JP2018145408A - エラストマーおよび成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本実施形態のエラストマーが、下記の条件で測定される、((引張強度S2−引張強度S0)/引張強度S0)×100が、±40%以内である。
(条件)
引張強度S0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
【選択図】なし
Description
さらに検討したところ、適切な温度幅や温度域を使用し、所定の特性として引張強度を用いた熱変化物性変数を採用することにより、エラストマーの耐熱・耐久性を安定的に評価できることが判明した。
本発明者は、このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、引張強度に基づく熱変化物性変数を指標として採用し、当該熱変化物性変数を所定範囲内に小さくすることにより、加熱処理または高温環境下によって特性変動が抑制されるため、エラストマーの耐熱・耐久性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
下記の条件で測定される、((引張強度S2−引張強度S0)/引張強度S0)×100が、±40%以内である、エラストマーが提供される。
(条件)
引張強度S0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
下記の条件で測定される、((引張強度S2−引張強度S1)/引張強度S1)×100が、±30%以内である、エラストマーが提供される。
(条件)
引張強度S1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
このような知見に基づきさらに検討を進めた結果、熱変化物性変数が大きすぎると、可塑性エラストマーのように、加熱後に物性が大きく変動することが分かった。また、熱硬化性エラストマーを使用したとしても、ポリウレタンのように加熱により溶融する場合、熱変化物性変数が測定できないことがあることが分かった。そこで、上記のような所定の熱変化物性変数を指標として採用することで、エラストマーの中で適切な熱硬化性エラストマーの材料を選択することができ、さらに当該熱変化物性変数を所定範囲内に小さくすることによって、エラストマーの耐熱・耐久性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、上記の熱変化物性変数として、例えば、((引張強度S2−引張強度S0)/引張強度S0)×100や、((引張強度S2−引張強度S1)/引張強度S1)×100を用いることができる。
引張強度S0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
硬度A0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。
硬度A1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。
硬度A2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。
破断伸びBE0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
破断伸びBE1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
破断伸びBE2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
引裂強度TS0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
引裂強度TS1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
引裂強度TS2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
一方で、上記引張応力M2100の下限値は、0.5MPa以上であり、好ましくは1.0MPa以上であり、より好ましくは1.5MPa以上でもよい。これにより、高温時におけるエラストマーの機械的強度を向上させることができる。
引張応力M0100:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーの100%伸張時における引張応力とする。
引張応力M1100:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーの100%伸張時における引張応力とする。
引張応力M2100:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーの100%伸張時における引張応力とする。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
(Ha(R7)3−aSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(c)において、R7は一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シリカ粒子(C)を含むことができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。
白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
また、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)〜(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
これにより、シリカ粒子(C)のシリコーンゴム系硬化性組成物中における分散性を確実に向上させることができる。
次に、本実施形態のシリコーンゴムの製造方法について説明する。
本実施形態のシリコーンゴムの製造方法としては、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製し、このシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを得ることができる。
以下、詳述する。
以上のような工程を経ることで、本実施形態のシリコーンゴムが得られる。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))
低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1):合成スキーム1により合成した末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR1(末端)のみがビニル基である構造)
高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2):合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR1およびR2がビニル基である構造)
2種のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(モメンティブ社製:「TC−25D」、信越化学工業社製:「C−25B」)
シリカ粒子(C):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m2/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL300」
シランカップリング剤(D−1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelest社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
シランカップリング剤(D−2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelest社製、「1,3−DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
2種の白金または白金化合物(モメンティブ社製:「TC−25A」、信越化学工業社製:「C−25A」)
[合成スキーム1:低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)の合成]
下記式(7)にしたがって、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を得た(Mn=2,2×105、Mw=4,8×105)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.04モル%であった。
上記(A1−1)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)に加えて2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン0.86g(2.5mmol)を用いたこと以外は、(A1−1)の合成工程と同様にすることで、下記式のように、高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)を合成した。(Mn=2,3×105、Mw=5,0×105)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.93モル%であった。
実施例1において、次のようにしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調整した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160〜180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、残り10%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を2回に分けて添加し、20分間混練した。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(TC−25D)3.02重量部および白金または白金化合物(TC−25A)0.5重量部を加えて、ロールで混練し、実施例1のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例2において、シリコーンゴムコンパウンドとして、信越化学工業社製(品番:KE−561−U)を用いた。
続いて、上記のシリコーンゴムコンパウンド100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−25B)2重量部および白金または白金化合物(C−25A)0.5重量部を加えて、ロールで混練し、実施例2のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例3において、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調整した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、実施例1と同様に行った。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(TC−25D)3.77重量部および白金または白金化合物(TC−25A)0.5重量部を加えて、ロールで混練し、実施例3のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例4において、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調整した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、実施例1と同様に行った。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(TC−25D)6.04重量部および白金または白金化合物(TC−25A)0.5重量部を加えて、ロールで混練し、実施例4のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例1〜4において、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、160℃、10MPaで20分間プレスし、厚さ1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化した。続いて、200℃で4時間加熱し、2次硬化した。以上により、シート状シリコーンゴム(シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物)を得た。得られたシート状シリコーンゴム(シート状のエラストマー)に対して、下記の評価を行った。評価結果を表2に示す。引張応力、破断伸び、引張強度、については、3つのサンプルで行い、3つの平均値を測定値とした。また、引裂強度については、5つのサンプルで行い、5つの平均値を測定値とした。さらに、硬度については、2つのサンプルを用いて、各サンプルでn=5で測定を行い10測定の平均値を測定値とした。それぞれに対して、その平均値を表2に示す。
アズワン株式会社で購入した天然ゴムのシート(硬さ60、厚さ1mm、幅500mm×長さ500mm、アズワン商品コード2−9289−02)を使用し、各特性評価に記載した試験片を作製し、下記の評価を行った。評価結果については、シリコーンゴムの作製に記載したサンプル数、評価回数と同様におこなった。
[比較例2]
アズワン株式会社で購入したクロロプレンゴムのシート(硬さ60、厚さ1mm、幅500mm×長さ500mm、アズワン商品コード2−9293−02)を使用し、各特性評価に記載した試験片を作製し、下記の評価を行った。評価結果については、シリコーンゴムの作製に記載したサンプル数、評価回数と同様におこなった。
[比較例3]
株式会社扶桑ゴム産業で購入したポリエステル系ウレタンのシート(硬さ70、厚さ1mm、幅500mm×長さ500mm、ゴム通商品コード10004−0001−2−0)を使用し、各特性評価に記載した試験片を作製し、下記の評価を行った。評価結果については、シリコーンゴムの作製に記載したサンプル数、評価回数と同様におこなった。
[比較例4]
アズワン株式会社で購入したエチレンプロピレンゴムのシート(硬さ65、厚さ1mm、幅500mm×長さ500mm、アズワン商品コード2−9301−02)を使用し、各特性評価に記載した試験片を作製し、下記の評価を行った。評価結果については、シリコーンゴムの作製に記載したサンプル数、評価回数と同様におこなった。
[比較例5]
アズワン株式会社で購入したニトリルゴムのシート(硬さ60、厚さ1mm、幅300mm×長さ300mm、アズワン商品コード2−9305−01)を使用し、各特性評価に記載した試験片を作製し、下記の評価を行った。評価結果については、シリコーンゴムの作製に記載したサンプル数、評価回数と同様におこなった。
得られた厚さ1mmの、各実施例のシート状シリコーンゴム、各比較例のシート状のエラストマーを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の破断伸びを測定した。破断伸びは、[チャック間移動距離(mm)]÷[初期チャック間距離(60mm)]×100で計算した。単位は%である。
(破断伸びの測定条件)
破断伸びBE0:ダンベル状3号形試験片に対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
破断伸びBE1:ダンベル状3号形試験片に対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
破断伸びBE2:ダンベル状3号形試験片に対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
得られた厚さ1mmの、各実施例のシート状シリコーンゴム、各比較例のシート状のエラストマーを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の、室温25℃での、100%伸張時における引張応力M100を測定した。単位はMPaである。
(引張応力の測定条件)
引張応力M0100:ダンベル状3号形試験片に対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片の100%伸張時における引張応力とする。
引張応力M1100:ダンベル状3号形試験片に対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該ダンベル状3号形試験片の100%伸張時における引張応力とする。
引張応力M2100:ダンベル状3号形試験片に対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該ダンベル状3号形試験片の100%伸張時における引張応力とする。
得られた厚さ1mmの、各実施例のシート状シリコーンゴム、各比較例のシート状のエラストマーを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の引張強度を測定した。単位は、MPaである。
(引張強度の測定条件)
引張強度S0:ダンベル状3号形試験片に対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S1:ダンベル状3号形試験片に対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:ダンベル状3号形試験片に対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
得られた厚さ1mmの、各実施例のシート状シリコーンゴム、各比較例のシート状のエラストマーを用いて、JIS K6252(2001)に準拠して、クレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片の引裂強度を測定した。単位は、N/mmである。
(引裂強度の測定条件)
引裂強度TS0:クレセント形試験片に対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、クレセント形試験片のJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
引裂強度TS1:クレセント形試験片に対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、クレセント形試験片のJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
引裂強度TS2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
得られた厚さ1mmの、各実施例のシート状シリコーンゴム、各比較例のシート状のエラストマーを6枚積層し、6mmの試験片を作製した。得られた試験片に対して、JIS K6253(1997)に準拠してタイプAデュロメータ硬さを測定した。
(硬度の測定条件)
硬度A0:試験片に対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、試験片のJISK6253で規定されるデュロメータ硬さとする。
硬度A1:試験片に対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、試験片のJISK6253で規定されるデュロメータ硬さとする。
硬度A2:試験片に対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、試験片のJISK6253で規定されるデュロメータ硬さとする。
実施例1〜4のシリコーンゴムの作製で作製したシート状シリコーンゴムおよび、比較例1〜5で使用した各エラストマーのシートを用いて、121℃で30分、高圧蒸気滅菌をおこなった。続いて、各エラストマーシートを金属針(VAN金属針 1.2×40 RB、翼工業株式会社製)を20回突刺し、ゴム片及びゴム欠(コアリング)の有無を測定し、下記の評価基準に基づいて評価した。
評価基準:
◎:ゴム片及びゴム欠なし
○:ゴム片及びゴム欠が1〜5個
△:ゴム片及びゴム欠が5〜10個
×:ゴム片及びゴム欠が10〜20個
これに対して、各実施例1〜4の熱硬化性エラストマー(シリコーンゴム)は、200℃、24時間の熱処理を実施した後の、室温25℃における、100%伸張時における引張応力M2100の測定過程おいて破断が生じないことや、コアリング試験の評価結果から、比較例1〜5のエラストマーと比べて、耐熱・耐久性に優れることが分かった。
Claims (11)
- 下記の条件で測定される、((引張強度S2−引張強度S0)/引張強度S0)×100が、±40%以内である、エラストマー。
(条件)
引張強度S0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。 - 下記の条件で測定される、((引張強度S2−引張強度S1)/引張強度S1)×100が、±30%以内である、エラストマー。
(条件)
引張強度S1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
引張強度S2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。 - 請求項1または2に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、硬度A0が、20以上80以下である、エラストマー。
(条件)
硬度A0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、硬度A0が、20以上80以下であり、
((硬度A2−硬度A0)/硬度A0)×100が、±20%以内である、エラストマー。
(条件)
硬度A0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。
硬度A2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、((硬度A2−硬度A1)/硬度A1)×100が、±20%以内である、エラストマー。
(条件)
硬度A1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。
硬度A2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJISK6253(1997)で規定されるデュロメータ硬さとする。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、((破断伸びBE2−破断伸びBE0)/破断伸びBE0)×100が、±90%以内である、エラストマー。
(条件)
破断伸びBE0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
破断伸びBE2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、((破断伸びBE2−破断伸びBE1)/破断伸びBE1)×100が、±90%以内である、エラストマー。
(条件)
破断伸びBE1:当該エラストマーに対して、100℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
破断伸びBE2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、引裂強度TS0が、25N/mm以上である、エラストマー。
(条件)
引裂強度TS0:当該エラストマーに対して、さらなる加熱処理を行わずに、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
下記の条件で測定される、引裂強度TS2が、25N/mm以上である、エラストマー。
(条件)
引裂強度TS2:当該エラストマーに対して、200℃、24時間の熱処理を実施した後、室温25℃における、当該エラストマーのJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載のエラストマーであって、
無機充填材を含む、エラストマー。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載のエラストマーを備える、成形体。
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