JP2018150510A - 樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物の耐衝撃性、成形性改善のために変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合した樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレン等の変性ポリオレフィン系樹脂との接着性の低下の問題を解決する。【解決手段】エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、スチレン単位とグリシジル基を有する重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有する樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性、耐衝撃性、成形性に優れると共に、接着性樹脂層との接着性にも優れ、ガスバリア性積層体のガスバリア層形成用樹脂組成物として好適な樹脂組成物と、この樹脂組成物を用いた積層体に関する。
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(EVOH)は、透明性、ガスバリア性、保香性などに優れていることから、包装材料等として広く用いられる。さらに、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物は帯電防止性、耐油性、耐溶剤性にも優れるため、燃料や農薬等、揮発性物質を含有する溶液用のボトル、タンク、ドラム等の容器や、それらを輸送するホース等の材料としても有用である。
しかしながら、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物はその水酸基の豊富さによって高度なガスバリア性を発揮するが、同時に結晶性が高く、耐衝撃性が低い傾向があり、クラック等が生じ易い欠点がある。
特許文献1には、この問題を解決するものとして、不飽和カルボン酸またはその誘導体によりポリエステル系熱可塑性エラストマーを変性して得られる変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーをEVOHに配合した熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献2には、EVOHに、ゴム質グラフト重合体とポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体を配合した樹脂組成物が提案されている。この特許文献2では、ゴム質グラフト重合体として、ブタジエンを主成分とするゴム質重合体の存在下に、スチレン及びメチルメタクリレートをグラフト重合して得られるゴム質グラフト重合体を用い、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体として、本発明で用いる変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーに該当するポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとのブロック共重合体を無水マレイン酸変性してなるものを用いており、更に、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体を配合してもよいとの記載がある。
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物等のガスバリア性樹脂は、包装材料等の用途において、通常、基材層/接着性樹脂層/ガスバリア層/接着性樹脂層/基材層といった積層シートのガスバリア層の成形材料として用いられている。従って、ガスバリア性樹脂には、ガスバリア性のみならず、接着性樹脂層との接着性に優れることも重要な要求特性となる。通常、基材層の樹脂としては、機械的強度、成形性等の観点からポリオレフィン系樹脂が使用されており、接着性樹脂層の接着性樹脂としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン等の変性ポリオレフィン系樹脂が使用されていることから、ガスバリア性樹脂には、この変性ポリオレフィン系樹脂等の接着性樹脂との接着性に優れることが要求される。
特開2004−2791号公報 特開2011−208134号公報
特許文献1のように、EVOHに変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合すると、耐衝撃性、成形性は改善されるが、変性ポリオレフィン系樹脂等の接着性樹脂との接着性が大きく損なわれる。
特許文献2のように、ゴム質グラフト重合体と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合しても、この接着性の低下の問題を解決することはできず、これに更に、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体を配合しても、接着性の低下の問題を解決することはできない。
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであって、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物の耐衝撃性、成形性改善のために変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合した樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレン等の変性ポリオレフィン系樹脂との接着性の低下の問題を解決する樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、スチレン単位とグリシジル基を有する、特定の分子量のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を配合することにより、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物に変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合することによる接着性樹脂に対する接着性の低下の問題を解決することができること、また、このエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物をマスターバッチとして配合することで、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を配合することによる外観の低下を抑制することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有する樹脂組成物。
[2] エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)が、下記式(c1)で表されるスチレン単位と、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位とを有する、[1]に記載の樹脂組成物。
Figure 2018150510
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
[3] エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)が、下記式(c1)で表されるスチレン単位と、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位と、下記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位とを含む、[2]に記載の樹脂組成物。
Figure 2018150510
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
[4] エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のスチレン単位の含有量が0.001〜10質量%である、[1]]ないし[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のエポキシ当量が10〜1000g/eq.である、[1]ないし[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の変性率(グラフト量)が0.01〜10質量%で、メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分である、[1]ないし[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有量が20〜60モル%で、ケン化度が90〜100モル%、メルトフローレート(温度210℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分である、[1]ないし[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部中に、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)を40〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)を60〜1質量部含み、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部に対してエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を0.05〜10質量部含む、[1]ないし[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] ガスバリア性樹脂組成物である、[1]ないし[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] [1]ないし[9]のいずれかに記載の樹脂組成物よりなる層を有する積層体。
[11] 前記樹脂組成物よりなるガスバリア層と、該ガスバリア層に隣接するマレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂よりなる接着性樹脂層とを有する、[10]に記載の積層体。
[12] エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)とを含有する樹脂組成物に配合される外観改良用マスターバッチであって、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を、オレフィン系樹脂(D)でマスターバッチ化した外観改良用マスターバッチ。
本発明の樹脂組成物は、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物本来のガスバリア性と、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる耐衝撃性及び成形性とを備える上に、特定の分子量のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を配合したことで、無水マレイン酸変性ポリエチレン等の変性ポリオレフィン系樹脂への接着性にも優れ、包装材料等の用途において、層間接着性に優れた積層体を提供することができる。
また、このエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物をマスターバッチとして用いることで、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を配合することによる外観の低下を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有することを特徴とする。
<メカニズム>
本発明において、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を含有することで、接着性の改善効果が得られるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推定される。
本発明で用いるエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、スチレン単位を有し、このスチレン単位のベンゼン環と、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)のベンゼン環との高い相溶性により、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)がエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)中の変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の粘度を上昇させ、接着界面に変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)が移行することを防止することで、接着界面において、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)本来の良好な接着性を得ることができるようになる。
即ち、本発明で用いるエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、グリシジル基による極性樹脂をつなぐ鎖延長効果だけではなく、スチレン単位のベンゼン環と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)のベンゼン環同士の相溶効果で、分子の絡まりを強固なものとし、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の高粘性化を達成し、これにより、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)による接着阻害を防止する。
これに対して、特許文献2では、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物とゴム質重合体の相溶性を高め、耐衝撃性とガスバリア性をより良好なものとするために、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体を配合しているが、このものは、スチレン単位を有さず、単なる鎖延長効果のみであり、接着界面に移行したこのグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体自体が接着性を阻害する要因となるため、後掲の比較例2のように接着性の低いものとなる。
<エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)>
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(以下「EVOH」と称す場合がある。)は、公知の樹脂であり、非水溶性の熱可塑性樹脂である。EVOH(A)は、通常、ビニルエステル系モノマー(例えば、脂肪酸ビニルエステル)とエチレンを共重合してエチレン−ビニルエステル系共重合体を得、これをケン化して得られるものである。すなわち、エチレン構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、ケン化後に残存する若干量のビニルエステル構造単位を含むものである。上記共重合に際しては、溶液重合法など、公知の重合法が採用されうる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、経済的な点から通常は酢酸ビニルが用いられる。他にも、例えばギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルが用いられる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を用いてもよい。
また、EVOH(A)のエチレン単位の含有量は、エチレンとビニルエステル系モノマーの重合時に決定されるものであり、ケン化の前後で変化するものではない。EVOH(A)は、ISO14663に基づいて測定したエチレン単位(エチレンに由来する構造単位)の含有率は通常20〜60モル%、好ましくは20〜55モル%、特に好ましくは25〜50モル%である。エチレン単位の含有量が低すぎると耐衝撃性や加工性が低下する傾向があり、高すぎるとガスバリア性や耐溶剤性が低くなる傾向がある。
さらに、EVOH(A)のケン化度は滴定法(JIS K6726)(ただし、EVOHは水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて測定)で測定した値で通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは98〜100モル%である。ケン化度が低すぎると酸素バリア性が低下する傾向がある。
EVOH(A)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に従って、温度210℃、荷重2.16kgで測定した値で通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜40g/10分である。MFRが上記範囲であると加工性に優れたものとなる。
なお、本発明では、エチレンと脂肪酸ビニルエステル以外に、EVOH(A)に要求される特性を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、上記単量体としては、下記のものが挙げられる。例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類や、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類や、そのエステル化物である、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、特に、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン等が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分あるいはその塩、ならびに、炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類が挙げられる。また、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、ならびに、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類や、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩ならびにその4級塩等のメタクリルアミド類が挙げられる。また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類や、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、ならびに、酢酸アリル、塩化アリル、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルエチレンカーボネート、グリセリンモノアリルエーテル等が挙げられる。また、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等「後変性」されていても差し支えない。
特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH(A)は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH(A)が好ましい。
本発明で用いられるEVOH(A)には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般にEVOHに配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤などが含有されていてもよい。
上記熱安定剤としては、溶融成形時の熱安定性等の各種物性を向上させる目的で、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)などの塩;または、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸、ホウ酸等の無機α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分、またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛塩などの塩等の添加剤を添加してもよい。これらのうち、特に、酢酸、ホウ酸およびその塩を含むホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩を添加することが好ましい。
酢酸を添加する場合、その添加量は、EVOH(A)100質量部に対して通常0.001〜1質量部、好ましくは0.005〜0.2質量部、特に好ましくは0.010〜0.1質量部である。酢酸の添加量が少なすぎると、酢酸の含有効果が十分に得られない傾向があり、逆に多すぎると均一なフィルムを得ることが難しくなる傾向がある。
また、ホウ素化合物を添加する場合、その添加量は、EVOH(A)100質量部に対してホウ素換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.001〜1質量部であり、好ましくは0.002〜0.2質量部であり、特に好ましくは0.005〜0.1質量部である。ホウ素化合物の添加量が少なすぎると、ホウ素化合物の添加効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。
また、酢酸塩、リン酸塩(リン酸水素塩を含む)の添加量としては、EVOH(A)100質量部に対して金属換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.0005〜0.1質量部、好ましくは0.001〜0.05質量部、特に好ましくは0.002〜0.03質量部である。かかる添加量が少なすぎるとその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。尚、EVOH(A)に2種以上の塩を添加する場合は、その総量が上記の添加量の範囲にあることが好ましい。
EVOH(A)に酢酸、ホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩、アルカリ金属塩を添加する方法については、特に限定されず、i)含水率20〜80質量%のEVOH(A)の多孔性析出物を、添加物の水溶液と接触させて、添加物を含有させてから乾燥する方法;ii)EVOH(A)の均一溶液(水/アルコール溶液等)に添加物を含有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断してペレットとして、さらに乾燥処理をする方法;iii)EVOH(A)と添加物を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法;iv)EVOH(A)の製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の有機α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分で中和して、残存する酢酸等の有機α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分や副生成する塩の量を水洗処理により調整したりする方法等を挙げることができる。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)の方法が好ましい。
上記のEVOH(A)は1種のみを用いてもよく、エチレン単位の含有量やケン化度、その他の物性等の異なるものの2種以上を併用してもよい。
<変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)>
本発明で用いる変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーである。
変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の変性前の芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香族ポリエステルユニットとポリアルキレンエーテルユニットを有するブロック共重合体が好ましく、当該ポリアルキレンエーテルユニットとして好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットである。
ポリアルキレンエーテルユニットを有するブロック共重合体中のポリアルキレンエーテルユニットの含有量の下限値は限定されないが、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。ポリアルキレンエーテルユニットの含有量が上記下限値未満の場合は、EVOH(A)とのブレンドの際に分散性が低下する傾向がある。また、ポリアルキレンエーテルユニットの含有量の上限値は限定されないが、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下である。なお、ポリアルキレンエーテルユニットを有するブロック共重合体中のポリアルキレンエーテルユニットの含有量は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を使用し、その水素原子の化学シフトとその含有量に基づいて算出することができる。
また、ポリアルキレンエーテルユニットの数平均分子量は通常600〜4000であり、さらに好ましくは800〜2500、特に好ましくは900〜2100である。数平均分子量が低すぎる場合、融点が高くなってEVOH(A)とのブレンドの際に分散性が低下する傾向があり、逆に数平均分子量が高すぎる場合、融点が低下してEVOH(A)とのブレンド時にホッパーへの付着等が発生する虞がある。これらのポリアルキレンエーテルユニットは、1種又は数平均分子量が異なる2種以上を使用することができる。ここでポリアルキレンエーテルユニットの数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたものを言う。
なお、上記の芳香族ポリエステルユニットとポリアルキレンエーテルユニットを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体は、炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、芳香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステル、及び数平均分子量が通常600〜4000のポリアルキレンエーテルとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させて得ることができる。
炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、ポリエステルの原料として通常用いられるものが使用できる。例えば、アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。脂環族ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジオールは、1種又は2種以上の混合物を使用することができる。中でも炭素数2〜12の脂肪族ジオールが好ましく、特には1,4−ブタンジオールが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料として一般的に用いられているものが使用でき、例えばテレフタル酸及びその低級(例えば炭素数4以下)アルキルエステルやイソフタル酸、フタル酸、2,5−ノルボナンジカルボン酸、1,4−ナフタル酸、1,5−ナフタル酸、4,4−オキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びそれらの低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、特にテレフタル酸が好適である。また、これらの芳香族ジカルボン酸を単独で、もしくは2種以上併用してもよい。
すなわち、芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体として好ましくは、テレフタル酸と炭素数2〜12の脂肪族ジオールを含むポリエステルユニットと、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットを有するブロック共重合体である。
なお、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体には、上記成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸及び/又はそのエステルの1種又は2種以上を少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸やそのジアルキルエステルをも共重合成分として導入してもよい。
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体の融点は限定されないが、通常125℃以上であり、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上である。ポリエステルポリエーテルブロック共重合体の融点が上記下限値未満であると、得られる樹脂組成物の耐熱性が低下する傾向がある。なお、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体の融点の上限は限定されないが、通常300℃以下、好ましくは260℃以下である。ここで、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体の融点の測定方法は、示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/分で昇温させた時の融解ピークの温度である。
上記のポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、「ポリエスター」(日本合成化学工業社製)、「プリマロイ」(三菱ケミカル社製)、「ペルプレン」(東洋紡績社製)、「ハイトレル」(デュポン社製)などの市販品を挙げることができる。
上記の芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーの変性に用いるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラス酸、テトラヒドロフタル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等を挙げることができる。また、その誘導体としては、酸無水物、エステル、酸ハロゲン化物、アミド、イミドなどが挙げられる。これらの誘導体としては、酸無水物が好ましい。例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、好ましくは酸無水物であり、特に好ましくは無水マレイン酸である。これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体は、1種を単独で用いる場合に限らず、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーのグラフト変性方法は限定されず、熱のみの反応でも得ることができるが、反応の際にラジカル発生剤を添加してもよい。また、反応させる手法としては、溶媒中で反応させる溶液変性法や溶媒を使用しない溶融変性法のほか、懸濁分散反応法などの方法を用いてもよい。中でも、溶融変性法が好ましい。
溶融変性法としては、芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(以下「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分」と称す場合がある。)、及び必要により後述するラジカル発生剤を予め混合した上、混練機中で溶融混練させて反応させる方法や、混練機中で溶融した、芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーに、溶剤等に溶解したα,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分とラジカル発生剤との混合物を装入口から添加して反応させる方法等を用いることができる。混合には通常、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等が使用され、溶融混練には通常、単軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーミキサー等を使用することができる。溶融混練の温度は、芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーが熱劣化しない温度範囲で適宜設定すればよい。
変性に用いるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分の使用量は、芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、通常0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上であり、通常30質量部以下、好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分の使用量が少な過ぎる場合は、十分な変性が行えず官能基が少なすぎるためにEVOH(A)とのブレンドの際に分散性が低下する傾向があり、使用量が多過ぎる場合は、グラフト反応しなかった化合物が残留することにより、外観不良等を生じる傾向がある。
ラジカル発生剤は限定されないが、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルオキシ)ヘキサン、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素などの有機及び無機の過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物;ジクミル等の炭素ラジカル発生剤などが挙げられる。
上記のラジカル発生剤は、グラフト変性反応に供する芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーの種類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分の種類及び変性条件に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル発生剤の使用量は、芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー100質量部に対し、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上で、通常3質量部以下、好ましくは0.5質量部以下、更に好ましくは0.2質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以下である。ラジカル発生剤の使用量が少な過ぎる場合は変性が充分に起こらない傾向にあり、多過ぎる場合は芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーの低分子量化(粘度低下)が大きく、材料強度が低下する傾向にある。
変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の変性率(グラフト量)は、通常0.01質量%以上、好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、通常10質量%以下、好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。グラフト量が少な過ぎる場合は、官能基が少なすぎるためにEVOH(A)とのブレンドの際に分散性が低下する傾向があり、多過ぎる場合は、変性の過程における低分子量化のため材料強度が低下する傾向にある。ここで変性率(グラフト量)は、H−NMR測定により得られるスペクトルから求めることができる。
また、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に従って、温度230℃、荷重2.16kgで測定した値で0.1〜100g/10分、特に1〜80g/10分、とりわけ5〜70g/10分であることが好ましい。MFRが上記上限値以上であっても、上記下限値以下であっても成形性が悪くなる。
このような変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)は市販品を用いることもでき、カルボキシル基含有ポリエステルポリエーテルブロック共重合体として、「プリマロイ」(三菱ケミカル社製)が挙げられる。
変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)は、1種のみを用いてもよく、変性前の芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーの組成や物性の異なるものや、変性に用いたα,β−エチレン性不飽和カルボン酸成分や変性率(グラフト量)や物性の異なるものの2種以上を併用してもよい。
<エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)>
本発明で用いるエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物であり、好ましくは、下記式(c1)で表されるスチレン単位と、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位とを有するエポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマーであり、より好ましくは下記式(c1)で表されるスチレン単位、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位、及び下記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位を含むポリマーである。
Figure 2018150510
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
Figure 2018150510
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
前記式(c1)〜(c3)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表すが、R〜Rがアルキル基の場合は炭素数が1〜12、好ましくは1〜6であり、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、メチル基が特に好ましい。
また、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜6であり、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、メチル基が特に好ましい。
なかでも、前記式(c2)中のRがメチル基である場合、並びに前記式(c3)中のRがメチル基である場合、本発明の樹脂組成物は透明性に優れることから、特に好ましい。
エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)の重量平均分子量(Mw)は、250〜9000である。エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のMwが250未満では生産性が低下し、9000を超えると接着性低下の抑制効果が低下する。エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のMwは好ましくは300〜8900であり、より好ましくは400〜8800である。なお、ここで、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のMwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の値である。
上記の重量平均分子量の範囲内において、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)中に含まれる、前記式(c1)で表されるスチレン単位の数x及び前記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位の数yは、それぞれ独立に1〜35であり、yは、透明性の観点から好ましくは2〜30、より好ましくは4〜25である。x+yは、好ましくは10〜70、より好ましくは15〜60である。
また、前記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位を有する場合、前記式(c1)で表されるスチレン単位の数x、前記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位の数y及び前記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位の数zは、それぞれ独立に1〜20であり、yは、透明性の観点から好ましくは2〜20、より好ましくは3〜10である。x+zは、好ましくは10より大きい。
各構成単位は任意の順序で結合でき、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
また、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)中の前記式(c1)で表されるスチレン単位の割合は、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%であることが好ましい。前記式(c1)で表されるスチレン単位が0.001質量%以上であると、ベンゼン環を有することによる前述の効果を十分に得ることができ、10質量%以下であると成形性に影響を与えない。
また、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のエポキシ当量は、10〜1000g/eq.特に50〜700g/eq.であることが好ましい。エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のエポキシ当量が上記上限以下であると、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)による接着性の改善効果を十分に得ることができ、上記下限以上であると成形性に影響が出ない。
エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)としては、市販品を使用することができ、例えば、BASF社製「Joncryl ADR」(商品名)が挙げられる。
エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、1種のみを用いてもよく、構成単位の種類や組成、物性等の異なるものの2種以上を併用してもよい。
<含有割合>
本発明の樹脂組成物は、上記のエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部に対してエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)を40〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)を60〜1質量部含有することがガスバリア性と耐衝撃性及び成形性との両立の面で好ましく、この割合はより好ましくはエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)60〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)40〜1質量部であり、さらに好ましくはエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)70〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)30〜1質量部である。
また、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)による接着性の改善効果を有効に得る上で、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部に対して、0.05〜10質量部含有されることが好ましく、0.08〜8質量部含有されることがより好ましく、0.1〜7質量部含有されることがさらに好ましい。エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)の含有量が少な過ぎると、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を用いることによる接着性の改善効果を十分に得ることができないが、多過ぎても、成形性の面で不安定となり、製品外観、透明性が損なわれる。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物には、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じて、他の熱可塑性樹脂、例えば、後述の外観改良用マスターバッチに含まれるオレフィン系樹脂(D)を含んでもよい。他の熱可塑性樹脂を含む場合、他の熱可塑性樹脂の含有量は樹脂組成物全体に対して通常30質量%未満であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じて、他の配合剤成分を含んでいてもよい。これら配合剤の添加量は樹脂組成物に対して通常20質量%未満である。上記配合剤としては、ゴム成分、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維などのフィラー、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、防菌剤、蛍光増白剤などが挙げられ、任意の配合剤を1種、または2種以上添加することができる。
特に、本発明の効果を増進させ、また溶融安定性等を改善するためにハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)の1種または2種以上を樹脂組成物に対し0.01〜1質量%添加することは好適である。
さらに本発明の効果を増進させ、層間接着性や樹脂組成物の相溶性の改善のためにリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンを有するアルカリ金属塩を含有させることも効果的である。アルカリ金属化合物としては、具体的には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の炭素数2〜7の低級脂肪族カルボン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウムなどの芳香族カルボン酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム等の燐酸塩エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩等の金属錯体等が挙げられ、好ましくは酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の炭素数2〜7の低級脂肪族カルボン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム等の燐酸塩であり、さらに好ましくはステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸塩であり、特に好ましくは炭素数8〜22の高級脂肪族カルボン酸のカリウム塩である。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いてもよい。
かかるアルカリ金属化合物の含有量は、EVOH(A)100質量部に対して金属換算した値(重量基準)にて通常0.0001〜1質量部、好ましくは0.0003〜0.5質量部、より好ましくは0.0005〜0.1質量部、さらに好ましくは0.001〜0.05質量部である。なお、かかるアルカリ金属化合物が前述したようにEVOH(A)に予め含有されている場合、その量を含む総量が上記範囲内であることが好ましい。
<製造方法>
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)及び必要に応じて用いられるその他の成分を混合して本発明の樹脂組成物を製造する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、全ての成分をドライブレンドして溶融混合する方法、予め溶融させたEVOH(A)に他の成分を配合する方法等の、溶融混合法や、EVOH(A)を溶媒に溶解し、かかる溶液に他の成分を配合し、EVOH(A)の貧溶媒を用いて析出させる方法等がある。
中でも、工業生産性がよく均一な混合が可能である点で、溶融混合法が好ましい。溶融混合するに際しては、公知の機械を採用することができる。例えば、ニーダールーダー、単軸又は二軸等の押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの混練装置を使用して行うことができるが、二軸の押出機を用いることが工業上好ましい。
本発明の樹脂組成物は、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)の代りに、後述の本発明の外観改良用マスターバッチを用い、この外観改良用マスターバッチをエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)及び変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、上記の通り溶融混合することにより製造することもできる。
本発明の樹脂組成物は、押出機内で溶融混合後、押し出す際に各種成形物へ成形してもよいし、一旦樹脂組成物ペレットを作製し、別途公知の加工方法で各種成形物を成形してもよい。樹脂組成物の流通や取り扱い性の点から、後者の方法が好ましい。
また、ペレットにする場合、その形は通常球形、円柱形、立方体形、直方体形等が上げられ、円柱形ペレットが好ましく、その直径は通常1〜5mm、長さは通常1〜5mmである。
[積層体]
本発明の樹脂組成物は、単層にて各種成形物に供することができるが、機械的強度の向上等の点から、本発明の樹脂組成物層にEVOH(A)以外の熱可塑性樹脂層を少なくとも1層以上積層した多層積層体として各種成形物に供することが好ましい。
EVOH(A)以外の熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂(以下、「他の熱可塑性樹脂」と称することがある)としては、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、等のポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂(共重合ポリアミドも含む);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;アクリル系樹脂;ポリスチレン;ビニルエステル系樹脂;ポリエステルエラストマー;ポリウレタンエラストマー;塩素化ポリエチレン;塩素化ポリプロピレン;芳香族または脂肪族ポリケトン;さらにこれらを還元して得られるポリアルコール類が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いてもよい。
中でも、本発明の樹脂組成物のガスバリア性の低下を抑制する観点から疎水性樹脂を用いることが好ましく、具体的にはポリオレフィン系樹脂が好ましく、特にはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
本発明の樹脂組成物層および他の熱可塑性樹脂層は、多層構造中にそれぞれ2層以上を有していてもよい。
本発明の樹脂組成物層および他の熱可塑性樹脂層は、さらに本発明の樹脂組成物層と他の熱可塑性樹脂層との間に接着性樹脂層が介在していることが好ましい。
接着性樹脂層としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(上述のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系樹脂を挙げることができる。具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。変性樹脂に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量(変性量)は、通常0.001〜3質量%であり、好ましくは0.01〜1質量%、特に好ましくは0.03〜0.5質量%である。変性樹脂の変性量が少ないと、接着性が不充分となる傾向があり、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなる傾向がある。
これらの接着性樹脂には、EVOH(A)、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、さらには他の熱可塑性樹脂層の樹脂等をブレンドすることも可能であり、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることも可能である。
なお、他の熱可塑性樹脂層や接着性樹脂層には、通常配合される公知の酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、核材、ブロッキング防止剤、ワックス等が含まれていてもよい。
上記多層構造の積層体は、本発明の樹脂組成物層を少なくとも1層含むものであればよく、その構成は特に限定しないが、水分による本発明の樹脂組成物のガスバリア性能の低下を防ぐ目的で、本発明の樹脂組成物層が中間層であることが好ましい。
多層積層体の積層体の層構成は、樹脂組成物層をα(α1、α2、・・・)、他の熱可塑性樹脂層をβ(β1、β2、・・・)とするとき、通常3〜20層、好ましくは3〜15層、特に好ましくは3〜10層である。例えば具体的には、β/α/β、α/β/α、α1/α2/β、α/β1/β2、β2/β1/α/β1/β2、β2/β1/α/β1/α/β1/β2等任意の組み合わせが可能である。
また、かかる積層体は、該積層体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層を設けることが可能である。かかるリサイクル層をRとするとき、多層積層体の層構成は、例えばβ/α/R、R/β/α、β/R/α/β、β/R/α/R/β、β/α/R/α/β、β/R/α/R/α/R/β等が挙げられる。
特にリサイクル層を設けることは、成形時に発生する多量のスクラップを有効に活用できる点で工業上好ましい。
本発明の積層体における、多層構造の層構成として好ましくは、本発明の樹脂組成物層(以下、「本樹脂組成物層」と称す場合がある。)が内包物と接触する層として存在し、EVOH以外の熱可塑性樹脂層、好ましくはポリオレフィン系樹脂層が、内包物と接触する層よりも外側の層に存在していることが好ましい。例えば、(内)本樹脂組成物層/接着性樹脂層/他の熱可塑性樹脂層(外)、(内)本樹脂組成物層/接着性樹脂層/リサイクル層/他の熱可塑性樹脂層(外)(内)本樹脂組成物層/接着性樹脂層/他の熱可塑性樹脂層/リサイクル層/他の熱可塑性樹脂層(外)、(内)本樹脂組成物層/接着性樹脂層/他の熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/他の熱可塑性樹脂層(外)等が挙げられるが、最も好ましくは、(内)本樹脂組成物層/接着性樹脂層/他の熱可塑性樹脂層(外)である。
積層体の総厚みは、機械的強度の点から、通常20〜50000μm、特に好ましくは100〜20000μmである。積層体の総厚みが薄すぎる場合には、耐衝撃性およびガスバリア性が低下することがある。積層体の総厚みが厚すぎる場合には、耐衝撃性およびガスバリア性が過剰性能となり、不必要な原料を使用することとなるため経済的でない傾向がある。
多層構造における各層の厚みは、層構成、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、例えば下記の通りである。なお、下記の数値は、本樹脂組成物層、接着性樹脂層、他の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1種の層が2層以上存在する場合には、同種の層の厚みを総計した値である。
本樹脂組成物層の厚みは通常0.1〜500μm、好ましくは1〜300μm、特に好ましくは5〜100μmである。本樹脂組成物層が薄すぎる場合、本発明の効果が得られにくくなる傾向があり、本樹脂組成物層が厚すぎる場合、加工性が低下する傾向がある。
他の熱可塑性樹脂層は通常1〜6000μm、好ましくは5〜4000μm、特に好ましくは10〜2000μmである。他の熱可塑性樹脂層が薄すぎる場合、耐衝撃性が低下する傾向があり、他の熱可塑性樹脂層が厚すぎる場合、加工性が低下する傾向がある。
接着性樹脂層は通常0.1〜500μm、好ましくは0.5〜300μm、特に好ましくは5〜100μmである。
また、各層の厚み比は、本樹脂組成物層/他の熱可塑性樹脂層の厚み比=通常0.001以上1未満、好ましくは0.005以上1未満、特に好ましくは0.05〜0.5であり、本樹脂組成物層/接着性樹脂層の厚み比=通常0.005〜300、好ましくは0.01〜50、特に好ましくは0.05〜10である。
上記積層体は、さらに公知の方法で延伸処理を行ってもよい。
この場合の延伸処理は、公知の延伸方法でよく、例えば、一軸延伸、二軸延伸等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は、積層体の温度(積層体近傍温度)で、通常60〜300℃、好ましくは80〜180℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜20倍である。
延伸処理された積層体における各層の厚みは、例えば下記の通りである。本樹脂組成物層は通常0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmである。他の熱可塑性樹脂層は通常0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmである。接着性樹脂層は通常0.1〜250μm、好ましくは0.1〜100μmである。また、各層の厚み比は、本樹脂組成物層/他の熱可塑性樹脂層の厚み比=通常0.001〜1未満、好ましくは0.005以上1未満、特に好ましくは0.05〜0.5であり、本樹脂組成物層/接着性樹脂層の厚み比=通常0.005〜300、好ましくは0.01〜50、特に好ましくは0.05〜10である。
[外観改良用マスターバッチ]
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)とエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有する本発明の樹脂組成物を用いて、上記の積層体を製造すべくシート状にした際に、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)に起因して、外観の劣化(例えば、シート表面のブツなど)が起こる場合がある。
この外観の劣化を抑制するために、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、他の樹脂と混合してマスターバッチとし、このマスターバッチをエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)、及び必要に応じて用いられるその他の成分と溶融混合して本発明の樹脂組成物としてもよい。
このエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のマスターバッチ化に用いる樹脂としては、特に限定されるものではないが、外観劣化の抑制効果の観点から、オレフィン系樹脂(D)が好ましい。
オレフィン系樹脂(D)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体、それらのα−オレフィン同士あるいはそれらのα−オレフィンと3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられる。
より具体的には、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−4−メチル1−ペンテン共重合体等のプロピレン系樹脂;及び、1−ブテン単独重合体、1−ブテン−エチレン共重合体、1−ブテン−プロピレン共重合体等の1−ブテン系樹脂等が挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は、1種類を用いても2種類以上を併用することもできる。
ここで、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、1−ブテン系樹脂とは、それぞれ、エチレン、プロピレン、または1−ブテンに基づく単量体単位を全構成単量体単位中に50質量%以上含有する樹脂を言う。
これらの中でも、オレフィン系樹脂(D)としては、エチレン系樹脂が好ましい。エチレン系樹脂の中でも、特にエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
エチレン系樹脂等のオレフィン系樹脂(D)は、エチレンに基づく単量体単位の含有量が70〜90質量%、1−オクテンに基づく単量体単位の含有量が10〜30質量%(但し、エチレンに基づく単量体単位の含有量と1−オクテンに基づく単量体単位の含有量との合計を100質量%とする。)のエチレン・1−オクテン共重合体(密度:0.902g/cm、引張強度:24.8MPa、JIS−D硬度:42)であるものが、相溶性の観点から好ましい。
本発明の外観改良用マスターバッチは、このようなオレフィン系樹脂(D)を用いて、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を予め溶融混練してマスターバッチ化したものである。マスターバッチ化の方法には特に制限はなく、常法に従って本発明の外観改良用マスターバッチを製造することができる。
本発明の外観改良用マスターバッチにおけるエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)の含有量は、オレフィン系樹脂(D)とエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)との合計100質量部中に0.05〜60質量部、特に1〜40質量部とすることが好ましい。外観改良用マスターバッチ中のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)の含有量が多過ぎると、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)をマスターバッチ化することによる外観劣化抑制効果を十分に得ることができず、少な過ぎると、所定量のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を配合するためのマスターバッチの配合量が多くなり、相対的にエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)及び変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が少なくなって、本発明の効果が損なわれる恐れがある。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は関下上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
以下において、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)を「成分(A)」、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)を「成分(B)」、Cを「成分(C)」と記載する。
[原料]
<成分(A)>
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(EVOH樹脂):(株)クラレ製「エバールH171B」(エチレン単位含有量:38モル%、ケン化度:100モル%、MFR(210℃、2.16kg):3.5g/10分)
<成分(B)>
B−1:無水マレイン酸変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー:三菱ケミカル(株)製「プリマロイAP GQ430」(変性前のブロック共重合体の融点:165℃、変性前のブロック共重合体のポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの含有量:60質量%、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの数平均分子量:1000、変性率(グラフト量):0.5質量%、MFR(230℃、2.16kg):35g/10分)
B−2:無水マレイン酸変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー:三菱ケミカル(株)製「プリマロイAP」(変性前のブロック共重合体の融点:197℃、変性前のブロック共重合体のポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの含有量:64質量%、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの数平均分子量:1700、変性率(グラフト量):0.1質量%、MFR(230℃、2.16kg):6g/10分)
<成分(C)>
C−1;エポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマー:BASF社製「Joncryl ADR−4368」(重量平均分子量:7700、エポキシ当量:281g/eq、スチレン単位の含有量:0.1〜0.5質量%、少なくとも前記式(c1)〜(c3)で表される単位をそれぞれ有し、R〜Rがそれぞれ水素原子、Rがメチル基、x=31〜34、y=22〜25)
C−2:エポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマー:BASF社製「Joncryl ADR−4368」(重量平均分子量:7700、エポキシ当量:281g/eq、スチレン単位の含有量:0.1〜0.5質量%、少なくとも前記式(c1)〜(c3)で表される単位をそれぞれ有し、R〜Rがそれぞれ水素原子、Rがメチル基、x=31〜34、y=22〜25)20質量部を、エチレン・α−オレフィン共重合体(エチレンに基づく単量体単位の含有量が80質量%、1−オクテンに基づく単量体単位の含有量が20質量%のエチレン・1−オクテン共重合体、密度:0.902g/cm、引張強度:24.8MPa、JIS−D硬度:42)80質量部でマスターバッチにしたもの。
<その他の成分>
グリシジル基を有するアクリル系ポリマー:三菱レイヨン(株)製「メタブレンP 1901」(重量平均分子量:68000、エポキシ当量:148q/eq.)
[実施例1]
<ガスバリア性樹脂組成物の製造>
成分(A)エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物80質量部、成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B−1:プリマロイAP GQ430)20質量部、成分(C)エポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマー(C−1:Joncryl ADR−4368)1.5質量部を、事前にドライブレンドにより配合し、2軸押出機「TEX30α−52.5BW」(D=30mmφ、L/D=52.5、株式会社日本製鋼所製)を用い、温度220℃、スクリュー回転数400rpm、押出量40kg/hで溶融混練し、紐状に押し出し、冷却後カッティングしてガスバリア性樹脂組成物のペレットを得た。
<多層シートの成形>
得られたガスバリア性樹脂組成物のペレットをガスバリア層を構成する材料として用い、株式会社プラ技研製、4種5層共押出多層シート成形機にて多層シート(積層体)を得た。
層構成は、冷却ロール面に接する側から外側に向かって、ポリオレフィン系樹脂層/接着性樹脂層/ガスバリア層/接着性樹脂層/ポリオレフィン系樹脂層の5層構成とした。ポリオレフィン系樹脂層及び接着性樹脂層に用いた材料は以下の通りであり、各層の厚みは、それぞれ50μm/10μm/10μm/10μm/50μmとし、成形温度は220℃、成形速度は20m/minに設定して多層シートを得た。
ポリオレフィン系樹脂層:日本ポリエチレン(株)製 エチレン・1−ヘキセン共重合体「SF8402」(MFR(190℃、2.16kg):2.6g/10分、密度:0.929g/cm
接着性樹脂層:三菱ケミカル(株)製 接着性ポリエチレン「モディック L553」(MFR(190℃、2.16kg):1.6g/10分、密度0.920g/cm
<接着性の評価>
上記で得られた多層シートから、幅10mmの短冊状の試験片を切り出し、23℃の雰囲気下、速度300mm/分にてT−ピール剥離試験を行って剥離強度を測定し、後掲の参考例1の場合の剥離強度を1として、相対評価した。結果を表−1に示す。なお、このT−ピール剥離試験では、接着性樹脂層とガスバリア層との間で剥離がおきる。
<多層シートの外観評価>
上記で得られた多層シートの外観を目視観察し、以下の指標で評価した。後掲の参考例1の場合の評価を◎として相対評価を行った。
◎:目でみえるブツはない
〇:参考例1と比較して小さなブツが少し見られる
△:参考例1と比較して小さなブツが多く見られる
×:参考例1と比較して大きなブツが多く見られる
[実施例2]
成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーの種類をB−1からB−2に変更し、成分(C)の種類をC−1からC−2に変更し、そのC−2の配合量を0.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
[実施例3]
成分(C)の種類をC−1からC−2に変更し、そのC−2の配合量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
[比較例1]
成分(A)エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物を80質量部、成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B−1:プリマロイAP GQ430)20質量部とし、成分(C)エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
[比較例2]
成分(A)エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物を80質量部、成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B−1:プリマロイAP GQ430)を20質量部、グリシジル基を有するアクリル系ポリマー(メタブレンP 1901)を0.5質量部用いた他は実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
[参考例1]
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物100質量部のみを用いて、実施例1と同様に多層シートの成形、接着性の評価を行い、測定された剥離強度を「1」とした。また、外観の評価を行い、ブツがないことを確認して評価結果を「◎」とした。
Figure 2018150510
表−1より次のことが分かる。
比較例1では、EVOH樹脂に変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーを添加することで接着性樹脂層との接着性が阻害されている。
比較例2から明らかなようにグリシジル基を有しているだけのアクリル系ポリマーでは、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる接着性の阻害は改善されない。
これに対して、実施例1のように、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を含む本発明の樹脂組成物であれば、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる接着性の阻害は改善され、EVOH樹脂のみの場合とほぼ同等の接着性を得ることができる。
また、実施例2と実施例3のように、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)をマスターバッチとして配合することで、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる接着性の阻害は改善されるとともに、積層体にした際の外観の劣化も抑制できる。

Claims (12)

  1. エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、
    α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、
    スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有する樹脂組成物。
  2. エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)が、下記式(c1)で表されるスチレン単位と、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位とを有する請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2018150510
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
  3. エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)が、下記式(c1)で表されるスチレン単位と、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位と、下記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位とを含む、請求項2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2018150510
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
  4. エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のスチレン単位の含有量が0.001〜10質量%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のエポキシ当量が10〜1000g/eq.である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の変性率(グラフト量)が0.01〜10質量%で、メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有量が20〜60モル%で、ケン化度が90〜100モル%、メルトフローレート(温度210℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部中に、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)を40〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)を60〜1質量部含み、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部に対してエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を0.05〜10質量部含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. ガスバリア性樹脂組成物である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂組成物よりなる層を有する積層体。
  11. 前記樹脂組成物よりなるガスバリア層と、該ガスバリア層に隣接するマレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂よりなる接着性樹脂層とを有する、請求項10に記載の積層体。
  12. エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)とを含有する樹脂組成物に配合される外観改良用マスターバッチであって、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を、オレフィン系樹脂(D)でマスターバッチ化した外観改良用マスターバッチ。
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