JP2018148873A - 改変型フコース結合性レクチン、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、以下の(i)および(ii)に記載のアミノ酸置換のいずれか1つ以上を含むアミノ酸配列からなる改変型フコース結合性レクチン
(i)配列番号1の77番目のセリンのプロリンまたはスレオニンへの置換
(ii)配列番号1の81番目のグルタミン酸のヒスチジンへの置換
(b)(a)の改変型フコース結合性レクチンのアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつFucα1−2Galβ1−3GlcNAcの構造を含む糖鎖を認識する改変型フコース結合性レクチン。
改変型フコース結合性レクチンを生産可能な形質転換体。
(1)BC2LCNの組換えベクター(pETBC2LCN)の作製
BC2LCNの組換えベクターの作製は、BC2LCNのアミノ酸配列を塩基配列に変換し、塩基配列を含むDNAを作製し、それらを適当な発現ベクターに導入して行った。具体的には、配列番号1に示したBC2LCNのアミノ酸配列(GenBank登録番号:WP_006490828の2番目から156番目の領域のアミノ酸)をDNAworks法(Nucleic Acid Res.,30,e43頁,2002年)を用いてコドンを大腸菌型に変換し、配列番号4に示すBC2LCNのアミノ酸配列をコードする塩基配列を設計した。さらに、配列番号4のDNAをPCR法により作製するため、DNAworks法によりオリゴヌクレオチドを設計し、PCR法により連結し、配列番号4の塩基配列を含むDNAを作製した。得られたDNAを発現ベクターpET28a(+)(メルクミリポア製)に制限酵素認識配列を利用して導入し、BC2LCN組換えベクターであるpETBC2LCNを作製した。組換えベクターは、挿入したDNAがコードする組換えBC2LCNが発現し、さらにN末端側に発現ベクター上の塩基配列がコードするポリヒスチジンが連結するよう最適化した。
(2)組換えBC2LCNへの変異導入(81番目グルタミン酸のアミノ酸置換)
変異導入法の概要を図1に示した。糖鎖結合部位周辺の81番目のグルタミン酸に対して、縮重プライマーを用いたPCRにより行った。配列番号5に示した縮重プライマーは、81番目のグルタミン酸に対応する塩基配列をNNB(N=A,C,G,Tいずれか、B=C,G,Tいずれか)とし、81番目のアミノ酸が全20種類のアミノ酸に置換されるよう設計した。変異導入のためのPCRは、鋳型は前記(1)の発現ベクターpETBC2LCNを用い、プライマーは、配列番号5に示した81番目の縮重配列を含み、3‘末端に制限酵素KpnIをもつ縮重プライマーと、配列番号6に示したpETベクターのターミネーター領域のプライマーを用いた。PCR反応はEx Taq(タカラバイオ社製)やPrimeStarHS(タカラバイオ社製)などの一般的なDNAポリメラーゼを用い、メーカー推奨の通常の条件に従い行った。得られた81番目のグルタミン酸をコードする塩基配列に変異を含むPCR産物は、縮重プライマー上の制限酵素KpnIと、81番目のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む領域を置き換えるのにPstIなどの適当な制限酵素により消化し、BC2LCN組換えベクターpETBC2LCNの対応する領域と置き換えて、81番目のアミノ酸配列に一重変異をもつ発現ベクターpETBC2LCN(E81X)を作製した。81番目のアミノ酸を特定は塩基配列解析により行った。
(3)組換えBC2LCNおよび改変型フコース結合性レクチン(E81X)の製造
pETBC2LCNまたはpETBC2LCN(E81X)により大腸菌BL21(DE3)株を形質転換し、pETベクターの一般的な発現培養条件により培養を行い、組換えBC2LCNまたは改変型フコース結合性レクチンを生産させた。菌体からのタンパク質抽出は超音波破砕またはBugBuster Protein extraction kit(メルクミリポア社製)を用いて、一般的な方法により菌体から、組換えBC2LCNまたは改変型フコース結合性レクチンを含む可溶性タンパク質抽出液を回収した。可溶性タンパク質抽出液中の組換えBC2LCNまたは改変型フコース結合性レクチンの単離は、組換えBC2LCNおよび改変型フコース結合性レクチンのN末端側に連結したポリヒスチジンを利用し、His・Bind Resin(メルクミリポア社製)を用いたニッケルキレートアフィニティークロマトグラフィーにより行った。
(4)組換えBC2LCNおよび改変型フコース結合性レクチン(E81X)の糖鎖結合性評価
前記(3)で得られた組換えBC2LCNおよび改変型フコース結合性レクチン(E81X)のHタイプ1型糖鎖およびHタイプ3型糖鎖に対する結合性評価は、ビアコアを用いた表面プラズモン共鳴法により行った。具体的には、Biacore T100機器(GEヘルスケア社製)を用い、アナライトを組換えBC2LCNまたは改変型フコース結合性レクチン、固相をHタイプ1型糖鎖、Hタイプ3型糖鎖としてカイネティクス解析を行った。センサーチップはデキストランがコートされたSensor Chip CM5(GEヘルスケア社製)を使用し、デキストランにストレプトアビジン(和光純薬)をアミンカップリング法により固定した後、ビオチン標識されたHタイプ1型糖鎖およびHタイプ3型糖鎖(Glycotech社製)を添加し、ビオチンとストレプトアビジンの反応により糖鎖をセンサーチップ上に固定して作製した。
糖鎖親和性の測定はカイネティクス解析により行った。緩衝液はHBS−EP+を用い、結合反応は流速30μl/分、結合時間は6分間、解離時間は3分間とした。センサーチップの再生は25 mMの水酸化ナトリウムを用い、流速30μl/分、再生時間15秒で行った。アナライトタンパク質の濃度は1〜100 nMで行った。解析は解析ソフト(Biacore T100 Evaluation Software、version 1.1.1)を用いて行い、1:1 Bindingのフィッティングにより解離定数(KD)を算出した。糖鎖結合性評価の結果から、Hタイプ1型糖鎖への結合性を維持した81番目のグルタミン酸がヒスチジンに置換された変異を含む発現ベクターpETBC2LCN(E81H)を含む、81番目のグルタミン酸が他のアミノ酸に置換された変異を含む発現ベクターpETBC2LCN(E81X)を選択した。
(5)改変型フコース結合性レクチン(E81X)への変異導入(77番目セリンのアミノ酸置換)
変異導入法の概要を図1に示した。糖鎖結合部位周辺の77番目のセリンに対して、縮重プライマーを用いたPCRにより行った。配列番号7に示した縮重プライマーは、77番目のセリンに対応する塩基配列をNNB(N=A,C,G,Tいずれか、B=C,G,Tいずれか)とし、77番目のアミノ酸が全20種類のアミノ酸に置換されるよう設計した。変異導入のためのPCRは、鋳型は前記(1)の発現ベクターpETBC2LCNを用い、プライマーは、配列番号7に示した77番目の縮重配列を含み、3‘末端に制限酵素KpnIをもつ縮重プライマーと、配列番号8に示したpETベクターのプロモーター領域のプライマーを用いた。PCR反応は前記(2)と同様に行った。得られた77番目のセリンをコードする塩基配列に変異を含むPCR産物は、縮重プライマー上の制限酵素KpnIと、77番目のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む領域を置き換えるのにPstIなどの適当な制限酵素により消化し、前記(2)で作製した81番目のアミノ酸配列に一重変異をもつ発現ベクターBC2LCN組換えベクターpETBC2LCN(E81X)のうち、前記(4)でHタイプ1型糖鎖への親和性が確認された変異をもつ発現ベクターの対応する領域と置き換えて、81番目と77番目のアミノ酸に二重変異をもつ発現ベクターpETBC2LCN(S77X/E81X)を作製した。77番目と81番目のアミノ酸の特定は塩基配列解析により行った。作製できた10種類の発現ベクターpETBC2LCN(S77X/E81X)を表1に示した。
表1に示した10種類の発現ベクターpETBC2LCN(S77X/E81X)の大腸菌発現と改変型フコース結合性レクチンの製造は、前記(3)と同様の方法で行った。改変型フコース結合性レクチンの発現量は、配列番号1で示したアミノ酸配列からなる組換えBC2LCNと大差なかった。
(7)改変型フコース結合性レクチン(S77X/E81X)の糖鎖結合性評価
前記(6)で得られた改変型フコース結合性レクチン(S77X/E81X)のHタイプ1型糖鎖(Fucα1−2Galβ1−3GlcNAc)とHタイプ3型糖鎖に対する結合性評価は、前記(4)と同様に行った。
Claims (6)
- 以下の(a)又は(b)の改変型フコース結合性レクチン。
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、以下の(i)および(ii)に記載のアミノ酸置換のいずれか1つ以上を含むアミノ酸配列からなる改変型フコース結合性レクチン
(i)配列番号1の77番目のセリンのプロリンまたはスレオニンへの置換
(ii)配列番号1の81番目のグルタミン酸のヒスチジンへの置換
(b)上記(a)の改変型フコース結合性レクチンのアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつFucα1−2Galβ1−3GlcNAcの構造を含む糖鎖を認識する改変型フコース結合性レクチン。 - 請求項1に記載の改変型フコース結合性レクチンをコードするDNA。
- 請求項2に記載のDNAを含有する組換えベクター。
- 請求項3に記載の組換えベクターで宿主を形質転換した、請求項1に記載の改変型フコース結合性レクチンを生産可能な形質転換体。
- 宿主が大腸菌である、請求項4に記載の形質転換体。
- 請求項4または5に記載の形質転換体を培養することにより改変型フコース結合性レクチンを生産する工程、得られた培養物から生産された改変型フコース結合性レクチンを回収する工程、の2つの工程を含む、請求項1に記載の改変型フコース結合性レクチンの製造方法。
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WO2013065302A1 (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-10 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 未分化細胞検出方法及び複合糖質検出方法 |
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