JP2018145579A - 自動化洗濯プラント対応編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】病院等の医療機関、ホテル等の宿泊施設、介護施設などの各種施設で貸与される衣服のうち自動化洗濯プラントに対応したものに使用する編地を提供する。【解決手段】短繊維が綿繊維からなる紡績糸とポリエステルフィラメントとを80重量%以上含み、かつ紡績糸とポリエステルフィラメントの使用重量比が10:90〜80:20である丸編シングルニットであり、目付が100〜250g/m2であり、かつ厚みが0.4〜0.8mmであり、ポリエステルフィラメントがフラットヤーンであることを特徴とする自動化洗濯プラント対応編地。【選択図】なし

Description

本発明は、病院等の医療機関、ホテル等の宿泊施設、介護施設などの各種機関や施設で貸与される衣料のうち自動化洗濯プラントに対応したものに好適に使用することができる編地に関する。
例えば医療機関、宿泊施設、介護施設、リハビリテーション施設などでは、利用者にガウン、上下式の甚平やパジャマなどの衣服が提供され、利用者は提供された衣料を着用して、その機関や施設を利用することが多い。また、このような機関や施設における上記衣料は、リネンサプライシステムを利用して、定期的にリネンサプライシステムの業者であるリネンサプライヤーが、衣料の提供、回収、洗濯、高温滅菌処理を行うことが多い。
ガウンやパジャマ等に用いる生地として、元来はしわになりにくく、伸び縮みして着やすく、使いやすいものとしてニット生地が好まれており、特に介護施設のリハビリなどには好適である。しかし、大量の衣料品を連続で処理するリネンサプライの自動化洗濯プラントでは、ニット製品は敬遠されていて殆ど使われていないのが実情である。
最近の自動化洗濯プラントは、連続洗濯機、油圧式脱水機、乾燥機、シワを伸ばすロールアイロナー、衣料品を折り畳むフォルダ、仕分け作業、出荷からなる工程が主流であり、このような連続で処理される工程では、いかに生産性を高めるかが重要である。しかし、ニット製品は、この自動化洗濯プラントでの工程通過性が低く、生産性を極度に低下させることが問題となっている。
本発明者らがこの問題について調査した結果、自動化洗濯プラントにおけるニット製品が使えない大きな課題として次の3つが存在することが判明した。一つには、洗濯後の圧力脱水した衣料は、圧力脱水したままのケーキ形状で次工程へ移動させるため、形状が崩れずケーキ形状の保持性が高いことが必要であるが、厚みのあるニットでは、その弾発性から圧力脱水後にケーキが膨らんで、移動中にケーキが崩れてストッパーに引掛り機械が止まる等の作業性が大きく低下する問題がある。次に、二つ目には、ロールアイロナー内での通過性が悪く、機械内で留まってしまう問題がある。これは、ニット生地がロールアイロナーの機械内部で滑りやすいためである。更に、三つ目には、リネンサプライヤは、衣料を前記フォルダを使って綺麗に折り畳んで、同じ形状に均一に揃えて納入先に提供するが、前記ニットは柔らかく、伸び縮みするため、きれいに折り畳んで、同じ形に揃えて提供することが困難である問題がある。
このような問題を解決する方法の一つとして、例えば特許文献1に示すように、衣服にポケット部を設けて、このポケットに衣料本体を収納して、同じ形状に簡単かつきれいに揃えて整え得る衣服が提案されている。しかし、このポケット部に収納する方法は、畳みにくい編地を綺麗な形に整えることはできても、綺麗に折りたたむことまではできず、また洗濯工程では、ロールアイロナーでの通過性やケーキ形状保持性が悪いニット衣服の特徴を何ら改善できるものではなかった。
従って、しわになりにくく、伸び縮みして着やすく、使いやすい編地を用いながらも、従来の自動化洗濯プラントに容易に通せて、ほぼ同じ形に折り畳めることができる衣料が要望されている。
特開2011−52346号公報
本発明は、上記の従来技術の現状や問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ニット製品でありながら、リネンサプライの工程で必要な、自動折畳み機での折り畳み易さや、ロールアイロナーでの通過性(滑りにくさ)、脱水ケーキの形状保持性を満足できる衣料に使用するのに好適な自動化洗濯プラント対応編地、及びそれを用いた自動化洗濯プラント対応衣料を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、短繊維が綿繊維からなる紡績糸とポリエステルフィラメントとを含む丸編シングルニットを使用することにより、しわになりにくく、伸び縮みし着やすいというニット製品の特徴を享受しながら、ニット製品による自動化洗濯プラントの問題にも好適に対応できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)短繊維が綿繊維からなる紡績糸とポリエステルフィラメントとを80重量%以上含み、かつ紡績糸とポリエステルフィラメントの使用重量比が10:90〜80:20である丸編シングルニットであり、目付が100〜250g/mであり、かつ厚みが0.4〜0.8mmであることを特徴とする自動化洗濯プラント対応編地。
(2)ポリエステルフィラメントがフラットヤーンであることを特徴とする(1)に記載の自動化洗濯プラント対応編地。
(3)ポリエステルフィラメントの単糸繊度が0.5〜6dtexであることを特徴とする(1)または(2)に記載の自動化洗濯プラント対応編地。
(4)編地にS撚とZ撚の紡績糸が含まれており、それぞれの紡績糸が交編されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の自動化洗濯プラント対応編地。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の自動化洗濯プラント対応編地からなる自動化洗濯プラント対応衣料。
本発明によれば、自動化洗濯プラント対応衣料でありながら編地を使用しているので、着用するときに伸び縮みして着やすく、着用中も快適であり、着用時にストレスを感じにくい。また、しわが付きにくいので、出歩くときにも見栄えが悪くなりにくい。また、本発明の編地は、自動化洗濯プラントにおいて工程通過性が高いので、ニット製品でも大量に連続処理することができ、自動折り畳み機を用いても、同じ形にきれいに揃えて整えることができる。従って、リネンサプライヤおよび納入先での処理、保管、管理を適確かつ効率的に行うことができる。
図1は、ニット組織図(ウエルト天竺)である。 図2は、ニット組織図(ストライプ)である。 図3は、ニット組織図(リバーシブルストライプ)である。 図4は、ニット組織図(天竺)である。 図5は、ニット組織図(カノコ)である。 図6は、ニット組織図(ストライプ)である。 図7は、折り畳み状態(実施例の写真)である。 図8は、折り畳み状態(比較品の写真)である。 図9は、脱水後チーズ(形状保持)である。 図10は、脱水後チーズ(崩れたもの)である。 図11は、DS式織物摩擦係数試験機である。 図12は、前開き上着の折り畳み方である。 図13は、実施例で使用する前開き上着の詳細である。
本発明の編地は、丸編シングルニットであることが必要である。ダブルニットであると、ニットループが二重構造になるため弾発性が高くなりすぎて、脱水後のチーズの形態保持性が低下しやすくなる。また、編組織は、組織全体に対して、ウエルト又はタックが20%以上含まれていることが好ましい。より好ましくは25〜55%である。更に好ましくは30〜50%である。ウエルト又はタックの比率が上記範囲未満になると、編地の弾発性が高くなりすぎてケーキ保持性が悪くなったり、編地の伸度が高くなりすぎて、ロールアイロナーでの通過性が低下したり、折り畳み性が悪くなる傾向がある。上記範囲を越えると、編地の透け感が強くなりすぎてガウンや病衣、パジャマ等に使い難くなりやすい。
本発明では、編地を構成する糸は、短繊維が綿繊維からなる紡績糸とポリエステルフィラメントの両方を少なくとも用いることが必要である。前記紡績糸とポリエステルフィラメントの両方を用いることで、綿混紡績糸の風合いを活かしながら、綿の乾燥性の悪さや繰り返し洗濯耐久性を改善することができる。特に好ましくは、綿繊維を用いた紡績糸とポリエステルのフラットヤーンのみで編地を構成するのがよい。
本発明の編地に用いる紡績糸は、短繊維として木綿からなるものを用いることが好ましい。紡績糸には、長繊維を複合したものであってもよいが、その場合の短繊維の混率は50%以上であることが好ましい。本発明の目的を阻害しない限りにおいて、木綿以外の短繊維を混用することは可能であるが、その場合、紡績糸を構成する短繊維における木綿の混率は少なくとも80%以上であることが好ましい。紡績糸における木綿の混率が上記の範囲であると、抗ピル性が良好な編地とすることができ、吸湿性、吸水性に優れて、風合いも柔らかく、病衣、ガウン、パジャマ等の衣料品に好適に用いることができる。また、紡績糸中の短繊維の混率が50%未満であると、編地全体の綿混率が低下してしまい、吸湿性や肌触りが悪くなる可能性がある。
本発明の編地は、リネン洗濯を繰り返す間に歪まないことが必要である。一般に丸編シングル編地は編成されている糸の残留トルクによりタテ方向に対して歪みやすい。そのため、本発明の編地に用いる紡績糸として、例えばS撚又はZ撚の一方のみを用いる場合、JIS−L1095−9.17.1 A法で測定した場合の紡績糸のスナール係数を0〜15とすることが好ましい。より好ましくは0〜10である。更に好ましくは0〜8である。スナール係数が上記範囲を越えると、編地の斜行やカールが起こり易く、衣料品の型崩れや、生地の歪みによるシワが発生し易くなる。スナール係数をより好ましい範囲とするには、下撚と上撚を逆方向にして撚りトルクを相殺した双糸の紡績糸や、ムラタボルテックススピナー(MVS)等の結束紡績法にて作った紡績糸を使用することが好ましい。また、撚り方向が反対のS撚とZ撚の両方の紡績糸を用意して交編することも好ましい態様である。S撚とZ撚の両方の紡績糸を用いる場合は、S糸とZ糸の交編率は30:70〜70:30の割合で交編するのが好ましい。紡績糸の繊度は、英式番手(綿番手)20〜50番であることが好ましく,より好ましくは30〜40番である。上記範囲より細いと、生地が薄くなりすぎて、リネン洗濯に対する耐久性が低下しやすくなり、上記範囲より太いと、分厚くなりすぎて目的の用途には使い難くなってくる。
本発明に用いるポリエステルフィラメントは、エアー交絡糸、カバーリング糸、撚糸、等の糸加工を施したものでも構わないが、捲縮が掛かっていない糸を用いるのがよく、特に生糸(フラットヤーン)を用いるのが好ましい。捲縮が強いと編地の弾発性が上がって脱水チーズの形態保持性が低下し易くなったり、ロールアイロンでの工程通過性も低下しやすい。このため捲縮が強い仮撚加工糸は用いない方がよい。捲縮が掛かっていない糸を用いると湿っているときに金属ロール、ヒートベルトとの静摩擦が向上してロールアイロン通過性が格段に高くなる。また、捲縮が掛かっていないフィラメントを用いると、リネン洗濯を繰り返したときに編地の歪みを起こりにくくする効果がある。
ポリエステルフィラメントの総繊度は50〜200dtexであることが好ましく、より好ましくは75〜120dtexである。上記範囲より細いと、生地が薄くなりすぎて、リネン洗濯に対する耐久性が低下しやすくなる。上記範囲より太いと、分厚くなりすぎて目的の用途には使い難くなってくる。編地に交編したり、紡績糸に含まれるポリエステルフィラメントの単糸繊度は、0.5〜6.0dtexであることが好ましい。より好ましくは0.9〜4.0dtexである。単糸繊度が上記範囲未満であると、リネン洗濯で単糸が切れて毛羽になり外観がわるくなったりピリングが起こり易くなる。上記範囲を越えると、編地の弾発性が高くなりすぎて脱水チーズの形態保持性が低下するおそれがある。
本発明者らが、自動化洗濯プラントの工程通過性と編地の構造との関係を調査した結果、編地における紡績糸とポリエステルフィラメントの使用重量比は、10:90〜80:20であることが必要であることを見出した。また、前記紡績糸とポリエステルフィラメントは、編地全体の80重量%以上使用されていることが必要であることも見出した。この範囲であれば、他の糸が含まれていても工程通過性を低下させにくい。紡績糸の使用重量比が上記範囲未満になると、綿100%の紡績糸を使ったとしても吸湿性や肌触りが悪くなって着心地が悪くなる。また、ポリエステルフィラメントの使用重量比が上記範囲未満になると、乾燥するのに時間が掛かりすぎたり、ロールアイロン通過性が低下したりしやすい。前記紡績糸とポリエステルフィラメントの使用重量比率を上記範囲とすることにより、自動化洗濯プラントでの編地の工程通過性が良くなる。より好ましくは、この使用重量比は30:70〜70:30である。
本発明では、紡績糸とポリエステルフィラメントを交互編みとすることが好ましい。この交互編みとは、製編時に紡績糸とポリエステルフィラメントを1本毎に入れ替えたり,複数本毎に入れ替えて製編した構造をいう。1本交互とするのが好ましいが、2本交互、3本交互や1〜3本交互を組み合わせて編み込んでも構わない。4本交互を越えると、自動化洗濯プラントでの工程通過性が低下しやすくなったり、ボーダー調の目面が強くなったりする可能性がある。
本発明の編地は、タックとニットを主体に作る組織としては、例えば、ストライプ、カノコ類(表カノコ、裏カノコ、並カノコ等)、フレンチタック、ストレートタック、梨地柄、挿入柄編等がある。また、ウエルトとニットを主体に作る組織としては、例えば、ウエルト天竺、片面ウエーブ編、かぶり編、インレイ編針抜き編等がある。これらの編組織を使って適正な密度に設定すると、編地の伸度を抑えられて自動化洗濯プラントでの工程通過性が高まりやすい。このときの適正密度は、編組織により変動するが、仕上密度でウエール数25〜55個/2.54cm、コース数25〜60個/2.54cmの範囲で設定することが好ましい。より好ましくは、ウエール数30〜45個/2.54cm、コース数30〜55個/2.54cmである。使用する編機は、24〜46Gのシングル丸編機を用いて編み立てることが好ましい。
本発明の編地の目付は、100〜250g/mであることが必要である。好ましくは120〜200g/mである。目付は、本発明の目的とする病衣、パジャマ、ガウン等の用途にあったものにすればよいが、上記範囲を越えると、乾燥性が極端に低下しやすくなり、自動洗濯プラントの工程通過性も低下しやすい。また、目付が上記範囲未満になると、目の粗い編物になって透け感が出易くなったり、強度が低下し、目的の用途に使い難い編物になりやすい。
本発明の編地の厚みは、0.4〜0.8mmであることが必要である。好ましくは0.6〜0.7mmである。厚みが上記範囲を越えると、編地の弾発性が高まり、脱水チーズの形態保持性が低下しやすかったり、乾燥性が低下して生産効率が低下しやすい。厚みが上記範囲未満であると、より細い糸を使う必要があり、リネン洗濯での耐久性が低下したり、透けやすくなる傾向がある。
本発明の目的のために編地のハリコシは、比較的高いことが好ましく、そのために編地の剛性が高くなるよう設計することが好ましい。編地の剛性は、洗濯乾燥後の自動たたみ機による保形性に影響する。編地の剛性が低いと、自動たたみ機のガイド棒による袖や裾の折り返し時に生地が垂れてしまい上手く畳めず、折り目の合せがズレて、見た目の仕上り性が悪くなる。編地の剛性が高いと、ガイド棒による袖や裾が上手く畳めて見た目の仕上がりが綺麗になる。編地の剛性の評価メジャーとして、カンチレバー法による評価がよい。この場合、タテヨコ合計の剛軟度が50〜100mmであることが好ましい。より好ましくは55〜90mmである。剛軟度が上記範囲を越えると、編地のハリコシが強くなり過ぎて折りたたみ難くなり、更に着用感が悪くなる。剛軟度が上記範囲未満であると、生地が柔らかすぎて折りたたみ難く、仕上がりが悪くなりやすい。また、タテ方向の剛軟度の範囲は20〜50mm、ヨコ方向の剛軟度の範囲は20〜45mmとすることが好ましい。
本発明の編地は、表面の摩擦係数がある程度高いことが必要である。編地表面の摩擦係数がある程度高くないと、洗濯脱水後のロールアイロンによる連続アイロン工程において金属ロールとヒートベルトの間で滑ってロールアイロン工程の途中で止まってしまいやすい。編地のすべり性の評価メジャーとしては、編地の静摩擦係数がよい。評価法としてDS式摩擦係数試験機で測定した場合に、静摩擦係数が製品(編地)のたて方向が0.75〜1.00であることが好ましい。より好ましくは0.80〜0.90である。上記範囲未満であると編地の滑りが良すぎてロールアイロンによる工程通過性が悪くなりやすい。上記範囲を越えると、風合いが硬くなり、着用感が悪くなりやすい。
本発明の編地は、湿潤時のシワの回復性が高すぎない方が好ましい。自動化プラント洗濯における洗濯後の脱水は通常、遠心脱水ではなく、圧力脱水工程が使われる。ある程度まとまった洗濯物を圧力脱水すると、洗濯物が丸い円柱状(ケーキ形状)に固まり、次工程に流れるのであるが、湿潤時のシワ回復性が高いと圧力脱水後に洗濯物が膨らんでしまい、丸い円柱状が保たれず、次の乾燥工程に移す時、洗濯物が崩れてしまい、手作業で洗濯物を拾う必要があったり、ストッパーが感知して機械が止まってしまい自動化ができない。シワ回復性の評価メジャーとしてモンサント法がある。生地が湿潤時に裏面を谷折りした場合の防シワ性が、タテヨコ平均62%以下であることが好ましく、より好ましくは50〜60%である。上記範囲を越えると、圧力脱水後に衣類が膨らんでしまい、綺麗なケーキ形状が保たれない可能性がある。
本発明の編地は、繰返し洗濯にて歪まないことが好ましい。一般に丸編シングル編地は、編成されている糸の残留トルクによりタテ方向に対して歪む。その歪みを極力なくすためには、熱セット性の良好なポリエステル糸を使用したり、Z撚とS撚の糸を両方交編することにより無くすことができる。本発明の編地は、熱セット性良好なポリエステル糸を交編するものの、混率が低いと、生地の熱セットにて斜行が完全に止まらない。そのため、綿糸の撚り方向をZ撚とS撚の両方の糸を交編することで極力無くすことができる。洗濯後の斜行は、5%以下であることが望ましく、より好ましくは3%以下である。
本発明の編地を使用した衣料を商業洗濯するための自動化洗濯プラントについて以下に説明する。リネンサプライシステムでは、少人数の作業者で連続的に大量の繊維製品を洗濯するための洗濯関連機械が開発されており、例えば、洗濯機では、東京染洗機械製作所のバルスフローシリーズ等の生産性を高めた連続洗濯処理装置が用いられている。洗濯された被洗濯物は一定量毎に圧力式脱水機を用いて短時間で脱水される。シェーカータンブラー等の乾燥処理後、例えばロールアイロナーで連続的にシワ伸ばしされた後、東都フォルダー工業等のフォルダにて折り畳まれて出荷される。
まず、圧力式脱水機で処理して作られた被脱水物チーズが短時間で崩れないことが必要である。例えば連続洗濯機で洗濯した後、(株)アサヒ製作所製のASP−350で50kgの被洗濯物を30MPaで30秒処理して3分後に脱水直後のチーズ形状を保持していることがよい。3分以内にチーズが崩れてしまうと、作業性が大きく低下してしまう。
次に、乾燥機に入れてある程度水分を除去した後、ロールアイロン工程に移る。ロールアイロナーでは、綺麗にアイロン掛けされて、遅滞なく出口まで運ばれてくる必要がある。例えば(株)ムサシノキカイ製ロールアイロナーR−832を通した場合にヒートベルトと乾燥ロールとの間で滑って遅滞するものや、綺麗にアイロン伸ばしできていないものは通過性が悪いと判断する。
更に、フォルダでは綺麗に折り畳めて、被洗濯物が全て同じ大きさで形が崩れないことが必要である。例えば東都フォルダー工業(株)製のP4S−FEを用いて、裾幅(両袖端間の長さ)が138cmの前開き上衣をタテ38cm、ヨコ25cmに折り畳んだときの長さのバラツキが、タテ±2cm、ヨコ長さが±2cmに収まるように綺麗に折り畳めるのがよい。
本発明の編地は、リネンサプライされる衣料品全般、特に自動化洗濯プラント対応衣料に使用されることができる。具体的な例としては、病衣、白衣、介護衣、ガウン、浴衣、パジャマ、甚平、作業着、作務衣等に好適に用いることができるが、これらに限定されない。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各性能評価は、以下の方法により行った。
(紡績糸の番手、フィラメントの繊度)
JIS−L1095−9.4.1の一般紡績糸試験法の性量テックス・番手測定の綿番手測定方法に準拠して測定した。
(フィラメントの繊度)
JIS−1013−8.3.1A法の正量繊度に準拠して測定した。
(紡績糸の撚数)
JIS−L1095−9.15.1 A法のより数に準拠して測定した。
(紡績糸の素材混率)
JIS−L1030−2の混紡率に準拠して測定した。
(スナール係数)
JIS−L1095−9.17.1 A法のスナール指数に準拠して測定した。
(編地密度)
JIS−L1096 8.6.2 編物の密度に準拠して編地のコース密度(個/2.54cm)、ウェール密度(個/2.54cm)を測定した。目視で測定する際、ウエール方向(又はコース方向)に組織図上で最もニットループが多いところを選んで、そのニットループ数を測定して密度とした。
(編地の目付)
JIS−L1096 8.3.2 A法の標準状態における単位面積当たりの質量に準拠して編地の目付を測定した。
(編地の厚み)
紡績糸、フィラメントの繊度
JIS−L1096 8.4 A法の厚さに準拠して編地の厚みを測定した。測定条件の一定圧力は0.7kPaでおこなった。
(編地の剛軟性)
JIS−L−1096 A法、45度カンチレバー法で測定した。タテ方向測定値の平均値とヨコ方向測定値の平均値を合算したものを剛軟度とした。
(編地の脱水後シワ回復性)
JIS−L−1059−1モンサント法で測定した。但し、生地は、水に浸漬後、家庭洗濯器で3分脱水した直後のものを測定した。本発明の圧力脱水後のケーキ保形性の評価は、生地の裏面を測定する。この理由として、自動化洗濯プラントで圧力脱水したケーキの崩れやすいエッジ部分では、この表面には山折れ状になった生地表の凸部が多く現れる(すなわち、裏面では谷折れとなっている)ためである。モンサント法は、谷折りしたシワの回復性を評価するので、実情に合わせて裏面の測定値を用いる。尚、シングルニットでは、衣類の表は編地の表(ニットループ面)と同じ面を用いるのが一般的である。
(編地の摩擦抵抗)
興亜商会製のDS式織物摩擦係数試験機を使用して、静摩擦係数を測定した。図11にDS式織物摩擦係数試験器の構造を示す。測定は、試験機を稼働し、滑り片(A)が乗った滑り台(B)が後方に引っ張られるが、滑り台(B)に対して滑り片(A)が滑り始める瞬間の荷重を(C)測定部の目盛で読んだ値が静摩擦力Fsである。静摩擦係数Fsは下記式により算出する。
静摩擦係数=Fs/(荷重(D)の重量+試料(E)の重量)
測定条件:摩擦布として綿布(金巾3号)を使用する。測定環境20±2℃,65±3%RH、引張速度7.5cm/min、荷重は98.1cNとした。測定試料は、絶乾したあと、測定環境にて48時間調湿したものを用いた。静摩擦係数は、編物のタテ方向を測定した結果である。
(圧力脱水後のケーキ保持性)
50kgの衣類を連続式洗濯機(CR60−8II:三菱重工製)に投入し、本洗温度60℃で洗剤と共にトータル20分洗濯した。その後、圧力脱水機(ASP350:旭機械製作所)に投入し、圧力30Mpaで30秒間脱水した。脱水された衣類は円柱状のケーキ状になっているが、衣類が膨らんでその形状が綺麗に保たれず、衣類がはみ出た長さとはみ出た個数を下記のように点数化、等級格付けした。
点数=ケーキ端はみ出し長さ(点)×個数(個)
・はみ出し長さ
5cm未満 :1点
5cm以上10cm未満:3点
10cm以上 :5点
・等級格付け
1級:16点以上
2級:11〜15点
3級:5〜10点
4級:2〜4点
5級:1点以内
4級以上であれば、搬送中に問題は起こらず、工程通過性がよい。3級では、はみ出した寸法が10cm以内のみであれば何とか通過するため、本発明では3級以上を合格とみなす。1級、2級では、工程通過性が悪く機械が止まってしまうため、不合格である。
(ロールアイロン通過性)
タンブラー乾燥機で ある程度の水分を除去した衣類を型枠に通し、連続アイロナーR−832(ムサシノキカイ)にてシワを拡げながら完全乾燥させる。蒸気圧は0.34Mpa、出口のスピードは毎分13mで通した。10着通過させ、10着すべて通過すれば〇、1着でも通過せずに滞留すれば×とした。
(自動タタミ性)
ロールアイロンにて乾燥プレスされた衣類は、自動たたみフォルダー機により長方形に畳まれる。前開き上着の折り畳み方を図12に示す。問題なく綺麗に畳まれる評価基準は、以下の点数化に依った。5着の平均とした。下記式により評価して、3級以上であれば合格とする。
点数=サイズのずれ(点)×折り畳みライン(点)×シワ(点)
・サイズのずれ
5mm未満 :1点
5mm以上20mm未満:2点
20mm以上 :3点
・折り畳みライン
まっすぐ:1点
蛇行 :2点
・シワ
無し:1点
有り:2点
・等級格付け
1級:12点
2級:9〜11点
3級:5〜8点
4級:2〜4点
5級:1点以内
(着用感)
モニター10人で開発した生地を使用した衣類を着用し、風合い及び着用感について標準生地を使用した衣類と比較した。生地の風合いが、標準生地とほぼ同等の場合は◎、標準試料より少し硬い場合は○、硬い場合は△、非常に硬い場合は×とした、なお、標準試料は比較例1を用いた。着用感は、◎及び○の評価を合格と判断した。
(洗濯後の縮み)
自動化洗濯プラントにて製品を繰り返し5回洗濯実施し、着丈と肩幅の縮みを評価した。結果は、2着の評価の平均とした。下記の評価で3級以上を合格と判断した。尚、自動化洗濯は、連続洗濯機→油圧式脱水機→タンブラー乾燥機→シワを伸ばすロールアイロナー→フォルダを前記の条件で通して洗濯1回とした。
点数=着丈の縮み(点)×肩幅の縮み(点)
・着丈の縮み
0〜3%未満 :1点
3〜5%未満 :2点
5%以上7%未満:3点
7%以上 :4点
・肩幅の縮み
0〜3%未満 :1点
3〜5%未満 :2点
5%以上7%未満:3点
7%以上 :4点
・等級格付け
1級:16点
2級:10〜15点
3級:5〜9点
4級:3〜5点
5級:2点以内
(洗濯耐久性)
自動化洗濯プラントにて100回の繰返し連続洗濯を行い、下記の点数化で評価した。下記の評価で4級以上を合格と判断した。
点数=ピリング(点)×生地痩せ(点)
・ピリング
発生無し :1点
やや発生 :2点
発生 :3点
かなり発生:4点
・生地痩せ
変化無し :1点
やや痩せた :2点
痩せた :3点
かなりやせた:4点
・等級格付け
1級:16点
2級:10〜15点
3級:5〜9点
4級:3〜5点
5級:2点以内
実施例1
酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の84dtex,フィラメント数36、単糸繊度2.33dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなるZ撚方向、撚係数3.6(撚係数=撚数/英式番手1/2)のリング紡績糸30番単糸を用いてストライプ組織(図2)にて製編した。給糸1,2,4,5にはポリエステルフィラメント84dtex、給糸3,6にはスーピマ綿30番単糸を配した。使用した編機は30インチ−28ゲージのシングル編機3FA(福原精機製)を使用した。編地における紡績糸の生地内混率は59%,綿の生地内混率も同様に59%であった。
編地を開反した後、日阪製作所製液流染色機NSタイプを用いて、下記処方1で、浴比1:10、温度95℃・60分間処理した後、酢酸で中和して水洗した。
処方1:苛性ソーダ(日本曹達製)5g/L、
精練剤(日華化学(株)製ピッチランL250)2g/L、
トリポリ燐酸ソーダ(多田薬品株製)2g/L、
過酸化水素安定剤(日華化学(株)製PLC7000)1g/L、
35%過酸化水素 15ml/L
パーソフタルMAX(日華化学株製浴中柔軟剤)1g/L
引き続いて、同じ染色機を用いて分散染料を用いてポリエステルのみ片染した。また、染色後に染色機中で柔軟処理を行った。染色処方及び仕上げ処方を下記処方2,3に示す。
処方2
染色条件:浴比1:15、分散染色130℃×30分⇒ソーピング2回・湯先・中和・水洗した。
染色処方:pH調整剤(酢酸0.2g/l pH=4)、均染剤(明成化学工業(株)製ディスパTL)1g/l、分散型染料(住友カラーケミカル(株)製Sumikaron BLUE E−FBL)1.0%owf
染色条件:浴比1:15、分散染色130℃×30分⇒還元洗浄⇒湯洗・水洗
処方3
柔軟処理:高松油脂(株)製柔軟剤 EX−200 1.0%owf
さらに、遠心脱水後、幅出し乾燥を行って性量調整した。
得られた編地は、目付155g/m、厚みは0.55mm,表面の編地密度がコース数39個/2.54cm、ウエール数37個/2.54cmであった。この編地の詳細及び評価結果を表1に示す。仕上った編地は、F−3法での洗濯寸法変化は−7%以内であり、摩擦抵抗も数値が大きく、生地の剛軟度が低く、湿潤時のシワ回復性も数値が小さく良好であった。
(製品試作内容)
この生地を図13の仕様で前ボタンの上着製品を作った。
(実用洗濯結果)
この製品を200着用意し、連続洗濯プラントに投入した。圧力脱水は(株)アサヒ製作所/ASP−350の設備を使用した。その結果、圧力脱水後のケーキ形状は保たれ、崩れることなく、次の乾燥工程に移すことができた。その後、連続タンブル乾燥機した後、生乾き状態で(株)ムサシノキカイ/R−832を用いてロールアイロン機にて乾燥し、その後自動たたみ機(東都フォルダー工業(株)/P4S)を用いて畳んだ。開発した生地による衣類はロールアイロン機の工程通過性は問題なく、自動たたみ機で綺麗に畳むことができた。更に、モニター着用試験にて綿100%丸編生地(比較例1)を比較とし、着用試験を実施した結果を表1に示す。その結果、開発した編み地からなる衣類は綿100%編地と同等の着用評価が得られた。
実施例2
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の84dtex,フィラメント数72、単糸繊度1.17dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなるZ撚方向、撚係数3.6のリング紡績糸30番単糸を用いて実施例1と同じ編組織にて製編し、同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の110dtex,フィラメント数24、単糸繊度4.58dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなるZ撚方向、撚係数3.6のリング紡績糸30番単糸を用いて実施例1と同じ編組織にて製編し、同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の110dtex,フィラメント数48、単糸繊度2.29dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなるZ撚方向、撚係数3.6のリング紡績糸30番単糸を用いて実施例1と同じ編組織にて製編し、同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例5
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の84dtex,フィラメント数36、単糸繊度2.33dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなる撚係数3.6のリング紡績糸30番単糸Z撚りと同様の30番単糸S撚りの糸を用いた。実施例1と同じストライプ編組織(図2)にて製編した。このとき給糸1,2,4,5にはポリエステルフィラメント84dtex、給糸3にはスーピマ綿Z撚30番単糸、給糸6にはスーピマ綿S撚30番単糸を配した。実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地は、繰り返し5回洗濯後の編地の斜行率は1.2%であり、ほとんど斜行はみられなかった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例6
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の84dtex,フィラメント数36、単糸繊度2.33dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなるリング60番双糸(下撚29.4Twist/2.54cm、上撚20.6Twist/2.54cm、スナール指数5.0)を用いて実施例1と同じストライプ編組織にて製編し、同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。ここで用いた双糸は、トルクが無く、自動化洗濯プラントにて繰り返し5回洗濯後の製品の斜行率は0.8%であり、ほとんど斜行はみられなかった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例7
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の110dtex,フィラメント数48、単糸繊度2.29dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなる撚係数3.6のリング紡績糸30番単糸Z撚の糸を用いてウエルト天竺組織で製編し、実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。編組織を図1に示す。給糸1にはスーピマ綿Z撚30番単糸、給糸2にはフルダルフラットヤーン110dtex/48Fを配置した。得られた編地は、無地柄であり、編組織はウエルト組織が多く、ストライプ柄に比べて湿潤時のシワ回復性が悪く、圧力脱水後のケーキ形状性が良かった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例8
実施例7に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の167dtex,フィラメント数48、単糸繊度3.48dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなる撚係数3.6のリング紡績糸50番単糸Z撚の糸を用いてウエルト天竺組織で製編し、実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。編組織を図1に示す。給糸1にはスーピマ綿Z撚50番単糸、給糸2にはポリエステルフラットヤーン167dtex/48Fを配置した。得られた編地は、無地柄であり、編組織はウエルト組織が多く、実施例7に比べてポリエステル混率が高いため、やや生地の摩擦係数が低く、ロールアイロン対応性は優れていないが、十分対応できるものであった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例9
実施例7に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の56dtex,フィラメント数24、単糸繊度2.33dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿からなる撚係数3.6の精紡交撚糸30番単糸Z撚の糸を全面に用いてウエルト天竺組織で製編し、実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。編組織を図1に示す。得られた編地は、紡績糸風合いが強く無地柄であり、編組織はウエルト組織が多く、圧力脱水後のチーズ形状保形性は良好であった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。綿混率は高いが、紡績糸の中にポリエステルフィラメントが入っているため、寸法安定性は大きく低下しなかった。
実施例10
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の110dtex,フィラメント数48、単糸繊度2.29dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなる撚係数3.6のリング紡績糸40番単糸Z撚りと同様の40番単糸S撚りの糸を用いてカノコ編組織にて製編した。編組織を図5に示す。給糸1にはスーピマ綿Z撚40番単糸、給糸3にはスーピマ綿S撚40番単糸を配した。給糸2.4にはポリエステルフィラメント110dtexを配置した。実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地を自動化洗濯プラントにて5回洗濯後の製品の斜行率は1.0%であり、ほとんど斜行はみられなかった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
実施例11
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の110dtex,フィラメント数48、単糸繊度2.29dtexのポリエステルフィラメントフラットヤーンとスーピマ綿100%からなる撚係数3.6のリング紡績糸50番単糸Z撚りと同様の50番単糸S撚りの糸を用いてストライプ(小)編組織にて製編した。編組織を図6に示す。給糸1にはポリエステルフィラメントを給糸2にはスーピマ綿Z撚50番単糸、給糸3にはスーピマ綿S撚50番単糸を配した。実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地の5回洗濯後の製品の斜行率は1.5%であり、ほとんど斜行はみられなかった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
比較例1
スーピマ綿100%からなるZ撚方向、撚係数3.6のリング紡績糸30番単糸を用いて天竺編組織にて製編した。編組織を図4に示す。ポリエステル染色工程を除いて実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地は、綿100%で着用感は優れているものの、洗濯後の縮みと斜行が強いものであった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の84dtex,フィラメント数36、単糸繊度2.33dtexのポリエステルフィラメント加工糸とスーピマ綿とポリエステルが混紡されたZ撚方向、撚係数3.6のリング紡績糸40番単糸を用いてダブルニット組織で製編した。編組織を図3に示す。実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地を用いた衣類は、自動化プラントの圧力脱水工程でチーズ保形性が悪かった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例1に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の110dtex,フィラメント数48、単糸繊度2.29dtexのポリエステルフィラメント仮撚加工糸とスーピマ綿100%からなるZ撚方向、撚係数3.6のリング紡績糸40番単糸を用いて実施例1と同じ編組織にて製編し、同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地を使用した衣類は、ポリエステルフィラメントが仮撚加工糸であるため、自動化プラントの圧力脱水工程でチーズ保形性が悪かった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
比較例4
比較例3に準じて酸化チタンを0.3重量%練り込まれた、丸断面の167dtex,フィラメント数48、単糸繊度3.48dtexのポリエステルフィラメント仮撚加工糸とカチオン可染ポリエステル167dtex、フィラメント数144、単糸繊度1.16の加工糸を図3に示す編組織にて編成し、実施例1と同様に染色加工仕上げを処方して編地を得た。得られた編地を使用した衣類は、綿が入っていないことと、ポリエステルフィラメントが仮撚加工糸であるため、自動化プラントの圧力脱水工程でチーズ保形性が悪かった。得られた編地の詳細と評価結果を表1に示す。
比較例5
タテ糸にポリエステル30%綿70%混紡糸20/1先染め糸、ヨコ糸にタテ糸と同じ先染糸をタテ糸密度81本/2.54cm、ヨコ糸密度60本/2.54cmのヒラ織物を作った。得られた織物の詳細と評価結果を表1に示す。
本発明によれば、通常の織地布帛からなる自動洗濯対応ウエアに匹敵する工程通過性、洗濯耐久性を持ち、ニットの持つ長所であるストレッチ感、良好な着用感に優れた自動洗濯対応ウエアを提供することができるので、当業界における寄与は大である。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()の構成を有するものである。
(1)短繊維が綿繊維からなる紡績糸とポリエステルフィラメントとを80重量%以上含み、かつ紡績糸とポリエステルフィラメントの使用重量比が10:90〜80:20である丸編シングルニットであり、目付が100〜250g/mであり、かつ厚みが0.4〜0.8mmであること、編地のタテ方向の静摩擦係数が0.75〜1.00であり、タテ方向とヨコ方向の合計の剛軟度が55〜90mmであることを特徴とする自動化洗濯プラント対応編地。
(2)ポリエステルフィラメントの単糸繊度が0.5〜6dtexであることを特徴とする(1)に記載の自動化洗濯プラント対応編地。
(3)(1)または(2)に記載の自動化洗濯プラント対応編地からなる自動化洗濯プラント対応衣料。
本発明の目的のために編地のハリコシは、比較的高いことが好ましく、そのために編地の剛性が高くなるよう設計することが好ましい。編地の剛性は、洗濯乾燥後の自動たたみ機による保形性に影響する。編地の剛性が低いと、自動たたみ機のガイド棒による袖や裾の折り返し時に生地が垂れてしまい上手く畳めず、折り目の合せがズレて、見た目の仕上り性が悪くなる。編地の剛性が高いと、ガイド棒による袖や裾が上手く畳めて見た目の仕上がりが綺麗になる。編地の剛性の評価メジャーとして、カンチレバー法による評価がよい。この場合、タテヨコ合計の剛軟度が55〜90mmであることが好ましい。剛軟度が上記範囲を越えると、編地のハリコシが強くなり過ぎて折りたたみ難くなり、更に着用感が悪くなる。剛軟度が上記範囲未満であると、生地が柔らかすぎて折りたたみ難く、仕上がりが悪くなりやすい。また、タテ方向の剛軟度の範囲は20〜50mm、ヨコ方向の剛軟度の範囲は20〜45mmとすることが好ましい。

Claims (3)

  1. 短繊維が綿繊維からなる紡績糸とポリエステルフィラメントとを80重量%以上含み、かつ紡績糸とポリエステルフィラメントの使用重量比が10:90〜80:20である丸編シングルニットであり、目付が100〜250g/mであり、かつ厚みが0.4〜0.8mmであり、ポリエステルフィラメントがフラットヤーンであることを特徴とする自動化洗濯プラント対応編地。
  2. ポリエステルフィラメントの単糸繊度が0.5〜6dtexであることを特徴とする請求項1に記載の自動化洗濯プラント対応編地。
  3. 請求項1または2に記載の自動化洗濯プラント対応編地からなる自動化洗濯プラント対応衣料。
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