JP2018146611A - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018146611A JP2018146611A JP2017038183A JP2017038183A JP2018146611A JP 2018146611 A JP2018146611 A JP 2018146611A JP 2017038183 A JP2017038183 A JP 2017038183A JP 2017038183 A JP2017038183 A JP 2017038183A JP 2018146611 A JP2018146611 A JP 2018146611A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- unit
- image forming
- pressure
- pair
- forming apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】記録材Pにトナー像Tを形成する画像形成部10と、画像形成部によりトナー像が形成された記録材をその間のニップ部Nで挟持搬送して加熱する少なくとも一方が弾性層を有する一対の回転体100、101を備えた定着部40と、を有する画像形成装置において、一対の回転体が加圧状態から加圧解除状態に移行する際に異常を生じたとき、定着部を修理するまで画像形成装置を使用できないという問題と定着部材である一対の回転体の加圧解除ができないことによる弾性層に生じ得る圧縮塑性歪みの問題とを解消する。
【解決手段】制御部800は、検知部122、123により前記異常状態が検知される場合には、画像形成部の画像形成動作の実行は許可する。報知手段700に異常状態の発生を通達する。定着部の最終動作から所定時間の経過後に、最終動作における一対の回転体の回転停止時にニップ部に位置していた一対の回転体の部位を更新する。
【選択図】図1
【解決手段】制御部800は、検知部122、123により前記異常状態が検知される場合には、画像形成部の画像形成動作の実行は許可する。報知手段700に異常状態の発生を通達する。定着部の最終動作から所定時間の経過後に、最終動作における一対の回転体の回転停止時にニップ部に位置していた一対の回転体の部位を更新する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の記録材上に画像形成可能な画像形成装置に関する。
例えば、転写タイプの電子写真方式を用いた画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム上に形成された潜像をトナー(現像剤)で現像し、そのトナー像(可視画像)を記録材(シート:以下、用紙又は紙と記す)に静電気力と圧力を用いて転写させる。そして、その転写トナー像を定着装置(画像加熱装置)により熱と圧力により定着させることによって、用紙材上に画像が記録形成されるようになっている。
定着装置として、内部にヒータを有する定着ローラに、加圧バネを張架した加圧レバーで加圧ローラを加圧、圧接して定着ニップ部を形成し、ニップ部でトナー像を担持している用紙を挟持搬送して定着を行うローラ定着方式が従来採用されている。
定着部材である定着ローラや加圧ローラにはゴム層が成形されており、両ローラがゴム層の弾性に抗して所定の圧接力で圧接される。これにより両ローラ間に用紙搬送方向においてトナー像の定着処理に必要な所定幅のニップ部を形成させている。
上記圧接力により形成されるニップ部において、ゴム組織は常に圧縮歪みを起こしている。そのため、画像形成装置のスタンバイ状態等で定着ローラが回転しない状態を長時間放置すると、ゴム組織の塑性限界を超えて結合が破壊されてしまい、歪みが元に戻らないいわゆる圧縮塑性歪み(塑性変形)を定着部材に起こしてしまうことがある。
定着部材のゴム層が圧縮塑性歪みを起こすと、ゴム層が凹凸をもった状態になり定着ローラから熱が均等に紙に伝わらないため画像不良が起きることがある。そのためゴム層の圧縮塑性歪みを抑止する目的で、加圧レバーを動作し加圧部材を退避させ加圧解除する加圧解除機構を有する加圧方式が用いられている。
しかし、加圧レバーを動作し加圧部材を退避させ加圧解除する機構は定着装置および定着装置周辺の部品が増え構成が複雑になるため、部品の破壊や動作不良を起こす可能性がある。部品の破壊や動作不良が起こった時にエラー表示し機械を止めることが一般的である。
特許文献1には、偏心カムを回転させて加圧レバーを加熱定着ローラに対する脱圧位置に移動させる構成の定着装置が記載されている。そして、偏心カムがカム駆動源であるステッピングモータからの回転駆動力を受けても回転しないことを検知する異常検知センサから異常検知信号を受けたとき、異常発生と判断する。CPUは、異常検知信号を複数回連続して受けた場合に装置の機械系を強制停止させている。
ところで、特許文献1に記載されているように加圧解除して脱圧位置に移動させる際に異常検知信号を受けたときに異常発生と判断し、画像形成装置を停止させると、サービスマンが定着装置を修理するまで装置を使用できないという問題が起こる。
本発明は、上記の定着装置を修理するまで画像形成装置を使用できないという問題と定着部材の加圧解除ができないことによるゴム層に生じ得る圧縮塑性歪みの問題とを解消することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録材にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によりトナー像が形成された記録材をその間のニップ部で挟持搬送して加熱する、少なくとも一方に弾性層を有する一対の回転体を備えた定着部と、前記一対の回転体を加圧状態にする加圧機構と、前記一対の回転体を加圧解除状態にする加圧解除機構と、前記加圧解除機構を駆動する駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部と、前記駆動部に異常が生じていることを検知する検知部と、を有し、前記制御部は、前記検知部が前記駆動部の異常を検知した場合、その後の画像形成動作の実行を許容する際には、前記定着部の最終動作から所定時間が経過したとき、前記最終動作における前記一対の回転体の回転停止時に前記ニップ部に位置していた前記一対の回転体の部位が前記ニップ部から外れた位置に移動するように前記一対の回転体を回転させて停止させることを特徴とする。
本発明によれば、異常が検知された定着部を修理するまで画像形成装置を使用できないという問題と定着部材である一対の回転体の加圧解除ができないことによる弾性層に生じ得る圧縮塑性歪みの問題とを解消することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態(実施例)を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
《実施例》
[画像形成装置]
図3は本実施例における画像形成装置Aの構成模式図である。この画像形成装置Aは転写タイプの電子写真方式を用いた、タンデム型のデジタルカラー複写機(以下、単にコピー機という)を示すものであり、記録材(シート:以下、用紙又は紙と記す)Pの搬送方向に沿った概略構成断面図である。用紙Pはトナー像が形成され得るものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
[画像形成装置]
図3は本実施例における画像形成装置Aの構成模式図である。この画像形成装置Aは転写タイプの電子写真方式を用いた、タンデム型のデジタルカラー複写機(以下、単にコピー機という)を示すものであり、記録材(シート:以下、用紙又は紙と記す)Pの搬送方向に沿った概略構成断面図である。用紙Pはトナー像が形成され得るものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
当該コピー機Aは、トナー像を用紙Pに形成するエンジン部(装置本体)600と、その上方に配置され原稿の画像を読取る画像読取部601を有する。また、エンジン部600と画像読取部601の略中間でコピー機Aの前面に配置されコピー機を操作する操作部700と、エンジン部600の背面側に配置され、エンジン部600や画像読取部601の動作制御をする制御部800(図4)を有している。図3はコピー機Aを前面側から見ている図であり、エンジン部600は内部構成を描いている。
画像読取部601は、原稿を読取る手段として、原稿を単枚読取する原稿台610と原稿を多枚読取する原稿自動送装置(原稿の読取り部に原稿を自動搬送する装置:ADF)611から構成されている。操作部700はコピー機Aを動作させるために操作する各種の操作ボタン701や、装置の状態などの各種の情報表示と操作が可能な情報表示部(タッチパネル:通達部)702を有する。
エンジン部600は、トナー像を形成するための画像形成部10を備えている。画像形成部10は、Y(イエロ)色トナー像を形成する作像ユニットUY、M(マゼンタ)色トナー像を形成する作像ユニットUM、C(シアン)色トナー像を形成する作像ユニットUC、Bk(ブラック)色トナー像を形成する作像ユニットUBkを有する。また、レーザスキャナユニット6、中間転写ベルトユニット7を有する。各作像ユニットUは何れも電子写真プロセス機構であり、それぞれ、回転駆動される感光体ドラム1、帯電器2、現像器3、一次転写帯電器4、ドラムクリーナ5を有する。
この構成の画像形成部10の電子写真プロセスや作像動作は公知であるからその説明は割愛する。各作像ユニットUの回転するドラム1から中間転写ベルトユニット7の回動するベルト8に対して各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト8上にY+M+C+Bkの4色重畳のカラートナー像が形成される。
一方、カセット給紙部の給紙ローラ11が所定の制御タイミングで駆動されることで、給紙カセット9に積載されて収容されている用紙Pが1枚ずつ送り出されて、給紙後搬送路12を通り、レジストローラ対13に送り込まれる。レジストローラ対13は用紙Pを一旦受け止めて、用紙Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対13は、ベルト8上のトナー像と同期を取って、用紙Pをベルト8と二次転写ローラ14との圧接ニップ部である二次転写部15に送り込む。ベルト8上のカラートナー像は二次転写ローラ14によって用紙Pに対して4色一括して二次転写される。
二次転写部15を通った用紙Pは定着前搬送路16を通り定着装置(定着部)40に対して下向きの入口から導入される。用紙Pは定着装置40に搬送されて加熱および加圧されることでトナー像が用紙Pに定着される。
用紙Pの片面だけにトナー像を形成(印刷)する片面画像形成モードの場合には、定着装置40の上向きの出口から上に搬送された用紙Pが切り換えフラッパ17により排紙ローラ18の側に案内されて片面画像形成物として排紙トレイ19に排出される。
用紙Pの両面にトナー像を形成する両面画像形成モードの場合には、定着装置40を出た片面画像形成済みの用紙Pが排紙ローラ18によりトレイ19に搬送され後端部が定着装置40を出て反転ポイント20に達したとき、排紙ローラ18が逆回転される。これによって用紙がスイッチバック搬送されて両面搬送路21に導入される。
そして、用紙Pは両面搬送路21を通って搬送ローラ22によりレジストローラ対13の手前側において給紙後搬送路12に対して表裏反転状態で再導入される。以後は、用紙Pは片面画像形成モードの場合と同様の過程を経て他方面側にもトナー像が形成された両面画像形成物として排紙トレイ19に排出される。
尚、フラッパ17、排紙ローラ18のスイッチバック動作で構成される部分は、反転手段の一例である。本実施例においては排紙ローラ18で反転しているが、印刷(画像形成)の生産性を高める為に反転部を設けたり、排紙部を複数設けたり等をして排紙ローラ18以外の場所で反転を行っても良い。
エンジン部600の外郭部には、給紙カセット9以外の給紙部として手差給紙部(手差トレイ)23が設けられている。この手差給紙部23は、給紙カセット9にセットされた用紙P以外の種類の用紙Pに画像形成したい場合等に、簡易に用紙Pをセットできる等、ユーザ操作性を考慮した目的で設けられている。
手差給紙部23からの給紙(用紙の給送)による画像形成は、給紙ローラ24が所定の制御タイミングで駆動されることで、手差給紙部23にセットされた用紙Pが1枚ずつ送り出される。その用紙Pが搬送路25を通り搬送ローラ22によりレジストローラ対13の手前側において給紙後搬送路12に導入される。以後は給紙カセット9からの給紙の場合と同様に画像形成が実行される。手差給紙部23には用紙Pの有無状態を検知する手差給紙センサ230が設けられており、手差給紙部23における用紙Pの有無を検知可能となっている。
搬送路を搬送中の用紙Pの状態を検出する手段として搬送路に用紙検知センサを設けている。図1のコピー機Aにおいては、レジストローラ対13の下流(用紙搬送方向に関して:以下同じ)の用紙検知をレジストセンサ200が行う。また、定着装置40の下流の用紙検知を内排紙センサ201が行う。また、排紙ローラ18の下流の用紙検知を排紙センサ202が行う。
制御部800のエンジンコントローラ802はそれらのセンサ200・201・202の検知信号に応じて選択的に次工程へ移行する。例えば、用紙Pが搬送路を搬送中にいずれかのセンサのオン時間がシークエンス上の規定時間より長い場合や、いずれかのセンサへの到達がシークエンス上の規定時間より遅れた場合に、CPU810は、どこかで用紙が詰まった(ジャム発生)と判断する。そして、CPU810は用紙詰まりの状態が進行しないように検知信号に基づいて各ローラの駆動部(不図示)を停止させる。
装置内部に用紙Pが詰まり、各センサがジャムを検知した後に装置内部から詰まった用紙Pを除去する目的で、エンジン部(装置本体)600には、扉26がに設けられている。扉26はヒンジ27を回動中心として、図5のように、エンジン部600の右側へ回動可能(開き回動可能)である。定着前搬送路16や二次転写ローラ14やレジストローラ対13の一方のローラ(図示右側)は扉26側に具備されている。従って、扉26が開かれることで、給紙後搬送路12から排紙ローラ18までの間で定着装置40以外の搬送路が開放される。これによって搬送路にジャムした用紙の除去を容易に行うことができる。
なお、手差給紙部23は、不使用時は、扉26の外面に対して図3の2点鎖線示のように畳み込んで格納した状態にすることができる。使用時には図3の実線示のように扉26の外面から右側に所定の傾斜角度姿勢に開き倒した状態にすることができる。
[定着装置]
図6は定着装置40の外観斜視模式図、図7は定着装置の長手一端側(駆動側)の要部の斜視模式図、図8は同じく長手他端側(非駆動側)の要部の斜視模式図、図9は定着装置の要部の拡大横断面模式図である。
図6は定着装置40の外観斜視模式図、図7は定着装置の長手一端側(駆動側)の要部の斜視模式図、図8は同じく長手他端側(非駆動側)の要部の斜視模式図、図9は定着装置の要部の拡大横断面模式図である。
この定着装置40はベルト加熱方式の画像加熱装置であり、大別して、定着ベルト(第1の回転体)100を備えた定着ベルトユニット110、弾性加圧ローラ(第2の回転体)101、これらを収容した定着フレーム(装置筐体)115、により構成される。一対の回転体としての定着ベルト100と加圧ローラ101とによりニップ部(定着ニップ部)Nが形成される。ニップ部Nは未定着トナー像Tを担持している用紙Pを挟持搬送してトナー像を熱と圧力で定着する部分である
図10は定着ベルトユニット110の分解斜視模式図であり、加圧ローラ101も描いてある。当該ユニット110は、円筒状の定着ベルト100、ヒータホルダ(加圧部材)103、ヒータ(加熱部材)102、加圧ステー(ベルトフレーム)104、フランジ部材(ベルトガイド)105A・105Bなどによる組立体である。
図10は定着ベルトユニット110の分解斜視模式図であり、加圧ローラ101も描いてある。当該ユニット110は、円筒状の定着ベルト100、ヒータホルダ(加圧部材)103、ヒータ(加熱部材)102、加圧ステー(ベルトフレーム)104、フランジ部材(ベルトガイド)105A・105Bなどによる組立体である。
(1)定着ベルト
ベルト100は可撓性・耐熱性を有する薄肉のエンドレスベルト状の伝熱部材である。ベルト100は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、肉厚を総厚150μm以下としたポリイミドフィルム、PEEKフィルム等の耐熱樹脂からなる。熱伝導率が高くなるように導電材を付与した樹脂層に重ねて熱伝導率の高いゴム材料の弾性層を形成し、表面にフッ素樹脂の離型層を形成して内径φ25mmの無端状に形成されている。
ベルト100は可撓性・耐熱性を有する薄肉のエンドレスベルト状の伝熱部材である。ベルト100は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、肉厚を総厚150μm以下としたポリイミドフィルム、PEEKフィルム等の耐熱樹脂からなる。熱伝導率が高くなるように導電材を付与した樹脂層に重ねて熱伝導率の高いゴム材料の弾性層を形成し、表面にフッ素樹脂の離型層を形成して内径φ25mmの無端状に形成されている。
本実施例では、基層は厚み30μmのポリイミドを用い、弾性層は厚み70μmで熱伝導率が1.0W/m・Kのシリコーンゴム、離型層は厚さ30μmのPFAチューブを用いた。PFA層は、離型性の高いシート又はコート層であることが好ましく、例えばフッ素樹脂層を用いることができる。また、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドアミド等に代表される耐熱性の高いシート状部材を基層とし、その上に導電層、さらにその上に表面離型層を積層したものでもよい。
(2)ヒータホルダ
ヒータホルダ103は、ヒータ102を固定支持させたニップ形成部材である。ヒータホルダ103は横断面略半円弧状樋型で、ベルト100の長手方向(幅方向)に沿って長い耐熱性樹脂等の断熱性部材である。省エネルギーの観点から加圧ステー104への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。
ヒータホルダ103は、ヒータ102を固定支持させたニップ形成部材である。ヒータホルダ103は横断面略半円弧状樋型で、ベルト100の長手方向(幅方向)に沿って長い耐熱性樹脂等の断熱性部材である。省エネルギーの観点から加圧ステー104への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。
(3)ヒータ
ヒータ102は通電により急峻に昇温する低熱容量の横長の板状発熱体であり、本実施例ではセラミックヒータである。このヒータ102は、細長薄板状の熱伝導が良好なAlN基板上にAg・Pdペーストを厚膜印刷し焼成することで発熱体を形成する。そして、発熱体の上に摺動絶縁部材として50〜60μm程度の厚さのガラスコーティング層が一体となって設けられたセラミックヒータを構成する。本実施例においては、厚み600μmのAlN基板上に発熱抵抗層を形成させている。ヒータ102はヒータホルダ102の外面にホルダ長手に沿って形成されている溝部には嵌め込まれて保持されている。
ヒータ102は通電により急峻に昇温する低熱容量の横長の板状発熱体であり、本実施例ではセラミックヒータである。このヒータ102は、細長薄板状の熱伝導が良好なAlN基板上にAg・Pdペーストを厚膜印刷し焼成することで発熱体を形成する。そして、発熱体の上に摺動絶縁部材として50〜60μm程度の厚さのガラスコーティング層が一体となって設けられたセラミックヒータを構成する。本実施例においては、厚み600μmのAlN基板上に発熱抵抗層を形成させている。ヒータ102はヒータホルダ102の外面にホルダ長手に沿って形成されている溝部には嵌め込まれて保持されている。
一方、AlN基板を挟んで発熱体が設けられている側と反対側の基板上には、チップ状のサーミスタTH1が設けられている。サーミスタTH1は、発熱体が存在する領域の反対側に、予め厚膜印刷で形成された電極パターン上に接着固定され、AlN基板の温度をモニターする。更に、発熱体の端部近傍の位置にもサーミスタTH2が設けられている。サーミスタTH1・TH2は、接着剤の耐熱温度を超えるような温度も検知するために不図示のバネ等の加圧手段により基板に所定の圧力で固定されている。
(4)加圧ステー
加圧ステー104は、ベルト100の幅方向に沿って長く、加圧ローラ101からの反力を受ける剛性部材であり、高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましい。本実施例においては横断面コの字形もしくはUの字形のSUS304の型材を用いている。加圧ステー104は、ヒータホルダ104の内側に配設されてヒータホルダ104を支持する。
加圧ステー104は、ベルト100の幅方向に沿って長く、加圧ローラ101からの反力を受ける剛性部材であり、高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましい。本実施例においては横断面コの字形もしくはUの字形のSUS304の型材を用いている。加圧ステー104は、ヒータホルダ104の内側に配設されてヒータホルダ104を支持する。
(5)フランジ部材
ベルト100は、上記のヒータホルダ103、ヒータ102、加圧ステー104の組立体に対してルーズに外嵌(外挿)されている。加圧ステー104の両端部104aはそれぞれベルト100の両端部の開口部から外方に突出している。その加圧ステー104の両端部104aに対してそれぞれフランジ部材105A・105Bが嵌着されている。ベルト100はその嵌着されたフランジ部材105A・105Bの対向するフランジ部105a・105a間に位置している。フランジ部材105A・105Bはユニット110におけるベルト100の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材である。
ベルト100は、上記のヒータホルダ103、ヒータ102、加圧ステー104の組立体に対してルーズに外嵌(外挿)されている。加圧ステー104の両端部104aはそれぞれベルト100の両端部の開口部から外方に突出している。その加圧ステー104の両端部104aに対してそれぞれフランジ部材105A・105Bが嵌着されている。ベルト100はその嵌着されたフランジ部材105A・105Bの対向するフランジ部105a・105a間に位置している。フランジ部材105A・105Bはユニット110におけるベルト100の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材である。
フランジ部材105A・105Bは、PPS、液晶ポリマー、フェノール樹脂等の耐熱樹脂のモールド形成品であり、それぞれ、フランジ部(鍔座部)105aと、棚部105bと、被押圧部105cと、を有する。
フランジ部105aはベルト100の端部コバ面を受け止めてベルト100のスラスト方向への移動を規制する部分であり、ベルト100の外形形状より大きい外形形状をしている。棚部105bはフランジ部105aの内面側に円弧状に設けられており、ベルト端部の内面を保持してベルト100の円筒形状を保形する。被押圧部105cはフランジ部105aの外面側に設けられており、後述する加圧機構118A・118Bによる加圧力を受ける。
(6)加圧ローラ
加圧ローラ101は、鉄、アルミ等の金属製の円柱状芯金101aを芯材とし、該芯金の外周側にスポンジやシリコーンゴムなど柔軟なゴム材料の弾性層101bと、表層には離型層101cとしてのPFA層を備えている。
加圧ローラ101は、鉄、アルミ等の金属製の円柱状芯金101aを芯材とし、該芯金の外周側にスポンジやシリコーンゴムなど柔軟なゴム材料の弾性層101bと、表層には離型層101cとしてのPFA層を備えている。
本実施例では、鉄、アルミ等の芯金101aの表面をブラスト等の表面粗し処理を行った後、洗浄を行い、次いで芯金101aを筒型に挿入し、液状のシリコーンゴムを型内に注入し加熱硬化させて弾性層101bを形成している。この時、弾性層101bの表面に離型層101cとしてPFAチューブ等の樹脂チューブ層を形成するために、型内に予め内面にプライマーを塗布したチューブを挿入しておく。これにより、弾性層101bとしてのゴムの加熱硬化と同時にチューブ101cとゴム層101bの接着を行う。このようにして成型された加圧ローラ101は脱型処理した後、2次加硫を行う。
本実施例では、加圧ローラ101の芯金101aの径はφ15mm、弾性層101bの肉厚は5mmでアスカー硬度64°のシリコーンゴム、離型層101cのPFAチューブ厚みは50μmとし、外径約φ25mmの加圧ローラ101とした。
加圧ローラ101は定着フレーム115の一端側と他端側の側板116A・116Bの間において、芯金101aの一端側と他端側がそれぞれ軸受114を介して回転可能に支持されている。
ユニット110は側板116A・116Bとの間において、加圧ローラ101に対してヒータ102の側を対向させるように、加圧ローラ101に実質平行に配列されている。ユニット110におけるフランジ部材105A・105Bはそれぞれの被押圧部105cが側板116A・116Bに対称に形成されたガイド穴117に加圧ローラ101の方向へスライド移動可能に嵌着されている。
そして、フランジ部材105A・105Bは、それぞれ、被押圧部105cにおいて後述する加圧機構118A・118Bにより加圧ローラ102に向かう方向へ所定の加圧力(圧接力)を受ける。本実施例では加圧力を、両側それぞれで125N、総加圧力250Nとした。
その加圧力により、ユニット110のフランジ部材105A・105B、加圧ステー104、ヒータホルダ103の全体が加圧ローラ101の方向に加圧される。そのため、ヒータホルダ103とヒータ102はベルト100を介して加圧ローラ101に対してベルト100の弾性層および加圧ローラ101の弾性層101bの弾性に抗して所定の加圧力で押圧される。これにより、ベルト100と加圧ローラ101との間に用紙搬送方向(記録材搬送方向)Xに関して所定幅のニップ部Nが形成される。
(7)定着動作
加圧ローラ101の芯金101aの一端側には同心一体に駆動ギアG1が配設されている。このギアG1にCPU810で制御される定着モータ(駆動源)92の駆動力が定着駆動部90(図6)の駆動伝達機構部を介して伝達される。本実施例においては定着モータ92がCW方向である正転方向Yに駆動され、その正転駆動力が定着駆動部90の駆動伝達機構部を介してギアG1に伝達される。これにより、加圧ローラ101が駆動回転体として図9において矢印R101の時計方向に所定速度で回転駆動される。
加圧ローラ101の芯金101aの一端側には同心一体に駆動ギアG1が配設されている。このギアG1にCPU810で制御される定着モータ(駆動源)92の駆動力が定着駆動部90(図6)の駆動伝達機構部を介して伝達される。本実施例においては定着モータ92がCW方向である正転方向Yに駆動され、その正転駆動力が定着駆動部90の駆動伝達機構部を介してギアG1に伝達される。これにより、加圧ローラ101が駆動回転体として図9において矢印R101の時計方向に所定速度で回転駆動される。
加圧ローラ101が回転駆動されることで、ニップ部Nにおいてベルト100に加圧ローラ101との摩擦力で回転トルクが作用する。これにより、ベルト100は、その内面がニップ部Nにおいてヒータ102とヒータホルダ103の一部に密着して摺動しながら、ヒータホルダ103と加圧ステー104の外回りを矢印R100の反時計方向に従動回転する。ベルト100の回転周速度は加圧ローラ101の回転周速度とほぼ対応している。
ベルト100とヒータ102およびヒータホルダ103の摺動面には摩擦力を低減する目的であらかじめ潤滑剤(不図示)が塗布されている。潤滑剤は、本実施例においてはオイルが塗布されている。オイルとしては、高温環境下において使用可能なシリコーンオイル等が好ましい。
また、CPU810は給電部(不図示)からヒータ102に対する通電を開始する。給電部からヒータ102への給電経路は図には省略したけれども、給電部とヒータ102とを電気的に接続させた配線とコネクタを介してなされる。この通電によりヒータ102は急速に昇温する。サーミスタTH1はヒータ102の温度に応じた信号をCPU810に出力する。CPU810はサーミスタTH1で検知されるヒータ温度に基づいてヒータ温度が所定の目標設定温度に昇温して温調されるように給電部からヒータ102への供給電力を制御する。
上記の定着装置状態において、画像形成部10から未定着トナー像Tが形成された用紙Pが定着装置40に導入され、ニップ部Nで挟持搬送される。用紙Pはニップ部Nを挟持搬送される過程でヒータ102の熱がベルト100を介して付与される。未定着トナー画像Tはヒータ102の熱によって溶融され、且つニップ部Nにかかっている圧力によって用紙Pに定着される。
(8)加圧機構
定着フレーム115の一端側と他端側の側板116A・116Bの外側にはそれぞれ一端側と他端側の加圧機構118A・118Bが配設されている。この両加圧機構118A・118Bは対称構成の同一構造であるから、一端側の加圧機構118Aを代表して説明する。
定着フレーム115の一端側と他端側の側板116A・116Bの外側にはそれぞれ一端側と他端側の加圧機構118A・118Bが配設されている。この両加圧機構118A・118Bは対称構成の同一構造であるから、一端側の加圧機構118Aを代表して説明する。
加圧機構118Aは加圧レバー112と加圧バネ113を有する。加圧レバー112は基部側が側板116Aに対して軸部111を中心に揺動可能に取り付けられている。加圧レバー112は軸部111からフランジ部材105Aの被押圧部105cの位置を経由して軸部111側とは反対側に延びている。加圧バネ113は加圧レバー112をフランジ部材105Aの被押圧部105cに当接させて加圧する方向に軸部111を中心に回動付勢する弾性部材である。
本実施例においては、被押圧部105cを中にして軸部111側とは反対側の加圧レバー部分に透穴(不図示)を設けてあり、この透穴に長い加圧調整ネジ132を差し込み、ネジ先端部を側板116A側のネジ穴133に螺合させてある。そして、このネジ132の頭部(座面)132aと加圧レバー112との間のネジ部にコイル状の加圧バネ113を外嵌させて縮設させてある。従って、加圧レバー112は自由状態においては加圧バネ113の圧縮反力によりフランジ部材105Aの被押圧部105cに当接して加圧力を与える。
ネジ132を締めることによりネジ132の頭部132aが加圧バネ113のバネ長を縮め、加圧レバー112に付加されるバネ荷重を大きくすることができる。加圧レバー112は側板116Aに対して回動自在に支持されているので加圧バネ113の圧縮反力によって軸部111まわりに回動モーメントが発生して、フランジ部材105Aが加圧ローラ201方向へ所定の加圧力で押される。
以上、一端側の加圧機構118Aを説明したが、他端側の加圧機構118Bも一端側の加圧機構118Aと同様である。
(9)加圧解除機構
一端側と他端側の加圧機構118A・118Bによる加圧力の解除は加圧解除機構119によりなされる。本実施例において、加圧解除機構119は、一端側と他端側の加圧機構118A・118Bのそれぞれの加圧レバー112を揺動させるための一端側と他端側のカム120を有する。
一端側と他端側の加圧機構118A・118Bによる加圧力の解除は加圧解除機構119によりなされる。本実施例において、加圧解除機構119は、一端側と他端側の加圧機構118A・118Bのそれぞれの加圧レバー112を揺動させるための一端側と他端側のカム120を有する。
この2つのカム120は所定の偏心量を持った同一形状であり、側板116A・116B間に軸受131・131を介して回転可能に支持されて配設されたカム軸123の一端部と他端部と同位相で固定されており、カム軸123と一体に回転する。一端側と他端側のカム120は、それぞれ、一端側と他端側の加圧機構118A・118Bの加圧レバー112の先端部側に対応位置している。
カム軸123の一端部側には駆動ギアG2(図6)が同心一体に固定して配設されている。このギアG2にCPU810で制御される定着モータ92の駆動力がカム駆動部91の駆動伝達機構部を介して伝達される。なお、図7においては、図6には記載した上記の駆動ギアG2、定着モータ92、定着駆動部90、カム駆動部91は省略してある。
本実施例においては定着モータ92がCCW方向である逆転方向(モータ反転方向)Vに駆動され、その逆転駆動力がカム駆動部91の駆動伝達機構部を介してギアG2に伝達される。なお、本実施例では、定着モータ92のY方向である正転駆動力により加圧ローラ101を回転させ、V方向である逆転駆動力によりカム軸123を回転させる構成である。定着モータ92の正転駆動力は定着駆動部90に伝わるけれどもカム駆動部91には伝わらず、逆転駆動力はカム駆動部91に伝わるけれども定着駆動部90には伝わらない機構構成となっている。
図11の(a)はベルト100と加圧ローラ101が圧接して両者間に用紙搬送方向Xに関して所定幅のニップ部Nが形成されている加圧(圧接)状態時を表している。この加圧状態時においては、加圧解除機構119の一端側と他端側のカム120が、それぞれ、一端側と他端側の加圧機構118A・118Bの加圧レバー112に対して最小隆起部が対向した、加圧レバー112に非接触の回転角姿勢とされている。
そのため、加圧レバー112は自由状態にあり、一端側と他端側のフランジ部材105A・105Bがそれぞれ一端側と他端側の加圧機構118A・118Bの加圧バネ113と加圧レバー112により加圧される。これにより、ベルト100と加圧ローラ101が圧接して両者間に所定幅のニップ部Nが形成されている状態に保持される。
図11の(b)は加圧解除状態時を示している。(a)の加圧状態時において、ギアG2に定着モータ92の逆転駆動力がカム駆動部91の駆動伝達機構部を介して伝達されてカム軸123が回転され、一端側と他端側のカム120がそれぞれ同じ位相で回転される。そして、一端側と他端側の加圧レバー112に対して最大隆起部が対向した回転角姿勢とされる。
そうすると、一端側と他端側の加圧レバー112がそれぞれカム120により一端側と他端側のフランジ部材105A・105Bの被押圧部105cから離間する方向に加圧バネ113・113のバネ力に抗して押し上げられる。これにより、定着ベルト100と加圧ローラ101の加圧が解除される。
(10)加圧解除制御
定着ベルト100と加圧ローラ101の加圧解除は、この両者が圧接している状態で、且つ、回転しない状態のまま長時間放置されることによって、定着ベルト100や加圧ローラ101の弾性層のいわゆる圧縮塑性歪みの発生を防ぐためである。前述したように、弾性層の圧縮塑性歪みはゴム組織の塑性限界を超えて結合が破壊されてしまい、ゴムの歪みが元に戻らない現象である。また、定着ベルト100と加圧ローラ101の加圧解除は、ニップ部Nで用紙Pが搬送されているときにジャムを起こした場合にもジャム用紙の除去操作性を上げるためになされる。
定着ベルト100と加圧ローラ101の加圧解除は、この両者が圧接している状態で、且つ、回転しない状態のまま長時間放置されることによって、定着ベルト100や加圧ローラ101の弾性層のいわゆる圧縮塑性歪みの発生を防ぐためである。前述したように、弾性層の圧縮塑性歪みはゴム組織の塑性限界を超えて結合が破壊されてしまい、ゴムの歪みが元に戻らない現象である。また、定着ベルト100と加圧ローラ101の加圧解除は、ニップ部Nで用紙Pが搬送されているときにジャムを起こした場合にもジャム用紙の除去操作性を上げるためになされる。
カム120の回転動作の中で、圧接位置、加圧解除位置を検知する手段としてカム120の支持軸であるカム軸123の同軸上にセンサフラグ121があり、カム120の回転と同期回転し、その回転方向位置を接離センサ122で検出している。接離センサ122は赤外線をセンサ内で透過させており、センサフラグ121がその赤外線を遮光ないしは透過のどちらか一方をすることにより信号を発信する。
即ち、本実施例において、このセンサフラグ121と接離センサ122が定着ベルト100と加圧ローラ101の加圧状態と加圧解除状態を検知する検知部である。また、このセンサフラグ121と接離センサ122が定着ベルト100と加圧ローラ101が加圧状態から加圧解除状態に移行する際に加圧状態のままとなる異常状態を検知する検知部である。
図11の(a)の加圧状態から(b)の加圧解除状態への動作は、エンジンコントローラ802からの加圧解除命令信号により、CPU(ENG)810が定着駆動部90の定着モータ92を停止させる。その停止後に、定着モータ92をCCW方向であるモータ反転方向V(図6)に回転駆動させて、カム駆動部92の駆動経路の駆動伝達によりカム120がW方向に回動し始める。それに伴ってカム軸123の同軸上にあるセンサフラグ121が同時回転する。
このセンサフラグ121の回転動作前に接離センサ122が遮光状態であり、センサフラグ121が接離センサ122の赤外線照射域をから抜け接離センサ122が透過状態となると所定時間後定着モータ92を停止させてカム120が加圧解除完了位置となる。この時の接離センサ122の出力信号の遷移により加圧解除状態と検知して定着モータ92が停止されることで加圧解除が完了する。
また逆に、図11の(b)の加圧解除状態から(a)の加圧状態への動作は、エンジンコントローラ802からの圧接命令信号により定着装置40を画像形成状態に復帰する為に、ベルト100と加圧ローラ101の圧接動作を開始する。
まず、CPU(ENG)810が定着モータ92をCCW方向であるモータ反転方向Vに回転駆動させて、カム駆動部92の駆動経路の駆動伝達によりカム120がW方向に回動し始める。これに伴ってカム軸123の同軸上にあるセンサフラグ121が同時回転する。
加圧解除時はセンサ122が透過状態であり、センサフラグ121が接離センサ122の赤外線照射域に達し接離センサ122が遮光状態となる。この時の接離センサ122の出力信号の遷移により定着ニップ部Nが加圧状態と検知して定着モータ92が停止されることで圧接が完了する。
本実施例では接離センサ122が遮光状態であれば加圧状態が保証される範囲でカム120のプロファイルを設計されている。つまり接離センサ122が遮光状態であれば、加圧状態である。
[加圧解除機構の動作異常時の対応制御モード]
図1は本実施例のコピー機Aにおいて定着装置(定着部)40のベルト100と加圧ローラ101が加圧状態から加圧解除状態に移行される際に加圧解除機構119の動作異常で加圧解除状態に移行しなかった場合に実行される対応制御のフロー図である。
図1は本実施例のコピー機Aにおいて定着装置(定着部)40のベルト100と加圧ローラ101が加圧状態から加圧解除状態に移行される際に加圧解除機構119の動作異常で加圧解除状態に移行しなかった場合に実行される対応制御のフロー図である。
まず初めにエンジンコントローラ802が加圧解除命令信号を出す(ステップS1)。エンジンコントローラ802からの加圧解除命令信号は、コピー機Aが長時間停止することが想定される時に信号出力される。例えば、定着以外でのエラーが発生した場合や、各用紙検知センサ200、201、202がジャムを検知した場合や、扉26が開かれた場合や、コピー機Aが低電力モードに移行した場合、等により信号出力される。
次に、所定時間t1経過後、接離センサ122のON、OFFを判定する(S2)。ここでいうONは赤外線遮光状態を、OFFは赤外線透過状態と定義する。ここでt1経過後接離センサ122がOFFになっていれば、加圧状態から加圧解除状態に正常に移行したと考え、所定時間t2経過後、定着モータ92を停止させて加圧解除完了とする(S3)。即ち、定着装置40は図10の(a)の加圧状態から(b)の加圧解除状態に常に移行動作する。
一方、所定時間t1経過後、接離センサ122がONのままであった場合を説明する。所定時間t1経過後、接離センサ122がONであった場合は何かしらの原因で加圧解除機構119が加圧解除動作しなかったことが考えられる。例えば、カム駆動部91のどこかでギアの歯が破損して駆動が伝わらなかったり、圧解除トルクが重いことで歯とびが起こったり、定着モータ92の逆転駆動が停止してしまった等の原因が考えられる。
即ち、制御部800は、所定時間t1経過後も接離センサ122がONのままであることで、ベルト100と加圧ローラ101が加圧状態から加圧解除状態に移行する際に加圧状態のままとなる異常状態を検知する。
この場合も、ベルト100と加圧ローラ101が加圧状態であるため定着装置40が用紙P上のトナーを定着する機能は保証される。そこで、コピー機Aの画等形成動作自体をエンジン部600が行うことは許可する。即ち、制御部800は、画像形成部10の画像形成動作の実行は許可する。
ただし、何かしらの原因で加圧解除ができなかったことをサービスマンに通知するアラームを出す(S4)。アラームはネットワークを通じてサービスマンに自動的に通知される通達システムを使うことができる。ネットワークが通じてなければ、操作部700の通達部としての情報表示部702の画面上に「定着器を修理する必要があります。サービスマンにご連絡ください。継続してプリントは可能です」といったメッセージを表示させることも可能である。
次に、画像形成動作後、長時間、定着装置40が動作しない状態が継続した場合に関して説明する。この時、前述したように圧接力により形成されるニップ部Nにおいて、ベルト100や加圧ローラ102の弾性層のゴム組織は常に圧縮歪みを起こしている。そのため、定着装置40が駆動されない状態のまま長時間放置されると、ゴム組織の塑性限界を超えて結合が破壊されてしまい、歪みが元に戻らないいわゆる圧縮塑性歪みを起こしてしまうことがある。
弾性層のゴムは圧縮塑性歪みが起こるまでは実際上時間がかかるため、加圧解除ができなくても即、問題が発生するわけではない。ゴムが圧縮塑性歪みを起こす時間は定着装置40の加圧力や弾性層の厚みや材質によって変化するため開発中にそのパラメータは検討で決定しておく。ゴムの圧縮塑性歪みを起こさない時間をT1とする。本実施例ではT1は36時間としている。
前述した圧解除動作を行うことができなかった時間(時刻)からエンジンコントローラ802のタイマー(タイマー機能部)240(図4)が作動(起動)し、T1時間経過したかを監視する。ただし、途中で定着動作(画像形成動作)が行われると、そこでT1の計時はリセットされる(S5)。これは定着動作が行われることでベルト100と加圧ローラ101が回転することでニップ部Nが移動し弾性層のゴムの圧縮が解放されるからである。
T1の計時がリセットされた場合はそこからタイマー240が作動しT1時間経過したかを監視する。なお本実施例のタイマー240は主電源が落とされないかぎり、作動しており、低電力状態に移行しても作動するタイマーである。
次にT1時間経過後の動作について説明する。T1経過後、エンジンコントローラ802は所定時間t3だけ定着モータ92をCW方向であるモータ正転方向Y(図6)に回転駆動させて、駆動経路の駆動伝達により定着駆動部90を回転させる。これにより、ベルト100と加圧ローラ101を回転させてニップ部Nを移動させる(S6)。
即ち、制御部800は、定着装置40の最終動作から所定時間T1の経過後に次の制御を行う。前記最終動作におけるベルト100と加圧ローラ101の回転停止時にニップ部Nに位置していたベルト100と加圧ローラ101の部位がニップ部Nから外れた位置に移動するようにベルト100と加圧ローラ101を回転させて停止させる。つまり、ベルト100と加圧ローラ101のニップ部Nに位置している部位を所定時間T1の経過後毎に更新するシークエンスを実行する。
図2はベルト100と加圧ローラ101が所定時間t3だけ回転した状態を表す面図である。本実施例では、所定時間t3は、ベルト100と加圧ローラ101の回転周長が回転体の一周長からニップ部Nの用紙搬送方向Xにおける幅寸法を差し引いた周長以内となる駆動時間に設定されている。即ち、ベルト100と加圧ローラ101の回転周長は前記部位が再びニップ部Nに掛からない距離L1で設定されている。本実施例ではt3は1秒である。その後、またT1経過をタイマー240がT1をカウントし始める。
なお、ニップ部Nにおける部位更新のためのベルト100と加圧ローラ101の回転は前記部位が再びニップ部Nに掛からなければ複数回させても構わない。
上記の実施例の画像形成装置Aをまとめると次の通りである。記録材Pにトナー像Tを形成する画像形成部10と、画像形成部10によりトナー像Tが形成された記録材Pをその間のニップ部Nで挟持搬送して加熱する、少なくとも一方に弾性層を有する一対の回転体100・101を備えた定着部40を有する。また、一対の回転体100・101を加圧状態にする加圧機構118A・118Bと、一対の回転体100・101を加圧解除状態にする加圧解除機構119を有する。
また、加圧解除機構119を駆動する駆動部92・91と、駆動部92・91の動作を制御する制御部800と、駆動部92・91に異常が生じていることを検知する検知部122・123を有する。制御部800は、検知部122・123が駆動部92・91の異常を検知した場合、その後の画像形成動作の実行を許容する際には、次の制御を実行する。即ち、定着部40の最終動作から所定時間が経過したとき、最終動作における一対の回転体100・101の回転停止時にニップ部Nに位置していた一対の回転体の部位がニップ部から外れた位置に移動するように一対の回転体を回転させて停止させる。
また、装置の状態を通達する通達部700を有し、制御部800は検知部122・123が駆動部92・91の異常を検知した場合、通達部700に異常の発生を通達する。通達部700はネットワークを通じてサービスマンに通知される通達システムである。通達部700は画像形成装置の操作部の情報表示部である。
図1のようなフローでベルト100と加圧ローラ101のニップ部(圧接部)Nを移動させることで弾性層のゴムの圧縮塑性歪みを防ぐことができる。なおかつ、コピー機Aを停止させるとサービスマンが定着装置40を修理するまでコピー機Aを使用できないという問題を解消することができる。
[その他の事項]
(1)図11の(a)のベルト100と加圧ローラ101との加圧解除状態はベルト100や加圧ローラ101に圧接痕が付かない加圧力であれば弱圧接触等の状態でも良い。
(1)図11の(a)のベルト100と加圧ローラ101との加圧解除状態はベルト100や加圧ローラ101に圧接痕が付かない加圧力であれば弱圧接触等の状態でも良い。
(2)定着装置40として用紙上に形成された未定着トナー像Tを加熱して定着する装置を例にして説明したがこれに限られない。例えば、用紙に仮定着されたトナー像を加熱し最定着することにより画像のグロス(光沢度)を増大させる装置(この場合も定着装置と呼ぶことにする)であってもよい。
(3)ベルト100を加熱する加熱手段は実施の形態のセラミックヒータ102に限られない。内部加熱型あるいは外部加熱型の、電磁誘導加熱手段、ハロゲンヒータ、赤外線ランプ、ニクロム線ヒータ等の加熱器を用いる装置構成にすることもできる。加圧ローラ101にもこれを加熱する加熱手段を具備させた装置構成にすることもできる。
(4)一対の回転体のうち、一方がエンドレスベルトであり他方がローラである、若しくは共にエンドレスベルト又は共にローラである装置構成にすることもできる。また、実施例は一対の回転体であるベルト100と加圧ローラ10の両方に弾性層を有するけれども一対の回転体のどちらか一方に弾性層を有する装置構成にすることもできる。
(5)画像形成装置は実施の形態の電子写真方式のフルカラー画像装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また、電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式など他の方式を用いて直接方式又は転写方式でトナー像を形成する画像形成装置であってもよい。
A・・画像形成装置、10・・画像形成部、P・・記録材、T・・トナー像、40・・定着部、100・101・・一対の回転体、N・・ニップ部、118A・118B・・加圧機構、119・・加圧解除機構、91・92・・駆動部、800・・制御部、122・123・・異常状態検知部、700・・通達部
Claims (8)
- 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によりトナー像が形成された記録材をその間のニップ部で挟持搬送して加熱する、少なくとも一方に弾性層を有する一対の回転体を備えた定着部と、
前記一対の回転体を加圧状態にする加圧機構と、
前記一対の回転体を加圧解除状態にする加圧解除機構と、
前記加圧解除機構を駆動する駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部と、
前記駆動部に異常が生じていることを検知する検知部と、を有し、
前記制御部は、前記検知部が前記駆動部の異常を検知した場合、その後の画像形成動作の実行を許容する際には、前記定着部の最終動作から所定時間が経過したとき、前記最終動作における前記一対の回転体の回転停止時に前記ニップ部に位置していた前記一対の回転体の部位が前記ニップ部から外れた位置に移動するように前記一対の回転体を回転させて停止させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記部位を前記ニップ部から外れた位置に移動させるための前記一対の回転体の回転周長は回転体の一周長からニップ部の記録材搬送方向における幅寸法を差し引いた周長以内であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記一対の回転体の両方に弾性層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 装置の状態を通達する通達部を有し、前記制御部は前記検知部が前記駆動部の異常を検知した場合、前記通達部に前記異常の発生を通達することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記通達部はネットワークを通じてサービスマンに通知される通達システムであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記通達部は画像形成装置の操作部の情報表示部であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記一対の回転体は、一方がエンドレスベルトであり他方がローラである、若しくは共にエンドレスベルト又は共にローラであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記一対の回転体のうちの少なくとも、前記記録材にトナー像を担持している側に対応している回転体を加熱する加熱部材を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017038183A JP2018146611A (ja) | 2017-03-01 | 2017-03-01 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017038183A JP2018146611A (ja) | 2017-03-01 | 2017-03-01 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018146611A true JP2018146611A (ja) | 2018-09-20 |
Family
ID=63591185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017038183A Pending JP2018146611A (ja) | 2017-03-01 | 2017-03-01 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018146611A (ja) |
-
2017
- 2017-03-01 JP JP2017038183A patent/JP2018146611A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6047857B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US8116654B2 (en) | Image heating apparatus | |
JP2019090872A (ja) | ベルト搬送装置及び定着装置 | |
JP2006227368A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2014170212A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US10146165B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP7059027B2 (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2013186365A (ja) | 画像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP2013178316A (ja) | 定着装置、及び、画像形成装置 | |
US8805227B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP2019045808A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP5305742B2 (ja) | 加熱装置 | |
US11343400B2 (en) | Separating mechanical elements in an image forming apparatus after a predetermined period of time | |
JP2011253000A (ja) | 画像形成装置 | |
JP6469185B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2010276758A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2018146611A (ja) | 画像形成装置 | |
JP6400060B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP6516800B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4684828B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2015200824A (ja) | 像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP6278831B2 (ja) | 定着装置 | |
US10120317B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP2018063290A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2018063287A (ja) | 画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181108 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20181116 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20200206 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20200207 |