JP2018149572A - レーザー加工装置 - Google Patents

レーザー加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018149572A
JP2018149572A JP2017047590A JP2017047590A JP2018149572A JP 2018149572 A JP2018149572 A JP 2018149572A JP 2017047590 A JP2017047590 A JP 2017047590A JP 2017047590 A JP2017047590 A JP 2017047590A JP 2018149572 A JP2018149572 A JP 2018149572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser beam
optical path
pulse laser
pulsed laser
pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017047590A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6802094B2 (ja
Inventor
洋司 森數
Yoji Morikazu
洋司 森數
昇 武田
Noboru Takeda
昇 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Abrasive Systems Ltd filed Critical Disco Abrasive Systems Ltd
Priority to JP2017047590A priority Critical patent/JP6802094B2/ja
Publication of JP2018149572A publication Critical patent/JP2018149572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6802094B2 publication Critical patent/JP6802094B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】レーザー加工の品質の更なる向上が図られるレーザー加工装置を提供する。【解決手段】レーザー加工装置は、被加工物70を保持する保持手段と、パルスレーザー光線LBを照射するレーザー光線照射手段10と、被加工物にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間よりも短いパルス幅のパルスレーザー光線を発振する発振器44と、パルスレーザー光線を分岐して第一の光路46に第一のパルスレーザー光線LB1を第二の光路48に第二のパルスレーザー光線LB2を導く第一のビームスプリッター50と、第一の光路46または第二の光路48に配設され電子励起時間に満たない時間だけ第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との一方に対して他方を相対的に遅延させる光遅延光学体52と、第二のビームスプリッター54によって合流したパルスレーザー光線を被加工物に照射する集光器とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、加工品質の向上が図られるレーザー加工装置に関する。
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、レーザー加工装置によって個々のデバイスに分割され、分割された各デバイスは携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
レーザー加工装置は下記(1)ないし(3)のタイプのものが存在し、被加工物の種類、加工条件を考慮して適正なレーザー加工装置が選択される。
(1)被加工物に対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射してアブレーション加工を施し分割予定ラインに溝を形成して個々のデバイスに分割するタイプ(たとえば特許文献1参照。)
(2)被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点を分割予定ラインの内部に位置づけてパルスレーザー光線をウエーハに照射して分割予定ラインの内部に改質層を形成して個々のデバイスに分割するタイプ(たとえば特許文献2参照。)
(3)被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点を分割予定ラインに位置づけてパルスレーザー光線をウエーハに照射して分割予定ラインの表面から裏面に至る細孔と細孔を囲繞する非晶質を形成し個々のデバイスに分割するタイプ(たとえば特許文献3参照。)
特開平10−305420号公報 特許第3408805号公報 特開2014−221483号公報
レーザー加工の品質は、発振器が発振するレーザー光線の出力、繰り返し周波数、パルス幅、スポット径、に加え被加工物の送り速度を含む各加工要素に依存しており、各加工要素が適宜調整され加工条件が設定される。しかし、レーザー加工の品質の更なる向上を図るためには、前記した加工要素の従来の調整では限界がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、レーザー加工の品質の更なる向上が図られるレーザー加工装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下のレーザー加工装置である。すなわち、被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を含むレーザー加工装置であって、該レーザー光線照射手段は、被加工物にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間よりも短いパルス幅を有するパルスレーザー光線を発振する発振器と、該発振器が発振したパルスレーザー光線を分岐して第一の光路に第一のパルスレーザー光線を導くと共に第二の光路に第二のパルスレーザー光線を導く第一のビームスプリッターと、該第一の光路または該第二の光路に配設され該電子励起時間に満たない時間だけ第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との一方に対して第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との他方を相対的に遅延させる光遅延光学体と、該第一の光路と該第二の光路とを合流させる第二のビームスプリッターと、該第二のビームスプリッターによって合流した第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線を該保持手段に保持された被加工物に照射する集光器と、を少なくとも備えたレーザー加工装置である。
好ましくは、該第一の光路を直角に曲げて該第二のビームスプリッターに第一のパルスレーザー光線を導く第一のミラーと、該第二の光路を直角に曲げて該第二のビームスプリッターに第二のパルスレーザー光線を導く第二のミラーと、を備える。該発振器と該第一のビームスプリッターとの間に、1/2波長板が配設され、第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線の光量が調整されるのが好適である。該発振器が発振するパルスレーザー光線の繰り返し周波数は、該第一のパルスレーザー光線と該第二のパルスレーザー光線を照射した後に生じる熱が放出する時間で1秒を除した値以下に設定されるのが好都合である。
本発明が提供するレーザー加工装置は、被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を含むレーザー加工装置であって、該レーザー光線照射手段は、被加工物にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間よりも短いパルス幅を有するパルスレーザー光線を発振する発振器と、該発振器が発振したパルスレーザー光線を分岐して第一の光路に第一のパルスレーザー光線を導くと共に第二の光路に第二のパルスレーザー光線を導く第一のビームスプリッターと、該第一の光路または該第二の光路に配設され該電子励起時間に満たない時間だけ第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との一方に対して第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との他方を相対的に遅延させる光遅延光学体と、該第一の光路と該第二の光路とを合流させる第二のビームスプリッターと、該第二のビームスプリッターによって合流した第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線を該保持手段に保持された被加工物に照射する集光器と、を少なくとも備えて構成されるので、被加工物を構成する原子を取り巻く電子が第一のパルスレーザー光線で活性化された状態で次の第二のパルスレーザー光線が照射され加工が促進してレーザー加工の品質の向上が図られる。
本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。 第一の実施形態に係るレーザー光線照射手段のブロック図。 ウエーハの斜視図。 第二の実施形態に係るレーザー光線照射手段のブロック図。
まず、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の第一の実施形態について図1ないし図3を参照しつつ説明する。
図1に示すレーザー加工装置2は、基台4と、被加工物を保持する保持手段6と、保持手段6を移動させる移動手段8と、保持手段6に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段10と、保持手段6に保持された被加工物を撮像する撮像手段12とを備える。
図1に示すとおり、保持手段6は、X方向において移動自在に基台4に搭載された矩形状のX方向可動板14と、Y方向において移動自在にX方向可動板14に搭載された矩形状のY方向可動板16と、Y方向可動板16の上面に固定された円筒状の支柱18と、支柱18の上端に固定された矩形状のカバー板20とを含む。カバー板20にはY方向に延びる長穴20aが形成され、長穴20aを通って上方に延びる円形状のチャックテーブル22が支柱18の上端に回転自在に搭載されている。チャックテーブル22の上面には、多孔質材料から形成され実質上水平に延在する円形状の吸着チャック24が配置され、吸着チャック24は流路によって吸引手段(図示していない。)に接続されている。そして、チャックテーブル22においては、吸引手段によって吸着チャック24の上面に吸引力を生成することにより、吸着チャック24の上面に載置された被加工物を吸着して保持することができる。また、チャックテーブル22の周縁には、周方向に間隔をおいて複数個のクランプ26が配置されている。なお、X方向は図1に矢印Xで示す方向であり、Y方向は図1に矢印Yで示す方向であってX方向に直交する方向である。X方向及びY方向が規定する平面は実質上水平である。
移動手段8は、チャックテーブル22をX方向に移動させるX方向移動手段28と、チャックテーブル22をY方向に移動させるY方向移動手段30と、上下方向に延びる軸線を中心としてチャックテーブル22を回転させる回転手段(図示していない。)とを含む。X方向移動手段28は、基台4上においてX方向に延びるボールねじ32と、ボールねじ32の片端部に連結されたモータ34とを有する。ボールねじ32のナット部(図示していない。)は、X方向可動板14の下面に固定されている。そしてX方向移動手段28は、ボールねじ32によりモータ34の回転運動を直線運動に変換してX方向可動板14に伝達し、基台4上の案内レール4aに沿ってX方向可動板14をX方向に進退させ、これによってチャックテーブル22をX方向に進退させる。Y方向移動手段30は、X方向可動板14上においてY方向に延びるボールねじ36と、ボールねじ36の片端部に連結されたモータ38とを有する。ボールねじ36のナット部(図示していない。)は、Y方向可動板16の下面に固定されている。そしてY方向移動手段30は、ボールねじ36によりモータ38の回転運動を直線運動に変換してY方向可動板16に伝達し、X方向可動板14上の案内レール14aに沿ってY方向可動板16をY方向に進退させ、これによってチャックテーブル22をY方向に進退させる。回転手段は、支柱18に内蔵されたモータ(図示していない。)を有し、上下方向に延びる軸線を中心として支柱18に対してチャックテーブル22を回転させる。
レーザー光線照射手段10は、基台4の上面から上方に延び次いで実質上水平に延びる枠体40と、枠体40の先端下面に配置された集光器42と、集光点位置調整手段(図示していない。)とを含む。集光器42には、保持手段6のチャックテーブル22に保持された被加工物にレーザー光線を集光して照射するための集光レンズ42aが内蔵されている。また、撮像手段12は、集光器42とX方向に間隔をおいて枠体40の先端下面に付設されている。
図2を参照して説明すると、レーザー光線照射手段10は、ウエーハ等の被加工物にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間(以下「電子励起時間」という。)よりも短いパルス幅を有するパルスレーザー光線LBを発振する発振器44と、発振器44が発振したパルスレーザー光線LBを分岐して第一の光路46に第一のパルスレーザー光線LB1を導くと共に第二の光路48に第二のパルスレーザー光線LB2を導く第一のビームスプリッター50と、第二の光路48に配設され、電子励起時間に満たない時間だけ第一のパルスレーザー光線LB1に対して第二のパルスレーザー光線LB2を遅延させる光遅延光学体52と、第一の光路46と第二の光路48とを合流させる第二のビームスプリッター54とを含む。第一の実施形態では図2に示すとおり、レーザー光線照射手段10は、更に、発振器44が発振したパルスレーザー光線LBの出力を調整するアッテネーター56と、発振器44と第一のビームスプリッター50との間(図示の実施形態ではアッテネーター56と第一のビームスプリッター50との間)に配設された1/2波長板58と、第一の光路46を直角に曲げて第二のビームスプリッター54に第一のパルスレーザー光線LB1を導く第一のミラー60と、第二の光路48を直角に曲げて第二のビームスプリッター54に第二のパルスレーザー光線LB2を導く第二のミラー62とを含む。
発振器44が発振するパルスレーザー光線LBのパルス幅は、電子励起時間より短く、たとえば、電子励起時間が約8ps(8×10−12秒)であるサファイア(Al)が被加工物である場合には約1psに設定されるのが好ましい。発振器44が発振するパルスレーザー光線LBの波長は、355nm、1064nm等、加工の種類に応じて適宜決定される。発振器44が発振したパルスレーザー光線LBは、加工の種類に応じた適宜の出力にアッテネーター56によって調整されて1/2波長板58に入射する。1/2波長板58に入射したパルスレーザー光線LBは、第一のビームスプリッター50に対して偏光面がP偏光であるP偏光成分の光量と、第一のビームスプリッター50に対して偏光面がS偏光であるS偏光成分の光量とが1/2波長板58により適宜(たとえば均等に)調整される。第一のビームスプリッター50は、入射したパルスレーザー光線LBのうちP偏光成分を透過させて第一の光路46に第一のパルスレーザー光線LB1を導き、入射したパルスレーザー光線LBのうちS偏光成分を反射して第二の光路48に第二のパルスレーザー光線LB2を導くようになっている。第一の光路46に導かれた第一のパルスレーザー光線LB1は、第一のミラー60で反射して第二のビームスプリッター54に入射する。一方、第二の光路48に導かれた第二のパルスレーザー光線LB2は、第二のミラー62で反射して光遅延光学体52に入射する。光遅延光学体52は、たとえば、第二の光路48の進行方向において所定長さを有するガラス片から構成され得る。第二の光路48の進行方向における光遅延光学体52の長さは、電子励起時間に満たない時間だけ第一のパルスレーザー光線LB1に対して第二のパルスレーザー光線LB2を光遅延光学体52が遅延させる遅延時間と、光遅延光学体52の屈折率とから決定される。たとえば、電子励起時間が約8psであるサファイアが被加工物であるとき遅延時間は約4psに設定されるのが好適であり、屈折率1.5のガラス片から光遅延光学体52が形成される場合に4psの遅延時間を生じさせるためには、第二の光路48の進行方向における光遅延光学体52の長さは約2.5mmとなる。そして、光遅延光学体52を透過した第二のパルスレーザー光線LB2は、第一のパルスレーザー光線LB1に対して電子励起時間に満たない所定遅延時間だけ遅延して第二のビームスプリッター54に入射する。なお、光遅延光学体52は、第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2との一方に対して、第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2との他方を相対的に遅延させればよいので、第一の経路46に配設され、電子励起時間に満たない所定遅延時間だけ第二のパルスレーザー光線LB2に対して第一のパルスレーザー光線LB1を遅延させるようにしてもよい。
図示の実施形態における第二のビームスプリッター54は、入射したパルスレーザー光線LBのうちP偏光成分を透過させると共に、入射したパルスレーザー光線LBのうちS偏光成分を反射して光路を変換するようになっている。第二のビームスプリッター54に対しても偏光面がP偏光である第一のパルスレーザー光線LB1は第二のビームスプリッター54を透過し、第二のビームスプリッター54に対しても偏光面がS偏光である第二のパルスレーザー光線LB2は第二のビームスプリッター54で反射して光路が変換され、したがって第二のビームスプリッター54によって第一の光路46と第二の光路48とが合流される。そして、第一のパルスレーザー光線LB1が集光レンズ42aで集光されて被加工物に照射されると共に、第一のパルスレーザー光線LB1に対して電子励起時間に満たない所定遅延時間だけ遅延して第二のパルスレーザー光線LB2が集光レンズ42aで集光されて被加工物に照射される。すなわち、レーザー光線照射手段10は、被加工物に第一のパルスレーザー光線LB1を照射して発生する電子励起の時間内に次の第二のパルスレーザー光線LB2を被加工物に照射可能になっている。
発振器44が発振するパルスレーザー光線LBの繰り返し周波数は、第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2とを被加工物に照射した後に被加工物に生じる熱が放出する時間で1秒を除した値以下に設定されるのが好都合である。たとえば、レーザー光線の照射によって被加工物に生じる熱が放出する時間(以下「熱放出時間」という。)が約1μs(1×10−6秒)であるサファイアが被加工物である場合、サファイアの熱放出時間1μsで1秒を除した値は1×10となるため、発振器44が発振するパルスレーザー光線LBの繰り返し周波数は1MHz(1×10Hz)以下に設定されるのが好ましい。このように繰り返し周波数が設定されることで、レーザー光線照射手段10は、第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2とを被加工物に照射した後、熱放出時間以上の時間を空けて次の第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2を被加工物に照射することになる。これによって、レーザー加工による熱影響を被加工物に与えることが抑制され、レーザー加工の品質の向上が図られる。
図3に示す円盤状のウエーハ70の表面70aは、格子状の分割予定ライン72によって複数の矩形領域に区画され、複数の矩形領域のそれぞれにはIC、LSI等のデバイス74が形成されている。図示の実施形態では、周縁が環状フレーム76に固定された粘着テープ78にウエーハ70の裏面が貼り付けられている。なお、ウエーハ70の表面70aが粘着テープ78に貼り付けられていてもよい。
レーザー加工装置2を用いてウエーハ70にレーザー加工を施す際は、まず、ウエーハ70の表面70aを上に向けてチャックテーブル22の上面にウエーハ70を保持させると共に、環状フレーム76の外周縁部を複数のクランプ26で固定するウエーハ保持工程を実施する。次いで、撮像手段12で上方からウエーハ70を撮像し、撮像手段12で撮像したウエーハ70の画像に基づいて、移動手段8でチャックテーブル22を移動及び回転させることにより格子状の分割予定ライン72をX方向及びY方向に整合させるアライメント工程を実施する。次いで、X方向に整合させた分割予定ライン72の片端部の上方に集光器42を位置づけ、集光点位置調整手段で集光器42を昇降させることにより集光点の上下方向位置を調整する集光点位置調整工程を実施する。なお、集光点の直径は、φ1〜20μm等、加工の種類に応じて適宜決定される。
次いで、ウエーハ70にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間より短いパルス幅を有する第一のパルスレーザー光線LB1を照射する第一の照射工程と、ウエーハ70の電子励起時間内に次の第二のパルスレーザー光線LB2を照射する第二の照射工程とを実施する。上述のとおりレーザー加工装置2においては、発振器44が発振するパルスレーザー光線LBのパルス幅が被加工物の電子励起時間よりも短く設定されていると共に、被加工物に第一のパルスレーザー光線LB1を照射して発生する電子励起の時間内に次の第二のパルスレーザー光線LB2を被加工物に照射可能になっているので、レーザー加工装置2を用いることにより第一の照射工程と第二の照射工程とを実施することができる。第一の照射工程と第二の照射工程とを実施することで、ウエーハ70を構成する原子を取り巻く電子が第一のパルスレーザー光線LB1で活性化された状態で次の第二のパルスレーザー光線LB2が照射され加工が促進してレーザー加工の品質の向上が図られる。たとえば、ウエーハ70に対して透過性を有するレーザー光線を照射して分割予定ライン72の内部に改質層を形成する改質層形成加工を行う場合において、第一の照射工程と第二の照射工程とを実施することによりレーザー光線の入射方向において分割予定ライン72の内部に比較的長い改質層を形成することができる。最初の第一の照射工程と第二の照射工程とを実施した後は、図3に示すとおり、集光点に対してチャックテーブル22を所定の加工送り速度(たとえば500mm/sでよいが、繰り返し周波数を考慮して適宜決定される。)でX方向移動手段28によってX方向に加工送りしながら、第一の照射工程と第二の照射工程とを交互に繰り返す分割加工を分割予定ライン72に沿って実施する。分割加工は、分割予定ライン72の間隔の分だけ集光点に対してチャックテーブル22をY方向移動手段30によってY方向にインデックス送りしつつ、X方向に整合させた分割予定ライン72のすべてに施す。また、回転手段によってチャックテーブル22を90度回転させた上で、インデックス送りしつつ分割加工を行い、先に分割加工を施した分割予定ライン72と直交する分割予定ライン72のすべてにも分割加工を施す。これによって、加工品質が向上したレーザー加工によってウエーハ70を個々のデバイス74に分割することができる。
分割加工を施す際は、発振器44が発振するパルスレーザー光線LBの繰り返し周波数を、第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2とをウエーハ70に照射した後にウエーハ70に生じる熱が放出する時間で1秒を除した値以下に設定することによって、第一の照射工程と第二の照射工程とを実施した後、ウエーハ70に生じる熱が放出する時間以上の時間を空けて次の第一の照射工程と第二の照射工程とを実施するのが好都合である。これによって、レーザー加工による熱影響をウエーハ70に与えることが抑制され、レーザー加工の品質の向上が図られる。
次に、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の第二の実施形態について図3及び図4を参照しつつ説明する。なお、第二の実施形態では、第一の実施形態と同一の構成要素に同一符号を付しその説明を省略する。
図4に示すとおり、レーザー加工装置80のレーザー光線照射手段82は、発振器44と、第一のビームスプリッター50と、第二のビームスプリッター54とを含み、発振器44から発振されたパルスレーザー光線LBが第一のビームスプリッター50によって分岐されて第一のパルスレーザー光線LB1が導かれる第一の光路84と、発振器44から発振されたパルスレーザー光線LBが第一のビームスプリッター50によって分岐されて第二のパルスレーザー光線LB2が導かれる第二の光路86とが同材質の光ファイバーから形成されている。レーザー光線照射手段82では、第二の光路86の光路長が第一の光路84の光路長よりも所定長さだけ長く形成されており、第一のパルスレーザー光線LB1が第一の光路84を通過すると共に第二のパルスレーザー光線LB2が第二の光路86を通過すると、電子励起時間に満たない所定遅延時間だけ第一のパルスレーザー光線LB1に対して第二のパルスレーザー光線LB2が遅延するようになっている。したがって第二の実施形態では、第一の光路84よりも所定長さだけ長く形成された第二の光路86により光遅延光学体が構成されている。第一の光路84と第二の光路86との光路長差は遅延時間により決定される。たとえば、電子励起時間が約8psであるサファイアが被加工物であるとき遅延時間は約4psに設定されるのが好適であり、4psの遅延時間を生じさせるためには、光ファイバーの屈折率が1.5の場合、第一の光路84と第二の光路86との光路長差は約2.5mmとなる。なお、電子励起時間に満たない所定遅延時間だけ第二のパルスレーザー光線LB2に対して第一のパルスレーザー光線LB1を遅延させるように、第一の光路84が第二の光路86よりも所定長さだけ長く形成されていてもよい。また、第二の実施形態では図4に示すとおり、レーザー光線照射手段82は、更に、アッテネーター56と、1/2波長板58と、コリメートレンズ88と、ミラー90とを含む。
第一のパルスレーザー光線LB1は、第一の光路84及び第二のビームスプリッター54を通過した後、コリメートレンズ88で平行光に変換され、次いでミラー90で光路が変換され、そして集光レンズ42aで集光されて被加工物に照射される。また、第二のパルスレーザー光線LB2は、第二の光路86を通過し、第一のパルスレーザー光線LB1に対して電子励起時間に満たない所定遅延時間だけ遅延して第二のビームスプリッター54を通過した後、コリメートレンズ88で平行光に変換され、次いでミラー90で光路が変換され、そして集光レンズ42aで集光されて被加工物に照射される。すなわち、レーザー光線照射手段82は、被加工物に第一のパルスレーザー光線LB1を照射して発生する電子励起の時間内に次の第二のパルスレーザー光線LB2を被加工物に照射可能になっている。
レーザー加工装置80を用いてウエーハ70にレーザー加工を施す際は、第一の実施形態と同様に、まずウエーハ保持工程を実施し、次いでアライメント工程を実施した後、集光点位置調整工程を実施する。次いで、ウエーハ70にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間より短いパルス幅を有する第一のパルスレーザー光線LB1を照射する第一の照射工程と、ウエーハ70の電子励起時間内に次の第二のパルスレーザー光線LB2を照射する第二の照射工程とを実施する。上述のとおりレーザー加工装置80においては、発振器44が発振するパルスレーザー光線LBのパルス幅が被加工物の電子励起時間よりも短く設定されていると共に、被加工物に第一のパルスレーザー光線LB1を照射して発生する電子励起の時間内に次の第二のパルスレーザー光線LB2を被加工物に照射可能になっているので、レーザー加工装置80を用いることにより第一の照射工程と第二の照射工程とを実施することができる。第一の照射工程と第二の照射工程とを実施することで、ウエーハ70を構成する原子を取り巻く電子が第一のパルスレーザー光線LB1で活性化された状態で次の第二のパルスレーザー光線LB2が照射され加工が促進してレーザー加工の品質の向上が図られる。最初の第一の照射工程と第二の照射工程とを実施した後は、図3に示すとおり、集光点に対してチャックテーブル22を所定の加工送り速度(たとえば500mm/sでよいが、繰り返し周波数を考慮して適宜決定される。)でX方向移動手段28によってX方向に加工送りしながら、第一の照射工程と第二の照射工程とを交互に繰り返す分割加工を分割予定ライン72に沿って実施する。分割加工は、分割予定ライン72の間隔の分だけ集光点に対してチャックテーブル22をY方向移動手段30によってY方向にインデックス送りしつつ、X方向に整合させた分割予定ライン72のすべてに施す。また、回転手段によってチャックテーブル22を90度回転させた上で、インデックス送りしつつ分割加工を行い、先に分割加工を施した分割予定ライン72と直交する分割予定ライン72のすべてにも分割加工を施す。これによって、加工品質が向上したレーザー加工によってウエーハ70を個々のデバイス74に分割することができる。
第二の実施形態においても、分割加工を施す際は、発振器44が発振するパルスレーザー光線LBの繰り返し周波数を、第一のパルスレーザー光線LB1と第二のパルスレーザー光線LB2とをウエーハ70に照射した後にウエーハ70に生じる熱が放出する時間で1秒を除した値以下に設定することによって、第一の照射工程と第二の照射工程とを実施した後、ウエーハ70に生じる熱が放出する時間以上の時間を空けて次の第一の照射工程と第二の照射工程とを実施するのが好都合である。これによって、レーザー加工による熱影響をウエーハ70に与えることが抑制され、レーザー加工の品質の向上が図られる。
なお、電子励起時間及び熱放出時間は被加工物によって異なり、たとえば、サファイア(Al)、シリコン(Si)、リチウムタンタレート(LiTaO)、リチウムナイオベート(LiNbO)及び銅(Cu)のそれぞれの電子励起時間及び熱放出時間は以下のとおりである。
被加工物 電子励起時間 熱放出時間
サファイア 8ps 1μs
シリコン 20ps 5μs
リチウムタンタレート 50ps 50μs
リチウムナイオベート 50ps 50μs
銅 20ps 5μs
2:レーザー加工装置
6:保持手段
10:レーザー光線照射手段(第一の実施形態)
42:集光器
42a:集光レンズ
44:発振器
46:第一の光路
48:第二の光路
50:第一のビームスプリッター
52:光遅延光学体
54:第二のビームスプリッター
58:1/2波長板
60:第一のミラー
62:第二のミラー
LB:パルスレーザー光線
LB1:第一のパルスレーザー光線
LB2:第二のパルスレーザー光線
80:レーザー加工装置(第二の実施形態)
82:レーザー光線照射手段
84:第一の光路(光ファイバー)
86:第二の光路(光ファイバー)

Claims (4)

  1. 被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を含むレーザー加工装置であって、
    該レーザー光線照射手段は、
    被加工物にレーザー光線を照射することによって生じる電子励起の時間よりも短いパルス幅を有するパルスレーザー光線を発振する発振器と、
    該発振器が発振したパルスレーザー光線を分岐して第一の光路に第一のパルスレーザー光線を導くと共に第二の光路に第二のパルスレーザー光線を導く第一のビームスプリッターと、
    該第一の光路または該第二の光路に配設され該電子励起時間に満たない時間だけ第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との一方に対して第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線との他方を相対的に遅延させる光遅延光学体と、
    該第一の光路と該第二の光路とを合流させる第二のビームスプリッターと、
    該第二のビームスプリッターによって合流した第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線を該保持手段に保持された被加工物に照射する集光器と、
    を少なくとも備えたレーザー加工装置。
  2. 該第一の光路を直角に曲げて該第二のビームスプリッターに第一のパルスレーザー光線を導く第一のミラーと、
    該第二の光路を直角に曲げて該第二のビームスプリッターに第二のパルスレーザー光線を導く第二のミラーと、を備える請求項1記載のレーザー加工装置。
  3. 該発振器と該第一のビームスプリッターとの間に、1/2波長板が配設され、第一のパルスレーザー光線と第二のパルスレーザー光線の光量が調整される請求項1記載のレーザー加工装置。
  4. 該発振器が発振するパルスレーザー光線の繰り返し周波数は、該第一のパルスレーザー光線と該第二のパルスレーザー光線を照射した後に生じる熱が放出する時間で1秒を除した値以下に設定される請求項1記載のレーザー加工装置。
JP2017047590A 2017-03-13 2017-03-13 レーザー加工装置 Active JP6802094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017047590A JP6802094B2 (ja) 2017-03-13 2017-03-13 レーザー加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017047590A JP6802094B2 (ja) 2017-03-13 2017-03-13 レーザー加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018149572A true JP2018149572A (ja) 2018-09-27
JP6802094B2 JP6802094B2 (ja) 2020-12-16

Family

ID=63679831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017047590A Active JP6802094B2 (ja) 2017-03-13 2017-03-13 レーザー加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6802094B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008504964A (ja) * 2004-06-30 2008-02-21 ジーエスアイ ルモニクス コーポレーション ターゲット表面材料を加工するレーザベース方法およびシステム並びにその製造物
JP2010142862A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Cyber Laser Kk 誘電体材料表面のナノ周期構造形成方法
JP2012240082A (ja) * 2011-05-19 2012-12-10 Disco Corp レーザー加工方法およびレーザー加工装置
JP2013035048A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Disco Corp レーザー加工装置
JP2013539911A (ja) * 2010-09-21 2013-10-28 中国科学院理化技術研究所 レーザマイクロ・ナノ加工システム及び方法
JP2016002569A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社ディスコ レーザー加工装置
JP2016072273A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法
WO2016193786A1 (en) * 2015-06-01 2016-12-08 Evana Technologies, Uab Method of laser scribing of semiconductor workpiece using divided laser beams

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008504964A (ja) * 2004-06-30 2008-02-21 ジーエスアイ ルモニクス コーポレーション ターゲット表面材料を加工するレーザベース方法およびシステム並びにその製造物
JP2010142862A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Cyber Laser Kk 誘電体材料表面のナノ周期構造形成方法
JP2013539911A (ja) * 2010-09-21 2013-10-28 中国科学院理化技術研究所 レーザマイクロ・ナノ加工システム及び方法
JP2012240082A (ja) * 2011-05-19 2012-12-10 Disco Corp レーザー加工方法およびレーザー加工装置
JP2013035048A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Disco Corp レーザー加工装置
JP2016002569A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社ディスコ レーザー加工装置
JP2016072273A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法
WO2016193786A1 (en) * 2015-06-01 2016-12-08 Evana Technologies, Uab Method of laser scribing of semiconductor workpiece using divided laser beams

Also Published As

Publication number Publication date
JP6802094B2 (ja) 2020-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5473414B2 (ja) レーザ加工装置
JP2016129203A (ja) ウエーハの加工方法
JP2014104484A (ja) レーザー加工装置
JP6320261B2 (ja) ウエーハの加工方法
KR102662458B1 (ko) 레이저 가공 장치
JP2010089094A (ja) レーザ加工装置
JP2010158691A (ja) レーザー加工装置
JP5528015B2 (ja) レーザ加工装置
JP6802093B2 (ja) レーザー加工方法およびレーザー加工装置
JP7039238B2 (ja) レーザー照射機構
TW201113943A (en) Device processing method
TWI780161B (zh) 雷射加工裝置及雷射加工方法
JP2019013962A (ja) レーザー加工装置
JP6802094B2 (ja) レーザー加工装置
JP6781650B2 (ja) レーザー加工装置
KR102391850B1 (ko) 레이저 가공 장치
JP6308913B2 (ja) ウエーハの加工方法
JP6600237B2 (ja) ウエーハの分割方法とレーザ加工装置
TW202402434A (zh) 晶圓的加工方法以及晶圓的加工裝置
JP6625852B2 (ja) レーザー加工装置
JP2016054203A (ja) ウエーハの加工方法
JP2020049491A (ja) レーザー加工装置及びレーザー加工方法
JP2016072276A (ja) ウエーハの加工方法
JP2016072275A (ja) ウエーハの加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6802094

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250