JP2018150510A - 樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Abstract
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また、特許文献2には、EVOHに、ゴム質グラフト重合体とポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体を配合した樹脂組成物が提案されている。この特許文献2では、ゴム質グラフト重合体として、ブタジエンを主成分とするゴム質重合体の存在下に、スチレン及びメチルメタクリレートをグラフト重合して得られるゴム質グラフト重合体を用い、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体として、本発明で用いる変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーに該当するポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとのブロック共重合体を無水マレイン酸変性してなるものを用いており、更に、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体を配合してもよいとの記載がある。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
また、このエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物をマスターバッチとして用いることで、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を配合することによる外観の低下を抑制することができる。
本発明の樹脂組成物は、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有することを特徴とする。
本発明において、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を含有することで、接着性の改善効果が得られるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推定される。
即ち、本発明で用いるエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、グリシジル基による極性樹脂をつなぐ鎖延長効果だけではなく、スチレン単位のベンゼン環と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)のベンゼン環同士の相溶効果で、分子の絡まりを強固なものとし、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の高粘性化を達成し、これにより、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)による接着阻害を防止する。
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(以下「EVOH」と称す場合がある。)は、公知の樹脂であり、非水溶性の熱可塑性樹脂である。EVOH(A)は、通常、ビニルエステル系モノマー(例えば、脂肪酸ビニルエステル)とエチレンを共重合してエチレン−ビニルエステル系共重合体を得、これをケン化して得られるものである。すなわち、エチレン構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、ケン化後に残存する若干量のビニルエステル構造単位を含むものである。上記共重合に際しては、溶液重合法など、公知の重合法が採用されうる。
特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH(A)は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH(A)が好ましい。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)の方法が好ましい。
本発明で用いる変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーである。
本発明で用いるエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物であり、好ましくは、下記式(c1)で表されるスチレン単位と、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位とを有するエポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマーであり、より好ましくは下記式(c1)で表されるスチレン単位、下記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位、及び下記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位を含むポリマーである。
また、R6は炭素数1〜12のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜6であり、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、メチル基が特に好ましい。
なかでも、前記式(c2)中のR4がメチル基である場合、並びに前記式(c3)中のR5がメチル基である場合、本発明の樹脂組成物は透明性に優れることから、特に好ましい。
また、前記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位を有する場合、前記式(c1)で表されるスチレン単位の数x、前記式(c2)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート単位の数y及び前記式(c3)で表される(メタ)アクリレート単位の数zは、それぞれ独立に1〜20であり、yは、透明性の観点から好ましくは2〜20、より好ましくは3〜10である。x+zは、好ましくは10より大きい。
各構成単位は任意の順序で結合でき、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、上記のエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部に対してエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)を40〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)を60〜1質量部含有することがガスバリア性と耐衝撃性及び成形性との両立の面で好ましく、この割合はより好ましくはエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)60〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)40〜1質量部であり、さらに好ましくはエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)70〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)30〜1質量部である。
本発明の樹脂組成物には、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、目的に応じて、他の熱可塑性樹脂、例えば、後述の外観改良用マスターバッチに含まれるオレフィン系樹脂(D)を含んでもよい。他の熱可塑性樹脂を含む場合、他の熱可塑性樹脂の含有量は樹脂組成物全体に対して通常30質量%未満であることが好ましい。
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)及び必要に応じて用いられるその他の成分を混合して本発明の樹脂組成物を製造する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、全ての成分をドライブレンドして溶融混合する方法、予め溶融させたEVOH(A)に他の成分を配合する方法等の、溶融混合法や、EVOH(A)を溶媒に溶解し、かかる溶液に他の成分を配合し、EVOH(A)の貧溶媒を用いて析出させる方法等がある。
また、ペレットにする場合、その形は通常球形、円柱形、立方体形、直方体形等が上げられ、円柱形ペレットが好ましく、その直径は通常1〜5mm、長さは通常1〜5mmである。
本発明の樹脂組成物は、単層にて各種成形物に供することができるが、機械的強度の向上等の点から、本発明の樹脂組成物層にEVOH(A)以外の熱可塑性樹脂層を少なくとも1層以上積層した多層積層体として各種成形物に供することが好ましい。
中でも、本発明の樹脂組成物のガスバリア性の低下を抑制する観点から疎水性樹脂を用いることが好ましく、具体的にはポリオレフィン系樹脂が好ましく、特にはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
本発明の樹脂組成物層および他の熱可塑性樹脂層は、さらに本発明の樹脂組成物層と他の熱可塑性樹脂層との間に接着性樹脂層が介在していることが好ましい。
また、かかる積層体は、該積層体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層を設けることが可能である。かかるリサイクル層をRとするとき、多層積層体の層構成は、例えばβ/α/R、R/β/α、β/R/α/β、β/R/α/R/β、β/α/R/α/β、β/R/α/R/α/R/β等が挙げられる。
特にリサイクル層を設けることは、成形時に発生する多量のスクラップを有効に活用できる点で工業上好ましい。
他の熱可塑性樹脂層は通常1〜6000μm、好ましくは5〜4000μm、特に好ましくは10〜2000μmである。他の熱可塑性樹脂層が薄すぎる場合、耐衝撃性が低下する傾向があり、他の熱可塑性樹脂層が厚すぎる場合、加工性が低下する傾向がある。
接着性樹脂層は通常0.1〜500μm、好ましくは0.5〜300μm、特に好ましくは5〜100μmである。
この場合の延伸処理は、公知の延伸方法でよく、例えば、一軸延伸、二軸延伸等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は、積層体の温度(積層体近傍温度)で、通常60〜300℃、好ましくは80〜180℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜20倍である。
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)とエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有する本発明の樹脂組成物を用いて、上記の積層体を製造すべくシート状にした際に、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)に起因して、外観の劣化(例えば、シート表面のブツなど)が起こる場合がある。
この外観の劣化を抑制するために、エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)は、他の樹脂と混合してマスターバッチとし、このマスターバッチをエチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)、及び必要に応じて用いられるその他の成分と溶融混合して本発明の樹脂組成物としてもよい。
ここで、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、1−ブテン系樹脂とは、それぞれ、エチレン、プロピレン、または1−ブテンに基づく単量体単位を全構成単量体単位中に50質量%以上含有する樹脂を言う。
<成分(A)>
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(EVOH樹脂):(株)クラレ製「エバールH171B」(エチレン単位含有量:38モル%、ケン化度:100モル%、MFR(210℃、2.16kg):3.5g/10分)
B−1:無水マレイン酸変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー:三菱ケミカル(株)製「プリマロイAP GQ430」(変性前のブロック共重合体の融点:165℃、変性前のブロック共重合体のポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの含有量:60質量%、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの数平均分子量:1000、変性率(グラフト量):0.5質量%、MFR(230℃、2.16kg):35g/10分)
B−2:無水マレイン酸変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー:三菱ケミカル(株)製「プリマロイAP」(変性前のブロック共重合体の融点:197℃、変性前のブロック共重合体のポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの含有量:64質量%、ポリテトラメチレンエーテルグリコールユニットの数平均分子量:1700、変性率(グラフト量):0.1質量%、MFR(230℃、2.16kg):6g/10分)
C−1;エポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマー:BASF社製「Joncryl ADR−4368」(重量平均分子量:7700、エポキシ当量:281g/eq、スチレン単位の含有量:0.1〜0.5質量%、少なくとも前記式(c1)〜(c3)で表される単位をそれぞれ有し、R1〜R3がそれぞれ水素原子、R4がメチル基、x=31〜34、y=22〜25)
C−2:エポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマー:BASF社製「Joncryl ADR−4368」(重量平均分子量:7700、エポキシ当量:281g/eq、スチレン単位の含有量:0.1〜0.5質量%、少なくとも前記式(c1)〜(c3)で表される単位をそれぞれ有し、R1〜R3がそれぞれ水素原子、R4がメチル基、x=31〜34、y=22〜25)20質量部を、エチレン・α−オレフィン共重合体(エチレンに基づく単量体単位の含有量が80質量%、1−オクテンに基づく単量体単位の含有量が20質量%のエチレン・1−オクテン共重合体、密度:0.902g/cm3、引張強度:24.8MPa、JIS−D硬度:42)80質量部でマスターバッチにしたもの。
グリシジル基を有するアクリル系ポリマー:三菱レイヨン(株)製「メタブレンP 1901」(重量平均分子量:68000、エポキシ当量:148q/eq.)
<ガスバリア性樹脂組成物の製造>
成分(A)エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物80質量部、成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B−1:プリマロイAP GQ430)20質量部、成分(C)エポキシ官能性・スチレン・(メタ)アクリレート系ポリマー(C−1:Joncryl ADR−4368)1.5質量部を、事前にドライブレンドにより配合し、2軸押出機「TEX30α−52.5BW」(D=30mmφ、L/D=52.5、株式会社日本製鋼所製)を用い、温度220℃、スクリュー回転数400rpm、押出量40kg/hで溶融混練し、紐状に押し出し、冷却後カッティングしてガスバリア性樹脂組成物のペレットを得た。
得られたガスバリア性樹脂組成物のペレットをガスバリア層を構成する材料として用い、株式会社プラ技研製、4種5層共押出多層シート成形機にて多層シート(積層体)を得た。
層構成は、冷却ロール面に接する側から外側に向かって、ポリオレフィン系樹脂層/接着性樹脂層/ガスバリア層/接着性樹脂層/ポリオレフィン系樹脂層の5層構成とした。ポリオレフィン系樹脂層及び接着性樹脂層に用いた材料は以下の通りであり、各層の厚みは、それぞれ50μm/10μm/10μm/10μm/50μmとし、成形温度は220℃、成形速度は20m/minに設定して多層シートを得た。
ポリオレフィン系樹脂層:日本ポリエチレン(株)製 エチレン・1−ヘキセン共重合体「SF8402」(MFR(190℃、2.16kg):2.6g/10分、密度:0.929g/cm3)
接着性樹脂層:三菱ケミカル(株)製 接着性ポリエチレン「モディック L553」(MFR(190℃、2.16kg):1.6g/10分、密度0.920g/cm3)
上記で得られた多層シートから、幅10mmの短冊状の試験片を切り出し、23℃の雰囲気下、速度300mm/分にてT−ピール剥離試験を行って剥離強度を測定し、後掲の参考例1の場合の剥離強度を1として、相対評価した。結果を表−1に示す。なお、このT−ピール剥離試験では、接着性樹脂層とガスバリア層との間で剥離がおきる。
上記で得られた多層シートの外観を目視観察し、以下の指標で評価した。後掲の参考例1の場合の評価を◎として相対評価を行った。
◎:目でみえるブツはない
〇:参考例1と比較して小さなブツが少し見られる
△:参考例1と比較して小さなブツが多く見られる
×:参考例1と比較して大きなブツが多く見られる
成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーの種類をB−1からB−2に変更し、成分(C)の種類をC−1からC−2に変更し、そのC−2の配合量を0.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
成分(C)の種類をC−1からC−2に変更し、そのC−2の配合量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
成分(A)エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物を80質量部、成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B−1:プリマロイAP GQ430)20質量部とし、成分(C)エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
成分(A)エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物を80質量部、成分(B)変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B−1:プリマロイAP GQ430)を20質量部、グリシジル基を有するアクリル系ポリマー(メタブレンP 1901)を0.5質量部用いた他は実施例1と同様に樹脂組成物の製造、多層シートの成形、接着性及び外観の評価を行って、結果を表−1に示した。
エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物100質量部のみを用いて、実施例1と同様に多層シートの成形、接着性の評価を行い、測定された剥離強度を「1」とした。また、外観の評価を行い、ブツがないことを確認して評価結果を「◎」とした。
比較例1では、EVOH樹脂に変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーを添加することで接着性樹脂層との接着性が阻害されている。
比較例2から明らかなようにグリシジル基を有しているだけのアクリル系ポリマーでは、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる接着性の阻害は改善されない。
これに対して、実施例1のように、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を含む本発明の樹脂組成物であれば、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる接着性の阻害は改善され、EVOH樹脂のみの場合とほぼ同等の接着性を得ることができる。
また、実施例2と実施例3のように、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)をマスターバッチとして配合することで、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーによる接着性の阻害は改善されるとともに、積層体にした際の外観の劣化も抑制できる。
Claims (12)
- エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)と、
スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)とを含有する樹脂組成物。 - エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のスチレン単位の含有量が0.001〜10質量%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- エポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)のエポキシ当量が10〜1000g/eq.である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)の変性率(グラフト量)が0.01〜10質量%で、メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)のエチレン単位の含有量が20〜60モル%で、ケン化度が90〜100モル%、メルトフローレート(温度210℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部中に、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)を40〜99質量部、変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)を60〜1質量部含み、エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)との合計100質量部に対してエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を0.05〜10質量部含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- ガスバリア性樹脂組成物である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂組成物よりなる層を有する積層体。
- 前記樹脂組成物よりなるガスバリア層と、該ガスバリア層に隣接するマレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂よりなる接着性樹脂層とを有する、請求項10に記載の積層体。
- エチレン・ビニルエステル系共重合体ケン化物(A)と、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B)とを含有する樹脂組成物に配合される外観改良用マスターバッチであって、スチレン単位とグリシジル基を有する、重量平均分子量が250〜9000のエポキシ官能性スチレン・(メタ)アクリレート系化合物(C)を、オレフィン系樹脂(D)でマスターバッチ化した外観改良用マスターバッチ。
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