JP2018146092A - 流体ダンパ装置、ダンパ付き機器、および流体ダンパ装置の製造方法 - Google Patents

流体ダンパ装置、ダンパ付き機器、および流体ダンパ装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流体ダンパ装置において、ロータとケースとの軸線方向の隙間を適正に封止すること。【解決手段】流体ダンパ装置10のロータ30は、ケース20内に挿入される回転軸40と、回転軸40の先端に取り付けられる封止用部材60を備える。封止用部材60のケース側端面67には、ケース20の底部22に向けて突出する凸部61が形成される。凸部61は、ロータ30をケース20に組み付けた状態で、ケース20の底部22によって軸線L方向に押し潰されて、底部22と軸線方向に当接する当接する潰し形状61Aとなる。凸部61は、回転軸40の軸部41と繋がっており、軸部41と弁体50とを結ぶ直線上に連続して設けられている。【選択図】図10

Description

本発明は、ケースとロータとの間に流体が充填された流体ダンパ装置、ダンパ付き機器、および流体ダンパ装置の製造方法に関する。
特許文献1には、有底筒状のケースとロータとの間にオイル等の流体が充填された流体ダンパ装置が開示される。特許文献1の流体ダンパ装置では、ロータ(回転軸)の軸線方向の一端がケースの内側に配置され、回転軸とケース内周面との間にダンパ室が形成され、回転軸の側面に設けられた弁体がダンパ室に配置される。ロータが第1方向に回転する際には、弁体の径方向の先端とケース内周面とが接している。従って、ロータの回転負荷が大きい。一方、ロータが第1方向と反対の方向に回転するときには、流体の抵抗によって弁体とケース内周面との間に隙間が空くので、この隙間を流体が通り抜けるため、ロータの回転負荷は小さい。
特開2010−151306号公報
流体ダンパ装置のダンパ性能(すなわち、ロータの回転負荷)は、ダンパ室の封止性能に依存する。すなわち、特許文献1の流体ダンパ装置では、ロータが第1方向に回転したときにケースとロータとの隙間から流体が不用意に漏れると十分な回転負荷が得られない。特に、ケースの底部と回転軸とが軸線方向に対向する部位の隙間から不用意に流体が漏れることによってダンパ性能がばらつくことが問題になっている。しかしながら、ケースと回転軸の寸法精度や組立精度を考慮した場合、ケースの底部と回転軸との隙間を十分に詰めることは困難である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、流体ダンパ装置のロータとケースとの軸線方向の隙間を適正に封止することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る流体ダンパ装置は、ダンパ室を構成する有底筒状のケースと、前記ケース内に挿入される回転軸および弁体を備えるロータと、前記ダンパ室に充填される流体とを有し、前記ロータは、前記回転軸の先端部に取り付けられた封止用部材を備え、前記封止用部材は、前記ロータを前記ケースに組み付けた状態で前記ケースの底部と当接する凸部を備えることを特徴とする。
また、本発明は、ダンパ室を構成する有底筒状のケースと、前記ケース内に挿入される回転軸および弁体を備えるロータと、前記ダンパ室に充填される流体とを有する流体ダンパ装置の製造方法であって、前記回転軸の先端部に、前記ケースの底部に向けて突出する凸部を備えた封止用部材を取り付けておき、前記ロータを前記ケースに組み付ける工程では、前記ケースの底部に前記凸部の先端を当接させることを特徴とする。
本発明では、ダンパ室を構成するケース内に挿入される回転軸の先端に封止用部材が取り付けられており、封止用部材には、ロータをケースに組み付けた状態で、ケースの底部と当接する凸部が形成されている。従って、封止用部材に形成された凸部によってケース
とロータとの軸線方向の隙間を封止もしくは小さくすることができるため、ケースとロータとの軸線方向の隙間から流体が漏れてダンパ性能が低下することを抑制できる。また、ケースとロータとの軸線方向の隙間のばらつきによってダンパ性能がばらつくことを抑制できる。更に、封止用部材が回転軸と別部材であるため、回転軸の寸法精度が低くても封止用部材によってケースとロータとの軸線方向の隙間を封止できる。従って、封止状態を一定にすることができ、回転軸の寸法ばらつきによってダンパ性能がばらつくことを抑制できる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記封止用部材は、前記底部と対向するケース側端面を備え、前記凸部は、前記ケース側端面から突出することが望ましい。このように、ケースの底部と軸線方向に対向する面(ケース側端面)に凸部を形成したことにより、凸部を底部に当接させることができる。従って、ダンパ室の封止性能を向上させることができ、ダンパ性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記ロータを前記ケースに組み付けた状態における前記ケース側端面と前記底部との隙間は、前記ロータを前記ケースに組み付けていない状態における前記ケース側端面からの前記凸部の突出寸法よりも小さいことが望ましい。このようにすると、ケースにロータを組み付けた際にケースの底部によって凸部の先端が押しつぶされるため、ケースの底部と凸部とを密着させてダンパ室の封止性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記凸部は、前記ロータを前記ケースに組み付けた状態において、前記底部と当接する潰し形状に塑性変形している構成を採用することができる。また、本発明の流体ダンパ装置の製造方法において、前記ロータを前記ケースに組み付ける工程では、前記ケースの底部によって前記凸部の先端を軸線方向に押し潰して潰し形状に変形させる構成を採用することができる。例えば、凸部が塑性変形可能である場合には、底部によって凸部の先端を潰し形状に変形させて底部に密着させる。これにより、ダンパ室の封止性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記回転軸の外周面には、径方向外側へ突出する弁体保持部が設けられ、前記弁体の前記底部側の端面は、前記弁体保持部の前記底部側の端面より前記底部側に位置し、前記凸部の先端は、前記弁体の前記底部側の端面より前記底部側に位置することが望ましい。このようにすると、ケースにロータを組み付ける際に、凸部の先端が最初にケースの底部に当接する。従って、ケースの底部によって凸部の先端を押しつぶすことができるので、ケースの底部と凸部とを密着させてダンパ室の封止性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記回転軸は、前記底部と対向する環状端面と、前記環状端面の中央から突出する軸部とを備え、前記凸部は、前記軸部から前記環状端面および前記環状端面の外周側に設けられた前記弁体保持部の端面に沿って連続して設けられていることが望ましい。このようにすると、軸部から弁体保持部までの範囲でケースとロータとの隙間を封止できる。従って、ダンパ室の封止性能を向上させることができ、ダンパ性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記凸部は、前記軸部と繋がっており、前記軸部と前記弁体保持部に保持された前記弁体との間に連続して設けられていることが望ましい。このようにすると、軸部から弁体までの範囲でケースとロータとの隙間を封止できる。従って、ダンパ室の封止性能を向上させることができ、ダンパ性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記凸部は、前記軸部と前記弁体とを結ぶ直線上に延在することが望ましい。このようにすると、単純な形状でダンパ室の封止性能を向上させることができる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記封止用部材は、前記弁体の外周面と対向する側面が前記弁体の外周面に沿う形状であることが望ましい。このようにすると、弁体と封止用部材との隙間からの流体の漏れを抑制できる。
本発明の流体ダンパ装置において、前記封止用部材は、前記回転軸に形成された凹部に配置され、前記凹部の内側面に突起が設けられ、前記封止用部材は、前記突起が設けられた位置で前記凹部に圧入されることが望ましい。このようにすると、圧入により封止用部材を回転軸に固定でき、封止用部材の位置ずれを抑制できる。従って、凸部の位置ずれを抑制できるため、封止性能がばらつくことを抑制でき、ダンパ性能がばらつくことを抑制できる。
本発明の流体ダンパ装置は、前記回転軸は金属製であり、前記封止用部材および前記ケースは樹脂製である構成に適用できる。このような構成では、回転軸の寸法精度が低くても封止用部材によってケースとロータとの隙間を封止できる。従って、ダンパ室の封止性能を向上させることができ、ダンパ性能を向上させることができる。
次に、本発明は、上記の流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器であって、前記回転軸には、機器本体に対して回転移動する開閉部材が取り付けられている。例えば、前記開閉部材は、洋式便器の便座である。このように、上記の流体ダンパ装置の回転軸に便座などの開閉部材を取り付けた場合には、開閉部材の回転負荷を大きくすることができる。従って、開閉部材の動作を遅くすることができる。
本発明では、ダンパ室を構成するケース内に挿入される回転軸の先端に封止用部材が取り付けられており、封止用部材に形成された凸部が、ケースの底部によって軸線方向に押し潰されてケースの底部と当接する。従って、ケースとロータとの軸線方向の隙間を封止もしくは小さくすることができるため、ケースとロータとの軸線方向の隙間から流体が漏れてダンパ性能が低下することを抑制できる。また、ケースとロータとの軸線方向の隙間のばらつきによってダンパ性能がばらつくことを抑制できる。更に、封止用部材が回転軸と別部材であるため、回転軸の寸法精度が低くても封止用部材によってケースとロータとの軸線方向の隙間を封止できる。従って、回転軸の寸法ばらつきによってダンパ性能がばらつくことを抑制できる。
本発明を適用した流体ダンパ装置が搭載された洋式便器を備えた洋式トイレユニットの説明図である。 流体ダンパ装置の斜視図である。 流体ダンパ装置を軸線に沿う面で切断した断面図である。 流体ダンパ装置を軸線に対して垂直な面で切断した断面図である。 流体ダンパ装置の分解断面斜視図である。 ロータをケースに組み付ける工程の説明図である。 ロータの先端部分を示す部分斜視図である。 ロータの先端部分の分解斜視図である。 ロータの先端部分の平面図および封止用部材の平面図である。 ロータとケースとの隙間および凸部の形状を模式的に示す説明図である。 他の実施形態の流体ダンパ装置の斜視図である。 他の実施形態の流体ダンパ装置を軸線に沿う面で切断した切断した断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、ロータ30の回転軸40が延在する方向を軸線L方向とし、軸線L方向において、回転軸40がケース20から突出している側を一方側L1とし、回転軸40がケース20から突出している側とは反対側を他方側L2として説明する。
(ダンパ付き機器)
図1は、本発明を適用した流体ダンパ装置10が搭載された洋式便器1を備えた洋式トイレユニット100の説明図である。図1に示す洋式トイレユニット100は、洋式便器1(ダンパ付き機器)および水タンク3を備えている。洋式便器1は、便器本体2(機器本体)、樹脂製の便座5(開閉部材)、樹脂製の便蓋6(開閉部材)、およびユニットカバー7等を備えている。ユニットカバー7の内部には、流体ダンパ装置10が便座用および便蓋用として内蔵されており、便座5および便蓋6は各々、流体ダンパ装置10を介して便器本体2に連結されている。ここで、便座5に連結された流体ダンパ装置10、および便蓋6に連結された流体ダンパ装置10としては、同一構成のものを用いることができる。以下の説明では、便座5に連結された流体ダンパ装置10について説明する。
図2は流体ダンパ装置10の斜視図であり、軸線L方向の一方側L1からみた斜視図である。流体ダンパ装置10は、軸線L方向に延在する円柱状の流体ダンパ装置本体10aと、流体ダンパ装置本体10aから一方側L1に突出する連結軸10bを備える。連結軸10bは便座5に連結される。連結軸10bの先端部は角柱状であるため、連結軸10bに対する便座5の空周りが防止される。連結軸10bは、便座5が倒れようとする際に軸線L周りの第1方向R1に回転し、便座5が起立しようとする際に第1方向R1と逆回りの第2方向R2に回転する。流体ダンパ装置10は、起立している便座5が便器本体2に被さるように倒れようとする際(すなわち、連結軸10bが第1方向R1に回転する際)、それに抗する力(回転負荷)を発生させ、便座5が倒れる速度を低下させる。
(流体ダンパ装置)
図3は流体ダンパ装置10を軸線Lに沿う面で切断した断面図であり、図4は流体ダンパ装置を軸線Lに対して垂直な面で切断した断面図である。なお、図4は、一方側L1から見た断面図である。また、図5は流体ダンパ装置の分解断面斜視図である。流体ダンパ装置10は、有底筒状のケース20と、ケース20に回転可能に保持されるロータ30を備える。ロータ30は、回転軸40と、回転軸40に保持される弁体50と、回転軸40の先端に取り付けられる封止用部材60を備える。本形態において、ケース20および封止用部材60は樹脂成形品である。
ケース20は、軸線L方向に延在する円筒状の胴部21と、胴部21の他方側L2の端部を塞ぐ底部22と、胴部21の一方側L1の端部に形成される環状の固定部23を備える。底部22の中央には、他方側L2に凹む円形の凹部24が形成されている。凹部24には、ロータ30の回転軸40の他方側L2の先端に設けられた軸部41が挿入される。軸部41は、凹部24によって回転可能に保持される。一方、固定部23の中央には、ケース20の一方側L1にロータ30の端部を突出させる円形の開口部25が形成されている。固定部23は、円形の開口部25を除いてケース20の一方側L1の端部を塞いでいる。開口部25から突出したロータ30の端部は、便座5などの開閉部材が連結される連結軸10bとして用いられる。
図4に示すように、胴部21の内周面には、径方向内側に突出する仕切り用凸部26が
周方向で180°ずれた2箇所に形成されている。仕切り用凸部26は軸線L方向に延在し、仕切り用凸部26の他方側L2の端部は底部22と繋がっている。仕切り用凸部26は、径方向外側から内側に向かって周方向の寸法(厚さ)が薄くなっている。仕切り用凸部26は、胴部21の内側に形成されるダンパ室11を周方向に区画する。図5に示すように、仕切り用凸部26の一方側L1の端面には、径方向に延在するリブ261が形成されている。リブ261は、胴部21の円筒状内周面27と繋がっており、円筒状内周面27から仕切り用凸部26の内周側端面262まで直線状に延在する。
胴部21の内周面は、仕切り用凸部26が形成された円筒状内周面27と、円筒状内周面の一方側L1の端部に設けられた段部28を備える。段部28は、一方側L1を向く環状端面281、および、環状端面281の外周縁と繋がる大径内周面282を備える。環状端面281の内周縁は円筒状内周面27と繋がっており、大径内周面282は固定部23と繋がっている。段部28には、後述する円環状の位置決め部材70が配置される。位置決め部材70は、ケース20に形成された固定部23と、段部28の環状端面281との間に挟まれて保持される。従って、固定部23および位置決め部材70により、ケース20に組み付けられたロータ30がケース20から一方側L1に抜けないよう保持される。固定部23は、ケース20に対してロータ30を組み付ける際に、ケース20の一方側L1の端部を変形させて、変形後の形状が環状端面281との間に位置決め部材70を保持可能な形状となるように構成されている。
ロータ30の回転軸40は、全体として直線状であり、軸線L方向の中央よりも他方側L2の位置に環状のフランジ部42が形成されている。フランジ部42は、回転軸40の全周に形成されている。フランジ部42に対して他方側L2には、フランジ部42よりも小径の第1軸部43が設けられ、フランジ部42に対して一方側L1には、フランジ部42よりも小径で且つ第1軸部43よりも大径の第2軸部44が設けられている。第1軸部43および第2軸部44は略円柱状であり、第2軸部44の先端には、角柱状の第3軸部45が設けられている。第2軸部44および第3軸部45はケース20から一方側L1に突出しており、第1軸部43はフランジ部42と共にケース20の内側に配置される。第1軸部43の先端面は、ケース20の底部22と軸線L方向に対向する。ケース20の凹部24に挿入される軸部41は、第1軸部43の先端面の中央から突出する。
フランジ部42は、軸線L方向に所定の間隔を空けて配置された第1フランジ部421と第2フランジ部422を備えており、第1フランジ部421と第2フランジ部422の間には環状の周溝423が形成されている。周溝423にはOリング80が装着される。ロータ30がケース20に組み付けられると、Oリング80はケース20の円筒状内周面27に当接して押し潰される。従って、ケース20とフランジ部42との隙間が密閉され、ケース20の底部22とフランジ部42との間に外部から密閉されたダンパ室11が形成される。ダンパ室11にはオイル等の流体12(粘性流体)が充填される。
ロータ30は、周溝423の一方側L1に位置する第2フランジ部422が、ケース20の段部28に配置された環状の位置決め部材70と軸線L方向に当接することによって軸線L方向に位置決めされる。このとき、ロータ30の軸線L方向の他方側L2では、ロータ30に形成された弁体保持部46の端面48(図7〜図10(a)参照)とケース20の底部22とが対向する。つまり、ロータ30の軸線L方向の位置決めは、ケース20の底部22と位置決め部材70とによってなされる。位置決め部材70としては、金属製(例えば、SUS製)のワッシャーが用いられる。この場合、位置決め部材70は、第2フランジ部422と全周で当接する。ロータ30は、第1フランジ部421および第2フランジ部422がケース20の円筒状内周面27に回転可能に保持されることにより、ケース20によって回転可能に保持される。すなわち、ロータ30は、ケースの底部22とフランジ部42の2箇所で回転可能に保持される。
(熱カシメによる固定部23の形成)
図6はロータ30をケース20に組み付ける工程の説明図であり、図6(a)は固定部23を形成する前のケース20Aの断面図である。また、図6(b)は図6(a)のケース20Aにロータ30および位置決め部材70を組み付けた状態の断面図であり、図6(c)は熱カシメにより固定部23を形成した状態の説明図である。図6(a)、(b)において、ロータ30が組み付けられる前のケースを符号20Aで示す。ケース20Aには固定部23が形成されておらず、軸線L方向の一方側の端部には、筒状部29が形成されている。筒状部29の内周面は段部28の大径内周面282と同一径もしくは大径内周面282より大径である。
ロータ30をケース20に組み付ける工程では、図6(a)のケース20Aにロータ30を挿入し、ロータ30の他方側L2の先端に設けられた軸部41をケース20Aの凹部24に挿入する。続いて、位置決め部材70をロータ30の第2軸部44の外周側に装着し、位置決め部材70をロータ30の第2フランジ部422に対して軸線L方向の一方側L1から全周で当接させる。
次に、図6(c)に示すように、熱カシメ用の治具である環状のチップ8をケース20Aの筒状部29に接触させて加熱し、他方側L2に押圧して筒状部29を変形させる熱カシメを行う。この際、固定部23がロータ30の第2軸部44と接触しないように、第2軸部44に筒状のスリーブ9を装着した状態で熱カシメを行う。熱カシメ後のケース20は、位置決め部材70の外周側を囲む筒部29aと、位置決め部材70に対して軸線L方向の一方側L1から当接する環状の固定部23と、固定部23の外周縁と筒部29aとを繋ぐ折り曲げ部29bとを備えた形状となる。
位置決め部材70は、固定部23が形成される際に他方側L2へ押圧される。その際、位置決め部材70は、第2フランジ部422に当接してロータ30を他方側L2へ押圧する。位置決め部材70がケース20の段部28に当接すると、ロータ30も軸線L方向に位置決めされる。筒状部29を熱カシメすることにより、位置決め部材70の一方側に環状の固定部23が形成される。固定部23および折り曲げ部29bは、位置決め部材70の全周に形成され、位置決め部材70を全周で固定する。位置決め部材70は、段部28の環状端面281と固定部23との間に挟み込まれた状態となる。
ロータ30において、回転軸40の他方側L2の先端には封止用部材60が取り付けられている。封止用部材60は、ケース20の底部22と軸線L方向に対向する凸部61(図7〜図10)を備える。位置決め部材70を介してロータ30が軸線L方向に位置決めされる際、封止用部材の凸部61は、ケース20の底部22と当接して軸線L方向に押し潰される。これにより、凸部61が設けられた位置で、回転軸40とケース20との隙間が封止される。また、回転軸40に設けられた第1フランジ部421は、胴部21の内周面に設けられた仕切り用凸部26の一方側L1の端面に形成されたリブ261と接触する。
本形態では、ケース20が樹脂成形品であるため、熱カシメによって固定部を形成している。ケース20として他の素材(例えば、金属)を用いる場合、熱カシメでなく塑性変形によって固定部23(カシメ部)および折り曲げ部29bを形成することもできる。塑性変形により固定部23および折り曲げ部29bを形成する場合、全周でなく周方向の一部に形成することもできる。例えば、筒状部29に代えて周方向に一定ピッチで爪部を形成しておき、この爪部を塑性変形させて固定部23および折り曲げ部29bを形成することもできる。
位置決め部材70と第2フランジ部422が当接する当接面は、ロータ30の回転時に摺動する摺動面である。本形態では、ケース20が樹脂製であり、位置決め部材70は金属製である。つまり、ロータ30の回転時にロータ30と摺動する面が樹脂面でなく金属面である。従って、ロータ30の回転による摺動面の摩耗を抑制できる。なお、位置決め部材70と第2フランジ部422が当接する当接面(摺動面)には、グリス等の潤滑材を塗布しておくことが好ましい。
(ダンパ室)
図4に示すように、胴部21と第1軸部43との間には、環状のダンパ室11が設けられる。胴部21の内周面から内側に突出する仕切り用凸部26の内周側端面262は、第1軸部41の外周面に当接する。従って、ダンパ室11は、2箇所の仕切り用凸部26によって同一形状の2室に区画される。第1軸部41の外周面において、周方向で180°離れた2箇所には、弁体保持部46が形成されている。2箇所の弁体保持部46は同一形状であり、第1軸部41の外周面から径方向外側に突出している。また、弁体保持部46は、第1軸部43の他方側L2の端部まで延在しており、一方側L1の端部は第1フランジ部421と繋がっている。
2箇所の弁体保持部46のそれぞれには、弁体50が保持される。弁体保持部46は、周方向の幅が径方向外側より径方向内側で狭くなっている。弁体保持部46の径方向外側の端部には、径方向内側に凹んだ弁体保持溝461が形成されている。弁体保持溝461は、周方向の一方側に位置する第1凸部462と、周方向の他方側に位置する第2凸部463の間に形成されており、軸線L方向に直線状に延在する。弁体保持溝461は、内周面が約180°を超える角度範囲にわたって湾曲した円弧状になっている。
弁体50は、弁体保持溝461に保持される基部51と、基部51から径方向外側へ突出する先端部52とを備える。弁体50の先端部52は、径方向に対して傾斜した方向に突出しており、円筒状内周面27に接触する。本形態では、第2凸部463よりも第1凸部462の方が径方向外側への突出寸法が少なく、弁体50の先端部52は、第1凸部462の外周側に被さる方へ傾いている。
流体ダンパ装置10において、図1に示す便座5が起立姿勢から平伏姿勢に回転する閉動作の際、ロータ30(回転軸40)が軸線L周りに第1方向R1(図4参照)に回転する。第1方向R1は、弁体50の基部51に対して先端部52が位置する側にロータ30が回転する方向である。この場合、弁体50は、流体12からの圧力により、弁体50の先端部52が円筒状内周面27に押し付けられる。このため、弁体50と円筒状内周面27との間を流体12が通過できず、ロータ30(回転軸40)には回転負荷が加わる。しかしながら、この場合でも、ケース20の底部22と弁体50との間には、後述するわずかな隙間S1(図10(a)参照)が空いているため、流体の移動がわずかに許容される。従って、ロータ30は、回転負荷が加わるものの、低速度での第1方向R1への回転が許容される。
また、図1に示す便座5が平伏姿勢から起立姿勢に回転する開動作の際、ロータ30(回転軸40)が軸線L周りに第2方向R2に回転する。第2方向R2は、第1方向R1と逆方向である。この場合、流体12のからの圧力によって弁体50の先端部52が円筒状内周面27から離れるため、弁体50と円筒状内周面27との間を流体12が通過できるようになる。従って、ロータ30の回転負荷は小さい。
(ダンパ室の封止構造)
ダンパ室11の一方側L1は、上述したように、フランジ部42およびOリング80によって密閉される。また、ダンパ室11を周方向に区画する仕切り用凸部26は、一方側
L1の端面に形成されたリブ261が第1フランジ部421と接触する。また、2箇所の弁体保持部46は第1フランジ部421と繋がっており、それぞれの弁体保持部46に保持された弁体50は、第1フランジ部421との間に隙間がほとんど開いていない。つまり、ダンパ室11の一方側L1は封止状態となっている。また、弁体50の他方側L2では、後述するように、弁体50の他方側L2の端面53(図7〜図10(a)参照)とケース20の底部22とが対向する。図10(a)では、弁体50の端面53とケース20の底部22との間に所定の隙間S1がある状態を図示しているが、この隙間S1はない方が望ましく、弁体50の端面53が底部22と当接していることが望ましい。
図7はロータ30の先端部分を示す部分斜視図であり、図8はロータ30の先端部分の分解斜視図である。また、図9(a)はロータ30の先端部分を軸線L方向の他方側L2から見た平面図であり、図9(b)は封止用部材60の平面図である。図7に示すように、ロータ30の軸線L方向の他方側L2の先端部分は、回転軸40の第1軸部43および第1軸部43に取り付けられた封止用部材60、および、弁体保持部46に保持された弁体50によって構成される。第1軸部43の先端には、底部22と軸線L方向に対向する環状端面47と、環状端面47の中央から他方側L2に突出する軸部41が設けられている。軸部41の外周面には、周方向に180°離れた2箇所に平坦面411が形成されている。平坦面411は、弁体保持部46が設けられた角度位置から90°離れた角度位置である。
第1軸部43の先端において、環状端面47の外周側には、弁体保持部46の他方側L2(すなわち、底部22側)の端面48が設けられている。弁体保持部46の端面48は、環状端面47と繋がっており、環状端面47と同一面上に位置する。つまり、弁体保持部46の端面48は、環状端面47と同様に、底部22と軸線L方向に対向する。後述するように、弁体50は、弁体保持部46の端面48からわずかに突出するように取り付けられる。すなわち、弁体50の端面53は、弁体保持部46の端面48よりも他方側L2(底部22側)に位置している(図10(a)参照)。
封止用部材60は、第1軸部43に形成された溝部49に装着される。図8に示すように、溝部49は、軸部41の中央に設けられた円形凹部である中央凹部491と、中央凹部491から径方向の両側へ延びる直線溝492を備えており、全体として径方向に直線状に延在する。中央凹部491の両側において、直線溝492は、それぞれ、環状端面47から弁体保持部46の端面48へ延びており、弁体保持溝461と繋がっている。直線溝492は、軸部41に形成された内周側溝部分493と、環状端面47および弁体保持部46の端面48に形成された外周側溝部分494によって構成される。内周側溝部分493と外周側溝部分494の溝幅は一定である。
封止用部材60は、中央凹部491に装着される円柱状の中央部62と、中央部62から径方向の両側へ延びる板状の壁部63を備える。図8に示すように、中央凹部491の内周面には、中央凹部491を挟んで対向する2箇所にリブ状の突起495が形成されている。突起495は、中央凹部491の内周面から径方向内側に突出しており、軸線L方向に直線状に延在する。封止用部材60を溝部49に取り付ける際、この突起495が形成された位置で中央部62が中央凹部491に圧入される。従って、封止用部材60は、圧入により第1軸部43の先端に固定される。あるいは、封止用部材60の中央部62は中央凹部491に圧入されておらず単に嵌め合わされていても良い。この場合は、突起495が中央凹部491に嵌め合わされた中央部62の外周面と接触していればよい。従って、中央部62の外周面と接触する形状に突起495を変形させておいてもよい。また、中央凹部491の内周面に突起495を形成する代わりに、中央部62の外周面に突起を形成して、中央部62を中央凹部491に圧入あるいは嵌め合わせることもできる。
図7、図8に示すように、封止用部材60において、中央部62から径方向の両側に突出する壁部63は、径方向の途中で高さが変わる段差形状となっている。すなわち、壁部63は、中央部62と繋がる内周側壁部分64、および、内周側壁部分64よりも軸線L方向の高さが低い外周側壁部分65を備える。壁部63は、内周側壁部分64が軸部41に形成された内周側溝部分493に装着され、外周側壁部分65が環状端面47および弁体保持部46の端面48に形成された外周側溝部分494に装着される。内周側壁部分64と外周側壁部分65との段差部分には、軸部41の外周面を構成する段差面66が形成されている。
内周側壁部分64と外周側壁部分65の周方向の幅(厚さ)は一定である。封止用部材60において、外周側壁部分65は、底部22と軸線L方向に対向するケース側端面67を備える。図7に示すように、ケース側端面67は、その周方向の両側に位置する環状端面47および弁体保持部46の端面48と略同一面上に位置する。なお、ケース側端面67は、環状端面47および弁体保持部46の端面48との間に段差があってもよい。また、封止用部材60において、内周側壁部分64および中央部62の他方側L2の端面は、軸部41の他方側L2の端面よりも僅かに一方側L1に位置する。すなわち、軸部41の先端面は、封止用部材60を取り付けた部分がわずかに凹んだ形状となっている。
封止用部材60において、外周側壁部分65のケース側端面67には、他方側L2へ突出する凸部61が形成されている。本形態では、凸部61は径方向に延びるリブ形状である。凸部61の径方向内側の端部は、軸部41の外周面を構成する段差面66と繋がっている。また、凸部61の径方向外側の端部は、外周側壁部分65の径方向外側の端部まで延びている。つまり、凸部61は、径方向内側が軸部41と繋がっており、軸部41から環状端面47および弁体保持部46の端面48に沿って、弁体保持溝461まで連続して設けられている。また、凸部61は、軸部41と弁体保持溝461とを結ぶ直線上に延在する。つまり、凸部61は、軸部41と弁体50とを結ぶ直線上に延在する。
図10(a)はロータ30とケース20の隙間を模式的に示す説明図である。また、図10(b)、(c)は凸部61の形状の説明図であり、図10(b)はロータ30がケース20に組み付けられる前の形状、図10(c)はロータ30がケース20に組み付けられた後の形状を示す。図10(b)に示すように、組み付け前の凸部61の断面形状は、先端に向かうに従って幅が細くなる先細り形状である。凸部61の断面形状は、図10(b)とは異なる形状でもよい。例えば、底部22と凸部61が変形し密着することが可能であれば半円形状や一定幅で突出する形状でもよい。ロータ30がケース20に組み付けられると、図10(c)に示すように、凸部61の先端はケース20の底部22によって軸線L方向に押し潰されて底部22に密着する潰し形状61Aとなる。つまり、凸部61は、ケース20と回転軸40との隙間を塞ぐように変形する。
ここで、潰し形状61Aとは、底部22によって押し潰された形状であり、潰し形状61Aの先端面は底部22の表面の反転形状となる。例えば、底部22の表面が軸線Lに対して垂直な平坦面である場合、潰し形状61Aも軸線Lに対して垂直な先端面を備える形状となる。封止用部材60は、樹脂や金属等の塑性変形可能な素材からなるものであり、底部22によって押し潰されて潰し形状61Aに塑性変形する。つまり、底部22によって軸線L方向に押圧されて塑性変形した形状を潰し形状61Aと呼ぶ。あるいは、封止用部材60としてゴムなどの弾性部材を用いることもできる。この場合は、凸部61は、底部22によって押圧されて潰し形状61Aと同じ高さに弾性変形し、底部22と密着する。すなわち、封止用部材60として弾性部材を用いた場合も、回転軸40とケース20との軸線L方向の隙間を塞ぐように凸部61が変形する。
上述したように、本形態では、ロータ30がケース20に組み付けられてケース20に
固定部23が形成されると、位置決め部材70がケース20の段部28に当接し、ロータ30は、第2フランジ部422が位置決め部材70と当接した位置に位置決めされる。これにより、図10(a)に示すように、弁体保持部46に取り付けられた弁体50の端面53とケース20の底部22との間に流体12がわずかに流れる隙間S1が形成されることがある。なお、上述したようにこの隙間S1はない方が望ましい。また、このとき、回転軸40の先端部とケース20との間にも隙間が形成されることがある。例えば、図10(a)に示すように、第1軸部41の環状端面47および弁体保持部46の端面48と、ケース20の底部22との間に隙間S2が形成されることがある。
本形態では、第1軸部41の環状端面47および弁体保持部46の端面48は、弁体50の端面53よりも軸線L方向の一方側L1に位置する。この場合、環状端面47および弁体保持部46の端面48と底部22との間の隙間S2は、弁体50と底部22との隙間S1よりも大きい。しかしながら、本形態では、凸部61を有する封止用部材60が回転軸40に取り付けられているので、凸部61によって隙間S2が封止される構造となっている。図10(a)に示すように、封止用部材60の凸部61は、底部22によって押し潰されていない時は、底部22側への突出寸法S3が隙間S2よりも大きい。
ケース20に固定部23が形成される際、ロータ30は、第2フランジ部422が位置決め部材70によって押圧され、位置決め部材70が段部28に当接するまで他方側L2に押し込まれる。その際、凸部61の先端はケース20の底部22と軸線L方向に当接して押圧され、隙間S2と同じ高さに凸部61が押し潰されて、潰し形状61Aとなる。これにより、軸部41から弁体保持溝461までの連続した領域で、ケース20の底部22と回転軸40との隙間が封止される。従って、底部22と環状端面47との間、および底部22と弁体保持部46の端面48との間を流体12が通過しないように封止される。なお、凸部61の突出寸法S3と隙間S2とが同一となり、凸部61が潰れずに底部22と接触していてもよい。
図8、図9に示すように、封止用部材60は、外周側壁部分65の径方向外側の端面である側面68(外周側端面)を備える。この側面68は、弁体保持溝461の内側に露出した状態となっている。図9(a)に示すように、封止用部材60の側面68は、弁体保持溝461の内側面からわずかに径方向内側に後退した位置にある。本形態では、側面68は、弁体保持溝461に取り付けられる弁体50の外周面に沿う円弧面である。従って、封止用部材60と弁体50は一定の隙間を開けて径方向に対向する。封止用部材の側面68と弁体50の外周面との隙間は非常に小さな隙間である。従って、流体はこの隙間を流れにくく、封止性能が向上される。また、封止用部材60の側面68と弁体50の外周面との間に隙間を設けておけば、封止用部材60が弁体50の動きを妨げないようにすることができる。なお、側面68を弁体保持溝461の内側面と同一面上に位置させるようにすれば、側面68が弁体50の外周面に当接する。この場合、封止用部材60と弁体50との間に径方向の隙間が形成されないため、より封止性能が向上される。つまり、凸部61を軸部41と弁体50との間に連続して設けることもでき、この場合はより封止性能が向上される。但し、封止用部材60の側面68が弁体50の外周面と強く接触する場合、弁体50の動きが妨げられる。従って、弁体50の動きを妨げない程度の接触状態を維持するように、封止用部材60および弁体50の寸法値を調整することが望ましい。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の流体ダンパ装置10は、ケース20内に挿入される回転軸40の先端に封止用部材60が取り付けられており、封止用部材60には、ロータ30をケース20に組み付けた状態で、ケース20の底部22によって軸線L方向に押し潰されて底部22と当接する潰し形状561Aとなる凸部61が形成されている。従って、ケース20と回転軸40との軸線L方向の隙間S2を封止でき、ケース20と回転軸40と
の軸線L方向の隙間S2から流体が漏れてダンパ性能が低下することを抑制できる。また、ケース20と回転軸40との隙間S2のばらつきによってダンパ性能がばらつくことを抑制できる。更に、封止用部材60が回転軸40と別部材であるため、回転軸40の寸法精度が低くても封止用部材60によってケース20と回転軸40との隙間S2を封止できる。従って、回転軸40の寸法ばらつきによってダンパ性能がばらつくことを抑制できる。
本形態の封止用部材60は、ケース20の底部22と軸線L方向に対向するケース側端面67を備えており、ケース側端面67から凸部61が突出する。従って、凸部61が変形しやすいので、底部22とケース側端面67との隙間S2を塞ぐことができる。
本形態では、ロータ30をケース20に組み付けた状態におけるケース側端面67と底部22との隙間S2は、ロータ30をケース20に組み付けていない状態におけるケース側端面67からの凸部61の突出寸法S3よりも小さい。従って、ケース20にロータ30を組み付けた際に底部22によって凸部61の先端が押し潰されるので、ケース20の底部22と凸部61とを密着させてダンパ室11の封止性能を向上させることができる。
本形態では、回転軸40に弁体保持部46が設けられ、弁体保持部46に保持される弁体50の底部22側の端面53は、弁体保持部46の底部22側の端面48より底部22側に位置する。また、凸部61の先端は、弁体50の端面53より底部22側に位置する従って、ケース20にロータ30を組み付ける際に、凸部61の先端が最初にケース20の底部22に当接し、底部22によって凸部61の先端を押し潰すことができる。よって、ケース20の底部22と凸部61とを密着させてダンパ室11の封止性能を向上させることができる。
本形態では、回転軸40は、底部22と対向する環状端面47と、環状端面47の中央から突出する軸部41を備えており、凸部61は、軸部41から環状端面47および弁体保持部46の端面48に沿って連続して設けられている。従って、軸部41から弁体保持部46までの範囲でケース20と回転軸40との隙間S2を封止できる。よって、ダンパ室11の封止性能を向上させることができ、ダンパ性能を向上させることができる。また、凸部61は軸部41の外周面と繋がっているので、凸部61と軸部41との隙間から流体が漏れることを防止できる。更に、凸部61を弁体50まで連続して設けるようにすれば、軸部41から弁体50までの範囲でケース20とロータ30との隙間を封止できる。また、凸部61は、軸部41と弁体50とを結ぶ直線上に延在するため、単純な形状でダンパ室11の封止性能を向上させることができる。
なお、凸部61は、軸部41から弁体50までの範囲に部分的に設けられていてもよい。例えば、この範囲に複数の凸部61を互いに間隔を空けて配置してもよい。凸部61が連続していなくても、ケースとロータの間にできる隙間の面積を減らすことができれば、封止効果を高めることができる。
本形態の封止用部材60は、弁体50の外周面と当接する側面68を備え、この側面68は弁体50の外周面に沿う形状である。従って、弁体50と封止用部材60との隙間からの流体の漏れを抑制でき、ダンパ室11の封止性能を向上させることができる。
本形態では、封止用部材60は、回転軸40に対して圧入により固定される。すなわち、回転軸40に形成された中央凹部491の内側面に突起495が形成されているので、この突起495の位置で封止用部材60が回転軸40に圧入される。このように、圧入によって封止用部材60を回転軸40に固定することにより、封止用部材60の位置ずれを抑制できる。その結果、凸部61の位置ずれを抑制できるため、封止性能がばらつくこと
を抑制できる。よって、ダンパ性能がばらつくことを抑制できる。
本形態の回転軸40は金属製であり、封止用部材60およびケース20は樹脂製である。例えば、回転軸40は、アルミニウムなどの金属のダイカスト品である。このような回転軸40は強度が高く耐久性が向上するものの、製造上、寸法精度を高くすることができないため、ケース20と回転軸40との軸線L方向の隙間S2がばらつくおそれがある。また、ダイカスト品には、押圧によって潰れる凸部を設けることは困難である。そこで、本形態では、樹脂製の封止用部材60を用いて、隙間S2の大きさがばらついたとしても、凸部61によってケース20と回転軸40との隙間S2を封止する。従って、ダンパ室の封止性能を向上させることができ、ダンパ性能を向上させることができる。
なお、回転軸40の寸法ばらつきによって隙間S2が大きくなり、隙間S2が凸部61の突出寸法S3よりも大きくなったとしても、凸部61は隙間S2の大部分を塞ぐことができるため、隙間S2を流れる流体12を少なくすることができる。従って、ダンパ室11の封止性能は向上する。
(他の実施の形態)
図11は他の実施形態の流体ダンパ装置10の斜視図であり、図12はその断面図(軸線に沿う方向で切断した断面図)である。以下、上記実施形態と異なる点のみ説明し、同一の点は説明を省略する。図11、12に示す流体ダンパ装置10は、ケース20の構成が上記形態と異なる。図11、12の流体ダンパ装置10は、ケース20の一方側L1の端部に固定部23を形成する代わりに、樹脂成型品のカバー90を固定する。カバー90の外周面には雄ねじ91が形成され、ケース20の内周面には雌ねじ92が形成されており、雌ねじ92の他方側L2には環状端面93が形成されている。
ロータ30をケース20に組み付ける工程では、上記形態と同様に、ケース20にロータ30を挿入し、ロータ30の他方側L2の先端に設けられた軸部41をケース20の凹部24に挿入する。続いて、金属製のワッシャー95およびカバー90をロータ30の第2軸部44の外周側に装着し、カバー90を回転させて雄ねじ91と雌ねじ92をねじ止めする。カバー90の一方側L1の面には、カバー90を回転させる治具を係合させる凹部94が外周縁に沿って3箇所に形成されている。カバー90がケース20の環状端面93に当接すると、カバー90およびワッシャー95を介してロータ30が軸線L方向に位置決めされる。その際、ロータ30の他方側L2の先端においては、上記形態と同様に、封止用部材60に形成された凸部61がケース20の底部22と当接して軸線L方向に押し潰される。従って、上記形態と同様に、ケース20と回転軸40との隙間S2を凸部61によって封止することができる。よって、上記形態と同様の作用効果が得られる。
1…洋式便器(ダンパ付き機器)、2…便器本体(機器本体)、3…水タンク、5…便座(開閉部材)、6…便蓋(開閉部材)、7…ユニットカバー、8…チップ、9…スリーブ、10…流体ダンパ装置、10a…流体ダンパ装置本体、10b…連結軸、11…ダンパ室、12…流体、20、20A…ケース、21…胴部、22…底部、23…固定部、24…凹部、25…開口部、26…仕切り用凸部、27…円筒状内周面、28…段部、29…筒状部、29a…筒部、29b…折り曲げ部、30…ロータ、40…回転軸、41…軸部、42…フランジ部、43…第1軸部、44…第2軸部、45…第3軸部、46…弁体保持部、47…回転軸の環状端面、48…弁体保持部の端面、49…溝部、50…弁体、51…基部、52…先端部、53…弁体の端面、60…封止用部材、61…凸部、61A…潰し形状、62…中央部、63…壁部、64…内周側壁部分、65…外周側壁部分、66…段差面、67…封止用部材のケース側端面、68…封止用部材の側面、70…位置決め部材、71…貫通孔、80…Oリング、90…カバー、91…雄ねじ、92…雌ねじ、9
3…環状端面、94…凹部、95…ワッシャー、100…洋式トイレユニット、261…リブ、262…内周側端面、281…環状端面、282…大径内周面、411…平坦面、421…第1フランジ部、422…第2フランジ部、423…周溝、461…弁体保持溝、462…第1凸部、463…第2凸部、491…中央凹部、492…直線溝、493…内周側溝部分、494…外周側溝部分、495…突起、L…軸線、L1…軸線方向の一方側、L2…軸線方向の他方側、R1…第1方向、R2…第2方向、S1…弁体とケースとの隙間、S2…回転軸とケースとの隙間、S3…凸部の突出寸法

Claims (15)

  1. ダンパ室を構成する有底筒状のケースと、
    前記ケース内に挿入される回転軸および弁体を備えるロータと、
    前記ダンパ室に充填される流体とを有し、
    前記ロータは、前記回転軸の先端部に取り付けられた封止用部材を備え、
    前記封止用部材は、前記ロータを前記ケースに組み付けた状態で前記ケースの底部と当接する凸部を備えることを特徴とする流体ダンパ装置。
  2. 前記封止用部材は、前記底部と対向するケース側端面を備え、
    前記凸部は、前記ケース側端面から突出することを特徴とする請求項1に記載の流体ダンパ装置。
  3. 前記ロータを前記ケースに組み付けた状態における前記ケース側端面と前記底部との隙間は、前記ロータを前記ケースに組み付けていない状態における前記ケース側端面からの前記凸部の突出寸法よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の流体ダンパ装置。
  4. 前記凸部は、前記ロータを前記ケースに組み付けた状態において、前記底部と当接する潰し形状に塑性変形していることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  5. 前記回転軸の外周面には、径方向外側へ突出する弁体保持部が設けられ、
    前記弁体の前記底部側の端面は、前記弁体保持部の前記底部側の端面より前記底部側に位置し、
    前記凸部の先端は、前記弁体の前記底部側の端面より前記底部側に位置することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  6. 前記回転軸は、前記底部と対向する環状端面と、前記環状端面の中央から突出する軸部とを備え、
    前記凸部は、前記軸部から前記環状端面および前記環状端面の外周側に設けられた前記弁体保持部の端面に沿って連続して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の流体ダンパ装置。
  7. 前記凸部は前記軸部と繋がっており、前記軸部と前記弁体保持部に保持された前記弁体との間に連続して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の流体ダンパ装置。
  8. 前記凸部は、前記軸部と前記弁体とを結ぶ直線上に延在することを特徴とする請求項6または7に記載の流体ダンパ装置。
  9. 前記封止用部材は、前記弁体の外周面と対向する側面が前記弁体の外周面に沿う形状であることを特徴とする請求項5から8の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  10. 前記封止用部材は、前記回転軸に形成された凹部に配置され、
    前記凹部の内側面に突起が設けられ、
    前記封止用部材は、前記突起が設けられた位置で前記凹部に圧入されることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  11. 前記回転軸は金属製であり、前記封止用部材および前記ケースは樹脂製であることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  12. 請求項1から11の何れか一項に記載の流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器であって、
    前記回転軸には、機器本体に対して回転移動する開閉部材が取り付けられていることを特徴とするダンパ付き機器。
  13. 前記開閉部材は、洋式便器の便座であることを特徴とする請求項12に記載のダンパ付き機器。
  14. ダンパ室を構成する有底筒状のケースと、前記ケース内に挿入される回転軸および弁体を備えるロータと、前記ダンパ室に充填される流体と、を有する流体ダンパ装置の製造方法であって、
    前記回転軸の先端部に、前記ケースの底部に向けて突出する凸部を備えた封止用部材を取り付けておき、
    前記ロータを前記ケースに組み付ける工程では、前記ケースの底部に前記凸部の先端を当接させることを特徴とする流体ダンパ装置の製造方法。
  15. 前記ロータを前記ケースに組み付ける工程では、前記ケースの底部によって前記凸部の先端を軸線方向に押し潰して潰し形状に変形させることを特徴とする請求項14に記載の流体ダンパ装置の製造方法。
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