JP2018145046A - 希土類オルガノゾルおよび希土類オルガノゾル前駆体 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの用途に用いられる場合、近年の電子セラミクス関連製品の微小化や、高性能化の要求から、微小化されたものが求められており、特に数百ナノメーター以下の、いわゆるナノ粒子が必要とされている。
[1]Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子が分散し、ヒドロキシカルボン酸と安定化剤とを含有する希土類オルガノゾル。
[2]前記ヒドロキシカルボン酸が、リンゴ酸、酒石酸、およびクエン酸から選択される少なくとも一種類のものである上記[1]記載の希土類オルガノゾル。
[3]前記安定化剤が、アミン塩系カチオン型界面活性剤および第4級アンモニウム塩系カチオン型界面活性剤から選択される少なくとも一種類のものである上記[1]または[2]記載の希土類オルガノゾル。
[4]前記ゾルの主溶媒が、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、イソブチルアルコールおよびメチルエチルケトンから選択される少なくとも一種類のものである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の希土類オルガノゾル。
[5]Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤とを含有してなる希土類オルガノゾル前駆体であって、当該前駆体は、半固形状または固形状であり、有機溶媒に分散可能である希土類オルガノゾル前駆体。
[6]前記ヒドロキシカルボン酸が、リンゴ酸、酒石酸、およびクエン酸から選択される少なくとも一種類のものである上記[5]記載の希土類オルガノゾル前駆体。
[7]前記安定化剤が、アミン塩系カチオン型界面活性剤および第4級アンモニウム塩系カチオン型界面活性剤から選択される少なくとも一種類のものである上記[5]または[6]に記載の希土類オルガノゾル前駆体。
[8]以下の工程を包含する希土類オルガノゾルの製造方法。
(1)水存在下にて、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤と、任意成分として水酸化第4級アンモニウムとを含有する混合液を調製する工程。
(2)(1)によって得られた混合液を溶媒置換により希土類オルガノゾルを得る工程。
[9]上記[5]〜[7]のいずれかに記載の希土類オルガノゾル前駆体を、有機溶媒に分散させることを特徴とする希土類オルガノゾルの製造方法。
[10]以下の工程を包含する希土類オルガノゾル前駆体の製造方法。
(1)水存在下にて、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤と、任意成分として水酸化第4級アンモニウムとを含有する混合液を調製する工程。
(2)次の(a)および(b)のいずれか一つを実施する工程。
(a)(1)によって得られた混合液から半固形状または固形状の希土類オルガノゾル前駆体を得る為に脱溶媒または乾燥を行う工程。
(b)(1)によって得られた混合液に有機溶媒を添加した後に、半固形状または固形状の希土類オルガノゾル前駆体を得る為に脱溶媒または乾燥を行う工程。
本発明のゾルは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子が分散してなるものであって、当該ゾル中にはヒドロキシカルボン酸と、安定化剤とが含有されることを特徴とするものである。
ここで、希土類微粒子中の主たる成分が希土類元素の化合物であるという意味は、微粒子を構成する無機化合物の内、上記希土類元素の化合物の割合が少なくとも50モル%以上であり、更に好ましくは100モル%となるよう設定するものである。希土類化合物の好適な一例として、各希土類元素の酸化物、水酸化物等が挙げられる。
本発明のゾル前駆体は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤とを含有してなる希土類オルガノゾル前駆体であって、当該前駆体は、半固形状または固形状であり、有機溶媒に分散可能であることを特徴とするものである。
ここで、希土類微粒子中の主たる成分が希土類元素の化合物であるという意味は、微粒子を構成する無機化合物の内、上記希土類元素の化合物の割合が少なくとも50モル%以上であり、更に好ましくは100モル%となるよう設定するものである。希土類化合物の好適な一例として、各希土類元素の酸化物、水酸化物等が挙げられる。
本発明のゾルの製造方法は、以下の(1)および(2)の工程を包含するものである。
(1)水存在下にて、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤と、任意成分として水酸化第4級アンモニウムとを含有する混合液を調製する工程。
(2)(1)によって得られた混合液を溶媒置換により希土類オルガノゾルを得る工程。
なお、前記希土類ゾルAを得る方法の一例として、水溶性の希土類元素の塩を溶解させた液をアルカリで中和することによって得た沈降性のゲルを、洗浄、熱処理し、希土類ゾルAを得る方法を例示することができる。なお、当該例示の希土類ゾルAは、例えば、鉱酸や有機酸等を含有するものであってもよい。本発明のゾルの製造において、希土類ゾルAのうち、有機酸としてヒドロキシカルボン酸を含有する希土類ゾル(希土類ゾルB)を用い、当該ゾルと安定化剤とを混合し、混合液を調製しても構わない。
希土類ゾルBとしては、特許文献2に記載の希土類ゾルを用いてもよいし、市販の希土類ゾル、例えば、多木化学(株)製の商品名「バイラール La−C10」(希土類元素:La、ヒドロキシカルボン酸:クエン酸、クエン酸/La2O3=0.13)、「バイラール Nd−C10」(希土類元素:Nd、ヒドロキシカルボン酸:クエン酸、クエン酸/Nd2O3=0.11)を用いても良い。
なお、(1)の工程で得られた混合液は、安定化剤の添加により希土類微粒子が凝集し沈殿や白濁を生じたとしても、該微粒子が(2)の工程の溶媒置換の後に分散し、本発明のゾルを得ることができれば特に問題ない。
混合液の分散性の観点から、水酸化第4級アンモニウムの量は、水酸化第4級アンモニウム/M2O3(モル比)=0.01〜0.5の範囲となるように調製することが望ましい。このモル比が0.01以上であれば、安定化剤が好適に微粒子を修飾することが出来ると推測され、モル比が0.5以下であれば、添加量に見合った効果が得られる。
なお、水酸化第4級アンモニウムを添加し混合液を調製する方法は特に限定されないが、原料である希土類ゾルAまたはBに予め添加したものを用いて混合液を調製しても良く、希土類ゾルAにヒドロキシカルボン酸と安定化剤と共に添加しても良く、希土類ゾルBに安定化剤と共に添加しても良く、また希土類微粒子とヒドロキシカルボン酸と安定化剤とを含有した混合液に添加しても良い。
混合液に添加したアルカリ剤は、基本的に液中に遊離しており、(2)の工程の操作によっては除去されるものであると考えられるが、アルカリ剤が本発明のゾルに残存していても特に問題は無い。
本発明のゾル前駆体に含有される希土類微粒子は有機溶媒に対し良好な分散性を有するものである為、ゾル前駆体に対し、分散させる為に十分な量の本発明のゾルの主溶媒となる有機溶媒を添加し、分散させることにより、本発明のゾルを得ることができる。ゾル前駆体を分散させる方法は特に限定されないが、好適な一例として振とうまたは攪拌等の公知の方法が例示できる。
本発明のゾル前駆体の製造方法として、以下の(1)および(2)の工程を包含するものである。
(1)水存在下にて、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤と、任意成分として水酸化第4級アンモニウムとを含有する混合液を調製する工程。
(2)次の(a)および(b)のいずれか一つを実施する工程。
(a)(1)によって得られた混合液から半固形状または固形状の希土類オルガノゾル前駆体を得る為に脱溶媒または乾燥を行う工程。
(b)(1)によって得られた混合液に有機溶媒を添加した後に、半固形状または固形状の希土類オルガノゾル前駆体を得る為に脱溶媒または乾燥を行う工程。
脱溶媒または乾燥を行う方法について、本発明のゾル前駆体が得られるのであれば特に限定されることはなく、常法により実施すればよい。脱溶媒または乾燥を行う方法として、例えば、噴霧乾燥、静置乾燥等を挙げることができる。また、乾燥条件(温度、時間)は、適宜設定することが好ましい。
前駆体を得る方法の一例として、エバポレーターや限外洗浄などの公知の方法により(1)の工程で得られた混合液を高濃度化し、その後に公知の方法にて脱溶媒または乾燥を行うことで、本発明のゾル前駆体を効率的に得ることができる。
また、(1)の工程の混合液調製の過程で生じた凝集物または沈殿物をろ過し、ウエットケーキとして回収し、このウエットケーキを脱溶媒または乾燥を行うことで、本発明のゾル前駆体を得ることができる。
メジアン径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。
(2)水分量の測定
水分量は、自動水分測定装置KF−100型(三菱化学(株)製)を用い、カールフィッシャー反応に基づく、容量滴定法によって測定した。
(3)ヒドロキシカルボン酸の測定
試料を塩酸で溶解後、または、試料に水酸化ナトリウムを添加し調製した液を遠心分離機にかけ、凝集物を除去した後、高速液体クロマトグラフLC−2010C((株)島津製作所製)を用いて、測定した。
(4)安定化剤の測定
試料を塩酸で溶解後、または、試料に塩酸を添加し調製した液を遠心分離機にかけ、凝集物を除去した後、高速液体クロマトグラフLC−2010C((株)島津製作所製)を用いて、測定した。
・安定化剤として、第4級アンモニウム塩系カチオン型界面活性剤であるヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドを用いる際、日油(株)製「カチオンF2−50」(ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド:約50%)を用いた。
・安定化剤として、第4級アンモニウム塩系カチオン型界面活性剤であるテトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドを用いる際、日油(株)製「カチオンM2−100」(テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド:90%以上)を用いた。
1%水酸化ナトリウム水溶液4910gに、酸化ランタン(3N、稀産金属(株)製)50gを35%塩酸110gにて溶解させたLa2O3=0.5%のランタン水溶液10000gを撹拌下で添加し、生成したランタンゲルを、限外濾過装置を用いてランタンゲル溶液中の塩化ナトリウムを除去し、塩素根がCl/La2O3(モル比)として0.08含有するLa2O3濃度5%のランタンゲル溶液を得た。これをオートクレーブに入れ、90℃で5時間水熱処理を行ない、次にヒドロキシカルボン酸として10%クエン酸水溶液をクエン酸/La2O3(モル比)=0.2となる様に添加し、更に10%アンモニア水を用いて、pH9.5となるように調整し、La2O3濃度5%のランタンゾルを得た。続いてこのゾルに安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/La2O3(モル比)=0.15となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、限外濾過装置を用いて濃縮を行いながら、濾液量と等量のメチルエチルケトンを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで、溶媒置換し、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、La2O3=7.5%、安定化剤/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/La2O3(モル比)=0.13、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.93、メジアン径44nmであり、分散媒中の水分量は16.8%であった。
実施例1と同様の方法で得たランタンゾル(La2O3濃度5%、クエン酸/La2O3(モル比)=0.2)に、水酸化第4級アンモニウムとして、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)をTEAH/La2O3(モル比)=0.04となる様に添加し、続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/La2O3(モル比)=0.15となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、エバポレーターにより減圧濃縮を行いながら、溶媒の減少量と等量のメチルエチルケトンを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで溶媒置換し、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、La2O3=10.3%、安定化剤/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/La2O3(モル比)=0.13、クエン酸/安定化剤(モル比)=1.08、メジアン径42nmであり、分散媒中の水分量は8.1%であった。
多木化学(株)製の「バイラール La−C10」(La2O3濃度10%、クエン酸/La2O3=0.13)100gに、水酸化第4級アンモニウムとして、コリンをコリン/La2O3(モル比)=0.04となる様に添加し、続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/La2O3(モル比)=0.15となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、限外濾過装置を用いて濃縮を行いながら、濾液量と等量のメチルエチルケトンを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで、溶媒置換し、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、La2O3=10.3%、安定化剤/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/安定化剤(モル比)=1であり、メジアン径45nmであり、分散媒中の水分量は3.1%であった。
多木化学(株)製の「バイラール La−C10」(La2O3濃度10%、クエン酸/La2O3=0.13)100gに、安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/La2O3(モル比)=0.16となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、有機溶媒としてメチルイソブチルケトンを用い、溶媒抽出法により溶媒置換し、主溶媒がメチルイソブチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、La2O3=10.0%、安定化剤/La2O3(モル比)=0.14、クエン酸/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.86であり、メジアン径41nmであり、分散媒中の水分量は3.5%であった。
1%水酸化ナトリウム水溶液4756gに、酸化ネオジム(3N、稀産金属(株)製)50gを35%塩酸110gにて溶解させたNd2O3=0.5%のネオジム水溶液10000gを撹拌下で添加し、生成したネオジムゲルを限外濾過装置を用いてネオジムゲル溶液中の塩化ナトリウムを除去し、塩素根がCl/Nd2O3(モル比)として0.07含有するNd2O3濃度5%のネオジムゲル溶液を得た。これをオートクレーブに入れ、100℃で3時間水熱処理を行ない、次にヒドロキシカルボン酸として10%クエン酸水溶液を用いクエン酸/Nd2O3(モル比)=0.2となる様に添加し、更に10%アンモニア水を用いて、pH9.5となるように調整し、Nd2O3濃度5%のネオジムゾルを得た。続いてこのゾルに安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Nd2O3(モル比)=0.12となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、限外濾過装置を用いて濃縮を行いながら、濾液量と等量のメチルエチルケトンを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで、溶媒置換し、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Nd2O3=5.4%、安定化剤/Nd2O3(モル比)=0.10、クエン酸/Nd2O3(モル比)=0.11、クエン酸/安定化剤(モル比)=1.1であり、メジアン径52nmであり、分散媒中の水分量は12.0%であった。
多木化学(株)製の「バイラール Nd−C10」(Nd2O3濃度10%、クエン酸/Nd2O3=0.11)100gに、水酸化第4級アンモニウムとして、TEAHをTEAH/Nd2O3(モル比)=0.03となる様に添加し、続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Nd2O3(モル比)=0.12となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、メチルエチルケトンを添加し分散させ、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Nd2O3=10.2%、安定化剤/Nd2O3(モル比)=0.11、クエン酸/Nd2O3(モル比)=0.11、クエン酸/安定化剤(モル比)=1であり、メジアン径48nmであり、分散媒中の水分量は9.6%であった。
1%アンモニア水溶液2485gに炭酸セリウム(ニッキ(株)製、Ce2O3=48.0%)100gを35%塩酸115gにて溶解させたCe2O3=0.5%のセリウム水溶液9600gを撹拌下で添加し、生成させたセリウムゲルを、限外濾過装置を用いて塩化アンモニウムを除去し、塩素根がCl/Ce2O3(モル比)として0.06含有するCe2O3濃度2%のセリウムゲル溶液を得た。次いで、これをオートクレーブに入れ、90℃で5時間水熱処理を行ない、次にヒドロキシカルボン酸として10%リンゴ酸水溶液を用いリンゴ酸/Ce2O3(モル比)=0.3となる様に添加し、更に10%アンモニア水を用いて、pH9.5となるように調整し、Ce2O3濃度2%のセリウムゾルを得た。続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.2となる様に添加し、更に水酸化第4級アンモニウムとして、TEAHをTEAH/Ce2O3(モル比)=0.20となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、限外濾過装置を用いて濃縮を行いながら、濾液量と等量のメチルエチルケトンを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで、溶媒置換し、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Ce2O3=10.3%、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.19、リンゴ酸/Ce2O3(モル比)=0.20、リンゴ酸/安定化剤(モル比)=1.05であり、メジアン径31nmであり、分散媒中の水分量は14.8%であった。
多木化学(株)製の「バイラール B−10」(Ce2O3濃度10%、クエン酸/Ce2O3=0.15)100gに、安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.20となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、エバポレーターにより減圧濃縮を行いながら、溶媒の減少量と等量のイソプロピルアルコールを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで溶媒置換し、主溶媒がイソプロピルアルコールである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Ce2O3=12.2%、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.17、クエン酸/Ce2O3(モル比)=0.15、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.88であり、メジアン径35nmであり、分散媒中の水分量は3.3%であった。
多木化学(株)製の「バイラール B−10」(Ce2O3濃度10%、クエン酸/Ce2O3=0.15)100gに、水酸化第4級アンモニウムとして、TEAHをTEAH/Ce2O3(モル比)=0.20となる様に添加し、続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.20となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、有機溶媒としてメチルエチルケトンを用い、溶媒抽出した後、限外濾過装置を用いて濃縮を行いながら、濾液量と等量のイソブチルアルコールを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで、溶媒置換し、主溶媒がイソブチルアルコールである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Ce2O3=11.0%、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.18、クエン酸/Ce2O3(モル比)=0.15、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.83であり、メジアン径34nmであり、分散媒中の水分量は7.0%であった。
多木化学(株)製の「バイラール B−10」(Ce2O3濃度10%、クエン酸/Ce2O3=0.15)100gに、水酸化第4級アンモニウムとして、TEAHをTEAH/Ce2O3(モル比)=0.20となる様に添加し、続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.20となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、メチルイソブチルケトンを添加し分散させ、主溶媒がメチルイソブチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Ce2O3=10.2%、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.17、クエン酸/Ce2O3(モル比)=0.15、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.88であり、メジアン径40nmであり、分散媒中の水分量は3.4%であった。
1%アンモニア水溶液1888gに、酸化エルビウム(3N、信越化学(株)製)50gを35%塩酸95gにて溶解させたEr2O3=0.5%のエルビウム水溶液10000gを撹拌下で添加し、生成させたエルビウムゲルを限外濾過装置を用いて塩化アンモニウムを除去し、塩素根がCl/Er2O3(モル比)として0.6含有するEr2O3濃度2%のエルビウムゲル溶液を得た。次いで、これをオートクレーブに入れ、90℃で8時間水熱処理を行ない、次にヒドロキシカルボン酸として、10%酒石酸水溶液を用い酒石酸/Er2O3(モル比)=0.5となる様に添加し、更に10%アンモニア水を用いて、pH9.5となるように調整し、Er2O3濃度2%のエルビウムゾルを得た。続いてこのゾルに安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Er2O3(モル比)=0.5となる様に添加し、混合液を調製した。
混合液を調製後、限外濾過装置を用いて濃縮を行いながら、濾液量と等量のメチルエチルケトンを投入し混合液の希釈を同時併行で実施することで、溶媒置換し、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Er2O3=5.2%、安定化剤/Er2O3(モル比)=0.45、酒石酸/Er2O3(モル比)=0.40、酒石酸/安定化剤(モル比)=0.89であり、メジアン径130nmであり、分散媒中の水分量は8.8%であった。
実施例11と同様の方法で得たエルビウムゲル溶液(Er2O3濃度2%、)を、オートクレーブに入れ、90℃で8時間水熱処理を行ない、次にヒドロキシカルボン酸として、10%クエン酸水溶液を用いクエン酸/Er2O3(モル比)=0.5となる様に添加し、続いて安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤である10%ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液を用い、安定化剤/Er2O3(モル比)=0.5となる様に添加し、更に水酸化第4級アンモニウムとして、TEAHをTEAH/Er2O3(モル比)=0.4となる様に添加し混合液を調製した。
混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、メチルエチルケトンを添加し分散させ、主溶媒がメチルエチルケトンである本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果、Er2O3=10.2%、安定化剤/Er2O3(モル比)=0.45、クエン酸/Er2O3(モル比)=0.40、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.89であり、メジアン径125nmであり、分散媒中の水分量は3.5%であった。
実施例12と同様の方法にて、希土類元素種Y、Sm、Eu、Gd、Dy及びHoについて各々Y2O3(4N、阿南化成(株)製)、Sm2O3(3N、信越化学工業(株)製)、Eu2O3(3N、信越化学工業(株)製)、Gd2O3(3N、日本イットリウム(株)製)、Dy2O3(3N 、日本イットリウム(株)製)及びHo2O3(3N、日本イットリウム(株)製)を用い、ヒドロキシカルボン酸としてクエン酸を、安定化剤として第4級アンモニウム塩カチオン型界面活性剤であるヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドを用い、表1の組成となる様に添加し、混合液を調製した。
各混合液を調製後、有機溶媒としてメチルエチルケトンを用い、溶媒抽出法により溶媒置換し、本発明のゾルを得た。このゾルを分析に供した結果を表1に示した。
実施例3と同様にして調製された混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、60℃で静置乾燥することにより、Laを主たる成分とする微粒子を含有する固形状の本発明のゾル前駆体を得た。得られた前駆体とメチルエチルケトンとを、溶媒中のLa2O3が10%となる様に混合したところ、ゾルが得られた。このゾルを分析に供した結果、La2O3=10.3%、安定化剤/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/安定化剤(モル比)=1であり、メジアン径75nmであり、分散媒中の水分量は1.6%であった。
実施例4と同様にして調製された混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、60℃で静置乾燥することにより、Laを主たる成分とする微粒子を含有する固形状の本発明のゾル前駆体を得た。得られた前駆体とメチルエチルケトンとを、溶媒中のLa2O3が10%となる様に混合したところ、ゾルが得られた。このゾルを分析に供した結果、La2O3=10.3%、安定化剤/La2O3(モル比)=0.14、クエン酸/La2O3(モル比)=0.12、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.86であり、メジアン径60nmであり、分散媒中の水分量は1.4%であった。
実施例6と同様にして調製された混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、60℃で静置乾燥することにより、Ndを主たる成分とする微粒子を含有する固形状の本発明のゾル前駆体を得た。得られた前駆体とメチルエチルケトンとを、溶媒中のNd2O3が10%となる様に混合したところ、ゾルが得られた。このゾルを分析に供した結果、Nd2O3=10.2%、安定化剤/Nd2O3(モル比)=0.11、クエン酸/Nd2O3(モル比)=0.11、クエン酸/安定化剤(モル比)=1であり、メジアン径68nmであり、分散媒中の水分量は2.0%であった。
実施例8と同様にして調製された混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、60℃で静置乾燥することにより、Ceを主たる成分とする微粒子を含有する固形状の本発明のゾル前駆体を得た。得られた前駆体とメチルエチルケトンとを、溶媒中のCe2O3が10%となる様に混合したところ、ゾルが得られた。このゾルを分析に供した結果、Ce2O3=10.2%、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.17、クエン酸/Ce2O3(モル比)=0.14、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.82であり、メジアン径42nmであり、分散媒中の水分量は1.1%であった
実施例9と同様にして調製された混合液をヤマト科学(株)製スプレードライヤADL310(入口温度:200℃、出口温度:100℃)にて噴霧乾燥し、Ceを主たる成分とする微粒子を含有する固形状の本発明のゾル前駆体を得た。得られた前駆体とメチルエチルケトンとを、溶媒中のCe2O3が15%となる様に混合したところ、ゾルが得られた。このゾルを分析に供した結果、Ce2O3=15.2%、安定化剤/Ce2O3(モル比)=0.17、クエン酸/Ce2O3(モル比)=0.14、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.82であり、メジアン径58nmであり、分散媒中の水分量は2.1%であった。
実施例11と同様にして調製された混合液を吸引濾過することによってウエットケーキを得た後、60℃で静置乾燥することにより、Erを主たる成分とする微粒子を含有する固形状の本発明のゾル前駆体を得た。得られた前駆体とメチルエチルケトンとを、溶媒中のEr2O3が10%となる様に混合したところ、ゾルが得られた。このゾルを分析に供した結果、Er2O3=10.1%、安定化剤/Er2O3(モル比)=0.45、クエン酸/Er2O3(モル比)=0.40、クエン酸/安定化剤(モル比)=0.89であり、メジアン径156nmであり、分散媒中の水分量は2.2%であった。
Claims (10)
- Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子が分散し、ヒドロキシカルボン酸と安定化剤とを含有する希土類オルガノゾル。
- 前記ヒドロキシカルボン酸が、リンゴ酸、酒石酸、およびクエン酸から選択される少なくとも一種類のものである請求項1記載の希土類オルガノゾル。
- 前記安定化剤が、アミン塩系カチオン型界面活性剤および第4級アンモニウム塩系カチオン型界面活性剤から選択される少なくとも一種類のものである請求項1または2に記載の希土類オルガノゾル。
- 前記ゾルの主溶媒が、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、イソブチルアルコールおよびメチルエチルケトンから選択される少なくとも一種類のものである請求項1〜3のいずれかに記載の希土類オルガノゾル。
- Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤とを含有してなる希土類オルガノゾル前駆体であって、
当該前駆体は、半固形状または固形状であり、有機溶媒に分散可能である希土類オルガノゾル前駆体。 - 前記ヒドロキシカルボン酸が、リンゴ酸、酒石酸、およびクエン酸から選択される少なくとも一種類のものである請求項5記載の希土類オルガノゾル前駆体。
- 前記安定化剤が、アミン塩系カチオン型界面活性剤および第4級アンモニウム塩系カチオン型界面活性剤から選択される少なくとも一種類のものである請求項5または6に記載の希土類オルガノゾル前駆体。
- 以下の工程を包含する希土類オルガノゾルの製造方法。
(1)水存在下にて、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤と、任意成分として水酸化第4級アンモニウムとを含有する混合液を調製する工程。
(2)(1)によって得られた混合液を溶媒置換により希土類オルガノゾルを得る工程。 - 請求項5〜7のいずれかに記載の希土類オルガノゾル前駆体を、有機溶媒に分散させることを特徴とする希土類オルガノゾルの製造方法。
- 以下の工程を包含する希土類オルガノゾル前駆体の製造方法。
(1)水存在下にて、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも一種類の元素の化合物を主たる成分とする微粒子と、ヒドロキシカルボン酸と、安定化剤と、任意成分として水酸化第4級アンモニウムとを含有する混合液を調製する工程。
(2)次の(a)および(b)のいずれか一つを実施する工程。
(a)(1)によって得られた混合液から半固形状または固形状の希土類オルガノゾル前駆体を得る為に脱溶媒または乾燥を行う工程。
(b)(1)によって得られた混合液に有機溶媒を添加した後に、半固形状または固形状の希土類オルガノゾル前駆体を得る為に脱溶媒または乾燥を行う工程。
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