JP5528015B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的に被加工物を加工するレーザ加工装置に関し、特に、半導体ウエーハの分割予定ラインに沿ってレーザビームを照射して半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成するレーザ加工装置に関する。
半導体デバイス製造プロセスにおいては、略円板形状であるシリコンウエーハ、ガリウム砒素ウエーハ等の半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、区画された各領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハは切削装置又はレーザ加工装置によって個々のデバイスに分割され、分割されたデバイスは携帯電話、パソコン等の各種電気機器に広く利用されている。
切削装置としては一般にダイシング装置と呼ばれる切削装置が用いられており、この切削装置ではダイアモンドやCBN等の超砥粒をメタルやレジンで固めて厚さ30〜300μm程度とした切削ブレードが約30000rpmと高速回転しつつ半導体ウエーハへ切り込むことで切削が遂行される。
一方、レーザ加工装置は、半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハにパルスレーザビームを照射するレーザビーム照射手段と、該チャックテーブルと該レーザビーム照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段とを少なくとも備えていて、半導体ウエーハの表面に形成された分割予定ラインに沿って半導体ウエーハに対して吸収性を有する波長のパルスレーザビームを照射してレーザ加工溝を形成し、次いで外力を付与してレーザ加工溝に沿って半導体ウエーハを破断して個々のデバイスに分割する(例えば、特開2007−19252号公報参照)。
特開2007−19252号公報
しかし、切削ブレードを備えたダイシング装置によって半導体ウエーハを切削して形成したデバイスの抗折強度が800MPaであるのに対して、従来のレーザ加工方法によって形成したデバイスの抗折強度は400MPaと低く、電気機器の品質の低下を招くという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、抗折強度の高いデバイスを製造可能なレーザ加工装置を提供することである。
本発明によると、レーザ加工装置であって、半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハにレーザビームを照射するレーザビーム照射手段と、該チャックテーブルと該レーザビーム照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段とを具備し、該レーザビーム照射手段は、第1のレーザビームを発生する第1のレーザビーム発生ユニットと、第1のレーザビームの光路と平行な光路に第2のレーザビームを発生する第2のレーザビーム発生ユニットと、第1のレーザビームを直角方向に反射するミラーと、該ミラーで反射された第1のレーザビームと該第2のレーザビーム発生ユニットとから発生された第2のレーザビームが交差する位置に配置された偏光ビームスプリッタと、該偏光ビームスプリッタを透過した第1のレーザビーム及び該偏光ビームスプリッタで反射された第2のレーザビームを、前記チャックテーブルに保持された半導体ウエーハ上に集光する集光レンズと、該ミラーと該偏光ビームスプリッタとの間に挿入された第1の1/2波長板と、該第2のレーザビーム発生ユニットと該偏光ビームスプリッタとの間に挿入された第2の1/2波長板と、を含み、該第1の1/2波長板を回転制御することにより、該集光レンズによって集光される第1のレーザビームのピークエネルギー密度を調整し、該第2の1/2波長板を回転制御することにより、該集光レンズによって集光される第2のレーザビームのピークエネルギー密度を5〜200GW/cmの範囲の所定値に調整し、第1のレーザビームで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成し、パルス幅が2ns以下で且つピークエネルギー密度が該所定値に調整された第2のレーザビームで該レーザ加工溝に仕上げ加工を施すことを特徴とするレーザ加工装置が提供される。
好ましくは、該第1のレーザビーム発生ユニットから発生される該第1のレーザビームは、該偏光ビームスプリッタの偏光分離膜に対してP偏光の直線偏光ビームであり、該第2のレーザビーム発生ユニットから発生される該第2のレーザビームは、該偏光分離膜の該偏光分離膜に対してS偏光の直線偏光ビームである。
本発明のレーザ加工装置によると、第1のレーザビームを半導体ウエーハの分割予定ラインに照射して熱加工を施すので、比較的深い溝が形成され効率良くウエーハを個々のデバイスに分割できるとともに、第2のレーザビームを第1のレーザビームにより形成された溝に照射して非熱加工を施して溝の側壁から熱歪層を除去するので、分割された個々のデバイスの抗折強度を向上することができる。
本発明実施形態のレーザ加工装置の外観斜視図である。 粘着テープを介して環状フレームにより支持された半導体ウエーハの斜視図である。 第1及び第2のレーザビーム発生ユニットのブロック図である。 レーザビーム照射ユニットの構成図である。 レーザ加工溝形成工程の説明図である。 図6(A)は第1のレーザビームによるレーザ加工工程の説明図、図6(B)は第2のレーザビームによるレーザ加工工程の説明図である。 分割装置の斜視図である。 半導体ウエーハ分割工程の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態のレーザ加工装置の外観斜視図が示している。レーザ加工装置2は、静止基台4上にX軸方向に移動可能に搭載された第1スライドブロック6を含んでいる。
第1スライドブロック6は、ボールねじ8及びパルスモータ10から構成される加工送り手段12により一対のガイドレール14に沿って加工送り方向、即ちX軸方向に移動される。
第1スライドブロック6上には第2スライドブロック16がY軸方向に移動可能に搭載されている。すなわち、第2スライドブロック16はボールねじ18及びパルスモータ20から構成される割り出し送り手段22により一対のガイドレール24に沿って割り出し方向、すなわちY軸方向に移動される。
第2スライドブロック16上には円筒支持部材26を介してチャックテーブル28が搭載されており、チャックテーブル28は加工送り手段12及び割り出し送り手段22によりX軸方向及びY軸方向に移動可能である。チャックテーブル28には、チャックテーブル28に吸引保持された半導体ウエーハをクランプするクランパ30が設けられている。
静止基台4にはコラム32が立設されており、このコラム32にレーザビーム照射ユニット34が取り付けられている。レーザビーム照射ユニット34は、ケーシング33中に収容された図4に示す第1及び第2のレーザビーム発生ユニット35A,35Bと、光学系36と、ケーシング33の先端に取り付けられた集光器37とを含んでいる。
第1のレーザビーム発生ユニット35Aは、図3(A)に示すように、YAGレーザ又はYVO4レーザを発振するレーザ発振器62aと、繰り返し周波数設定手段64aと、パルス幅調整手段66aと、パワー調整手段68aとを含んでいる。特に図示しないが、レーザ発振器62aはブリュースター窓を有しており、レーザ発振器62aから出射するレーザビームは直線偏光のレーザビームである。
第2のレーザビーム発生ユニット35Bは、図3(B)に示すように、YAGレーザ又はYVO4レーザを発振するレーザ発振器62bと、繰り返し周波数設定手段64bと、パルス幅調整手段66bと、パワー調整手段68bとを含んでいる。特に図示しないが、レーザ発振器62bはブリュースター窓を有しており、レーザ発振器62bから出射するレーザビームは直線偏光のレーザビームである。
第1及び第2のレーザビーム発生ユニット35A,35Bのパワー調整手段68a,68bにより所定パワーに調整されたレーザビームは、図4に示すレーザビーム照射ユニット34の光学系36に導かれる。
第1のレーザビーム発生ユニット35Aから発生された第1のレーザビームLB1は、ミラー70により直角方向に反射される。ミラー70により反射された第1のレーザビームLB1と、第2のレーザビーム発生ユニット35Bから発生された第2のレーザビームLB2が交差する位置に偏光ビームスプリッタ74が配置されている。
好ましくは、第1のレーザビーム発生ユニット35Aは、偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対してP偏光の偏光面を有する第1のレーザビームLB1を発生し、第2のレーザビーム発生ユニット35Bは、偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対してS偏光の偏光面を有する第2のレーザビームLB2を発生する。
ミラー70と偏光ビームスプリッタ74との間には、第1の1/2波長板76が挿入されている。第1の1/2波長板76は回転手段78に連結されている。第2のレーザビーム発生ユニット35Bと偏光ビームスプリッタ74との間には、第2の1/2波長板80が挿入されている。第2の1/2波長板80は回転手段82に連結されている。
一般的に1/2波長板は、入射光の偏光面に対して1/2波長板の光学軸が角度θであるとき、出射光の偏光面を180度−2θだけ回転させる。よって、回転手段78,82により第1の1/2波長板76及び第2の1/2波長板80を角度αだけそれぞれ回転させると、出射光の偏光面は2αだけ回転する。
好ましい実施形態では、第1のレーザビーム発生ユニット35Aから発生された第1のレーザビームLB1はP偏光の偏光面を有し、第2のレーザビーム発生ユニット35Bから発生された第2のレーザビームLB2はS偏光の偏光面を有しているので、第1のレーザビームLB1は偏光ビームスプリッタ74を透過し、第2のレーザビームLB2は偏光ビームスプリッタ74で反射される。
偏光ビームスプリッタ74を透過した第1のレーザビームLB1及び偏光ビームスプリッタ74で反射された第2のレーザビームLB2は、集光器37の集光レンズ38によりチャックテーブル28に保持された半導体ウエーハW上に集光される。
本実施形態の場合、第1のレーザビームLB1はその殆どの成分がP偏光であり、第2のレーザビームLB2はその殆どの成分がS偏光であるため、第1の1/2波長板76及び第2の1/2波長板80は微調整用として使用される。
即ち、回転手段78により第1の1/2波長板76を回転することにより、偏光ビームスプリッタ74の分岐比を調整し、回転手段82により第2の1/2波長板80を回転することにより、偏光ビームスプリッタ74の分岐比を調整する。
偏光ビームスプリッタ74で反射された第1のレーザビームLB1のS偏光成分及び偏光ビームスプリッタ74を透過した第2のレーザビームLB2のP偏光成分はビームダンパー84に吸収される。
一方、第1のレーザビーム発生ユニット35Aから発生される第1のレーザビームLB1が単なる直線偏光のレーザビームであり、第2のレーザビーム発生ユニット35Bから発生される第2のレーザビームLB2も単なる直線偏光のレーザビームである場合には、第1の1/2波長板76及び第2の1/2波長板80は偏光面の回転のために積極的に回転制御される。
即ち、回転手段78により第1の1/2波長板76を適当に回転して、第1のレーザビームLB1の偏光面を偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対してP偏光の偏光面となるように回転する。
また、回転手段82により第2の1/2波長板80を適当に回転して、第2のレーザビーム発生ユニット35Bから発生された第2のレーザビームLB2の偏光面を偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対してS偏光の偏光面となるように回転する。
これにより、第1のレーザビームLB1はその殆どの偏光成分が偏光ビームスプリッタ74を透過し、第2のレーザビームLB2はその殆どの偏光成分が偏光ビームスプリッタ74により反射される。
ミラー70は移動手段72により矢印A方向、即ち第1のレーザビーム発生ユニット35Aから発生された第1のレーザビームLB1の光路と平行な方向に移動可能である。ウエーハWに照射される第1のレーザビームLB1と第2のレーザビームLB2との間隔は、ミラー70を移動手段72により矢印A方向に移動することにより調整可能である。
再び図1を参照すると、ケーシング33の先端部には、集光器37とX軸方向に整列してレーザ加工すべき加工領域を検出する撮像手段39が配設されている。撮像手段39は、可視光によって半導体ウエーハの加工領域を撮像する通常のCCD等の撮像素子を含んでいる。
撮像手段39は更に、半導体ウエーハに赤外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線照射手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、この光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する赤外線CCD等の赤外線撮像素子から構成される赤外線撮像手段を含んでおり、撮像した画像信号はコントローラ(制御手段)40に送信される。
コントローラ40はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)42と、制御プログラム等を格納するリードオンリーメモリ(ROM)44と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)46と、カウンタ48と、入力インターフェイス50と、出力インターフェイス52とを備えている。
56は案内レール14に沿って配設されたリニアスケール54と、第1スライドブロック6に配設された図示しない読み取りヘッドとから構成される加工送り量検出手段であり、加工送り量検出手段56の検出信号はコントローラ40の入力エンターフェイス50に入力される。
60はガイドレール24に沿って配設されたリニアスケール58と第2スライドブロック16に配設された図示しない読み取りヘッドとから構成される割り出し送り量検出手段であり、割り出し送り量検出手段60の検出信号はコントローラ40の入力インターフェイス50に入力される。
撮像手段39で撮像した画像信号もコントローラ40の入力インターフェイス50に入力される。一方、コントローラ40の出力インターフェイス52からはパルスモータ10、パルスモータ20、レーザビーム照射ユニット34等に制御信号が出力される。
図2に示すように、レーザ加工装置2の加工対象である半導体ウエーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2のストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画された領域に多数のデバイスDが形成されている。
ウエーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハWはダイシングテープTを介して環状フレームFに支持された状態となり、図1に示すクランパ30により環状フレームFをクランプすることによりチャックテーブル28上に支持固定される。
本発明のレーザ加工装置2では、第1のレーザビームLB1により半導体ウエーハWの分割予定ラインに沿って溝加工を行い、第2のレーザビームLB2により第1のレーザビームLB1により形成されたレーザ加工溝の仕上げ加工を行う。
よって、レーザ加工溝の形成を効率良く行い、半導体ウエーハWから分割されたデバイスDの抗折強度を十分高くするためには、第1のレーザビームLB1のピークエネルギー密度と第2のレーザビームLB2のピークエネルギー密度を所定範囲内に設定する必要がある。
本発明のレーザ加工装置2による半導体ウエーハのレーザ加工方法では、半導体ウエーハWを分割して得られるデバイスの抗折強度の向上が主な目的であるため、デバイスの抗折強度が800MPa以上となる加工条件を調べるために以下の実験を行った。
波長1064nm、532nm、355nmの各レーザビームについてパルス幅を30ns、10ns、5ns、3ns、2ns、1ns、100ps、50ps、10psと変化させるとともに、各パルス幅において出力を変化させて所望のレーザ加工が施される1パルス当たりのエネルギーを実験で求め、そのエネルギーをパルス幅で割り算するとともに、スポットの面積で割り算してピークエネルギー密度を算出し、パルス幅とピークエネルギー密度と抗折強度との関係を調べた。
ここで、ピークエネルギー密度(W/cm)=平均出力(W)/(繰り返し周波数(Hz)×スポット面積(cm)×パルス幅(s))の関係がある。その結果、波長1064nm、532nm、355nmの各レーザビームについてほとんど同様の以下の結果が得られた。
(実験1) 繰り返し周波数:10kHz、平均出力:0.1W、パルス幅:2ns、スポット径:φ10μm、送り速度:10mm/s、ピークエネルギー密度:6.35GW/cmで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成してから個々のデバイスに分割し、デバイスの抗折強度を測定したところ800MPaであった。
(実験2) 繰り返し周波数:100kHz、平均出力:0.1W、パルス幅:10ps、スポット径:φ10μm、送り速度:100mm/s、ピークエネルギー密度:63.66GW/cmで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成してから個々のデバイスに分割し、デバイスの抗折強度を測定したところ1800MPaであった。
(実験3) 繰り返し周波数:100kHz、平均出力:0.3W、パルス幅:10ps、スポット径:φ10μm、送り速度:100mm/s、ピークエネルギー密度:190.9GW/cmで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成してから個々のデバイスに分割し、デバイスの抗折強度を測定したところ1000MPaであった。
(実験4) 繰り返し周波数:100kHz、平均出力:0.4W、パルス幅:10ps、スポット径:φ10μm、送り速度:100mm/s、ピークエネルギー密度:254.6GW/cmで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成してから個々のデバイスに分割し、デバイスの抗折強度を測定したところ500MPaであった。
(実験5) 繰り返し周波数:10kHz、平均出力:7W、パルス幅:30ns、スポット径:φ10μm、送り速度:100mm/s、ピークエネルギー密度:29.6GW/cmで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成してから個々のデバイスに分割し、デバイスの抗折強度を測定したところ400MPaであった。しかし、良好な分割溝を形成することができた。
実験1〜実験3の結果から、パルス幅が2ns以下でピークエネルギー密度が5〜200GW/cmのレーザビームを半導体ウエーハWの分割予定ラインに照射してレーザ加工溝を形成し、分割装置で半導体ウエーハWをレーザ加工溝に沿って分割してデバイスを形成すると、800MPa以上の抗折強度が得られることから、このレーザビームは仕上げ加工に適していることがわかった。しかし、形成される溝の深さが5〜10μmと不十分であり、溝加工には適さないことが判明した。
実験4の結果から、ピークエネルギー密度が250GW/cm以上のレーザビームを半導体ウエーハWの分割予定ラインに照射してレーザ加工溝を形成し、分割装置によってレーザ加工溝に沿って半導体ウエーハWを分割してデバイスを形成すると、抗折強度が許容値より低下することから仕上げ加工には適さないことが分かった。しかし、形成される溝の深さが30〜60μmと十分深いため、このレーザビームは溝加工に適していることが判明した。
実験5の結果から、ピークエネルギー密度は29.6GW/cmと低いが、パルス幅が30nsと大きいレーザビームを半導体ウエーハWの分割予定ラインに照射してレーザ加工溝を形成し、分割装置によってレーザ加工溝に沿って半導体ウエーハを分割してデバイスを形成すると、抗折強度は許容値より低下しているが、形成される溝の深さが30〜60μmと十分深いため、このレーザビームは溝加工に適していることが判明した。
以下、図4乃至図8を参照して、レーザ加工装置2を使用した半導体ウエーハWの好ましいレーザ加工方法について詳細に説明する。図4及び図5に示すように、第1のレーザビーム発生ユニット35Aからは半導体ウエーハWに対して吸収性を有する波長で且つ偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対してP偏光の偏光面を有する第1のレーザビームLB1が発生される。
一方、第2のレーザビーム発生ユニット35Bからは、半導体ウエーハWに対して吸収性を有する波長で且つ偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対してS偏光の偏光面を有する第2のレーザビームLB2が発生される。
第1のレーザビームLB1は偏光ビームスプリッタ74を透過し、第2のレーザビームLB2は偏光ビームスプリッタ74で反射されて集光器37の集光レンズ38で半導体ウエーハWの表面に集光される。
よって、図4及び図5に示すように、第1のレーザビームLB1及び第2のレーザビームLB2を集光器37で集光して半導体ウエーハWの表面に照射しつつ、チャックテーブル28を矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動させる。
その結果、半導体ウエーハWには、図6(A)に示すようにストリートS1に沿ってレーザ加工溝95が形成され、その直後に図6(B)に示すように、第2のレーザビームLB2によりレーザ加工溝95の側壁から熱歪層を除去する仕上げ加工を施して、レーザ加工溝96が形成される。
全ての第1のストリートS1に沿ってレーザ加工溝96を形成したら、チャックテーブル28を90度回転する。次いで、第1のストリートS1と直交する全ての第2のストリートS2に沿って同様なレーザ加工溝96を形成する。その結果、半導体ウエーハWには全てのストリートS1,S2に沿ってレーザ加工溝96が形成される。
尚、第1のレーザビーム発生ユニット35Aの好ましいレーザ加工条件は例えば以下のとおりである。
光源 :YAGパルスレーザ又はYVO4パルスレーザ
波長 :355nm
平均出力 :7W
パルス幅 :30ns
繰り返し周波数 :10kHz
スポット径 :φ10μm
送り速度 :100mm/s
一方、第2のレーザビーム発生ユニット35Bの好ましいレーザ加工条件は以下のとおりである。
光源 :YAGパルスレーザ又はYVO4パルスレーザ
波長 :355nm
平均出力 :0.1W
パルス幅 :10ps
繰り返し周波数 :100kHz
スポット径 :φ10μm
送り速度 :100mm/s
次に、図4を参照して、最適なレーザ加工条件を得るための光学系36の作用について説明する。第1のレーザビーム発生ユニット35Aからは、上述した加工条件である平均出力7Wの偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対するP偏光の偏光面を有する第1のレーザビームLB1が出射される。
第2のレーザビーム発生ユニット35Bからは、上述した加工条件である平均出力0.1Wの偏光ビームスプリッタ74の偏光分離膜に対するS偏光の偏光面を有する第2のレーザビームLB2が出射される。
第1のレーザビームLB1は偏光ビームスプリッタ74を透過して、集光器37により半導体ウエーハW上に集光される。一方、第2のレーザビームLB2は偏光ビームスプリッタ74で反射されて、集光器37により半導体ウエーハW上に集光される。
第1のレーザビームLB1は実験5の加工条件と同様であるため、仕上げ加工には適していないが溝加工には適している。一方、第2のレーザビームLB2は実験2の加工条件と同様であるため、抗折強度の高いデバイスを形成する仕上げ加工に適している。
よって、7Wの第1のレーザビームLB1で半導体ウエーハWに溝加工を施しながら、0.1Wの第2のレーザビームLB2で仕上げ加工を施すようにして、半導体ウエーハWの全てのストリートS1,S2に沿って仕上げ加工されたレーザ加工溝96を形成する。
レーザ加工中において、第1の1/2波長板76を回転手段78で回転制御することにより、集光レンズ38によって集光される第1のレーザビームLB1のピークエネルギー密度を微調整し、第2の1/2波長板80を回転手段82で回転制御することにより、集光レンズ38によって集光される第2のレーザビームLB2のピークエネルギー密度を微調整する。
また、半導体ウエーハWに照射される第1のレーザビームLB1と第2のレーザビームLB2との間隔を調整したい場合には、ミラー70を移動手段72により矢印A方向に移動することにより、第1のレーザビームLB1と第2のレーザビームLB2との間隔を所望の値、例えば20μm〜100μmに調整することができる。
このように全てのストリートS1,S2に沿ってレーザ加工溝96を形成したならば、次に図7に示すような分割装置100を使用して半導体ウエーハWをレーザ加工溝96に沿って個々のチップに分割するウエーハ分割工程を実施する。
図7に示す分割装置100は、環状フレームFを保持するフレーム保持手段102と、フレーム保持手段102に保持された環状フレームFに装着された粘着テープTを拡張するテープ拡張手段104を具備している。
フレーム保持手段102は、環状のフレーム保持部材106と、フレーム保持部材106の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ108から構成される。フレーム保持部材106の上面は環状フレームFを載置する載置面106aを形成しており、この載置面106a上に環状フレームFが載置される。
そして、載置面106a上に載置された環状フレームFは、クランプ108によってフレーム保持部材106に固定される。このように構成されたフレーム保持手段102はテープ拡張手段104によって上下方向に移動可能に支持されている。
テープ拡張手段104は、環状のフレーム保持部材106の内側に配設された拡張ドラム110を具備している。この拡張ドラム110は、環状フレームFの内径より小さく、該環状フレームFに装着された粘着テープTに貼着される半導体ウエーハWの外径より大きい内径を有している。
拡張ドラム110はその下端に一体的に形成された支持フランジ112を有している。テープ拡張手段104は更に、環状のフレーム保持部材106を上下方向に移動する駆動手段114を具備している。この駆動手段114は支持フランジ112上に配設された複数のエアシリンダ116から構成されており、そのピストンロッド118がフレーム保持部材106の下面に連結されている。
複数のエアシリンダ116から構成される駆動手段114は、環状のフレーム保持部材106をその載置面106aが拡張ドラム110の上端と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム110の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動する。
以上のように構成された分割装置100を用いて実施する半導体ウエーハ分割工程について図8(A)及び図8(B)を参照して説明する。図8(A)に示すように、半導体ウエーハWを粘着テープTを介して支持した環状フレームFを、フレーム保持部材106の載置面106a上に載置し、クランプ108によってフレーム保持部材106を固定する。このとき、フレーム保持部材106はその載置面106aが拡張ドラム110の上端と略同一高さとなる基準位置に位置付けられる。
次いで、エアシリンダ116を駆動してフレーム保持部材106を図8(B)に示す拡張位置に下降する。これにより、フレーム保持部材106の載置面106a上に固定されている環状フレームFも下降するため、環状フレームFに装着された粘着テープTは拡張ドラム110の上端縁に当接して主に半径方向に拡張される。
その結果、粘着テープTに貼着されている半導体ウエーハWには放射状に引張力が作用する。このように半導体ウエーハWに放射状に引張力が作用すると、半導体ウエーハWはレーザ加工溝96に沿って破断され、個々の半導体チップ(デバイス)Dに分割される。
W 半導体ウエーハ
T 粘着テープ(ダイシングテープ)
F 環状フレーム
D デバイス
2 レーザ加工装置
28 チャックテーブル
34 レーザビーム照射ユニット
35A 第1のレーザビーム発生ユニット
35B 第2のレーザビーム発生ユニット
36 光学系
37 集光器
38 集光レンズ
74 偏光ビームスプリッタ
76 第1の1/2波長板
80 第2の1/2波長板

Claims (2)

  1. レーザ加工装置であって、
    半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、
    該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハにレーザビームを照射するレーザビーム照射手段と、
    該チャックテーブルと該レーザビーム照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段とを具備し、
    該レーザビーム照射手段は、第1のレーザビームを発生する第1のレーザビーム発生ユニットと、
    第1のレーザビームの光路と平行な光路に第2のレーザビームを発生する第2のレーザビーム発生ユニットと、
    第1のレーザビームを直角方向に反射するミラーと、
    該ミラーで反射された第1のレーザビームと該第2のレーザビーム発生ユニットとから発生された第2のレーザビームが交差する位置に配置された偏光ビームスプリッタと、
    該偏光ビームスプリッタを透過した第1のレーザビーム及び該偏光ビームスプリッタで反射された第2のレーザビームを、前記チャックテーブルに保持された半導体ウエーハ上に集光する集光レンズと、
    該ミラーと該偏光ビームスプリッタとの間に挿入された第1の1/2波長板と、
    該第2のレーザビーム発生ユニットと該偏光ビームスプリッタとの間に挿入された第2の1/2波長板と、を含み、
    該第1の1/2波長板を回転制御することにより、該集光レンズによって集光される第1のレーザビームのピークエネルギー密度を調整し、
    該第2の1/2波長板を回転制御することにより、該集光レンズによって集光される第2のレーザビームのピークエネルギー密度を5〜200GW/cmの範囲の所定値に調整し、
    第1のレーザビームで半導体ウエーハにレーザ加工溝を形成し、
    パルス幅が2ns以下で且つピークエネルギー密度が該所定値に調整された第2のレーザビームで該レーザ加工溝に仕上げ加工を施すことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 該第1のレーザビーム発生ユニットから発生される該第1のレーザビームは、該偏光ビームスプリッタの偏光分離膜に対してP偏光の直線偏光ビームであり、
    該第2のレーザビーム発生ユニットから発生される該第2のレーザビームは、該偏光分離膜の該偏光分離膜に対してS偏光の直線偏光ビームである請求項1記載のレーザ加工装置。
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