JP2018151543A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない工程数で画素電極での反射を抑制することのでき、かつ、画素電極の縁に発生する段差を低くすることができる液晶装置、および電子機器を提供すること。【解決手段】液晶装置100は、複数の画素電極9および第1配向膜16が設けられた第1基板10と、共通電極21および第2配向膜25が設けられた第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に設けられた液晶層50とを有している。第1配向膜16および第2配向膜26は、第1柱状無機構造物510からなる第1構造物層51と、第1構造物層51に対して液晶層50側に積層されて液晶層50と接する第2構造物層52とを備えている。第2構造物層52は、イオンアシスト法により形成された斜方蒸着膜からなる。このため、第2構造物層52の単位体積内における表面積は、第1構造物層51の単位体積内における表面積より狭いので、無機配向膜と液晶層50との接触面積が狭い。【選択図】図4
Description
本発明は、基板に無機配向膜を形成した液晶装置、および当該液晶装置を備えた電子機器に関するものである。
液晶装置は、一方面側に複数の画素電極および配向膜が設けられた第1基板と、第1基板に対向する一方面側に共通電極および第2配向膜が設けられた第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられた液晶層とを有しており、プロジェクター等の投射型表示装置の光変調手段(ライトバルブ)として多用されている。液晶装置において、第1配向膜および第2配向膜の耐熱性を向上するために、シリコン酸化物等の無機材料を斜方蒸着等により形成することが提案されており、この場合、配向膜は、基板面に対する法線方向から斜めに傾いた柱状無機構造物(カラム)からなる構造物層として形成される。
一方、無機配向膜を形成するにあたって、第1斜方蒸着膜の表面に、第1斜方蒸着膜より密の第2斜方蒸着膜を形成することによって、無機配向膜の表面での異分子の吸着を抑制しつつ、無機配向膜全体の屈折率を単層構造の場合と同等とすることが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、無機配向膜をシリコン酸化膜によって構成した場合、Si原子の未結合手(ダングリングボンド)や、Si原子同士が結合したダイマー構造(Si−Si結合)が存在し、かかるSi原子の未結合手は、液晶中や雰囲気中の水分等との反応によって、シラノール基(−Si−OH)により終端されやすい。かかるシラノール基は、反応性が高いため、強い光が照射されると、シラノール基と液晶材料との間で光化学反応が発生しやすい。このような光化学反応が繰り返されると、無機配向膜による液晶分子の配向規制力が低下し、液晶装置の表示性能が除々に低下する。かかる問題については、特許文献1に記載の構成のように、第1斜方蒸着膜の表面に、第1斜方蒸着膜より密の第2斜方蒸着膜を形成しただけでは解消することが困難である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、無機配向膜と液晶層との反応を抑制することのできる液晶装置、および電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る液晶装置は、一方面側に複数の画素電極および第1配向膜が設けられた第1基板と、前記第1基板に対向する一方面側に共通電極および第2配向膜が設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を有し、前記第1配向膜および前記第2配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、第1柱状無機構造物からなる第1構造物層と、前記第1層に対して前記液晶層側に積層されて前記液晶層と接し、前記第1基板の基板面に対する法線方向から斜めに傾いた第2柱状無機構造物からなる第2構造物層と、を備え、前記第2構造物層の単位体積内における表面積が、前記第1構造物層の単位体積内における表面積より狭いことを特徴とする。
本発明では、第1配向膜および第2配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、第1柱状無機構造物からなる第1構造物層と、前記第1構造物層に対して液晶層側に積層された第2構造物層とを有しており、第2構造物層が液晶層と接している。ここで、第2構造物層の単位体積内における表面積が、第1構造物層の単位体積内における表面積より狭いため、第1構造物層単独で無機配向膜を形成した場合より、無機配向膜と液晶層との接触面積が狭い。このため、本発明によれば、無機配向膜と液晶層との光化学反応が発生しにくい。また、無機配向膜では、第2構造物層に対して液晶層とは反対側に第1構造物層が設けられているため、第1構造物層は、第2構造物層の下地として機能する。従って、第2構造物層に膜欠損が発生しにくい。このため、第1配向膜および第2配向膜が対称性をもって形成される。それ故、極性反転駆動を行った際の電位ずれを低減することができるので、フリッカー等の発生を抑制することができる。
本発明において、前記第2柱状無機構造物は、前記第1柱状無機構造物より太い態様を採用することができる。かかる態様によれば、無機配向膜と液晶層との接触面積が狭い。このため、無機配向膜と液晶層との光化学反応が発生しにくい。
本発明において、第2柱状無機構造物は、前記液晶層側の端部が半球状になっている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第2柱状無機構造物の液晶層側の端部が角ばっている場合と比較して、無機配向膜と液晶層との接触面積が狭い。このため、無機配向膜と液晶層との光化学反応が発生しにくい。
本発明において、前記第2構造物層は、前記第1構造物層より、単位体積内における表面粗さが小さい態様を採用することができる。かかる態様によれば、無機配向膜と液晶層との接触面積が狭い。このため、無機配向膜と液晶層との光化学反応が発生しにくい。
本発明において、前記液晶層側からみたとき、前記第2柱状無機構造物間の隙間が前記第1柱状無機構造物間の隙間より狭い態様を採用することができる。かかる態様によれば、無機配向膜と液晶層との接触面積が狭い。このため、無機配向膜と液晶層との光化学反応が発生しにくい。本発明において、前記第2構造物層では、前記第2柱状無機構造物間の隙間が占める割合が3%未満である態様を採用することができる。
本発明において、前記第2構造物層の密度は、前記第1構造物層の密度の1.21倍から1.39倍である態様を採用することができる。
本発明において、前記第2構造物層は、前記第1構造物層より厚い態様を採用することができる。第1構造物層は、第2構造物層の下地として機能するので、第1構造物層については薄くし、第2構造物層については、適正な厚さにして液晶層の配向等に適した構造とした場合でも、無機配向膜全体としての厚さが過度に厚くならない。それ故、画素電極と共通電極との間に印加される電圧によって液晶層を適正に駆動することができる。
本発明において、前記第1柱状無機構造物は、前記第2柱状無機構造物より前記法線方向からの傾き角が小さい態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1構造物層は、第2構造物層の下地として効果的に機能する。
本発明において、前記第2構造物層のグレインサイズが5nmから70nmである態様を採用することができる。
本発明において、前記第1配向膜および前記第2配向膜の双方が前記第1構造物層と前記第2構造物層とを備えている態様を採用することができる。
本発明において、前記第2構造物層の前記液晶層側の面に有機シラン化合物層が積層されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、無機配向膜と液晶層との光化学反応が発生しにくい。
本発明を適用した液晶装置は、直視型表示装置や投射型表示装置等の各種電子機器に用いることができる。電子機器が投射型表示装置である場合、投射型表示装置は、前記液晶装置に供給される光を出射する光源部と、前記液晶装置によって変調された光を投射する投射光学系と、を有している。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、第1基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは第1基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板および電気光学層が位置する側)を意味し、下層側とは第1基板の基板本体が位置する側を意味する。第2基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは対向基板の基板本体が位置する側とは反対側(第1基板および電気光学層が位置する側)を意味し、下層側とは第2基板の基板本体が位置する側を意味する。
[実施形態1]
(液晶装置100の全体構成)
図1および図2に示す液晶装置100は液晶パネル100pを有している。液晶装置100では、第1基板10(素子基板)と第2基板20(対向基板)とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は第2基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、第1基板10と第2基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、液晶層等からなる液晶層50が設けられている。シール材107には、液晶注入口として利用される途切れ部分107cが形成されており、かかる途切れ部分107cは、液晶材料の注入後、封止材108によって塞がれている。なお、液晶材料を滴下法で封入する場合は、途切れ部分107cは形成されない。
(液晶装置100の全体構成)
図1および図2に示す液晶装置100は液晶パネル100pを有している。液晶装置100では、第1基板10(素子基板)と第2基板20(対向基板)とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は第2基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、第1基板10と第2基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、液晶層等からなる液晶層50が設けられている。シール材107には、液晶注入口として利用される途切れ部分107cが形成されており、かかる途切れ部分107cは、液晶材料の注入後、封止材108によって塞がれている。なお、液晶材料を滴下法で封入する場合は、途切れ部分107cは形成されない。
液晶パネル100pにおいて、第1基板10および第2基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
第1基板10において、外周領域10c(表示領域10aより外周側の四角枠状領域)のうち、第1基板10が第2基板20から張り出している側では、第1基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。端子102は、シール材107より外周側に設けられている。端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、第1基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。本実施形態において、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104は一部がシール材107と平面視で重なっている。
第1基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wを有しており、第1基板10(基板本体10w)の一方面10sおよび他方面10tのうち、第2基板20と対向する一方面10sの側には、表示領域10aに複数の画素スイッチング素子、および複数の画素スイッチング素子の各々に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されている。画素電極9aの上層側には第1配向膜16が形成されている。また、第1基板10の一方面10sの側において、表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域には、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。
第2基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20wを有しており、第2基板20(基板本体20w)の一方面20sおよび他方面20tのうち、第1基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、第2基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って包含した領域として形成されている。本実施形態において、共通電極21は、第2基板20の略全面に形成されている。
第2基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側に遮光層29が形成され、共通電極21の液晶層50側の表面には第2配向膜26が積層されている。また、遮光層29と共通電極21との間には透光性の平坦化膜22が形成されている。遮光層29は、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されている。遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに重なるブラックマトリクス部(図示せず)を含んで形成されてもよい。額縁部分29aはダミー画素電極9bと平面的に重なる位置に形成されている。
第1配向膜16および第2配向膜26は、後述するように、シリコン酸化膜(SiOX(x≦2))、チタン酸化膜(TiO2)、マグネシウム酸化膜(MgO)、アルミニウム酸化膜(Al2O3等)の蒸着膜からなる無機配向膜であり、カラムと称せられる柱状無機構造物からなる。本形態において、第1配向膜16および第2配向膜26は、少なくとも液晶層50と接する面側に位置する柱状無機構造物が、第1基板10および第2基板20に対する法線方向から斜めに傾いている。従って、第1配向膜16および第2配向膜26は、液晶層50に用いた負の誘電異方性を備えたネマチック液晶分子を第1基板10および第2基板20に対して斜め傾斜配向させ、液晶分子にプレチルトを付している。このようにして、液晶装置100は、ノーマリブラックのVAモードの液晶装置として構成されている。
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、第2基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極部24tが形成されており、第1基板10の一方面10sの側には、第2基板20の4つの角部分(基板間導通用電極部24t)と対向する位置に基板間導通用電極部6tが形成されている。基板間導通用電極部6tは、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通しており、定電位配線6sは、端子102のうち、共通電位印加用の端子102aに導通している。基板間導通用電極部6tと基板間導通用電極部24tとの間には、導電粒子を含んだ基板間導通材109が配置されており、第2基板20の共通電極21は、基板間導通用電極部6t、基板間導通材109および基板間導通用電極部24tを介して、第1基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、第1基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。
本実施形態の液晶装置100は透過型液晶装置である。従って、画素電極9aおよび共通電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成されている。かかる液晶装置100(透過型液晶装置)では、第2基板20の側から入射した光Lが第1基板10から出射される間に変調されて画像を表示する。なお、共通電極21を透光性導電膜により形成し、画素電極9aを反射性電極とすれば、液晶装置100は反射型液晶装置として構成される。かかる液晶装置100(反射型液晶装置)では、第2基板20の側から入射した光が第1基板10の画素電極9aで反射して再び、第2基板20の側から出射される間に変調されて画像を表示する。
液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、第1基板10あるいは第2基板20には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、例えば、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
(画素100aの具体的構成)
図3は、図1に示す液晶装置100の画素100aの具体的構成例を模式的に示す断面図である。図3に示すように、第1基板10の一方面10s側には、導電性ポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の走査線3aが形成されている。本実施形態において、走査線3aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなる。走査線3aの上層側には、透光性の絶縁膜11が形成されており、かかる絶縁膜11の表面側に、半導体層30aを備えた画素スイッチング素子30が形成されている。本実施形態において、絶縁膜11はシリコン酸化膜等からなる。
図3は、図1に示す液晶装置100の画素100aの具体的構成例を模式的に示す断面図である。図3に示すように、第1基板10の一方面10s側には、導電性ポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の走査線3aが形成されている。本実施形態において、走査線3aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなる。走査線3aの上層側には、透光性の絶縁膜11が形成されており、かかる絶縁膜11の表面側に、半導体層30aを備えた画素スイッチング素子30が形成されている。本実施形態において、絶縁膜11はシリコン酸化膜等からなる。
画素スイッチング素子30は、半導体層30aと、半導体層30aと交差するゲート電極30gとを備えており、半導体層30aとゲート電極30gとの間に透光性のゲート絶縁層30bを有している。半導体層30aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層30bは、半導体層30aを熱酸化したシリコン酸化膜からなるゲート絶縁層と減圧CVD法等により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層との2層構造からなる。ゲート電極30gは、ゲート絶縁層30bおよび絶縁膜11を貫通するコンタクトホール(図示せず)を介して電気的に接続されている。
ゲート電極30gの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜12、13、14が順に形成されており、層間絶縁膜12、13、14の間等を利用して、保持容量(図示せず)が構成されている。層間絶縁膜12と層間絶縁膜13との間には、データ線6aおよびドレイン電極6bが形成されており、層間絶縁膜13と層間絶縁膜14との間に中継電極7aが形成されている。データ線6aは、層間絶縁膜12およびゲート絶縁層30bを貫通するコンタクトホール12aを介して半導体層30aのソース領域に電気的に接続している。ドレイン電極6bは、層間絶縁膜12およびゲート絶縁層30bを貫通するコンタクトホール12bを介して半導体層30aのドレイン領域に電気的に接続している。中継電極7aは、層間絶縁膜13を貫通するコンタクトホール13aを介してドレイン電極6bに電気的に接続している。層間絶縁膜14は、表面が平坦面になっており、層間絶縁膜14の表面側(液晶層50の側の面側)には画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホール14aを介して中継電極7aに導通している。従って、画素電極9aは、中継電極7aおよびドレイン電極6bを介して画素スイッチング素子30のドレイン領域に電気的に接続している。
(第1配向膜16および第2配向膜26の構成)
図4は、図1に示す液晶装置100の第1配向膜16および第2配向膜26を拡大して示す説明図である。図5は、図4に示す第1構造物層51の断面を拡大して示す説明図である。図6は、図5に示す第1構造物層51の表面を拡大して示す電子顕微鏡写真である。図7は、図4に示す第2構造物層52の断面を拡大して示す説明図である。図8は、図5に示す第2構造物層52の表面を拡大して示す電子顕微鏡写真である。
図4は、図1に示す液晶装置100の第1配向膜16および第2配向膜26を拡大して示す説明図である。図5は、図4に示す第1構造物層51の断面を拡大して示す説明図である。図6は、図5に示す第1構造物層51の表面を拡大して示す電子顕微鏡写真である。図7は、図4に示す第2構造物層52の断面を拡大して示す説明図である。図8は、図5に示す第2構造物層52の表面を拡大して示す電子顕微鏡写真である。
図4に示すように、第1配向膜16は多層構造を有しており、本実施形態において、第1配向膜16は、第1層161と、第1層161に対して液晶層50側に積層された第2層162とを有する2層構造を備えている。第2配向膜26も、第1配向膜16と同様、多層構造を有しており、本実施形態において、第2配向膜26は、第1層261と、第1層261に対して液晶層50側に積層された第2層262とを有する2層構造を備えている。
第1層161、261は各々、無機材料を蒸着した複数の第1柱状無機構造物510(第1カラム)を備えた第1構造物層51からなる。第2層162、262は各々、無機材料を蒸着した複数の第2柱状無機構造物520(第2カラム)を備えた第2構造物層52からなる。第1構造物層51は、第1柱状無機構造物510が第1基板10の基板面10sに対する法線方向を向いた構造、あるいが法線方向に対して斜めに傾いた構造を有している。第2構造物層52は、斜方蒸着により形成されていることから、第2柱状無機構造物520は、第1基板10の基板面10sに対する法線方向から斜めに傾いた構造を有している。
蒸着法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマアシスト法、イオンアシスト法、分子線蒸着法等により行うことができ、本実施形態では、後述するように、第1構造物層51については通常の真空蒸着法により形成し、第2構造物層52については、イオンアシスト法を利用した蒸着法により形成する。通常の真空蒸着法においては蒸着分子の持つエネルギーが小さいため、基板上へは堆積のみで再配列による緻密化は得られにくい。これに対して、イオンアシスト法では、イオン銃を成膜装置のチャンバー内に設けておき、成膜中にイオン銃からイオンを照射し、分子となってゆっくり浮遊している材料を加速させて、基板(第1基板10および第2基板20)に叩きつける。このため、基板の加熱温度が低くても密着力を確保できるとともに、膜を構成する分子の密度をより詰まったものとすることができる。それ故、イオンアシスト法によれば、膜表面の均質化や、厚み方向の緻密化を実現することができる。また、イオンアシスト法では、蒸着時の開始圧力、蒸着時の圧力、加速電圧、加速電流、アシストガス(イオン化ガス)の流量および混合比等の蒸着条件を種々変えることによって、形成される蒸着膜の形状や物性を制御することができる。
本実施形態では、まず、第1配向膜16の第1層161(第1構造物層51)を、通常の蒸着法によって形成した後、第1配向膜16の第2層162(第2構造物層52)をイオンアシスト法により形成し、その後、熱処理を行って第1配向膜16を形成する。また、第2配向膜26の第1層261(第1構造物層51)を、通常の蒸着法によって形成した後、第2配向膜26の第2層262(第2構造物層52)をイオンアシスト法により形成し、その後、熱処理を行って第2配向膜26を形成する。
イオンアシスト法による成膜条件は、例えば、以下の通りである。但し、以下の条件は、あくまで一例であって、本発明を実施するにあたって、加速電流比、蒸着温度、熱処理温度、加熱や熱処理の有無等、下記の条件に限定されない。
蒸着源:SiO2
アシストガス:O2
ニュートラライザーガス:Ar
イオン加速電圧:1000V
イオン加速電流:1000mA
ニュートラライザー電流:1500mA
蒸着開始圧力:5.0E−4Pa
蒸着圧力:1.0E−2Pa
蒸着仰角(蒸着角度):45°
蒸着温度:200℃
蒸着膜厚:75nm
熱処理温度:250℃
加速電圧に対する加速電流比:1倍
蒸着源:SiO2
アシストガス:O2
ニュートラライザーガス:Ar
イオン加速電圧:1000V
イオン加速電流:1000mA
ニュートラライザー電流:1500mA
蒸着開始圧力:5.0E−4Pa
蒸着圧力:1.0E−2Pa
蒸着仰角(蒸着角度):45°
蒸着温度:200℃
蒸着膜厚:75nm
熱処理温度:250℃
加速電圧に対する加速電流比:1倍
第1構造物層51の構成は、図5および図6に示す通りであり、液晶層50側からみたとき、第1柱状無機構造物510の各間に大きな隙間が空いている。従って、第1構造物層51の密度は2.1g/cm3未満である。また、第1柱状無機構造物510の先端部(液晶層50側の端部)は角ばっている。なお、図6に示すように、第1構造物層51には欠陥511が存在する。
第2構造物層52の構成は、図7および図8に示す通りであり、液晶層50側からみたとき、第2柱状無機構造物520の各間には狭い隙間しか存在しない。例えば、第2構造物層52では、第2柱状無機構造物520間の隙間が占める割合が3%未満であり、かかる条件を満たせば、第2構造物層52の密度を十分高くできるとともに、第2構造物層52の単位体積内における表面積を十分狭くすることができる。また、第2柱状無機構造物520は、第1柱状無機構造物510より太い。従って、第2構造物層52の密度は、2.1g/cm3以上であり、第2構造物層52の密度は、第1構造物層51の密度より高い。例えば、第1構造物層51の密度は、1.8g/cm3から1.9g/cm3であるのに対して、第2構造物層52の密度は、2.3g/cm3から2.5g/cm3である。従って、第2構造物層52の密度は、第1構造物層51の密度の1.21倍から1.39倍である。また、第2柱状無機構造物520の先端部(液晶層50側の端部)は半球状になっている。このため、第2構造物層52の単位体積内における表面積は、第1構造物層51の単位体積内における表面積より狭い。また、第2構造物層52は、第1構造物層51より、単位体積内における表面粗さが小さい。また、第2構造物層52のグレインサイズが5nmから70nmである。なお、第2構造物層52では、第1構造物層51が下地として形成されるため、図6に示すような欠陥が発生しにくい。
このように、本実施形態では、第2構造物層52の密度は、第1構造物層51の密度より高く、第2柱状無機構造物520の先端部(液晶層50側の端部)は半球状になっている。このため、第2構造物層52の単位体積内における表面積は、第1構造物層51の単位体積内における表面積より狭い。このため、無機配向膜と液晶層50との接触面積が狭い。従って、無機配向膜の表面のシラノール基と液晶層50との光化学反応が発生しにくい。それ故、液晶装置100の信頼性を向上することができる。
また、無機配向膜では、第2構造物層52に対して液晶層50とは反対側に第1構造物層51が設けられており、第1構造物層51は、第2構造物層52の下地として機能する。従って、第2構造物層52に膜欠損が発生しにくい。このため、第1配向膜16および第2配向膜26が対称性をもって形成される。従って、極性反転駆動を行った際の電位ずれを低減することができるので、フリッカー等の発生を抑制することができる。
(評価結果1)
第1配向膜16および第2配向膜26の第1構造物層51および第2構造物層52の構成を種々変えた場合の評価結果を説明する。まず、第1構造物層51および第2構造物層52を形成した際の測定結果を表1に示す。
第1配向膜16および第2配向膜26の第1構造物層51および第2構造物層52の構成を種々変えた場合の評価結果を説明する。まず、第1構造物層51および第2構造物層52を形成した際の測定結果を表1に示す。
20nmの第1構造物層51を形成した結果、第1構造物層51の膜密度、隙間が占める割合、および単位平面積(1μm×1μm)内における表面粗さRaは各々、1.9g/cm3、3.6%、4.3nmである。
これに対して、50nmの第2構造物層52を形成した結果、第2構造物層52の膜密度、隙間が占める割合、および単位平面積(1μm×1μm)内における表面粗さRaは各々、2.3g/cm3、0.8%、1.1nmである。
従って、第1構造物層51に第2構造物層52を積層すると、無機配向膜と液晶層50との接触面積が狭くなる。それ故、無機配向膜の表面のシラノール基と液晶層50との光化学反応が発生しにくいので、液晶装置100の信頼性を向上することができる。
(評価結果2)
次に、以下の無機配向膜を用いて液晶装置100を製造した場合の電気的特性および信頼性を評価した結果を表2に示す。表2には、評価結果が悪いものに「×」を付し、良いものに「○」を付し、中間のものに「△」を付してある。
試料1:70nmの第2構造物層52単独
試料2:10nmの第1構造物層51と60nmの第2構造物層52との積層構造
試料3:20nmの第1構造物層51と50nmの第2構造物層52との積層構造
試料4:30nmの第1構造物層51と40nmの第2構造物層52との積層構造
試料5:40nmの第1構造物層51と30nmの第2構造物層52との積層構造
次に、以下の無機配向膜を用いて液晶装置100を製造した場合の電気的特性および信頼性を評価した結果を表2に示す。表2には、評価結果が悪いものに「×」を付し、良いものに「○」を付し、中間のものに「△」を付してある。
試料1:70nmの第2構造物層52単独
試料2:10nmの第1構造物層51と60nmの第2構造物層52との積層構造
試料3:20nmの第1構造物層51と50nmの第2構造物層52との積層構造
試料4:30nmの第1構造物層51と40nmの第2構造物層52との積層構造
試料5:40nmの第1構造物層51と30nmの第2構造物層52との積層構造
なお、イオン密度(Ion Density)および保持率(Voltage Holding Ratio)は、表示不良を引き起こす要因を評価する項目であり、液晶装置100に三角波を印加し、その電流応答波形を測定した、液晶装置100に反転分極電流が発生するとき、反転分極電流の波形のピークを積分することで、試料の自発分極(イオン密度)を測定することができる。保持率(電圧保持率)とは、画素スイッチング素子に液晶容量及び保持容量が並列に接続された画素を行列状に配列したアクティブマトリクス回路において、保持容量に充電された電荷の1フレームにおける保持率である。電圧保持率が低下すると液晶層50に所定の電圧がかからなくなり、駆動電圧の上昇、消費電力の増加、コントラストの低下、信頼性の低下、表示ムラの発生、変色の発生の原因になる。また、信頼性は、短波長光(青色光)を長期間照射した際の輝度低下を測定した。
表2に示す結果のうち、試料4と試料5の結果等から、第2構造物層52は、第1構造物層51より厚いことが好ましいといえる。また、第2構造物層52が第1構造物層51より厚い場合でも、第1構造物層51については20nm以上が好ましいといえる。
(評価結果3)
次に、第2構造物層52については、第2柱状無機構造物520が第1基板10の基板面になす角度を45°とし、第1構造物層51については、厚さを20nmにして、第1柱状無機構造物510が第1基板10の基板面になす角度(傾斜角度)を0°、20°、40°、60°に変化させた場合の膜密度、電気的特性(イオン密度および電圧保持率)、および信頼性を評価した。その結果を表3に示す。
次に、第2構造物層52については、第2柱状無機構造物520が第1基板10の基板面になす角度を45°とし、第1構造物層51については、厚さを20nmにして、第1柱状無機構造物510が第1基板10の基板面になす角度(傾斜角度)を0°、20°、40°、60°に変化させた場合の膜密度、電気的特性(イオン密度および電圧保持率)、および信頼性を評価した。その結果を表3に示す。
表3に示す結果から分かるように、第1構造物層51については傾斜角度を60°にすると、膜密度が1.8g/cm3まで低下し、下地としての機能が低下する。このため、第1構造物層51については傾斜角度を60°未満、例えば、45°以下にして、第1構造物層51の膜密度を1.8g/cm3とすることが好ましい。
(他の実施形態1の評価結果)
上記実施形態では、無機配向膜が第1構造物層51と第2構造物層52の2層構造であったが、表4に示すように、第1構造物層51と第2構造物層52との間に第3構造物層および第4構造物層を積層した構成を採用してもよい。ここで、第3構造物層および第4構造物層はいずれも、上記実施形態で説明した第2構造物層52と同様、イオンアシスト法を用いて斜方蒸着した層であり、その際の加速電圧を500V、750Vに変えた層である。表4から分かるように、本実施形態でも、膜密度、電気的特性(イオン密度および電圧保持率)、および信頼性を評価したが、電気的特性および信頼性は良好な結果であった。
上記実施形態では、無機配向膜が第1構造物層51と第2構造物層52の2層構造であったが、表4に示すように、第1構造物層51と第2構造物層52との間に第3構造物層および第4構造物層を積層した構成を採用してもよい。ここで、第3構造物層および第4構造物層はいずれも、上記実施形態で説明した第2構造物層52と同様、イオンアシスト法を用いて斜方蒸着した層であり、その際の加速電圧を500V、750Vに変えた層である。表4から分かるように、本実施形態でも、膜密度、電気的特性(イオン密度および電圧保持率)、および信頼性を評価したが、電気的特性および信頼性は良好な結果であった。
[実施形態2]
図9は、本形態の実施の形態2に係る液晶装置100の第1配向膜16および第2配向膜26を拡大して示す説明図である。図10は、図9に示す有機シラン化合物層の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図9は、本形態の実施の形態2に係る液晶装置100の第1配向膜16および第2配向膜26を拡大して示す説明図である。図10は、図9に示す有機シラン化合物層の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態でも、実施形態1と同様、第1配向膜16および第2配向膜26は、第1構造物層51に対して液晶層50の側に第2構造物層52が積層されている。第2構造物層52は、シリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本実施形態では、第2構造物層52の液晶層50側の面に有機シラン化合物層55が積層されている。このため、第2構造物層52を形成した効果に加えて、さらに無機配向膜の表面のシラノール基と液晶層50との光化学反応が発生しにくいので、液晶装置100の信頼性を向上することができる。
より具体的には、配向膜16、26の表面では、図10の上段に示すように、Si原子の未結合手(ダングリングボンド)や、Si原子同士が結合したダイマー構造(Si−Si結合)が存在し、かかるSi原子の未結合手は、液晶中や雰囲気中の水分等との反応によって、シラノール基(−Si−OH)により終端されやすい。ここで、シラノール基は、反応性が高い。しかる本実施の形態では、図10の下段に示すように、第1配向膜16および第2配向膜26の表面を有機シロキサン(デシルトリメトキシシラン)等のシランカップリング剤により水酸基(−OH)部分に有機シラン化合物層55を結合させてある。従って、無機配向膜の表面のシラノール基と液晶層50との光化学反応を効果的に抑制することができる。
シランカップリング剤は、加水分解によってシラノール(Si−OH)を生成した後、シラノール同士が徐々に縮合してシロキサン結合(Si−O−Si)を生成し、有機シラン化合物層55を形成する。また、シランカップリング剤は、無機酸化物表面とも類似のメカニズムで反応し、無機酸化物表面と強固な共有結合を生成する。かかるシランカップリング剤としては、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン等を例示することができる。本形態では、シランカップリング剤として、n−デシルトリメトキシシランが用いられており、n−デシルトリメトキシシランは疎水性官能基としてn−デシル基を有している。また、シランカップリング剤は、フッ素原子を有していてもよい。
[他の実施形態]
本発明が適用される液晶装置100はVAモードの液晶装置に限定されない。例えば、液晶装置100がTN(Twisted Nematic)モードやOCB(Optically Compensated Bend)モードの液晶装置である場合に本発明を適用してもよい。
本発明が適用される液晶装置100はVAモードの液晶装置に限定されない。例えば、液晶装置100がTN(Twisted Nematic)モードやOCB(Optically Compensated Bend)モードの液晶装置である場合に本発明を適用してもよい。
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る液晶装置100を用いた電子機器について説明する。ここでは、本発明に係る電子機器として、投射型表示装置(液晶プロジェクター)を例に説明する。図11は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置(電子機器)の説明図である。
上述した実施形態に係る液晶装置100を用いた電子機器について説明する。ここでは、本発明に係る電子機器として、投射型表示装置(液晶プロジェクター)を例に説明する。図11は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置(電子機器)の説明図である。
図11に示す投射型表示装置2100においては、上述した透過型の液晶装置100がライトバルブとして用いられている。投射型表示装置2100には、ハロゲンランプ等の白色光源を有するランプユニット2102(光源部)が設けられている。ランプユニット2102から出射された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3原色に分離される。分離された投射光は、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bに各々導かれる。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124を有するリレーレンズ系2121を介して導かれる。
投射型表示装置2100において、液晶装置100を含む液晶装置がR色、G色、B色の各々に対応して3組設けられている。ライトバルブ100R、100Gおよび100Bの構成は、上述した透過型の液晶装置100と同様である。ライトバルブ100R、100G、100Bによって変調された光は各々、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に反射し、G色の光は透過する。したがって、各原色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ群2114(投射光学系)によってカラー画像が投射される。
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
(他の電子機器)
本発明を適用した液晶装置100を備えた電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置2100に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
本発明を適用した液晶装置100を備えた電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置2100に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
9a…画素電極、10…第1基板、10a…表示領域、16…第1配向膜、20…第2基板、21…共通電極、26…第2配向膜、30…画素スイッチング素子、50…液晶層、51…第1構造物層、510…第1柱状無機構造物、52…第2構造物層、520…第2柱状無機構造物、55…有機シラン化合物層、100…液晶装置、100B,100G,100R…ライトバルブ、2100…投射型表示装置、2102…ランプユニット(光源部)、2114…投射レンズ群(投射レンズ系)。
Claims (13)
- 一方面側に複数の画素電極および第1配向膜が設けられた第1基板と、
前記第1基板に対向する一方面側に共通電極および第2配向膜が設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、
を有し、
前記第1配向膜および前記第2配向膜のうち、少なくとも一方の配向膜は、第1柱状無機構造物からなる第1構造物層と、前記第1構造物層に対して前記液晶層側に積層されて前記液晶層と接し、前記第1基板の基板面に対する法線方向から斜めに傾いた第2柱状無機構造物からなる第2構造物層と、を備え、
前記第2構造物層の単位体積内における表面積が、前記第1構造物層の単位体積内における表面積より狭いことを特徴とする液晶装置。 - 請求項1に記載の液晶装置において、
前記第2柱状無機構造物は、前記第1柱状無機構造物より太いことを特徴とする液晶装置。 - 請求項1または2に記載の液晶装置において、
前記第2柱状無機構造物は、前記液晶層側の端部が半球状になっていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第2構造物層は、前記第1構造物層より、単位平面積内における表面粗さが小さいことを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記液晶層側からみたとき、前記第2柱状無機構造物間の隙間が前記第1柱状無機構造物間の隙間より狭いことを特徴とする液晶装置。 - 請求項4に記載の液晶装置において、
前記第2構造物層では、前記第2柱状無機構造物間の隙間が占める割合が3%未満であることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第2構造物層の密度は、前記第1構造物層の密度の1.21倍から1.39倍であることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から7の何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第2構造物層は、前記第1構造物層より厚いことを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から8までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第1柱状無機構造物は、前記第2柱状無機構造物より前記法線方向からの傾き角が小さいことを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から9までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第2構造物層のグレインサイズが5nmから70nmであることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から10までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第1配向膜および前記第2配向膜の双方が前記第1構造物層と前記第2構造物層とを備えていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から11までの何れか一項に記載の液晶装置において、
前記第2構造物層の前記液晶層側の面に有機シラン化合物層が積層されていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から12までの何れか一項に記載の液晶装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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