JP2018151555A - 弦楽器用の駒、及び、弦楽器 - Google Patents

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大輔 中山
秀人 松田
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Abstract

【課題】魂柱がない弦楽器であっても、バイオリン等と同様の擦弦方法で十分な音を出すことができる弦楽器用の駒を提供する。
【解決手段】弦の振動を胴部の振動板に伝達する弦楽器用の駒4であって、フレーム本体11、及び、複数の脚部12を含むフレーム部10と、複数の脚部の間においてフレーム本体に接続され、弦の振動を振動板に伝達する振動伝達部20と、を備え、振動伝達部には、弦を支持する弦支持部21と、振動板に接触する接触部22とが設けられている弦楽器用の駒を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、弦楽器用の駒、及び、弦楽器に関する。
従来の弦楽器には、バイオリン等のように、弓によって弦を胴部の表板(振動板)に平行する方向に擦ることで音を出すものがある。この種の弦楽器では、表板と弦との間に挟み込まれて弦の振動を表板に伝達する駒が、表板に押し付けられる二本の脚を有する(例えば特許文献1参照)。駒の一方の脚を支持する表板の部位は、一方の脚の近傍に設置された魂柱によって支持されている。魂柱は、胴部内において木材等のように剛性が比較的高い素材からなる表板と裏板との間に挟み込まれている。これにより、バイオリン等の弦楽器では、弦を表板に平行する方向に擦ることで音を出すことができる。
米国特許出願公開第2004/0099123号明細書
ところで、弦楽器には、例えば二胡のように、弓によって弦を胴部の振動板に直交する方向に擦ることで音を出すものがある。この種の弦楽器において、駒を支持する振動板は、蛇皮などのように膜状に形成され、バイオリン等の表板と比較して柔らかく剛性が低い。このことから、膜状の振動板を有する弦楽器においてバイオリン等と同様の魂柱を設けることは好ましくない。このため、仮に、二本の脚を有するバイオリン等の駒を二胡等の弦楽器に適用し、バイオリン等と同様に弦を振動板に平行する方向に擦っても、駒が弦の長手方向を軸として回転し、駒の二本の脚が互いに逆位相で振動板の厚さ方向に振動してしまう。その結果、弦の振動が振動板に十分に伝わらず、十分な音を出すことができない。
また、弦楽器から豊かな音色で十分な音を出すためには、駒で支持する弦の張力を大きくすることが好ましい。しかしながら、振動板の剛性が低いと、駒が振動板に過度に押し付けられ、振動板が弦の張力によって過度に変形してしまう。その結果、豊かな音色で十分な音を出すことが難しい、という問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、魂柱を設けることが困難な弦楽器において、バイオリン等と同様の擦弦方法で十分な音を出すことができ、また、駒で支持する弦の張力を大きくしても、豊かな音色で十分な音を出すことが可能な弦楽器用の駒、及び、弦楽器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の弦楽器用の駒は、弦の振動を胴部の振動板に伝達する弦楽器用の駒であって、フレーム本体、及び、複数の脚部を含むフレーム部と、前記複数の脚部の間において前記フレーム本体に接続され、前記弦の振動を前記振動板に伝達する振動伝達部と、を備え、前記振動伝達部には、前記弦を支持する弦支持部と、前記振動板に接触する接触部とが設けられている。
また、本発明の弦楽器は、前記胴部と、前記弦と、前記弦楽器用の弦と、を備える。
振動板には、バイオリンの表板などのように板状に形成されたもの、及び、二胡の蛇皮などのように膜状に形成されたものが含まれる。
本発明によれば、二胡などのように魂柱がない弦楽器において、バイオリン等と同様の擦弦方法で十分な音を出すことができる。また、駒によって支持する弦の張力を大きくしても、豊かな音色で十分な音を出すことができる。
本発明の一実施形態に係る弦楽器用の駒を示す斜視図である。 図1の駒を弦楽器に設けた一例を示す図である。 図1の駒における動作を説明するための図である。
以下、図1−3を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る弦楽器用の駒4は、弦3の振動を胴部2の振動板6に伝達するものである。弦楽器は四本の弦を有するバイオリンなど任意であってよい。本実施形態では、二本の弦を有する二胡を弦楽器の一例として説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る弦楽器1は、胴部2と、胴部2の振動板6の外面上において張られた弦3と、振動板6と弦3との間に配される駒4を備える。
胴部2は、胴部本体5と、振動板6を有する。胴部本体5は筒状に形成されている。振動板6は、胴部本体5の一方の開口7を塞ぐように配されている。振動板6は、バイオリンの表板などのように剛性が比較的高い板状に形成されたものであってもよい。本実施形態の振動板6は、二胡の蛇皮などのようにバイオリンの表板よりも柔らかく剛性が低い膜状に形成されたもの(振動膜)である。
図1,2に示すように、本実施形態に係る駒4は、フレーム部10と、振動伝達部20を備える。
フレーム部10は、フレーム本体11、及び、複数の脚部12を有する。複数の脚部12は、互いに間隔をあけた位置においてフレーム本体11の同一方向(図1,2においてZ軸負方向)側に設けられている。
フレーム本体11は、円形や多角形、リング状など任意の形状に形成されてよい。本実施形態のフレーム本体11は、概ね一方向(図1,2においてX軸方向)に延びて形成されている。より具体的に、フレーム本体11は、概ね一方向に延びる帯板状に形成されている。
本実施形態において、脚部12は、フレーム本体11の長手方向の両端部に設けられている。フレーム本体11の長手方向の各端部には、例えば互いに間隔をあけて位置する複数の脚部12が接続されてもよいが、本実施形態では一つの脚部12が接続されている。すなわち、本実施形態の駒4における脚部12の数は二つである。より具体的に、二つの脚部12は、帯板状に形成されたフレーム本体11に対し、フレーム本体11の幅方向の一方側に設けられている。これにより、二つの脚部12は、帯板状のフレーム本体11と共に一枚の板材によって形成することができる。
本実施形態の駒4は、二つの脚部12の先端13(脚部12のうちZ軸負方向の端)を、振動板6のうち胴部本体5の開口7の縁8を覆う部位に押し当てるようにして配される。複数の脚部12は、振動板6上で安定に配置できるように形成されているとよい。
各脚部12の先端13は、例えば脚部12が押し当てられる胴部2(胴部本体5や振動板6)の部位の形状に対応する凹凸を有する形状に形成されてもよい。本実施形態では、胴部本体5の開口7の縁8が平坦に形成されているため、各脚部12の先端13も平坦に形成されている。また、二つの脚部12の平坦な先端13は、例えば互いに平行していなくてもよいが、本実施形態では互いに平行している。また、Z軸方向における二つの脚部12の長さは、例えば互いに異なっていてよいが、本実施形態では互いに等しい。すなわち、二つの脚部12の先端13は、Z軸方向に直交する同一平面上に位置する。
本実施形態のフレーム部10では、フレーム本体11が弓状に湾曲して形成されると共に、二つの脚部12が湾曲したフレーム本体11の両端部に対して滑らかに接続されている。すなわち、本実施形態のフレーム部10は、アーチ状あるいはC字状に形成されている。
以上のように構成されるフレーム部10は、例えば、弦3の振動に伴って後述する振動伝達部20が振動しても変形しない程度の剛性を有しているとよい。また、フレーム部10は、任意の素材によって形成されてよい。本実施形態のフレーム部10は、従来のバイオリンなどの駒4と同様に、木材によって形成されている。
駒4の振動伝達部20は、弦3の振動を胴部2の振動板6に伝達する部位である。振動伝達部20は、複数の脚部12の間においてフレーム本体11に接続されている。振動伝達部20はフレーム本体11に対して振動可能である。
振動伝達部20には、弦3を支持する弦支持部21と、振動板6に接触する接触部22が設けられている。弦支持部21は、振動伝達部20のうちZ軸正方向(前述の同一方向と反対方向)側に位置する第一端部に設けられている。弦支持部21は、弦3の一部が入り込む窪みによって構成されている。弦支持部21は、例えば複数の弦3を支持してもよいが、本実施形態では一つの弦3のみを支持する。接触部22は、振動伝達部20のうちZ軸負方向側に位置する第二端部に設けられている。
本実施形態の振動伝達部20は、弦支持部21における振動伝達部20の振動方向と、接触部22における振動伝達部20の振動方向とを異ならせる機能を有する。
具体的に、振動伝達部20は、弦支持部21を含むと共に接触部22に接続される揺動部24と、揺動部24からフレーム本体11まで延び、弾性的に変形可能な接続部25を備える。揺動部24のうち弦支持部21と接触部22に対する接続部分とは、Z軸方向(弦3と振動板6とが並ぶ方向)に直交する方向において互いにずれて位置している。
揺動部24は、接続部25が弾性的に変形することで、フレーム部10に対して弾性的に揺動する。すなわち、揺動部24は、接続部25を支点としてフレーム部10に対して揺動する。揺動部24は、例えば接触部22と一体に形成されてもよいが、本実施形態では別個に形成されている。また、揺動部24は、接触部22に固定されず、接触部22に対して着脱可能に配される。
揺動部24は、任意の素材によって形成されてよい。本実施形態の揺動部24は、木材によって形成されている。
接続部25は、Z軸負方向において弦支持部21(第一端部)よりも接触部22との接続部分(第二端部)近い位置で揺動部24に接続されている。本実施形態において、接続部25は、揺動部24のうちZ軸負方向側の端部に接続されている。
接続部25のうちフレーム本体11から揺動部24に至る長手方向の一部には、他の部分よりも細い括れ部26が形成されている。接続部25は、括れ部26を支点として弾性的に撓み変形可能となっている。括れ部26は、Z軸負方向において弦支持部21(第一端部)よりも接触部22との接続部分(第二端部)の近くに位置していればよい。本実施形態において、括れ部26は、揺動部24のうちZ軸負方向側の端部に対応する位置に配されている。括れ部26は、接続部25の長手方向において任意の位置に形成されてよいが、本実施形態ではフレーム本体11よりも揺動部24に近い位置に形成されている。
接続部25は、例えばゴム等の弾性体によって形成されてもよいが、本実施形態では、揺動部24と同様の木材によって形成されている。
以上のように構成される本実施形態の振動伝達部20では、図3に示すように、揺動部24における弦支持部21が、Z軸方向に直交する方向(図3におけるV1方向(X軸方向))に振動した際に、揺動部24が接続部25を支点として弾性的に揺動する。これにより、揺動部24における接触部22との接続部分をZ軸方向(図3におけるV2方向(Z軸方向))に振動させることができる。すなわち、弦支持部21における振動伝達部20の振動方向(V1方向)と、接触部22における振動伝達部20の振動方向(V2方向)とを異ならせることができる。
揺動部24の形状は任意であってよいが、本実施形態では図1,3に示すようにL字状に形成されている。具体的に、揺動部24は、第一腕部27と、第一腕部27に対して直交する方向に延びる第二腕部28を備える。第一腕部27は、弦支持部21を含み、弦支持部21からZ軸負方向に延びている。第二腕部28は、第一腕部27の延長方向の先端部から第一腕部27の延長方向に直交して延びている。第二腕部28は、接触部22に接続される部位である。
接続部25は、第一腕部27の延長方向の先端部(第二腕部28の延長方向の基端部)に接続されている。
第一腕部27は、図示例のように、第一腕部27の延長方向の中途部に括れを有する形状に形成されてもよいが、これに限ることはない。また、第二腕部28は、図示例のように、第二腕部28の延長方向の先端13に向けて先細る形状に形成されてもよいが、これに限ることはない。
揺動部24は、前述したフレーム部10に対して任意に位置してよい。本実施形態の揺動部24は、フレーム本体11に対してZ軸負方向側に位置している。また、本実施形態では、揺動部24の一部(特に弦支持部21を含む揺動部24の部分)が、フレーム本体11に形成された切欠き14内に位置している。
フレーム本体11と揺動部24とを接続する接続部25の形状は、任意であってよい。本実施形態の接続部25は、フレーム本体11からZ軸負方向に延びると共にフレーム本体11の長手方向(図1,3においてX軸方向)に延びることで揺動部24に到達するように形成されている。
本実施形態のように、フレーム部10に対する揺動部24の位置を設定すると共に、接続部25を形成することで、フレーム部10、揺動部24及び接続部25を一枚の板材で形成することができる。
接触部22は、振動板6に面接触する接触面29を有する。接触部22の接触面29は、接触部22を揺動部24(第二腕部28)に接触させた状態で、Z軸負方向に向く接触部22の面である。
接触部22の接触面29は、例えばZ軸負方向において脚部12の先端13よりも突出してもよい、すなわち、脚部12の先端13に対してZ軸負方向側にずれて位置してもよい。本実施形態において、接触部22の接触面29は、Z軸負方向において脚部12の先端13よりも突出しない。すなわち、接触部22の接触面29は、図3に例示するように、脚部12の先端13と共にZ軸方向に直交する同一平面(XY平面)上に位置してもよいし、脚部12の先端13に対してZ軸正方向側にずれて位置してもよい。脚部12の先端13に対する接触面29のずれ量は、振動板6と弦3との間に揺動部24及び接触部22を配し、揺動部24及び接触部22が弦3の張力によってZ軸負方向に変位した状態で、接触部22の接触面29が少なくとも振動板6に接触するように設定されるとよい。
本実施形態の駒4では、複数の振動伝達部20が、互いに間隔をあけた位置においてフレーム部10に対して振動可能に接続されている。各振動伝達部20は、弦支持部21を含む振動伝達本体部30を備える。振動伝達本体部30には、揺動部24及び接続部25が含まれるが、接触部22は含まれない。
各振動伝達部20において、接触部22は振動伝達本体部30に対して着脱可能とされている。接触部22は振動伝達本体部30のうちZ軸負方向側の端部に配される。複数の振動伝達部20の接触部22は、例えば別個に形成されてもよいが、本実施形態では一体に形成されている。以下、この点について、より具体的に説明する。
本実施形態の駒4は、振動伝達部20を二つ備える。二つの振動伝達部20の振動伝達本体部30は、フレーム本体11の長手方向に間隔をあけて配列されている。二つの振動伝達本体部30の接続部25は、フレーム本体11から各揺動部24まで互いに近づく方向に延びている。二つの揺動部24の弦支持部21同士の間隔は、二つの揺動部24の接触部22との接続部分(第二腕部28)同士の間隔よりも大きい。このように二つの振動伝達部20が相対的に位置していることで、二つの振動伝達部20の接触部22を一体に形成することができる。
複数の接触部22を一体に形成してなる接触体31は、Z軸方向を板厚方向とする板状に形成されている。本実施形態の接触体31は、複数の接触部22の接触面29全体が従来の二胡の駒の場合と同様の円形となるように、円板状に形成されている。
本実施形態の駒4において、二つの振動伝達部20の形状や大きさ、また、剛性などの特性は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、弦3の張力は音高などによって異なるため、二つの振動伝達部20の間で、振動伝達部20の振動のし易さが異なるように、二つの振動伝達部20の形状や大きさ、また、剛性などの特性を異ならせてもよい。例えば、張力が大きい弦3を支持する振動伝達部20では、接続部25の弾性係数を大きく設定し、張力が小さい弦3を支持する振動伝達部20では、接続部25の弾性係数を小さく設定してもよい。
次に、上記した本実施形態の駒4を弦楽器1に取り付けた状態について説明する。
図2に示すように、本実施形態の駒4を弦楽器1に取り付けた状態では、フレーム本体11が振動板6上に間隔をあけて位置するように、脚部12の先端13が振動板6のうち胴部本体5の開口7の縁8を覆う部位に配される。また、振動板6上で張られた弦3が、各振動伝達部20の弦支持部21によって支持される。
この状態では、脚部12の先端13が、弦3の張力によって振動板6のうち胴部本体5によって支持された部位に押し付けられる。これにより、弦3の張力を、フレーム部10によって支持することができる。また、駒4を振動板6上で安定に保持することができ、駒4が外れることを好適に抑制できる。
また、上記した状態では、振動伝達部20の接触部22が振動板6に接触する。ここで、弦3の張力は主にフレーム部10によって支持されるため、振動伝達部20が弦3の張力によって振動板6に過度に押し付けられることを防止できる。本実施形態において、弦3の張力によって振動伝達部20を振動板6に押し付ける力は、接触部22(接触体31)の板厚を変えることで、調整することができる。例えば接触部22の板厚を小さくすることで、振動板6に対する振動伝達部20の押付力を小さくすることができる。
以上のように構成される本実施形態の弦楽器1において、弓(不図示)により弦3を振動板6に平行する方向に擦った場合には、弦3が振動板6に平行する方向(図3においてV1方向)に振動する。この際、弦3の振動に伴って、振動伝達部20がフレーム部10に対して振動する。具体的には、揺動部24が接続部25の括れ部26を支点にして、弾性的に揺動する。このため、揺動部24における接触部22との接続部分(第二腕部28)及び接触部22が、振動板6の板厚方向(図3においてV2方向)に振動する。これにより、振動板6をその板厚方向に十分に振動させることができる。すなわち、弦楽器1から十分な音を出すことができる。十分な音とは、十分な音量や音の伸びが得られることを意味する。
本実施形態の弦楽器1では、弦3を振動板6の板厚方向に擦ることで振動板6の板厚方向に振動させても、十分な音を出すことができる。弦3が振動板6の板厚方向に振動した際には、振動伝達部20(特に揺動部24)が振動板6の板厚方向(図3においてV2方向)に振動するためである。
以上説明したように本実施形態の弦楽器用の駒4は、フレーム本体11及び複数の脚部12を有するフレーム部10と、フレーム本体11に接続されて、弦3の振動を振動板6に伝達する振動伝達部20を備える。このため、フレーム部10の脚部12を振動板6のうち胴部本体5の開口7の縁8を覆う部位に押し当てることで、振動伝達部20の弦支持部21で支持された弦3の張力を、主にフレーム部10で支持することができる。すなわち、振動伝達部20が、弦3の張力によって胴部2の振動板6に過度に押し付けられることを防ぎながら、振動伝達部20の接触部22を振動板6に接触させることができる。
このことから、振動板6が二胡の蛇皮のように柔らかく剛性が低い膜状に形成され、バイオリン等で採用されている魂柱が設けられていない弦楽器1において、バイオリン等と同様の擦弦方法で振動板6に平行する方向に弦3を振動させても、振動伝達部20において弦3の振動方向を振動板6の板厚方向に変換することができ、十分な音を出すことができる。
また、本実施形態の弦楽器用の駒4では、前述したように、振動伝達部20が振動板6に過度に押し付けられることを防止できるため、駒4で支持する弦3の張力が大きくなっても、振動板6が弦3の張力によって過度に変形することを抑制できる。その結果、振動板6の剛性が低い弦楽器1であっても、豊かな音色で十分な音を出すことが可能となる。
また、本実施形態の弦楽器用の駒4によれば、振動伝達部20が、弦支持部21における振動方向と、接触部22における振動方向とを異ならせる機能を有する。これにより、振動伝達部20において弦3の振動方向を振動板6の板厚方向に効率よく変換することができる。
また、本実施形態の弦楽器用の駒4によれば、振動伝達部20が、弦支持部21を含むと共に接触部22に接続される揺動部24と、弾性的に変形可能に形成されて揺動部24とフレーム本体11とを接続する接続部25を備える。また、揺動部24のうち弦支持部21と接触部22に対する接続部分(第二腕部28)とは、弦3と振動板6とが並ぶ方向(Z軸方向)に直交する方向に互いにずれて位置している。これにより、弦3が振動板6に平行する方向に振動した際に、接触部22及び振動板6を振動板6の板厚方向に確実に振動させることができる。
また、本実施形態の弦楽器用の駒4によれば、複数の振動伝達部20が、互いに間隔をあけた位置においてフレーム部10に対して振動可能に接続されている。このため、弦3の振動に応じて複数の振動伝達部20を個別に振動させることができる。これにより、所定の弦3の振動に伴う所定の振動伝達部20の振動が、別の弦3を支持する振動伝達部20によって阻害されることを防止できる。すなわち、各弦3の振動をそれぞれ振動板6に効率よく伝えることができる。
また、本実施形態の弦楽器用の駒4によれば、複数の振動伝達部20が、それぞれ弦支持部21を含む振動伝達本体部30と、振動伝達本体部30に対して着脱可能とされた接触部22を備え、複数の振動伝達部20の接触部22が一体に形成されている。これにより、複数の弦3の振動を、振動板6の同一箇所に伝えることができる。したがって、弦3ごとに振動板6の振動特性が変わってしまうことを抑制できる。すなわち、胴部2から出力される音の特性が複数の弦3の間で異なることを抑制できる。
また、本実施形態の弦楽器用の駒4によれば、複数の振動伝達本体部30が接触部22に対して固定されずに着脱可能とされている。このため、複数の振動伝達本体部30が接触部22に固定される場合と比較して、所定の弦3の振動に伴う所定の振動伝達部20の振動が、別の弦3を支持する振動伝達部20によって阻害されることを防止できる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明の弦楽器用の駒は、二胡に限らず、三味線など振動板が剛性の低い膜状である各種の弦楽器にも適用可能である。また、本発明の弦楽器用の駒は、バイオリン等のように振動板が剛性の高い板状であり、魂柱を有する弦楽器にも適用可能である。本発明の駒が魂柱を有する弦楽器に適用される場合、駒の脚部は、上記実施形態と同様に胴部本体の開口の縁によって支持された振動板の部位に押し当てられてもよいし、例えば魂柱によって支持された振動板の部位に押し当てられてもよい。すなわち、本発明の駒の脚部は、少なくとも振動板のうち振動させる必要がない部位に押し当てられればよい。
1…弦楽器、2…胴部、3…弦、4…駒、5…胴部本体、6…振動板、7…開口、8…縁、10…フレーム部、11…フレーム本体、12…脚部、20…振動伝達部、21…弦支持部、22…接触部、24…揺動部、25…接続部、26…括れ部、27…第一腕部、28…第二腕部、29…接触面、30…振動伝達本体部、31…接触体

Claims (7)

  1. 弦の振動を胴部の振動板に伝達する弦楽器用の駒であって、
    フレーム本体、及び、複数の脚部を含むフレーム部と、
    前記複数の脚部の間において前記フレーム本体に接続され、前記弦の振動を前記振動板に伝達する振動伝達部と、を備え、
    前記振動伝達部には、前記弦を支持する弦支持部と、前記振動板に接触する接触部とが設けられている弦楽器用の駒。
  2. 前記振動伝達部が、前記弦支持部における振動方向と前記接触部における振動方向とを異ならせる機能を有する請求項1に記載の弦楽器用の駒。
  3. 前記振動伝達部が、
    前記弦支持部を含むと共に前記接触部に接続される揺動部と、
    前記揺動部からフレーム本体まで延び、弾性的に変形可能な接続部と、を備え、
    前記揺動部のうち前記弦支持部と前記接触部に対する接続部分とは、前記弦と前記振動板とが並ぶ方向に直交する方向に互いにずれて位置している請求項2に記載の弦楽器用の駒。
  4. 複数の前記振動伝達部が、互いに間隔をあけた位置において前記フレーム部に対して振動可能に接続されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の弦楽器用の駒。
  5. 各振動伝達部が、前記弦支持部を含む振動伝達本体部を備え、
    各振動伝達部の前記接触部が、前記振動伝達本体部に対して着脱可能とされ、
    複数の前記振動伝達部の前記接触部は、一体に形成されている請求項4に記載の弦楽器用の駒。
  6. 前記胴部と、前記弦と、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の弦楽器用の駒と、を備える弦楽器。
  7. 前記胴部は、筒状に形成された胴部本体の一方の開口を前記振動板により塞ぐことで構成され、
    前記複数の脚部が、前記胴部本体の開口の縁によって支持された前記振動板の部位に押し当てられている請求項6に記載の弦楽器。
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