JP2013186365A - 画像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性発熱層を有する定着部材の表面に絶縁層を儲けた定着装置において、軽度の絶縁層破壊が起きた場合には即座に装置を停止せずに継続使用できるようにする。
【解決手段】電流検出手段109で加圧ローラ35側へ流れる電流を検出し、電流値が許容を超える画像汚れが発生すると判定されるときの第2の電流閾値よりも小さく設定された第1の電流閾値の閾値以上の電流値を検出した際に、定着ベルト31の交換を促すメッセージを報知手段101aにより報知する。
【選択図】図2
【解決手段】電流検出手段109で加圧ローラ35側へ流れる電流を検出し、電流値が許容を超える画像汚れが発生すると判定されるときの第2の電流閾値よりも小さく設定された第1の電流閾値の閾値以上の電流値を検出した際に、定着ベルト31の交換を促すメッセージを報知手段101aにより報知する。
【選択図】図2
Description
本発明は画像形成装置に搭載される定着装置として用いて好適な画像加熱装置に関する。また、画像加熱装置を搭載した画像形成装置に関する。
画像形成装置は、例えば、電子写真画像形成方式、静電記録画像形成方式、磁気記録画像形成方式などの画像形成プロセスを用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタなど)、ファックス、それらの複合機能機、ワードプロセッサ等が含まれる。
記録材は、画像形成装置によって現像剤画像(以下、トナー画像と記す)が形成されるものであって、例えば、普通紙、厚紙、封筒、葉書、シール、樹脂製シート、オーバーヘッドプロジェクター用シート(OHTシート)等が含まれる。
画像加熱装置としては、記録材に形成された未定着のトナー画像を固着画像として加熱定着する定着装置や、記録材に定着されたトナー画像を再加熱することで画像の光沢度などを改質する画像改質装置などが挙げられる。
電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置においては、記録材上に未定着のトナー画像を形成し、これを定着装置により加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置の代表例として、内部にヒータを有する定着ローラに加圧ローラを圧接して定着ニップ部を形成し、定着ニップ部でトナー画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱、加圧して定着を行うローラ定着方式が挙げられる。
さらに、別の方式の定着装置として、特許文献1では定着部材自体に発熱抵抗体を設け、該発熱抵抗体に通電して直接定着部材を発熱させることで、熱を無駄なく定着部材に伝える方法が提案されている。この定着装置は定着ローラに備えた導電層に通電することで導電層を発熱させて定着動作のための加熱を行っている。しかし、発熱する導電層の近傍に定着ローラの芯金や加圧ローラの導電層といった別の導電層があった場合、発熱する導電層とこれら別の導電層の間の絶縁が破壊されたときに、部分的に異常高温になったり、電流経路が変わることで発熱しない領域が発生する。
特許文献2で提案されている定着装置は、導電性の芯金に順次積層された絶縁層、電圧が印加される発熱体と、導電性の芯金に流れる電流検出手段を有する構成である。絶縁層による絶縁が破壊されたときに電流検出手段が導電性の芯金に流れる電流を検出すると、発熱体への電流の供給を遮断するようになっている。
特許文献2のように発熱体から導電性部材に流れる電流を検出した際に発熱体への電流供給を遮断することで、部分的な異常発熱を防止することができる。しかし、発熱体への電流供給遮断後の定着ローラ交換などの復帰作業を行うまで画像形成装置が使用できなくなり、ユーザーが装置を使用できない期間、すなわち画像形成装置のダウンタイムが発生する。
本発明はかかる従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、画像加熱部材に設けた絶縁層の破壊に起因する装置のダウンタイムを軽減できる画像加熱装置および画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、導電性発熱層と絶縁性表層を有し記録材上の画像を加熱する画像加熱部材と、導電性表層を有し前記画像加熱部材との間で記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ形成部材と、前記画像加熱部材の導電性発熱層に電圧を印加する電圧印加手段と、前記ニップ形成部材の導電性表層と接地との間を流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力に応じて前記画像加熱部材の交換を促すための信号を送信可能な送信手段と、を有することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の他の代表的な構成は、導電層および前記導電層の外側に設けられた絶縁性表層を有する第1の回転部材と、導電性表層を有し前記第1の回転部材とニップ部を形成する第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の少なくとも一方の回転部材を加熱する加熱手段と、制御手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、前記第1の回転部材の導電層に電圧を印加する電圧印加手段と、前記第2の回転部材の導電性表層と接地との間に配設された電流検出手段と、報知手段と、を有し、前記制御手段は、前記電流検出手段により検出される電流値が許容を超える画像汚れが発生すると判定されるときの第2の電流閾値よりも小さく設定された第1の電流閾値の閾値以上の電流値を検出した際に前記第1の回転部材の交換を促すメッセージを前記報知手段により報知することを特徴とする。
本発明によれば、画像加熱部材(第1の回転部材)に設けた導電性発熱層(導電層)から別の導電部へ電流が流れた場合でも装置を即座に停止せずに装置の使用を引き続き可能とした状態でサービスマンの到来を待つことができる。従って、装置のダウンタイムを軽減することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、実施例は本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明は実施例にのみ限定されるものではなく本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置例の説明
図8は画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタ1の概略構成を示す縦断面模式図である。プリンタ1は制御回路部(制御手段:CPU)100と通信可能に接続したホスト装置200からの入力画像情報に応じて画像形成動作して、シート状の記録材(記録媒体)Pにフルカラー画像を形成してハードコピーとして出力することができる。
(1)画像形成装置例の説明
図8は画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタ1の概略構成を示す縦断面模式図である。プリンタ1は制御回路部(制御手段:CPU)100と通信可能に接続したホスト装置200からの入力画像情報に応じて画像形成動作して、シート状の記録材(記録媒体)Pにフルカラー画像を形成してハードコピーとして出力することができる。
ホスト装置200はコンピュータ、イメージリーダー、ファクシミリ等である。制御回路部100はホスト装置200やプリンタ操作部101と信号の授受をする。また、プリンタ1側の各種の作像機器と信号の授受をして作像シーケンス制御を司る。操作部101は各種の操作キーや表示部(報知手段)101aを有する。
プリンタ1内には図面上左側から右側にかけて、第1乃至第4の4つの画像形成ステーションY・M・C・Bkが水平方向に並べられて配設されている。各ステーションはいずれもレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、現像器に収容の現像剤(以下、トナーと記す)の色が異なるだけで、互いに同様な構成である。
即ち、各ステーションは、それぞれ、矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動されるドラム型の電子写真感光体(潜像が形成される像担持体:以下、ドラムと記す)2を有する。また、各ドラム2の周囲には、ドラム2に作用するプロセス手段としての、一次帯電器3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写ブレード6、クリーナ7が配置されている。
ステーションY・M・C・Bkの下側には中間転写ベルトユニット8が配設されている。ユニット8は、無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)9と、ベルト9を懸回張設している駆動ローラ10・テンションローラ11・二次転写対向ローラ12を有する。各ステーションY・M・C・Bkの一次転写ブレード6はベルト9の内側に配設されていて、ベルト9のローラ11とローラ10との間の上行側ベルト部分を介して、対応のドラム2の下面に対して圧接している。各ドラム2とベルト9との当接部が一次転写部である。
ローラ12にはベルト9を介して二次転写ローラ13が圧接している。ベルト9とローラ13との当接部が二次転写部である。ベルト9はローラ10により矢印の時計方向にドラム2の回転速度に対応した速度にて循環移動される。
本実施例において、第1のステーションYは現像器5にイエロー(Y)色のトナーが収容されていて、ドラム2にY色トナー画像を形成する。第2のステーションMは現像器5にマゼンタ(M)色のトナーが収容されていて、ドラム2にM色トナー画像を形成する。第3のステーションCは現像器5にシアン(C)色のトナーが収容されていて、ドラム2にC色トナー画像を形成する。第4のステーションBkは現像器5にブラック(Bk)色のトナーが収容されていて、ドラム2にBk色トナー画像を形成する。
制御回路部100はホスト装置200から入力したカラー色分解画像信号に基づいて、各ステーションY・M・C・Bkを作像動作させる。これにより各ステーションにおいて回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、それぞれ、Y色、M色、C色、Bk色の色トナー画像が形成される。なお、ドラム2にトナー画像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各ステーションのドラム2の面に形成される上記のトナー画像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト9の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト9の面に上記のY色、M色、C色、Bk色の4つのトナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下複数段のカセット給紙部14A・14Bのうちの選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ15が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙されて搬送路16を通ってレジストローラ対18に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ19が駆動される。これにより、マルチ給紙トレイ20に積載セットされている記録材Pが1枚分離給紙されて搬送路16を通ってローラ対18に搬送される。
ローラ対18は、記録材Pを一旦受け止めて、記録材が斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、ローラ対18は、ベルト9上のトナー画像と同期を取って、記録材Pをベルト9とローラ13との圧接部である二次転写部に送り込む。これにより、二次転写部において、ベルト9上のフルカラーの合成トナー画像が一括して記録材Pの面に二次転写される。即ち、記録材Pの面に、複数の有彩色カラートナー画像の重畳画像である未定着トナー画像が形成される。
以上の機構部が記録材に未定着の画像を形成する画像形成部である。二次転写部を出た記録材Pはベルト9の面から分離されて、定着装置(画像加熱装置)21に導入され、記録材上の複数色のトナー画像が記録材面に固着画像として熱圧定着される。この定着装置21については次の(2)項で詳述する。また、二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面はベルトクリーナ22により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
フルカラー以外のモノ黒などの単色或いは2次色若しくは多次色のプリントモードの場合には対応する色の画像形成部が作像動作制御される。また、片面プリントモードの場合においては、定着装置21を出た記録材Pは、予めの指定に従って進路切り換えフラッパ23により進路切り換えされて、プリンタ1の側面に配置されているフェイスアップ排紙トレイ25に排出される。あるいは、プリンタ1の上面に配置されているフェイスダウン排紙トレイ28に排出される。
トレイ25への排紙の場合は、定着装置21を出た記録材Pは第1の姿勢(図9の(a))に転換されているフラッパ23の下面側を通って直進し、第1の排紙ローラ24によりトレイ25上に画像面上向きで排出される。トレイ28への排紙の場合は、定着装置21を出た記録材Pは第2の姿勢(図9の(b))に転換されているフラッパ23の上面側を通って上方に案内され、搬送路26により上方搬送される。そして、第2の排紙ローラ27によりトレイ28上に画像面下向きで排出される。
両面プリントモードの場合は、定着装置21を出た第1面に対する画像形成・定着済みの記録材Pが、第2の姿勢(図9の(b))に転換されているフラッパ23の上面側を通って上方に案内され、搬送路26により上方搬送される。その記録材Pの搬送途中で後端が反転ポイントRに達したとき搬送路26が逆搬送駆動に転換される。これにより、記録材Pがスイッチバック搬送されて両面搬送路29に入る。そして、搬送路29から再び搬送路16に入って、表裏反転された状態にて二次転写部に再搬送される。これにより、記録材Pは第2面に対する画像転写を受ける。
二次転写部を出た記録材Pは再び定着装置21に導入される。定着装置21を出た両面プリント済みの記録材Pが、片面プリントモードの場合と同様に予めの指定に従って切り換えフラッパ23により進路切り換えされてトレイ25又はトレイ28に排出される。フラッパ23、スイッチバック搬送路26等で構成される部分は反転手段の一例である。
(2)定着装置21
(2−1)全体的な概略構成
以下の説明において、定着装置21またはこれを構成している部材の長手方向もしくは幅方向とは記録材Pの搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。また短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。定着装置21に関し、正面とは定着装置21を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。
(2−1)全体的な概略構成
以下の説明において、定着装置21またはこれを構成している部材の長手方向もしくは幅方向とは記録材Pの搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。また短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。定着装置21に関し、正面とは定着装置21を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。
図1は定着装置21の要部の横断右側面、図2は定着装置21の要部の一部切り欠き正面図、図3は図2における要部の斜視模型図である。本実施例の定着装置21はベルト加熱方式の画像加熱装置である。即ち、第1の回転部材(画像加熱部材:回転可能な定着部材)として、通電により発熱する導電性発熱層(抵抗発熱体)を備えた円筒状(エンドレスベルト状)で可撓性を有する自己発熱ベルト(チューブヒータ)31を用いている。
自己発熱ベルト(以下、定着ベルトと記す)31の層構成については後述する。定着ベルト31は支持ステー32とバックアップ部材33とのアセンブリに対してルーズに外嵌されている。
支持ステー32は横断面下向きコ字型で左右方向に長い剛性部材であり、高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304を用いている。
バックアップ部材33は横断面略半円弧状で左右方向に長い断熱性部材であり、省エネルギーの観点から支持ステー32への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。本実施例では住友化学(株)製のスミカスーパーE5204Lを用いた。
支持ステー32とバックアップ部材33は、支持ステー32をバックアップ部材33の内側に位置させて並行に配列され、支持ステー32の脚部にバックアップ部材33が支持されている。支持ステー32の左右両端部はそれぞれ延長腕部32L・32Rとして定着ベルト31の左右両端部の開口部から外方に突出させている。
そして、その左右の延長腕部32L・32Rに対してそれぞれフランジ部材34L・34Rが嵌着されている。図4は、支持ステー32の右側延長腕部32Rと、バックアップ部材33の右側端部と、右側フランジ部材34Rと、の分解斜視図である。左側も対称の構成である。左右のフランジ部材34L・34Rは支持ステー32とバックアップ部材33のアセンブリにルーズに外嵌されている定着ベルト31の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材である。
35は第2の回転部材(ニップ形成部材:回転可能な加圧部材)としての加圧ローラである。加圧ローラ35は芯金35aと、その外回りに同心一体にローラ状に形成された絶縁性の弾性層35bと、弾性層35bの外周面に積層した導電性表層としての離型層35cと、を有する多層構造の弾性ローラである。本実施例においては、芯金35aはステンレス製、弾性層35bは絶縁性のシリコーンゴムを用いている。離型層35cは、定着ベルト31および加圧ローラ35の表面電位上昇によるオフセット等の画像不良を防止するために、導電性PFAチューブを用いている。
加圧ローラ35は芯金35aの左右両端部をそれぞれ軸受部材41L・41Rを介して装置フレーム40の左右の側板40L・40R間に回転可能に保持されている。芯金35aの右側端部にはドライブギアGが同心一体に固着されている。
上述した定着ベルト31、支持ステー32、バックアップ部材33、左右のフランジ部材34L・34Rの組立体がベルトユニットである。このベルトユニットは、バックアップ部材33を下向きにして、加圧ローラ35の上側に並行に配列して装置フレーム40の左右の側板40L・40R間に配設されている。
左右のフランジ部材34L・34Rはそれぞれに設けられた縦溝部34aが左右の側板40L・40Rにそれぞれ設けられた縦ガイドスリット40aの縦縁部に係合している。これにより、左右のフランジ部材34L・34Rはそれぞれ左右の側板40L・40Rに対して上下方向にスライド移動可能に保持されている。
そして、左右のフランジ部材34L・34Rのそれぞれにおいてフランジ部材の圧受部34bと装置フレーム側の加圧アーム42との間に加圧バネ43が縮設されていて左右のフランジ部材34L・34Rがそれぞれ下方に押されている。これにより、支持ステー32とバックアップ部材33を介して定着ベルト31が加圧ローラ35の上面に対して加圧ローラ35の弾性層35bの弾性に抗して所定の加圧力で加圧される。本実施例においては一端側が156.8N、総加圧力が313.6N(32kgf)で加圧される。
この加圧により定着ベルト31と加圧ローラ35との間に記録材搬送方向aにおいて所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nが形成されている。ニップ部Nは定着ベルト31と加圧ローラとの間で記録材を挟持搬送する。
加圧ローラ35はドライブギアGに対して定着モータMの駆動力が駆動伝達系(不図示)を介して伝達されることで図1において矢印R35の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。そして、この加圧ローラ35の回転に伴ってニップ部Nにおける加圧ローラ35の表面と定着ベルト31の表面との摩擦力で定着ベルト31に対して回転力が作用する。定着ベルト31はその内面がニップ部Nにおいてバックアップ部材33の下面に密着して摺動しながらバックアップ部材33と支持ステー32の外回りを矢印R31の時計方向に加圧ローラ35の周速度とほぼ同じ速度で従動回転する。
定着ベルト31の内面にはグリスが塗布され、バックアップ部材33と定着ベルト31の内面との摩擦に起因して発生する定着ベルト内面の磨耗や定着ベルト31の回転抵抗を低減する。バックアップ部材33は定着ベルト31の回転をガイドするように機能している。また、定着ベルト31の回転に伴うバックアップ部材33の長手方向に沿う左方或いは右方への寄り移動は左右のフランジ部材34L・34Rにより規制される。また、定着ベルト31の周方向の形状も左右のフランジ部材34L・34Rのベルト内面ガイド部34cにより規制される。
36は大小いかなる幅の記録材Pも通紙部となる定着ベルト部分の温度を検出する温度検出手段としてのサーミスタである。本実施例においては記録材Pの通紙は記録材幅中心の所謂中央基準搬送であり、サーミスタ36は定着ベルト31の長手方向のほぼ中央部であって、定着ベルト31の内面に対して弾性的に接触させて配設してある。具体的には、サーミスタ36は、バックアップ部材33(または支持ステー32)に基部を固定したステンレス製のアーム37の自由端部に支持されている。そして、サーミスタ36をアーム37の弾性により定着ベルト31の内面に弾性的に接触させて配設してある。
アーム37が弾性揺動することにより、定着ベルト31の内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタ36が定着ベルト31の内面に常に接する状態に保たれる。サーミスタ36はA/Dコンバータ105を介して制御回路部100に接続されおり、サーミスタ37で検出された定着ベルト31の温度に関する電気的な情報が制御回路部100に入力する。
(2−2)定着ベルト31と通電構成
図5は定着ベルト31の層構成を示す断面模式図である。定着ベルト31は全体的に薄肉で熱容量が小さく、可撓性を有し自由状態において円筒形状の部材である。本実施例における定着ベルト31は内周側から外周側へ順に、基層31aと、基層31aの外側に設けられた通電により発熱する導電性発熱層31bと、導電性発熱層31bの外側に設けられた絶縁性表層としての離型層31cと、の3層複合構造である。
図5は定着ベルト31の層構成を示す断面模式図である。定着ベルト31は全体的に薄肉で熱容量が小さく、可撓性を有し自由状態において円筒形状の部材である。本実施例における定着ベルト31は内周側から外周側へ順に、基層31aと、基層31aの外側に設けられた通電により発熱する導電性発熱層31bと、導電性発熱層31bの外側に設けられた絶縁性表層としての離型層31cと、の3層複合構造である。
そして、定着ベルト31の長手方向の一端部側(左端部側)と他端部側(右端部側)にはそれぞれベルト外周面に沿って環状(リング状)に左側給電電極部31dLと右側給電電極部31dRが設けられている。
基層31aは熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PTFE、PFA、FEP等の樹脂ベルト、更にはSUS、ニッケルなどの金属ベルトを使用できる。本実施例では、厚さが30μm、直径が25mmの円筒状ポリイミドベルトを用いた。尚、基層31aとして導電性を有する材料を用いる場合は、基層31aと導電性発熱層31bとの間にポリイミドなどの絶縁層を設ける必要がある。
導電性発熱層31bは本実施例においては加熱手段としての通電により発熱する発熱体の層(ヒータ:以下、発熱層と記す)31bであり、導電粒子としてのカーボンを含有したポリイミド樹脂を均一な厚さで基層31a上に塗布した抵抗発熱体である。発熱層31bの総抵抗値は10.0Ωである。従って、電圧が100Vの交流電源を通電する際に発生する電力は1000Wである。尚、この抵抗値は定着装置として必要な発熱量によって適宜決定すればよく、カーボンの混合比率により適宜調整することができる。
離型層31cは厚さ20μmのPFAチューブを用いた。離型層31cとしてはPFAコートを用いても良く、必要な厚さ、機械的及び電気的強度に応じてPFAチューブとPFAコートを使い分けることが出来る。また、離型層31cはシリコーン樹脂から成る接着剤により発熱層31bと接着されている。
給電電極部31dLと31dRはそれぞれ、本実施例においては、基層31aの一端部側と他端部側の外周面に所定幅で銀・パラジウムを含んだ導電特性を有する材料を環状に塗布して形成したものであり、発熱層31bの両端部と電気的に接続される。給電電極部31dLと31dRは離型層31cでカバーせずに定着ベルトの外面に露呈させている。
定着ベルト31は定着装置に装着されている状態において、左端部側と右端部側の内側にそれぞれ左側および右側フランジ部材34L・34Rのベルト内面ガイド部34cが嵌入している。定着ベルト31の左右の給電電極部31dL・31dRの部分はそれぞれフランジ部材34L・34Rのベルト内面ガイド部34cの位置に対応していてガイド部34cでバックアップされる(図2)。
そして、定着ベルト31の左右の給電電極部31dL・31dRには、それぞれ、給電電極部材104L・104Rが接触している。給電電極部材104L・104Rは本実施例においてはステンレスの板ばね形状の部材である。給電電極部材104L・104Rは、それぞれ、ベルト内面ガイド部34cでバックアップされる左右の給電電極部31dL・31dRの外面に押圧されて接することで給電電極部31dL・31dRに対して電気的接続が良好に維持される。
そして、給電電極部材104L・104R間に電源部103から電力が供給されることで、発熱層31bが発熱する。電源部103は定着ベルト31の発熱層31bに電圧を印加する電圧印加手段である。これにより定着ベルト31が全体的に迅速に昇温する。即ち、定着ベルト31が自己発熱する。
図2において、WPmaxは装置に通紙される記録材の最大通紙幅である。定着ベルト幅は最大通紙幅WPmaxよりも大きい。定着ベルト31の発熱層31bの幅は最大通紙幅WPmaxと同じか少し大きい。離型層31cの幅は発熱層31bの幅と同じか少し大きい。左右の給電電極部31dL・31dRはそれぞれ離型層31cの外側において露出している。加圧ローラ35のローラ部の幅は最大通紙幅WPmaxよりも大きく、離型層31cの幅よりも小さく、左右の給電電極部31dL・31dRには接触しない。
(2−3)定着動作
制御回路部100はプリントシーケンスの所定の制御タイミングにおいて、定着装置21の電源供給部(電源ドライバ)102を作動させて電源部103から給電電極部材104L・104R間に電力を供給する。これにより定着ベルト31の発熱層31bが全長全周的に発熱して定着ベルト31が全体的に迅速に昇温する。その定着ベルト31の温度がサーミスタ36で検出されて温度検出情報がA/Dコンバータ105を介して制御回路部100に入力する。
制御回路部100はプリントシーケンスの所定の制御タイミングにおいて、定着装置21の電源供給部(電源ドライバ)102を作動させて電源部103から給電電極部材104L・104R間に電力を供給する。これにより定着ベルト31の発熱層31bが全長全周的に発熱して定着ベルト31が全体的に迅速に昇温する。その定着ベルト31の温度がサーミスタ36で検出されて温度検出情報がA/Dコンバータ105を介して制御回路部100に入力する。
制御回路部100はサーミスタ36の検出温度が所定の目標温度T1(本実施例では160℃)に達するまで、給電電極部材104L・104R間に給電しつづける。目標温度T1に到達したら、モータドライバ106を起動させて定着モータMを駆動させる。定着モータMの駆動により加圧ローラ35が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト31が従動回転する(加圧部材駆動方式)。
制御回路部100は更に給電電極部材104L・104R間に給電しつづけて、サーミスタ36の検出温度が目標温度T1よりも高い設定の目標温度T2(画像加熱温度:本実施例では165℃)に達した時点で給紙動作を行う。そして、ニップ部Nに未定着のトナー画像tを担持した記録材Pが入り口ガイド44に沿って案内されて導入される。制御回路部100は、定着動作中は、サーミスタ36の検出温度が目標温度T2近傍で安定するように、電源供給部102をして電源部103から定着ベルト31の発熱層31bへ供給する電力をサーミスタ36の検出温度に応じて制御する。
即ち、制御回路部100はサーミスタ36からの出力を所定の周期でサンプリングしており、得られた温度情報を発熱層31bへの通電制御に反映させる。つまり、制御回路部100は、サーミスタ36の出力をもとに、発熱層31bへの通電制御内容を決定し、電源部103から給電電極部材104L・104Rを介して定着ベルト31の発熱層31bへ供給する通電を制御する。尚、本実施例の定着装置での上記制御は、記録材Pにトナー画像を定着するための温度を鑑みて、サーミスタ36の検出温度が一定となるように制御する。
ニップ部Nにおいて、記録材Pのトナー画像担持面側が定着ベルト31の外面に密着し、記録材Pが定着ベルト31と共に移動する。記録材Pがニップ部Nで挟持搬送される過程において、発熱層31bで発生した熱が記録材Pに付与され、未定着のトナー画像tが記録材上に溶融定着される。ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト31から曲率分離され、定着排紙ローラ45で定着装置21から排出される。制御回路部100はプリント動作が終了すると定着動作終了の指示により、電源部103から定着ベルト31への給電を停止すると共に定着モータMを停止させる。
(2−4)定着ベルト31の寿命検出制御
定着ベルト31の表面層である離型層31cが絶縁体であるため、通常の状態では、定着ベルト31の電圧が印加される導電層である発熱層31bと加圧ローラ35の導電性表層である離型層35cの間に電流が流れることは無い。
定着ベルト31の表面層である離型層31cが絶縁体であるため、通常の状態では、定着ベルト31の電圧が印加される導電層である発熱層31bと加圧ローラ35の導電性表層である離型層35cの間に電流が流れることは無い。
しかし、定着ベルト31は繰り返して使用されることで、定着ベルト31の記録材通過領域において離型層31cの磨耗が進行する。この磨耗は、ニップ部Nを記録材Pが通過する際に記録材Pと定着ベルト31との間に微小な速度差が発生することで発生し、特に記録材Pの側端部が通過する部分で離型層31cの磨耗量が大きくなる。そして、耐久による磨耗が進行すると、離型層31cに局所的な微小な穴が発生するようになる。
この離型層上の微小な穴をピンホールと呼ぶ。ピンホールが生じると、ピンホール部がニップ部Nを通過する際に、定着ベルト31の発熱層31bに印加された電圧により発熱層31bから加圧ローラ35の表面層である導電性の離型層35cへとピンホール部を通じて電流が流れるようになる。
耐久による磨耗やニップ部Nを通過時に電流が流れて部分的に発熱することで、ピンホール部が大きくなってくると、発熱層31bが露出してしまい、ピンホール部で露出した発熱層31bにトナーが付着するようになり、記録材P上の画像汚れが発生してしまう。従って、定着ベルト31の寿命とは、耐久により離型層31cに生じたピンホール部が大きくなって記録材P上に許容を超える画像汚れ(画像汚れNG)が発生する状態に至ったときと定義される。
本実施例においては、定着ベルト31の耐久劣化が進行して定着ベルト31の寿命が尽きて画像汚れNGが発生する前に、定着ベルト31の交換を促す報知をするようにして装置のダウンタイムを軽減するようにしている。
即ち、加圧ローラ35の表面層である導電性の離型層35cに対しては導電ブラシ107が当接されていて、導電ブラシ107は保護抵抗108に接続されている。保護抵抗108の他端は電流検出回路(電流検出手段:電流検知手段)109に接続されて接地されている。即ち、加圧ローラ35の導電性表層35cは電流検出回路109を介して接地されている。電流検出回路109は加圧ローラ35の導電性の離型層(導電性表層)35cと接地との間を流れる電流を検出(検知)する。電流検出回路109により検出される電流値は制御回路部100に入力する。
図6は本実施例における定着ベルト31の寿命検出シーケンスの基本的な制御フローチャートである。制御回路部100はプリント開始時の所定の定着動作開始タイミングにおいて定着ベルト31への給電を開始して電流検出回路109の電流モニタを開始する(STEP1〜2)。電流検出回路109の検出電流値Iと所定の第1の電流制限値(第1の電流閾値)I-limit(1)との比較を行う(STEP3)。
第1の電流制限値I-limit(1)は、電流検出回路109により検出される電流値が許容を超える画像汚れ(画像汚れNG)を発生すると判定されるときの第1の電流制限値I-limit(2)(第2の電流閾値)よりも小さい設定値である。
STEP3において、検出電流値Iが第1の電流制限値I-limit(1)未満であれば、定着制御の終了(所定のプリントジョブの終了)まで画像形成動作を継続すると共に検出電流値Iのモニタリングも継続する。そして、リントジョブにおける定着制御の終了時に定着ベルト31への給電を停止して、電流モニタを終了し、プリントを終了する(STEP4〜6)。
STEP3において、検出電流値Iが第1の電流制限値I-limit(1)以上(第1の電流閾値の閾値以上)の場合は、制御回路部100は第2の電流制限値I-limit(2)との比較を行う(STEP7)。第2の電流制限値I-limit(2)は、電流検出回路109により検出される電流値が画像汚れNGが発生すると判定されるときの第2の電流閾値であり、第1の電流制限値I-limit(1)よりも大きい設定値である。
この比較において検出電流値Iが第2の電流制限値I-limit(1)未満であれば、制御回路部100は報知手段101aに定着ベルト31の交換を促すメッセージを報知する(STEP8)。本実施例においてはプリンタ操作部101の表示部(ユーザー操作部画面)101aを報知手段として定着ベルト31の交換を促すメッセージが表示(アラーム表示)される。ホスト装置200の報知手段にメッセージが表示をすることもできる。
ここで、制御回路部100が電流検出回路109の出力に応じて定着ベルト31の交換を促すための信号を送信可能な送信手段である。また、プリンタ操作部101の表示部101aが送信手段により送信された信号に応じて定着ベルト31の交換を促すための報知を行う報知手段である。報知手段は、複合機の操作部に表示させるための信号の送信の場合、複合機とネットワーム接続されたパソコンにインストールされたプリンタドライバへの表示(モニタ)の場合などを含む。
そして、制御回路部100は定着制御の終了(所定のプリントジョブの終了)まで継続して検出電流値Iのモニタリングを継続する。そして、定着制御の終了時に定着ベルト31への給電を停止して、電流モニタを終了する(STEP4〜6)。
使用者は報知手段101aに定着ベルト31の交換を促すメッセージが表示されたら、その旨をサービスマン(メンテナンスサービス業者)に連絡する。また、遠隔監視システムがある場合には当該システムにより自動的に定着ベルト31の交換を促す情報がサービスマンに報知される。
また、STEP7において、検出電流値Iが第2の電流制限値I-limit(2)以上(第2の電流閾値の閾値以上)の場合は、制御回路部100は定着装置の動作(画像形成装置の動作)を禁止する(STEP9)。そして、報知手段101aに定着ベルト31が寿命に到達した旨のメッセージを報知する。使用者は報知手段101aに定着ベルト31の交換を促すメッセージが表示されたら、その旨をサービスマンに連絡する。また、遠隔監視システムがある場合には当該システムにより自動的に定着ベルト31が寿命に到達した旨の情報がサービスマンに報知される。
検出電流Iとピンホール径φpの関係は、図7に示すように検出電流Iが大きいほどピンホール径φpも大きくなっている。画像汚れNGと判定されるときの検出電流I(第2の電流制限値I-limit(2))に対して、第1の電流制限値I-limit(1)は小さく設定されている。そのため、検出電流値Iと第1の電流制限値I-limit(1)とを比較することで、画像汚れNGが発生する前に定着ベルト31の交換を促すことができる。そして、定着ベルト31の交換を促す報知がなされた後も検出電流値Iが第2の電流制限値I-limit(2)になるまでの間は装置の稼動は可能である。
即ち、第1の電流制限値I-limit(1)による定着ベルト31の交換を促すメッセージの報知に基づいてサービスマンの到来を待つ間においても引き続いて装置を使用することが可能である。したがって、画像汚れNGと判定されるときの第2の電流制限値I-limit(2)に基づいて装置動作が停止された状態でサービスマンの来訪を待つ場合に比べて装置のダウンタイムを大幅に軽減することができる。
[実施例2]
定着ベルト31の離型層31cのピンホールが生じると、そのピンホール部がニップ部Nを通過する際に、発熱層31bから加圧ローラ35へ電流が流れる。この電流の流れにより、ピンホールが大きくなる現象を低減化するために、発熱層31bへの通電を以下のように制御しても良い。
定着ベルト31の離型層31cのピンホールが生じると、そのピンホール部がニップ部Nを通過する際に、発熱層31bから加圧ローラ35へ電流が流れる。この電流の流れにより、ピンホールが大きくなる現象を低減化するために、発熱層31bへの通電を以下のように制御しても良い。
図10に、制御回路部100がこの制御を実施した際の、電流検出回路109の検出電流Iおよび発熱層31bへの通電ON/OFF状態の時間推移を示す。制御回路部100は検出電流値Iが所定の電流制限値I-limit(所定の電流値)を超えるようになったとき、検出電流値Iがピークとなる間隔t-peakを計測する。t-peakが定着ベルト31の回転周期と一致していた場合、検出電流値I≧電流制限値I-limitを検出してからt-peak経過後に発熱層31bへの通電をOFFする。
上記の所定の電流制限値I-limitは、実施例1における第1の電流制限値I-limit(1)と同じであっても良いし、それよりも小さい設定値、或いはそれよりも大きい設定値であってもよい。
その後、ピンホール部がニップ部Nを通過するだけの時間が経過後、または、前回検出電流値I<電流制限値I-limitを検出してからt-peak経過後、再度、発熱層31bへの通電をONする。
図11では、ピンホール部がニップ部Nを通過している間、発熱層31bへの電圧供給を遮断するのではなく、供給電圧を低減させて発熱層31bの発熱量を制御する場合の例を示す。検出電流値I≧電流制限値I-limitを検出した場合、ピンホール部がニップ部Nを通過するタイミングで発熱量を低減させている。
このように制御することで、発熱層31bに対する通電をOFFする場合よりも記録材Pの加熱不足が発生しにくくなる。また、ピンホール部がニップ部Nを通過するときに発熱量を低減させる一方で、それ以外のタイミングでは発熱量を増加させることで、定着ベルト31の温度をピンホールが発生する前後で一定に保つことができるようになる。
本実施例2をまとめると次のとおりである。制御回路部100は、電流検出回路109が定着ベルト31の回転周期で所定の電流値以上の電流を検出した場合、次の制御をする。即ち、所定の電流値以上の電流を検出する定着ベルト31の周方向位置がニップ部Nを通過するタイミングにおいて、電流検出回路109からの電圧供給を遮断する或いは供給電圧を低減させる。
この制御により、定着ベルト31に生じた離型層31cのピンホール部がニップ部Nを通過する際に、発熱層31bから加圧ローラ35への電流の流れにより、ピンホールが大きくなる現象を低減化することが出来る。即ち、定着ベルト31の使用寿命を延ばすことができる。
[実施例3]
図12は本実施例3の定着装置21の概略構成図である。本実施例3の定着装置21において、第1の回転体としての定着ベルト31は、内周側から外周側へ順に、基層と、基層の外側に設けられた導電層と、導電層の外側に設けられた絶縁性表層としての離型層と、の3層複合構造である。導電層は発熱層としての機能は具備させていない。
図12は本実施例3の定着装置21の概略構成図である。本実施例3の定着装置21において、第1の回転体としての定着ベルト31は、内周側から外周側へ順に、基層と、基層の外側に設けられた導電層と、導電層の外側に設けられた絶縁性表層としての離型層と、の3層複合構造である。導電層は発熱層としての機能は具備させていない。
その代わりに、ニップ部Nの位置においてバックアップ部材33に対して通電により発熱して所定の温度に温調制御されるセラミックヒータHを固定して配設してある。本実施例1の図1におけるサーミスタ36はヒータHに具備させてある。その他の装置構成は本実施例1や2と同様であるので再度の説明を省略する。
本実施例3の定着装置21において、ニップ部Nに導入された記録材Pは定着ベルト31を介したヒータHの熱により加熱される。また、定着ベルト31の導電層には、定着ベルト31に対するトナーの静電オフセットの防止や画像の尾引きといった画像不良の防止のために、電圧印加手段(103)から所定の電圧が印加される。
本実施例3の定着装置21の場合も、定着ベルト31に設けた導電層から別の導電部へ電流が流れた場合でも装置を即座に停止せずに装置の使用を引き続き可能とした状態でサービスマンの到来を待つことができる。従って、装置のダウンタイムを軽減することができる。
[実施例4]
ベルト加熱方式の画像加熱装置は実施例1乃至3の加圧部材駆動式・テンションレスタイプの装置に限られない。図13のように、画像加熱部材としての可撓性を有する定着ベルト31を、駆動ローラ38を含む複数本の懸架部材38・39間に張設して駆動ローラ38により回転駆動する構成の装置とすることもできる。加圧ローラ35は定着ベルト31の回転に従動回転するローラとすることができる。
ベルト加熱方式の画像加熱装置は実施例1乃至3の加圧部材駆動式・テンションレスタイプの装置に限られない。図13のように、画像加熱部材としての可撓性を有する定着ベルト31を、駆動ローラ38を含む複数本の懸架部材38・39間に張設して駆動ローラ38により回転駆動する構成の装置とすることもできる。加圧ローラ35は定着ベルト31の回転に従動回転するローラとすることができる。
又、定着ベルト31が上記のように駆動されるものである場合にはニップ形成部材35は回転体でなくてもよい。図14のように、表面の導電性表層35cを定着ベルト31や記録材よりも摩擦係数が小さいものとした、パッドや板部材などの非回転部材の形態のものとすることもできる。
[その他の事項]
1)画像加熱部材としての第1の回転部材31はベルト体に限られない。ローラ体であってもよい。また、加圧部材としての第2の回転部材35はローラ体に限られない。回転可能なエンドレスベルト体にすることもできる。
1)画像加熱部材としての第1の回転部材31はベルト体に限られない。ローラ体であってもよい。また、加圧部材としての第2の回転部材35はローラ体に限られない。回転可能なエンドレスベルト体にすることもできる。
2)第1の回転部材31と第2の回転部材35の少なくとも一方の回転部材を他の内部加熱手段或いは外部加熱手段で加熱する構成にしてもよい。
3)本発明の画像加熱装置は、実施例のような、記録材に形成された未定着画像を固着画像として加熱定着する定着装置としての使用に限られない。記録材に一旦定着された或いは仮定着された画像(定着済み画像又は半定着画像)を加熱加圧して光沢度を向上させるなどの画像の表面性状を調整する加熱処理装置としても有効である。
4)画像形成装置の画像形成部は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られず、記録材に対して直接方式で未定着画像を形成する構成のものであってもよい。
21・・画像加熱装置、31・・第1の回転部材、31b・・導電層、31c・・絶縁性表層、35・・第2の回転部材、35c・・導電性表層、100・・制御手段、t・・画像、P・・記録材、103・・電圧印加手段、106・・電流検出手段、101a・・報知手段
Claims (6)
- 導電性発熱層と絶縁性表層を有し記録材上の画像を加熱する画像加熱部材と、
導電性表層を有し前記画像加熱部材との間で記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ形成部材と、
前記画像加熱部材の導電性発熱層に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記ニップ形成部材の導電性表層と接地との間を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段の出力に応じて前記画像加熱部材の交換を促すための信号を送信可能な送信手段と、
を有することを特徴とする画像加熱装置。 - 前記送信手段により送信された信号に応じて前記画像加熱部材の交換を促すための報知を行う報知手段を有することを特徴とする請求項1の画像加熱装置。
- 導電層および前記導電層の外側に設けられた絶縁性表層を有する第1の回転部材と、導電性表層を有し前記第1の回転部材とニップ部を形成する第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の少なくとも一方の回転部材を加熱する加熱手段と、制御手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、
前記第1の回転部材の導電層に電圧を印加する電圧印加手段と、前記第2の回転部材の導電性表層と接地との間に配設された電流検出手段と、報知手段と、を有し、前記制御手段は、前記電流検出手段により検出される電流値が許容を超える画像汚れが発生すると判定されるときの第2の電流閾値よりも小さく設定された第1の電流閾値の閾値以上の電流値を検出した際に前記第1の回転部材の交換を促すメッセージを前記報知手段により報知することを特徴とする画像加熱装置。 - 前記制御手段は、前記電流検出手段が前記第2の電流閾値の閾値以上の電流値を検出したときには画像加熱装置の動作を停止させることを特徴とする請求項3に記載の画像加熱装置。
- 前記制御手段は、前記電流検出手段が前記第1の回転部材の回転周期で所定の電流値以上の電流を検出した場合、前記所定の電流値以上の電流を検出する第1の回転部材の周方向位置が前記ニップ部を通過するタイミングにおいて、前記電圧印加手段からの電圧供給を遮断する或いは供給電圧を低減させることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像加熱装置。
- 記録材に未定着の画像を形成する画像形成手段と、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像加熱装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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-
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- 2012-03-09 JP JP2012052537A patent/JP2013186365A/ja active Pending
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