JP2018152499A - 熱電変換モジュール及びその製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュール及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018152499A
JP2018152499A JP2017048679A JP2017048679A JP2018152499A JP 2018152499 A JP2018152499 A JP 2018152499A JP 2017048679 A JP2017048679 A JP 2017048679A JP 2017048679 A JP2017048679 A JP 2017048679A JP 2018152499 A JP2018152499 A JP 2018152499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
thermoelectric conversion
layer
interface
bonding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017048679A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6850988B2 (ja
Inventor
皓也 新井
Koya Arai
皓也 新井
航 岩崎
Wataru Iwazaki
航 岩崎
雅人 駒崎
Masahito Komazaki
雅人 駒崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2017048679A priority Critical patent/JP6850988B2/ja
Publication of JP2018152499A publication Critical patent/JP2018152499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6850988B2 publication Critical patent/JP6850988B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】ニッケル同士を低温でかつ高さばらつきを抑えて均一な寸法精度で接合する。【解決手段】複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子を接続する電極を有する配線部とを備え、熱電変換素子の端面にニッケル層が形成されるとともに、配線部の電極は、少なくとも表面がニッケルからなるニッケル表面部を有し、このニッケル表面部と熱電変換素子の端面のニッケル層とが接合されてなり、その接合部には、該接合部とニッケル層との界面側及び接合部とニッケル表面部との界面側にAl−Ni金属間化合物層がそれぞれ形成されており、Al−Ni金属間化合物層は、接合部とニッケル層との界面及び接合部とニッケル表面部との界面からAl3Ni2化合物層、Al3Ni化合物層の順にAl−Ni金属間化合物が積層されており、Al3Ni2化合物層に対するAl3Ni化合物層の被覆率がニッケル層側及びニッケル表面部側の両方の平均値で90%以上である。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とを組み合わせて配列した熱電変換モジュール及びその製造方法に関する。
熱電変換モジュールは、一組の配線基板の間に、一対のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とを電極で接続状態に組み合わせたものを、p,n,p,nの順に交互に配置されるように、電気的に直列に接続した構成とされ、両端を直流電源に接続して、ペルチェ効果により各熱電変換素子中で熱を移動させる(p型では電流と同方向、n型では電流と逆方向に移動させる)、あるいは、両配線基板間に温度差を付与して各熱電変換素子にゼーベック効果により起電力を生じさせるもので、冷却、加熱、あるいは、発電としての利用が可能である。
このような熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子の材料としては、シリサイド系材料、酸化物系材料、スクッテルダイト(遷移金属とプニクトゲンの金属間化合物)、ハーフホイッスラー等が用いられる。この熱電変換材料をモジュール化する際、一般的には金属電極が用いられる。近年、中高温型の熱電モジュールの開発が盛んに行われているが、中高温では、大気中で大きく劣化しない金属電極は限られる。その中で、金(Au)や銀(Ag)より安価で、酸化が穏やかな金属としてニッケル(Ni)が多く用いられている。
モジュールの配線にニッケルが用いられた場合、熱電変換材料を直接接合する方法としてアルミニウム(Al)を用いた方法が特許文献1に開示されている。
この特許文献1では、熱電変換材料としてマグネシウムシリサイドやマンガンシリサイド等、シリコン(Si)を含有する材料が用いられ、この熱電変換材料とニッケル製電極との界面にアルミニウムを挿入し、アルミニウムと熱電変換材料に含まれるシリコン(Si)との共晶点以上の温度で、アルミニウム層を溶融させることにより接合している。
特開2013−70044公報
ところで、300℃〜600℃の温度環境で用いられる中高温型の熱電変換材料では、その端面に、一体焼結やスパッタ、めっき等により、メタライズ層としてニッケル層が形成される。このニッケル層を有する熱電変換素子をニッケル製電極に接合する場合、ニッケル同士の接合となる。ニッケル同士の接合は、銀ロウ付けなど800℃近い高温を要する接合技術があるが、熱電変換材料の耐熱性を超えた温度での接合は、熱電変換素子の劣化を招き、熱電変換モジュールの出力低下につながるおそれがある。特許文献1に開示の方法は、アルミニウムの融点(660℃)を超える680℃で良好な接合を得ているが、一方で、この技術は、熱電変換材料の成分にシリコンが含まれ、かつアルミニウムが拡散せず、ドーパントにならない熱電変換材料のみ使用可能である。
また、p型とn型の熱電変換素子をモジュール用の基板電極に接合する際、全く同じ接合材(はんだやロウ材)を用い、接合材を溶融させることで、熱電変換素子の高さを揃えることは可能であるが、p型とn型で異なる材料を用い、特許文献1に開示されているような接合を行うと、熱電変換材料中のシリコン含有量が異なるために、p型とn型の熱電変換材料と金属電極との界面のアルミニウム層の融点が異なってくると共に、液相の量も異なり、このため、熱電変換素子の高さのばらつきの原因となることが危惧される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱電変換素子のニッケル層と、配線部のニッケルからなる電極表面とのニッケル同士を低温でかつ高さばらつきを抑えて均一な寸法精度で接合することを目的とする。
本発明の熱電変換モジュールは、複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子を接続する電極を有する配線部とを備え、前記熱電変換素子の端面にニッケル層が形成されるとともに、前記配線部の前記電極は、少なくとも表面がニッケルからなるニッケル表面部を有し、このニッケル表面部と前記熱電変換素子の端面のニッケル層とが接合されてなり、その接合部には、該接合部と前記ニッケル層との界面側及び前記接合部と前記ニッケル表面部との界面側にAl−Ni金属間化合物層がそれぞれ形成されており、前記Al−Ni金属間化合物層は、前記接合部と前記ニッケル層との界面及び前記接合部と前記ニッケル表面部との界面からAlNi化合物層、AlNi化合物層の順にAl−Ni金属間化合物が積層されており、前記AlNi化合物層に対する前記AlNi化合物層の被覆率が前記ニッケル層側及び前記ニッケル表面部側の両方の平均値で90%以上である。
Al−Ni金属間化合物はニッケルやアルミニウムよりも高い融点を有し、耐熱性が高いため、熱電変換モジュールとして高温での耐熱性に優れ、接合部が剥離することなく、強固な接合状態を維持することができる。
一方で、ニッケルとアルミニウムとは比較的低温で金属間化合物を生成するので、接合温度も低温でよい。
また、熱電変換素子の端面にニッケル層が形成されているので、熱電変換素子と接合部との間の拡散現象の発生を防止することができる。したがって、接合部からアルミニウムが熱電変換素子中に拡散してくることはなく、熱電変換素子の性能の劣化を生じることはない。また、熱電変換素子中の成分が接合部に拡散することもないので、高さばらつきの発生を抑制することができる。
この場合、Al−Ni金属間化合物層は、接合部とニッケル層との界面及び接合部とニッケル表面部との界面からAlNi化合物層、AlNi化合物層の順に積層構造とされているが、AlNi化合物層に対してAlNi化合物層の被覆率がニッケル層側及びニッケル表面部側の両方の平均値で90%未満では、被覆されていない部分から剥離が生じるなど、接合不良の原因となる。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、複数の熱電変換素子の端面にニッケル層を形成するとともに、これら熱電変換素子を接続するための電極を有する配線部における前記電極の少なくとも表面にニッケルからなるニッケル表面部を形成しておき、前記熱電変換素子の前記ニッケル層と前記電極の前記ニッケル表面部との間にアルミニウム箔又はAl−Si箔からなる接合材を介在させ、前記接合材の融点又は液相線温度よりも低い温度で加熱することにより前記ニッケル層と前記ニッケル表面部とを接合する。
ニッケル層とニッケル表面部との間にアルミニウム箔又はAl−Si箔を介在させて加熱し、接合しているので、ニッケル層との界面部及びニッケル表面部との界面部にAl−Ni金属間化合物層が形成され、これらを強固に接合することができる。しかも、アルミニウム箔又はAl−Si箔を完全に溶融させなくとも接合可能であり、溶融せずに残る固相部分により接合部の厚みを均一にして高さばらつきを抑えることができる。接合材が完
本発明によれば、熱電変換素子のニッケル層と、配線部のニッケルからなる電極表面とのニッケル同士を低温でかつ高さばらつきを抑えて均一な寸法精度で接合した熱電変換モジュールを得ることができる。
本発明の実施形態の熱電変換モジュールを示す縦断面図である。 図1のA−A線の矢視方向の平断面図である。 図1のB−B線に矢視方向の平断面図である。 図1における配線基板の電極と熱電変換素子の端面との接合部付近の拡大断面図である。 電極と熱電変換素子の端面との接合部付近の他の例を示す拡大断面図である。 電極と熱電変換素子の端面との間に接合材を介在させた接合前の状態を示す拡大断面図である。 実施例の接合部付近の光学顕微鏡写真である。 比較例の接合部付近の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<熱電変換モジュールの全体構造>
この実施形態の熱電変換モジュール1は、図1〜図3に示すように、一組の対向配置した配線基板(配線部)2A,2Bの間に、p型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4を線状(一次元状)又は面状(二次元状)に配列した構成である。簡便にするため、図1〜図3には、p型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4が二対で配列された例を示しており、合計4個の熱電変換素子3,4が一列に並んで設けられる。また、図中、p型熱電変換素子3には「p」、n型熱電変換素子4には「n」と表記する。
<配線基板の構造>
配線基板2A,2Bは、図示例では、セラミックス板等の絶縁基板11の一方の面に電極層12A,12Bが形成され、他方の面に熱伝達金属層14が形成されている。
電極層12A,12Bは、一方の配線基板である図1の上側の第1配線基板2Aには、図2に示すように、隣合うp型熱電変換素子3とn型熱電変換素子4との対ごとにそれぞれ接続する平面視長方形状の2個の電極13からなる電極層12Aが形成されている。他方の配線基板である図1の下側の第2配線基板2Bには、図3に示すように、第1配線基板2Aの電極層12Aにより接続状態となる各対の両熱電変換素子3,4のうち、一方の対のn型熱電変換素子4と他方の対のp型熱電変換素子3とを接続状態とする電極13が熱電変換素子3,4の列の中央部に形成され、両端部に、一方の対のp型熱電変換素子3及び他方の対のn型熱電変換素子4に接続された電極13がそれぞれ形成され、これら3個の電極13により電極層12Bが構成されている。そして、両端部の電極13にそれぞれ外部配線部15が一体に又は別部材を溶接するなどにより、形成されている。
これら電極層12A,12Bは、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、絶縁基板11の表面に接合されることにより形成されている。各電極13の大きさ(面積)は、これら電極13に接続される熱電変換素子3,4の大きさに応じて、熱電変換素子3,4の端面の面積より若干大きく設定される。
そして、各電極13の表面には、ニッケル層(ニッケル表面部)21がめっき等により形成されており、このニッケル層21に熱電変換素子3,4の端面が接合されている。
<熱電変換素子の構造>
p型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4は、その材料として、シリサイド系材料、酸化物系材料、スクッテルダイト(遷移金属とプニクトゲンの金属間化合物)、ハーフホイッスラー等を用いることができる。その中でも特に、環境への影響が少なく、資源埋蔵量も豊富なシリサイド系材料が注目されており、マンガンシリサイド(MnSi1.73)がp型熱電変換素子3、マグネシウムシリサイド(MgSi)がn型熱電変換素子4となる。これら熱電変換素子3,4は、それぞれマンガンシリサイド(MnSi1.73)又はマグネシウムシリサイド(MgSi)の母合金を作製して、ボールミルにて例えば粒径75μm以下に粉砕後、プラズマ放電焼結、ホットプレス、熱間等方圧加圧法により例えば円盤状、角板状のバルク材を作製して、これを切断することにより、例えば横断面が正方形の角柱状に形成される。
また、各熱電変換素子3,4の両端面にはメタライズ層としてニッケル層22が形成されている。
<接合部の構造>
配線基板2A,2Bの電極13と熱電変換素子3,4とは、後述するようにアルミニウム箔又はAl−Si箔からなる接合材23を介在させて加熱接合されており、そのアルミニウムと電極13のニッケル層21あるいは熱電変換素子3,4のニッケル層22との間にAl−Ni金属間化合物層24を有する接合部20が形成され、接合材23の残存層25が形成される場合がある。また、Al−Ni金属間化合物層24は、さらに、AlNi化合物層26と、AlNi化合物層27との二層構造とされ、ニッケル層21,22との界面側にAlNi化合物層26が形成され、このAlNi化合物層26をAlNi化合物層27が覆っている。接合材の残存層25は、用いられる接合材23の厚みによっては、接合部20に残存していない場合もある。
この接合構造において、AlNi化合物層26に対するAlNi化合物層27の被覆率は両ニッケル層21,22側の両方の平均値で90%以上必要である。この平均被覆率が90%未満では、被覆されていない部分から剥離が生じるなど、接合不良の原因となる。なお、AlNi化合物層26は、接合界面の全面に形成されるが、少なくとも接合界面の95%以上の面積で形成されているとよい。 図4は接合部20に接合材23の残存層25を有する例であり、図5は残存層25がない接合部20の例を示す。
具体的には、接合材23としてアルミニウム箔を用いた場合の接合部20は、電極13の表面のニッケル層21、Al−Ni金属間化合物層24、アルミニウム層(接合材の残存層)25、Al−Ni金属間化合物層24、熱電変換素子3,4のニッケル層22により構成される。
接合材23としてAl−Si箔を用いた場合の接合部は、電極13の表面のニッケル層21、Al−Ni金属間化合物層24、Al−Si層(接合材の残存層)25、Al−Ni金属間化合物層24、熱電変換素子3,4のニッケル層22により構成される。この場合、Al−Ni金属間化合物層24中のNiの一部がSiに置換している。
また、いずれの場合も、Al−Ni金属間化合物層24は、接合界面の全面にわたって層状に形成されており、さらに、AlNi化合物層26と、AlNi化合物層27との二層構造とされ、ニッケル層との界面側にAlNi化合物層26が形成される。特に、このAlNi化合物層26が界面の全面に均一にできていると、Al−Ni金属間化合物層24の全体が均一に形成される。このため、AlNi化合物層26は1μm以上形成されているとよく、Al−Ni金属間化合物層24としては、5μm以上100μm以下の厚みを有しているとよい。
このように構成された熱電変換モジュール1を製造する方法について説明する。
<ニッケル層形成工程>
配線基板2A,2B及び熱電変換素子3,4をそれぞれ用意し、配線基板2A,2Bの電極13表面及び熱電変換素子3,4の両端面にニッケル層21,22をそれぞれ6μm以上5000μm以下の厚みで形成する。6μm未満では、接合時に、ニッケル層21,22がすべてAl−Ni金属間化合物層24となるおそれがある。ニッケル層の厚みが5000μmを超えた場合、熱電変換材料の高さが減少することにより、発電量が低下するおそれがある。
これらニッケル層21,22はめっき、スパッタリング等によって形成することができる。
<接合工程>
図6に示すように、配線基板2A,2Bの電極13のニッケル層21に、アルミニウム箔又はAl−Si箔からなる接合材23を介材させて熱電変換素子3,4の端面のニッケル層22を重ね合わせるようにして、両配線基板2A,2Bの間にp型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4を並べて配置し、積み重ね方向に所定の加圧力を作用させた状態で加熱炉内で加熱することにより、電極13のニッケル層21と接合材23、及び接合材23と熱電変換素子3,4のニッケル層22とが、これらの間にそれぞれAl−Ni金属間化合物層24を形成して接合される。
接合材23としてアルミニウム箔を用いる場合、加圧力が0.1MPa以上3MPa以下、温度が640℃以上650℃以下で、10分以上30分以下保持するとよく、ニッケルとアルミニウムとが固相拡散接合により接合される。この場合、Al−Ni金属間化合物層24が比較的厚く成長するので、ニッケル層21,22としては30μm以上の厚さに設定しておくとよい。
接合材23としてAl−Si箔を用いる場合、シリコン(Si)濃度として7.5質量%以上10.5質量%以下の箔を用いるとよく、接合は、加圧力が0.1MPa以上3MPa以下、温度が585℃以上540℃以下で、10分以上30分以下保持するとよい。このAl−Si箔を用いる場合も、表面の一部で溶融する場合もあるが、ニッケル層21,22との間でAl−Ni金属間化合物層24を形成する。
いずれの場合も、接合時の加熱温度は、接合材23の融点あるいは液相線温度より低い温度とすることにより、接合材23の全部が溶融しないうちにニッケルとの間で金属間化合物を生成して接合する。
接合材23の全部が溶融してしまうと、ニッケル層21,22の間からはみ出すなどにより、接合後の熱電変換素子3,4の高さ方向の寸法ばらつきが生じるおそれがあるが、これらの箔が固相のまま残っていることにより、高さばらつきの発生を抑制し、高さを均一に揃えることができる。
このようにして、両配線基板2A,2Bの間に、p型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4が直列に接続された状態に一体化される。そして、両配線基板2A,2Bのうちの一方の配線基板の熱伝達金属層14に熱源を接触させ、他方の配線基板の熱伝達金属層14に冷却媒体を接触させて用いられる。
この実施形態の熱電変換モジュール1は、電極13表面のニッケル層21と熱電変換素子3,4の端面のニッケル層22との間の接合部20に、その界面の全面にわたってAl−Ni金属間化合物層24が形成されており、このAl−Ni金属間化合物層24の融点が非常に高いので、高温での強度が高く、強固な接合強度を維持することができる。
一方で、ニッケルとアルミニウムとは比較的低温で金属間化合物を生成するので、接合温度も低温でよい。
特に、中高温型として有望なマグネシウムシリサイドを用いる場合、その耐熱性は600℃以下であるといわれるため、電極との接合温度が600℃以下とできるAl−Si箔を用いて接合するのが好ましい。
また、熱電変換素子3,4の端面にはニッケル層22が形成されていることにより、熱電変換素子3,4と接合部20との間の拡散現象の発生も防止することができる。したがって、接合部20からアルミニウムが熱電変換素子3,4中に拡散してくることはなく、熱電変換素子3,4の性能の劣化を生じることはない。また、熱電変換素子3,4中の成分が接合部20に拡散することもないので、高さばらつきの発生を抑制することができる。特に、大型の熱電変換モジュールなど、部品の平面度や高さ管理幅が厳しくなる場合においても、安定した接合を実現することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の種々の変更を加えることも可能である。
例えば、電極をアルミニウムによって形成し、その表面にニッケル層を形成したが、電極をニッケルにより形成してもよい。このため、本発明では、電極の表面が少なくともニッケルからなるものとし、これをニッケル表面部と称している。
また、絶縁基板の一方の面に電極層、他方の面に熱伝達金属層を形成したが、電極層のみを形成する構成としてもよい。
また、p型熱電変換素子とn型熱電変換素子とを1個ずつ直列に接続しているが、一対の配線基板の間にp型又はn型の一方の熱電変換素子のみを直列接続状態に配置して、p型又はn型ごとにユニット化し、そのp型熱電変換素子のユニットとn型熱電変換素子のユニットとを接続して熱電変換モジュールとすることも可能である。
また、各電極の平面形状、各熱電変換素子の横断面形状も、正方形に限らず、長方形、円形等に形成してもよい。
次に、本発明の効果確認のために行った実験結果について説明する。
厚さ1mmのニッケル板同士を厚さ10μmのアルミニウム箔(純度99.99質量%以上のアルミニウム(4N−Al))又は厚さ10μmのAl−Si箔(Si濃度:7.5質量%)によって接合した。接合時の加圧力は0.1MPaとし、表1に示す温度で10分間保持することにより、接合温度の異なる複数の試料を作製した。
得られた試料について、接合部の断面を光学顕微鏡で観察するとともに、電子線マイクロアナライザ(EPMA)で成分分析した。
また、AlNi層の被覆率、初期接合性、冷熱サイクル信頼性について評価した。
接合部の断面において、EPMAによりアルミニウム及びニッケルのマッピング像を取得し、アルミニウムに対するニッケルの量が、20%以上50%未満の部分をAlNi層、50%以上80%未満の部分をAlNi2層とした。AlNi2層に対するAlNi層の被覆率は、接合部の断面を倍率:1000倍、視野:幅1200μm×高さ900μm、の条件で測定し、
((AlNi2層とAlNi層が接している長さ/AlNi2層の長さ)×100)
を被覆率とし、各ニッケル板との界面側で5視野ずつ測定し、その平均値を平均被覆率とした。また、接合後に剥離してしまったものは『−』で示した。
初期接合性は、接合界面の超音波探査像(SAT像)を観察し、接合率が90%以上のものを「○」、90%未満のものを「×」とした。
冷熱サイクル信頼性は、−40℃⇔150℃の温度サイクルを2000サイクルしたものについて、接合界面の超音波探査像(SAT像)を観察し、接合率が90%以上のものを「○」、90%未満のものを「×」とした。
これらの結果を表1に示す。

表1に示すように、接合材としてアルミニウム箔を用いた場合は、640℃で接合したものについて良好な接合部を得ることができた。一方、接合材としてAl−Si箔を用いた場合は、585℃以上で接合したものについて良好な接合部を得ることができた。
図7は、接合材がAl−Si箔で接合温度が600℃の場合の接合部(ニッケルとアルミニウムとの界面付近)の断面の光学顕微鏡写真である。Al−Ni金属間化合物層が界面の全面に形成されており、AlNi層とその上のAlNi化合物層とのいずれもがほぼ一様な厚みで形成されている。
これに対して、図8は、接合材がアルミニウム箔で接合温度が600℃の場合の接合部の断面の光学顕微鏡写真であるが、Al−Ni金属間化合物層のうち、AlNi層が界面の一部に形成されていない部分が生じていることがわかる。このようにAlNi層が途切れた状態であると、その部分が剥離の起点になるおそれがある。
また、接合材としてアルミニウム箔を用いた場合は585℃以下、Al−Si箔を用いた場合は550℃において、接合後に容易に剥離してしまった。
1 熱電変換モジュール
2A,2B 配線基板(配線部)
3 p型熱電変換素子
4 n型熱電変換素子
11 絶縁基板
12A,12B 電極層
13 電極
14 熱伝達金属層
15 外部配線部
20 接合部
21 ニッケル層(ニッケル表面部)
22 ニッケル層
23 接合材
24 Al−Ni金属間化合物層
25 残存層
26 AlNi化合物層
27 AlNi化合物層

Claims (2)

  1. 複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子を接続する電極を有する配線部とを備え、前記熱電変換素子の端面にニッケル層が形成されるとともに、前記配線部の前記電極は、少なくとも表面がニッケルからなるニッケル表面部を有し、このニッケル表面部と前記熱電変換素子の端面のニッケル層とが接合されてなり、その接合部には、該接合部と前記ニッケル層との界面側及び前記接合部と前記ニッケル表面部との界面側にAl−Ni金属間化合物層がそれぞれ形成されており、
    前記Al−Ni金属間化合物層は、前記接合部と前記ニッケル層との界面及び前記接合部と前記ニッケル表面部との界面からAlNi化合物層、AlNi化合物層の順にAl−Ni金属間化合物が積層されており、
    前記AlNi化合物層に対する前記AlNi化合物層の被覆率が前記ニッケル層側及び前記ニッケル表面部側の両方の平均値で90%以上であることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 複数の熱電変換素子の端面にニッケル層を形成するとともに、これら熱電変換素子を接続するための電極を有する配線部における前記電極の少なくとも表面にニッケルからなるニッケル表面部を形成しておき、前記熱電変換素子の前記ニッケル層と前記電極の前記ニッケル表面部との間にアルミニウム箔又はAl−Si箔からなる接合材を介在させ、前記接合材の融点又は液相線温度よりも低い温度で加熱することにより前記ニッケル層と前記ニッケル表面部とを接合することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
JP2017048679A 2017-03-14 2017-03-14 熱電変換モジュール Active JP6850988B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017048679A JP6850988B2 (ja) 2017-03-14 2017-03-14 熱電変換モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017048679A JP6850988B2 (ja) 2017-03-14 2017-03-14 熱電変換モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018152499A true JP2018152499A (ja) 2018-09-27
JP6850988B2 JP6850988B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=63680553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017048679A Active JP6850988B2 (ja) 2017-03-14 2017-03-14 熱電変換モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6850988B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019062118A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 株式会社日立製作所 接続材料および熱電変換モジュールならびに電子装置
WO2021079644A1 (ja) 2019-10-25 2021-04-29 株式会社ミツバ 熱電変換素子とその製造方法、および熱電変換デバイス

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001271128A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Sumitomo Special Metals Co Ltd NiAl金属間化合物板の製造方法
JP2013070044A (ja) * 2011-09-08 2013-04-18 Hitachi Chemical Co Ltd 熱電変換モジュールおよびその製造方法
WO2016056278A1 (ja) * 2014-10-07 2016-04-14 日立化成株式会社 熱電変換素子、その製造方法および熱電変換モジュール

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001271128A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Sumitomo Special Metals Co Ltd NiAl金属間化合物板の製造方法
JP2013070044A (ja) * 2011-09-08 2013-04-18 Hitachi Chemical Co Ltd 熱電変換モジュールおよびその製造方法
WO2016056278A1 (ja) * 2014-10-07 2016-04-14 日立化成株式会社 熱電変換素子、その製造方法および熱電変換モジュール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019062118A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 株式会社日立製作所 接続材料および熱電変換モジュールならびに電子装置
WO2021079644A1 (ja) 2019-10-25 2021-04-29 株式会社ミツバ 熱電変換素子とその製造方法、および熱電変換デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP6850988B2 (ja) 2021-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6750404B2 (ja) 熱電変換モジュール及び熱電変換装置並びに熱電変換モジュールの製造方法
KR102422607B1 (ko) 접합체, 히트 싱크가 부착된 파워 모듈용 기판, 히트 싱크, 및 접합체의 제조 방법, 히트 싱크가 부착된 파워 모듈용 기판의 제조 방법, 히트 싱크의 제조 방법
KR102049011B1 (ko) 열전 모듈 및 그 제조 방법
US10147859B2 (en) Thermoelectric power module
US10224472B2 (en) Thermoelectric power module
JP2010109132A (ja) 熱電モジュールを備えたパッケージおよびその製造方法
JP2009099686A (ja) 熱電変換モジュール
JP2008305986A (ja) 熱電変換モジュール
JP2007109942A (ja) 熱電モジュール及び熱電モジュールの製造方法
JP6404983B2 (ja) 熱電発電モジュール
US10868230B2 (en) Thermoelectric conversion module and manufacturing method thereof
JP6850988B2 (ja) 熱電変換モジュール
JP2020510990A (ja) 熱電モジュール
JPH09293906A (ja) 熱電変換素子
JP7315377B2 (ja) 熱電モジュール
CN108028306B (zh) 热电转换模块及热电转换装置
JP4810652B2 (ja) 熱電変換モジュール
JP2018160560A (ja) 熱電変換モジュールおよびその製造方法
WO2021019891A1 (ja) 熱電モジュール及び熱電モジュールの製造方法
JP2004342879A (ja) 熱電変換モジュールの組立方法および当該モジュールの組立てに用いられるろう材
JP6413230B2 (ja) 抵抗器及び抵抗器の製造方法
WO2020100717A1 (ja) スタナイド系熱電変換素子及びスタナイド系熱電変換モジュール
JP2014147966A (ja) 接合材料、接合方法、接合構造、および半導体装置
WO2020071529A1 (ja) 熱電モジュール
WO2021079644A1 (ja) 熱電変換素子とその製造方法、および熱電変換デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6850988

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150