JP2021138886A - シリコーンゴム系硬化性組成物、構造体 - Google Patents

シリコーンゴム系硬化性組成物、構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】モジュラスが低く、引張強度が高いシリコーンゴムを実現できるシリコーンゴム系硬化性組成物を提供する。【解決手段】本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と親水化剤(H)とを含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、記親水化剤(H)が、親水性基を有する変性シロキサンを含み、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する親水化剤(H)の含有量をP重量部とし、親水化剤のHLB値をQとしたとき、P、Qが、11≦P×Q≦100を満たすように構成されるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンゴム系硬化性組成物、構造体に関する。
これまでシリコーンゴム系硬化性組成物について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、ベースコンパウンドに、親水性付与剤としてポリエーテル変性シリコーンオイルを添加したシリコーンゴム組成物が記載されている(特許文献1の実施例1等)。
特開2002−38011号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のシリコーンゴム組成物において、低モジュラス、高引張強度の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、シリコーンゴム系硬化性組成物中における親水性基を有する変性シロキサンの含有量とHLB(Hydrophilic−Lipophilic Balance)値を調整することによって、得られるシリコーンゴムにおけるモジュラス及び引裂強度を制御できることを見出した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する親水化剤(H)の含有量をP重量部とし、親水化剤(H)のHLB値をQとしたとき、このP×Qを指標とすることによって、ゴム特性を安定的に制御することができ、P×Qを所定値以上とすることで100%モジュラスが低く、P×Qを所定値以下とすることで引張強度が高いシリコーンゴムを形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と親水化剤(H)とを含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記親水化剤(H)が、親水性基を有する変性シロキサンを含み、
前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する前記親水化剤(H)の含有量をP重量部とし、前記親水化剤のHLB値をQとしたとき、
P、Qが、11≦P×Q≦100を満たすように構成される、
シリコーンゴム系硬化性組成物が提供される。
また本発明によれば、
上記のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える、構造体が提供される。
本発明によれば、モジュラスが低く、引張強度が高いシリコーンゴムを実現できるシリコーンゴム系硬化性組成物、それを用いた構造体が提供される。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物を概説する。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、親水性基を有する変性シロキサンを含む親水化剤(H)と、を含む。
シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する親水化剤(H)の含有量をP重量部とし、親水化剤(H)のHLB値をQとしたとき、P、Qが、11≦P×Q≦100を満たすように構成される。
本発明者の知見によれば、親水化剤(H)の含有量(P)、親水化剤(H)のHLB値(Q)の積算値(P×Q)を指標とすることによって、ゴム特性を安定的に制御することができること、そして、P×Qを上記下限値以上とすることで100%モジュラスが低く、P×Qを上記下限値以下とすることで引張強度が高いシリコーンゴムを形成できることが見出された。
詳細なメカニズムは定かではないが、添加量とHLB値との両者を指標に含めることによって、親水性基を有する変性シロキサンが有する親水化剤としての効能を安定的に見積もることができると考えられる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、100%モジュラスが小さく、かつ引張強度が高いシリコーンゴムを実現することが可能である。
本実施形態の構造体は、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物(シリコーンゴム)を備えるものである。
本実施形態の構造体は、各種の用途に用いることができるが、例えば、ゴムチューブ、ガスケット等の医療機器、自動車用途、建築用途の構成部材、これらの摺動部材、または成形時の緩衝材等として好適に用いることができる。
シリコーンゴム系硬化性組成物は、これらの構成部材や摺動部材の一部を構成する部材を成形するために用いることができる。
また、シリコーンゴムの形態は、とくに限定されず、シート状、筒状、あるいは所定の形状を有していてもよい。
以下、シリコーンゴム系硬化性組成物の詳細を説明する。
<<親水化剤(H)>>
シリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、親水化剤(H)を含む。親水化剤(H)は、親水性基を有する変性シロキサンを含む。
このシリコーンゴム系硬化性組成は、P、Qが、8.0≦P×Q≦100を満たすように構成される。
Pは、シリコーンゴム系硬化性組成物中に、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の含有量を100重量部としたときの、親水化剤(H)の含有量を表す。
Qは、親水化剤(H)のHLB値を表す。
HLB値は、親水化剤の親水性と疎水性のバランスを表す数値で、0から20までの値を用いて、0に近いほど疎水性が高く、20に近いほど親水性が高い性状を示す。
HLB値は、グリフィン法によって算出された値を用いることができるが、カタログに記載された値を用いてもよい。
グリフィン法では、式「20×親水部式量の総和/分子量」に基づいてHLB値を算出する。
例えば、親水性基を有する変性シロキサンが両末端にSi(Me)(CHOH)を有する場合、親水部式量が178、分子量が6500であると、この親水性基を有する変性シロキサンにおけるHLB値が0.55となる。
グリフィン法において、親水部式には、親水性基を有する変性シロキサン中、親水性基が結合するSi元素、及びそのSi元素に結合した官能基まで含めてもよく、Si元素に結合するO原子以降のシロキサン構造を含めなくてもよい。また、グリフィン法により算出したHLB値とカタログに記載のHLB値が異なる場合、大きい値の方を採用してよい。
親水性基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ポリエーテル基等が挙げられる。
結合とは、直接結合でもよく炭化水素基などの結合基を介した結合でもよい。
親水化剤(H)は、親水性基を有する変性シロキサンを一種または2種以上を含む。
2種以上含む親水化剤(H)のHLB値は、各々の親水性基を有する変性シロキサンにおけるHLB値にそれぞれの含有比率を積算した値を和算して算出できる。
例えば、第一の親水性基を有する変性シロキサンのHLB値をQ1、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する第一の親水性基を有する変性シロキサンの含有量をP1重量部、第二の親水性基を有する変性シロキサンのHLB値をQ2、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する第二の親水性基を有する変性シロキサンの含有量をP2重量部とした場合、これらを含む親水化剤(H)のHLB値は、式:[(P1/P1+P2)×Q1]+[(P2/P1+P2)×Q2]から算出できる。
P×Qの下限は、11.0以上、好ましくは15.0以上、より好ましくは25.0以上である。これにより、100%モジュラスが比較的に小さいシリコーンゴムを実現できる。
一方、P×Qの上限は、100以下、好ましくは90以下、より好ましくは80以下である。これにより、引張強度が比較的に大きなシリコーンゴムを実現できる。また引裂強度を高くすることもできる。
本実施形態では、たとえば親水性基を有する変性シロキサンの種類や添加量を適切に制御すること等が、上記P×Qを所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
親水性基を有する変性シロキサンは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ポリエーテル基等の親水性基を一または二以上分子内に有するシロキサン化合物を含んでもよい。
親水性基を有する変性シロキサンは、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、アルキル基などの他の官能基を側鎖に有してもよい。
これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
親水性基を有する変性シロキサンの一例として、例えば、分子内にポリエーテル基を少なくとも一以上有するシロキサン化合物、より好ましくは、ポリエーテル基を側鎖に有するシロキサン化合物が挙げられる。具体的には、KF6011、KF6012、KF6015、KF6016等のポリエーテル基を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイルを使用してもよい。
親水性基を有する変性シロキサンの一例として、例えば、少なくとも一方の末端にOH基を有するシロキサン化合物、より好ましくは、両端にOH基を有するシロキサン化合物が挙げられる。具体的には、KF6000、KF6001、KF6002、KF6003等のカルビノール変性シリコーンオイルを使用してもよい。
親水性基を有する変性シロキサンの、25℃における粘度は、例えば、10〜4000mm/s、好ましくは30〜1600mm/sである。粘度は、動的粘度計を用いて測定する。
本明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
親水性基を有する変性シロキサンの、25℃における比重は、例えば、0.90〜1.10、好ましくは0.95〜1.05である。
親水性基を有する変性シロキサンの、25℃における屈折率は、例えば、1.400〜1.470、好ましくは1.405〜1.450である。

親水性基を有する変性シロキサンは、ポリエーテル骨格を有するシロキサン化合物を含んでもよい。
親水性基を有する変性シロキサンは、少なくとも一方の末端にOH基を有するシロキサン化合物を含んでもよい。これらの化合物を単独で用いてもよく、化合物、骨格、官能基の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成の硬化物(シリコーンゴム)は、次のような特性を有する。
(100%モジュラスの測定手順)
シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、引張速度:500mm/分で、得られたダンベル状3号形試験片の、100%伸張時における引張応力M100を測定する。単位はMPaである。
上記引張応力M100の上限は、例えば、3.8MPa以下であり、好ましくは3.5MPa以下であり、より好ましくは3.2MPa以下であり、さらに好ましくは3.0MPa以下である。これにより、シリコーンゴムにおける変形容易性を向上させることができる。
一方、上記引張応力M100の下限は、特に限定されないが、0.1MPa以上でもよく、好ましくは0.3MPa以上でもよい。これにより、シリコーンゴムの機械的強度を向上させることができる。
(引張強度の測定手順)
シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、25℃における、ダンベル状3号形試験片の引張強度を測定する。単位はMPaである。
上記引張強度の下限は、例えば、4.5MPa以上であり、好ましくは5.0MPa以上であり、より好ましくは5.5MPa以上である。これにより、シリコーンゴムの機械的強度を向上させることができる。また、破断エネルギーを大きくすることができる。このため、繰り返しの変形に耐えられる耐久性に優れたシリコーンゴムを実現することができる。
一方、上記引張強度の上限は、特に限定されないが、例えば、15MPa以下としてもよく、13MPa以下としてもよい。これにより、シリコーンゴムの操作性を良好なものとすることができる。
(引裂強度の測定手順)
シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いて、JIS K6252(2001)に準拠して、クレセント形試験片を作製し、25℃における、得られたクレセント形試験片の引裂強度を測定する。単位はN/mmである。
上記引裂強度の下限は、例えば、23N/mm以上、好ましくは27N/mm以上、より好ましくは30N/mm以上、さらに好ましくは33N/mm以上、一層好ましくは35N/mm以上である。これにより、シリコーンゴムの繰り返し使用時における耐久性を向上できる。また、シリコーンゴムの耐傷付き性や機械的強度を向上できる。
一方、上記引裂強度の上限は、特に限定されないが、例えば、80N/mm以下としてもよく、70N/mm以下としてもよい。これにより、シリコーンゴムの諸特性のバランスをとることができる。
(破断伸びの測定手順)
シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、25℃における、得られたダンベル状3号形試験片の破断伸びを測定する。破断伸びは、[標線間移動距離(mm)]÷[初期標線間距離(20mm)]×100で計算する。単位は%である。
上記破断伸びの下限は、例えば、150%以上であり、好ましくは200%以上であり、より好ましくは250%以上である。これにより、シリコーンゴムの高伸縮性および耐久性を向上させることができる。
一方、上記破断伸びの上限は、特に限定されないが、例えば、1000%以下としてもよく、800%以下としてもよい。これにより、シリコーンゴムの諸特性のバランスをとることができる。
(デュロメータ硬さAの測定手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いて、シート状試験片を作製し、JIS K6253(1997)に準拠して、25℃における、得られたシート状試験片のデュロメータ硬さAを測定する。
上記デュロメータ硬さAの上限は、特に限定されないが、例えば、90以下でもよく、好ましくは85以下でもよく、より好ましくは80以下でもよい。これにより、シリコーンゴムの硬化物性のバランスを図ることができる。
一方、上記デュロメータ硬さAの下限は、特に限定されないが、例えば、30以上、好ましくは35以上、より好ましくは40以上である。これにより、シリコーンゴムの機械的強度を高められる。また摺動性を高められる。
本実施形態では、たとえばシリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、シリコーンゴム系硬化性組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記引張強度、100%モジュラス、引裂強度、破断伸び、硬度を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、親水化剤の種類や添加量、P×Q値、シリコーンゴムを構成する樹脂の種類や配合比率、樹脂の架橋密度や架橋構造等を適切に制御したり、無機充填材の配合比率や無機充填材の分散性を向上させること等が、上記引張強度、100%モジュラス、引裂強度、破断伸び、硬度を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
<<ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含む。ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。
本明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
なお、本明細書中において、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000〜10000程度、より好ましくは2000〜5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9〜1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 2021138886
式(1)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0〜2000の整数、nは1000〜10000の整数である。mは、好ましくは0〜1000であり、nは、好ましくは2000〜5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば下記式(1−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2021138886
式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.4モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を含んでもよい。第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)のビニル基量は、0.1モル%以下でもよい。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)とビニル基含有量が0.5〜15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを含有してもよい。
シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂強度を高めることができる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、例えば、上記式(1−1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、分子内に2個以上有し、かつ0.4モル%以下を含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5〜15モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)は、ビニル基含有量が0.01〜0.2モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)は、ビニル基含有量が、0.8〜12モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを組み合わせて配合する場合、(A1−1)と(A1−2)の比率は特に限定されないが、例えば、重量比で(A1−1):(A1−2)が50:50〜95:5であるのが好ましく、80:20〜90:10であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)および(A1−2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐構造を有するビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(A2)を含んでもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2021138886
式(2)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2〜150整数、nは2〜150の整数である。好ましくは、mは2〜100の整数、nは2〜100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9〜0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3−aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1〜3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8〜2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8〜1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2021138886
式(3)中、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5〜5モルとなる量が好ましく、1〜3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
<<シリカ粒子(C)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シリカ粒子(C)を含むことができる。
シリカ粒子(C)としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子(C)は、例えば、BET法による比表面積が例えば50〜400m/gであるのが好ましく、100〜400m/gであるのがより好ましい。また、その平均一次粒径が例えば1〜100nmであるのが好ましく、5〜20nm程度であるのがより好ましい。
シリカ粒子(C)として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成されるシリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上をさせることができる。
<<シランカップリング剤(D)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
また、このシランカップリング剤(D)は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にこの疎水性基が付与されるため、シリコーンゴム系硬化性組成物中ひいてはシリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)の凝集力が低下(シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、シリコーンゴム系硬化性組成物中のシリカ粒子の分散性が向上すると推測される。これにより、シリカ粒子とゴムマトリックスとの界面が増加し、シリカ粒子の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内でのシリカ粒子の滑り性が向上すると推測される。そして、シリカ粒子(C)の分散性の向上及び滑り性の向上によって、シリカ粒子(C)によるシリコーンゴムの機械的強度(例えば、引張強度や引裂強度など)が向上する。
さらに、シランカップリング剤(D)は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にビニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(C)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(C)も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
シランカップリング剤(D)としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表わされるものが挙げられる。
−Si−(X)4−n・・・(4)
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤(D)に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、シリカ粒子(C)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y−Si−)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤(D)の具体例は、例えば、官能基として疎水性基を有するものとして、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられ、官能基としてビニル基を有するものとして、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられるが、中でも、上記記載を考慮すると、特に、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンであるのが好ましい。
<<白金または白金化合物(E)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。
白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
白金または白金化合物(E)としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、白金または白金化合物(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<<水(F)>>
また、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)〜(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
水(F)は、シリコーンゴム系硬化性組成物に含まれる各成分を分散させる分散媒として機能するとともに、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)との反応に寄与する成分である。そのため、シリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)とを、より確実に互いに連結したものとすることができ、全体として均一な特性を発揮することができる。
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(F)成分の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される公知の添加成分を含有していてもよい。例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
なお、シリコーンゴム系硬化性組成物において、各成分の含有割合は特に限定されないが、例えば、以下のように設定される。
本実施形態において、シリカ粒子(C)の含有量の上限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対し、例えば、60重量部以下でもよく、好ましくは50重量部以下でもよく、さらに好ましくは35重量部以下でもよい。これにより、引裂強度、引張永久ひずみのバランスを図ることができる。また、シリカ粒子(C)の含有量の下限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対し、特に限定されないが、例えば、10重量部以上でもよく、20重量部以上でもよい。
シランカップリング剤(D)は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、例えば、シランカップリング剤(D)が5重量部以上100重量部以下の割合で含有するのが好ましく、5重量部以上40重量部以下の割合で含有するのがより好ましい。
これにより、シリカ粒子(C)のシリコーンゴム系硬化性組成物中における分散性を確実に向上させることができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の含有量は、具体的にビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)及びシリカ粒子(C)及びシランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、例えば、0.5重量部以上20重量部以下の割合で含有することが好ましく、0.8重量部以上15重量部以下の割合で含有するのがより好ましい。(B)の含有量が前記範囲内であることで、より効果的な硬化反応ができる可能性がある。
白金または白金化合物(E)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量に対して、本成分中の白金族金属が重量単位で0.01〜1000ppmとなる量であり、好ましくは、0.1〜500ppmとなる量である。白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、得られるシリコーンゴム組成物を十分硬化させることができる。白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、得られるシリコーンゴム組成物の硬化速度を向上させることができる。
さらに、水(F)を含有する場合、その含有量は、適宜設定することができるが、具体的には、シランカップリング剤(D)100重量部に対して、例えば、10〜100重量部の範囲であるのが好ましく、30〜70重量部の範囲であるのがより好ましい。これにより、シランカップリング剤(D)とシリカ粒子(C)との反応をより確実に進行させることができる。
<シリコーンゴムの製造方法>
次に、本実施形態のシリコーンゴムの製造方法について説明する。
本実施形態のシリコーンゴムの製造方法としては、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製し、このシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを得ることができる。
以下、詳述する。
まず、シリコーンゴム系硬化性組成物の各成分を、任意の混練装置により、均一に混合してシリコーンゴム系硬化性組成物を調製する。
[1]たとえば、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、シリカ粒子(C)と、シランカップリング剤(D)とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置により、混練することで、これら各成分(A)、(C)、(D)を含有する混練物を得る。
なお、この混練物は、予めビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とシランカップリング剤(D)とを混練し、その後、シリカ粒子(C)を混練(混合)して得るのが好ましい。これにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)中におけるシリカ粒子(C)の分散性がより向上する。
また、この混練物を得る際には、水(F)を必要に応じて、各成分(A)、(C)、および(D)の混練物に添加するようにしてもよい。これにより、シランカップリング剤(D)とシリカ粒子(C)との反応をより確実に進行させることができる。
さらに、各成分(A)、(C)、(D)の混練は、第1温度で加熱する第1ステップと、第2温度で加熱する第2ステップとを経るようにするのが好ましい。これにより、第1ステップにおいて、シリカ粒子(C)の表面をカップリング剤(D)で表面処理することができるとともに、第2ステップにおいて、シリカ粒子(C)とカップリング剤(D)との反応で生成した副生成物を混練物中から確実に除去することができる。その後、必要に応じて、得られた混練物に対して、成分(A)を添加し、更に混練してもよい。これにより、混練物の成分のなじみを向上させることができる。
第1温度は、例えば、40〜120℃程度であるのが好ましく、例えば、60〜90℃程度であるのがより好ましい。第2温度は、例えば、130〜210℃程度であるのが好ましく、例えば、160〜180℃程度であるのがより好ましい。
また、第1ステップにおける雰囲気は、窒素雰囲気下のような不活性雰囲気下であるのが好ましく、第2ステップにおける雰囲気は、減圧雰囲気下であるのが好ましい。
さらに、第1ステップの時間は、例えば、0.3〜1.5時間程度であるのが好ましく、0.5〜1.2時間程度であるのがより好ましい。第2ステップの時間は、例えば、0.7〜3.0時間程度であるのが好ましく、1.0〜2.0時間程度であるのがより好ましい。
第1ステップおよび第2ステップを、上記のような条件とすることで、前記効果をより顕著に得ることができる。
[2]次に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、白金または白金化合物(E)とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置を用いて、上記工程[1]で調製した混練物に、各成分(B)、(E)を混練することで、シリコーンゴム系硬化性組成物を得る。得られたシリコーンゴム系硬化性組成物は溶剤を含むペーストであってもよい。
上記[2]の工程で、親水化剤(H)を混練物に添加してもよい。
なお、この各成分(B)、(E)の混練の際には、予め上記工程[1]で調製した混練物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを、上記工程[1]で調製した混練物と白金または白金化合物(E)とを混練し、その後、それぞれの混練物を混練するのが好ましい。これにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応を進行させることなく、各成分(A)〜(E)をシリコーンゴム系硬化性組成物中に確実に分散させることができる。
各成分(B)、(E)を混練する際の温度は、ロール設定温度として、例えば、10〜70℃程度であるのが好ましく、25〜30℃程度であるのがより好ましい。
さらに、混練する時間は、例えば、5分〜1時間程度であるのが好ましく、10〜40分程度であるのがより好ましい。
上記工程[1]および上記工程[2]において、温度を上記範囲内とすることにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。また、上記工程[1]および上記工程[2]において、混練時間を上記範囲内とすることにより、各成分(A)〜(E)をシリコーンゴム系硬化性組成物中により確実に分散させることができる。
なお、各工程[1]、[2]において使用される混練装置としては、特に限定されないが、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等を用いることができる。
また、本工程[2]において、混練物中に1−エチニルシクロヘキサノールのような反応抑制剤を添加するようにしてもよい。これにより、混練物の温度が比較的高い温度に設定されたとしても、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。
[3]次に、シリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを形成する。
本実施形態において、シリコーンゴム系硬化性樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100〜250℃で1〜30分間加熱(1次硬化)した後、200℃で1〜4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
以上のような工程を経ることで、本実施形態のシリコーンゴムが得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
原料成分を以下に示す。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))
・低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1):合成スキーム1により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR(末端)のみがビニル基である構造)
・高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2):合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でRおよびRがビニル基である構造)
(オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B))
・オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B):モメンティブ社製、「TC−25D」
(シリカ粒子(C))
・シリカ粒子(C):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL300」
(シランカップリング剤(D))
・シランカップリング剤(D−1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelst社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
・シランカップリング剤(D−2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelst社製、「1,3−DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
(白金または白金化合物(E))
・白金または白金化合物(E):白金化合物、モメンティブ社製、「TC−25A」
(親水化剤(H))
・親水化剤(H−1):親水性基としてポリエーテル基を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイルとしてKF−6016(信越化学工業社製、HLB値:4.5)を使用した。
・親水化剤(H−2):親水性基(ROH)としてCHOHを両末端に有する、下記の一般式で表される構造のカルビノール変性シリコーンオイル(親水化剤(H−2))を使用した。
親水化剤(H−2)は、親水部がSi(Me)(CHOH)、親水部式量が178、分子量が6500で、グリフィン法を用いて式「20×親水部式量の総和/分子量」から計算したところ、HLB値が0.55であった。
Figure 2021138886
・親水化剤(H−3):親水性基としてポリエーテル基を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイルとしてKF−6012(信越化学工業社製、HLB値:12.0)を使用した。
・親水化剤(H−4):親水性基としてポリエーテル基を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイルとしてKF−6015(信越化学工業社製、HLB値:5.0)を使用した。
・親水化剤(H−5):親水性基としてポリエーテル基を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイルとしてKF−6011(信越化学工業社製、HLB値:14.5)を使用した。
親水性基としてポリエーテル基を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイルとしてKF−6017(信越化学工業社製、HLB値:5.0)を使用した。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合成)
[合成スキーム1:低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)の合成]
下記式(5)にしたがって、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を得た(Mn=2,2×10、Mw=4,8×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.04モル%であった。
Figure 2021138886
[合成スキーム2:高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)の合成]
上記(A1−1)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)に加えて2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン0.86g(2.5mmol)を用いたこと以外は、(A1−1)の合成工程と同様にすることで、下記式(6)のように、高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)を合成した。(Mn=2,3×10、Mw=5,0×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.93モル%であった。
Figure 2021138886
(シリコーンゴム系硬化性組成物の調製)
次のようにしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調整した。
まず、表1に示す割合で、95%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)およびシランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160〜180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、残り5%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を2回に分けて添加し、20分間混練した。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を4.5重量部、白金または白金化合物(E)を0.5重量部、及び表2に示す親水化剤(H)を表2に示す添加量を加えて、ロールで混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
Figure 2021138886
Figure 2021138886
(シート状シリコーンゴムの作製)
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで10分間プレスし、厚さ1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化した。続いて、200℃で4時間加熱し、2次硬化して、シート状シリコーンゴム(シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物)を得た。
得られたシート状シリコーンゴムについて、下記の評価項目に基づいて評価を行った。
(硬度:デュロメータ硬さA)
得られた厚さ約1mmのシート状シリコーンゴムを6枚積層し、6mmの試験片を作製した。得られた試験片に対して、JIS K6253(1997)に準拠してタイプAデュロメータ硬さを測定した。2つのサンプルを用いて、各サンプルでn=5で測定を行い、10点の平均値を測定値とした。
(引裂強度)
得られた厚さ約1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6252(2001)に準拠して、クレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片の25℃における引裂強度を測定した。単位は、N/mmである。5つのサンプルで行い、5つの平均値を測定値とした。
(引張強度)
得られた厚さ約1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られた試験片の25℃における引張強度を測定した。単位は、MPaである。3つのサンプルで行い、3つの平均値を測定値とし、その標準偏差も算出した。
(破断伸び)
得られた厚さ約1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の、25℃での、破断伸びを測定した。
破断伸びは、[標線間距離(mm)]÷[標線間距離(20mm)]×100、という式に基づいて計算した。単位は%である。3つのサンプルで行い、3つの平均値を測定値とし、その標準偏差も算出した。
(引張応力:100%モジュラス)
得られた厚さ約1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の、25℃での、100%伸張時における引張応力M100を測定した。単位はMPaである。3つのサンプルで行い、3つの平均値を測定値とした。
実施例1〜7のシリコーンゴムは、比較例1〜3と比べて、100%モジュラスが低く、比較例4、5と比べて、引張強度が高い結果を示した。
このような実施例1〜7のシリコーンゴム(シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物)は、摺動部材に好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と親水化剤(H)とを含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    前記親水化剤(H)が、親水性基を有する変性シロキサンを含み、
    前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対する前記親水化剤(H)の含有量をP重量部とし、前記親水化剤のHLB値をQとしたとき、
    P、Qが、11≦P×Q≦100を満たすように構成される、
    シリコーンゴム系硬化性組成物。
  2. 請求項1に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    JIS K6252(2001)に準拠して規定される、25℃における当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の引張強度が、4.5MPa以上15MPa以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    JIS K6251(2004)に準拠して測定される、25℃、当該シリコーンゴム層の100%伸張時における当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の引張応力M100が、3.8MPa以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    JIS K6253(1997)に準拠して規定される、25℃における当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物のデュロメータ硬さAが、30以上90以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    JIS K6251(2004)に準拠して規定される、25℃における当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の引裂強度が、23N/mm以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    JIS K6251(2004)に準拠して規定される、25℃における当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の破断伸びが、150%以上1000%以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    前記親水性基を有する変性シロキサンが、分子内にポリエーテル基を有するシロキサン化合物を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    前記親水性基を有する変性シロキサンが、少なくとも一方の末端にOH基を有するシロキサン化合物を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    シリカ粒子(C)を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  10. 請求項9に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    前記シリカ粒子(C)の含有量が、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対して、10重量部以上60重量部以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が、ビニル基量が0.4モル%以下の第1ビニル基含有オルガノポリシロキサンを含む、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    摺動部材の一部を構成する部材を成形するために用いる、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える、構造体。
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