JP2018148812A - 穂先保持具及び釣竿保護具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単且つ安価な構造で穂先の損傷を確実に防止することができる穂先保持具及び釣竿保護具の提供。【解決手段】この釣竿保持具は、穂先保持具26及びキャップ27を有する。穂先保持具26は、可撓性を有する樹脂からなり、軸部28及びフランジ29を有する。フランジ29の外径は、トップガイド17の内径よりも大きく設定されている。キャップ27と穂先保持具26とは分離されている。キャップ27は、筒状に形成され、釣竿11の先端部に被せられる。キャップ27にゴムバンド34が設けられており、ゴムバンド34の緊迫力により軸部28が釣竿11に締め付けられて固定される。【選択図】図1

Description

この発明は、いわゆる釣糸ガイドを有する釣竿が収納状態とされた場合に穂先を保持する穂先保持具の構造並びに穂先の損傷を防止する釣竿保護具の構造に関するものである。
図8は、一般的な振出形式の釣竿が収納された状態を示す要部拡大図である。
この釣竿1は、複数のブランク2〜5を有し、各ブランク2〜5に適宜釣糸ガイド6が装備されている。釣竿1が収納された状態(同図が示す状態)では、各釣糸ガイド6が釣竿1の長手方向に並ぶ。ブランク2は、釣竿1の穂先を構成し、その外径は0.7mm〜1.2mm程度であって機械的強度は非常に低い。そのため、各ブランク2〜5及び各釣糸ガイド6の損傷を防止するために、従来から釣竿1に保護カバー7が装着される(たとえば特許文献1参照)。
保護カバー7は、キャップ7Aとガイド係止線7Bとを有する。ガイド係止線7Bは、キャップ7Aの天面7Cに固定されている。同図が示すように、ガイド係止線7Bが各釣糸ガイド6に挿通された状態でキャップ7Aがブランク5に取り付けられる。このとき、キャップ7Aは、各釣糸ガイド6を収容する。キャップ8はゴムベルト8を備えている。このゴムベルト8がブランク5に巻回されることにより、その緊迫力で保護カバー7がブランク5に固定される。保護カバー7がブランク5に装着されると、各釣糸ガイド6及びブランク2〜5がガイド係止線7Bにより保持され、キャップ7Aが特に穂先を囲繞し保護する。
なお、ガイド係止線7Bが設けられていない保護カバーも提案されている。このような保護カバーは、いわゆる廉価版であり、一応穂先を囲繞するが穂先を保護する能力は低い。
特許第4824601号公報
ところで、釣竿が磯釣りに供される場合、実釣では渡礁の際に釣竿その他の道具が放り投げられる場合がある。また、釣竿の搬送時に誤って落下してしまうことも予想される。そのような場合、同図において矢印9の向きに大きな外力が作用し、保護カバー7が釣竿1に対して矢印9の向きに相対的にスライドして、上記天面7Cが釣糸ガイド6と接触することがある。場合によっては、釣糸ガイド6及びブランク2に衝撃力が加わり、これらが損傷するおそれがある。
もっとも、同図が示すように、そのような保護カバー7のスライドを想定して、キャップ7Aの天面7Cとブランク2との間に比較的大きな隙間Sが生じるように保護カバ−7を装着することも考えられる。しかし、そのようにした場合、この隙間S間でブランク2が自由にスライドすることになり、却って穂先の損傷を誘発するおそれがある。また、そのようなブランク2のスライドを防止するために、キャップ7Aにブランク2を保持する保持プレートを別途設けたり、キャップ7Aの天面7Cとブランク2との間にクッション材を設けたりすることも考えられるが、その場合には保護カバー7の部品点数が増えて構造が複雑になり、コストも上昇するという問題が生じる。
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、簡単且つ安価な構造で穂先の損傷を確実に防止することができる穂先保持具及び釣竿保護具を提供することである。
(1) 本発明に係る穂先保持具は、釣糸ガイドを有する振出式釣竿が収納状態とされたときに当該振出式釣竿に装着される穂先保持具である。この穂先保持具は、各釣糸ガイドに挿通される細長棒状に形成された可撓性を有する主軸と、当該主軸の一端に設けられ、上記釣糸ガイドのうちトップガイドの内径よりも大きな外形を呈する当接部材とを備える。
釣糸ガイドを備えた振出式釣竿が収納状態となったときは、穂先を構成する第1番節が第2番節の中に収容され、第2番節は第3番節の中に収容され、同様に隣り合う節のうち一方が他方の中に収容される。各節に釣糸ガイドが配置されているが、振出式釣竿が収納状態となったときは、各釣糸ガイドは釣竿の長手方向に沿って密に並ぶ。この状態で穂先保持具の主軸は、その他端を先頭にしてトップガイドから順に各釣糸ガイドに挿通される。この主軸は可撓性を有するから、撓みながらすべての釣糸ガイドに容易に挿通される。これにより、各釣糸ガイドは、上記主軸に沿って配置されると共に当該主軸の弾性力(上記撓みの復元力)により保持される。この主軸の一端に当接部材が設けられているから、主軸が各釣糸ガイドをすり抜けて脱落することが防止される。
この発明に係る穂先保持具が採用された場合、釣竿に装着される保護カバーに従来のガイド係止線7B(図8参照)は不要である。したがって、保護カバーの構成部品として簡単且つ安価なキャップが採用され、このキャップによって上記穂先保持具、各釣糸ガイド及びブランクが囲繞される。一般にキャップは固定用のゴムベルトを備えているから、このゴムベルトは上記主軸を釣竿に固定するように当該釣竿に巻き付けられる。すなわち、上記主軸は、各釣糸ガイドを当該主軸に沿って整列させ且つ上記ゴムベルトによって当該釣竿に締め付けられている。しかも、この状態で穂先保持具は、上記キャップに連結されていないから、当該キャップの内底面と所定の隙間を空けて離反している。
このように、穂先保持具とキャップの内底面とが離反しているから、仮に釣竿の軸方向に沿う外力がキャップに加わって当該キャップがブランク側にスライドしたとしても、直ちにキャップと穂先とが衝突することはない。加えて、上記主軸は、上記ゴムベルトによって当該釣竿に締め付けられているから、仮に上記キャップがスライドしたとしても、このゴムベルトは、上記主軸を上記外力の向きに引きずるように引っ張る。この主軸に上記当接部材が設けられており、当該当接部材はフランジを形成する。したがって、上記主軸が上記外力の向きに引っ張れられると、上記当接部材は、釣糸ガイドに当接して各釣糸ガイドを軸方向にさらに密に集合させる(各釣糸ガイドを軸方向に詰める)ことになる。これにより、上記キャップと穂先との衝突が確実に回避される。
(2) 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能であってもよい。
この構成では、仮に上記キャップと上記当接部材とが衝突した場合であっても、穂先に加わる衝撃が緩和される。
(3) 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能な弾性部材を備えているのが好ましい。
この構成では、仮に上記キャップと上記当接部材とが衝突した場合であっても、穂先に加わる衝撃がなお一層緩和される。
(4) 上記主軸の他端部に釣糸が挿通される貫通孔が設けられているのが好ましい。
この構成では、たとえば釣用リールから延ばされた釣糸が上記貫通孔に挿通された状態で、上記穂先保持具が各釣糸ガイドから引き抜かれることにより、上記釣糸が簡単且つ迅速にすべての釣糸ガイドに通される。
(5) 上記主軸は、ポリアミド(PA)からなるのが好ましい。
この構成では、主軸に軸力が加わったとしても、当該主軸の変形(伸び)が抑えられる。したがって、主軸が伸びることにより穂先が上記キャップと衝突することが防止される。
(6) 本発明に係る釣竿保護具は、釣糸ガイドを有する振出式釣竿が収納状態とされたときに当該振出式釣竿に装着される釣竿保護具である。この釣竿保護具は、各釣糸ガイドに挿通される細長棒状に形成された可撓性を有する主軸及び当該主軸の一端に設けられ、上記釣糸ガイドのうちトップガイドの内径よりも大きな外形を呈する当接部材を含む穂先保持具と、上記振出式釣竿に沿って配置される位置決め部、当該位置決め部に連続して上記釣糸ガイド及び当該釣糸ガイドに挿通された上記穂先保持具を囲繞する筒状部、並びに上記位置決め部に設けられ、上記振出式釣竿を囲繞し得る弾性ベルトを有するキャップを備えている。
釣糸ガイドを備えた振出式釣竿が収納状態となったときは、穂先を構成する第1番節が第2番節の中に収容され、第2番節は第3番節の中に収容され、同様に隣り合う節のうち一方が他方の中に収容される。各節に釣糸ガイドが配置されているが、振出式釣竿が収納状態となったときは、各釣糸ガイドは釣竿の長手方向に沿って密に並ぶ。この状態で穂先保持具の主軸は、その他端を先頭にしてトップガイドから順に各釣糸ガイドに挿通される。この主軸は可撓性を有するから、撓みながらすべての釣糸ガイドに容易に挿通される。これにより、各釣糸ガイドは、上記主軸に沿って配置されると共に当該主軸の弾性力(上記撓みの復元力)により保持される。この主軸の一端に当接部材が設けられているから、主軸が各釣糸ガイドをすり抜けて脱落することが防止される。
上記キャップが振出式釣竿に取り付けられる。具体的には、位置決め部が振出式釣竿に沿って配置され、筒状部が上記釣糸ガイド及び当該釣糸ガイドに挿通された上記穂先保持具を囲繞する。この穂先保持具が設けられているから、キャップに従来のガイド係止線(図8参照)が設けられていなくてもよい。したがって、キャップは、簡単且つ安価な構造となる。上記弾性ベルトが上記主軸を上記振出式釣竿に固定するように当該釣竿に巻き付けられる。すなわち、上記主軸は、各釣糸ガイドを当該主軸に沿って整列させ且つ上記弾性ベルトによって当該振出式釣竿に締め付けられている。しかも、この状態で上記穂先保持具は、上記キャップに連結されていないから、当該キャップの内底面と所定の隙間を空けて離反している。
このように、穂先保持具とキャップの内底面とが離反しているから、仮に振出式釣竿の軸方向に沿う外力がキャップに加わって当該キャップがスライドしたとしても、直ちにキャップと穂先とが衝突することはない。加えて、上記主軸は、上記弾性ベルトによって振出式釣竿に締め付けられているから、仮に上記キャップがスライドしたとしても、この弾性ベルトは、上記主軸を上記外力の向きに引きずるように引っ張る。この主軸に上記当接部材が設けられており、当該当接部材はフランジを形成する。したがって、上記主軸が上記外力の向きに引っ張れられると、上記当接部材は、釣糸ガイドに当接して各釣糸ガイドを軸方向にさらに密に集合させる(各釣糸ガイドを軸方向に詰める)ことになる。これにより、上記キャップと穂先との衝突が確実に回避される。
(7) 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能であってもよい。
この構成では、仮に上記キャップと上記当接部材とが衝突した場合であっても、穂先に加わる衝撃が緩和される。
(8) 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能な弾性部材を備えているのが好ましい。
この構成では、仮に上記キャップと上記当接部材とが衝突した場合であっても、穂先に加わる衝撃がなお一層緩和される。
(9) 上記主軸の他端部に釣糸が挿通される貫通孔が設けられているのが好ましい。
この構成では、たとえば釣用リールから延ばされた釣糸が上記貫通孔に挿通された状態で、上記穂先保持具が各釣糸ガイドから引き抜かれることにより、上記釣糸が簡単且つ迅速にすべての釣糸ガイドに通される。
(10)上記当接部材は、上記キャップの内底面に着脱自在に設けられているのが好ましい。
この構成によれば、振出式釣竿から穂先保持具及びキャップが取り外された場合に、両者が連結され得る。したがって、実釣においてこれらの紛失が抑制される。
この発明によれば、簡単且つ安価な構造で穂先保持具が構成されるから、振出式釣竿の穂先の損傷が簡単且つ確実に防止される。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿保護具10の正面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る穂先保持具26の斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るキャップ27の斜視図である。 図4は、釣竿保護具10の装着要領を示す図である。 図5は、本発明の一実施形態の第1の変形例に係る穂先保持具の要部拡大図である。 図6は、本発明の一実施形態の第2の変形例に係る穂先保持具の要部拡大図である。 図7は、本発明の一実施形態の他の変形例に係る釣竿保護具の分解図である。 図8は、一般的な振出形式の釣竿が収納された状態を示す要部拡大図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されながら説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る釣竿保護具の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿保護具10の正面図である。同図では、釣竿保護具10が振出式釣竿11(以下、「釣竿11」と称される。)に装着された状態が示されている。
釣竿11は、本実施形態では、第1番節12、第2番節13、第3番節14、元上節15及び元節16を有する。第1番節12は、トップガイド17のほか釣糸ガイド18〜20を有し、第2番節13は、釣糸ガイド21、22を有し、第3番節14、元上節15及び元節16は、それぞれ釣糸ガイド23〜25を有している。同図が示すように釣竿11が収納状態となったときは、元上節15が元節16に収容され、第3番節14、第2番節13及び第1番節12は、それぞれ、元上節15、第3番節14及び第2番節13に収容される。トップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25は、同図が示すように釣竿11の長手方向に沿って密に整列する。なお、釣竿11の仕様は同図に示すものに限定されず、釣竿11を構成するブランクの数、各ブランクに装着される釣糸ガイドの数は、特に限定されるものではない。
釣竿保護具10は、収納状態とされた釣竿11に装着される。釣竿保護具10は、穂先保持具26及びキャップ27を有する。穂先保持具26及びキャップ27は互いに分離されており、釣竿保護具10は、二つの部品から構成される。本実施形態では、キャップ27は、透光性を有する樹脂からなり、後に詳述されるように釣竿11に装着される。したがって、同図では、キャップ27の内側に配置される各節12〜16及び釣糸ガイド17〜25等は、キャップ27の外側からも看取されるように描かれている。
図2は穂先保持具26の斜視図であり、図3はキャップ27の斜視図である。
穂先保持具26は、樹脂(典型的にはポリアミド(PA))からなり、可撓性を有する。但し、このような弾性係数が大きい樹脂から構成されるので、外力(特に引張力)が作用した場合の撓み(伸び)は小さい。穂先保持具26は、同図が示すように細長の部材であり、主軸28及びフランジ29(特許請求の範囲に記載された「当接部材」に相当)を有する。主軸28は、本実施形態では細長の円柱状を呈し、外径は2.0mmである。主軸28の外径は、1.0mm〜3.0mmに設定され得る。なお、穂先保持具26を構成する材料は、ポリアミド(PA)に代えてシリコーン樹脂その他のエラストマーも採用され得る。
主軸28の一端にフランジ29が設けられており、このフランジ29は、主軸28と一体的に形成されている。フランジ29の外径は8.0mmである。フランジ29の外径は、2.0mm〜15.0mmに設定され得るが、上記トップガイド17の内径よりも大きく設定されればよい。フランジ29の肉厚寸法は、2.0mmである。この肉厚寸法は、1.0mm〜3.0mmに設定され得る。フランジ29の外縁30に面取加工が施されている。この面取加工は省略されてもよい。
主軸28の下端部31に貫通孔32が設けられている。この貫通孔32は、主軸28を径方向に貫通しており、内径は0.5mm〜2.5mmに設定される。もっとも、この貫通孔32は省略されてもよい。
主軸28は円柱状の部材でなくてもよい。主軸28の断面形状は特に限定されるものではなく、要するに、主軸28は細長棒状に形成されていればよい。また、フランジ29も円板状に形成される必要はなく、要するに主軸28の一端に設けられた鍔を形成していればよい。
図3が示すように、キャップ27は、ケース33とゴムバンド34(特許請求の範囲に記載された「弾性ベルト」に相当)を有する。
ケース33は、アクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)等からなり、透光性を有する。もっとも、ケース33が透光性を有していなくてもよい。図1及び図3が示すように、ケース33、全体として筒状に形成されており、前面35が大きく切りかかれている。すなわち、ケース33の前面35のうち所定の上部位置36から下端38に至る領域39が切りかかれており、大きな開口40(図3参照)が設けられている。この開口40は2つの部位に分かれている。開口40は、上記上部位置36から上記前面35の中間位置37までの領域43に設けられた第1開口41と、この第1開口41に隣接し、上記中間位置37から上記下端38までの領域44に設けられた第2開口42とを有する。第1開口41は、上記前面35の30%〜50%を占め、第2開口42は、上記前面35の20%〜80%を占める。
本実施形態では、ケース33の外形形状は扁平した8角形であり、内壁面も外形形状に対応して同様の形状である。但し、ケース33に上記開口40が設けられているので、上記領域43では、前面35側の3つの面が切り欠かれ、上記領域44では、前面35から後面45側に5つの面が切りかかれている。すなわち、ケース33の上記領域44は、後面45及び当該後面45の両側に連続する2つの辺部46(特許請求の範囲に記載された「位置決め部」に相当)のみを有する。この2つの辺部46は、図3が示すように屋根形状を呈し、後述されるように釣竿11と当接する。ケース33の後面45に突起50が設けられている。この突起50は、本実施形態では円柱状に形成されているが、突起50の外形形状は特に限定されるものではなく、要するに上記後面45に突設されていればよい。この突起50は、後述されるように、ゴムバンド34と係合する。
このキャップ27は、図1が示すように収納状態の釣竿11に被せられる。トップガイド17及び各釣糸ガイド17〜25は、開口40側に向いて整列した状態となる。本実施形態では、トップガイド17及び釣糸ガイド17、18は、キャップ27の先端部(開口40が設けられていない領域)に収容され、その他の釣糸ガイド19〜25は領域43内に配置される。上記先端部(開口40が設けられていない領域)及び上記領域43は、特許請求の範囲に記載された「筒状部」に相当する。もっとも、かかる配置に限定されるものではなく、少なくともトップガイド17がキャップ27の先端部(開口40が設けられていない領域)に収容されていればよい。
したがって、キャップ27が釣竿11に被せられた状態では、上記先端部(開口40が設けられていない領域)及び上記領域43によって、トップガイド17及び釣糸ガイド17、18並びにこれらに挿通された穂先保持具26が囲繞される。また、上記2つの辺部46は、釣竿11の外周面に沿って配置される。すなわち、辺部46は、異なる向きから釣竿11の外周面に当接し、釣竿11は、2つの辺部46と安定的に当接する。
ケース33の外形形状は、上記扁平した8角形に限定されるものではない。要するに、釣竿11が収納状態となったときに、トップガイド17及び釣糸ガイド17、18並びにこれらに挿通された穂先保持具26が囲繞され得る筒状であればよい。また、上記辺部46は、前述のようにキャップ27を釣竿11に位置決めするものであるが、釣竿11の外周面に安定的に当接し得るものであれば、他の形状であってもよい。
ゴムバンド34は、上記辺部46に取り付けられている。ゴムバンド34は既知の形状であり、基部47及び締付部48を有する。基部47は矩形の平板状に形成され、図3が示すように上記辺部46の内側に配置される。締付部48は、この基部47に連続している。同図では示されていないが、辺部46にスリット状の窓部が設けられており、締付部48は、この窓部に挿通されてケース33の外側に延びている。上記基部47が辺部46の内側に配置されることにより、辺部46は、より安定的に釣竿11と当接することができるという利点もある。締付部48の端部に複数の小孔49が設けられている。この小孔49は締付部48を貫通している。
図4は、釣竿保護具10の装着要領を示す図である。
釣竿11が収納状態となったときは、トップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25は、同図及び図1が示すように長手方向に沿って密に並ぶ。この状態で穂先保持具26が、トップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25に挿通される。具体的には、主軸28は、他端部31を先頭にしてトップガイド17から順に矢印51の向きに沿って各釣糸ガイド18〜25に挿通される。主軸28は可撓性を有するから、撓みながらすべての釣糸ガイド17〜25に簡単に挿通される。これにより、フランジ29がトップガイド17に当接し、トップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25は、図1が示すように主軸28に沿って配置される。しかも、主軸28の弾性力(上記撓みの復元力)によって、トップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25が保持される。なお、上記フランジ29がトップガイド17に当接するから、主軸28が各釣糸ガイド17〜25をすり抜けて脱落することはない。
この状態でキャップ27が釣竿11に取り付けられる。具体的には、辺部46が釣竿11の外周面に当接されると共に、トップガイド17及び釣糸ガイド17、18がキャップ27の先端部に収容され、その他の釣糸ガイド19〜25が領域43内に配置される。このとき、穂先保持具26は、ケース33から離反されて配置されるのが好ましく、ケース33の内底面55とフランジ29との間に所定の隙間Sが生じる。釣人は、図1が示すように主軸28を釣竿11の外周面に当接させ、ゴムバンド34を引っ張って釣竿11に巻き付ける。上記突起50がゴムバンド34の小孔49に押し込まれることにより、主軸28は、ゴムバンド34の緊迫力により、釣竿11と共に締め付けられる。すなわち、キャップ27及び穂先保持具26は、ゴムバンド34の緊迫力によって釣竿11に固定される。
このように、穂先保持具26とケース33の内底面55とが離反しているから、仮に釣竿11に対して軸方向に沿う外力(たとえば、上面52に下向きの衝撃力)が作用した場合、ケース33は同向きにスライドしても直ちにキャップ27と穂先とが衝突することはない。しかも、本実施形態では、主軸28がゴムベルト34によって釣竿11に締め付けられているから、ケース33がスライドしたとしても、ゴムベルト34と共に主軸28も上記外力の向きに引きずられる。主軸28にフランジ29が設けられているから、主軸28が引きずられることにより、トップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25はさらに密に集合することになる。したがって、ケース33と釣竿11の穂先との衝突が確実に回避される。
ところで、上記穂先保持具26が独立して設けられることにより、ケース33が主軸28を備える必要はない。したがって、キャップ27の構造が簡素化され、コスト安価に製造され得るという利点もある。
本実施形態では、上記主軸28の他端部31に貫通孔32が設けられている。穂債保持具26がトップガイド17及び各釣糸ガイド18〜25に挿通されている状態で、釣人は、釣用リールから釣糸を延ばして貫通孔32に挿通し、そのまま当該穂先保持具26を各釣糸ガイド17〜25から引き抜くと、上記釣糸が簡単且つ迅速にすべての釣糸ガイド17〜25に通される。
本実施形態では、上記主軸28は、ポリアミド(典型的にはPA66)から構成されるので、もし主軸28に引張力が加わったとしても、主軸28の伸びが抑えられる。したがって、主軸28が伸びることにより、穂先がキャップ27と衝突することが防止される。もっとも、PA66に代えて同等の物性を示す他のポリアミド(PA)、シリコーン樹脂その他のエラストマーも採用され得る。
図5は、本実施形態の第1の変形例に係る穂先保持具の要部拡大図である。
本変形例に係る穂先保持具56が上記実施形態に係る穂先保持具26と異なるところは、フランジ57は、緩衝材58を備えている点である。この緩衝材58は、円柱状のスポンジからなる。緩衝材58を構成する材料は低弾性のゴム又は樹脂が好ましい。なお、緩衝材58の外形は、特に円柱状に限定されるものではなく、他の形状でもよい。
図6は、本実施形態の第2の変形例に係る穂先保持具の要部拡大図である。
本変形例に係る穂先保持具59が上記実施形態に係る穂先保持具26と異なるところは、フランジ60が緩衝性を備えている点である。具体的には、同図(a)が示すように、フランジ60が細長の円筒状を呈し、その周面61が蛇腹構造を有している。これにより、フランジ60は、主軸28の軸方向に容易に変形することができる。なお、フランジ60の形状は円筒状に限定されるものではなく、他の筒状であってもよい。また、同図(b)が示すように、フランジ62が主軸28とは別部材として構成され、低弾性材料により弾性変形し易い形状に形成されていてもよい。同図では、フランジ62は、主軸28側から漸次縮径された円柱状に形成されている。フランジ62の材料は、たとえば発泡ウレタン、シリコーン樹脂その他のエラストマーが採用され得る。
上記各変形例に係る穂先保持具56、59によれば、フランジ57、60、62が主軸28の軸方向に弾性的に変形するので、キャップ27とフランジ57、60、62とが衝突した場合であっても、穂先に加わる衝撃が緩和される。
図7は、他の変形例に係る釣竿保護具65の分解図である。
この変形例に係る釣竿保護具65が上記実施形態に係る釣竿保護具10と異なるところは、穂先保持具26がキャップ27に対して着脱自在に設けられている点である。具体的には、キャップ27のケース33の内底面55にマグネット66が取り付けられ、穂先保持具26のフランジ29の端面に保持プレート67が設けられている。この保持プレート67は、鉄鋼材料その他の強磁性体金属からなる。もっとも、ケース33の内底面55に保持プレート67が取り付けられ、フランジ29の端面にマグネット66が設けられていてもよいし、両者がマグネットであってもよい。さらに、マグネット66及び保持プレート67に代えて面ファスナーが採用されてもよい。
この釣竿保護具65によれば、釣竿11から穂先保持具及びキャップが取り外された場合に、釣人は、両者を連結させておくことができる。したがって、実釣においてこれらを紛失することが抑制される。
10・・・釣竿保護具
11・・・釣竿
12・・・第1番節
13・・・第2番節
14・・・第3番節
15・・・元上節
16・・・元節
17・・・トップガイド
18〜25・・・釣糸ガイド
26・・・穂先保持具
27・・・キャップ
28・・・主軸
29・・・フランジ
31・・・他端部
32・・・貫通孔
33・・・ケース
34・・・ゴムバンド
46・・・辺部
49・・・小孔
50・・・突起
51・・・矢印
52・・・上面
55・・・内底面
56・・・穂先保持具
57・・・フランジ
58・・・緩衝材
59・・・穂先保持具
60・・・フランジ
61・・・周面
65・・・釣竿保護具
66・・・マグネット
67・・・保持プレート






Claims (10)

  1. 釣糸ガイドを有する振出式釣竿が収納状態とされたときに当該振出式釣竿に装着される穂先保持具であって、
    各釣糸ガイドに挿通される細長棒状に形成された可撓性を有する主軸と、
    当該主軸の一端に設けられ、上記釣糸ガイドのうちトップガイドの内径よりも大きな外形を呈する当接部材とを備えた穂先保持具。
  2. 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能である請求項1に記載の穂先保持具。
  3. 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能な弾性部材を備えている請求項1又は2に記載の穂先保持具。
  4. 上記主軸の他端部に釣糸が挿通される貫通孔が設けられている請求項1から3のいずれかに記載の穂先保持具。
  5. 上記主軸は、ポリアミド(PA)からなる請求項1から4のいずれかに記載の穂先保持具。
  6. 釣糸ガイドを有する振出式釣竿が収納状態とされたときに当該振出式釣竿に装着される釣竿保護具であって、
    各釣糸ガイドに挿通される細長棒状に形成された可撓性を有する主軸及び当該主軸の一端に設けられ、上記釣糸ガイドのうちトップガイドの内径よりも大きな外形を呈する当接部材を含む穂先保持具と、
    上記振出式釣竿に沿って配置される位置決め部、当該位置決め部に連続して上記釣糸ガイド及び当該釣糸ガイドに挿通された上記穂先保持具を囲繞する筒状部、並びに上記位置決め部に設けられ、上記振出式釣竿を囲繞し得る弾性ベルトを有するキャップとを備えた釣竿保護具。
  7. 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能である請求項6に記載の釣竿保護具。
  8. 上記当接部材は、上記主軸の軸方向に弾性変形が可能な弾性部材を備えている請求項6又は7に記載の釣竿保護具。
  9. 上記主軸の他端部に釣糸が挿通される貫通孔が設けられている請求項6から8のいずれかに記載の釣竿保護具。
  10. 上記当接部材は、上記キャップの内底面に着脱自在に設けられている請求項6から9のいずれかに記載の釣竿保護具。


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