JP2018145091A - Iii族窒化物結晶製造方法及びramo4基板 - Google Patents

Iii族窒化物結晶製造方法及びramo4基板 Download PDF

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Abstract

【課題】III族窒化物の製造においてRAMO4基板を容易に再利用すること。【解決手段】一般式RAMO4で表される単結晶体(一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素からなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlからなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Mは、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Cu、Zn、およびCdからなる群から選択される一つまたは複数の二価の元素を表す)からなり、側部に切り欠きを有するRAMO4基板を準備する工程と、前記RAMO4基板上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と、前記切り欠きを起点に前記RAMO4基板を劈開させる工程と、を有する、III族窒化物結晶製造方法。【選択図】図1

Description

本発明はIII族窒化物結晶製造方法及びRAMO基板に関するものである。
一般式RAMOで表される基板(一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素からなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlからなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Mは、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Cu、Zn、およびCdからなる群から選択される一つまたは複数の二価の元素を表す)の一例としてScAlMgO基板が知られている。ScAlMgO基板は、GaN等の窒化物半導体の成長基板として用いられている(例えば、特許文献1参照。)。図11は、特許文献1に記載された従来のScAlMgO基板製造方法の工程を示す図である。S201工程の単結晶形成において、ScAlMgOのバルク材料が形成される。S202工程の成長基板作製においてバルク材料を劈開することにより基板が形成される。S203のGaN層形成において、前記基板上にGaN層が形成される。S204工程の成長基板除去において、成長基板であるScAlMgO基板が、緩衝弗酸等を用いてエッチングによって除去されたり、ScAlMgO基板の一部を劈開後、さらにエッチングや研磨により成長基板が除去されたりする。これらの工程を行うことで、最終的に、GaN基板が形成される。
特開2015−178448号公報
上述のように、特許文献1では、GaN基板を製造する際、S204工程においてRAMO基板をエッチングや研磨によって除去している。また、RAMO基板の一部を、劈開によって除去した場合には、除去したRAMO基板を一度溶解させてから再度単結晶体とすることで、再利用している。しかしながら、近年、GaN基板作製のコストや製造効率等を勘案し、除去したRAMO基板を容易に再利用することが求められている。つまり、本開示は、III族窒化物を製造する際に、成長基板であるRAMO基板の使用効率を向上させる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、一般式RAMOで表される単結晶体(一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素からなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlからなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Mは、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Cu、Zn、およびCdからなる群から選択される一つまたは複数の二価の元素を表す)からなり、側部に切り欠きを有するRAMO基板を準備する工程と、前記RAMO基板上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と、前記切り欠きを起点に前記RAMO基板を劈開させる工程と、を有する、III族窒化物結晶製造方法を提供する。
また、本開示は、一般式RAMOで表される単結晶体(一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素からなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlからなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Mは、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Cu、Zn、およびCdからなる群から選択される一つまたは複数の二価の元素を表す)からなるRAMO基板において、側部に切り欠きを有する、RAMO基板を提供する。
本開示によれば、RAMO基板を容易に再利用し、III族窒化物を製造する方法およびRAMO基板を提供できる。
本開示の実施の形態1におけるIII族窒化物基板の製造工程の図 図2Aは、本開示の実施の形態1におけるScAlMgOインゴットの外形加工後の形状を表す斜視図、図2B、図2Cは本開示の実施の形態1におけるScAlMgOインゴットの切り欠きの形状を表す側面図、図2Dは本開示の実施の形態1におけるScAlMgOインゴットの上面図 図3A、図3Bは本開示の実施の形態1における劈開に用いる刃の形状を示す 従来の劈開のみで形成したエピタキシャル成長面の平面度測定結果の図 図5Aは本開示の実施の形態1における劈開後の切り欠き付きScAlMgO基板の平面図および側面図、図5Bは実施の形態1におけるScAlMgO基板上にGaN層を形成した側面図、図5Cは実施の形態1におけるScAlMgO基板を除去したときの側面図、図5Dは実施の形態1において形成したGaN基板の側面図 本開示の実施の形態1における粗凹凸形成工程後の平面度測定結果の図 本開示の実施の形態1における微少凹凸形成工程後の平面度測定結果の図 本開示の実施の形態1における微少凹凸形成工程後のAFM測定結果の図 本開示の実施の形態2におけるIII族窒化物基板の製造工程の図 図10Aは実施の形態2におけるScAlMgO基板上にGaN層を形成した側面図、図10Bは実施の形態2おけるデバイスを形成した基板の側面図 従来のScAlMgO基板の製造工程の図
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図10を参照しながら説明する。実施の形態において、III族窒化物をGaNとし、RAMO基板をScAlMgOとして説明を行なう。
(実施の形態1)
図5に本開示の実施の形態1に係る、III族窒化物を製造する方法の各工程を示す。本方法は、ScAlMgO単結晶からなり、側部に切り欠き2bを有するScAlMgO基板10を準備する工程(図5A)と、ScAlMgO基板10上にIII族窒化物結晶4を成長させる工程(図5B)と、切り欠き2bを起点にScAlMgO基板10を劈開させる工程(図5C)と、を有する、III族窒化物結晶製造方法である。
図5Aの上図は、ScAlMgO基板10の主面を平面視した図であり、下図は、ScAlMgO基板10の厚み方向の側面図であり、特に、ScAlMgO基板10の側部の一部を拡大した図である。ScAlMgO基板10の主面は、ScAlMgO単結晶の劈開面であり、切り欠き2bは、ScAlMgO基板10の側部に、劈開面と略平行に配されている。図5Bの工程で、ScAlMgO基板10を種基板としてその主面上にIII族窒化物結晶を成長させる。その後、ScAlMgO基板10は、切り欠き2bを起点に、III族窒化物結晶の形成された側10bと、III族窒化物結晶の形成されていない側10aとに容易に分離される。このため、容易に、III族窒化物結晶の形成されていない側10aを再利用することが可能である。例えば、III族窒化物結晶の形成されていない側10aを再利用して、その主面上にIII族窒化物結晶を成長させても良い。
次に、ScAlMgO基板10を製造する方法を含めたIII族窒化物結晶製造方法の詳細について説明する。説明に際し、III族窒化物としてGaN(窒化ガリウム)を例示する。
本方法の詳細は、図1に示すように、単結晶ScAlMgOを生成するScAlMgOインゴット準備工程と、単結晶ScAlMgOインゴットの外形を加工し、側部に複数の切り欠き2a、2bを有する円筒状のScAlMgOインゴット1を準備するScAlMgOインゴット外形加工工程と、インゴット1を基板状に加工し、側部に切り欠き2bを有するScAlMgO基板10を準備するScAlMgO基板準備工程と、ScAlMgO基板10のエピタキシャル成長面に対応する面(主面)の凹凸を除去する凹凸除去工程と、ScAlMgO基板10の主面上にGaN層4を成長させるGaN結晶成長工程と、切り欠き2bを起点にScAlMgO基板を除去するScAlMgO除去工程と、GaN基板4aの主面をエピレディ面化加工するGaN基板加工工程と、を含む。以下、各工程の詳細を説明する。
ScAlMgOインゴット準備工程では、例えば、高周波誘導加熱型チョクラルスキー炉を用いて製造された単結晶ScAlMgOインゴットを準備する。インゴットの製造方法の一例として、直径50mmのインゴットを生成する方法を説明する。まず出発原料として純度が4N(99.99%)であるSc、AlおよびMgOを、所定のモル比で配合する。そして、直径100mmのイリジウム製の坩堝に、当該出発原料3400gを投入する。次に、原料を投入した坩堝を、高周波誘導加熱型チョクラルスキー炉(育成炉)に投入し、この炉内を真空にする。その後、炉内に窒素を導入し、炉内が大気圧となった時点で坩堝の加熱を開始する。そして、ScAlMgOの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱して材料を溶融させる。次に、(0001)方位に切り出したScAlMgO単結晶を種結晶として用い、この種結晶を坩堝内の融液近くまで降下させる。そして種結晶を一定の回転速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、引き上げ速度0.5mm/hの速度で種結晶を上昇させて(0001軸方向に引き上げ)、結晶成長させる。これにより、直径50mm、直胴部の長さ50mmの単結晶インゴットが得られる。
ScAlMgOインゴット外形加工工程では、引き上げられたインゴットを、円柱状に加工し、さらに円柱の側部に切り欠き加工を行う。まず、インゴットの両端部(トップとテール)をバンドソー、内周刃や外周刃によるスライサー、シングルワイヤソーなどを用いて切断する。引き上げられたScAlMgOインゴットは整った円形にはなっていないのでダイヤモンドホイールなどによる外周研削加工や研摩布による研摩を行い、円柱化する。円柱化されたScAlMgOインゴット1の斜視図を図2Aに示す。
ここで、ScAlMgO単結晶について説明する。ScAlMgO単結晶は、岩塩型構造(111)面的なScO層と、六方晶(0001)面的なAlMgO層とが交互に積層した構造となっている。六方晶(0001)面的な2層は、ウルツ鉱型構造と比較して平面的になっており、面内の結合と比較して、上下層間の結合は、0.03nmほど長く、結合の力が弱い。このため、ScAlMgO単結晶は、(0001)面で劈開することができる。この特性を利用し、ScAlMgO基板準備工程で、円柱化されたScAlMgOインゴット1を決められた厚みに基板化する。この場合、劈開させるための起点が必要であるため、ScAlMgOインゴット外形加工工程でインゴットの側部に切り欠き2a、2bを形成する。起点の形成方法について図2B、2Cを用いて説明する。
図2B、図2Cに示すように、ScAlMgO基板準備工程で、最終的なScAlMgO基板の厚みをt1とする場合には、t1間隔で起点となる切り欠き2aを形成する。さらに、切り欠き2b付き基板を形成するために、t1の起点から同方向にt2離れた位置に切り欠きを設ける。切り欠き2aは、インゴットから基板化する際の劈開の起点であり、切り欠き2bは、ScAlMgO基板を再利用する際の劈開の起点である。例えばt1=500μm、t2=100μmとして形成する。
次に切り欠きの形成方法について説明する。図2Bはダイシングやレーザー加工により形成した切り欠き形状である。ダイシング加工する場合は、例えば直径100mm、砥石粒径30μm、粒度#600のブレードを1800min−1で回転させて加工を行う。レーザー加工の場合は、パルス幅がナノ秒のYAGレーザーであれば、例えば波長400nm以下、パルス幅100nsec以下のレーザーを用いることができる。また、パルス幅が1nsec以下の超短パルスレーザーであれば、赤外線や可視光のレーザーを用いることができる。ダイシングやレーザー加工により形成された切り欠きは、図2Bに示すように、マクロ的にみて、切り欠きの先端部が鋭利な形状となる。一方、図2Cはワイヤソーで加工した場合の切り欠き形状である。ワイヤソーにより、切り欠きを1箇所ずつ形成する場合はシングルワイヤソーを用い、同時に複数個所加工する場合はマルチワイヤソーを用いる。使用するワイヤの線径が細い程、幅の狭い切り欠き形状が形成できる。ワイヤソーには、例えばコア径80μm、砥粒サイズ8〜16μmのダイヤを電着した固定砥粒ワイヤを使用することができる。マルチワイヤソーを使って切り欠きを形成する場合は、まずt1のピッチで複数の切り欠き2aを形成した後、t2の距離だけ、インゴットまたはワイヤ位置をずらして切り欠き2bを形成する。ワイヤソーで形成された切り欠きは、図2Cに示すように、マクロ的にみて、切り欠きの先端がR形状となる。
図2DはScAlMgOインゴット1を円形面(上面)から見た図である。図2Dに示す切り欠きの深さdや円周方向の幅wは、dは0.1mm以上5mm以下、wは0.1mm以上15mm以下とすることが好ましい。例えばScAlMgOインゴット1が2インチ(直径50mm)の円柱である場合、切り欠きの深さdが0.1mmであれば、円周方向の幅wは幾何学的に決まり、4.46mmとなる。また、ScAlMgOインゴット1が4インチ(直径100mm)の円柱である場合、切り欠きの深さdが0.1mmであれば、円周方向の幅wは6.32mmとなる。ScAlMgOインゴット1が円柱でない場合には、切り欠きの深さdおよび幅wをそれぞれ形状に応じて決める。切り欠きの深さdが深すぎると、基板の有効面積が減るため、基板の有効面積で許容できる範囲とする。基板の有効面積で許容できる範囲(切り欠きの深さd)とは、具体的には、5mm以下である。円柱であれば、前述のように深さが決まると幅も幾何学的に決まる。このため、wは、15mm以下となる。
ScAlMgOインゴット1を実際に劈開する場合には、図3に示す刃3の形状を切り欠き2a、2bにあて劈開を行なう。そのため、切り欠きの形状は、刃先が鋭く入り込む形状であることが好ましく、図2Bに示すように、切り欠きの先端部(インゴット1の内部側の先端部)が、鋭利な形状であるが好ましい。
切り欠き2bは同一面内で複数個所設けることも考えられるが、位置合わせが不十分のまま、複数の箇所から劈開すると劈開面に段差が生じてしまう。したがって、同一面内に切り欠きを複数個所設ける場合には、原子レベルでの位置合わせが必要であり、実質的に困難なため、同一面内には、1箇所設ければよい。
次に、ScAlMgO基板準備工程を説明する。本工程では、切り欠きを有するScAlMgO基板10を得るために、図3に示す刃3を切り欠き2aにあて、劈開方向に力を加えることにより劈開を行ない、円柱状のインゴット1から厚みt1のScAlMgO基板10を得る。刃3の材質は鋼製である。刃3の代表的な形状を図3A、図3Bに示す。図3Aに示すように、刃3は、片刃であってもよく、図3Bに示すように、両刃であってもよい。刃3の刃先の角度(図3Aにおいてθ1、図3Bにおいてθ2で表される角度)は30°以下であることが望ましい。刃3の形状は図3Aおよび図3Bで示される形状に限らず、例えば両刃の場合、図3Bにおいてθ2で示される角度が、刃先の中心から非対称であってもよく、角度が複数段つけられていてもよい。
ScAlMgOバルク材料を劈開したときの劈開面(ScAlMgO基板のエピタキシャル成長面)の平面度測定データを図4に示す。当該データはφ40mmのScAlMgO基板の同一平面内で直交するXY軸でレーザー反射式測長機(三鷹光器製NH−3MA)を用いて取得したデータである。図4において、矢印で示すように、バルク材料を劈開した劈開面には、500nm以上の凹凸部が存在する。ScAlMgO基板では、劈開時の劈開方向の剥がし力がばらつくことで、同一原子層での劈開が起こらず、結果的に、500nm以上の段差からなる凹凸部が生じると考えられる。高さ500nm以上の段差部分がエピタキシャル成長面に存在すると、基板上に結晶をエピタキシャル成長させる際に不具合が発生する。基板のエピタキシャル成長面に高さ500nm以上の段差が存在する場合の弊害について説明する。高さ500nm以上の段差が存在するエピタキシャル成長面にGaN等の結晶を作製すると、高さ500nm以上の段差部分で違う結晶方位となる。例えば、エピタキシャル成長面上にMOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)法でLED発光層に用いられるInGaN層を形成すると、インジウムの組成が段差部分と平坦部とで変化してしまう。そしてインジウムの組成が変わると、LED素子としての発光波長と輝度が変わる。その結果、LED素子として発光ムラが発生し、輝度低下が起きてしまう。
劈開で生じた500nm以上の凹凸を除去するのは容易ではない。特に、ScAlMgO基板の劈開面の加工の難しさは、劈開で生じた凹凸を除去しようとしても、全体に占める平坦面の割合が大きいと、平坦面を加工する際に、一部の領域(凹凸)に加工負荷が集中しやすくなり、表面ではなく、より表面から深い内部で劈開による割れが発生する。そのため、割れ部分が除去されることによって新しい凹凸が形成されると考えられる。また、平坦面の割合が高い場合に、内部で劈開しないような荷重を加えただけでは、劈開工程で生じた凹凸をほとんど除去出来ない。
そこでScAlMgO材料の特徴に鑑み、以下に詳述する加工方法(粗凹凸形成工程および微少凹凸形成工程)を見出した。これが本開示の凹凸除去工程である。具体的には、ScAlMgO基板のエピタキシャル成長面とする領域全面に一定の高さの凹凸形状を形成する(粗凹凸形成工程)。次いで、段階的に加圧力を小さくしていくことで、加圧力のばらつきの絶対量を小さくして内部での劈開を防止しつつ、全面に形成した一定の高さの凹凸形状を徐々に小さくする(微少凹凸形成工程)。すなわち、ScAlMgO単結晶体を切り欠き2aを起点として劈開面で劈開して、図5Aの上図に示すScAlMgO基板10を準備する。そして、ScAlMgO基板10の主面上に高さ500nm以上の凹凸を形成する粗凹凸形成工程と、高さ500nm以上の凹凸を研磨して、高さ500nm未満の凹凸を形成する微少凹凸形成工程と、を少なくとも行う。
粗凹凸形成工程では、連続して表面粗さが500nm以下である領域(以下、「平坦部」とも称する)の面積がいずれも1mm以下となるように、エピタキシャル成長面とする領域の全面に凹凸形状を分布させる。粗凹凸形成工程で1mmより大きい平坦部を形成してしまうと、微少凹凸形成工程において、加工負荷の集中によって内部で劈開し、500nmよりも大きい凹凸が発生するからである。また、粗凹凸形成工程で形成する複数の凹凸の凸部の高さの差は、±0.5μm以下の範囲に収まることが好ましい。高さのばらつきがこの範囲内に入るような、均一な高さの凹凸を全面に形成することで、微少凹凸形成工程によって徐々に凹凸の高さを低くでき、面内に均一な平坦部を形成できる。
具体的には、粗凹凸形成工程において、高さ500nm以上の凹凸を、第1砥粒を用いて形成し、微少凹凸形成工程において、高さ500nm未満の凹凸を、前記第1砥粒よりも硬度の低い第2砥粒を用いて形成する。
より詳細には、一定の高さの凹凸形状を加工する凹凸形成工程では、砥粒サイズの大きいダイヤモンド固定砥粒を用いた研削加工を行う。砥粒サイズとしては♯300以上♯20000以下(好ましくは#600)のダイヤモンド砥粒を使用する。この範囲のサイズのダイヤモンド砥粒を用いた加工によれば、加工面の凹凸の高さの差を±5μm以下の範囲に収められる。また、粗凹凸形成工程における加工条件は、砥石回転数500min―1以上50000min―1以下(好ましくは1800min―1)、ScAlMgO基板回転数10min―1以上300min―1以下(好ましくは100min―1)、加工速度0.01μm/秒以上1μm/秒以下(好ましくは0.3μm/秒)、加工除去量1μm以上300μm以下(好ましくは20μm)とすることが好ましい。図6に、♯600のダイヤモンド砥粒を用い、砥石回転数1800min―1、ScAlMgO基板回転数100min―1、加工速度0.3μm/秒、加工除去量20μmで加工した結果を示す。図6は、加工面のX方向の平面度を、前述と同様の方法で測定した結果である。図6に示されるように、エピタキシャル成長面とする領域に1mm以上の平坦部(凹凸の高さが500nm以下である領域が1mm以上連続した箇所)が生じず、規則正しい凹凸形状を形成することが出来ている。
次に粗凹凸形成工程で形成した凹凸を徐々に除去する微少凹凸形成工程を説明する。微少凹凸形成工程において、前記高さ500nm以上の凹凸を除去しつつ、高さ500nm未満の凹凸を、加圧力を段階的に弱めた研磨により形成する。微少凹凸形成工程では、砥粒としてコロイダルシリカを主成分とするスラリーを用い、回転数10min−1以上1000min−1以下(好ましくは60min−1)、スラリー供給量0.02ml/分以上2ml/分以下(好ましくは0.5ml/分)、研磨パッドは不織布パッドとすることが好ましい。スラリー供給量は基板面積により量を変える。具体的には、基板面積が大きくなる程スラリー供給量を増やすことが好ましい。凹凸が多い場合、凸部に加工力が選択的に集中しやすい。そこで、加圧量は、微少凹凸形成工程の初期には10000Pa以上20000Pa以下の範囲とし、凸部が平坦になってくるにつれて5000Pa以上10000Pa未満とし、最終的には1000Pa以上5000Pa以下の範囲とすることが好ましい。このように段階的に加圧力を低減することで、内部での劈開を生じさせることなくエピタキシャル成長面とする領域から高さ500nm以上の凹凸を除去することが出来る。
微少凹凸形成工程において、最初に加圧力を15000Paで3分間研磨加工を行い、次に加圧力を8000Paに下げて5分間研磨加工を行い、最後に加圧力を1000Paに下げて10分間研磨加工を行った結果を図7に示す。図7は加工後のエピタキシャル成長面のX方向の平面度を前述と同様の方法で測定した表面形状測定結果である。また、図8にエピタキシャル成長面の10μm角の範囲についてAFM(原子間力顕微鏡)によって測定した表面形状測定結果を示す。図8に示されるように、10μm角の範囲において高さ500nm以上の凹凸は無く、最大高さを示すRmaxが6.42nmであるように高さ50nm以上の凹凸も観察されない。なおRqは0.179nmである。さらに詳細に形状分析を行った図8より100μmの微小な領域において表面粗さRaが0.139nmであり、50nm以上の凹凸のない極平滑面を形成できていることがわかる。ここで、得られたエピタキシャル成長面の表面粗さRaは0.08nm以上0.5nm以下である。なお表面粗さRaは、BRUKER社のDimension Iconで、ISO13565−1に準拠して測定した。以上によりエピレディ面を有するScAlMgO基板10が準備される。
次にGaN結晶成長工程について説明する。GaN単結晶成長法はV族及びIII族の原料ガスを反応させ合成する気相成長法と、溶液もしくは融液を用いる液相成長法がある。気相成長法としてはHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法やOVPE(Oxide Vapor Phase Epitaxy)法を用いることができる。液相成長法としてNaフラックス(Sodium Flux)法などを用いることができる。
HVPE法はIII族源としてGaClを用いる方法である。具体的には、石英管炉内の原料ガス生成部で金属GaとHClガスを反応させGaClガスを生成する。この際の反応効率を高めると、HClのほぼ100%が反応してGaClガスを生成する。GaClガスは種基板(ScAlMgO基板10)が設置された成長部へと輸送される。そして、GaClガスが、1000〜1100℃程度でNHガスと反応することにより、GaNが生成される。HVPE法の特徴はGaNの高速成長が可能なことであり、数百nm〜数mmのGaN自立基板の形成が可能となる。本開示では、ScAlMgO基板10を種基板として、図5Bに示すようにScAlMgO基板10にGaN層4を形成することができる。
GaN層4の別の形成方法であるOVPE法について説明する。OVPE法はGaOをGa源として用いる。当該方法では、GaOガスを発生させ、成長部でGaOガスとNHを反応させることでGaN結晶を成長させる。当該方法では、副生成物が水素や水蒸気であることから、排気系をつまらせることがなく、原理的に長時間の連続成長が可能である。
なお、HVPE法やOVPE法による装置が横方向からガスを流すタイプの装置であれば、切り欠き2bをガス流れの下流側にするようにScAlMgO基板10を設置することが好ましい。
さらにGaN層4形成の別の方法としてNaフラックス法がある。Naフラックス法では、高温のGa−Na融液へ窒素を溶かしこむことで過飽和状態を生じさせて、GaNを成長させる。種基板(ScAlMgO基板10)及びGaとNaが設置された坩堝をステンレスチューブに入れ、3〜4MPaの窒素圧をかけつつヒーターにより800〜900℃に加熱する。加熱されたGa−Na融液に窒素が溶解することによりGaN結晶がScAlMgO基板10上に成長する。Naフラックス法の特徴は、成長速度はHVPE法と比較して遅いが、転位密度が小さく、欠陥の少ない高品質なGaN結晶を得ることができる。
次にScAlMgO除去工程について説明する。従来のように、種基板にサファイア基板を用いる場合には、サファイア基板とGaN層との熱膨張差の違いによる伸縮で、前記GaN結晶成長プロセスの降温段階で、サファイア基板とGaN基板が分離される。しかし、ScAlMgOとGaNの熱膨張係数が近いため、本開示では、GaN結晶成長プロセスが完了してもScAlMgO基板10とGaN層4は分離されない。そのため、分離プロセスが必要となる。
GaN結晶成長工程で生成されたGaN層4は、外周形状がいびつな形状となるため、外周を円形にする円筒加工を行う。例えば、円形加工は、回転砥石を用いて研削する。次に、ScAlMgO基板の一部(図5において、10aで示される部分)を除去するため、ScAlMgO基板10の側部に形成された切り欠き2bを刃3(図3Aまたは図3Bに示される刃3)をあてる。そして、切り欠き2bを起点に、ScAlMgO基板10の劈開方向に力を加えることにより、図5Bに示すように、ScAlMgO基板10を、GaN層4を含むScAlMgO基板10bと、ScAlMgO基板10aとに分離する。分離されたScAlMgO基板10aは、凹凸除去工程で説明したプロセスを行うことにより、再度種基板として再生することができる。
次にGaN基板加工工程について説明する。本工程では、GaN層4のエピタキシャル成長面であるGa面20とScAlMgOが存在するN面21とを研削・研摩し、エピタキシャル成長できるGaN自立基板4aに仕上げる。研削は固定砥粒を用いたグラインディングや遊離砥粒を用いたラッピングにより行なわれる。Ga面20の研磨は遊離砥粒を小さくしたラッピングの後、CMP(Chemical Mechanical Ploishing)により結晶のダメージである加工変質層を除去する方法とすることができる。一方、N面21はScAlMgO基板10bを研削により除去し、N面21を研摩により仕上げる。これにより、図5Dに示すように、エピタキシャル成長が可能なGaN自立基板4aが形成される。
本開示では、ScAlMgO除去工程で分離された、ScAlMgO基板10aについて、再度凹凸除去工程を行うことにより、ScAlMgO基板10aを種基板として使用することができる。つまり、再生されたScAlMgO基板10aを再度用いてGaN自立基板の形成が可能である。したがって、ScAlMgOを効率的に使用することができ、材料歩留まりを向上させることができる。なお、ScAlMgO基板10の切り欠き2bは一箇所である必要はなく、種基板の再生回数に応じて、切り欠きを有するScAlMgO基板準備工程において、基板の厚み方向に複数個所形成することができる。
(実施の形態2)
図9に本開示の実施の形態2に係る、III族窒化物を製造する方法の各工程を示す。本開示の実施の形態2に係る製造方法は、単結晶ScAlMgOを生成するScAlMgOインゴット準備工程と、単結晶ScAlMgOから円筒のインゴットを生成し、さらにインゴットの側部に切り欠きを設けるScAlMgOインゴット外形加工工程と、インゴットを基板状に加工し、切り欠きを有するScAlMgO基板を準備するScAlMgO基板準備工程と、ScAlMgO基板のエピタキシャル成長面に対応する面の凹凸を除去する凹凸除去工程と、ScAlMgO基板上にIII族窒化物結晶(例えば、GaN結晶)をエピタキシャル成長させるIII族窒化物結晶成長工程と、デバイスを形成するデバイス形成工程とを含む。前記デバイス形成工程には、切り欠きを起点にScAlMgOを除去するScAlMgO除去を含む。
実施の形態1との違いは、ScAlMgO基板上にIII族窒化物結晶のエピタキシャル成長を行い、さらにデバイスを形成することである。なお、凹凸除去工程までは実施の形態1と同様であるので、III族窒化物結晶成長工程以降を説明する。ただし、凹凸除去工程において、実施の形態1ではエピタキシャル成長面は、ScAlMgO基板の一方の面(表側)のみに形成すれば良いが、実施の形態2においては、ScAlMgO基板の両面にエピタキシャル成長面を形成してもよい。この場合、両面にGaN等のIII族窒化物結晶(III族窒化物半導体)のエピタキシャル成長を行うことができる。また、上述の加工技術を用いることにより、例えば本基板のエピタキシャル成長面にLED発光層を形成した場合に、前述したような組成の変化やそれによるLED素子の発光ムラや輝度低下といった問題が生じない。さらに、凹凸除去工程により、ScAlMgO基板のエピタキシャル成長面の凹凸の高さを50nm以下とすることにより、例えばエピタキシャル成長面にLED発光層を形成した後の電極形成時に、凹凸に起因した形成不良(段差部でのエッチング残りなど)が抑制される。そのため、本基板を用いて製造するLEDなどのデバイスの製造歩留りが向上する。
実施の形態2の結晶成長工程では、ScAlMgO基板10のエピタキシャル成長面に例えばMOCVD法でIII族窒化物の気相成長を行い、図10Aに示すIII族窒化物結晶層5を形成する。ScAlMgO基板上に例えばMOCVD法でIII族窒化物の気相成長を行うと、III族窒化物の原料は、エピタキシャル成長面の劈開面である(0001)面を移動(マイグレーション)する。そして、安定な位置があればその位置に止まってエピタキシャル成長していく。
III族窒化物結晶層形成工程では、例えばn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層の積層体からなるIII族窒化物結晶層5(LEDデバイスの発光層)を形成することができる。n型窒化物半導体層としては、例えばn型のAlGaInN(但し、u+v+w=1、u≧0、v≧0、w≧0である。)半導体から形成される層とすることができる。n型ドーパントとして、例えばシリコン(Si)を用いてもよい。n型ドーパントとして、Siの他に例えば酸素(O)等を用いてもよい。活性層としては、例えば、厚さが3nm〜20nm程度のGa1−xInN井戸層(但し、0<x<1である。)と、厚さが5nm〜30nm程度のGaNバリア層とが交互に積層されたGaInN/GaNからなる多重量子井戸(MQW)構造を有する層(井戸層)とすることができる。LEDデバイスが出射する光の波長は、活性層を構成する窒化物半導体のバンドギャップの大きさ、具体的には井戸層の半導体組成であるGa1−xInN半導体におけるInの組成xによって決まる。p型窒化物半導体層は、例えば、p型のAlGaN(但し、s+t=1、s≧0、t≧0である。)半導体から形成されている層とすることができる。p型ドーパントして、例えばマグネシウム(Mg)を用いることができる。p型ドーパントには、Mgの他に例えば亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)等を用いてもよい。
次にデバイス形成工程について説明する。デバイス形成工程では、III族窒化物結晶成長工程で積層されたIII族窒化物結晶層5を、リソグラフィ法およびドライエッチング法等により所望の形状に加工する。例えば、p型窒化物半導体層、活性層、n型窒化物半導体の一部が除去された凹部6を形成し、電極を形成できるようにする。そして、n型窒化物半導体層と電気的に接続されたn側電極8と、p型窒化物半導体層と電気的に接続されたp側電極7とを形成する。n側電極8は、例えばチタン(Ti)層及び白金(Pt)層からなる積層構造(Ti/Pt)等により形成される。この他に、チタン(Ti)層及びアルミニウム(Al)層からなる積層構造(Ti/Al)を用いてもよい。p側電極7は、例えばパラジウム(Pd)層および白金(Pt)層からなる積層構造(Pd/Pt)等により形成される。この他に、銀(Ag)層を用いてもよい。
次にIII族窒化物結晶層5の結晶成長面と逆側に形成されているScAlMgO10aを除去する。具体的には、ScAlMgO基板10の側部に形成された切り欠き2bに刃をあて、切り欠き2bを起点に、ScAlMgO基板10の劈開方向に力を加えることにより、ScAlMgO基板10を、図10Bに示すIII族窒化物結晶層5および電極等からなるデバイス構造を含むScAlMgO基板10bとScAlMgO基板10aとに分離する。分離されたScAlMgO基板10aは、実施の形態1で説明した凹凸除去工程を行うことにより、再度種基板として再生することができる。したがって、本実施の形態においても、ScAlMgOを効率的に使用し、材料歩留まりを向上させることができる。なお、ScAlMgO基板10の切り欠き2bは一箇所である必要はなく、ScAlMgO基板10の再生回数に応じて、ScAlMgO基板10の厚み方向に複数個所形成されていてもよい。つまり、ScAlMgO基板準備工程において、複数個所に切り欠きを形成することで、ScAlMgO基板10を複数回利用することができる。なお、ScAlMgO基板10aの再生時には、ScAlMgO基板10aが所定の厚みになるように研摩を行う。さらに、凹凸除去工程の微少凹凸形成工程で、微細な凹凸構造を形成することにより、光取り出しの効率向上が可能となる。
(その他)
なお、上述の実施の形態1及び2では、一般式RAMOで表される単結晶体からなる基板のうち、ScAlMgOの単結晶体から得られる基板について説明したが、本開示は、これに限定されない。具体的には、本開示のScAlMgOに代表される基板は、一般式RAMOで表されるほぼ単一結晶材料から構成される。上記一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素(原子番号67−71)から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlから選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、MはMg、Mn、Fe(II),Co,Cu,Zn,Cdから選択される一つまたは複数の二価の元素を表す。なお、ほぼ単一結晶材料とは、エピタキシャル成長面を構成するRAMOが90at%以上含まれ、かつ、任意の結晶軸に注目したとき、エピタキシャル成長面のどの部分においてもその向きが同一であるような結晶質固体をいう。ただし、局所的に結晶軸の向きが変わっているものや、局所的な格子欠陥が含まれるものも、単結晶として扱う。なお、Oは酸素である。ただし、上記の通り、RはSc、AはAl、MはMgとするのが望ましい。
また、上記単結晶体からなる基板上に結晶成長させるIII族窒化物についても、GaNやn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層等に限定されない。III族窒化物を構成するIII族元素金属としては、ガリウム(Ga)が最も良いが、例えば、III族元素金属の他の例としては、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等が挙げられ、III族窒化物には当該III族元素金属を、1種類のみでも2種類以上併用しても良い。例えば、III族元素金属として、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも一つを用いても良い。この場合、製造されるIII族窒化物結晶の組成は、AlGaIn{1−(s+t)}N(ただし、0≦s≦1、0≦t≦1、s+t≦1)で表され、実施の形態1においては、GaNをIII族窒化物とするのが良い。なお、2種類以上のIII族元素金属を用いて製造される三元系以上の窒化物結晶としては、例えば、GaIn1−xN(0<x<1)の結晶があげられる。
基板上へMOCVC気相成長時でLED発光層を成長されLED素子を製造するにあたり、本開示に係る基板を利用することで、種基板材料の材料効率を向上させながら、LED素子として発光ムラが発生し、輝度の低下を防ぐことが出来る。
1 インゴット
2a、2b 切り欠き
3 刃
4 GaN層(III族窒化物結晶層)
5 III族窒化物結晶層
6 凹部
7 p側電極
8 n側電極
10、10a、10b ScAlMgO基板
20 Ga面(エピタキシャル成長面)
21 N面

Claims (8)

  1. 一般式RAMOで表される単結晶体(一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素からなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlからなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Mは、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Cu、Zn、およびCdからなる群から選択される一つまたは複数の二価の元素を表す)からなり、側部に切り欠きを有するRAMO基板を準備する工程と、
    前記切り欠きを有する前記RAMO基板上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と、
    前記III族窒化物結晶を成長させた後に前記切り欠きを起点に前記RAMO基板を劈開させる工程と、を有し、
    前記切り欠きの深さは0.1mm以上5mm以下、円周方向の幅は0.1mm以上15mm以下である、III族窒化物結晶製造方法。
  2. 前記切り欠きを起点に劈開された前記RAMO基板を再利用して、前記RAMO基板上に新たにIII族窒化物結晶を成長させる工程を更に含む、請求項1に記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  3. 前記RAMO基板は、ScAlMgO基板である、請求項1または2に記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  4. 前記III族窒化物結晶は、GaNである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  5. 一般式RAMOで表される単結晶体(一般式において、Rは、Sc、In、Y、およびランタノイド系元素からなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Aは、Fe(III)、Ga、およびAlからなる群から選択される一つまたは複数の三価の元素を表し、Mは、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Cu、Zn、およびCdからなる群から選択される一つまたは複数の二価の元素を表す)からなるRAMO基板において、
    側部に切り欠きを有し、
    前記切り欠きの深さは0.1mm以上5mm以下、円周方向の幅は0.1mm以上15mm以下である、RAMO基板。
  6. 表面上にIII族窒化物結晶を更に備える、請求項5に記載のRAMO基板。
  7. 前記単結晶体は、ScAlMgOである、請求項5または6に記載のRAMO基板。
  8. 前記III族窒化物結晶は、GaNである、請求項6または7に記載のRAMO基板。
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