JP2010063373A - 単量体型ストレプトアビジン変異体及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単量体型ストレプトアビジンの特定の位置のリジン残基が修飾され、かつビオチンとの結合活性を有するストレプトアビジン変異体を提供する。
【解決手段】特定なアミノ酸配列で示される単量体型ストレプトアビジンの5,8,81,122,133,135,145及び146番のリジン残基から選ばれる少なくとも1つが、脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸に置換されている、ストレプトアビジン変異体;該ストレプトアビジン変異体のアミノ酸配列をコードするDNA分子;該DNA分子を含む組換えベクター;該組換えベクターを含む形質転換体;並びに、該形質転換体を培養し、該培養物からストレプトアビジン変異体を採取することを特徴とする、ストレプトアビジン変異体の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ストレプトアビジン変異体に関する。本発明は、特に、単量体型のストレプトアビジンのリジン残基を他の特定のアミノ酸残基に置換してなるストレプトアビジン変異体、及びその製造法に関する。
Streptomyces avidiniiによって産生される四量体タンパク質であるストレプトアビジンは、水溶性ビタミンであるビオチンと非常に強固でかつ特異的な非共有結合複合体を形成する。ストレプトアビジンは、リガンドとタンパク質との間の非共有結合的相互作用の中で最も高いとされる親和性(結合定数(Ka)は1013-1〜1015-1の範囲内にあると見積もられる)でビオチンと結合する。この結合親和性は、通常の生理学的溶液条件下で本質的に不可逆であるのに十分強く、そのため、ストレプトアビジンは、生体分離/細胞ソーティング、画像化、ドラックデリバリー、及び診断(特に、癌診断)を含む、種々の臨床的用途や工業的用途において有用である。
しかしながら、ストレプトアビジンは、四量体であるためにビオチン標識された分子を凝集させることがある。このような問題を回避するために、単量体型又は二量体型ストレプトアビジンが報告されているが(それぞれ、非特許文献1,2)、これらのストレプトアビジンはビオチンとの結合活性が四量体と比べて著しく低い。
一方、ストレプトアビジンの修飾は該タンパク質の様々な分野への応用の幅を広げている。例えば、放射線癌治療の分子標的療法として、125I標識したストレプトアビジンとビオチン標識した癌特異抗体とを組み合わせて投与する方法や、125I及びビオチン標識した癌特異抗体とストレプトアビジンとを組み合わせて投与する方法が報告されている(非特許文献3)。しかし、これらの非四量体型ストレプトアビジンを用いたとしても、該ストレプトアビジンには、被修飾部位となる一級アミノ基が通常、複数箇所含まれるために、部位非特異的な修飾によって該ストレプトアビジンの活性に低下が避けられない。すなわち、ストレプトアビジのリジン残基を標的とした修飾では、多くの試薬はこれらの残基を区別して標識することができないため、ストレプトアビジンの機能に重要な部位近傍の標識がストレプトアビジの活性を低下させてしまうこととなる。
ストレプトアビジンが四量体である性質を利用して、ビオチンとの結合能を失ったストレプトアビジン単量体3分子とビオチンとの結合能を維持したストレプトアビジン単量体1分子とを混合することにより、四量体型ストレプトアビジン1分子当たりの結合部位を1箇所としたストレプトアビジンも報告されている(非特許文献4)。しかし、この方法でも、ストレプトアビジンの被修飾部位や被修飾数を完全に制御することは困難である。
J. Biol. Chem., 2005, vol.280, no.24, pp.23225-23231 PNAS, 2005, vol.102, no.24, pp.8507-8512 Current Medical Chemistry, 2005, Vol.12, No.3, p.319-338 Nature Methods vol.3, no.4, 2006, pp.267-273
このように、従来、ビオチンとの結合活性を維持しつつ、四量体型ストレプトアビジンを部位特異的に修飾する方法は提案されていなかった。
そこで、本発明は、単量体型ストレプトアビジンの特定の位置のリジン残基が修飾され、かつビオチンとの結合活性を有するストレプトアビジン変異体を提供することを目的とする。
本発明者は、かかる状況に鑑み鋭意検討した結果、公知の単量型ストレプトアビジンのリジン残基の少なくとも1つが脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸によって置換されたストレプトアビジン変異体が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、(1)本発明は、配列番号1で示される単量体型ストレプトアビジンの5、8、81、122、133、135、145及び146番のリジン残基から選ばれる少なくとも1つが、脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸に置換されている、ストレプトアビジン変異体を提供する。
(2)本発明は、配列番号1で示される単量体型ストレプトアビジンの5、8、81、122、133、135、145及び146番のリジン残基すべてが、脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸に置換されている、(1)記載のストレプトアビジン変異体を提供する。
(3)本発明は、前記の脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸が、アラニンである、(1)又は(2)記載のストレプトアビジン変異体を提供する。
(4)本発明は、(1)〜(3)のいずれか1記載のストレプトアビジン変異体のアミノ酸配列をコードするDNA分子を提供する。
(5)本発明は、(4)記載のDNA分子を含む組換えベクターを提供する。
(6)本発明は、(5)記載の組換えベクターを含む形質転換体を提供する。
(7)本発明は、(6)記載の形質転換体を培養し、該培養物からストレプトアビジン変異体を採取することを特徴とする、ストレプトアビジン変異体の製造法を提供する。
本発明の方法により、被修飾部位が限定され、かつビオチンとの結合活性を有する、ストレプトアビジン変異体を作製できる。
本発明の単量体型ストレプトアビジン変異体は、配列番号1で示される単量体型ストレプトアビジン(野生型)の5、8、81、122、133、135、145及び146番のリジン残基から選ばれる少なくとも1つが、脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸に置換されている変異体(以下、本明細書では、「ストレプトアビジン変異体」、そのタンパク質を「ストレプトアビジン変異体タンパク質」と言うことがある)である。置換は、例えば、これらのリジン残基の内の2つでもよいが、これらのリジン残基のすべてが置換されていることが好ましい。これらのリジン残基すべてが置換されているストレプトアビジンは、そのN-末端のみに遊離のアミノ基を有することになる。
リジン残基が置換されるアミノ酸は、その側鎖に、-SH基、-NH2基、-COOH基等の反応性基を有さないアミノ酸であれば特に制限されないが、本発明では、脂肪族アミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等)、又は芳香族アミノ酸(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン等)が使用される。これらの中で、脂肪族アミノ酸が好ましく、特にアラニンが好ましい。
単量体型ストレプトアビジンへの変異の導入は、例えば公知のベクターに、Sau-Ching Wu et al., J.Biol.Chem., 2001,vol.276,pp.46422-46428に記載のストレプトアビジン遺伝子(配列番号1)を挿入することによって作製されたプラスミドを鋳型として、PCR様の温度サイクル反応により行うことができる。
すなわち、まず、変異させた塩基(リジン残基をコードする塩基)及びその変異導入部位の前後10塩基程度の塩基を含むプライマーを、センス鎖(センスプライマー)及びアンチセンス鎖(アンチセンスプライマー)として合成し、PCR様の温度サイクル反応を行う。変異を導入する部位は、5、8、81、122、133、135、145及び146番から選ばれる少なくとも1つのリジン残基である。このPCR反応の産物を精製後、適当な制限酵素で処理した後、同じ制限酵素で処理した残りのストレプトアビジンのDNAに連結させ、変異が導入されたストレプトアビジンのDNAの全体を完成させる。この変異導入ストレプトアビジンDNA分子は、配列番号1で示すストレプトアビジン変異体をコードする。PCR様の温度サイクル反応は、公知のキット(http://www.invitrogen.co.jp/products/molecular biology/12397001.shtml)により行うことができる。
上記の連結されたDNA断片を保持するためのプラスミドDNAとしては、宿主細胞中で複製可能であり、上記の変異遺伝子を安定的に保持できるものであれば、いかなるものも使用することができる。例えば、pET(Novagen),pGEX(Amersham Biosciences),pCAL(Toyobo),pBAD(Invitrogen),pPRO(Clontech),pQE(Qiagen),pMAL(Biolabs)等のE.coliでの発現用プラスミドが挙げられる。これら以外にも、バチルス(Bacillus)属などの原核細胞、あるいは酵母、動物細胞などの真核細胞中での発現用に使用される発現用プラスミドを用いることができる。E. coli中での発現のためには、プラスミドは、プロモーター(例えば、T7プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、又はλプロモーター)、必要に応じて、リボソーム結合部位、エンハンサー等を含むことが好ましい。プラスミドDNAは、前記DNAを消化した制限酵素と同一の制限酵素で消化しておく。
上記の各々のストレプトアビジンDNAとプラスミドDNAとを、公知のライゲーションキット(ベーリンガーマンハイム)を用いて連結させ、組換えベクターを得る。次に、得られた組換えベクターを大腸菌JM109、HB101、XL1-Blue等に導入した後、薬剤耐性マーカー、例えばアンピシリン耐性のコロニーを選抜し、公知の方法に基づいてプラスミドDNAを調製する(J.Sambrook,et al.,“Molecular Cloning”,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。
目的とするDNAの塩基配列は、前記プラスミドDNAを制限酵素で消化した後、公知の方法(例えばジデオキシ法)により決定することができる(J.Sambrook,et al.,“Molecular Cloning”,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。また、市販の自動塩基配列決定装置を用いてもよい。
本発明のストレプトアビジン変異体タンパク質は、上記の組換えベクターを、宿主に導入し、発現誘導前の培養時の発現漏れを抑えながら、得られた形質転換体を培養することにより得られる。発現漏れを抑える方法としては、糖類の添加による発言誘導の場合には、例えば、形質転換体の培養時にグルコースを存在させる方法が挙げられる。
形質転換の方法としては、周知の方法、例えば、塩化カルシウム法、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、コンピテントセル法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。
宿主としては、微生物が好ましく、E. coliがより好ましく、E. coli BL21(DE3)株、JM109株が特に好ましい。他の宿主としては、バチルス・サブチリス(Bacillus Subtilis)等のバチルス属、放線菌等のストレプトマイセス(Streptomyces)属などのグラム陽性菌;サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロマイセス属、アスペルギルス(Aspergillus)属などの真菌が使用できる。
培養温度は、菌の生育可能な温度、好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜40℃、更に好ましくは26〜37℃である。培養時間は、特に限定されないが、例えばバッチ培養では1〜7日間が好ましい。培養培地は、本発明の宿主が利用できるものである限り特に限定されない。培養培地には、炭素源、窒素源、無機塩類、その他の有機栄養源等を加えることができる。
本発明のストレプトアビジン変異体タンパク質の菌体からの回収は、当該分野の標準的な手順に従って行うことができる。例えば、培養終了後、遠心分離器等で培養液から菌体を分離し、その菌体を蒸留水等により洗浄した後、この乾燥菌体から、超音波破砕を用いてストレプトアビジン変異体タンパク質を抽出する。抽出されたストレプトアビジン変異体タンパク質は、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などの標準的な方法によって精製することができ、更に、ビオチンを含む親和性技術により補助してもよい。
精製されたストレプトアビジン変異体は、ビオチンを固定したビーズ粒子、ラテックス粒子、マイクロタイタープレート等を用いて、ビオチンに対する結合活性を評価する。
本発明では、後記実施例に示すように、野生型のストレプトアビジンと比べて、所望の被修飾部位を有するストレプトアビジンを選択的に設計できることから、ストレプトアビジンの修飾において、ストレプトアビジンの機能に重要な部位近傍での標識がストレプトアビジンの機能の発現を妨げることがない。また、得られたストレプトアビジン変異体は、種々の被修飾部位を有する変異体の混合物とはならず、所望の被修飾部位を有する1種類の変異体として得られる。特に、リジン残基すべてが置換されたストレプトアビジン変異体は、NHS活性化試薬等による修飾部位がN-末端のみに限定されるために、N-末端のアミノ基を標的とした部位特異的な修飾や固定化が可能となる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1 モノ又はジ置換ストレプトアビジン変異体
(1)組換えベクターの作製
野生型の単量体型ストレプトアビジン(StAvM4)中の5、8、81、122、133、135、145、146番の1つ又は2つのリジン残基をアラニン残基に置換した変異体、すなわち、「StAvM4 K5^8A」、「StAvM4 K81A」、「StAvM4 K122A」、「StAvM4 K133^135A」、「StAvM4 K145^146A」をコードする遺伝子をそれぞれPCR法によって作製した。
なお、上記の変異体の表記において、例えば、「StAvM4 K5^8A」は、野生型のストレプトアビジンの5及び8番のリジン残基がアラニン残基に置換された変異体を表す。
鋳型DNAには、StAvM4(配列番号1)(J.Biol.Chem.,20001,vol.276,pp.46422-46428)をコードし、StAvM4のC末端にポリヒスチジンタグを挿入した遺伝子を含む組換えベクターを用いた。
プライマーには、表1に示すアンチセンスプライマーとセンスプライマーとからなるプライマー対(Oligo1及びOligo 2、Oligo3及びOligo 4、Oligo5及びOligo 6、Oligo7及びOligo 8、Oligo9及びOligo 10)を用いた。
作製したコンストラクトにおけるDNAシーケンスは、すべての変異体の作製過程におけるPCRエラーはなく、読み枠も一致した。
(2)StAvM4又はその変異体の発現
(1)で作製した変異体のDNAをコードするプラスミドを用いて、大腸菌株BLR(DE3)株を形質転換させた後、1%グルコース存在下、LB培地中で37℃にて12時間培養した。その後、100倍希釈したE. coli培養液を、同様の条件で、OD600 = 0.5まで培養した。StAvM4についても同様に形質転換を行い、その形質転換体を培養した。その後、イソプロピルβ-D-チオガラクトシド(IPTG)を終濃度0.1 mMになるように加え、更に26℃で4時間培養し、StAvM4又はその変異体を発現させた。
(3)StAvM4又はその変異体の取得
StAvM4又はその変異体を発現させたE. coli株を7,500×gで10分間、4℃にて遠心処理し、回収した。回収したE. coli株をLysis Buffer(Tris-HCl、pH 7.5、300 mM NaCl、20mM イミダゾール、5 mM 2-ME、及び5% TritonX-100)に懸濁し、超音波破砕処理によって、StAvM4又はその変異体を抽出した。抽出したStAvM4又はその変異体の精製のために、C末端に付与したポリヒスチジンタグを指標とし、Metal Affinity Resin(TALON)を用いてアフィニティー精製を行った。精製したタンパク質は、更にPBSで2日間透析を行った。変異体StAvM4 K81Aのアミノ酸配列を配列番号12に示す。
(4)ビオチンに対する結合活性
透析処理を行ったStAvM4又はその変異体をビオチンとの結合活性評価に用いた。10 μgのStAvM4又はその変異体を、Immobilized D-Biotin(PIERCE)(ビーズ固定)又はAmino Link plus coupling resin(PIERCE)及びWBT バッファー(50 mM Trice-Acetate、pH 7.5、500 mM NaCl、50 mM Mg(OAc)2、及び0.5% Tween20)中で、4℃にて4時間、緩徐に振盪した後、Immobilized D-Biotin(PIERCE)及びAmino Link plus coupling resinをそれぞれWBT バッファーで5回洗浄して電気泳動のサンプルとした。タンパク質は、SDS-PAGEで展開した後、アクリルアミドゲルをクマシーブリリアントブルーで染色することにより可視化し、検出した。結果を図1に示す。
図1に示すように、すべての変異体は、ビオチン固定化ビーズに対する結合能を示した(レーン5、8、11、14、17)。一方、ビオチンが固定化されていないが、ビオチン固定化ビーズと同じ物性であるAmino Link plus coupling resinに対しては、StAvM4及びいずれの変異体についても結合が確認されなかった(レーン1、4、7、10、13、16)。
従って、各変異体は、ビオチンに特異的に結合したことが示された。また、StAvM4のビオチン固定化ビーズに対する結合量と、各変異体のビオチンに対する結合量とに変化がなかったことから、各変異体のビオチンへの結合活性は、StAvM4とほぼ同等であることが分かった(レーン2、5、8、11、14、17)。よって、StAvM4中のいずれの位置のリジン残基をアラニン残基に置換しても、StAvM4のビオチン結合活性に影響がないことが示された。
実施例2 ストレプトアビジン変異体(StAvM4 Ka11A)の作製
実施例1と同様にして、野生型のStAvM4中の番号5、8、81、122、133、135、145、146のすべてのリジン残基をアラニン残基に置換した変異体(StAvM4 Ka11A)を作製した。
鋳型DNAには、pET26b-StAvM4を用いてpET26b-StAvM4 Ka11Aを調製して、使用した。プライマーには、表1で示したプライマーを用いた。作製したコンストラクトにおけるDNAシーケンスでは、StAvM4 Ka11Aの作製過程におけるPCRエラーはなく、読み枠も一致した。
実施例1と同様にして、StAvM4 Ka11A遺伝子を含む組換えベクターを形質転換させ、次いで該形質転換体を培養し、目的とするStAvM4 Ka11Aを得た。得られたStAvM4 Ka11Aのアミノ酸配列を配列番号13に示す。
更に、実施例1と同様にして、StAvM4 Ka11Aのビオチン結合活性を、ビオチン固定化ビーズに対する結合活性を用いて評価した。結果を図2に示す。StAvM4 Ka11Aは、StAvM4と同様に、ビオチン結合ビーズに対する特異的な結合を示した(レーン1、2、4、5)。更に、StAvM4 Ka11Aのビオチン固定化ビーズに対する結合量は、StAvM4びビオチンビーズに対する結合量に比べて、著しく高くなっていることが明らかとなった(レーン2、5)。
図1は、単量体型ストレプトアビジンの1つ又は2つのリジン残基をアラニン残基に置換したストレプトアビジン変異体と、ビオチンとの結合活性を示すSDS-PAGEである。 図2は、単量体型ストレプトアビジンのすべてのリジン残基をアラニン残基に置換したストレプトアビジン変異体と、ビオチンとの結合活性を示すSDS-GATEである。

Claims (7)

  1. 配列番号1で示される単量体型ストレプトアビジンの5、8、81、122、133、135、145及び146番のリジン残基から選ばれる少なくとも1つが、脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸に置換されている、ストレプトアビジン変異体。
  2. 配列番号1で示される単量体型ストレプトアビジンの5、8、81、122、133、134、145及び146番のリジン残基すべてが、脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸に置換されている、請求項1記載のストレプトアビジン変異体。
  3. 前記の脂肪族アミノ酸又は芳香族アミノ酸が、アラニンである、請求項1又は2記載のストレプトアビジン変異体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のストレプトアビジン変異体のアミノ酸配列をコードするDNA分子。
  5. 請求項4記載のDNA分子を含む組換えベクター。
  6. 請求項5記載の組換えベクターを含む形質転換体。
  7. 請求項6記載の形質転換体を培養し、該培養物からストレプトアビジン変異体を採取することを特徴とする、ストレプトアビジン変異体の製造法。
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