が行われる。この工程によって、未硬化液状シリコーン組成物の加硫化が生じて、シリコーンゴムが形成される。これによって、金型40の内部にて成形物50が製造される。なお、加硫化は、1段階のみならず、2段階で行われても良い。加硫化の条件は、未硬化液状シリコーン組成物の種類等によって種々変更できるが、例えば、成形温度:150〜180℃の範囲および成形時間5〜15minの範囲を採用できる。
図3の(c)に示すように、型締工程後に続いて、金型40内を好適には加温して、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層20の硬化が行われる。この工程によって、未硬化液状シリコーン組成物の加硫化が生じて、シリコーンゴムが形成される。これによって、金型40の内部にて成形物50が製造される。なお、加硫化は、1段階のみならず、2段階で行われても良い。加硫化の条件は、未硬化液状シリコーン組成物の種類等によって種々変更できるが、例えば、成形温度:150〜180℃の範囲および成形時間5〜15minの範囲を採用できる。
(4)取出工程(S400)
図3の(d)に示すように、成形工程の終了後、金型40を開くと、成形物50が得られる。
図3の(d)に示すように、成形工程の終了後、金型40を開くと、成形物50が得られる。
(5)離型シート剥離工程(S500)
図3の(e)に示すように、取出工程を経て得られた成形物50は、その一方の面から離型シート10を剥離される。この結果、図3の(f)に示すように、第2層30とシリコーンゴム層70との積層体である振動板60が完成する。
図3の(e)に示すように、取出工程を経て得られた成形物50は、その一方の面から離型シート10を剥離される。この結果、図3の(f)に示すように、第2層30とシリコーンゴム層70との積層体である振動板60が完成する。
なお、上記の例では、振動板用シート1の第2層30を第1金型41に接触させ、かつ離型シート10を第2金型42に接触させて金型40を型締めしているが、振動板用シート1の表裏を逆にして、離型シート10を第1金型41に接触させ、かつ第2層30を第2金型42に接触させても良い。
3.その他実施形態
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、種々変形を施して実施可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、種々変形を施して実施可能である。
例えば、上述の振動板60を構成する第2層30とシリコーンゴム層70との厚さの比率については、特に制約はないが、第2層を熱可塑性ポリウレタンにて構成する場合、シリコーンゴム層70の方が第2層30よりも厚い方が好ましい。シリコーンゴムの方がポリウレタンよりも耐熱性に優れるからである。ただし、耐熱性に優れるポリウレタンにて第2層30を形成する場合には、シリコーンゴム層70と第2層30とを同一厚さにし、あるいは第2層30の方がシリコーンゴム層70より厚くても良い。
上述の実施形態における各構成要素は、互いに組み合わせることのできない場合を除き、任意に組み合わせることができる。例えば、第1層20の厚さを5μm未満若しくは30μm超として、かつ第2層30を厚さ2〜20μmとしても良い。また、第1層20の厚さを5〜30μmとし、かつ第2層30の厚さを2〜20μmとしても良い。
本発明は、例えば、振動板用シートの製造、当該シートを用いて振動板を製造する振動板の製造、当該振動板を用いたスピーカの製造などにおいて利用可能である。
1・・・振動板用シート、10・・・離型シート、20・・・第1層、30・・・第2層、40・・・金型、41・・・第1金型、42・・・第2金型、50・・・成形物、60…振動板。
Claims (6)
- 離型シートと、
未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層と、
主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層と、
を順に積層して成る振動板用シート。 - 前記第1層を厚さ5〜30μmの層とした請求項1に記載の振動板用シート。
- 前記第2層を厚さ2〜20μmの層とした請求項1または請求項2に記載の振動板用シート。
- 前記第1層を厚さ10〜15μmの層とし、かつ前記第2層を厚さ5〜10μmの層とした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動板用シート。
- 前記離型シートをポリエステル製のシートとした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動板用シート。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動板用シートを用いた振動板の製造方法であって、
離型シートと、未硬化液状シリコーン組成物から成る第1層と、主として熱可塑性ポリウレタンを含む第2層とを順に積層して成る振動板用シートを第1金型に接触配置させるシート配置工程と、
前記振動板用シートの上に第2金型を配置して、第1金型と第2金型とを含む金型の型締めを行う型締工程と、
前記金型内にて成形を行う成形工程と、
前記金型を開き成形物を取り出す取出工程と、
前記成形物から前記離型シートを剥離する離型シート剥離工程と、
を含む振動板の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020124851A (ja) * | 2019-02-05 | 2020-08-20 | 日立化成株式会社 | 樹脂成形体を製造する方法、及び、シート状成形材料 |
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JP7318223B2 (ja) | 2019-02-05 | 2023-08-01 | 株式会社レゾナック | 樹脂成形体を製造する方法、及び、シート状成形材料 |
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